JP4939896B2 - ポリオレフィン系樹脂発泡成形体及びその製造方法、及びそれを用いたサービスホールカバー - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂発泡成形体及びその製造方法、及びそれを用いたサービスホールカバー Download PDF

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Description

本発明は、ポリオレフィン系樹脂発泡成形体及びその製造方法、及びそれを用いたサービスホールカバーに関するものである。さらに詳しくは、ポリオレフィン系樹脂発泡体を加熱、加圧することにより少なくとも一部分を加熱、加圧し、透明化させた発泡体及びその製造方法、並びに透明化させることで車体ドアのインナーパネルへの取り付けを容易にした発泡体を用いたサービスホールカバーに関するものである。
ポリオレフィン系樹脂を用いた発泡体は、柔軟性や緩衝性、断熱性に優れるため、様々な工業分野で使用されている。例えば、粘着テープの基材として使用されたり、断熱材として使用されている。粘着テープの基材として使用する場合においては、発泡体の柔軟性を利用して、凹凸のある壁等にも取り付けが容易となるが、セロハンテープ等の透明なフィルム状の基材を有する粘着テープと比較して、その取り付け位置の位置決めがしにくいという問題点があった。
この様な例として特許文献1には、硬質合成樹脂シートの片面に、軟質発泡体を基材とする両面粘着シートが積層され、両面粘着シートの硬質合成樹脂シート側粘着層表面の一半部に、再剥離性粘着層が設けてなることを特徴とする粘着ファスナーが提案されている。また、当該硬質合成樹脂シートが、透明もしくは半透明のものからなる粘着ファスナーが提案されている。この粘着ファスナーは硬質合成樹脂シートは透明であるものの、軟質発泡体層が透明ではないため、構成品としての透明性は損なわれており、従って裏面には再剥離性粘着層を設けることが必要となっている。しかし取り付け位置を決めるために再剥離を繰り返すと、ゴミ等が付着したりして、粘着力が低下する懸念がある。そのため、断熱性や緩衝性の目的で発泡体を使用する必要があり、かつ位置を調整しながら取り付ける必要がある場合などは、透明なフィルムに必要な部分だけ発泡体を積層した積層品が用いられている。この場合、粘着剤の塗布や、所望の形状に併せてカットする必要があり、作業内容が煩雑であるためコストアップに繋がる可能性がある。このため、簡易に製造でき、かつ取り付け位置などの確認が容易となるように、例えば全体、または部分的に透明化されたポリオレフィン系樹脂発泡体の開発が切望されていた。
しかし発泡体を透明化しようとしても、一般的に発泡体は内部に気泡を有しており、発泡体を構成する樹脂と、気泡内の空気と、光の屈折率が異なるために、透明化することは非常に困難である。一部、発泡倍率の非常に低い範囲で、元来透明である石英ガラスや、アクリル樹脂等を発泡させたものが透明または半透明の発泡体として開発されているが、使用される用途は非常に限定的である。一方、軟質発泡体、殊にポリオレフィン系樹脂発泡体においては、全体、または部分的に透明化された発泡体は提案されておらず、その開発が切望されている。
自動車のドアのインナーパネルには複数の作業穴(サービスホール)が形成されており、この作業穴から車室内またはパワーウインドウ等のモータ部分への浸水、埃や冷風の侵入を防止する目的で、合成樹脂フィルムによるサービスホールカバーが設置されている(特許文献2)。サービスホールカバーの室内側には、ドアトリムが配置され、ドアトリムはクリップやネジ等でインナパネルに取り付けられている。サービスホールカバーはインナーパネルに予め設置されたブチルゴム等のシーラントに貼着される。この際、所望の位置に貼着するため、サービスホールカバーを構成する合成樹脂フィルムは透明であることが必要であり、主にポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂が用いられている。
しかし、これら合成樹脂フィルムは成形性が悪いため、合成樹脂フィルムからなるサービスホールカバーは、ドアポケットやスピーカー部に対応した凹凸部については比較的大形であって深さも深いため、凹凸部分だけを別途真空成形等により成形したものを所定の位置に貼り合わせたりする必要があった。これを解決する方法として、特許文献3には発泡プラスチックを板状に成形した発泡板を立体的に成形して凸部又は凹部を成形することにより製造したサービスホールカバーが提案されている。このようにして製造されたサービスホールカバーは、製造工程が比較的短縮され、フィルムから発泡体となったことで、密閉性を向上させるために裏面にフェルト等を貼る必要が無くなり、簡易で安価なものである。また、フィルム特有の風によるビビリ音等も軽減できる可能性もある。しかし、このサービスホールカバーを車両ドアのインナーパネルに取り付ける際は、透明な部位を有していないため、取り付け位置が分かりにくく、取り付け作業に手間がかかる可能性があり、折角安価に製造したサービスホールカバーであっても、取り付け段階で手間がかかってしまい、トータルとしてのコストダウンには繋がらない可能性がある。また、対策として、サービスホールだけでなく、インナーパネル全体にフィットする様なものにすることも考えられるが、取り付けが容易になってもサイズが大きくなり、やはりコストメリットが出にくくなると考えられる。
実開平03−125037号公報 実開平03−47225号公報 特開平11−179797号公報
上記のように、本発明が解決しようとする課題は、所望の取り付け位置が明確になるように、少なくとも一部分を透明化させた発泡成形体及びその最適な製造方法を提供すること、更には、得られた透明化された発泡成形体を用いて、取り付けが容易で、雨水や埃、冷風等の侵入を防止することができるサービスホールカバーを提供することにある。
上記従来技術に鑑み誠意検討した結果、本発明を完成させるに至った。すなわち本発明は、以下の構成を有するものである。
(1)独立気泡構造を有し、ゲル分率5%以上の架橋発泡体である、密度が300kg/m3以下のポリオレフィン系樹脂発泡体の少なくとも一部分を加熱、加圧し、透明化させたことを特徴とする、ポリオレフィン系樹脂発泡成形体。
(2)前記ポリオレフィン系樹脂発泡体が電離性放射線により樹脂が架橋されている(1)に記載のポリオレフィン系樹脂発泡成形体。
(3)透明化された部分の全光線透過率が30%以上である(1)または(2)に記載のポリオレフィン系樹脂発泡成形体。
(4)独立気泡構造を有し、ゲル分率5%以上の架橋発泡体である、密度が300kg/m3以下のポリオレフィン系樹脂発泡体の少なくとも一部分を加熱、加圧することにより透明化することを特徴とする、ポリオレフィン系樹脂発泡成形体の製造方法。
(5)加熱温度が50〜200℃の範囲である(4)に記載のポリオレフィン系樹脂発泡成形体の製造方法。
(6)ポリオレフィン系樹脂発泡体を真空成形、及び/またはカットする工程を含む、(4)または(5)に記載のポリオレフィン系樹脂発泡成形体の製造方法。
(7)スライス加工したポリオレフィン系樹脂発泡体を用いてなる、(4)〜(6)のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂発泡成形体の製造方法。
(8)密度が300kg/m3以下のポリオレフィン系樹脂発泡体の少なくとも一部分を加熱、加圧し、透明化させたポリオレフィン系樹脂発泡成形体の、透明化させた部分の少なくとも一部を自動車ドアのインナーパネルに接着させたことを特徴とするサービスホールカバー。
(9)前記ポリオレフィン系樹脂発泡体が独立気泡構造を有し、ゲル分率5%以上の架橋発泡体である(8)に記載のサービスホールカバー。
(10)前記ポリオレフィン系樹脂発泡体が電離性放射線により樹脂が架橋されている(8)または(9)に記載のサービスホールカバー。
(11)透明化された部分の全光線透過率が30%以上である(8)〜(10)のいずれかに記載のサービスホールカバー。
(12)前記(4)〜(7)のいずれかに記載の方法により製造された(8)〜(11)のいずれかに記載のサービスホールカバー。
本発明によれば、ポリオレフィン系樹脂発泡体を部分的に透明化させることで、所望の取り付け位置への取り付けが容易になることに加え、フィルム等との貼り合わせを行う必要が無いため、コストダウンにも繋がる。さらに、この発泡成形体をサービスホールカバーに適用することで、作業性を低下させずに、雨水、埃、冷風等の侵入を防止し、フィルムに比べて防音性能を向上させ、かつ軽量であるサービスホールカバーを提供することが出来る。
以下、本発明について望ましい実施の形態とともに、詳細に説明する。
本発明の発泡成形体を得るために用いるポリオレフィン系樹脂発泡体は、その密度が300kg/m3以下であることが必要である。発泡体の密度が300kg/m3を超えると、発泡体を構成する気泡の膜厚みが厚くなり、加熱、圧縮により気泡破壊が起こりにくく、結果透明性が低下する可能性があるため、好ましくない。さらに、密度が300kg/m3を超えると、柔軟性や軽量性も著しく低下し、発泡体としての風合いも損なわれるため密閉性が低下する可能性があるため好ましくない。なお、発泡体の密度はJIS K6767(1999年)に従って測定した値のことである。
本発明で用いられるポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリプロピレン(PP)、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリ−1−ブテン、1,2−ポリブタジエン及びその水素添加物、ポリイソブチレン、プロピレンとエチレンおよび/または1−ブテンとのあらゆる比率でのランダム共重合体またはブロック共重合体、ポリメチルペンテン、シクロペンタジエンとエチレンおよび/またはプロピレンとの共重合体などの環状ポリオレフィン、およびエチレンとプロピレンとのあらゆる比率においてジエン成分が50重量%以下であるエチレン−プロピレン−ジエン3元共重合体、エチレンまたはプロピレンと50重量%以下の例えば酢酸ビニル、メタクリル酸アルキルエステル、アクリル酸エステル、芳香族アルキルエステル、芳香族ビニルなどのビニル化合物などとのランダム共重合体、ブロック共重合体またはグラフト共重合体などが挙げられ、これらを単独で、または2種以上混合して用いることができる。
これらのポリオレフィン系樹脂の重合方法は特に制限はなく、高圧法、スラリー法、溶液法および気相法等の何れでも良く、重合触媒についても、チーグラー触媒やメタロセン触媒等、特に制限されるものではない。これらのポリオレフィン系樹脂は、目的とする樹脂組成物および発泡体の特性に応じて、必要であれば2種類以上用いても良いし、機能を付与する目的で、カルボン酸等で変性されたものであっても良い。但し、ホモポリプロピレンとポリエチレンとを混合するなど、相溶性が十分でない樹脂を混合すると、加熱、加圧した部分が白濁し、透明性が低下する可能性があるため、注意する必要がある。この場合は、ホモポリプロピレンではなく、エチレンが少量共重合したプロピレン−エチレン共重合体を用いることにより、解決できる場合がある。
これらのポリオレフィン系樹脂は、その結晶化度は低い方が、加熱、加圧後により透明になりやすいため好ましい。例えば、ポリオレフィン系樹脂としてポリエチレンを使用する場合は、結晶化度の低い低密度ポリエチレンの方が、結晶化度の高い高密度ポリエチレンよりも透明度の高い発泡成形体が得られるため、結晶化度が好ましくは80%以下、より好ましくは70%以下、さらに好ましくは65%以下であるポリエチレン系樹脂が好ましい。
本発明で使用するポリオレフィン系樹脂発泡体は、独立気泡構造を有している。連続気泡発泡体であると、止水性が低下する可能性があるため好ましくない。このため、発泡体の独立気泡率は95%以上であることが好ましい。尚、発泡体の独立気泡率は、ASTM−D2856に従って測定した値のことである。
本発明で使用するポリオレフィン系樹脂発泡体の引張荷重及び引張伸度は高ければ高い方が透明化する際に破れにくく、透明化された部分が破れにくくなるため好ましい。一方引張荷重が高すぎると発泡体を透明化させることが困難となる。また、引張伸度は低いと発泡体が破れやすくなるため、引張伸度は100%以上であることが好ましい。なお、発泡体の引張荷重及び引張伸度は、JIS K6767に従って測定を行った。
また、本発明で使用するポリオレフィン系樹脂発泡体は、ゲル分率が5%以上の架橋発泡体である。架橋発泡体とすることで、透明化する際に加熱、加圧した場合に収縮や形状変化を起こすことが少なくなるためである。ゲル分率は5%以上であり、好ましくは10%以上である。ゲル分率の上限値は特に定められないが、高すぎると発泡体の耐熱性が高くなり、加熱、加圧により透明化されにくくなる可能性があるため60%以下であることが好ましい。尚、発泡体のゲル分率は以下のようにして測定した値のことである。1〜5mm程度に細かく裁断したポリオレフィン系樹脂発泡体約50mgを精密に秤量し、130℃の温度のテトラリン25mlに3時間浸漬した後、200メッシュのステンレス製金網で濾過して、アセトンで洗浄、金網上の不溶解分を真空乾燥する。次いで、この不溶解分の重量を精密に秤量し、下記の式に従って算出した値のことである。
ゲル分率(%)={不溶解分の重量(mg)/秤量したポリオレフィン系樹脂発泡体の重量(mg)}×100
本発明で使用するポリオレフィン系樹脂発泡体は、電離性放射線を用いて架橋させて製造されたものであることが好ましい。架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を得る方法として、シラン架橋法、有機過酸化物を用いた架橋法、電離性放射線を用いた架橋法などが挙げられるが、シラン架橋法では発泡体の表面が美麗でないため使用される用途に制限がある可能性あり、有機過酸化物を用いた架橋法では発泡体のセル膜厚みが厚くなりやすく、加熱、加圧して透明化する条件が制約される可能性がある。これに比べて、電離性放射線を用いて架橋させた場合は、架橋させる工程と、発泡させる工程とが独立しているため、発泡体の外観は美麗で、セル膜も細かく均一であることから、加熱、加圧したときに容易に透明化することが可能であり、得られた発泡成形体の外観も良好となるため、最も好ましい。
ここで、本発明において透明とはどの程度のことであるかについて説明する。本発明の目的は、容易に取り付け位置を決定できるポリオレフィン系樹脂発泡成形体を作成することにあることから、取り付けたい位置が透明化された部分を介して見える程度の透明性が必要である。そのため、本発明の発泡成形体において、透明化された部分の全光線透過率は30%以上100%以下であることが好ましく、より好ましくは40%以上100%以下である。全光線透過率が30%を下回ると、透明性が低下するため、取り付け位置等の決定に支障をきたす可能性があり好ましくない。尚、全光線透過率はJIS K7105(1981年)に記載のA法に準じて測定したものである。また、透明化された部分が複数箇所あってもよく、透明化された部分の位置も特に限定されるものではい。透明化された場所が複数箇所ある場合、その全光線透過率はそれぞれの場所によって異なっていてもよい。
また、本発明で使用するポリオレフィン系樹脂発泡体には、様々な要求特性を満足するために、本発明の効果を阻害しない範囲において、種々の従来公知の添加剤成分を添加してもよい。例えば、添加剤として、架橋を容易にするため分子内に複数個の不飽和結合を有する架橋助剤や、有機過酸化物、加熱時の発泡体の劣化等を防止するための酸化防止剤、離型性向上させるための滑剤、熱安定剤、顔料、難燃剤、難燃助剤、帯電防止剤、核剤、可塑剤、抗菌剤、発泡剤分解促進剤、光安定剤、紫外線吸収剤、ブロッキング防止剤、充填剤、防臭剤、増粘剤、気泡安定剤、および金属害防止剤などを、単独もしくは2種類以上併用して添加してもよい。
本発明で使用するポリオレフィン系樹脂発泡体の形状としては、シート状、ブロック状および粒子状等種々の形状のものが挙げられるが、シート状の発泡体が最も好ましい。
本発明のポリオレフィン系樹脂発泡成形体は、必要に応じて、部分的に、もしくは透明性を阻害しなければ全面に、フィルムやシート等のシート状物、編物や不織布等の布帛状物、或いは天然皮革等を貼り合わせたものでもよい。
本発明で使用するポリオレフィン系樹脂発泡体に関して、本発明に係るポリオレフィン系樹脂発泡成形体においては、前述の如く架橋発泡体を使用することとしているが、本発明に係るサービスホールカバーにおいては、無架橋発泡体の使用も可能である。このような本発明で使用するポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法は従来より公知の製造方法によって製造することができる。無架橋発泡体の場合は、炭酸水素ナトリウムやアゾジカルボンアミド等の熱分解型発泡剤、または炭酸ガスやフロン、揮発性炭化水素等の物理発泡剤をポリオレフィン系樹脂に所定量配合し、サーキュラーダイより押し出し、発泡させることにより製造することができる。架橋発泡体の場合は、例えば、ポリオレフィン系樹脂と熱分解型発泡剤と各種添加剤とを均一に混合、溶融混練し、長尺シートに成形した後、電離性放射線を照射するか、予め配合しておいたジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物を分解させることによりポリオレフィン系樹脂を架橋させ、これを熱風や熱媒等に接触させることにより、熱分解型発泡剤を分解させることにより発泡体を製造することができる。無架橋発泡体よりも架橋発泡体の方が表面が平滑であり好ましい。また発泡体の密度は、発泡剤の配合量や種類、発泡時の加熱温度、架橋発泡体においては架橋度等を最適化することにより、目的の値とすることができる。
次に本発明のポリオレフィン系樹脂発泡成形体の製造方法について説明する。
本発明のポリオレフィン系樹脂発泡成形体は、独立気泡構造を有し、ゲル分率5%以上の架橋発泡体である、密度が300kg/m3以下のポリオレフィン系樹脂発泡体の少なくとも一部分を加熱、加圧することにより透明化することにより透明化することにより製造される。
ポリオレフィン系樹脂発泡体の加熱の方法は従来より公知の方法を用いてよく、例えば赤外線ヒーターやオーブンによる加熱、加熱した熱媒による加熱、高周波ウエルダーによる加熱等、特に限定されるものではない。加熱する場所は全体であっても、透明にしたい場所だけであってもよい。
ポリオレフィン系樹脂発泡体を加熱する際の温度は、発泡体の厚みや目的とする透明度、使用する樹脂、加熱する時間、加圧時の圧力等によって、適宜定める必要があるが、大凡50〜200℃の範囲である。50℃を下回ると、非常に高い圧力で加圧する必要があり、比較的低融点の樹脂しか使用できなくなり、得られたポリオレフィン系樹脂発泡成形体の耐熱性が低下する可能性があるため好ましくない。一方、200℃を超えると、加熱に必要なエネルギーが高くなるほか、得られた発泡成形体の表面性が悪くなる可能性があるため、好ましくない。
ポリオレフィン系樹脂発泡体の加圧方法についても従来より公知の方法を用いてよく、例えば縦型、横型のプレス機による加圧等が挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂発泡体の加圧時の圧力についても、発泡体の厚みや目的とする透明度、使用する樹脂、加熱する時間、加熱時の温度等によって、適宜定める必要があるが、1000kg/cm2以下であることが好ましい。1000kg/cm2を超えると発泡体に与えるダメージが大きく、ポリオレフィン系樹脂発泡成形体の表面性が悪くなったり、透明化しようとした部分が破れてしまう可能性があるため好ましくない。
ポリオレフィン系樹脂発泡体の加熱および加圧の方法は特に限定されず、加熱した鉄板等を用いて同時に行ってもよいし、一旦加熱してから速やかに加圧してもよい。
ポリオレフィン系樹脂発泡体の厚みは、目的とするポリオレフィン系樹脂発泡成形体の厚み、形状、及び発泡体の密度によっても左右されるが、厚すぎると透明化することが困難であり、薄すぎると透明化した部分の強度が不十分になる可能性があるため、0.1〜10mmの範囲であることが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂発泡体を加熱、加圧しポリオレフィン系樹脂発泡成形体を作成する過程に於いて、真空成形やトリミング等のカットする工程を含んでいることは非常に好ましい態様である。この様な例としては、発泡体を加熱して所望の形状に真空成形すると同時に、必要な部分のみ加圧し透明化させる方法が挙げられる。真空成形に変えてプラグアシスト等によるプレス成形、ブロー成形等であってもよい。さらには、発泡体を加熱し、必要な部分のみを加圧し透明化させると同時に、不要な部分をトムソン刃等を用いてカットする方法等が挙げられる。これらの方法を用いることで、生産性が非常に向上し、発泡成形体を非常に低コストで製造する事が出来る。
また、スライス加工されたポリオレフィン系樹脂発泡体を用いることは好ましい態様の一つである。ポリオレフィン系樹脂発泡体は、その表層にスキン層を有しており、この表層部分は内層部分に比べて、一般的に密度が高いため、同じ条件で加熱、加圧して透明化しようとしてもスキン層を有するものは透明度が低くなる。このため、発泡体を予めスライス加工してスキン層を除いた発泡体を用いると、比較的容易に透明化が可能である。表層有無により条件が異なってしまう可能性がある場合は、発泡体を半裁スライスとすれば常に片方に表層をもった発泡体とすることが出来るため、条件も一定に出来るので好ましい。
本発明のポリオレフィン系樹脂発泡成形体の引張荷重及び引張伸度は高ければ高い方がサービスホールカバーとして自動車のドアに取り付ける際に破れにくく、作業性が向上するため好ましい。発泡成形体の引張荷重及び引張伸度は、成形前の発泡体の引張荷重及び引張強度とある程度の相関があるため、発泡成形体の引張荷重を高めるためには、成形前の発泡体の引張荷重を高める必要がある。ただし高すぎると前述のように透明化することが困難となる。また、引張伸度は低いと発泡成形体が破れやすくなるため、好ましくは引張伸度は70%以上であり、より好ましくは100%以上である。
次に、本発明のポリオレフィン系樹脂発泡成形体を用いたサービスホールカバーについて、図面を参照して説明する。
本発明のサービスホールカバー1は、密度が300kg/m3以下のポリオレフィン系樹脂発泡体から製造される。発泡体の密度が300kg/m3を超えると、発泡体を構成する気泡の膜厚みが厚くなり、加熱、圧縮により気泡破壊が起こりにくく、結果透明性が低下する可能性があるため、好ましくない。さらに、密度が300kg/m3を超えると、柔軟性や軽量性も著しく低下し、発泡体としての風合いも損なわれるため密閉性が低下する可能性があるため好ましくない。なお、発泡体の密度はJISK6767(1999年)に従って測定した値のことである。
本発明で用いられるポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリプロピレン(PP)、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリ−1−ブテン、1,2−ポリブタジエン及びその水素添加物、ポリイソブチレン、プロピレンとエチレンおよび/または1−ブテンとのあらゆる比率でのランダム共重合体またはブロック共重合体、ポリメチルペンテン、シクロペンタジエンとエチレンおよび/またはプロピレンとの共重合体などの環状ポリオレフィン、およびエチレンとプロピレンとのあらゆる比率においてジエン成分が50重量%以下であるエチレン−プロピレン−ジエン3元共重合体、エチレンまたはプロピレンと50重量%以下の例えば酢酸ビニル、メタクリル酸アルキルエステル、アクリル酸エステル、芳香族アルキルエステル、芳香族ビニルなどのビニル化合物などとのランダム共重合体、ブロック共重合体またはグラフト共重合体などが挙げられ、これらを単独で、または2種以上混合して用いることができる。
これらのポリオレフィン系樹脂の重合方法は特に制限はなく、高圧法、スラリー法、溶液法および気相法等の何れでも良く、重合触媒についても、チーグラー触媒やメタロセン触媒等、特に制限されるものではない。これらのポリオレフィン系樹脂は、目的とする樹脂組成物および発泡体の特性に応じて、必要であれば2種類上用いてもよいし、機能を付与する目的で、カルボン酸等で変性されたものであってもよい。但し、ホモポリプロピレンとポリエチレンとを混合するなど、相溶性が十分でない樹脂を混合すると、加熱、加圧した部分が白濁し、透明性が低下する場合があるため、注意する必要がある。この場合は、ホモポリプロピレンではなく、エチレンを少量共重合したプロピレン−エチレン共重合体を用いることにより、解決できることがある。
これらのポリオレフィン系樹脂は、その結晶化度は低い方が、加熱、加圧後により透明になりやすいため好ましい。例えば、ポリオレフィン系樹脂としてポリエチレンを使用する場合は、結晶化度の低い低密度ポリエチレンの方が、結晶化度の高い高密度ポリエチレンよりも透明度の高い発泡成形体が得られるため、結晶化度が好ましくは80%以下、より好ましくは70%以下、さらに好ましくは65%以下であるポリエチレン系樹脂が好ましい。
これらのポリオレフィン系樹脂の中でも、エチレンまたはプロピレンと50重量%以下の例えば酢酸ビニル、メタクリル酸アルキルエステル、アクリル酸エステル等の共重合体を使用することで、得られる発泡体の引張伸度が高くなり、これを透明化したポリオレフィン系樹脂発泡成形体の引張伸度も高くなるため、好ましい態様の一つである。
本発明のサービスホールカバー1で使用するポリオレフィン系樹脂発泡体は、独立気泡構造を有していることが好ましい。連続気泡発泡体であると、止水性が低下する可能性があるため好ましくない。このため、発泡体の独立気泡率は95%以上であることが好ましい。尚、発泡体の独立気泡率は、JISK6767に従って測定した値のことである。
図1において、本発明のサービスホールカバー1は、ポリオレフィン系樹脂発泡体を真空成形し、次いで部分的に加熱、加圧することにより透明化し、自動車ドアのインナーシールへの取り付けを容易にしている。また図2は、図1のA−A’断面図を示す。
ポリオレフィン系樹脂発泡体の加熱の方法は従来より公知の方法を用いて良く、例えば赤外線ヒーターやオーブンによる加熱、加熱した熱媒による加熱、高周波ウエルダーによる加熱等、特に限定されるものではない。加熱する場所は全体であっても、透明にしたい場所だけであってもよい。
ポリオレフィン系樹脂発泡体を加熱する際の温度は、発泡体の厚みや目的とする透明度、使用する樹脂、加熱する時間、加圧時の圧力等によって、適宜定める必要があるが、大凡50〜200℃の範囲である。50℃を下回ると、非常に高い圧力で加圧する必要があり、比較的低融点の樹脂しか使用できなくなり、得られたポリオレフィン系樹脂発泡成形体の耐熱性が低下する可能性があるため好ましくなく、90℃以上であることがより好ましい。一方、200℃を超えると、加熱に必要なエネルギーが高くなるほか、得られた発泡成形体の表面性が悪くなる可能性があるため、好ましくなく、190℃以下であることがより好ましい。
ポリオレフィン系樹脂発泡体の加圧方法についても従来より公知の方法を用いてよく、例えば縦型、横型のプレス機による加圧等が挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂発泡体の加圧時の圧力についても、発泡体の厚みや目的とする透明度、使用する樹脂、加熱する時間、加熱時の温度等によって、適宜定める必要があるが、1000kg/cm2以下であることが好ましい。1000kg/cm2を超えると発泡体に与えるダメージが大きく、ポリオレフィン系樹脂発泡成形体の表面性が悪くなったり、透明化された部分が破れてしまう可能性があるため好ましくない。
ポリオレフィン系樹脂発泡体の加熱および加圧は、加熱した鉄板等を用いて同時に行ってもよいし、一旦加熱してから速やかに加圧してもよい。
ポリオレフィン系樹脂発泡体の厚みは、目的とするポリオレフィン系樹脂発泡成形体の厚み、形状、及び発泡体の密度によっても左右されるが、厚すぎると透明化することが困難であり、薄すぎると透明化した部分の強度が不十分になる可能性があるため、0.1〜10mmの範囲であることが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂発泡体を加熱、加圧し、部分的に透明化した部分2は、インナーシールへの取り付け位置を明確にするため、全光線透過率は30%以上であることが好ましく、より好ましくは40%以上である。全光線透過率が30%を下回ると、透明性が低下するため、取り付け位置等の決定に支障をきたす可能性があり好ましくない。
上記の理由のため、本発明のサービスホールカバー1に使用するポリオレフィン系樹脂は、その結晶化度は低い方が、加熱、加圧後により透明になりやすいため好ましい。例えば、ポリオレフィン系樹脂としてポリエチレンを使用する場合は、結晶化度の低い低密度ポリエチレンの方が、結晶化度の高い高密度ポリエチレンよりも透明度の高い発泡成形体が得られるため、結晶化度が好ましくは80%以下、より好ましくは70%以下、さらに好ましくは65%以下であるポリエチレン系樹脂が好ましい。
本発明のサービスホールカバー1で使用するポリオレフィン系樹脂発泡体は、電離性放射線を用いて架橋させて製造されたものであることが好ましい。架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を得る方法として、シラン架橋法、有機過酸化物を用いた架橋法、電離性放射線を用いた架橋法などが挙げられるが、シラン架橋法では発泡体の表面が美麗でないため使用される用途に制限がある可能性あり、有機過酸化物を用いた架橋法では発泡体のセル膜厚みが厚くなりやすく、加熱、加圧して透明化する条件が制約される可能性がある。これに比べて、電離性放射線を用いて架橋させた場合は、架橋させる工程と、発泡させる工程とが独立しているため、発泡体の外観は美麗で、セル膜も細かく均一であることから、加熱、加圧したときに容易に透明化することが可能であり、得られた発泡成形体の外観も良好となるため、最も好ましい。
また、本発明のサービスホールカバー1には、ドアトリムやインナーパネルに取り付けられる部品形状により、真空成形などによって成形した凹み部分3が設けられている。凹み部分3は、ドアトリムやインナーパネルの形状によっては凸部分にもなりうる。この様な凹み(凸)部分3を有することで、サービスホールカバーとインナーパネルの密着性を向上させることが出来る。また、従来の熱可塑性樹脂のフィルムを用いたサービスホールカバーにおいては、当該箇所は別途フィルムの成形品を作成し、これを貼り合わせたりすることが多かった。このため、製造に手間がかかってしまっていたが、本発明のサービスホールカバーでは、これを真空成形することで容易に成形可能である。また、真空成形以外にも、プラグアシスト等によるプレス成形、ブロー成形等であってもよい。
真空成形等により、凹み部分3を成形するためには、本発明で使用するポリオレフィン系樹脂発泡体は、ゲル分率が5%以上の架橋発泡体であることが好ましい。架橋発泡体とすることで、加熱した場合に収縮や形状変化を起こすことが少なくなるためである。ゲル分率は5%以上であることが好ましく、さらに好ましくは10%以上である。ゲル分率の上限値は特に定められないが、高すぎると発泡体の耐熱性が高くなり、加熱、加圧により透明化されにくくなる可能性があるため60%以下であることが好ましい。尚、発泡体のゲル分率は以下のようにして測定した値のことである。1〜5mm程度に細かく裁断したポリオレフィン系樹脂発泡体約50mgを精密に秤量し、130℃の温度のテトラリン25mlに3時間浸漬した後、200メッシュのステンレス製金網で濾過して、アセトンで洗浄、金網上の不溶解分を真空乾燥する。次いで、この不溶解分の重量を精密に秤量し、下記の式に従って算出した値のことである。
ゲル分率(%)={不溶解分の重量(mg)/秤量したポリオレフィン系樹脂発泡体の重量(mg)}×100
また、本発明のサービスホールカバー1には、ハーネス等を通すための孔4が設けられている。この孔4は、例えば一旦真空成形で円筒状に成形後に、部分的にカットすることで容易に作成することが可能である。
本発明のサービスホールカバーには、必要に応じて、部分的に、もしくは透明性を阻害しなければ全面に、フィルムやシート等のシート状物、編物や不織布等の布帛状物、或いは天然皮革等を貼り合わせたものでもよい。特に不織布等の嵩高いシート等を積層する事で、車室内の静粛性を向上させることができ、好ましい態様である。この様な嵩高性不織布としては、目付が600g/m2以下のものが好ましく、ポリプロピレンやポリエチレンテレフタレート等の繊維からなるものや、ウレタン発泡体等が例示される。
以下に、実施例に基づいて説明する。以下の実施例及び比較例において、透明化された部分の光線透過率は、JIS K7105(1981年)に記載のA法に則り、スガ試験機株式会社製全自動直読ヘーズコンピューターHGM−2DP(C光源用)を用いて測定を行った。発泡成形体の透明化された部分について、表面、裏面からそれぞれ光線を入射して測定し、その平均値を測定対象物の全光線透過率とした。
発泡体の独立気泡率は、ASTM−D2856に記載されているエアーピクノメーター法により、東京サイエンス株式会社製 空気比較式比重計1000型により測定を行った。発泡体の引張強度及び伸度は、JISK6767に従って測定を行った。また、発泡成形体の引張強度及び伸度は、JISK6767に準じて測定を行った。ただし、サンプルの形状は幅10mm、長さ60mm以上の短冊状とし、サンプルの上下2点をチャックし、その間隔が40mmとなるように調整した。ここで、透明化された部分がチャック間になるように調整した。
〔製造例1〕
密度が0.923g/cm3の低密度ポリエチレン100kg(日本ポリエチレン株式会社製LE602)と、熱分解型発泡剤としてアゾジカルボンアミドを11kg、熱安定剤としてチバ・スペシャリティーケミカルズ(株)製イルガノックス1010を0.5kgをヘンシェルミキサーで均一に混合した。これをシリンダーの前半部を160℃、後半部を140℃に設定したスクリュー直径150mm、L/D=34の単軸押出機を用いて、180kg/hの吐出量で、シート厚み1.95mm、幅310mmの長尺シートを作成した。このシートの両面に、加速電圧600kVで、40kGyの電子線を照射して樹脂を架橋させた後、240℃に設定した熱風発泡炉に連続的に供給、約5分程度加熱することで、連続シート状の発泡体を作成し、1000mm幅となるように端部のエッジを切り落として、巻き取った。作成した発泡体は厚みが4mm、密度が35kg/m3、ゲル分率が23%の外観良好な発泡体であった。得られた発泡体を、厚みが半分になるように半裁し、片面にスキン面を有する厚みが2mmの発泡体を作成した。得られた発泡体の独立気泡率は、98%、発泡体の破断点強度は8N、破断点伸度は180%であった。
〔製造例2〕
製造例1において、熱分解型発泡剤の添加量を0.9kgとした以外は同様の方法で発泡体を作成し、厚みが2.2mm、密度が350kg/m3、幅が300mm、ゲル分率が25%の発泡体を作成した。得られた発泡体の片面を0.2mmスライスし、片面にスキン面を有する厚みが2mmの発泡体を作成した。得られた発泡体の独立気泡率は、99%、発泡体の破断点荷重は65N、破断点伸度は250%であった。
〔製造例3〕
密度が0.940g/cm3、酢酸ビニル含量が約18%のエチレン−酢酸ビニル共重合体100kg(東ソー株式会社製 ウルトラセン3302)と、熱分解型発泡剤としてアゾジカルボンアミドを3.5kg、熱安定剤としてチバ・スペシャリティーケミカルズ(株)製イルガノックス1010を0.5kgをヘンシェルミキサーで均一に混合した。これをシリンダーの前半部を145℃、後半部を130℃に設定したスクリュー直径150mm、L/D=34の単軸押出機を用いて、180kg/hの吐出量で、シート厚み1.1mm、幅550mmの長尺シートを作成した。このシートの両面に、加速電圧600kVで、25kGyの電子線を照射して樹脂を架橋させた後、240℃に設定した熱風発泡炉に連続的に供給、約5分程度加熱することで、連続シート状の発泡体を作成し、1000mm幅となるように端部のエッジを切り落として、巻き取った。作成した発泡体は厚みが2mm、密度が125kg/m3、ゲル分率が29%の外観良好な発泡体であった。得られた発泡体の独立気泡率は、99%、発泡体の破断点荷重は45N、破断点伸度は500%であった。
〔実施例1〕
製造例1で作成した発泡体を縦、横を30cm×30cmにカットし、4辺を幅3cm、厚さが1.5mmの金属板で両面から挟み、クリップで止めて固定した。これを、125℃に設定したオーブンに入れ、1分間加熱後にオーブンから取り出し、先端が直径10cmの円筒状になっている金型を用いて、先端部分を125℃に設定し、100kg/cm2の圧力で、30秒間プレスした。30秒経過後に圧力を解放、プレス機から取り出し、30秒間冷却することで、直径10cmの円状に部分的に透明化されたポリオレフィン系樹脂発泡成形体を作成した。
作成した発泡成形体には破れ等は見られず、このものの全光線透過率を測定したところ、75%であり良好な透明性を有しているものであった。また、透明化された部分の厚さは0.10mmであり、破断点荷重は7N、破断点伸度は78%であった。
〔実施例2〕
製造例3で作成した発泡体を縦、横を30cm×30cmにカットし、先端部分の温度を180℃に加熱した金型を用いて、プレス時の圧力を20kg/cm2、プレス時間を20秒とした以外は、実施例1と同様の方法によりプレスを行った。作成した発泡成形体 には破れ等は見られず、このものの全光線透過率を測定したところ、65%であり良好な透明性を有しているものであった。また、透明化された部分の厚さは0.13mmであり、破断点荷重は35N、破断点伸度は140%であり、機械的強度に優れるものであった。
〔比較例1〕
製造例2で作成した発泡体を用いて、実施例1と同様の作業を行ったところ、プレスされた直径10cmの円部分は、元の厚み2mmに対して凹みは見られるものの、その部分の透明性は十分ではなかった。このものの全光線透過率を測定したところ、17%であり、透明性は十分ではなかった。
本発明によれば、ポリオレフィン系樹脂発泡体を部分的に透明化させることで、所望の取り付け位置への取り付けが容易になることに加え、フィルム等との貼り合わせを行う必要が無いため、コストダウンにも繋がる。さらに、この発泡成形体をサービスホールカバーに適用することで、作業性を低下させずに、雨水、埃、冷風等の侵入を防止し、フィルムに比べて防音性能を向上させ、かつ軽量であるサービスホールカバーを提供することが出来る。
本発明のサービスホールカバーの一実施形態の平面図である。 図1のA−A’断面図である。
符号の説明
1 サービスホールカバー
2 部分的に透明化した部分
3 ドアトリムやインナーパネルに取り付く部品を避けるための凹み部分
4 ハーネスを通すための孔

Claims (12)

  1. 独立気泡構造を有し、ゲル分率5%以上の架橋発泡体である、密度が300kg/m3以下のポリオレフィン系樹脂発泡体の少なくとも一部分を加熱、加圧し、透明化させたことを特徴とする、ポリオレフィン系樹脂発泡成形体。
  2. 前記ポリオレフィン系樹脂発泡体が電離性放射線により樹脂が架橋されている、請求項1に記載のポリオレフィン系樹脂発泡成形体。
  3. 透明化された部分の全光線透過率が30%以上である、請求項1または2に記載のポリオレフィン系樹脂発泡成形体。
  4. 独立気泡構造を有し、ゲル分率5%以上の架橋発泡体である、密度が300kg/m3以下のポリオレフィン系樹脂発泡体の少なくとも一部分を加熱、加圧することにより透明化することを特徴とする、ポリオレフィン系樹脂発泡成形体の製造方法。
  5. 加熱温度が50〜200℃の範囲である、請求項4に記載のポリオレフィン系樹脂発泡成形体の製造方法。
  6. ポリオレフィン系樹脂発泡体を真空成形、及び/またはカットする工程を含む、請求項4または5に記載のポリオレフィン系樹脂発泡成形体の製造方法。
  7. スライス加工したポリオレフィン系樹脂発泡体を用いてなる、請求項4〜6のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂発泡成形体の製造方法。
  8. 密度が300kg/m3以下のポリオレフィン系樹脂発泡体の少なくとも一部分を加熱、加圧し、透明化させたポリオレフィン系樹脂発泡成形体の、透明化させた部分の少なくとも一部を自動車ドアのインナーパネルに接着させたことを特徴とするサービスホールカバー。
  9. 前記ポリオレフィン系樹脂発泡体が独立気泡構造を有し、ゲル分率5%以上の架橋発泡体である、請求項8に記載のサービスホールカバー。
  10. 前記ポリオレフィン系樹脂発泡体が電離性放射線により樹脂が架橋されている、請求項8または9に記載のサービスホールカバー。
  11. 透明化された部分の全光線透過率が30%以上である、請求項8〜10のいずれかに記載のサービスホールカバー。
  12. 請求項4〜7のいずれかに記載の方法により製造された、請求項8〜11のいずれかに記載のサービスホールカバー。
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