JP4965352B2 - パイル織機のエアー式タックイン方法および装置 - Google Patents

パイル織機のエアー式タックイン方法および装置 Download PDF

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Description

本発明は、織布移動式パイル織機および筬打ち位置変更式パイル織機におけるエアー式タックインに関する。
パイル織機は、織布の織前位置と筬打ち位置との相対距離を、ルーズピックとファーストピックとで異ならせており、ファーストピックの筬打ちでは、織前位置と筬打ち位置がほぼ一致するのに対し、ルーズピックの筬打ちでは、所望のパイル長さによって異なるものの、前記相対距離が大きく設けられている。
パイル織機には、所謂織布移動式パイル織機があり、前記相対距離をルーズピックとファーストピックとで異ならせるため、ルーズピックからファーストピック、またファーストピックからルーズピックに変更の都度、織布を移動させており、特許文献1の公報では、織布を移動させるために、テリーモーション部材である織布移動装置を駆動する専用のアクチュエータとしてサーボモータが設けられている。該サーボモータは、織機モータの制御装置とは別の制御装置により制御されており、織機運転中、1単位のパイル形成サイクルを構成するルーズピックおよびファーストピックの各緯糸本数を変更すること、即ちテリーモードを変更することが可能であり、多様な風合いおよび多様なデザインを有するパイル織物を得ることを可能にする。また、パイル織機には、織布移動式パイル織機のほか、所謂筬打ち位置変更式パイル織機があり、ルーズピックとファーストピックとで筬打ち位置を異ならせることにより、ルーズピックの筬打ちでは前記相対距離を大きくしている。
また、パイル織物には、耳組織としてタックイン耳が形成される場合がある。特許文献2の公報では、見栄えの良いタックイン耳を得るため、1単位のパイル形成サイクルにおいて、タックインを複数回に分けて行うと共に、そのうちの少なくとも1回は、緯糸端を複数本まとめてタックインしており、タックインの都度、織布端の近傍に配設されたノズルから経糸開口に向けてエアーを噴射し、緯糸端を織布に折り返している。
特開平7−133550号 特許第3357860号
しかし、織布移動式パイル織機において、タックインを複数回に分けて行うと共に、運転中にテリーモードを変更する場合、織布の移動に伴って、経糸開口が送出側に向かって広がる上経糸と下経糸の交差位置、即ち、ファーストピックが筬打ちされて形成される織前位置、およびルーズピックが筬打ちされて形成される経糸交差位置が、タックインのエアーを噴射するノズルに対して移動し、折り返された緯糸端が挿入される空間が移動する。そのため、テリーモードによっては、緯糸端の経糸開口内への挿入が困難となってタックインミスが生じ、パイル織物品質を損なう。また、筬打ち位置変更式パイル織機においても、タックインを複数回に分けて行うと共に、運転中にテリーモードを変更する場合、筬打ち位置の変更に伴って、ルーズピックが筬打ちされて形成される経糸交差位置が、ファーストピックが筬打ちされて形成される織前位置に対して織機の送出側に移動して前記ノズルに対して移動し、折り返された緯糸端が挿入される空間が送出側に移動する。そのため、ルーズピック後、詳説すれば、ルーズピックの筬打ち後は、緯糸端の経糸開口内への挿入が困難となり、タックインミスが生じ易く、パイル織物品質を損なう。
以上の従来技術の問題点を鑑み、本発明の目的は、パイル織機において、運転中にテリーモードを変更しても、タックインを可能とすると共に、見栄えのよいタックイン耳のパイル織物を得ることにある。
本発明は、パイル形成のために織前位置と筬打ち位置との相対位置を変更するテリーモーション部材であって専用のアクチュエータにより駆動されるテリーモーション部材と、1単位のパイル形成サイクルを構成するルーズピック数およびファーストピック数のうちの少なくとも一方が互いに異なる複数のテリーモードが制御データとして設定される設定器と、織機稼働中に変更されるテリーモードに基づいて前記アクチュエータを制御するテリーモーション制御装置と、エアー噴射によって緯糸先端を折り返して耳組織を形成するエアー式タックイン装置であってタックイン制御装置によって作動が制御されるエアー式タックイン装置とを備えたパイル織機を前提とする。
そして、本発明によるエアー式タックイン装置は、前記目的を達成すべく、その前提とするパイル織機において、前記設定器には、更に、1単位のパイル形成サイクルのピック数および前記サイクル中にタックインが行われる特定のピックを情報として含むタックインモードであって前記ピック数および前記特定のピックの少なくとも一方が互いに異なる複数のタックインモードが前記複数のテリーモードのうちの対応するテリーモードに関連付けたかたちで制御データとして設定されると共に、各テリーモードの繰り返し数に関する情報及び各テリーモードの実行順序が制御データとして設定され、前記タックイン制御装置は、織機稼働中に変更されるタックインモードに基づいてエアー式タックイン装置を制御することを特徴とする。
なお、本発明によるパイル織機におけるエアー式タックイン装置において、前記制御データが、同一のテリーモードが互いに異なる時期に実行される場合、同一のテリーモードであって、互いに異なる時期に実行される複数のテリーモードに対し、常時1つのタックインモードが設定されるものとしてもよい。また、前記制御データが、同一のテリーモードが互いに異なる時期に実行される場合、同一のテリーモードであって、異なる時期に実行される特定のテリーモードについて異なるタックインモードが設定されるものとしてもよい。
本発明によるパイル織機におけるエアー式タックイン装置によれば、前記サイクル中におけるタックイン時期、即ち、前記サイクル中のルーズピックおよびファーストピックピックのうち、ノズルからエアーを噴射して緯糸端を織布に折り返すところのタックインが実行されるピックが、タックインモードとして各テリーモード毎に設定されるので、織機運転中のテリーモードの変更に伴って、そのテリーモードに適したタックインモードに変更可能となる。それにより、パイル織機においてテリーモードが運転中に変更されても、それぞれのテリーモードに適したピックでタックインが実行されるので、タックインミスが抑えられると共に、見栄えの良いタックイン耳が形成され、高品質のパイル織物を得ることが可能となる。また、テリーモード、および該テリーモードに対応してタックインモードが、共にプログラマブルに制御され、異なる複数のテリーモードの繰り返しに対応することにより、所望の風合いのパイル織物および見栄えの良いタックイン耳を得ることができる。
同一のテリーモードに対し1つのタックインモードだけが設定されるものとすれば、その設定を容易にすることができる。また、同一のテリーモードであっても特定のテリーモードについては、他と異なるタックインモードが設定されるものとすれば、同一のテリーモードであっても緯糸種、織物組織、密度等の製織条件が異なる場合に対応可能であり、製織条件に応じた最適なタックインモードに設定できる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1〜図3は、本発明に基づく第1の実施例の織布移動式パイル織機のエアー式タックイン装置30を示す。図4は、設定器14において各テリーモード毎に登録されているタックインモードを示す表である。図5は、設定器14に設定されている制御データの例を示す表であり、ピック毎、即ち、緯入のステップ毎にプログラマブルに設定されているテリーモード、タックインモードを示す。本実施例では、織布移動式パイル織機は、空気噴射式織機に適用される。図1は、メインノズル5が配設される給糸側から反給糸側に至る織機の織り幅方向における全体を示す平面図であり、給糸側および反給糸側に配置されるエアー式タックイン装置30を示す。図2は、反給糸側に配置されるエアー式タックイン装置30の要部拡大図であり、(A)は平面図、(B)は、(A)において反給糸側から織り幅方向に視た側面図をそれぞれ示す。図3は、エアー式タックイン装置30の制御系を示すブロック線図である。
図1に示すように、エアー式タックイン装置30は、織機の給糸側および反給糸側にそれぞれ配置されており、織布Cの給糸側の織布端Ca、反給糸側の織布端Caにそれぞれ隣接して、一対のタックインボディ1を備える。図2に示すように、各タックインボディ1は、ブロック状に形成され、また、筬6側に開口して織り幅方向に延在する緯糸案内スリット1eを有しており、緯入された緯糸Yの緯糸端Yaは、筬打ちに伴って緯糸案内スリット1eに進出すると共に、緯糸案内スリット1eの奥壁に達する。また、各タックインボディ1は、緯糸案内スリット1eを挟んでそれぞれ上下に設けられと共に織布端Ca側面に開口する複数のタックインノズル1aを備えており、上下のタックインノズル1aは、軸線が互いに織布端Ca側で交差している。更に、各タックインボディ1は、緯糸案内スリット1eの奥壁に補助ノズル1bを備えており、該補助ノズル1bは、経糸Wの延在方向即ちワープライン方向に延在して筬に向かって開口する。更に、各タックインボディ1は、緯糸案内スリット1eの奥壁の近傍に把持ノズル1cを備えており、該把持ノズル1cはタックインボディ1の上側部分を垂直に貫通して緯糸案内スリット1eに開口する。更に、各タックインボディ1は、緯糸案内スリット1eの奥壁の近傍に把持孔1dを備えており、該把持孔1dは、タックインボディ1の下側部分を垂直に貫通して緯糸案内スリット1eに開口しており、緯糸案内スリット1eを挟んで把持ノズル1cと対向する。
各タックインボディ1に隣接して給糸側カッター12、反給糸側カッター2が設けられ、給糸側カッター12はロータリソレノイド13によって駆動され、また、反給糸側カッター2はロータリソレノイド3によって駆動される。更に、織機の反給糸側にはエジェクタ4が配設されており、緯糸吸引口が反給糸側カッター2に隣接して開口している。更に、筬6の反給糸側端部には、2つの緯糸センサー7が設けられており、緯入れミスを検出している。
次に、図3のブロック線図を参照して、エアー式タックイン装置30の制御系を説明する。エンコーダENは織機モータMによって駆動される織機主軸18の回転角、即ち、主軸回転角を検出し、主制御装置16に主軸回転角信号として出力する。主制御装置16は、エンコーダENからの主軸回転角信号に基づき、所定の主軸回転角、例えば35°の時に、ロータリーソレノイド13を励磁して給糸側カッター12を作動させ、緯糸Yを筬打ち後に切断すると共に、メインノズル5、および図示しないサブノズルからのエアー噴射を制御する。更に、主制御装置16は主軸回転角信号をモード選択制御装置11に出力する。モード選択制御装置11は、主軸回転角信号に基づきステップ、即ち、繰り返される1製織パターンにおける緯入序列、換言すればピックの序列を決定し、設定器14にステップ信号を出力する。
設定器14は、キーボードまたは入力画面を有する図示しない入力器と、記憶器とを備え、図4の表に示すように異なるタックインモードが複数登録されると共に、図5の表に示すように、制御データとして、ステップ毎に、即ち、緯入のピック毎に、複数のテリーモードのうちの1つが設定されるほか、各テリーモードに対応して図4の表に示される番号のタックインモードが設定され、同一テリーモードに対しては同一のタックインモードが設定される。また、制御データは、各ステップ毎にテリーモード、タックインモードを設定するために、複数のテリーモード、各テリーモードの繰り返し数に関する情報、各テリーモードの実行順序を含んでいる。
図5の例では、製織中に繰り返される1単位の製織サイクルは、ステップ1〜26までの26のステップ、即ち、26のピックによって構成されており、制御データは、1単位の製織サイクルを構成するための情報である2L1F×2+3L2F×1+2L1F×1+3L1F×2+2L2Fの情報を含んでいる。詳説すれば、ステップ1〜6においてテリーモード2L1Fの製織、即ち、1単位のパイル形成サイクルを構成するピック数が3ピックで、そのうちルーズピック数が2ピック、ファーストピック数が1ピックの製織を合計2回、ステップ7〜11においてテリーモード3L2Fの製織、即ち、1単位のパイル形成サイクルを構成するピック数が5ピックで、そのうちルーズピック数が3ピック、ファーストピック数が2ピックの製織を合計1回、ステップ12〜14においてテリーモード2L1Fの製織を合計1回、ステップ15〜22においてテリーモード3L1F、即ち、1単位のパイル形成サイクルを構成するピック数が4ピックで、そのうちルーズピック数が3ピック、ファーストピック数が1ピックの製織を合計2回、ステップ23〜26においてテリーモード2L2F、即ち、1単位のパイル形成サイクルを構成するピック数が4ピックで、そのうちルーズピック数が2ピック、ファーストピック数が2ピックの製織を合計1回実行する情報を含む。
制御データの入力方法として、本実施例では、1単位のパイル形成サイクルを構成するステップにテリーモード情報を入力する。例えば図5の例では、ステップ1〜6にそれぞれテリーモード2L1Fの情報を入力し、ステップ7〜11にそれぞれテリーモード3L2Fの情報を入力し、ステップ12〜14にそれぞれテリーモード2L1Fの情報を入力し、ステップ15〜22にそれぞれテリーモード3L1Fの情報を入力し、およびステップ23〜26にそれぞれテリーモード2L2Fの情報を入力し、1単位の製織サイクルを構成するステップ1〜26の各ステップにそれぞれのテリーモードの情報を入力する。設定器14には1単位の製織サイクルの各ステップにおけるピック、即ち、ルーズピックまたはファーストピックが自動的に設定される。即ち、ステップ1、2、4、5、7、8、9、12、13、15、16、17、19、20、21、23、24でのルーズピック、ステップ3、6、10、11、14、18、22、25、26でのファーストピックが自動的に設定される。
そのほかの制御データの入力方法として、1単位の製織サイクルを構成するまでのテリーモードとその繰り返し数を製織順序に沿って入力してもよい。例えば図5の例では、テリーモード2L1Fを2回、テリーモード3L2Fを1回、テリーモード2L1Fを1回、テリーモード3L1Fを2回、テリーモード2L2Fを1回と、順次入力する。これにより、前述の方法と同様、設定器14には1単位の製織サイクルの各ステップにおけるピック、即ち、ルーズピックまたはファーストピックが自動的に設定される。
また、更なる制御データの入力方法として、1単位の製織サイクルを形成するステップ1〜26の各ステップ毎に、ルーズピックまたはファーストピックを入力してもよい。例えば図5の例では、ステップ1〜6でテリーモード2L1Fを2回繰り返すとの情報に基づき、ステップ1、2、4、5にルーズピックを入力し、ステップ3、6にファーストピックを入力する。ステップ7〜11でテリーモード3L2Fを1回製織するとの情報に基づき、ステップ7、8、9にルーズピックを入力し、ステップ10、11にファーストピックを入力する。ステップ12〜14でテリーモード2L1Fを1回製織するとの情報に基づき、ステップ12、13にルーズピックを入力し、ステップ14にファーストピックを入力する。ステップ15〜22でテリーモード3L1Fを2回繰り返すとの情報に基づき、ステップ15、16、17、19、20、21にルーズピックを入力し、ステップ18、22にファーストピックを入力する。ステップ23〜26でテリーモード2L2Fを1回製織するとの情報に基づき、ステップ23、24にルーズピックを入力し、ステップ25、26にファーストピックを入力する。
図4の表に示すように、設定器14には、テリーモード2L1Fに適用されるNO.1タックインモード、テリーモード2L2Fに適用されるNO.2タックインモード、テリーモード3L1Fに適用されるNO.3タックインモード、テリーモード2L3Fに適用されるNO.4タックインモード、テリーモード3L2Fに適用されるNO.5タックインモード、テリーモード4L1Fに適用されるNO.6タックインモード、テリーモード2L4Fに適用されるNO.7タックインモード、テリーモード3L3Fに適用されるNO.8タックインモード、およびテリーモード4L2Fに適用されるNO.9タックインモードが、それぞれ登録されており、異なる複数のテリーモードのそれぞれのテリーモードに対し、タックインモードが1つのみ登録されており、これらの登録されているタックインモードは、1単位のパイル形成サイクルのピック数および前記サイクル中にタックインが行われる特定のピックの少なくとも一方が互いに異なる。NO.1タックインモードは、1単位のパイル形成サイクルのピック数として3ピック、およびパイル形成サイクル中にタックインが行われる特定のピックとして第1L、即ち、第1ルーズピックをそれぞれ登録している。NO.2タックインモードは、1単位のパイル形成サイクルのピック数として4ピック、およびパイル形成サイクル中にタックインが行われる特定のピックとして第1Lと第2F、即ち、第1ルーズピックと第2ファーストピックの2つのピックをそれぞれ登録している。他のタックインモードも同様、1単位のパイル形成サイクルのピック数、およびパイル形成サイクル中にタックインが行われる特定のピックが登録されている。
なお、本実施例では、図4の表に示すように、1つのテリーモードに対しタックインモードが1つのみ登録されることにより、実行される時期、即ち実行されるステップが互いに異なっても、同一のテリーモードでは、常時、1つのタックインモードが設定されると共に、タックインモードが特定される。従って、本実施例では、制御データとしてタックインモードを各テリーモード毎に設定する作業は、テリーモードの設定に伴ってタックインモードが制御データとして自動的に設定されるので、省略可能である。即ち、テリーモードの設定に伴って、ステップ1〜6、ステップ12〜14のテリーモード2L1Fに対しては第1ルーズピックでタックインを実行するタックインモード、ステップ7〜11のテリーモード3L2Fに対しては第1、第3ルーズピック、第2ファーストピックでタックインを実行するタックインモード、ステップ15〜22のテリーモード3L1Fに対しては第1、第3ルーズピックでのタックイン、ステップ23〜26のテリーモード2L2Fに対しては第1ルーズピック、第2ファーストピックでタックインを実行するタックインモードがそれぞれ設定される。これにより、図5の表にレ印で示されるように、制御データとして、ステップ1、4、7、9、11、12、15、17、19、21、23、26において、タックインの実行が設定される。
設定器14には、更に、緯糸切断モード、即ち、反給糸側カッター2の1単位のパイル形成サイクルにおける作動ピックが、制御データとして設定されており、エジェクタ4に吸引されて把持されている緯糸端Yaは、設定されたステップにおいて、反給糸側カッター2によって、一本、または複数本まとめて切断され、遅くともタックインされるまでに一定長さに切り揃えられる
なお、ステップ27以降のステップは、1単位の製織サイクルの繰り返し数を設定することにより、各ステップにおけるルーズピックまたはファーストピック、タックインの実行または不実行、および反給糸側カッター2の作動または不作動が、自動的に設定される。
設定器14は、モード選択制御装置11からのステップ信号に基づき、制御データから、ルーズピックまたはファーストピック、タックインの実行または不実行、および反給糸側カッター2の作動または不作動をそれぞれ読み出し、モード選択制御装置11に対し、ルーズピック信号またはファーストピック信号を出力すると共に、タックインの実行のステップの場合、および反給糸側カッター2の作動のステップの場合に、タックイン実行信号および緯糸切断信号を出力する。
モード選択制御装置11は、テリーモーション制御装置としてのテリー制御装置15に対し、主制御装置16からの主軸回転角信号を分岐させて出力するほか、設定器14からのルーズピック信号またはファーストピック信号を出力する。また、モード選択制御装置11は、タックイン制御装置10に対し、主制御装置16からの主軸回転角信号を分岐させて出力するほか、設定器14からのタックインの実行または不実行、および反給糸側カッター2の作動または不作動の信号に基づき、タックイン実行信号および緯糸切断信号を出力する。
本実施例では、織機移動装置17がテリーモーション部材として設けられ、更に、サーボモータSMが、テリーモーション部材を駆動する専用のアクチュエータとして設けられ織機移動装置17を駆動する。テリーモーション制御装置としてのテリー制御装置15は、モード選択制御装置11からのルーズピック信号またはファーストピック信号、および主軸回転角信号に基づき、サーボモータSMの回転角を制御する。即ち、テリー制御装置15は前回のピック信号(ルーズピック信号またはファーストピック信号)に基づき、今回のピック信号が、ルーズピックからルーズピックに移行時のルーズピック信号、ルーズピックからファーストピックに移行時のファーストピック信号、ファーストピックからファーストピックに移行時のファーストピック信号、およびファーストピックからルーズピックに移行時のルーズピック信号のうち、いずれの信号であるかを判断する。そして、図5の表に前進および後退として記載されるように、ルーズピックからファーストピックに移行時のファーストピック信号、およびファーストピックにからルーズピックに移行時のルーズピック信号の場合、所定の主軸回転角となった時に、サーボモータSMを駆動しサーボモータSMの回転角を所定値にする。
これにより、織布Cは、織前Ccが、ルーズピックからファーストピックに移行時(図5の表に前進と記載されているステップ)、およびファーストピックにからルーズピックに移行時(図5の表に後退と記載されているステップ)、所定の主軸回転角となった時に、筬打ち位置に対して接近して一致するよう、および筬打ち位置に対して離間するように移動し、ファーストピックの筬打ちでは、所謂完全筬打ちが実行され、ルーズピックの筬打ちでは、所謂部分筬打ちが実行される。特に、ルーズピックから移行した最初のファーストピックの筬打ち、即ち、第1ファーストピックの筬打ちにより、経糸Wはループ状となってパイルが形成される。
タックイン制御装置10は、モード選択制御装置1からのタックイン実行信号、緯糸切断信号および主軸回転角信号に基づき、エアー式タックイン装置30を作動させる、即ち、図示しない高圧空気供給源に接続される電磁開閉弁7、8、9を、それぞれ所定の主軸回転角となった時に開弁し、タックインノズル1a、補助ノズル1bおよび把持ノズル1cに高圧空気を供給してエアーを噴射させる。また、タックイン制御装置10は、入力された緯糸切断信号および主軸回転角信号に基づき、所定の主軸回転角となった時にロータリソレノイド3を励磁して反給糸側カッター2を作動させる。
図2に示されるのは、1単位のパイル形成サイクルが、3本の緯糸の緯入れ、即ち3ピックで形成される3ピックパイルの織成時の状態を表しており、テリーモードは2ルーズピック、1ファーストピック、即ち、2L1Fが選択され、第2ルーズピックの緯糸Yの緯入れ時の状態を示す。また、反給糸側カッター2は、給糸側カッター12と同様、所定の主軸回転角、例えば35°で織機の一回転毎に駆動され、緯糸端Yaは所定の長さに切断されると共に、タックインされるまで、把持ノズル1cから把持孔1dに向かって噴射されるエアーによって把持孔1dに係止される。なお、本実施例の緯糸切断モードでは、反給糸側カッター2は、給糸側カッター12と同様、所定の主軸回転角、例えば35°で駆動され、緯糸端Yaを1本毎に切断しているが、パイル形成サイクルにおける所定のピック時に、緯糸端Yaを複数本まとめて切断するようにして、反給糸側カッター2の動作回数を少なくしてもよい。緯糸Yが細い糸の場合に有効であり、切断ミスを生じることなく反給糸側カッター2の動作回数を減らすことができる。
図5の表に示される例では、ステップ1〜6、およびステップ1〜6の1単位の製織サイクル後のステップ27〜32において、テリーモード2L1F、即ち、2ルーズピック、1ファーストピックのパイル形成サイクルが設定され、第1L、即ち、第1ルーズピックに3本の緯糸端Yaがまとめてタックインされる図4の表NO.1のタックインモードが設定されている。図5の表に後退と記載されるように、第1ルーズピックのステップで、所定の主軸回転角、例えば60°で、サーボモータSMは、織前Ccが、前述の完全筬打ちとなる完全筬打ち位置から、部分筬打ちとなる部分筬打ち位置に移動して、筬6に対して後退するように、完全筬打ち位置における回転角から部分筬打ち位置における回転角に変更される。
ステップ1、4、27、30では、レと印されているように、タックインが実行され、そのうちステップ4およびステップ30では、前回のパイル形成サイクルにおける第1ルーズピック、第2ルーズピックの各緯糸端Yaは、把持ノズル1cから把持孔1dに向かって噴射されるエアーによって、把持孔1dに係止されており、把持ノズル1cからのエアーの噴射が停止されると共に、補助ノズル1b、および補助ノズル1bに続いてタックインノズル1aからエアーが、所定の主軸回転角でそれぞれ噴射される。これにより、前記の第1ルーズピック、第2ルーズピックの各緯糸端Yaは、カッター2によって切断直後の前記の第1ファーストピックの緯糸端Yaと共に、織布Cに折り返され、筬6に対して後退する織前Ccから送出側に広がる経糸開口に挿入される、即ち、タックインされる。図5の表に前進と記載されるように、第1ファーストピックのステップで、所定の主軸回転角、例えば60°で、サーボモータSMは、織前Ccが、筬に対して前進し部分筬打ち位置から完全筬打ち位置に移動するように、部分筬打ち位置における回転角から完全筬打ち位置における回転角に変更される。第1ファーストピックの筬打ちにより、タックインされた3本の緯糸端Yaと、第1ルーズピック、第2ルーズピックおよび第1ファーストピックの各緯糸Yとは、織前Ccに筬打ちされて完全筬打ちされ、織布Cの新たな織前Ccを形成すると共に、織布Cにタックイン耳Cbが形成される。
このように、前回のパイル形成サイクルの緯糸端Yaが、第1ルーズピックでタックインされ、詳細には、第1ルーズピックの緯糸Yの緯入時に折り返されてタックインされる。緯糸端Yaは、第1ルーズピックでタックインされるので、織前Ccが筬6に対して後退してタックインノズル1aに対し相対移動する。従って、移動織前Ccに繋がる経糸開口に形成される緯糸端Yaの挿入空間が、拡大されることになり、緯糸端Yaは容易にタックインされる。また、いずれのテリーモードでも、緯糸端Yaは第1ファーストピックの緯糸Yの緯入時にタックインされない。第1ファーストピックの緯糸Yの緯入時、織前Ccは、部分筬打ち位置から完全筬打ち位置に筬6に向かって移動中であり、経糸開口は、先に緯入されたルーズピックの緯糸Yによって規制されて該緯糸Yから筬6に向かって広がると共に、織前Ccの移動に伴い筬6に向かって移動しタックインノズル1aに対し相対移動する。従って、第1ファーストピックの緯糸Yの緯入時にタックインする場合、緯糸端Yaは、より縮小された緯糸端Yaの挿入空間に挿入されることになり、経糸開口に挿入されない緯糸端Yaが生じる等、タックインミスを生じ易く好ましくない。本発明によれば、タックインモードは、1単位のパイル形成サイクルの好ましくないピックにタックインが実行されるタックインモードを排除して、設定器14に登録されているため、タックインミスを回避できて、高品質の織布を得ることができる。
設定器14には、制御データとして、緯入の各ステップ毎にテリーモード、タックインモード、および緯糸切断モードが設定されるほか、織布Cの移動量、即ちサーボモータSMの駆動量が設定されてもよい。例えば、4L2Fや、本実施例では設定器14に登録されていないが5L2F、6L1Fのようにルーズピック数が多いテリーモードでは、複数回に分けて織布Cを移動してもよく、例えば、第1ルーズピックと第3ルーズピックとに分けて、それぞれ1/2づつ移動してもよい。後続の第1ファーストピックの筬打ちによって形成されるパイルは、2つの山を有して形成され、織布Cは特別の風合いを得る。
図6、図7は、本発明に基づく第2の実施例を示す。図6は設定器14に登録されている各テリーモード毎のタックインモードを示す表であり、テリーモード3L3Fを除いて、各テリーモード毎に2つのタックインモードが登録されている。図7は、設定器14に設定されている制御データの例を示す表である。本実施例では、テリーモード3L3Fを除いて、各テリーモード毎に複数のタックインモードが登録されているので、制御データとして各テリーモード毎にタックインモードを設定する作業が必要であり、図7の例では、同一のテリーモードであって異なる時期に実行される特定のテリーモードについて、異なるタックインモードが設定される。即ち、図7の例では、同一のテリーモードであって異なる時期に実行される特定のテリーモードとして、テリーモード2L1Fが設定され、テリーモード2L1Fについて、ステップ1〜6およびステップ12〜14の互いに異なる時期、即ち異なるステップにそれぞれ設定されると共に、図6の表のNO.1タックインモードおよびNO.2タックインモードの互いに異なるタックインモードが、それぞれ設定される。これにより、同一のテリーモードであっても、緯糸種が異なる等の製織条件が異なる場合に、製織条件により適合したタックインモードが制御データとして設定される。
図8、図9は、本発明の第3の実施例を示し、筬打ち位置変更式パイル織機に適用される。筬打ち位置変更式パイル織機では、テリーモーション部材として筬6を直接またリンク機構を用いて駆動する図示しない筬打ち部材を有し、筬打ち部材を駆動する専用のアクチュエータとしてサーボモータSMが設けられる。ファーストピックではサーボモータSMの回転角は大きく設定されており、筬打ち時、筬6は織布Cの織前Ccに達し、所謂完全筬打ちとなる。ルーズピックではサーボモータSMの回転角は小さく設定されており、筬打ち時、筬6は織布Cの織前Ccまで達せず、所謂部分筬打ちとなる。部分筬打ち後、経糸開口は、筬打ちされたルーズピックの緯糸Yaに規制された状態で筬側に広がる。完全筬打ち後には、緯糸端Yaの挿入空間としての経糸開口が、織前Ccから筬側に広がるのに対し、部分筬打ち後には、前記挿入空間としての経糸開口が、ルーズピックの緯糸Yaに規制されて生じる上経糸と下経糸の交差位置から送出側に向かって広がっており、完全筬打ち後よりも送出側に移動して、タックインノズル1aによるタックインが困難となる。従って、ファーストピックの次のピック、即ち、第1ルーズピック、第2ファーストピック、第3ファーストピック、……では、タックインは確実に実行されるが、一方、ルーズピックの次のピック、即ち、第2ルーズピック、第3ルーズピック、……、第1ファーストピックでは、経糸開口に挿入されない緯糸端Yaが生じる等、タックインミスを生じ易く好ましくない。本実施例では、タックインモードは、1単位のパイル形成サイクルの好ましくないピックにタックインが実行されるタックインモードを排除して、設定器14に登録されているため、タックインミスを回避できる。
図8は、設定器14に登録されている各テリーモード毎のタックインモードを示す表であり、実施例2と同様、テリーモードによっては複数の互いに異なるタックインモードが登録されている。
図9は、設定器14に設定されている制御データを示す表である。テリーモードによっては、複数の互いに異なるタックインモードが登録されているので、制御データとして各テリーモード毎にタックインモードを設定する作業が必要であり、図9の例では、同一のテリーモードであって異なる時期に実行される特定のテリーモードについて、異なるタックインモードが設定される。即ち、図9の例では、同一のテリーモードであって異なる時期に実行される特定のテリーモードとして、テリーモード2L2Fおよびテリーモード2L3Fが設定される。テリーモード2L2Fについて、ステップ1〜8およびステップ19〜22の互いに異なる時期、即ち異なるステップにそれぞれ設定されると共に、図8の表のNO.2タックインモードおよびNO.3タックインモードの互いに異なるタックインモードが、それぞれ設定される。これにより、同一のテリーモードであっても、緯糸種が異なる等の製織条件が異なる場合に、製織条件により適合したタックインモードが制御データとして設定される。また、テリーモード2L2Fと同様、テリーモード2L3Fについて、ステップ14〜18およびステップ23〜27の互いに異なる時期にそれぞれ設定されると共に、図8の表のNO.6タックインモードおよびNO.5タックインモードの互いに異なるタックインモードが、それぞれ設定される。
図9に示す制御データでは、ステップ1〜8は、テリーモード2L2Fが設定され、図8のNO.2のタックインモード、即ち、第1ルーズピック、第2ファーストピックにおいてタックインが設定される。ステップ9〜18は、テリーモード2L3Fが設定され、図8のNO.6のタックインモード、即ち、第1ルーズピック、第2ファーストピックにおいてタックインが設定される。ステップ19〜22は、テリーモード2L2Fが設定され、図8のNO.3タックインクインモード、即ち、第1ルーズピックのみにおいてタックインが設定され、緯糸端Yaを4本まとめてタックインされる。このように多数本の緯糸端Yaをまとめてタックインするのは、緯糸Yが細い等の場合に適用され、多数本をまとめてタックインしてもタックイン耳Cbの凹凸が大きくなって見栄えが悪くなることがない場合に適用される。ステップ23〜27は、テリーモード2L3Fが設定され、図8のNo.5のタックインモード、即ち、第1ルーズピック、第2ファーストピック、第3ファーストピックにおいてタックインが設定される。ステップ1〜27が1単位の製織サイクルであり、ステップ28以降のステップは、1単位の製織サイクルの繰り返し数を設定することにより、各ステップにおけるルーズピックまたはファーストピック、タックインの実行または不実行、および反給糸側カッター2の作動または不作動が、自動的に設定される。
本発明は上記のいずれの実施例にも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々に変更することが可能である。
本発明の第1の実施例のエアー式タックイン装置30を示す平面図であり、 織布移動式パイル織機の給糸側および反給糸側に配置されるエアー式タック イン装置30を示す。 第1の実施例の反給糸側に配置されるエアー式タックイン装置30の要部拡 大図である。 第1の実施例のエアー式タックイン装置30の制御系を示すブロック線図で ある。 第1の実施例において、設定器14において各テリーモード毎に登録されて いるタックインモードを示す表である。 第1の実施例において、設定器14に設定されている制御データの例を示す 表である。 本発明の第2の実施例において、設定器14に登録されている各テリーモー ド毎のタックインモードを示す表である。 本発明の第2の実施例において、設定器14に設定されている制御データの 例を示す表である。 筬打ち位置変更式パイル織機に適用される本発明の第3の実施例において、 設定器14に登録されている各テリーモード毎のタックインモードを示す表 である。 本発明の第3の実施例において、設定器14に設定されている制御データを 示す表である。
1 タックインボディ
1a タックインノズル
1b 補助ノズル
1c 把持ノズル
1d 把持孔
2 反給糸側カッター
3 ロータリソレノイド
4 エジェクタ
5 メインノズル
6 筬
7 電磁開閉弁
8 電磁開閉弁
9 電磁開閉弁
10 タックイン制御装置
11 モード選択制御装置
12 給糸側カッター
13 ロータリソレノイド
14 設定器
15 テリー制御装置
16 主制御装置
17 織布移動装置
18 織機主軸
30 エアー式タックイン装置
C 織布
Ca 織布端
Cb タックイン耳
Cc 織前
M 織機モータ
SM サーボモータ
Y 緯糸
Ya 緯糸端
W 経糸

Claims (3)

  1. パイル形成のために織前位置と筬打ち位置との相対位置を変更するテリーモーション部材であって専用のアクチュエータにより駆動されるテリーモーション部材と、1単位のパイル形成サイクルを構成するルーズピック数およびファーストピック数のうちの少なくとも一方が互いに異なる複数のテリーモードが制御データとして設定される設定器と、織機稼働中に変更されるテリーモードに基づいて前記アクチュエータを制御するテリーモーション制御装置と、エアー噴射によって緯糸先端を折り返して耳組織を形成するエアー式タックイン装置であってタックイン制御装置によって作動が制御されるエアー式タックイン装置とを備えたパイル織機において、
    前記設定器には、更に、1単位のパイル形成サイクルのピック数および前記サイクル中にタックインが行われる特定のピックを情報として含むタックインモードであって前記ピック数および前記特定のピックの少なくとも一方が互いに異なる複数のタックインモードが前記複数のテリーモードのうちの対応するテリーモードに関連付けたかたちで制御データとして設定されると共に、各テリーモードの繰り返し数に関する情報及び各テリーモードの実行順序が制御データとして設定され、
    前記タックイン制御装置は、織機稼働中に変更されるタックインモードに基づいてエアー式タックイン装置を制御する
    ことを特徴とするパイル織機のエアー式タックイン装置。
  2. 前記制御データは、同一のテリーモードが互いに異なる時期に実行される場合、同一のテリーモードであって、互いに異なる時期に実行される複数のテリーモードに対し、常時1つのタックインモードが設定される
    ことを特徴とする請求項1記載のパイル織機のエアー式タックイン装置。
  3. 前記制御データは、同一のテリーモードが互いに異なる時期に実行される場合、同一のテリーモードであって、異なる時期に実行される特定のテリーモードについて異なるタックインモードが設定される
    ことを特徴とする請求項1記載のパイル織機のエアー式タックイン装置。
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