JP4939598B2 - 案内軌条 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明に係る案内軌条は、車両の走行輪が転動可能な軌道に設けられ、前記車両の案内輪に当接して前記走行輪の転動方向を規制する案内軌条であって、前記案内輪に当接する軌条本体と、前記軌条本体のうち、前記案内輪が当接する案内面の裏面に設けられた防振部材とを備えることを特徴とする。
この構成によれば、案内面の裏面に設けられた防振部材を備えるので、騒音を抑止することができる。すなわち、案内面に案内輪が衝突接触したり転動接触したりすると、これらによって生じる振動は、裏面から防振部材に伝達される。そして、この防振部材に伝達された振動は、そのエネルギーが防振部材内の分子の摩擦熱で消費されることにより、減衰することになる。ここで、振動が生じる案内面に対して、この案内面の裏面に防振部材が設けられているので、案内面で生じた振動を裏面の防振部材に効果的に伝達させ、減衰させることができる。従って、案内輪と案内面との接触による振動が軌条本体から空気伝播することによって生じる騒音を効果的に抑止することができる。
この構成によれば、防振部材が裏面の法線方向側に延びる基面にも設けられているので、案内輪と案内面との接触による振動を裏面の他に基面からも防振部材に伝達させる。これにより、基面から伝達した振動も防振部材内で減衰させることができるので、さらに騒音を抑止することができる。
この構成によれば、防振部材を軌条本体に対して締め付けて固定する固定手段を備えるので、防振部材を軌条本体に効果的に密着させることができ、軌条本体から防振部材へ振動の伝達をより効果的に行うことができる。また、軌条本体に対して防振部材を確実に固定して騒音抑止効果を継続的に得ることができる。
この構成によれば、固定手段が防振部材を軌条本体に対して、裏面の法線方向側から締め付けて固定するので、防振部材を軌条本体に更に効果的に密着させることができ、軌条本体から防振部材へ振動の伝達を更に効果的に行うことができる。また、軌条本体の裏面に対して防振部材を確実に固定して騒音抑止効果を継続的に得ることができる。
この構成によれば、固定手段が板状体を防振部材に押圧することにより防振部材を固定するので、固定手段の締付力を板状体の板面全体に分散させて均一的な力で防振部材を軌条本体に固定することができる。従って、軌条本体から防振部材に伝達される振動にムラを生じさせずに、防振部材の各部位において振動を均一的に減衰させることができる。
この構成によれば、防振部材と軌条本体との間に接着材からなる接着層が形成されているので、防振部材を軌条本体に更に効果的に密着させることができ、軌条本体から防振部材へ振動の伝達を更に効果的に行うことができる。また、軌条本体に対して防振部材を確実に固定して騒音抑止効果を継続的に得ることができる。
この構成によれば、板状体が軌条本体に対して非接触に設けられているので、振動が板状体に直接伝達することを抑止する。これにより、振動が板状体から空気伝播して騒音が発生してしまうのを抑止することができる。
この構成によれば、防振部材が軌条本体の長手方向に沿って延びており、固定手段が前記長手方向及び前記長手方向に直交する方向に位置ずれするように千鳥状に複数設けられているので、防振部材を均一的な力で軌条本体に固定することができる。従って、軌条本体からの振動を、防振部材全体に均一的に伝達させて減衰させることができる。
(新交通システムの概略構成)
まず始めに、本発明の実施形態に係る新交通システム(以下、「APM」と称する。)の概略構成について説明する。APMは、ゴムタイヤを有する車両を軌道系交通に取り入れたものであり、車両が軌道を走行するようになっている。なお、以下の説明においては、「車両の進行方向の前後」を、単に「前後」と称する。
車両1は、図1に示すように、車体11と、ゴムタイヤからなる走行輪12と、走行輪12を回動させる電動機(不図示)と、走行輪12の転動方向を規制する案内輪ユニット14とを有している。
なお、車両1は、走行輪12の転動方向を制御する機構を備えていない。
これら複数の案内輪は、二種類に分けることができ、走行案内輪16と分岐案内輪17とがある。
分岐案内輪17は、各案内輪ユニット14において、車体11の幅方向両側に一つずつ配設され、それぞれ走行案内輪16よりも下方に位置しており、接線方向に外力が作用すると自由回転するようになっている。
電車線23は、図1に示すように、軌道2の幅方向両側の側壁部2a,2bのうち側壁部2aに設けられており、集電装置13に電力を供給する。
このような構成により、走行案内軌条30は、軌道2において案内輪ユニット14の走行案内輪16の少なくとも一方を転動させ、走行輪12の転動方向を規制し、軌道2に沿って車両1を走行させるようになっている。
可動案内部41は、図3及び図5に示すように、断面視略L字形(一方がL字形で他方が逆L字形)に形成された長尺状のL形軌条本体(軌条本体)42を備えており、内側面(案内面)42aを幅方向外方側に向けて、軌道2の幅方向両側に一つずつ配設されている。
換言すれば、案内輪ユニット14の二つの分岐案内輪17のうち、一方の分岐案内輪17のみが一方のL形軌条本体42と係合するように、他方の分岐案内輪17が他方のL形軌条本体42と係合しないようになっている。
固定案内部45は、図6に示すように、断面視略逆T字型に形成された長尺状のT形軌条本体(軌条本体)46を備えており、図2及び図4に示すように、分岐軌道2Bの側壁部2a側と、本軌道2Aの側壁部2b側とにそれぞれ一つずつ配設されている。
各T形軌条本体46の外側面(案内面)46aは、L形軌条本体42の内側面42aと連続するように(略面一になるように)配設されている。
続いて、上述した構成のAPM100において分岐案内軌条40の固定案内部45に本発明を適用した例について説明する。
図8に示すように、固定案内部45は、上述したT形軌条本体46と、防振部材50と、それぞれボルト51とナット52とからなる複数の固定ユニット(固定手段)53とを備えている。
防振部材50は、図10に示すように、断面視が略矩形状になっており、図8に示すように、分岐案内輪17が当接する外側面46aの裏面46xと、この裏面46xから裏面46xの法線方向側に延びる基面46yとに密着して固定されている。
この防振部材50は、図8及び図10に示すように、車両10の幅方向に貫通する貫通孔50bが長手方向及び高さ方向に位置が異なるように千鳥状に複数形成されている。
貫通孔50bには、裏面46x側の基端50cに小径ざぐり部が、終端50dに大径ざぐり部がそれぞれ形成されている。
ボルト51は、図10に示すように、一端部51aが裏面46xに溶着されており、図8に示すように、貫通孔50bを挿通している。
ナット52は、図8及び図10に示すように、ボルト51の他端部51b側に螺着している。
この際、ボルト51の一端部51aと裏面46xとの間に生じた肉が基端50cの小径ざぐり部に収容されている。このため、防振部材50のうちの基端50c周辺と、裏面46xとが良好に密着している。
まず、T形軌条本体46にボルト51をスタッド溶接して、裏面46xに対してボルト51の一端部51aを溶着する。そして、ボルト51の配置が長手方向及び長手方向に直交する高さ方向に位置が異なるように千鳥状になるように順次ボルト51を溶接していく。ボルト51の溶着が終了した後に、各ボルト51が貫通孔50bを挿通するように、防振部材50をT形軌条本体46に密着させる。各ボルト51にナット52を螺着させて、締め付けることにより、防振部材50とT形軌条本体46とを密着させる。
この際、固定ユニット53が長手方向及び高さ方向に位置が異なるように千鳥状に設けられているために、裏面46xに対して防振部材50が長手方向及び高さ方向に均等に押し付けられて、均一的に密着する。
図4及び図5に示すように、分岐案内輪17が分岐軌道2B側のL形軌条本体42に係合すると、分岐軌道2B側のT形軌条本体46に案内されて、T形軌条本体46と係合し、車両1を分岐軌道2Bに導く。
図11に示すように、分岐案内軌条40によれば、T形軌条本体46のみからなる分岐案内軌条に対して騒音レベルを約5〜7dB低減させており、騒音抑止効果を確認することができる。
このように構成することで、固定ユニット53が板状部材55を防振部材50に押圧することにより防振部材50を固定するので、固定ユニット53の締付力を板状体の板面全体に分散させて均一的な力で防振部材50をT形軌条本体46に固定することができる。換言すれば、防振部材50に対する各ナット52の押圧箇所が点状であったのを、板状部材55を介することで面状とするために、裏面46xに対して防振部材50をより均一的に密着させることが可能となる。従って、T形軌条本体46から防振部材50に伝達される振動にムラを生じさせずに、防振部材50の各部位において振動を均一的に減衰させることができる。
この際、板状部材55とT形軌条本体46との間には、間隙Cを設けて両者を非接触の状態とすることが望ましい。このようにすることで、基面46yから板状部材55に振動が伝達されて(防振部材50を迂回して伝達されて)、この振動が空気伝播して騒音が生じることを防止することができる。
なお、図12においては、固定ユニット53と接着剤とを重畳的に用いて裏面46xと防振部材50との密着固定性を高めているが、一方のみを用いてもよいし、両方とも省略してもよい。
続いて、上述した構成のAPM100において、走行案内軌条30に本発明を適用した例について説明する。
図14に示すように、走行案内軌条30は、上述したH形軌条本体31と、防振部材50と、複数の固定ユニット53とを備えている。
ここで、固定ユニット53は、基面31yに密着させるように設けられているが、ナット52と基面31yとの間で防振部材50が圧縮変形することで裏面31xの法線方向に膨出することとなり、防振部材50を裏面31x及び対向面31zにも密着させている。
なお、内面31bと走行案内輪16との接触による振動は、裏面31x及び基面31yの他に、対向面31zからも防振部材50に伝達されることとなる。
なお、図13から図15において、下側の空間s2に防振部材50を設けてもよい。
続いて、上述した構成のAPM100において、分岐案内軌条40の可動案内部41に本発明を適用した例について説明する。
図17に示すように、分岐案内軌条40の可動案内部41は、上述したL形軌条本体42と、防振部材50と、複数の固定ユニット53とを備えている。
例えば、上述した実施の形態では、防振部材50として粘弾性体であるウレタンゴムを用いたが、粘弾性材料(流体の流動性を表す「粘性」と固体の復元性を表す「弾性」の両特性を併せ持った材料のことであり、例えば、天然ゴム、合成ゴム、シリコンゴム、アスファルト、プラスチック等がある。)であれば、他のものを用いることができる。
2…軌道
10…車両
12…走行輪
14…案内輪ユニット
16…走行案内輪
17…分岐案内輪
22…走行路
30…走行案内軌条(案内軌条)
31…H形軌条本体(軌条本体)
31b…案内面
31x…裏面
31y…基面
31z…対向面
40…分岐案内軌条(案内軌条)
42…L形軌条本体(軌条本体)
42a…内側面(案内面)
42x…裏面
46…T形軌条本体(軌条本体)
46a…外側面(案内面)
46x…裏面
46y…基面
50…防振部材
53…固定ユニット(固定手段)
55…板状部材(板状体)
56…接着層
Claims (8)
- 車両の走行輪が転動可能な軌道に設けられ、前記車両の案内輪に当接して前記走行輪の転動方向を規制する案内軌条であって、
前記案内輪に当接する軌条本体と、
前記軌条本体のうち、前記案内輪が当接する案内面の裏面に設けられた防振部材と、
前記防振部材を前記軌条本体に対して締め付けて固定する固定手段とを備え、
前記固定手段は、ボルトとナットとで構成され、
前記ボルトは、前記裏面に固定され、前記裏面の法線方向に前記防振部材を貫通し、
前記ナットは、前記防振部材を前記裏面に押し付けるように前記ボルトに螺着されていることを特徴とする案内軌条。 - 前記防振部材は、前記軌条本体のうち、前記裏面と、前記裏面から該裏面の法線方向側に延びる基面とに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の案内軌条。
- 前記軌条本体との間で前記防振部材を挟むように設けられた板状体を備え、
前記ナットは、前記板状体を介して前記防振部材を前記軌条本体に対して押し付けることを特徴とする請求項1又は2に記載の案内軌条。 - 前記防振部材は、前記軌条本体の長手方向に沿って延びており、
前記固定手段は、前記長手方向及び前記長手方向に直交する方向に位置ずれするように千鳥状に複数設けられていることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか一項に記載の案内軌条。 - 前記防振部材と前記軌条本体との間に、接着材からなる接着層が形成されていることを特徴とする請求項1から4のうちいずれか一項に記載の案内軌条。
- 前記裏面と前記裏面から該裏面の法線方向側に延びる基面との交差部に対向する前記防振部材の角部は面取りされていることを特徴とする請求項1から5のうちいずれか一項に記載の案内軌条。
- 車両の走行輪が転動可能な軌道に設けられ、前記車両の案内輪に当接して前記走行輪の転動方向を規制する案内軌条であって、
前記案内輪に当接する案内面と前記案内面の裏面と前記裏面から該裏面の法線方向側に延びる基面とが形成された軌条本体と、
前記軌条本体の裏面及び基面に接するように設けられた防振部材と、
前記防振部材を前記軌条本体に対して締め付けて固定する固定手段とを備え、 前記固定手段は、ボルトとナットとで構成され、
前記ボルトは、前記基面に固定され、前記基面の法線方向に前記防振部材を貫通し、
前記ナットは、前記防振部材を前記基面に押し付けるように前記ボルトに螺着されていることを特徴とする案内軌条。 - 請求項1から7のうちいずれか一項に記載の案内軌条を有する新交通システム。
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