JP4981620B2 - コイル巻線装置 - Google Patents

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Description

本発明は、巻芯を備えないコイル巻線体を作製するコイル巻線装置に関する。
電磁アクチュエータやモータに使用されるコイルは、一般に、ボビンと称される絶縁体からなる巻芯の周面に巻かれることで作製されるが、電磁アクチュエータの径方向における小型化や、その出力を増加させるべく、ボビンを廃止する技術が提案されている(特許文献1)。
特開2007−67090号公報
ところで、特許文献1に記載の巻芯がないコイル巻線体を得るには、線材(コイル線)を、一旦、巻芯であって、拡径・縮径自在な爪体に巻き取ってコイルを作製する必要がある。
本発明は、前記提案に関連してなされたものであり、巻芯を備えないコイル巻線体を好適に得るに際し、爪体の上方側及び下方側に上プレート及び下プレートを安定して配置することが可能なコイル巻線装置を提供することを課題とする。
本願発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、線材が巻かれる場合に開く爪体の上方及び下方に、線材の巻き幅を規制するべく上プレート及び下プレートを所定間隔離間して配置し、この上プレート及び下プレートの間における爪体に線材を巻き取ってコイルを形成し、上プレート及び下プレートを適宜な拘束手段(後記する実施形態ではからげ線)で拘束した後、爪体を抜き取ることにより、巻芯がない(ボビンレス)コイル巻線体を得ることができるという知見を得た。
そして、巻き乱れのないコイル巻線体を得るには、線材が巻かれる爪体に対して、線材の巻幅を規制する上プレート及び下プレートを好適に位置決めする必要がある。
そこで、本発明は、線材が巻かれてなるコイルと、前記コイルを挟持する上プレート及び下プレートとを備えるコイル巻線体を作製するためのコイル巻線装置であって、前記上プレートが装着される上治具と、前記下プレートが装着される下治具と、を備え、前記上治具と前記下治具とは相対的に変位自在に設けられ、前記下治具は、線材が巻かれる周面を有し、周方向に配置されると共に径方向にスライドする複数の爪片を含んで構成された筒状の爪体を備え、前記上治具が前記下治具の爪体に差し込まれ、前記上治具が前記下治具に組み付けられたとき、前記爪体が開き、前記各爪片が、前記上プレートの内周側下端面を軸方向上側に、前記下プレートの内周側上端面を軸方向下側に、それぞれ押圧し、前記上治具より前記上プレートを鉛直下側に押圧する押圧力が付与され、前記下治具より前記下プレートを鉛直上側に押圧する押圧力が付与されることを特徴とするコイル巻線装置である。
このようなコイル巻線装置によれば、上治具が前記下治具の筒体に差し込まれ、上治具が前記下治具に組み付けられたとき、爪体が開き、各爪片が、上プレートの内周側下端面を軸方向上側に、下プレートの内周側上端面を軸方向下側に、それぞれ押圧する。また、上治具より上プレートを鉛直下側に押圧する押圧力が付与され、下治具より下プレートを鉛直上側に押圧する押圧力が付与される。その結果、爪体に対して、上プレート及び下プレートが好適に位置決めされる。したがって、上プレートと下プレートとによって巻き幅を規制しつつ、爪体の周面に線材を巻くことによって、巻き乱れのないコイル巻線体を得ることができる。
本発明によれば、巻芯を備えないコイル巻線体を好適に得るに際し、爪体の上方側及び下方側に上プレート及び下プレートを安定して配置することが可能なコイル巻線装置を得ることができる。
以下、本発明の一実施形態について、図1から図15を参照して説明する。
≪コイル巻線体≫
まず、本実施形態に係るコイル巻線装置1によって作製される、コイル巻線体100について、図1から図4を参照して説明する。
図1、図2に示すように、コイル巻線体100は、巻芯を備えないボビンレスの巻線体であり、線材101が巻かれてなるコイル102と、軸方向においてコイル102を挟持する略円形であって樹脂製の上プレート110及び下プレート120とを備えている。
上プレート110の中心には、後記する上治具Aが挿通される貫通孔111が形成されており、下プレート120の中心には、後記する爪体40が挿通される貫通孔121が形成されている。そして、上プレート110の外周縁と、下プレート120の外周縁とを、コイル巻線体100の周方向において交互に、からげ線130で結ぶことにより、上プレート110及び下プレート120によるコイル102の挟持状態が維持されている。
上プレート110の上面には、図3に示すように、後記する上治具Aのピン12(図5参照)が差し込まれるピン穴113が形成されている。これにより、上プレート110が、上治具Aに対して位置決めされるようになっている。
下プレート120の下面には、図4に示すように、後記する下治具Bのピン54(図5参照)が差し込まれるピン穴123が形成されている。これにより、下プレート120が、下治具Bに対して位置決めされるようになっている。
なお、ピン穴113、123は、上プレート110又は下プレート120を貫通しておらず、途中で閉塞されている。これにより、上プレート110と下プレート120とに挟持されるコイル102の外表面が損傷しないようになっている。
下プレート120の前側には、縦断面略L字形の一対の巻き留め部125、126が形成されている。一方の巻き留め部125は、爪体40に線材101を巻き始める際、線材101を巻き留めするため、線材101が2回程度にて巻かれる部分である。他方の巻き留め部126は、線材101を巻き終えた際、巻き留めするため、線材101が巻かれる部分である。
なお、このような巻芯を備えないボビンレスのコイル巻線体100は、例えば、その後、内周面を除いた外表面を樹脂モールドされ、能動型防振支持装置(特開2007−182955号公報、特開2007−85399号公報等参照)の電磁アクチュエータとして利用される。
≪コイル巻線装置≫
次に、図5から図8を主に参照して、コイル巻線装置1を具体的に説明する。
図5に示すように、コイル巻線装置1は、上治具Aと、下治具Bとを備えている。下治具Bは、モータ等の駆動装置(図示しない)によって回転可能に構成されている。上治具Aは、図示しない昇降機構により下治具Bに対して昇降(変位)自在に構成されると共に、下治具Bに組み付いた状態において、下治具Bと一体で回転するように構成されている。
<上治具>
上治具Aは、図6に示すように、上治具本体10と、テーパ体20とを備えている。
上治具本体10は、取付座11と、取付座11から鉛直下方に延びる差込ロッド部15とを備えている。
取付座11は、図示しない昇降機構により昇降自在に支持されると共に、上プレート110が装着される部分であり、上プレート110との相対位置を決めるためのピン12が設けられている。なお、上プレート110は、径方向に開閉する開閉爪13(図9参照)により取付座11に取り付けられるようになっている。
差込ロッド部15は、略円柱状を呈し、下治具Bの後記する爪体40に差し込まれる部分であり、その下端は差し込みやすいようにテーパ面16となっている。
また、差込ロッド部15の下部には、下治具Bのキー31(図10、図11参照)が嵌まるキー溝17が鉛直方向に形成されている。これにより、差込ロッド部15(上治具A)と下治具Bとの周方向における相対位置が位置決めされるようになっている。
さらに、差込ロッド部15の周面には周回するロック溝18が形成されており、上治具Aが差し込まれた場合、下治具Bのロック片32がロック溝18(図11参照)に嵌るようなっている。これにより、上治具Aを差し込んだ後、上治具Aの抜脱が防止されるようになっている。
テーパ体20は、略逆円錐台を呈しており、差込ロッド部15の下部が爪体40に差し込まれた後、続いて、爪体40に差し込まれる部分であり、その周面にテーパ面21を有している。また、テーパ体20は、その軸線上に貫通する挿通孔22を有しており、挿通孔22に差込ロッド部15が挿通されている。
さらに、テーパ体20の上方には2本のねじ棒23、23が配置されており、2本のねじ棒23、23は取付座11の2つのねじ孔14、14に螺合されている。そして、各ねじ棒23の上端にナット24が螺設されており、ナット24が取付座11に係止されることで、2本のねじ棒23、23の下端位置を所定の高さに設定可能となっている。このねじ棒23、23の下端は、テーパ体20の上面に当接し、その結果、テーパ体20は、取付座11に対して、ねじ棒23、23の高さで規定される所定の高さに設定される。なお、テーパ体20は、キー(図示しない)によって、上治具本体10に対して鉛直方向にガイドされると共に、抜け落ちないように保持されている。
テーパ体20と取付座11との間には、圧縮コイルばね25が介装されており、上治具Aが爪体40に差し込まれた場合、テーパ体20のテーパ面21が爪体40のテーパ面40aに好適に当接するようになっている。
<下治具>
下治具Bは、下治具本体30と、下治具本体30の上部に設けられた爪体40と、ばね力によって爪体40の各爪片41を径方向内側に付勢する3本のラジアルばね51(第1ばね部材)と、ばね力によって爪体40を上方に付勢する6本のスラストばね65(第2ばね部材)と、スラストばね65と爪体40との間に介装された環状プレート61とを備えている。
下治具本体30は、モータ等の駆動装置(図示しない)により適宜に回転可能に設けられている。下治具本体30には、上治具Aのキー溝17に嵌るキー31が設けられている(図11参照)。また、下治具本体30には、上治具Aのロック溝18に嵌るロック片32が設けられている(図11参照)。
爪体40は、閉じた状態で筒状を呈する部品であり、周方向おいて分割された平断面視円弧状の3本の爪片41を備えている。
各爪片41は、径方向にスライド自在に配置されると共に、ラジアルばね51によって径方向内側に付勢(押圧)されている。すなわち、爪体40に上治具Aが差し込まれていない場合、各爪片41はラジアルばね51のばね力によって径方向内側に押され、爪体40は縮径し、爪体40が閉じるようになっている。一方、爪体40に上治具Aが差し込まれた場合、各爪片41はラジアルばね51のばね力に抗して径方向外側に移動し、爪体40は拡径し、爪体40が開くようになっている。
なお、線材101は、開いた爪体40の外周面に、巻かれるようになっている。
各爪片41の内周面は、下方に向かって縮径したテーパ面40aとなっており、その下方は、内径が一定の内周面40bとなっている(図9参照)。
各爪片41の外周面には、周方向に周溝42が形成されている。また、径方向内側視において、各爪片41の周溝42が形成された部分は細く、首部47が形成されており、この首部47を、ガイド部材52の後記する突起部52a、52aがスライド自在に挟んでいる(図7、図8、図14参照)。さらに、周溝42の底面には、バネ穴42aが形成されており、バネ穴42aにラジアルばね51が差し込まれ、位置決めされるようになっている。
各爪片41の外周面の上部側には上方側上面しての第1段差部43、外周面の下部側には下方側下面としての第2段差部44が、それぞれ形成されている。第1段差部43と第2段差部44とは、爪片41の軸方向において、所定距離を隔てて配置されている。
第1段差部43は、爪体40が開いた場合、上プレート110の内周側下端面110bに当接する部分である(図12参照)。
第2段差部44は、爪体40が開いた場合、下プレート120の内周側上端面120bに当接する部分である(図13参照)。
さらに、各爪片41の下端には、平断面視で円弧状の係止部45が形成されている。係止部45は、爪体40が閉じた場合、後記する環状プレート61の隆起部62に係止されるようになっている(図11参照)。
さらにまた、3本の爪片41のうち、例えば2本の爪片41の外周面には、略水平方向に沿って平行な複数の溝によって構成され、線材101をガイドするガイド溝46が形成されている。そして、残りの1本の爪片41の外周面は、平滑な曲面となっている。
3本のラジアルばね51は、平面視において、下治具本体30の上面に、ガイド部材52を介して、周方向に等間隔(120°間隔)で取り付けられると共に(図8参照)、ガイド部材52によって径方向でガイドされている。
そして、ガイド部材52の軸方向に沿った一端部には、爪片41側に向かって突出する一対の突起部52a、52aが形成されおり、一対の突起部52a、52aは、各爪片41の周溝42に差し込まれると共に、突起部52a、52aは、各爪片41の首部47をスライド自在に挟んでいる。これにより、各爪片41は、ガイド部材52を介して、下治具本体30の上部に径方向でスライド自在に設けられている。
ガイド部材52の上には、下プレート120が装着されるリング状の取付プレート53が固定されている。そして、取付プレート53の上面には、取付プレート53と下プレート120との位置決めをするためのピン54が形成されている。
6本のスラストばね65は、例えば圧縮コイルばね等から構成され、下治具本体30の上面に形成されたバネ穴に装着されると共に、周方向において等間隔(60°間隔)で配置されている(図8参照)。
環状プレート61は、図7に示すように、6本のスラストばね65の上に配置され、6本のスラストばね65に均一に支持されている。そして、環状プレート61の上面に、爪体40が配置されている。すなわち、6本のスラストばね65は、環状プレート61を介して、爪体40を上方に付勢(押圧)している。
環状プレート61の内周部には肉厚の隆起部62が形成されている。そして、上治具Aが爪体40に差し込まれておらず、爪体40が閉じている場合、隆起部62に各爪片41の係止部45が当接し係止されるようになっている。すなわち、隆起部62は、爪体40が閉じた場合において、径方向における各爪片41のストッパとして機能している。
≪上治具と下治具との組み付け≫
次に、図9から図14を参照して、上治具Aと下治具Bとの組み付け状況について説明する。
図9に示すように、上治具Aの取付座11の下面11aに、ピン12とピン穴113とを位置合わせしながら、上プレート110を取り付ける。一方、下治具Bの取付プレート53の上面53aに、ピン54とピン穴123とを位置合わせしながら、下プレート120を取り付ける。
そして、下治具Bのキー31と、上治具Aのキー溝17とを位置合わせしながら、図示しない昇降機構によって上治具Aを下降し、上治具Aの差込ロッド部15を、爪体40の中に差し込む。
その後、差込ロッド部15が各爪片41の内周面40bに当接すると、各爪片41が、ラジアルばね51のばね力に抗して、径方向外側にスライドし、爪体40が開き始める。
そして、さらに、テーパ体20のテーパ面21が各爪片41のテーパ面40aに当接しながら下降すると、各爪片41が径方向外側にさらにスライドする。次いで、各爪片41が取付プレート53の内周面53bに当接すると(図11参照)、各爪片41の径方向外側へのスライドは停止する。
ここで、各爪片41は、環状プレート61を介して各スラストばね65によって付勢されているので、上方に向かって均等に付勢することが可能となっており、各爪片41の下方側の第2段差部44と、下プレート120の内周側上端面120bとの間には、ギャップGが形成されるようになっている(図9、図10参照)。
上治具Aがさらに下降し、図11に示すように、環状プレート61の下面61aが下治具本体30の上面30aに当接すると、上治具Aの下降が停止する。
この際、各爪片41は、上治具Aの下降に伴って、各スラストばね65の付勢力に抗して、下方にスライドする。
ここで、各爪片41の上部側Pにおいては、図12に示すように、上プレート110の内周側下端面110bが、爪片41の上部側の第1段差部43に当接する。一方、各爪片41の下部側Qにおいては、図13に示すように、下プレート120の内周側上端面120bが、爪片41の下部側の第2段差部44に当接する。
特に、下部側Qにおいては、各爪片41がスラストばね65のばね力によって、予め上方に付勢されてギャップGが形成されていることから(図9、図10参照)、各爪片41の下部側の第2段差部44の直下に、下プレート120の内周側上端面120bが位置した後で、下部側の第2段差部44が内周側上端面120bに当接される。
この結果、例えば、スラストばね65を有せず、径方向外側のみにスライドする各爪片に比して、各爪片の外周面が下プレート120の内周面122(図2、図13参照)に当接するような不具合が防止される。
以上のようにして、上治具Aが下治具Bに組み付いた状態となり、下治具Bのロック片32がロック溝18に係合し、ロック状態となる。
このように上治具Aが下治具Bに組み付いた状態において、図11に示すように、上治具Aにおける取付座11の下面11aと、下治具Bにおける取付プレート53の上面53aとの間の軸方向長さLは、所定値に設定される。また、各爪片41の拡径した外周位置、すなわち、径方向長さDも、所定値に設定される。
ここで、各爪片41に形成される上方側上面としての第1段差部43、及び、下方側下面としての第2段差部44における各軸方向高さ位置は、上プレート110の内周側下端面110b、及び、下プレート120の内周側上端面120bに、各々圧縮荷重が加えられる位置に設定される。
この結果、上プレート110は取付座11の下面11aと各爪片41の第1段差部43との間で、また、下プレート120は取付プレート53の上面53aと各爪片41の第2段差部44との間で、所定位置で挟持、すなわち拘束される。
さらに詳細には、上プレート110には、取付座11の下面11aから上プレート110の上面を鉛直下側に押圧する押圧力A2が付与され(図11参照)、これと同時に、各爪片41の第1段差部43から上プレート110の内周側下端面110bを軸方向上側に押圧する圧縮荷重(押圧力A3、図11、図12参照)が加えられる。
また、下プレート120には、取付プレート53の上面53aから下プレート120の下面を鉛直上側に押圧する押圧力A6が付与され(図11参照)、これと同時に、各爪片41の第2段差部44から下プレート120の内周側上端面120bを軸方向下側に押圧する圧縮荷重(押圧力A5、図11、図13参照)が加えられる。そして、径方向において、各爪片41と、下プレート120の内周面122との間には、所定のクリアランスが形成される(図13参照)。
このようにして、上治具Aと下治具Bとが組み付いた状態において、開いた爪体40に対して上プレート110及び下プレート120が所定位置に拘束され、上プレート110と下プレート120との間は、所定の幅に設定される。換言すると、爪体40の外周面が巻芯部となり、上プレート110が上フランジ部、下プレート120が下フランジ部となることから、上フランジ部及び下フランジ部を有するボビンと同様の状態、すなわち、仮想ボビンを形成することが可能となり、線材101の巻回を容易とすることが可能となる。これにより、上プレート110と下プレート120との間に、線材101を整巻し、巻姿が乱れていない、つまり、軸方向において線材101が整列したコイル102を得ることができる。
≪線材の巻き取り≫
続いて、このように上治具Aと下治具Bとが組み付けられたコイル巻線装置1に、線材101を巻き取る状況について、図14及び図15を参照して説明する。
下治具Bの線材係止部(図示しない)に線材101を係止し、線材101を下プレート120の巻き留め部125に巻きつけた後、下治具B及び上治具Aを一体で回転させながら、線材101を送出するノズル(図示しない)を軸方向において往復させる。
そうすると、開いたまま回転する爪体40の周面に線材101が巻き取られる。ここで、爪体40を構成する3本の爪片41のうち、2本の爪片41の外周面には、周方向にガイド溝46が形成されているので、図14に示すように、線材101は、ガイド溝46に沿って整巻される。
また、3本の爪片41のうちの1本の爪片41の外周面は、ガイド溝46が形成されていない平滑な曲面であるので、巻き取られる線材101が、平滑な外周面を有する爪片41の部分において、軸方向で拘束されることなく、次の列にスムーズに移行することができる。
なお、線材101の巻き取り段階において、軸方向を線材101の列方向、径方向を段方向とする。
上プレート110近傍における線材101の折り返し部分において、ガイド溝46により、上プレート110の下面に対する線材101の第1段最終列の位置が、位置決めされる(図15(a)参照)。これにより、その後に巻き取りが進み、線材101が第1段から第2段に移行する際において、第2段第1列の線材101と、第2段第2列の線材101との間隔が大きくなることを防止できる。
そして、その後、線材101の巻き取りが進み、第3段に移行した線材101が、第2段において、線材101と線材101間に形成された隙間に落ち込むことを防止できる(図15(b)参照)。その結果、線材101を精密に巻き取ることができ、コイル102の巻姿に乱れが発生しにくくなる。
そして、所定の段数で線材101を巻き取った後、線材101を下プレート120の巻き留め部126に巻回し、図示しないカッタ手段を用いて、線材101を切断する。そうすると、コイル巻線体100が得られる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、例えば次のように変更することができる。
前記した実施形態では、爪体40は、3本の爪片41を備える構成としたが、爪片の数はこれに限定されず、2本、又は4本以上でもよい。また、ラジアルばね51(第1ばね部材)、スラストばね65(第2ばね部材)の本数も、適宜変更してよい。
前記した実施形態では、第2ばね部材が、圧縮コイルばねであるスラストばね65である構成を例示したが、その他に例えば、適宜なゴムから形成されたゴム部材であってもよい。第1ばね部材についても同様である。
前記した実施形態では、上治具Aにテーパ体20を備え、下治具Bに爪体40を備える構成としたが、上治具Aの機能と下治具Bの機能とを逆、すなわち、上治具Aに爪体40を備え、下治具Bにテーパ体20を備える構成としてもよい。
本実施形態に係るコイル巻線体の斜視図である。 図1に示すコイル巻線体の縦断面図である。 本実施形態に係る上プレートを上方から見た平面図である。 本実施形態に係る下プレートを下方から見た平面図である。 本実施形態に係るコイル巻線装置の斜視図である。 本実施形態に係る上治具の分解斜視図である。 本実施形態に係る下治具の分解斜視図である。 本実施形態に係る下治具の平面図であり、台座プレートを省略したものである。 本実施形態に係る上治具を、下治具に差し込む前を示す縦断面図である。 本実施形態に係る上治具を、下治具に差し込んでいる途中を示す縦断面図である。 本実施形態に係る上治具を、下治具に差し込んだ後を示す縦断面図である。 図11の符号P部分の拡大図である。 図11の符号Q部分の拡大図である。 本実施形態において、爪体に線材を巻いている状況を周方向に展開した図である。 (a)、(b)共に、本実施形態に係る爪体に線材を巻いている状況を示す縦断面図である。
符号の説明
1 コイル巻線装置
A 上治具
10 上治具本体
11 取付座
15 差込ロッド部
20 テーパ体
B 下治具
30 下治具本体
40 爪体
41 爪片
46 ガイド溝
51 ラジアルばね(第1ばね部材)
61 環状プレート
65 スラストばね(第2ばね部材)
100 コイル巻線体
101 線材
102 コイル
110 上プレート
120 下プレート

Claims (1)

  1. 線材が巻かれてなるコイルと、前記コイルを挟持する上プレート及び下プレートとを備えるコイル巻線体を作製するためのコイル巻線装置であって、
    前記上プレートが装着される上治具と、
    前記下プレートが装着される下治具と、
    を備え、
    前記上治具と前記下治具とは相対的に変位自在に設けられ、
    前記下治具は、線材が巻かれる周面を有し、周方向に配置されると共に径方向にスライドする複数の爪片を含んで構成された筒状の爪体を備え、
    前記上治具が前記下治具の爪体に差し込まれ、前記上治具が前記下治具に組み付けられたとき、
    前記爪体が開き、
    前記各爪片が、前記上プレートの内周側下端面を軸方向上側に、前記下プレートの内周側上端面を軸方向下側に、それぞれ押圧し、
    前記上治具より前記上プレートを鉛直下側に押圧する押圧力が付与され、
    前記下治具より前記下プレートを鉛直上側に押圧する押圧力が付与される
    ことを特徴とするコイル巻線装置。
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