JP4972268B2 - 酸化チタン膜形成用液体、酸化チタン膜の形成法、酸化チタン膜及び光触媒性部材 - Google Patents

酸化チタン膜形成用液体、酸化チタン膜の形成法、酸化チタン膜及び光触媒性部材 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、保護皮膜、紫外線カット皮膜、着色コーティング、及び有機物分解、水若しくは空気の浄化、防汚染、防曇、防結露、防滴、防氷結、防着雪、異物付着防止、抗菌、防カビ、防藻、防臭及び有害ガス分解機能等に用いられる光触媒などの分野に利用される酸化チタン膜形成用液体、酸化チタン膜の形成法、酸化チタン膜及び光触媒性部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
酸化チタン膜形成方法は、酸化チタン粉体スラリーあるいは塩化チタンや硫酸チタンの水溶液を基体に塗布後、焼成する塗布法、金属アルコキシドの加水分解で作製したゾルを基体に塗布後、焼成するゾルゲル法、高真空中で酸化物のターゲットをスパッタリングし基体上に成膜するスパッタ法、有機金属やハロゲン化物を揮発させ電気炉の中で分解して基体上に膜を作製するCVD法、固体粒子を大気中で発生させたプラズマ中で溶融し基体表面にたたきつけるプラズマ溶射法等がある。
酸化チタン粉末スラリーの塗布法は簡単ではあるが、緻密で密着性良好な膜は得られ難く、合成温度が一般に高いため基体の種類にかなりの制限がある。塩化チタンや硫酸チタン等の水溶液を塗布する方法は有害なハロゲン化合物を生成し、また、焼成温度も数百℃以上を必要し、前記の産業上の利用分野には使用されない。
プラズマ溶射法は固体をプラズマ中で溶融し基材表面にたたきつける成膜法で成膜速度は速いが、緻密な膜は得られ難く、均一で密着性に富んだ酸化チタン膜を作製することは出来なかった。
また、スパッタ法やCVD法などは減圧下でなければ良好な膜が得られず、真空排気できる反応容器が必要であり、一般に成膜速度が遅く、緻密な膜を得るためには数百℃以上に基体を加熱しなければならない欠点がある。
ゾルゲル法で作製された市販の酸化チタンゾルは塗布や含浸処理が可能で、大面積コーティングが可能で工業的な利点が多いが、チタンテトライソプロポキサイドやテトラブチルチタネイトなどの有機金属を利用して合成しなければならなかったため、原料が高価で、しかも原料が化学的に不安定で温度制御や雰囲気に影響されやすく取り扱い難いという課題があった。また、ゾルゲル法は原料ゾル中に酸や有機物を含むので焼成除去するのに400℃以上の加熱が必要であり、酸に侵されやすい材料には不向きで、低温焼成では多孔質になりやすい。また、ゾルゲル法によって作製した酸化チタンゾル中には酸やアルカリあるいは有機物が加えられており、被コーティング材の腐食の問題や有機物焼却のための温度(400℃以上)が必要で、加熱焼成中に有害なハロゲン化物や窒素酸化物などが副成する等の欠点があった。
【0003】
これらの欠点を改良するため、例えば特開平9−71418号公報に提案されるようにそれ自体は光触媒能をもたないアモルファス型チタンゾルを基材に塗布後、加熱処理することにより付着性に優れた緻密な酸化チタン皮膜を形成する方法が提案されているが、加熱処理が必要であるため使用できる基材、用途は限られている。
また、例えば特開平9−71418号公報に提案されている比較的低温で加熱処理することにより良好な密着性を有する緻密な酸化チタン皮膜を形成する方法が提案されているが、この方法でも塗膜形成のためには最低でも100℃程度の加熱が必要であるため使用できる基材、用途は限られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、保存安定性に優れ、弱酸性から弱アルカリ性であるために安全性も高く、低温でも成膜可能であり、得られた塗膜は、硬度が高く、透明性、密着性、耐磨耗性、耐久性に優れ、干渉色が出にくく、さらに従来のアナターゼ結晶/アモルファス混合酸化チタンゾル溶液を用いた酸化チタン膜よりも光触媒能が高い優れた特性を有する酸化チタン膜を形成することができる酸化チタン膜形成用液体を提供することにある。
本発明の他の目的は、従来の酸化チタン膜の形成法では高温加熱することでしか発現しなかった酸化チタンの有機物分解、水若しくは空気の浄化、防汚染、防曇、防結露、防滴、防氷結、防着雪、異物付着防止、抗菌、防カビ、防藻、防臭及び有害ガス分解機能を低温で乾燥するだけで発現できるようにした酸化チタン膜の形成法を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記の特性に優れた酸化チタン膜及びこの酸化チタン膜が設けられた上記の優れた特性を有する光触媒性部材を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはこのような問題に鑑み鋭意研究の結果、酸化チタンの平均粒子径を5〜130nm、アナターゼ結晶子径を0.5〜10nm、アナターゼ結晶の存在率を5〜99.9%にした、アモルファス型酸化チタンとアナターゼ型結晶酸化チタン又はその前駆体を含有するアナターゼ結晶/アモルファス混合酸化チタンゾル溶液に有機物質を添加、混合することにより、保存安定性に優れ、弱酸性から弱アルカリ性であるために安全性も高く、100℃以上の加熱処理をしなくとも光触媒能を有する酸化チタン膜を形成することができ、得られた塗膜は、硬度が高く、透明性、密着性、耐磨耗性、耐久性に優れ、干渉色が出にくく、さらに有機物質を添加していない従来のアナターゼ結晶/アモルファス混合酸化チタンゾル溶液を用いた酸化チタン膜よりも優れた光触媒活性を発現することを見いだし、この知見に基づいて、本発明を完成するに至った。
【0006】
本発明は次のものに関する
(1)アモルファス型酸化チタンとアナターゼ型結晶酸化チタン又はその前駆体を含有するアナターゼ結晶/アモルファス混合酸化チタンゾル溶液とアルキルシリケート構造とポリエーテル構造の両方を有する有機物質を混合してなる酸化チタン膜形成用液体であって、アナターゼ結晶/アモルファス混合酸化チタンゾル溶液中の酸化チタンの平均粒子径が5〜130nm、アナターゼ結晶子径が0.5〜10nm、アナターゼ結晶/アモルファス混合酸化チタンにおいてアナターゼ結晶の存在率が5〜99.9%であることを特徴とする酸化チタン膜形成用液体。
(2)アモルファス型酸化チタンとアナターゼ型結晶酸化チタン又はその前駆体を含有するアナターゼ結晶/アモルファス混合酸化チタンゾル溶液とアルキルシリケート構造とポリエーテル構造の両方を有する有機物質を混合してなる酸化チタン膜形成用液体であって、アナターゼ結晶/アモルファス混合酸化チタンゾル溶液中の酸化チタンの平均粒子径が30〜130nm、アナターゼ結晶子径が0.5〜8nm、アナターゼ結晶/アモルファス混合酸化チタンにおいてアナターゼ結晶の存在率が5〜70%であることを特徴とする酸化チタン膜形成用液体。
(3)アモルファス型酸化チタンとアナターゼ型結晶酸化チタン又はその前駆体を含有するアナターゼ結晶/アモルファス混合酸化チタンゾル溶液とアルキルシリケート構造とポリエーテル構造の両方を有する有機物質を混合してなる酸化チタン膜形成用液体であって、アナターゼ結晶/アモルファス混合酸化チタンゾル溶液中の酸化チタンの平均粒子径が5〜80nm、アナターゼ結晶子径が5〜10nm、アナターゼ結晶/アモルファス混合酸化チタンにおいてアナターゼ結晶の存在率が40〜99.9%であることを特徴とする酸化チタン膜形成用液体
(4)アルキルシリケート構造とポリエーテル構造の両方を有する有機物質がポリエチレンオキサイド重合体変性ポリジメチルシロキサン又はポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイドブロック共重合体変性ポリジメチルシロキサンである(1)〜(3)何れかに記載の酸化チタン膜形成用液体。
)アナターゼ結晶/アモルファス混合酸化チタンと有機物質の比が、前者:後者の重量比で、1:0.01〜1:10である請求項()〜()何れか記載の酸化チタン膜形成用液体。
化チタン膜形成用液体に含まれる溶媒又は分散媒が、水、有機溶媒又は水−有機溶媒混合物である(1)〜(5)何れか記載の酸化チタン膜形成用液体。
)溶媒又は分散媒の総量のうち、水が30〜99重量%、有機溶媒の量が1〜70重量%である()記載の酸化チタン膜形成用液体。
)有機溶媒がアルコール類である(6)又は(7)記載の酸化チタン膜形成用液体。
)アルコール類がエタノールである()記載の酸化チタン膜形成用液体。
10)(1)〜()何れか記載の酸化チタン膜形成用液体を、基材に塗布あるいは含浸させ、乾燥して作製することを特徴とする酸化チタン膜の形成法。
11)(1)〜()何れか記載の酸化チタン膜形成用液体を、基材に塗布あるいは含浸させ、100℃以下の温度で乾燥して作製することを特徴とする(10)記載の酸化チタン膜の形成法。
12)(10)又は(11)記載の酸化チタン膜形成法で得られた酸化チタン膜に紫外線を照射することを特徴とする酸化チタン膜の形成法。
13)基材が透明基材である(10)〜(12)何れか記載の酸化チタン膜の形成法。
14)基材がガラス基材又はポリカーボネートである(13)記載の酸化チタン膜の形成法。
15)(10)〜(14)何れか記載の酸化チタン膜の形成法により得られた酸化チタン膜。
(16)(15)記載の酸化チタン膜を有してなる光触媒性部材
【0007】
【発明の実施の形態】
前述のような問題点を解決するために、本発明では以下のような手段によって酸化チタン膜形成用液体を得た。
まず、本発明に用いるアモルファス型酸化チタンとアナターゼ型結晶酸化チタン又はその前駆体を含有するアナターゼ結晶/アモルファス混合酸化チタンゾル溶液は、次のようにして得られる。四塩化チタンなどの塩化チタンや硫酸チタンから選ばれるチタン化合物の水溶液とアンモニアや苛性ソーダ等の塩基性溶液からオルトチタン酸と呼ばれる水酸化チタンゲルを作製する。次いで、水を用いたデカンテーションによって、アンモニウムイオン及び塩素イオン等の副生成物及び不純物を適宜取除き、沈殿した水酸化チタンを分離する。この際、イオン交換樹脂を用いて、副生成物及び不純物を適宜取除くこともできる。
さらに過酸化水素水を作用させ、余分な過酸化水素を分解除去することにより黄褐色の透明粘性液体、すなわちアモルファス型酸化チタンゾル溶液(I)を得ることができる。水酸化チタンと過酸化水素水を反応させると発熱するので、液温を−5〜40℃に管理する必要が有る。またこの際、発泡が有るので、容器から内容物が流出しないように注意を要する。この液体は、後述するように、過酸化状態の水酸化チタンを含んでいると考えられ、市販のTiO2ゾルとは本質的に異なるものである。このアモルファス型酸化チタンゾル溶液(I)をさらに65℃以上で加熱すると、一部の酸化チタンがその前駆体をへてアナターゼ型結晶酸化チタンに結晶化して一部の酸化チタンがアナターゼ結晶又はその前駆体であるアナターゼ結晶/アモルファス混合酸化チタンゾル溶液が得られる。この際、加熱する温度は、反応をすみやかに行うため、好ましくは80℃以上、より好ましくは90℃以上、副反応を抑え、水等の揮発を抑制するために好ましくは100℃以下、より好ましくは95℃以下とされる。
また、別法としてアモルファス型酸化チタンゾル溶液(I)をさらに65〜120℃で4〜40時間加熱すると、一部又は全部の酸化チタンがアナターゼ型結晶又はその前駆体となったアナターゼ型酸化チタンゾル溶液(II)が得られ、アモルファス型酸化チタンゾル溶液(I)と上記で得られたアナターゼ型酸化チタンゾル溶液(II)を適宜混合して、アナターゼ結晶/アモルファス混合酸化チタンゾル溶液を得ることもできる。得られたアナターゼ結晶/アモルファス混合酸化チタンゾル溶液と有機物質を混合して本発明の酸化チタン膜形成用液体を得ることができる。
【0008】
原料となるチタン化合物は安価で取扱が容易な硫酸塩や四塩化チタンなどの塩化物、しゅう酸塩等が望ましく、また、水酸化チタンの沈殿物を生成する塩基性溶液はアンモニア水、苛性ソーダ等が望ましい。反応によって副成する塩は安定で無害な塩化ナトリウム、硫酸ナトリウムあるいは塩化アンモニウム等になるような組み合わせが望ましい。
チタン化合物の濃度は特に制限はないが、通常は5〜80重量%の濃度で市販されている水溶液を0.3〜10重量%に希釈した水溶液で反応が行われる。チタン化合物の濃度が0.3重量%未満だと、沈殿の生成に時間がかかる傾向があり、10重量%を超えると、沈殿生成時の温度管理が困難になる傾向がある。沈殿させるpHは好ましくは1〜3、より好ましくは2程度で行い、Fe等の不純物が共沈しないようにすることが望ましい。また、沈殿の生成は5〜40℃で1〜24時間行うことが好ましい。またデカンテーションに用いる水は、イオン交換水が好ましく、イオン交換と蒸留を併用した純水が更に好ましい。
【0009】
沈殿した水酸化チタン(オルトチタン酸と呼ばれる場合もある)はOH同志の重合や水素結合によって高分子化したゲル状態にあり、このままでは酸化チタン膜の塗布液としては使用できない。このゲル状態の水酸化チタンに過酸化水素水を添加するとOHの一部が過酸化状態になりペルオキソチタン酸イオンとして溶解、あるいは高分子鎖が低分子に分断された一種のゾル状態になり、余分な過酸化水素は水と酸素になって分解し、酸化チタン膜形成用の粘性液体として使用ができるようになる。この酸化チタンゾル溶液は、チタン以外に酸素と水素しか含まないので、乾燥や焼成によって酸化チタンに変化する場合に水と酸素しか発生しないため、ゾルゲル法や硫酸塩等の熱分解法に必要な炭素成分やハロゲン成分の除去が必要でなく、従来より低温でも比較的密度の高い結晶性の酸化チタン膜を作製することができる。また、pHは弱酸性から弱アルカリ性なので、使用における人体への影響や基材の腐食などを考慮する必要がない。さらに、過酸化水素はゾル化剤としてだけではなく安定化剤として働き、ゾルの室温域で安定性が極めて高く長期の保存に耐える。
【0010】
過酸化水素としては安全性の点から好ましくは1〜40重量%過酸化水素水が用いられ、その添加量は水酸化チタンゲル固形分に対して重量比で、好ましくは水酸化チタン/過酸化水素=1/0.7〜1/1.5の割合で加えて、好ましくは0.5〜6時間攪拌させて作用させる。その後、酸化チタンの濃度が好ましくは0.5〜3重量%になるようにイオン交換と蒸留を併用した純水を加え、酸化チタンゾル溶液とすることができる。
酸化チタンゾル溶液中の酸化チタンの平均粒子径を5〜130nm、アナターゼ結晶子径を0.5〜10nm、アナターゼ結晶/アモルファス混合酸化チタンにおけるアナターゼ結晶の存在率を5〜99.9%に制御することによって、酸化チタン膜形成用液体を塗布乾燥してなる膜が、透明性、密着性、耐磨耗性に優れ、硬度が高く、屋外に暴露した時の耐久性に優れるようにすることができる。
ここで、酸化チタンゾル溶液中の酸化チタンの平均粒子径は、例えば粒子のブラウン運動とレーザー散乱光のマルチタウ・オートコリレーション分光分析により測定でき、装置としては、ベックマン・コールター社の粒度分布測定装置N4シリーズ等を用いることができる。アナターゼ結晶子径は、X線回折で得られるアナターゼ結晶の最強線の101面のピークを用いてScherrer法により算出することができる。また、アナターゼ結晶の存在率は、X線回折で得られるアナターゼ結晶ピークの積分強度について、既知のアモルファス型酸化チタンとアナターゼ型酸化チタンから得た検量線より求める方法や、アモルファス型酸化チタンとアナターゼ型酸化チタンのピーク分離ソフトを用いて、それぞれの積分強度比から算出する方法等がある。
【0011】
酸化チタンゾル溶液中の酸化チタンの平均粒子径、アナターゼ結晶子径を制御せしめる方法は、製造ロット間でバラツキが大きく、正確に条件を限定することは至難であるが、チタン化合物と塩基性溶液からなる原料にカチオン及びアニオン等の不純物が少ない物を用いること、水酸化チタンを水でデカンテーションを行うことによって、アンモニウムイオン及び塩素イオン等の副生成物を十分取除くこと、水酸化チタンゲルと過酸化水素水を反応させる際に発熱することにより液温が上昇するが、液温を−5〜40℃、好ましくは0〜20℃、より好ましくは、0〜10℃に管理することによって制御できる。
酸化チタンの平均粒子径は、アモルファス型酸化チタンゾル溶液(I)を加熱すると、徐々に値は小さくなり、その後大きくなっていく。ここで、平均粒子径が極小を迎える少し前に制御することが、塗布乾燥してなる膜に有効な光触媒能を持たせしめ、透明性、密着性、耐磨耗性に優れ、硬度が高く、屋外に暴露した時の耐久性に優れるようにするために好適である。また、アナターゼ結晶子径は、アモルファス型酸化チタンゾル溶液(I)を加熱する時間を長くするほど大きくなる。また、アモルファス型酸化チタンゾル溶液(I)の量を少なくすること及びアモルファス型酸化チタンゾル溶液(I)のアモルファス型酸化チタン濃度を高くすること、加熱する温度を高くすることによって、短時間でアナターゼ結晶子径は大きくなる。
例えば、1重量%のアモルファス型酸化チタンゾル溶液(I)の量を1リットルとし、95℃で加熱した場合の好ましい加熱時間は、2〜10時間とされ、より好ましくは5〜7時間とされる。
【0012】
アナターゼ結晶/アモルファス混合酸化チタンにおけるアナターゼ結晶の存在率を5〜99.9%に制御せしめる方法は、アナターゼ結晶の存在率が既知のアモルファス型酸化チタンゾル溶液(I)と、一部又は全部の酸化チタンがアナターゼ結晶又はその前駆体となったアナターゼ型酸化チタンゾル溶液(II)を適宜混合する方法がある。
また、アモルファス型酸化チタンゾル溶液(I)の量を少なくすること及びアモルファス型酸化チタンゾル溶液(I)のアモルファス型酸化チタン濃度を高くすること、加熱する温度を高くすることによって、短時間でアナターゼ結晶の存在率は大きくなる。
【0013】
酸化チタンゾル溶液中の酸化チタンの平均粒子径、アナターゼ結晶子径、アナターゼ結晶/アモルファス混合酸化チタンにおけるアナターゼ結晶の存在率は、酸化チタン膜形成用液体を塗布乾燥してなる膜の、透明性、密着性、耐磨耗性、硬度、屋外に暴露した時の耐久性を重視した場合には、より好ましくは、平均粒子径が30〜130nm、アナターゼ結晶子径が0.5〜8nm、アナターゼ結晶/アモルファス混合酸化チタンにおいてアナターゼ結晶の存在率が5〜70%とされ、さらに好ましくは、平均粒子径が40〜80nm、アナターゼ結晶子径が1〜5nm、アナターゼ結晶/アモルファス混合酸化チタンにおいてアナターゼ結晶の存在率が10〜50%とされる。
一方、酸化チタン膜形成用液体を塗布乾燥してなる膜の、光触媒能を重視した場合には、より好ましくは、平均粒子径が5〜80nm、アナターゼ結晶子径が5〜10nm、アナターゼ結晶/アモルファス混合酸化チタンにおいてアナターゼ結晶の存在率が40〜99.9%とされ、さらに好ましくは、平均粒子径が10〜40nm、アナターゼ結晶子径が6〜8nm、アナターゼ結晶/アモルファス混合酸化チタンにおいてアナターゼ結晶の存在率が60〜98%とされる。
【0014】
本発明に用いる有機物質は、アナターゼ結晶/アモルファス混合酸化チタンを含む酸化チタンゾル溶液に混合することで、これを塗布乾燥してなる膜に紫外線をあてた時に発現する光触媒能が、これに用いたアナターゼ結晶/アモルファス混合酸化チタンを含む酸化チタンゾル溶液を塗布乾燥してなる膜に同じ紫外線をあてた時に発現する光触媒能よりも高くなるもの、又は、アナターゼ結晶/アモルファス混合酸化チタンを含む酸化チタンゾル溶液に混合することで、これを塗布乾燥してなる膜に紫外線をあてた時に発現する有機物分解能が、これに用いたアナターゼ結晶/アモルファス混合酸化チタンを含む酸化チタンゾル溶液を塗布乾燥してなる膜に同じ紫外線をあてた時に発現する有機物分解能よりも高くなるもの、又は、アナターゼ結晶/アモルファス混合酸化チタンを含む酸化チタンゾル溶液に混合することで、これを塗布乾燥してなる膜に紫外線をあてた時に発生する電流値(A)が、これに用いたアナターゼ結晶/アモルファス混合酸化チタンを含む酸化チタンゾル溶液を塗布乾燥してなる膜に同じ紫外線をあてた時に発生する電流値(B)よりも大きくなるもの、又は、アナターゼ結晶/アモルファス混合酸化チタンを含む酸化チタンゾル溶液に混合することで、これを塗布乾燥してなる膜のバンドギャップ(A)が、これに用いたアナターゼ結晶/アモルファス混合酸化チタンを含む酸化チタンゾル溶液を塗布乾燥してなる膜のバンドギャップ(B)よりも小さくなるものであって、例えば、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族系、脂肪族系及び脂環式の、アルコール類、ケトン類、エステル類及びエーテル類、複素環含有化合物、これらのアミン変性化合物、シリコーン変性化合物、各種重合体等が挙げられるが、本発明はそれらに限定したものではない。
【0015】
これらの内、酸化チタンゾル等の水分散体に混合することや、撥水性基材への濡れ性を向上させること等の観点から、分子中にアルキルシリケート構造を有する有機物質やポリエーテル構造を有する有機物質が好ましく、特に分子中にアルキルシリケート構造と、ポリエーテル構造の双方を有する有機物質がより好ましい。
ここで、アルキルシリケート構造とは、シロキサン骨格のシラン原子にアルキル基が付加した構造をさす。具体的には、ポリジメチルシロキサンに代表されるシロキサン結合(−Si−O−)を主鎖とするものが好適であるがそれらに限定されるものではない。
また、エーテル構造とは、ポリアルキレンオキサイド等の、アルキレン基をエーテル結合で結合した構造をさす。具体的には、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリテトラメチレンオキサイド、ポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイドブロック共重合体、ポリエチレンポリテトラメチレングリコール共重合体、ポリテトラメチレングリコール−ポリプロピレンオキサイド共重合体等の構造を有するものが挙げられる。その中でも、ポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイドブロック共重合体は、そのブロック度や分子量により、濡れ性を制御できる観点からもさらに好適であるが、それらに限定されるわけではない。
【0016】
より好ましいものである、分子中にアルキルシリケート構造と、ポリエーテル構造の双方を有する有機物質としては、具体的には、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン等のポリエーテル変性ポリシロキサン系塗料用添加剤が使用でき、例えば、両末端メタリルポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイドブロック共重合体とジヒドロポリジメチルシロキサンとを反応させて得られるポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイドブロック共重合体変性ポリジメチルシロキサンが好適に用いられる。
アルキルシリケート構造と、ポリエーテル構造の双方を有する有機物質の分子量としては、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ法でポリスチレン換算した重量平均分子量で100〜10,000が好ましく500〜7,000がより好ましく、1,000〜4,000がさらに好ましい。分子量が100未満では基材との濡れ性が劣る傾向があり、分子量が10,000を超えるとチタンゾルの安定性に悪影響を与える傾向がある。このようなアルキルシリケート構造と、ポリエーテル構造の双方を有する有機物質は、例えばポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンとして日本ユニカー(株)より商品名FZ−2161で販売されているものを使用することができる。
いずれにせよ、アナターゼ結晶/アモルファス混合酸化チタンを含む酸化チタンゾル溶液に混合する有機物質は、アナターゼ結晶/アモルファス混合酸化チタンを含む酸化チタンゾル溶液の溶媒又は分散媒に可溶であることが好ましい。
ここで、アナターゼ結晶/アモルファス混合酸化チタンと有機物質の比は、前者:後者の重量比で、1:0.01〜1:10であることが好ましく、1:0.05〜1:2がより好ましく、1:0.1〜1:0.5がさらに好ましい。有機物質の割合がアナターゼ結晶/アモルファス混合酸化チタン1に対して0.01未満の場合、濡れ性が悪く基材に塗布できないことがあり、また塗布できたものでも干渉色があり、光触媒能の向上効果に劣る傾向がある。一方、有機物質の割合がアナターゼ結晶/アモルファス混合酸化チタン1に対して10を超える場合、常温での造膜性が悪くなったり、塗膜の耐久性が劣ったりする傾向がある。
【0017】
本発明の酸化チタン膜形成用液体に含まれる溶媒又は分散媒としては、特に制限はないが、酸化チタン膜形成用液体の安定性の意味で水が最も好ましい。酸化チタンゾル分散性に優れる意味では、水、有機溶媒又は水−有機溶媒混合物が好ましい。水/有機溶媒混合割合としては、総量のうち、水が30〜99重量%であることが好ましく、40〜95重量%であることがより好ましく、有機溶媒の量が1〜70重量%であることが好ましく、さらに5〜60重量%であることがゲル化が起こり難く好ましい。
溶媒又は分散媒となる水は、本発明になる酸化チタン膜形成用液体の安定性の意味で、イオン等の不純物を含んでいないことが好ましく、例えばイオン交換水が好ましく、イオン交換と蒸留を併用した純水が更に好ましい。
また、溶媒又は分散媒となる有機溶媒としては、アルコール類やブチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ類、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類、γ−ブチロラクトン等のラクトン類が好適に使用される。前記アルコールとは、常温で液体でかつ水酸基を持つ炭化水素化合物を指し、その例としては、エタノール、メタノール、イソプロパノール等が挙げられるがそれらに限定するものではない。上記溶剤の中でも水が安全性、貯蔵安定性の点から適している。この意味で中でも、エタノールが適している。
【0018】
本発明の酸化チタン膜形成用液体には必要に応じて公知の界面活性剤、消泡剤、レベリング剤、カップリング剤、防腐剤、染料、顔料、充填剤等を酸化チタン膜の特性を損なわない程度に添加することも出来る。また、必要に応じて、前記有機物質以外のアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ケトン樹脂、ポリウレタン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、セルロース等の多糖類及びそれらのシリコーン、アミン、エポキシ変性樹脂等の各種樹脂類を酸化チタン膜の特性を損なわない程度に添加することも出来る。
本発明に用いられる材料を混合し、本発明となる酸化チタン膜形成用液体を製造する方法としては、均一に分散混合させうる方法であれば特に制限は無いが、例えば、デゾルバー、スタテックミキサー、ホモジナイザー、ペイントシェイキング等の攪拌装置が挙げられる。
【0019】
本発明の酸化チタン膜形成用液体は、アナターゼ結晶/アモルファス混合酸化チタンゾル溶液と有機物質を混合してなる酸化チタン膜形成用液体を塗布乾燥してなる膜に紫外線をあてた時に発現する光触媒能が、これに用いたアナターゼ結晶/アモルファス混合酸化チタンゾル溶液のみを塗布乾燥してなる膜に同じ紫外線をあてた時に発現する光触媒能よりも高いことを特徴とすること以外、特に制限は無く、一般に知られている、光触媒による水若しくは空気の浄化、防汚染、防曇、防結露、防滴、防氷結、防着雪、異物付着防止、抗菌、防カビ、防藻、防臭、有害ガス分解等から選ばれる一つ若しくは二つ以上の機能が向上した酸化チタン膜を形成することができる。
【0020】
次に具体的な光触媒能の評価方法について説明する。
まず有機物分解性としては、例えば、酸化チタン膜に水で適宜希釈した水溶性インキ、メチレンブルー、マラカイトグリーン、ジニトロフェノール溶液等の染料をスプレー、ディップ等で塗装し、常温で乾燥させた後、ブラックライトブルー等で紫外線を照射して、その消失の度合いを目視観察又は色差、吸光度等を測定することで確認することができる。
次に、酸化チタン膜に紫外線をあてた時に発生する電流値すなわち光起電流値を測定する方法としては、例えば、ITO(インジウムチンオキサイド)等の導電性塗膜を有する基材上に、酸化チタン膜を形成し作用電極とし、さらに銀/塩化銀電極等の参照電極、白金電極等の対極を、石英等の透明セルに入れた硫酸ナトリウム水溶液等の電解液に浸漬させて、それぞれの電極をポテンシオスタットに接続し、酸化チタン膜に紫外線を照射することで測定することができる。
また、バンドギャップとは、酸化チタン等の半導体金属のもつ電子伝導帯と価電子帯との間のエネルギーの幅、すなわち禁制帯幅を差す。ここで光触媒機能の発現とは、バンドギャップ以上の紫外線等の光エネルギーを用いて、励起条件におかれることにより、電子が価電子帯から電子伝導帯に移動し、電子が抜けた価電子帯には正孔が生じ、空気中の水と酸素から・OH(ヒドロキシルラジカル)、O2 -(スーパーオキシドイオン) 等の活性酸素種を生じせしめ、これら活性酸素種及び正孔自身の酸化作用によって有機物化合物等を分解することが、一般的に理解されている原理である。
【0021】
このバンドギャップを測定する方法としては、例えば、上述の光起電流値を測定する方法と同様な装置に、光源と酸化チタン膜の間にモノクロメーター等の波長を変化させうる装置を介して、波長を変化させたときに起電流が発生する波長を測定し得られた波長を、光量子のエネルギーEの式(式1)から求めたバンドギャップ値E(eV)と波長λ(nm)の関係式(式2)に代入して求められる。
式1:E=hν=h(c/λ)
[h;プランク定数(6.63×10-34J・s)、ν;振動数(1/s)、
C;光速度(3×10 8 m/s)、λ;波長(m)、1(eV)=1.6×10-19(J)]
式2:バンドギャップ値E(eV)=1240/λ(nm)
この際、アモルファス型酸化チタンが多い場合のように、起電流が著しく弱く、正確に測定し難い場合には、当該試験片に任意に印可電圧を変化させて与えながら、電流値を測定し、印可電圧とそれぞれの印可電圧値で求められたエネルギーギャップ値の関係から、印可電圧を与えないときのエネルギーギャップ値(真のエネルギーギャップ値)を外挿する方法を用いることができる。
ここでバンドギャップが小さいと、光触媒能が高いということについては、更なる原理解明を要するところではあるが、発明者等は、電子伝導帯と価電子帯との間のエネルギーの幅が小さくなることで、光励起すなわち電子が価電子帯から電子伝導帯に移動し易くなるためだと解釈している。この意味で、本発明となるアナターゼ結晶/アモルファス混合酸化チタンを含む酸化チタンゾル溶液と有機物質を混合してなる酸化チタン膜形成用液体を塗布乾燥してなる膜のバンドギャップ(A)と、これに用いたアナターゼ結晶/アモルファス混合酸化チタンを含む酸化チタンゾル溶液のみを塗布乾燥してなる膜のバンドギャップ(B)との差(B−A)は、0.1eV以上であることが好ましい。
【0022】
次に本発明となる酸化チタン膜の形成法について説明する。
本発明となる酸化チタン膜の形成法は、本発明となる酸化チタン膜形成用液体を基材に塗布あるいは含浸させ、乾燥して作製することを特徴とし、特に制限はないが、酸化チタン膜形成用液体を基材に塗布又は含浸後、100℃以下の低温で乾燥することにより付着性に優れた緻密な酸化チタン膜を形成できることを一つの特徴としている。この意味で、乾燥温度は、10〜50℃の室温域でも十分可能であり、乾燥時間は膜の厚さや、溶媒又は分散媒にもよるが、0.5〜24時間で十分である。
ここで、乾燥を速める生産性を考慮した場合、乾燥温度を高めることもでき、この場合、基材がダメージを受けない温度でかつ酸化チタンの結晶性が変化しない温度、かつ、水等の常温での揮発等を考慮すると、300℃以下が好ましい。湿度は、本発明の組成物中に含まれる溶剤が水、アルコール系、水−アルコール系が好適であることからその揮発性及びスプレーコーティング時の多層コーティングを考慮すると、20〜60%であることが好ましい。
【0023】
具体的な塗布あるいは含浸させる方法としては、スプレーコーティング法、ディップコーティング法、フローコーティング法、スピンコーティング法、ロールコーティング法、カーテンコーティング法、バーコーティング法、超音波コーティング法、スクリーン印刷法、刷毛塗り、スポンジ塗り等が適用できるが、粘度の低い酸化チタン膜形成用液体の場合、スプレーコーティング法が好ましい。
塗布あるいは含浸し、乾燥させた酸化チタン膜は、紫外線を照射することで、塗膜強度を向上することができる。紫外線の照射量としては、2J/cm2以上、好ましくは2.2〜5.4J/cm2で十分な塗膜強度を得ることができる。紫外線照射の方法としては、太陽光、蛍光灯、ブラックライト、高圧水銀灯などを用いることができるが短時間で大量の紫外線が照射できること、装置の簡便さの点からブラックライトブルーが好ましい。
また、酸化チタン膜の厚さは、特に制限はないが、0.05〜1.5μmが好ましく、0.1〜1.0μmがより好ましく、0.2〜0.5μmがさらに好ましい。0.05μm未満では、十分な光触媒能が得られない場合があり、また1.5μmを超えると、酸化チタンの色がでて透明性を低下させたり、基材との密着性が低下して剥がれ易くなる場合がある。
【0024】
本発明の酸化チタン膜の形成法に用いられる基材としては、特に制限はなく、ガラス、石英板、セラミックス、各種金属、これらの複合材などの耐熱性基材があげられるが、塗布、乾燥するだけで良好な被膜が形成でき、焼成(熱をかけて膜等の固体にならしめること又は熱をかける行為)等をする必要がないため、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂、紫外線硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂等の有機物質の基材上に塗布することもできる。前記熱可塑性樹脂の基材としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル、これらの複合材等の一般的にプラスチックと総称される基材があげられる。またこれらの複合材を用いることもできる。但し、本発明の酸化チタン膜は、光触媒能が高く、酸化分解の能力が高いと考えられるため、有機物基材に用いる場合には、その耐久性等に注意を要する。有機物の酸化分解を避ける方法としては、シリコーン系被膜、アモルファス型酸化チタン被膜等の既知光触媒活性に耐えうる被膜をバリア層として設け、その上に本発明の酸化チタン膜を形成することができる。
また、本発明で造膜されてなる被膜は干渉色を示さないため、濃色の基材や、ガラス、ポリカーボネート、アクリル樹脂等の透明な基材に対し、特に有用である。耐熱性の基材を用いた場合には、その耐熱温度以下で焼成を行ってもよい。
【0025】
本発明になる光触媒性部材は、本発明になる酸化チタン膜を有してなる光触媒性部材であることを特徴とし、特に制限はないが、光触媒能による、水若しくは空気の浄化、防汚染、防曇、防結露、防滴、防氷結、防着雪、異物付着防止、抗菌、防カビ、防藻、防臭、有害ガス分解等の機能の何れか一つ若しくは、二つ以上の機能を有することができる全ての部材が挙げられる。
具体的な例としては、例えば、道路壁パネル、反射板、交通標識、案内表示板等の各種道路部材、建築用内外装材、車両、船舶、航空機等の内外部材、空調機、清掃機、冷蔵庫、洗濯機等の家電品、浄水器、浄水場処理槽等の水処理施設、板ガラス、ガラス繊維、ガラス粉等の各種ガラス、鏡、照明器具、タイル等が挙げられる。さらには、干渉色がない被膜を与えることから、視認性の要求される車輌、船舶、航空機、建築物の窓部材や、意匠性の要求される車輌、建築の内外装が好適である。
【0026】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は実施例に何ら制限されるものではない。
酸化チタンゾル溶液(T1):合成例1
室温(25℃)でpH2の0.8重量%の四塩化チタン水溶液1リットルに2.5重量%アンモニア水を滴下しながら4時間反応させると白色の水酸化チタンの沈殿を得た。これをイオン交換と蒸留を併用した純水(以下、イオン交換と蒸留を併用した水を純水と称する)でデカンテーションを10回繰り返すことによって、アンモニウムイオン及び塩素イオン等の副生成物及び不純物を適宜取除き、沈殿した水酸化チタン(HT−1)を分離した。
これに過酸化水素水30重量%溶液を20ミリリットル加えて良くかき混ぜながら反応させ発泡と発熱に注意しつつ液温を5℃に管理しながら、3時間反応させて、ペルオキソチタン酸イオンとして溶解、あるいは一種のゾル状態の黄褐色の透明粘性液体、アモルファス型酸化チタンゾル溶液を得、濃度が1.0重量%になるように純水を加え、アモルファス型酸化チタンゾル溶液(MZ−1)とした。MZ−1を20時間静置した後、さらに95℃で3.5時間加温して、アナターゼ型酸化チタンを含む淡黄色透明〜微濁の液体(NZ−1)を作製した。その後、酸化チタンの濃度が1.0重量%になるように純水を加え酸化チタンゾル溶液を調整しpH7.4のT1を得た。
T1中の酸化チタンの平均粒子径は、ベックマン・コールター社製、粒度分布測定装置N4MDを用いて測定した結果、52nmであった。
また、アナターゼ結晶子径は、T1を常温乾燥して得た酸化チタンのX線回折で得られるアナターゼ結晶の最強線の101面のピークを用いてScherrer法により算出した結果、4.2nmであった。
アナターゼ結晶の存在率は、T1を常温乾燥して得た酸化チタンを(株)リガク製広角X線回折装置RU−200BHを用いて、X線源Cu、X線出力50kV−150mA、スリット角度0.5deg、スリット幅0.15mmで、走査範囲2θ=2〜90degを0.1deg毎に積算時間10秒で積算測定し、得られた回折プロファイルをピーク分離処理して得たアナターゼ結晶の回折ピークの積分強度を全体の積分強度で除して算出した結果、35%であった。
【0027】
酸化チタンゾル溶液(T2):合成例2
合成例1で得たHT−1に過酸化水素水30重量%溶液を20ミリリットル加えて良くかき混ぜながら反応させ発泡と発熱に注意しつつ液温を10℃に管理しながら、1.5時間反応させて、ペルオキソチタン酸イオンとして溶解、あるいは一種のゾル状態の黄褐色の透明粘性液体、アモルファス型酸化チタンゾル溶液を得、濃度が1.0重量%になるように純水を加え、アモルファス型酸化チタンゾル溶液(MZ−2)とした。MZ−2を20時間静置した後、さらに95℃で3.5時間加温して、アナターゼ型酸化チタンを含む淡黄色透明〜微濁の液体(NZ−2)を作製した。その後、酸化チタンの濃度が1.0重量%になるように純水を加え酸化チタンゾル溶液を調整しpH8.8のT2を得た。
T2中の酸化チタンの平均粒子径は、ベックマン・コールター社製、粒度分布測定装置N4MDを用いて測定した結果、35nmであった。
また、アナターゼ結晶子径は、T2を常温乾燥して得た酸化チタンのX線回折で得られるアナターゼ結晶の最強線の101面のピークを用いてScherrer法により算出した結果、6.8nmであった。
アナターゼ結晶の存在率は、T2を常温乾燥して得た酸化チタンを(株)リガク製広角X線回折装置RU−200BHを用いて、X線源Cu、X線出力50kV−150mA、スリット角度0.5deg、スリット幅0.15mmで、走査範囲2θ=2〜90degを0.1deg毎に積算時間10秒で積算測定し、得られた回折プロファイルをピーク分離処理して得たアナターゼ結晶の回折ピークの積分強度を全体の積分強度で除して算出した結果、72%であった。
【0028】
酸化チタンゾル溶液(T3):合成例3
合成例2で得たMZ−2を20時間静置した後、さらに100℃で35時間加温して、アナターゼ型酸化チタンを含むやや黄色味がある乳白色の液体(NZ−3)を作製した。その後、酸化チタンの濃度が1.0重量%になるように純水を加え酸化チタンゾル溶液を調整しpH9.1のT3を得た。
T3中の酸化チタンの平均粒子径は、ベックマン・コールター社製、粒度分布測定装置N4MDを用いて測定した結果、190nmであった。
また、アナターゼ結晶子径は、T3を常温乾燥して得た酸化チタンのX線回折で得られるアナターゼ結晶の最強線の101面のピークを用いてScherrer法により算出した結果、12nmであった。
アナターゼ結晶の存在率は、T3を常温乾燥して得た酸化チタンを(株)リガク製広角X線回折装置RU−200BHを用いて、X線源Cu、X線出力50kV−150mA、スリット角度0.5deg、スリット幅0.15mmで、走査範囲2θ=2〜90degを0.1deg毎に積算時間10秒で積算測定し、得られた回折プロファイルをピーク分離処理して得たアナターゼ結晶の回折ピークの積分強度を全体の積分強度で除して算出した結果、98%であった。
【0029】
ポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイドブロック共重合体変性ポリジメチルシロキサン(A1):合成例4
原料として、下記構造式
【化1】
Figure 0004972268
で示されるジメタリルポリエーテル29g、トルエン350g及び白金含量が20ppmになるようにクロル白金酸を3つ口フラスコ中に仕込み十分撹拌後、窒素を20ml/minを流通しつつ100℃に30分で昇温した。その後100℃に保持しつつ、次に下記構造式
【化2】
Figure 0004972268
で示されるジヒドロポリジメチルシロキサン73gを徐々に加え2時間反応させた。その後、室温に冷却し、炭酸水素ナトリウムを加えて中和した。その後、ロータリーエバポレータによりこの内容物からトルエンを留去し、ポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイドブロック共重合体変性ポリジメチルシロキサン(A1)96gを得た。A1のゲルパーミエーションクロマトグラフィ法により測定したところ重量平均分子量は、ポリスチレン換算でおよそ2,100であった。
【0030】
酸化チタン膜形成用液体の調製
実施例1
酸化チタンゾル溶液(T1)100gにポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイドブロック共重合体変性ポリジメチルシロキサン(A1)0.2g、エタノール100gを加え、室温でA1が均一に溶解するまで十分攪拌して酸化チタン膜形成用液体(C1)を調製した。C1は、pHは6.2であった。
【0031】
実施例2
酸化チタンゾル溶液(T2)100gにポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイドブロック共重合体変性ポリジメチルシロキサン(A1)0.2g、エタノール100gを加え、室温でA1が均一に溶解するまで十分攪拌して酸化チタン膜形成用液体(C2)を調製した。C2は、pHは7.7であった。
【0032】
比較例1
酸化チタンゾル溶液(T3)100gにポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイドブロック共重合体変性ポリジメチルシロキサン(A1)0.2g、エタノール100gを加え、室温でA1が均一に溶解するまで十分攪拌して酸化チタン膜形成用液体(C3)を調製した。C3は、pHは8.0であった。
【0033】
比較例2
酸化チタンゾル溶液(T1)100gにエタノール100gを加え、十分攪拌して酸化チタン膜形成用液体(C4)を調製した。C4は、pHは6.6であった。
【0034】
比較例3
酸化チタンゾル溶液(T2)100gにエタノール100gを加え、十分攪拌して酸化チタン膜形成用液体(C5)を調製した。C5は、pHは8.1であった。
【0035】
比較例4
エタノール100gにポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイドブロック共重合体変性ポリジメチルシロキサン(A1)0.2gを加え、室温でA1が均一に溶解するまで十分攪拌して比較用液体(C6)を調製した。C6は、pHは4.9であった。
【0036】
酸化チタン膜の評価
酸化チタン膜形成試験板の作製、液の弾きの有無
酸化チタン膜形成用液体C1〜5及び比較用液体C6をエタノールで脱脂し乾燥した厚さ1.7mmのガラス平板に乾燥膜厚が約0.3μmになるようにエアーガン(アネスト岩田社製RG−2、口径0.4mm)を用い、空気圧0.098MPaでスプレー塗装した。この時、基材表面での酸化チタン膜形成用液体の弾き(表面に液滴が出来る現象)の有無を目視観察し結果を表1に示した。また、25℃で1時間乾燥した後、5cmの距離から20Wのブラックライト(日本電気製、型番FL20SBL−B)を2時間照射して、その後、1週間室温にて静置して得られた酸化チタン膜形成試験板を下記の試験に供した。
透明性
上記酸化チタン膜形成試験板の作製方法で得られた酸化チタン膜形成試験板の酸化チタン膜を目視観察して、透明性を評価し結果を表1示した。
干渉色の有無
上記酸化チタン膜形成試験板の作製方法で得られた酸化チタン膜形成試験板の酸化チタン膜を目視観察して、干渉色(ギラツキ)の有無を評価し結果を表1示した。
密着性
上記酸化チタン膜形成試験板の作製方法で得られた酸化チタン膜形成試験板の酸化チタン膜をJIS K 5400の碁盤目試験法に準じ、基材との密着性を評価し結果を表1に示した。
耐磨耗性
上記酸化チタン膜形成試験板の作製方法で得られた酸化チタン膜形成試験板の酸化チタン膜を小津産業(株)製バインダー無しコットン「ベンコット」で摩擦し、目視で剥がれの有無を観察結果を表1に示した。
鉛筆硬度
上記酸化チタン膜形成試験板の作製方法で得られた酸化チタン膜形成試験板の酸化チタン膜をJIS K 5400の鉛筆引っかき値に準じ、評価し結果を表1に示した。
水接触角
上記酸化チタン膜形成試験板の作製方法で得られた酸化チタン膜形成試験板の酸化チタン膜の蒸留水接触角を、協和界面科学(株)製、接触角計CA−X型で測定し結果を表1示した。
1年間暴露後の膜状態
上記酸化チタン膜形成試験板の作製方法で得られた酸化チタン膜形成試験板をJIS Z 2381の屋外暴露試験方法通則に準じ、茨城県日立市の建物屋上に正南面向きに暴露角度30°に設置した直接暴露試験装置に固定し、1年間暴露後酸化チタン膜を目視観察して、消失の度合いを評価し結果を表1に示した。
有機物分解性
上記酸化チタン膜形成試験板の作製方法で得られた酸化チタン膜形成試験板の酸化チタン膜に蒸留水で20倍に希釈した赤インキ(パイロット株式会社製)が1.0gのるようにスプレー塗装し、25℃で1時間乾燥させた。その後、5cmの距離から20Wのブラックライト(日本電気製、型番FL20SBL−B)を照射して、赤インキの退色の度合いを目視により観察し結果を表1に示した
【0037】
光起電流値及びバンドギャップ
試験片(作用電極)の作成
酸化チタン膜形成用液体C1〜5をエアーガン(アネスト岩田社製RG−2、口径0.4mm)を用い、空気圧0.098MPaで、ITO(インジウムチンオキサイド)を1500Å付着させた長さ60mm、幅10mm、厚さ1.1mmのガラス板のITO表面に、長さ20mmをマスキングして、長さ40mm、幅10mmの部分にスプレー塗装した。25℃で1時間乾燥した後、5cmの距離から20Wのブラックライト(日本電気製、型番FL20SBL−B)を2時間照射して、膜厚約0.7μmの図1のような試験片を作成することが出来た。
【0038】
光起電流値
これら試験片は、図1のように酸化チタン塗装部2を有するITO付きガラス板1の酸化チタン未塗装部のITO表面に、金線4をインジウム3を溶かして接着して作用電極5とし、さらに参照電極6として銀/塩化銀電極、対極7として白金電極を、電解液8として0.1モル硫酸ナトリウム水溶液を入れた石英セル9に図2のようにセットした。10はシリコン製のふたである。それぞれの電極は、ポテンシオスタット11(北斗電工(株)製ポテンシオスタットHAB−151)に接続し電流値を測定するように図3のようにセットした。
この石英セル9中のITO付きガラス板の酸化チタン塗装面12に光を照射するため、光源13(ウシオ電機(株)製UI−50型500Wキセノンランプ)からの照射光14をモノクロメーター15(Action Research Croporation製モノクロメーターSPECTRA、Pro−150型)に導入し、波長を変化できるようにして図3のようにセットした。
乾燥窒素ガス導入管16を石英セル9中の電解液8に差し込み、乾燥窒素ガス17を20分間バブリングさせ溶存酸素を抜いた後、乾燥窒素ガス導入管16を電解液8液面より引き上げ、気相中に流しながら、波長320nmの照射光14を照射し光起電流値を測定し結果を表1に示した。
【0039】
バンドギャップ
光起電流値の測定と全く同様にして、モノクロメーター15により波長を500〜200nmに変化させて電流値を測定し、起電流が発生する波長を測定した。
得られた波長を、光量子のエネルギーEの式(式1)から求めたバンドギャップ値E(eV)と波長λ(nm)の関係式(式2)に代入し結果を表1に示した。
式1:E=hν=h(c/λ)
[h;プランク定数(6.63×10-34J・s)、ν;振動数(1/s)、C;光速度(3×10 8 m/s)、λ;波長(m)、1(eV)=1.6×10-19(J)]
式2:バンドギャップ値E(eV)=1240/λ(nm)
【0040】
【表1】
Figure 0004972268
表1の評価結果のように、本発明の酸化チタン膜形成用液体は、基材へ塗布する際、弾きがなく均一に塗工可能であり、これらを塗布して形成された酸化チタン膜は、硬く、基材との密着性、耐磨耗性に優れ、透明で、干渉色が無く透明な基材に有用である。また水接触角も小さくなり防曇、防滴効果も期待できる。さらに有機物分解性に優れることから、汚染防止効果が高いと言える。さらに、ポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイドブロック共重合体変性ポリジメチルシロキサン(A1)添加しないものより光起電流値は高く、バンドギャップは0.16eV以上小さいことから、ポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイドブロック共重合体変性ポリジメチルシロキサン(A1)添加しないものより光触媒能が高いと言える。
【0041】
【発明の効果】
本発明により得られる酸化チタン膜形成用液体は保存安定性に優れ、弱酸性から弱アルカリ性であるために安全性も高く、低温でも成膜可能であり、基材上で弾き等の液滴を形成せず、得られた塗膜は、緻密で、硬度が高く、透明性、密着性、耐磨耗性、耐久性に優れ、干渉色が出にくく、さらに従来のアナターゼ結晶/アモルファス混合酸化チタンゾル溶液を用いた酸化チタン膜よりも有機物分解性等の光触媒能が高い酸化チタン膜を形成することができる。このことから、水若しくは空気の浄化用、防汚染用、防曇用、防結露用、防滴用、防氷結用、防着雪用、異物付着防止用、抗菌用、防カビ用、防藻用、防臭用、有害ガス分解用機能等に優れる酸化チタン膜を有する光触媒性部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の光触媒性のチタニア被膜を形成した試験片の説明図である。
【図2】図2はエネルギーギャップを測定する装置のセルに図1の試験片をセットする状態を示す説明図である。
【図3】図3はエネルギーギャップを測定する装置の全体を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ITO付きガラス板
2 酸化チタン塗装部
3 インジウム
4 金線
5 作用電極
6 参照電極
7 対極
8 電解液
9 石英セル
10 シリコン製ふた
11 ポテンシオスタット
12 酸化チタン塗装面
13 光源
14 照射光
15 モノクロメーター
16 乾燥窒素ガス導入管
17 乾燥窒素ガス

Claims (16)

  1. アモルファス型酸化チタンとアナターゼ型結晶酸化チタンを含有するアナターゼ結晶/アモルファス混合酸化チタンゾル溶液とポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンを混合してなる酸化チタン膜形成用液体であって、アナターゼ結晶/アモルファス混合酸化チタンゾル溶液中の酸化チタンの平均粒子径が5〜130nm、アナターゼ結晶子径が0.5〜10nm、アナターゼ結晶/アモルファス混合酸化チタンにおいてアナターゼ結晶の存在率が5〜99.9%であることを特徴とする酸化チタン膜形成用液体。
  2. アモルファス型酸化チタンとアナターゼ型結晶酸化チタンを含有するアナターゼ結晶/アモルファス混合酸化チタンゾル溶液とポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンを混合してなる酸化チタン膜形成用液体であって、アナターゼ結晶/アモルファス混合酸化チタンゾル溶液中の酸化チタンの平均粒子径が30〜130nm、アナターゼ結晶子径が0.5〜8nm、アナターゼ結晶/アモルファス混合酸化チタンにおいてアナターゼ結晶の存在率が5〜70%であることを特徴とする酸化チタン膜形成用液体。
  3. アモルファス型酸化チタンとアナターゼ型結晶酸化チタンを含有するアナターゼ結晶/アモルファス混合酸化チタンゾル溶液とポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンを混合してなる酸化チタン膜形成用液体であって、アナターゼ結晶/アモルファス混合酸化チタンゾル溶液中の酸化チタンの平均粒子径が5〜80nm、アナターゼ結晶子径が5〜10nm、アナターゼ結晶/アモルファス混合酸化チタンにおいてアナターゼ結晶の存在率が40〜99.9%であることを特徴とする酸化チタン膜形成用液体。
  4. ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンがポリエチレンオキサイド重合体変性ポリジメチルシロキサン又はポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイドブロック共重合体変性ポリジメチルシロキサンである請求項1〜3何れか記載の酸化チタン膜形成用液体。
  5. アナターゼ結晶/アモルファス混合酸化チタンとポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンの比が、前者:後者の重量比で、1:0.01〜1:10である請求項1〜4何れか記載の酸化チタン膜形成用液体。
  6. 酸化チタン膜形成用液体に含まれる溶媒又は分散媒が、水、有機溶媒又は水−有機溶媒混合物である請求項1〜5何れか記載の酸化チタン膜形成用液体。
  7. 溶媒又は分散媒の総量のうち、水が30〜99重量%、有機溶媒の量が1〜70重量%である請求項6記載の酸化チタン膜形成用液体。
  8. 有機溶媒がアルコール類である請求項6又は7記載の酸化チタン膜形成用液体。
  9. アルコール類がエタノールである請求項8記載の酸化チタン膜形成用液体。
  10. 請求項1〜9何れか記載の酸化チタン膜形成用液体を、基材に塗布あるいは含浸させ、乾燥して作製することを特徴とする酸化チタン膜の形成法。
  11. 請求項1〜9何れか記載の酸化チタン膜形成用液体を、基材に塗布あるいは含浸させ、100℃以下の温度で乾燥して作製することを特徴とする請求項10記載の酸化チタン膜の形成法。
  12. 請求項10又は11記載の酸化チタン膜形成法で得られた酸化チタン膜に紫外線を照射することを特徴とする酸化チタン膜の形成法。
  13. 基材が透明基材である請求項10〜12何れか記載の酸化チタン膜の形成法。
  14. 基材がガラス基材又はポリカーボネートである請求項13記載の酸化チタン膜の形成法。
  15. 請求項10〜14何れか記載の酸化チタン膜の形成法により得られた酸化チタン膜。
  16. 請求項15記載の酸化チタン膜を有してなる光触媒性部材。
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