しかしながら、衝突物が車両の走行中にバンパに衝突する場合には、走行速度如何によりバンパへの衝撃度が異なるので、車速も加味して衝突物の種類を判別する必要がある。また、車両の走行中に物体が衝突するのはバンパの表面であるため、チャンバだけでなく、より正確にはバンパカバーやアブソーバの影響も考慮する必要がある。しかも、このようなバンパカバー等を含むバンパ構造自体が車両(車種)毎に異なるため、バンパ構造毎の影響を考慮した衝突の検知が望ましい。
更に、車両の走行中にバンパに衝突する虞がある物体には、上述したように、歩行者(人)の他にも、3角コーンや工事中看板等、コンクリートの壁や他の車両等、多種類のものがある。このうち、衝突物が歩行者である場合には、通常、車両バンパの高さからして、歩行者の脚部が衝突することになる。歩行者が道路等を車両の幅方向と同じ方向に横断しようとしている場合であれば、歩行者の2本の脚が時間差をおいて連続して車両バンパに衝突することになる。このような場合にも、連続して3角コーンが衝突した場合等と区別できる精度を有する車両用衝突検知装置の開発が切望される。
かかる観点から、チャンバ内の圧力変化をセンサにより検出する方式の車両用衝突検知装置において、衝突物の種類を更に高精度に判別することを可能とする技術の開発が望まれている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、車両バンパ内に配設されたチャンバ内の圧力変化を検出する車両用衝突検知装置において、衝突物の種類をより高精度に判別することが可能な技術を提供することを目的とする。
以下、上記課題を解決するのに適した各手段につき、必要に応じて作用効果等を付記しつつ説明する。
1.車両バンパへの物体の衝突を検知するように構成された車両用衝突検知装置において、
前記車両バンパ内に配設され且つチャンバ空間が内部に形成されるチャンバ部材と、
前記チャンバ空間内の圧力を検出する圧力センサと、
当該車両の車速を検出する車速センサと、
前記圧力センサが所定時間差内に前記チャンバ空間における圧力変化の第1、第2のピーク値を検出した場合に、該第1、第2のピーク値及び前記車速センサの検出結果に基づいて、それぞれ前記第1のピーク値に対応した衝突物の第1の有効質量、前記第2のピーク値に対応した衝突物の第2の有効質量を算出し、該第1の有効質量と第2の有効質量を合成することにより前記衝突物の全有効質量を算出する有効質量算出手段と、
前記有効質量算出手段によって算出された前記全有効質量に基づいて前記衝突物の種類を判別する判別手段とを備えたことを特徴とする車両用衝突検知装置。
ここで、「有効質量」とは、車両バンパへ衝突した物体の全質量のうち、車両バンパに衝突に係るエネルギを付与した部分の質量という意味である。以下、本明細書において「有効質量」という語は、上記の意味において用いている。
手段1によれば、チャンバ空間内の圧力変化の第1、第2のピーク値を検出した場合に、該第1、第2のピーク値及び前記車速センサの検出結果に基づいて、それぞれ第1のピーク値に対応した第1の有効質量、第2のピーク値に対応した第2の有効質量を算出して、両者を合成することにより衝突物の全有効質量を算出するので、歩行者の2本の脚が前記所定時間差内にそれぞれ車両バンパに衝突した場合にも、当該2本の脚を合わせた有効質量により、衝突物が歩行者であることを正確に検出することができる。また、歩行者の衝突時の姿勢による影響を少なくでき、安定して正確な衝突の検知が可能となる。
即ち、手段1では、圧力変化の第1のピーク値と第2のピーク値が所定時間差内で発生した場合には、同一物が衝突したものと仮定して衝突物の種類を判別する。
2.車両バンパへの物体の衝突を検知するように構成された車両用衝突検知装置において、
前記車両バンパ内に配設され且つチャンバ空間が内部に形成されるチャンバ部材と、
前記チャンバ空間内の圧力を検出する圧力センサと、
当該車両の車速を検出する車速センサと、
前記圧力センサが所定時間差内に前記チャンバ空間における圧力変化の第1、第2のピーク値を検出した場合に、該第1、第2のピーク値に基づいて、それぞれ衝突物による前記車両バンパへの第1、第2の衝突エネルギを求め、該第1及び第2の衝突エネルギを合成することにより前記衝突物による全衝突エネルギを求める衝突エネルギ取得手段と、
前記全衝突エネルギと衝突時の車速検出値から衝突物の有効質量を算出する有効質量算出手段と、
前記有効質量算出手段によって算出された前記有効質量に基づいて前記衝突物の種類を判別する判別手段とを備えたことを特徴とする車両用衝突検知装置。
手段2によれば、前記圧力センサが所定時間差内に検出した第1、第2のピーク値に基づく第1及び第2の衝突エネルギを合成することにより衝突物の全衝突エネルギを求めるので、歩行者の2本の脚が前記所定時間差内にそれぞれ車両バンパに衝突した場合にも、当該2本の脚を合わせた全衝突エネルギから当該2本の脚を合わせた有効質量を算出できるので、衝突物が歩行者であることを正確に検出することができる。また、歩行者の衝突時の姿勢による影響を少なくでき、安定して正確な衝突の検知が可能となる。
3.前記衝突エネルギ取得手段は、前記圧力センサが所定時間差内に前記チャンバ空間における圧力変化の第1、第2のピーク値を検出した場合にのみ前記第1及び第2の衝突エネルギを合成して全衝突エネルギを求め、所定時間差内に第2のピーク値を検出しなかった場合には、前記第1の衝突エネルギのみを求め、
前記有効質量算出手段は、前記全衝突エネルギ又は第1の衝突エネルギのみと衝突時の車速検出値から衝突物の有効質量を算出することを特徴とする手段2に記載の車両用衝突検知装置。
手段3によれば、所定時間差内に前記第1、第2のピーク値を検出した場合にのみ前記全衝突エネルギを求めるので、歩行者の2本の脚が所定時間差内にそれぞれ車両バンパに衝突したことを正確に検知できる。また、所定時間差内に第2のピーク値を検出しなかった場合には第1の衝突エネルギのみを求めるので、無駄な演算処理が無くなる。
4.更に、前記衝突エネルギ取得手段は、圧力センサが前記第1及び第2のピーク値間に検出した最小値に基づいて第3の衝突エネルギを求め、前記第1の衝突エネルギをE1、前記第2の衝突エネルギをE2、前記第3の衝突エネルギをE3としたとき、前記全衝突エネルギEを数式E=E1+(E2−E3)により取得することを特徴とする手段2又は3の何れか一項に記載の車両用衝突検知装置。
ここで、「第3の衝突エネルギ」とは、同一衝突物の第1の部分が車両バンパに衝突したことにより「第1の衝突エネルギ」を付与して車両バンパ(チャンバ部材)が変形し、復元しきれないうちに同一衝突物の第2の部分が車両バンパに衝突したことにより「第2の衝突エネルギ」を付与して車両バンパ(チャンバ部材)が再び変形する場合における、その復元しきれなかったエネルギを意味する。
手段4によれば、前記第1の衝突エネルギをE1、前記第2の衝突エネルギをE2、前記第3の衝突エネルギをE3としたとき、前記全衝突エネルギEを数式E=E1+(E2−E3)により取得するので、上述した車両バンパ(チャンバ部材)が復元しきれなかったエネルギを差し引いて、衝突物による全衝突エネルギを求めることができる。従って、車両バンパ(チャンバ部材)が復元しきれない短時間のうちに同一衝突物の第2の部分が衝突した場合でも、衝突物による衝突エネルギのみを正確に求めることができ、より正確な衝突の検知が可能となる。
5.前記有効質量算出手段は、前記全衝突エネルギをEとし、前記車速センサの衝突時の車速検出値をVとしたとき、前記有効質量Mを数式M=2E/V2により算出することを特徴とする手段2乃至4の何れか一項に記載の車両用衝突検知装置。
手段5によれば、前記衝突物による全衝突エネルギをEとし、衝突時の車速検出値をVとしたとき、前記有効質量Mを数式M=2E/V2により算出するので、運動方程式に即した理論的にも正確な衝突物の有効質量を算出することができ、これにより正確な衝突の検知が可能となる。
6.前記衝突エネルギ取得手段は、前記チャンバ空間における圧力変化の第1、第2のピーク値又は最小値と前記第1、第2又は第3の衝突エネルギとの相関関係を示すテーブル又は近似式を用いて前記第1、第2又は第3の衝突エネルギを求めることを特徴とする手段2乃至5の何れか一項に記載の車両用衝突検知装置。
手段6によれば、前記チャンバ空間における圧力変化の第1、第2のピーク値又は最小値と前記第1、第2又は第3の衝突エネルギとの相関関係を示すテーブル又は近似式を用いて前記第1、第2又は第3の衝突エネルギを求めるので、より正確に衝突物の種類を判別することができる。例えば、チャンバ部材の形状や配置、車両バンパに配設されたバンパカバーやアブソーバ等の他の部材の影響を反映した正確な衝突の検知が可能となる。
7.前記テーブル又は近似式は、前記車両バンパへの衝突実験によって予め求められたことを特徴とする手段6に記載の車両用衝突検知装置。
手段7によれば、チャンバ部材の他に、例えば、バンパカバーやアブソーバ等が配設された実際の車両バンパへの衝突実験により、バンパ構造毎の前記テーブル又は近似式を求めることができる。従って、実際に車両に搭載した場合に、当該車両バンパの構造に即した高精度の検知が可能な車両用衝突検知装置を提供することができる。
8.前記車両バンパ内には、更に、アブソーバが配設され、前記テーブル又は近似式は、該アブソーバと前記チャンバ部材への衝突実験によって予め求められたことを特徴とする手段6に記載の車両用衝突検知装置。
手段8によれば、バンパカバー意匠は車両仕向地やグレードなどにより異なることが考えられるため、バンパカバーを除いたアブソーバとチャンバ部材のみへの衝突実験の結果を用いることで、アッパレインフォース部のみの近似式を用いることができ、車種如何によらず共通の近似式で対応することができる。
以下、本発明の車両用衝突検知装置を具体化した実施形態について図面を参照しつつ具体的に説明する。
本発明の実施形態に係る車両用衝突検知装置は、図1(a)、(b)に示すように、車両バンパ1への物体の衝突を検知するように構成された装置であり、車両バンパ1内に配設され且つチャンバ空間7aが内部に形成されるチャンバ部材7と、チャンバ空間7a内の圧力を検出する圧力センサ9と、車両の車速を検出する車速センサ11と、コントローラ13を備えている。コントローラ13は、圧力センサ9が所定時間差内にチャンバ空間7aにおける圧力変化の第1、第2のピーク値を検出した場合に、該第1、第2のピーク値及び車速センサ11の検出結果に基づいて、それぞれ第1のピーク値に対応した衝突物の第1の有効質量、第2のピーク値に対応した衝突物の第2の有効質量を算出し、それら第1の有効質量と第2の有効質量を合成することにより衝突物の全有効質量を算出する有効質量算出手段として機能する。また、コントローラ13は、有効質量算出手段によって算出された有効質量に基づいて衝突物の種類を判別する判別手段として機能する。尚、コントローラ13は、図1(b)に示すように、歩行者保護装置21に接続されており、この歩行者保護装置21のコントローラ(制御手段)としても機能する。即ち、図1に示す例では、車両は、例えば、アクティブフードやカウルエアバッグ等の歩行者保護装置21を搭載しており、歩行者保護装置21は、コントローラ13から出力される制御信号により、その歩行者保護の動作を行う。
車両バンパ1は、図1に示すように、バンパカバー2、バンパレインフォース3、チャンバ部材7、図示しないサイドメンバを主体として構成されている。尚、本実施形態では、チャンバ部材7は、アブソーバと一体に形成されたものを用いている。
バンパカバー2は、車両前端にて車両幅方向に延び、バンパレインフォース3及びチャンバ部材7を覆うように車体に取り付けられる樹脂(例えば、ポリプロピレン)製カバー部材である。
バンパレインフォース3は、バンパカバー2内に配設されて車両幅方向に延びる金属製の梁状部材である。
サイドメンバは、車両側面側に位置して車両前後方向に延びる一対の金属製部材であり、その前端に上述したバンパレインフォース3が取り付けられる。
チャンバ部材7は、バンパカバー2内でバンパレインフォース3の前面に取り付けられ、車両バンパ1における衝撃吸収と圧力伝達との二つの作用を併せ持つ部材である。チャンバ部材7は、内部にチャンバ空間7aが形成されており、チャンバ空間7a内には空気が封入されている。チャンバ空間7a内には差込口を介して圧力センサ9の受圧部が差し込まれている。尚、本実施形態では、チャンバ部材7の車両前方側の部分がアブソーバを兼用するようにしているが、チャンバ部材の車両前方側の表面上に、アブソーバを別個に配置するようにしても良い。チャンバ部材7のアブソーバ部分等の材質として、チャンバ部分よりも硬質の材料、例えば、鉄板等の金属、発泡樹脂等を用いることができる。
圧力センサ9は、気体圧力を検出可能なセンサ装置であり、チャンバ部材7に組み付けられている。具体的には、差込口を介してその受圧部がチャンバ空間7a内に差し込まれ、チャンバ空間7a内の空気の圧力変化を検出可能に構成されている。尚、圧力センサ9は、圧力に比例した信号を出力する。圧力センサ9は、コントローラ13と伝送線9aを介して電気的に接続されている。
車速センサ11は、車両の走行速度を検出可能な公知の速度センサであり、コントローラ13と伝送線11aを介して電気的に接続されている。本実施形態では、車輪速センサを用いている。
コントローラ13は、衝突物の種類を歩行者と判別した場合に、上述したカウルエアバッグ等の展開制御を行うための電子制御装置であり、圧力センサ9及び車速センサ11から出力される信号が伝送線9a,11aを介してそれぞれ入力されるように構成されている。コントローラ13は、上述したように、圧力センサ9が所定時間差内にチャンバ空間7aにおける圧力変化の第1、第2のピーク値を検出した場合に、該第1、第2のピーク値及び車速センサ11の検出結果に基づいて、それぞれ第1のピーク値に対応した衝突物の第1の有効質量、第2のピーク値に対応した衝突物の第2の有効質量を算出し、それら第1の有効質量と第2の有効質量を合成することにより衝突物の全有効質量を算出し、算出した全有効質量に基づいて衝突物の種類を判別する処理を実行する。尚、コントローラ13は、衝突物の種類を歩行者と判別した場合には、歩行者保護装置21を動作させるための制御信号を出力する。歩行者保護装置21は、コントローラ13から出力される制御信号により、その歩行者保護の動作を行う。具体的には、アクティブフードを作動させ、或いはカウルエアバッグを車両のフロントガラス部等に展開する。
次に、本実施形態の車両用衝突検知装置において、図2(a)、(b)に示すように、車両バンパ1が歩行者の2本の脚に時間差をおいて連続して衝突した場合に衝突物の種類を判別する処理について説明する。尚、本実施形態では、上述したコントローラ13が第1及び第2の有効質量を合成する条件となる所定の時間差は、衝突時の車速から車両が1m進むのに要する時間とした。これは、例えば、歩行者の左右の脚(車両バンパの高さは、通常、成人で膝の高さ)の間隔は広くても0.5m程度であるので、衝突時の車速から車両が1m進むのに要する時間としたことによる。例えば、時速40kmの速度で衝突した場合、1本目の脚と衝突したことによる圧力変化のピーク値A1と2本目の脚と衝突したことによる圧力変化のピーク値A2との時間差T(合成条件となる所定の時間差とは異なる)はT=0.5/(40/3.6)=0.045秒(s)、即ち、45ミリ秒(ms)となるので、合成条件となる所定の時間差は、例えば、時速40kmの場合で100ミリ秒(ms)としても良い。
まず、図2(a)に示すように、車両バンパ1が歩行者の1本目の脚と衝突すると、衝突部分のチャンバ部材7に潰れが生じ、図2(c)に示すように、チャンバ空間7a内の気体圧力が上昇(すなわち、変化)する。チャンバ空間7a内の気体圧力の変化は、圧力センサ9によって検出される。コントローラ13は、伝送線9aを介して圧力センサ9から出力される信号を取り込むと共に、伝送線11aを介して車速センサ11からの車速信号を取り込む。次に、図2(b)に示すように、車両バンパ1が歩行者の2本目の脚と衝突すると、衝突部分のチャンバ部材7に再び潰れが生じ、図2(c)に示すように、チャンバ空間7a内の気体圧力が再上昇(すなわち、再変化)する。チャンバ空間7a内の気体圧力の再上昇は、圧力センサ9によって検出される。コントローラ13は、伝送線9aを介して圧力センサ9から出力される信号を取り込むと共に、伝送線11aを介して車速センサ11からの車速信号を取り込む。コントローラ13は、圧力センサ9からの出力の第1のピーク値A1、第2のピーク値A2及び車速に基づいて、それぞれ衝突物の第1の有効質量、第2の有効質量を算出し、それら第1の有効質量と第2の有効質量を合成して衝突物の全有効質量を算出し、この算出した全有効質量が所定の閾値内にあるか否かによって、衝突物が歩行者であるか否かを判別する。
即ち、人体と他の衝突物とでは有効質量が異なるために圧力センサ9の出力のピーク値が異なっている。従って、圧力センサ9の出力から衝突物の有効質量を算出し、この有効質量について、人体の質量と、想定される他の衝突物の質量との間に閾値を設定することにより、衝突物の種類を切り分けることが可能である。但し、圧力センサ9の出力(換言すれば、チャンバ部材7の変形量)は、ある有効質量を持った衝突物がある速度で衝突したことによる衝撃のエネルギによるので、衝突時の車速も加味して有効質量を算出する。
以下、本実施形態における有効質量の算出方法について詳細に説明する。以上では、圧力センサ9が上述した所定時間差内に第1、第2のピーク値を検出した場合に、コントローラ13が有効質量算出手段として、第1の有効質量と第2の有効質量を算出し、それらを合成することにより衝突物の全有効質量を算出する例について説明したが、本実施形態の車両用衝突検知装置は、より好ましくは、コントローラ13が、上述した有効質量算出手段及び判別手段として機能することに加え、圧力センサ9により検出されたチャンバ空間7aにおける圧力変化のピーク値に基づいて車両バンパ1への衝突エネルギを求める衝突エネルギ取得手段として機能する。この場合、コントローラ13は、衝突エネルギ取得手段として、圧力センサ9が上記所定時間差内にチャンバ空間7aにおける圧力変化の第1のピーク値A1、第2のピーク値A2を検出した場合に、第1のピーク値A1、第2のピーク値A2に基づいて、それぞれ衝突物による車両バンパへの第1、第2の衝突エネルギを求め、それら第1及び第2の衝突エネルギを合成することにより衝突物による全衝突エネルギを求める。そして、コントローラ13は、有効質量算出手段として、上記全衝突エネルギと車速センサ11の衝突時の車速検出値から衝突物の有効質量を算出し、判別手段として、有効質量に基づいて衝突物の種類を判別する。尚、コントローラ13は、有効質量算出手段として、上記衝突エネルギ取得手段によって求められた車両バンパ1への衝突エネルギをEとし、衝突時の車速検出値をVとしたとき、有効質量Mを数式M=2E/V2により算出する。
即ち、本発明者は、車両バンパの本質的な機能から、車両バンパへの物体の衝突により衝突物の運動エネルギが車両バンパに吸収されることに着眼し、車両バンパの吸収エネルギを求めれば、衝突物の運動エネルギは運動方程式により求められるので、衝突物の質量(ここにいう質量は、車両バンパへ衝突した物体の全質量のうち、車両バンパに衝突に係るエネルギを付与した部分の質量という意味で、衝突物の「有効質量」である)をより正確に求められることを理論的に見出した。
以下、図3及び図4を参照して、この車両バンパの吸収エネルギを求める方法について分かり易く説明する。
まず、衝突物の運動エネルギEは、運動方程式より、
[数1] E=1MV2/2---------(1)
で表される。
図3に示すように、ある質量Mの衝突物が衝突速度(車速センサによる車速検出値)Vにて車両バンパ1に衝突すると、その衝突荷重Fにより車両バンパ1がΔSだけ変形し、これによりチャンバ部材7が潰れてチャンバ空間7aの体積がΔVだけ変化することで、圧力センサ9が圧力変化ΔPを検出する。
一方、衝突荷重F[t]とバンパ変形量ΔS[mm]の関係は、図4に示すグラフのようになり、同図のグラフにおける斜線の部分の面積がバンパの吸収エネルギE1に相当する。即ち、バンパの吸収エネルギE1 は、衝突荷重Fをバンパ変形量ΔSについて積分した値により、
[数2] ∫Fds=E1---------(2)
で表される。
衝突物の「有効質量」を上述したように定義する関係上、衝突物の運動エネルギEが全てバンパに吸収されてバンパの吸収エネルギE1になるといえるから、上記(1)、(2)式より、有効質量Mは、
[数3] 1MV2/2=E1---------(3)より、
[数4] M=2E1/V2---------(4)により求めることができる。
以上のように、圧力センサ9により検出されたチャンバ空間7aにおける圧力変化のピーク値に基づいて車両バンパ1の吸収エネルギを求め、また、吸収エネルギ取得手段によって求められた車両バンパの吸収エネルギをE1とし、衝突時の車速検出値をVとしたとき、有効質量Mを、数式M=2E1/V2により算出するので、運動方程式に即した理論的にも正確な衝突物の有効質量を算出することができ、これにより正確な衝突の検知が可能となる。
更に、本実施形態の車両用衝突検知装置における、上述した好ましい例では、コントローラ13は、衝突エネルギ取得手段として、圧力センサ9が上記所定時間差内にチャンバ空間7aにおける圧力変化の第1のピーク値A1、第2のピーク値A2を検出した場合に、第1のピーク値A1、第2のピーク値A2に基づいて、それぞれ衝突物による車両バンパへの第1、第2の衝突エネルギを求め、それら第1及び第2の衝突エネルギを合成して衝突物による全衝突エネルギを求めるので、歩行者の2本の脚が所定時間差内にそれぞれ車両バンパに衝突した場合にも、当該2本の脚を合わせた全衝突エネルギから当該2本の脚を合わせた有効質量を算出できる。これにより、衝突物が歩行者であることを正確に検出することができる。また、歩行者の衝突時の姿勢による影響を少なくでき、安定して正確な衝突の検知が可能となる。
ところで、図2(c)に示すように、車両バンパ1が歩行者の2本の脚に時間差をおいて連続して衝突した場合、上記所定の時間差が車両バンパ1の衝撃吸収―復元に要する応答時間に比べて短い場合には、圧力センサ9が歩行者の1本目の脚の衝突に対応して圧力変化の第1のピーク値A1を検出した後、車両バンパ1が復元しきれない間に2本目の脚の衝突による第2のピーク値A2を検出することになる。この場合、車両バンパ1の吸収エネルギ(車両バンパ1への衝突エネルギ)は、第1のピーク値A1に基づく第1の衝突エネルギと第2のピーク値A2に基づく第2の衝突エネルギを単純に合成(合計)してしまうと、歩行者の1本目の脚の衝突によるエネルギのうち、その復元しきれなかったエネルギを二重に評価してしまうことになる。
そこで、本実施形態の車両用衝突検知装置における、更に好ましい例では、コントローラ13は、衝突エネルギ取得手段として、図2(c)に示すように、圧力センサ9が第1のピーク値A1と第2のピーク値A2間に検出した最小値(谷値)B1に基づいて第3の衝突エネルギ(復元しきれなかったエネルギ)を求める。そして、第1の衝突エネルギをE1、第2の衝突エネルギをE2、第3の衝突エネルギをE3としたとき、全衝突エネルギEを数式E=E1+(E2−E3)により取得する。
このように、本実施形態の更に好ましい例によれば、第1の衝突エネルギをE1、第2の衝突エネルギをE2、第3の衝突エネルギをE3としたとき、全衝突エネルギEを数式E=E1+(E2−E3)により取得するので、上述した車両バンパ(チャンバ部材)が復元しきれなかったエネルギを差し引いて、衝突物による全衝突エネルギを求めることができる。従って、車両バンパ(チャンバ部材)が復元しきれない短時間のうちに同一衝突物の第2の部分が衝突した場合でも、衝突物による衝突エネルギのみを正確に求めることができ、より正確な衝突の検知が可能となる。
以上のように、本実施形態の車両用衝突検知装置では、理論的に正確な衝突の検知が可能となるが、前述したように、車両の走行中に物体が衝突するのはバンパの表面であるため、チャンバだけでなく、より正確にはバンパカバーやアブソーバの影響も考慮し、バンパカバー等を含むバンパ構造毎の影響を考慮した衝突の検知が望ましい。
そこで、更に、衝突エネルギ取得手段として機能するコントローラ13は、チャンバ空間7aにおける圧力変化の最大値ΔPmaxと車両バンパ1の吸収エネルギE1との相関関係を示す近似式を用いて衝突エネルギEを求めるようにした。即ち、上述した車両バンパの本質的な機能から、車両バンパへの物体の衝突による衝突エネルギが車両バンパに吸収されることから、ここでいう衝突エネルギは車両バンパの吸収エネルギに置き換えられる。まず、本発明者は、チャンバ空間7aにおける圧力変化の最大値ΔPmaxと車両バンパ1の吸収エネルギE1とに一定の相関関係が得られることを確認するために、車両バンパ1への衝突実験を実施した。
図5は、チャンバ空間内の圧力変化の最大値ΔPmaxと車両バンパ1の吸収エネルギE1との関係を説明するための図であり、(a)は、車両バンパ1への衝突実験の条件を簡略に示す図、(b)は、当該条件下の衝突実験により得られたチャンバ空間7aにおける圧力変化の最大値ΔPmaxと車両バンパ1の吸収エネルギE1との相関関係を示すグラフである。
図5(a)に示すように、質量mが2kg、5kg、8kgの実験用インパクタをそれぞれ用意し、衝突速度vを2kgのインパクタでは時速25[km]と40[km]の2通りの衝突速度、5kgのインパクタでは時速40[km]の1通りの衝突速度、8kgのインパクタでは、2kgのインパクタ同様、時速25[km]と40[km]の2通りの衝突速度で車両バンパ1に衝突させ、チャンバ空間7a内における圧力変化の最大値ΔPmaxと車両バンパ1の吸収エネルギE1との関係を考察した。
上記実験の結果、図5(b)に示すように、車両バンパ1の吸収エネルギE1は、チャンバ部材7内における圧力変化の最大値ΔPmaxと一定の相関関係があることを確認することができた。図5(b)のグラフから、特に、車両バンパ1の吸収エネルギE1が300[J]程度までは一定の相関関係が有効に得られることが分かった。従って、図5(b)のグラフから、この実験に用いた車両バンパ1のバンパ構造を前提として、チャンバ空間7aにおける圧力変化の最大値ΔPmaxと車両バンパ1の吸収エネルギE1との相関関係を示す近似式を得ることが可能である。そこで、本実施形態では、衝突エネルギ取得手段として機能するコントローラ13は、かかる近似式を用いて車両バンパ1の吸収エネルギひいては車両バンパ1への衝突エネルギを求めるようにした。具体的には、コントローラ13内の図示しないメモリ等にこの近似式を保持しており、この近似式を使用して、圧力センサ9が検出したチャンバ空間内の圧力変化の各ピーク値A1、A2、最小値(谷の値)B1から、それぞれ車両バンパ1への各衝突エネルギ(吸収エネルギ)E1、E2、E3を求める。図6は、このような圧力変化の各ピーク値A1、A2、最小値(谷の値)B1と各衝突エネルギ(吸収エネルギ)E1、E2、E3との関係を示すグラフである。図6からも明らかなように、上述した近似式(圧力―エネルギ変換式)を用いて、チャンバ空間内の圧力変化の各ピーク値A1、A2、最小値(谷の値)B1から、それぞれ車両バンパ1への各衝突エネルギ(吸収エネルギ)E1、E2、E3を求めることができる。
このように、本実施形態の更に好ましい例によれば、圧力変化の各ピーク値A1、A2(と車速の検出結果)から直接、衝突物の有効質量を算出するのではなく、バンパーカバーやアブソーバも含めた車両バンパ1への衝突エネルギ(吸収エネルギ)を求め、この車両バンパ1の吸収エネルギと車速センサ11の車速検出値から衝突物の有効質量を算出するので、例えば、チャンバ部材の形状や配置、車両バンパに配設されたバンパカバーや発泡樹脂製のアブソーバ等の他の部材の影響を反映した正確な衝突の検知が可能となる。
また、第1の衝突エネルギをE1、第2の衝突エネルギをE2、第3の衝突エネルギをE3としたとき、全衝突エネルギEを数式E=E1+(E2−E3)により取得するので、上述した車両バンパ(チャンバ部材)が復元しきれなかったエネルギを差し引いて、衝突物による全衝突エネルギを求めることができる。従って、車両バンパ(チャンバ部材)が復元しきれない短時間のうちに同一衝突物の第2の部分が衝突した場合でも、衝突物による衝突エネルギのみを正確に求めることができ、より正確な衝突の検知が可能となる。
更に、上述した近似式を用いて車両バンパ1への各衝突エネルギ(吸収エネルギ)を求めるので、より正確に衝突物の種類を判別することができる。
また、上記近似式は、上述した車両バンパ1への衝突実験によって予め求められたものである。即ち、チャンバ部材7の他に、例えば、バンパカバー2や発泡樹脂製のアブソーバ等が配設された実際の車両バンパへの衝突実験により、バンパ構造毎に求めた近似式を用いている。従って、実際に車両に搭載した場合に、当該車両バンパ1の構造に即した高精度の衝突検知が可能となる。
更に、車両バンパ1内には、アブソーバが配設され、上記近似式は、当該アブソーバとチャンバ部材7への衝突実験によって予め求められたものとしても良い。バンパカバー意匠は車両仕向地やグレードなどにより異なることが考えられるため、バンパカバーを除いたアブソーバとチャンバ部材のみへの衝突実験の結果を用いることで、アッパレインフォース部のみの近似式を用いることができ、車種如何によらず共通の近似式で対応することができる。
尚、上記例では、車両バンパ1への衝突実験又はアブソーバとチャンバ部材7のみへの衝突実験によって予め求めた近似式をコントローラ13内のメモリ等に保持するようにしたが、同様に求めた相関関係を示すテーブルを用い、かかるテーブルをコントローラ13内のメモリ等に保持するようにしても良い。
次に、車両用衝突検知装置におけるコントローラ13の処理の流れについて説明する。図7は、コントローラ13の処理を示すフローチャートである。
コントローラ13には、衝突検知のプログラムが予め図示しないメモリ等に格納されており、図示しないCPUがそのプログラムに従って以下に述べる各処理を実行する。
図7に示すように、コントローラ13は、イニシャル処理として、演算値を初期化する処理(各センサの初期値等の初期値設定処理)を行う(ステップS−1)。
続いてコントローラ13は、車速センサ11が検出した車速検出値Vを読み込み(ステップS−2)、その車速検出値Vが所定の閾値(最小値と最大値)の範囲内であるか否かを判断する(ステップS−3)。これは、前述した歩行者保護装置等の歩行者保護機能が有効に作用する速度が車両形状等により決まっているため、このような速度の範囲内である場合にのみ衝突の検知を行うためである。車速検出値Vが所定の閾値(最小値と最大値)の範囲内である(ステップS−3でYes)場合には、コントローラ13は、上述した衝突エネルギ取得手段として、圧力センサ9が検出した圧力検出値P[t]を読み込み(ステップS−4)、その圧力検出値P[t]から圧力変化の第1のピーク値A1を演算する(ステップS−5)。ここで、上述した所定時間差内にチャンバ空間7aにおける圧力変化の第2のピーク値を検出するか否かを確定するため、タイマーをスタートする(ステップS−6)。尚、図6に示す例では、上述した第1及び第2の衝突エネルギを合成する条件となる所定の時間差は、衝突時の車速から車両が1m進むのに要する時間とし、タイムアップする所定の時間差は、例えば、時速40kmの場合で100ミリ秒(ms)としている。
続いて、タイムアップする以前に(上記所定時間差内に)チャンバ空間7aにおける圧力が再上昇すれば、最小値(谷の値)B1を演算し(ステップS−7)、更に、圧力変化の第2のピーク値A2を演算する(ステップS−8)。このように、タイムアップする以前に(上記所定時間差内に)最小値(谷の値)B1、第2のピーク値A2が求められた(演算された)場合(ステップS−9でYes)には、上記近似式から各ピーク値A1、A2、最小値(谷の値)B1に相当する各衝突エネルギ(吸収エネルギ)E1、E2、E3を演算により求める(ステップS−10)。続いて、上述した数式E=E1+(E2−E3)より、衝突物による車両バンパ1への全衝突エネルギEを求める(ステップS−11)。続いて、コントローラ13は、求めた全衝突エネルギEから、上述した有効質量算出手段として、数式M=2E/V2により衝突物の有効質量Mを算出する(ステップS−12)。そして、コントローラ13は、判別手段として、算出した有効質量Mが所定の閾値以上であるかを判断し(ステップS−13)、当該閾値以上である場合には(ステップS−13でYes)、歩行者と衝突したと検知する、即ち、衝突物の種類を歩行者と判別する(ステップS−14)。一方、当該閾値以上でない場合には(ステップS−13でNo)、歩行者以外と衝突したと検知する、即ち、衝突物の種類を歩行者以外の物体と判別する(ステップS−15)。ここで、有効質量Mの歩行者と判別する閾値は、例えば、2kg未満の場合には、歩行者以外の物体と判別するようにしている。図示ステップS−13の場合と異なり、例えば、10kg以上の場合には、歩行者以外の物体と判別するようにしても良い。或いは、図示ステップS−13の場合と異なり、所定の範囲内の場合、例えば2kgから10kgの範囲内であれば、歩行者と判別するようにしても良い。
一方、上記所定時間差が経過した場合(ステップS−9でNo)には、上記近似式から第1のピーク値A1に相当する衝突エネルギ(吸収エネルギ)のみを演算により求める(ステップS−16)。続いて、コントローラ13は、求めた衝突エネルギから、上述した有効質量算出手段として、数式M=2E/V2により衝突物の有効質量Mを算出する(ステップS−17)。そして、コントローラ13は、判別手段として、算出した有効質量Mが所定の閾値以上であるかを判断し(ステップS−18)、当該閾値以上である場合には(ステップS−18でYes)、歩行者と衝突したと検知する、即ち、衝突物の種類を歩行者と判別する(ステップS−19)。一方、当該閾値以上でない場合には(ステップS−18でNo)、歩行者以外と衝突したと検知する、即ち、衝突物の種類を歩行者以外の物体と判別する(ステップS−20)。
以上説明したことから明らかなように、本実施形態によれば、図2(a)、(b)に示したように、車両バンパ1が歩行者の2本の脚に時間差をおいて連続して衝突した場合、圧力センサ9は、歩行者の1本目の脚の衝突、2本目の脚の衝突に対応して、それぞれチャンバ空間7a内の圧力変化の第1のピーク値A1、第2のピーク値A2を検出する。そして、コントローラ13は、第1のピーク値A1、第2のピーク値A2及び車速センサ11の検出結果に基づいて、それぞれ第1のピーク値A1に対応した第1の有効質量、第2のピーク値A2に対応した第2の有効質量を算出して、両者を合成することにより、歩行者の2本の脚に対応する衝突物の全有効質量を算出するので、衝突物が歩行者であることを正確に検出することができる。仮に、以上に述べた場合と異なり、座っている歩行者の腹部に衝突したような場合、チャンバ空間7a内の圧力変化のピーク値は一つしか検出されないので、腹部の衝突に相当する第1のピーク値に対応する第1の有効質量のみにより衝突物の全有効質量が算出される。従って、歩行者の衝突時の姿勢による影響を少なくでき、安定して正確な衝突の検知が可能となる。
また、本実施形態によれば、運動方程式に即した理論的にも正確な衝突物の有効質量を算出することができ、これにより正確な衝突の検知が可能となる。
また、本実施形態によれば、圧力変化の各ピーク値A1、A2(と車速の検出結果)から直接、衝突物の有効質量を算出するのではなく、バンパーカバーやアブソーバも含めた車両バンパ1への衝突エネルギ(吸収エネルギ)を求め、この車両バンパ1の吸収エネルギと車速センサ11の車速検出値から衝突物の有効質量を算出するので、例えば、チャンバ部材の形状や配置、車両バンパに配設されたバンパカバーや発泡樹脂製のアブソーバ等の他の部材の影響を反映した正確な衝突の検知が可能となる。
更に、本実施形態によれば、第1の衝突エネルギをE1、第2の衝突エネルギをE2、第3の衝突エネルギをE3としたとき、全衝突エネルギEを数式E=E1+(E2−E3)により取得するので、上述した車両バンパ(チャンバ部材)が復元しきれなかったエネルギを差し引いて、衝突物による全衝突エネルギを求めることができる。従って、車両バンパ(チャンバ部材)が復元しきれない短時間のうちに同一衝突物の第2の部分が衝突した場合でも、衝突物による衝突エネルギのみを正確に求めることができ、より正確な衝突の検知が可能となる。
更に、上述した近似式を用いて車両バンパ1への各衝突エネルギ(吸収エネルギ)を求めるので、より正確に衝突物の種類を判別することができる。
また、上記近似式は、上述した車両バンパ1への衝突実験によって予め求められたものであり、チャンバ部材7の他に、例えば、バンパカバー2や発泡樹脂製のアブソーバ等が配設された実際の車両バンパへの衝突実験により、バンパ構造毎に求めた近似式を用いている。従って、実際に車両に搭載した場合に、当該車両バンパ1の構造に即した高精度の衝突検知が可能となる。
更に、上記近似式をアブソーバとチャンバ部材への衝突実験によって予め求められたものとした。バンパカバーの意匠は車両仕向地やグレードなどにより異なることが考えられるため、バンパカバーを除いたアブソーバとチャンバ部材のみへの衝突実験の結果を用いることで、アッパレインフォース部のみの近似式を用いることができ、車種如何によらず共通の近似式で対応することができる。
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことが可能である。例えば、上記実施形態では、所定の時間差は衝突時の車速から車両が1m進むのに要する時間としたが、これ以外の時間差を設けても良い。また、上記実施形態では、チャンバ部材7内に空気を封入する構成を示したが、空気以外の気体を封入する構成としてもよい。