JP4982649B2 - 水系環境に接する生体の生命活動を強化及び/又は生命活動好適域を拡張する方法 - Google Patents

水系環境に接する生体の生命活動を強化及び/又は生命活動好適域を拡張する方法 Download PDF

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Description

本発明は、水系環境に接する動物又は植物などの生体における生命活動を強化及び/又は生命活動好適域を拡張する方法に関するものである。
一般に、水系環境に接する生体は、水系環境における浸透圧を決定する要因であるミネラル濃度に影響を受けつつ生存している。とりわけ、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウムなどのミネラルイオンは、生体の生命活動にとって重要であり、細胞膜のイオンチャンネルを介して細胞の内外に移動することにより濃度調節されている。水系環境に接する生体においては、環境のミネラル濃度の変化により、生体に保有される水分量がその生体の意に反して増減するので、生体の活動、発育が抑制されることがある。例えば、海岸地域などでの台風若しくは高潮、乾燥地域などでの水の蒸発によるミネラル濃度増加などによる農作物の塩害や、土壌汚染地域などでのアルミニウムイオン、マンガンイオンなどの特定の金属イオン濃度の増加による農作物の発育阻害などが挙げられる。
水系環境に接する生体の耐塩性を付与する方法としては、農業、漁業分野で行われてきた品種改良や、例えば、特許文献1に記載された、耐塩性遺伝子を生体に導入して、ミネラルストレスを抑制する方法などが挙げられる。また、非特許文献1においては、トレハロースを生産する酵素を生体内で遺伝子発現させることによって、生体内にトレハロースを蓄積させて生体に耐塩性を付与する試みが提案されている。しかしながら、これらの方法は、膨大な試行や煩雑な遺伝子組換えなどの操作を必要とするばかりでなく、新たに耐塩性を有する生物を人工的に創造するものであることから、天然の生物には適用することはできない。また、遺伝子組換え生物を原料とする食品は、それらを排する世論によって市場に受け入れられないことも懸念される。
特開2003−47466号公報 エー・ケー・ガーグ(Garg AK)、ジェイ・キム(Kim Ju−Kon)、ティー・ジー・オーウェンズ(Owens TG)、エー・ピー・ランワラ(Ranwala AP)、ワイ・チョイ(Choi Y)、エル・ブイ・コチアン(Kochian LV)、アール・ジェイ・ウー(Wu RJ)著、「トレハロース・アキュムレーション・イン・ライス・プランツ・コンファーズ・ハイ・トレランス・レベルズ・トゥ・ディファレント・アビオチック・ストレシーズ(Trehose accumulation in rice plants confers high tolerance levels to different abiotic stresses)」、プロシーディング・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシーズ・オブ・ザ・ユナイテッド・ステーツ・オブ・アメリカ(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America)、2002年、第99巻、第25号、15898乃至15903頁
本発明は、水系環境に接する動物又は植物などの生体の生命活動を強化及び/又は生命活動好適域を拡張する方法を提供することを課題とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために各種糖質に着目して、鋭意研究を続けた。その結果、意外にも生体の環境となる水溶液中に、α,α−トレハロース及び/又はその糖質誘導体を含有させることにより、そこで生命活動を営む生体が、活発な生命活動を行うことができ、さらに、好適でない濃度のミネラル水溶液においても活発な生命活動を行うことができる、つまり、ミネラル濃度に関しての生命活動好適域を拡張できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、水系環境に接する生体に対して、生命活動に好適もしくは好適でない濃度のミネラル水溶液を接触させるに際し、ミネラルとともに、α,α−トレハロース又はα,α−トレハロースの糖質誘導体を共存せしめることを特徴とする生命活動を強化及び/又は生命活動好適域を拡張する方法を提供することにより上記の課題を解決するものである。
また、本発明は、生体の生命活動を強化及び/又は生命活動好適域を拡張する組成物を提供することにより上記の課題を解決するものである。
さらに本発明は、生体の生命活動を強化及び/又は生命活動好適域を拡張する剤を提供することにより上記の課題を解決するものである。
本発明によれば、生体が接する水系環境において、生体の生命活動を強化すること、さらには、ミネラル濃度が不適な水系環境にまで生命活動好適域を拡張することができる。
本発明でいう水系環境に接する生体の生命活動を強化及び/又は生命活動好適域を拡張する方法とは、通常水系環境に接する生体に対し、その環境となるミネラル水溶液中に、有効成分として、α,α−トレハロース又はその糖質誘導体を共存させることによって、生体の生命活動を強化及び/又は生命活動好適域を拡張する方法である。
本発明で用いられるα,α−トレハロースは、2分子のグルコースが還元末端同士でα,α結合してなる二糖であり、ミネラル水溶液中で生体の生命活動を強化及び/又は生命活動好適域を拡張しうるものである限り、純度、存在形態、性状や調製方法は特定のものに限定されない。α,α−トレハロースの調製方法としては、例えば、同じ特許出願人による、特開平7−143876号公報、特開平7−213283号公報、特開平7−298880号公報、特開平7−322883号公報、特開平8−66187号公報、特開平8−66188号公報、特開平8−84586号公報及び特開平8−336388号公報に開示された非還元性糖質生成酵素及びトレハロース遊離酵素を澱粉又は澱粉部分加水分解物に作用させる方法が好適である。この方法によるときには、廉価な材料である澱粉から、α,α−トレハロースが収量で得られるので、経済的に極めて有利である。ちなみに、斯かる方法により調製された市販品としては、例えば、含水結晶α,α−トレハロース(登録商標『トレハ』、固形分量当りのα,α−トレハロース含量98w/w%以上、株式会社林原商事販売)がある。なお、澱粉からのα,α−トレハロースの製法に起因する副産物の澱粉分解物は、還元性を有しており、アミノ基とメイラード反応を起こし褐変物質を生成しやすいことが知られている。副産物の澱粉分解物の還元性が本発明を実施するうえで障害となる場合は、ラネーニッケル法などの常法の水素添加方法により、副産物の澱粉分解物を糖アルコールに変換して非還元性にして利用することも随意である。
本発明で用いられるα,α−トレハロースの糖質誘導体は、α,α−トレハロース分子に、例えば、グルコース、ガラクトース、フルクトースなどの単糖が、1又は複数個結合した構造を有し、ミネラル水溶液中で生体の生命活動を強化及び/又は生命活動好適域を拡張しうるものである限り、α,α−トレハロースと付加される糖質との結合様式は用途に応じて適宜選択することができ、その純度、存在形態、性状、調製方法は特定のものに限定されない。α,α−トレハロースの糖質誘導体としては、例えば、α−グルコシルα,α−トレハロース、α−マルトシルα,α−トレハロース、α−マルトトリオシルα,α−トレハロースなどのα−グリコシルα,α−トレハロースなどがあり、これらα,α−トレハロースの糖質誘導体を含有する市販品としては、例えば、株式会社林原商事販売の商品名『ハローデックス』(固形分濃度72w/v%以上のシラップであり、無水物換算で、α−マルトシルα,α−トレハロースを約52w/w%、α−グルコシルα,α−トレハロースを約4w/w%、α−マルトトリオシルα,α−トレハロースを約1w/w%含有)がある。なお、α,α−トレハロースの糖質誘導体とともに糖アルコールを含有する市販品としては、例えば、株式会社林原生物化学研究所販売の商品名『トルナーレ』(固形分濃度72w/v%以上のシラップであり、無水物換算で、α−マルトシルα,α−トレハロースを約53w/w%、マルトテトライトールを約17w/w%、マルトトリイトールを約11w/w%、マルチトール約を8w/w%、ソルビトールを約2w/w%含有)がある。
本発明でいう生命活動を強化及び/又は生命活動好適域を拡張するとは、水系環境に接する動物や植物などの生体にとって本来生命活動に好適なミネラル濃度の水系環境での生命活動をより活発に強化し、さらには、本来生命活動に好適でないミネラル濃度の水系環境中においても生命活動が可能な環境に改変することである。この結果、本来好適でないミネラル濃度の水系環境に接する生体が受けるはずの悪影響が緩和されることになる。生体にとっての本来の生命活動好適域は、ミネラルの種類や生体が属する生物の種類によっても異なるものの、生命活動を強化及び/又は生命活動好適域を拡張するという本発明の効果は、多種のミネラルにおいて観察される。特に、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属イオン濃度に対する生命活動の強化及び/又は生命活動好適域の拡張の程度を調べることで確認することができる。例えば、ナトリウムを主成分とするミネラルの場合では、海水又は汽水域の水系環境を最も好適な生命活動域のミネラル濃度として、それを基準にして±2w/v%、好ましくは±1.5w/v%、より好ましくは±1w/v%の範囲内において、生命活動を強化及び/又は生命活動好適域を拡張する。例えば、望ましいミネラルの総和濃度が海水又は海水に相当する濃度(3w/v%)のような水系環境の場合には、1乃至5w/v%、好ましくは1.5乃至4.5w/v%、より好ましくは2乃至4w/v%の範囲内で、また、ミネラル濃度が0乃至3w/v%の範囲内で変化する汽水域では、例えば1.5w/v%の濃度で好適に生息する生体の場合には、0乃至3.5w/v%、好ましくは0乃至3.0w/v%、より好ましくは0.5乃至2.5w/v%の範囲内で本発明は効果を発揮する。また、通常、ミネラルを含有しない真水、淡水の場合においては、0乃至2w/v%、好ましくは0乃至1.5w/v%以下、より好ましくは0乃至1w/v%の範囲内で効果を発揮する。この際、有効成分であるα,α−トレハロース又はα,α−トレハロースの糖質誘導体は、水系環境中に、無水物換算で0.01乃至4w/v%、好ましくは0.1乃至3w/v%の濃度の範囲内で含有させればよい。0.01w/v%に満たない場合は効果が現れないことがあり、4w/vを超える場合は、量の割に効果が発揮されず、含有させたα,α−トレハロース又はα,α−トレハロースの糖質誘導体による浸透圧の上昇が懸念され好ましくない。
本発明の生命活動強化及び/又は生命活動好適域の拡張方法は、有効成分として、α,α−トレハロース及び/又はα,α−トレハロースの糖質誘導体を用いることにより、多種類のミネラル水溶液で生命活動を強化及び/又は生命活動好適域を拡張することができる。ミネラルとしては、例えば、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、カルシウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、モリブデン、鉛などのイオン化合物又は塩の形態のものが挙げられる。本発明の生命活動強化及び/又は生命活動好適域の拡張方法は、上記したミネラルの1種又は2種以上の混合物に、α,α−トレハロース及び/又はα,α−トレハロースの糖質誘導体を共存させて、これらのミネラルとα,α−トレハロース及び/又はα,α−トレハロースの糖質誘導体との組成物として、生体の生命活動を強化及び/又は生命活動好適域を拡張する組成物として有利に利用できる。
上記した生命活動を強化及び/又は生命活動好適域を拡張する組成物における、α,α−トレハロース及び/又はα,α−トレハロース糖質誘導体は、水系環境におけるミネラル濃度0乃至5w/v%水溶液中において、無水物換算で0.01乃至4w/v%、望ましくは、0.1乃至3w/v%の濃度範囲とするのが好ましい。また、プレミックスとして、粉末状、濃縮液状の組成物とする場合、α,α−トレハロース及び/又はα,α−トレハロース糖質誘導体とミネラルとの混合比率は、ミネラルの種類、適応する生体の種類などに応じて適宜決定すればよく、通常、質量比で、1:100乃至100:1、好ましくは1:20乃至20:1、更に好ましくは5:1乃至1:5の範囲内とするのが好適である。
本発明の生命活動強化及び/又は生命活動好適域の拡張方法の具体的な利用方法としては、農業用水に適用すれば、塩害防止の効果を発揮したり、高濃度のミネラルを含み農業用水として適さない水、例えば海水などを必要に応じて希釈して農業用水として用いることも可能となる。また、養殖用いけす、水槽などの用水として用いれば、魚介類の生命活動が活発になることにより、代謝が改善されて、身やせ(肉質劣化)を防止したり、有用な旨味成分を蓄積させたりすることができ、また、雨水の混入や水分の蒸発による水分の増減に起因するミネラル濃度の変化から飼育中の生体が受ける悪影響を緩和することができる。また、本発明の生命活動を強化及び/又は生命活動好適域を拡張する組成物は、例えば、天然海水、海洋深層水及び人工海水などの海水、培地、生体洗浄液などに用いれば、本来生命活動に好適でない濃度のミネラル水溶液の水系環境に接する生物の悪影響を緩和することができる。また、例えば、当該組成物を天然海水、海洋深層水及び人工海水などの海水、培地、洗浄液用の固形状又は濃縮液状のプレミックス形態にすれば、これを水に溶解又は希釈する際、その計量誤差の許容範囲を拡張することができるので、価値の高い動物、植物に用いる際にも安心して利用することができる。また、本発明の生命活動強化及び/又は生命活動好適域の拡張方法並びに生命活動を強化及び/又は生命活動好適域を拡張する組成物は、水系環境において、本来生命活動に好適でないミネラル濃度の水溶液においても、その生体を生存、発育させることができる。したがって、淡水魚介類、陸上植物、海水魚介類、海水植物などを本来好適でないミネラル濃度中で飼育、栽培することが可能となる。この特徴を利用して、本発明の生命活動を強化及び/又は生命活動好適域を拡張する組成物を、金魚、錦鯉などの淡水の魚介類の病気治療を目的とする食塩浴に利用すれば、本来淡水の魚類に好適でない濃度のミネラル水溶液から受ける悪影響を緩和しつつ、魚体の低ナトリウム症が改善されるので、病気治療の効果をさらに高めることができる。また、この場合、藻類、水草などの他の生物への悪影響が緩和されるので、水槽、池などで安心して食塩浴を行うことができる。さらに、本発明の生命活動を強化及び/又は生命活動好適域を拡張する組成物を、上記食塩浴に適用する場合においては、魚類の病症に適応した抗生物質、殺菌剤、抗ウイルス剤、ビタミン剤などの薬剤と併用することができる。また、本発明の生命活動を強化及び/又は生命活動好適域を拡張する方法によって、植物を栽培した場合、生体内に取り込まれたミネラルが有機化する割合が高くなるので、例えば、スプラウト食品などの生鮮野菜におけるミネラル補強をより効果的に行うことができる。また、魚介類の泥抜きや臭み抜き又は生きたままでの輸送などに適用すれば、生体の生命活動を損ねることなく、より効果的に目的を達成することができる。
本発明が望ましく適用可能な水系環境に接する生体としては、海水、汽水域又は淡水に生息する動植物、例えば、魚介類又は植物全般が挙げられる。魚介類としては、例えば、サケ、マス、イワナ、アユ、ワカサギ、ニシン、イワシ、ウナギ、アナゴ、トビウオ、サンマ、タラ、アンコウ、スズキ、ボラ、タイ、アジ、ブリ、サバ、カツオ、サワラ、マグロ、タチウオ、カサゴ、アイナメ、オコゼ、カレイ、ヒラメ、フグ、カワハギ、サメ、エイ、コイ、フナ、ハゼ、ドジョウ、ナマズなどの魚類、熱帯魚、金魚、錦鯉、メダカなどの鑑賞魚、クルマエビ、イセエビなどのエビ類、ワタリガニ、ケガニ、シャンハイガニ、ズワイガニ、タラバガニ、シャコなどのカニ類、アビ、サザエ、バイ、ツブ、アカガイ、ミルガイ、トリガイ、アオヤギ、マテガイ、アサリ、ハマグリ、カキ、ホタテガイ、イガイ、シジミなどの貝類、ウニ、ナマコなどの棘皮動物、イカ、タコなどの軟体動物類、ホヤ類、クラゲ類、又はこれらの受精卵、卵子、精子、稚魚などが列挙できる。植物としては、イネ、ムギ、ダイズ、トウモロコシなどの穀物、ワカメ、コンブなどの藻類、キャベツ、レタスなどの野菜類、モヤシ、アルファルファなどのスプラウト食品などが列挙できる。
以下、実験により、本発明にかかる生命活動強化及び/又は生命活動好適域の拡張に与える糖質の影響について、動物の例として、海水に生息するアサリ、淡水に棲息するシジミ、ゲンゴロウブナ及び金魚を、植物の例として淡水にて発芽する玄米及びアルファルファを用いて、詳細に説明する。
<実験1:アサリの生命活動強化に影響を及ぼす糖質の検索>
海水に棲息する魚介類としてアサリ(Ruditapes philippinarum)を用いて、各濃度のミネラル水溶液に各種糖質を含有させた際の生命活動好適域を調べた。すなわち、2日間汲置きした水道水に、ミネラルとして、粗塩(85質量%の塩化ナトリウム、及び15質量%のマグネシウム塩、カルシウム塩及びカリウム塩)を、後記表1に記載の濃度になるように、それぞれ溶解し、さらにそれぞれに各種糖質(D−グルコース、マルトース、スクロース、マルチトール、α,α−トレハロース、α−マルトシルα,α−トレハロース、マルトテトラオース及び環状四糖のうちいずれか)を無水物換算で1w/v%になるように溶解した溶液を調製し、これをそれぞれ含有する水溶液をプラスチック製のバットに入れた。このバットに、前もって活動的な個体のみを選抜しておいたアサリを1群18個ずつ入れ、容器に黒布を被せて遮光し、室温(18℃)で16時間静置した。また、対照には、糖質を含まない粗塩水溶液を用いた。なお、α,α−トレハロースの糖質誘導体であるα−マルトシルα,α−トレハロース及び環状四糖以外は市販の試薬を使用し、α,α−トレハロースの糖質誘導体であるα−マルトシルα,α−トレハロースは、特開平7−143876号公報実験4に開示される方法にしたがって、98w/w%以上の純度の粉末品を用いた。環状四糖は、国際特許公開WO02/10361の実施例A−7に開示される方法にしたがって調製した固形分当りの純度98w/w%以上の含水結晶を用いた。
各種糖質共存の影響の評価は、目視により、各アサリの生命活動状況を水管の伸張の程度によって判定し、水管がよく伸びているものを3点、貝から水管がわずかに出ているものを2点、貝が開いているものの水管を出していないものを1点、貝が閉じられているものを0点とし、18個のアサリの合計点を生命活動状況の評価点として評価した。結果を表1に示す。
Figure 0004982649
表1に示すとおり、対照として用いた糖質を含有しないミネラル(粗塩)水溶液の場合、海水のミネラル濃度付近に相当する2.5乃至3.5w/v%の範囲内で、アサリは水管をよく伸ばし活動的であり(評価点42乃至48)、2.0w/v%以下及び4.0w/v%以上のミネラル濃度では活動が鈍り、好適な生命活動域でないことが観察された(評価点29又は28以下)。アサリの生命活動好適域はミネラル濃度2.5乃至3.5w/v%であることが判明した。一方、α,α−トレハロース又はα−マルトシルα,α−トレハロースを含有するミネラル水溶液では、海水のミネラル濃度付近に相当する2.5乃至3.5w/v%の範囲で生命活動がさらに強化されたのに加えて(評価点50乃至54又は49乃至53)、ミネラル濃度1.0乃至5.0w/v%の範囲、好ましくは、1.5乃至4.5w/v%の範囲、さらに好ましくは、2.0乃至4w/v%の範囲で評価点が高くアサリは活動的であり、α,α−トレハロース及びα−マルトシルα,α−トレハロースが、明らかにアサリの生命活動を強化及び/又は生命活動好適域を拡張していることが確認された。しかしながら、他の糖質ではこのような結果は得られなかった。したがって、この結果は、α,α−トレハロース及びα−マルトシルα,α−トレハロースは、海水に棲息する魚介類の生命活動を強化及び/又は生命活動好適域を拡張することができることを示している。
<実験2:アサリの生命活動強化に影響を及ぼすα,α−トレハロースまたはα−マルトシルα,α−トレハロースの共存濃度の検討>
実験1において、α,α−トレハロースまたはα−マルトシルα,α−トレハロースの効果が顕著であったミネラル濃度1.5w/v%又は4.5w/v%のミネラル水溶液において、α,α−トレハロースまたはα−マルトシルα,α−トレハロースの濃度を無水物換算として0.01、0.1、1、2、3、4w/v%として、実験1の方法に準じて、α,α−トレハロースまたはα−マルトシルα,α−トレハロースの有効な濃度範囲を調べ評価した。また、対照として、濃度1.5w/v%又は4.5w/v%のミネラルのみを含み、糖質を含まない水溶液を用いて同様の実験を行った。結果を表2に示す。
Figure 0004982649
表2に示すとおり、α,α−トレハロース又はα−マルトシルα,α−トレハロースは、1.5w/v%又は4.5w/v%ミネラル(粗塩)水溶液においては、0.01乃至4w/v%の範囲内、好ましくは0.1乃至3w/v%の濃度範囲内でミネラル水溶液に含有するときに評価点が高く、アサリの生命活動好適域を拡張する効果を発揮した。以上のアサリを用いた実験は、α,α−トレハロース及びα−マルトシルα,α−トレハロースは、アサリに代表される海水に棲息する魚介類の生命活動を強化及び/又は生命活動好適域を拡張することができることを示している。
<実験3:糖質によるアサリ可食部の肉質及び旨味成分への影響>
通常の海水における食塩濃度(3w/v%)に1w/v%のトレハロース又はスクロースを含有させることによる、アサリ可食部の肉質及び旨味成分への影響を調べた。
すなわち、実験1の方法に準じて、2日間汲置きした水道水に、ミネラルとして、粗塩(85質量%の塩化ナトリウム、及び15質量%のマグネシウム塩、カルシウム塩及びカリウム塩)を、約3w/v%の濃度になるように溶解した後、α,α−トレハロース又はスクロースを1w/v%となるように溶解し、プラスチック製のバットに入れた。このバットに、前もって活動的な個体のみを選抜しておいたアサリを1群6個ずつ入れ、容器に黒布を被せて遮光し、室温(18℃)で16時間静置した。また、対照には、糖質を含まない粗塩水溶液を用いた。アサリの殻を割り可食部を採取し、その肉質を指で押して弾力性を、対照のアサリ可食部と比較して評価した。次に、採取したアサリ可食部に50mlの20mM硫酸を添加し、ホモジナイザーによりホモジナイズし、遠心分離により水溶液を採取し、アドバンテック社製の商品名『ウルトラフィルターユニットUSY−1』で濾過し、夾雑タンパク質を除去した。これを分析用カラム『SCS5−252』及び『PCS5−052』(横河電機株式会社販売)をセットしたイオンクロマトアナライザー(商品名『IC500P』、横河電機株式会社販売)を用いて、常法により、旨味成分である各有機酸(コハク酸、リンゴ酸、酢酸、プロピオン酸、及びそれらの総量)含量を定量分析し、対照のアサリ可食部の各有機酸含量に対する相対値を求めた。結果を表3に示す。
Figure 0004982649
表3に示すとおり、α,α−トレハロースを共存させたアサリ可食部の肉質は弾力性に優れており、活きが良く身やせがないことが確認された。また、それに含まれる旨味成分である有機酸含量、とりわけ、コハク酸及びリンゴ酸含量が増加していた。この結果から、α,α−トレハロースは、アサリに吸収代謝されてエネルギーとなることにより、アサリの生命活動を強化するだけでなく、アサリ可食部の肉質を弾力性に富むものとし、旨味成分含量も向上させることが判明した。
<実験4:マシジミの生命活動強化に影響を及ぼす糖質の検索>
淡水に棲息する魚介類としてマシジミ(Corbicula leana)を用いて、各種糖質を含むミネラル水溶液での生命活動の強化した場合の生命活動好適域を調べた。すなわち、2日間汲置きした水道水に、ミネラルとして、粗塩(85質量%の塩化ナトリウム、及び15質量%のマグネシウム塩、カルシウム塩及びカリウム塩)を、後記表4に記載の濃度になるように、それぞれ溶解し、さらにそれぞれに各種糖質(D−グルコース、マルトース、スクロース、マルチトール、α,α−トレハロース、α−マルトシルα,α−トレハロース、マルトテトラオース及び環状四糖のうちいずれか)を無水物換算で1w/v%になるように溶解した溶液を調製し、これをそれぞれプラスチック製のバットに入れた。このバットに、前もって活動的な個体のみを選抜しておいたマシジミを1群18個ずつ入れ、容器に黒布を被せて遮光し、室温(18℃)で16時間静置した。また、対照には、糖質を含まない粗塩水溶液を用いた。実験1と同様にして、各マシジミの生命活動状況を水管の伸張の程度によって目視により判定し、生命活動状況を調べ評価した。結果を表4に示す。
Figure 0004982649
表4に示すとおり、糖質を含有しないミネラル(粗塩)水溶液の場合、マシジミはミネラル濃度0乃至0.5w/v%の範囲内で活動的(評価点50乃至48点)であるものの、1w/v%以上のミネラル濃度では活動が鈍り(評価点21点以下)、好適な生命活動域でないことが観察された。この結果、マシジミの生命活動好適域は、ミネラル濃度0乃至0.5w/v%の範囲内であることが判明した。一方、α,α−トレハロース又はα−マルトシルα,α−トレハロースを含有するミネラル水溶液では、淡水のミネラル濃度付近に相当する0乃至0.5w/v%の範囲で生命活動がさらに活性化できるのに加えて(評価点54乃至53)、マシジミの生命活動はミネラル濃度0乃至2.0w/v%の範囲、好ましくは、0乃至1.5w/v%の範囲、さらに好ましくは、0乃至1w/v%の範囲で評価点が高く活動的であり、ミネラル水溶液から受ける悪影響が緩和されていた。しかしながら、他の糖質ではこのような結果は得られなかった。したがって、この結果は、α,α−トレハロース及びα−マルトシルα,α−トレハロースを水系環境に含有させることにより、淡水に棲息する魚介類の生命活動を強化及び/又は生命活動好適域を拡張することができることを示している。
<実験5:マシジミの生命活動強化に影響を及ぼすα,α−トレハロースまたはα−マルトシルα,α−トレハロースの共存濃度の検討>
実験4において、α,α−トレハロースまたはα−マルトシルα,α−トレハロースの効果が顕著であったミネラル濃度1.5w/v%水溶液において、α,α−トレハロースまたはα−マルトシルα,α−トレハロースの濃度を無水物換算で0.01、0.1、1、2、3、4w/v%として、実験4の方法に準じて、α,α−トレハロースまたはα−マルトシルα,α−トレハロースの有効な濃度範囲を調べ評価した。また、対照として、濃度1.5w/v%のミネラルのみを含み、糖質を含まない水溶液を用いて同様の実験を行った。結果を表5に示す。
Figure 0004982649
表5に示すとおり、α,α−トレハロース又はα−マルトシルα,α−トレハロースは、1.5w/v%ミネラル水溶液において、0.01乃至4w/v%の範囲内、好ましくは0.1乃至3w/v%の濃度範囲内で評価点が高く、マシジミの生命活動を強化及び/又は生命活動好適域を拡張する効果を発揮した。以上のマシジミを用いた実験から、α,α−トレハロース及びα−マルトシルα,α−トレハロースはマシジミに代表される海水に棲息する魚介類の生命活動を強化及び/又は生命活動好適域を拡張することができることが判明した。
<実験6:α,α−トレハロース及びα−マルトシルα,α−トレハロース共存によるミネラル水溶液中における玄米の発芽に及ぼす影響>
農作物として玄米を用いて、糖質を含有するミネラル水溶液での生命活動好適域を調べた。すなわち、水道水にミネラルとして市販の精製食塩を、後記表6に記載のように、0.5、1.0、1.5又は2.0w/v%の濃度になるようにそれぞれ溶解し、さらに、それぞれにα,α−トレハロース又はα−マルトシルα,α−トレハロースを無水物換算で1w/v%になるように溶解した溶液を調製し、これをそれぞれ脱脂綿に適量染み込ませて、プラスチック製フタ付きシャーレに敷き詰め、市販の玄米をその上に一群20粒ずつ並べた後、黒布で遮光して、室温(25℃)で静置した。また、対照として、糖質を含有しないミネラル水溶液及び糖質もミネラルも含まない水を用いた。24、48、72、96及び120時間後に玄米の発芽状況を調べ、発芽した玄米の数を計数した。結果を表6に示す。
Figure 0004982649
表6に示すとおり、48時間乃至120時間での玄米の発芽数は、ミネラル水溶液の場合よりも、ミネラル水溶液にα,α−トレハロース又はα−マルトシルα,α−トレハロースを共存させた場合の方が多かった。これを72時間後の結果でみると、糖質もミネラルも含まない水を用いた場合には、発芽数が20個であるのに対し、これにミネラルだけが加わり、ミネラル濃度0.5w/v%、1.0w/v%、1.5w/v%及び2.0w/v%場合の発芽数は、それぞれ、14個、4個、0個、0個となる。これらミネラル濃度のものにα,α−トレハロースが共存する場合の発芽数は、それぞれ、20個、20個、4個、0個となり、また、α−マルトシルα,α−トレハロースが加わると19個、10個、3個、0個となる。したがって、ミネラル水溶液にα,α−トレハロース又はα−マルトシルα,α−トレハロース共存せしめることは、ミネラル水溶液中における玄米の発芽を促進することが判明した。この結果から、α,α−トレハロース又はα−マルトシルα,α−トレハロースは、ミネラル水溶液濃度1.5w/v%以下、好ましくは1.0w/v%以下における玄米の発芽を促進する効果を有しており、玄米のミネラル水溶液中での生命活動好適域を拡張する効果を発揮することが明らかとなった。
<実験7:ミネラル溶液中における玄米の発芽に影響を及ぼすα,α−トレハロース又はα,α−トレハロース誘導体の共存濃度の検討>
実験6において、α,α−トレハロースまたはα−マルトシルα,α−トレハロースの効果が顕著であった濃度1.5w/v%ミネラル(食塩)水溶液において、α,α−トレハロース又はα−マルトシルα,α−トレハロースの濃度を無水物換算で0.01、0.1、1、2、3、4、6w/v%として、玄米の発芽における生命活動好適域の拡張に与えるα,α−トレハロース及びマルトシルα,α−トレハロースの有効な濃度範囲を、実験6の方法に準じて、玄米の発芽数及び発芽時間を指標にして調べた。対照として、糖質もミネラルも含まない水を用いた。結果を表7に示す。
Figure 0004982649
表7に示すとおり、α,α−トレハロース又はα−マルトシルα,α−トレハロースは、1.5w/v%ミネラル水溶液においては、0.01乃至4w/v%の範囲内、好ましくは0.1乃至3w/v%の濃度範囲内で、玄米の生命活動を強化及び/又は生命活動好適域を拡張する効果を発揮した。以上の玄米を用いた実験の結果から、α,α−トレハロース及びα−マルトシルα,α−トレハロースは、玄米に代表される農作物において、ミネラル水溶液中での生命活動を強化及び/又は生命活動好適域を拡張することができることを示している。
<実験8:α,α−トレハロース又はα−マルトシルα,α−トレハロースによるミネラル水溶液中におけるスプラウト植物食品(アルファルファ)の発芽に及ぼす影響>
1w/v%ミネラル(食塩)とともに、無水物換算で1w/v%α,α−トレハロース又はα−マルトシルα,α−トレハロースを含有する水溶液を脱脂綿に湿らせ、透明の容器に入れ、それに市販のアルファルファの種子を各群100粒ずつ播種した。また、比較例として、ミネラルのみ、α,α−トレハロースのみ、又は、α−マルトシルα,α−トレハロースのみ含有する水を、対照として水を用いた。透明の蓋をした後、18℃で3日間室内で間接光下で栽培した後、アルファルファの地上部(茎)の長さの平均値を算出し、対照の水におけるその長さと比較し、相対伸張率を算出した。また、20名のパネラーに食してもらい、対照の水で栽培したものと風味を比較判定してもらった。結果を表8に示す。
Figure 0004982649
表8の結果から、ミネラル(食塩)のみを含有する水で栽培したアルファルファは、地上部の伸張率が低く、風味についてもやや改善されたに過ぎなかった。一方、α,α−トレハロース又はα−マルトシルα,α−トレハロースを含有する水で栽培した場合、アルファルファの地上部の伸張率を保持したまま、風味の改善もある程度なされており、さらに、これらにミネラルを含有させた場合、風味の改善が著明であり、ミネラルを含有しているにもかかわらず、伸張率の低下はほとんど認められなかった。この結果は、1w/v%ミネラルとともに、1w/v%α,α−トレハロース又はα−マルトシルα,α−トレハロースを含有する水溶液で栽培することにより、アルファルファの地上部の伸張及び風味を良好にすることが可能であることを示している。
<実験9:淡水魚の臭み抜き>
体長15乃至20cmの生きたゲンゴロウブナ(Carassius cuvieri)を、1w/v%ミネラル(粗塩)とともに、無水物換算で1w/v%α,α−トレハロース又はα−マルトシルα,α−トレハロースを含有する水溶液を10L入れた水槽の中で、2匹ずつ室温で3日間飼育した。比較例として、ミネラルのみ、α,α−トレハロースのみ、又はα−マルトシルα,α−トレハロースのみを含有する水を用い、対照として、ミネラル及び糖質を含まない水を用いて上記と同様にして飼育した。フナの活きを目視により観察した後、ゲンゴロウブナを刺身にして、20名のパネラーに食してもらい、風味(臭みの有無)の評価を、対照と比較して、臭みの無い場合を「良好」、対照と比べて臭みが弱い場合を「やや良好」、対照と同程度に臭みがある場合を「普通」、対照よりも臭みが強い場合を「悪い」の4段階でそれぞれ評価した。結果を表9に示す。
Figure 0004982649
表9の結果から、ミネラルのみを含有する水溶液中でゲンゴロウブナを飼育した場合、ミネラル濃度が1(w/v)%では、ゲンゴロウブナの活きが悪くなり、臭みなどの風味の改善効果も十分でないものの、これにさらにα,α−トレハロース又はα−マルトシルα,α−トレハロースを含有させた場合、ゲンゴロウブナの活きの良さを損ねることなく、風味を改善する効果が発揮された。一方、α,α−トレハロース又はα−マルトシルα,α−トレハロース単独では、風味を改善する効果が弱く、これらの結果から、ミネラルとα,α−トレハロース又はα−マルトシルα,α−トレハロースを含有する水溶液は、フナの活きを損ねることなく、風味を改善する効果を有していることが判明した。
<実験10:金魚の治療>
尾腐れ病に罹っている金魚(和金、Carassius auratus)を、1w/v%ミネラル(食塩)とともに、無水物換算で1w/v%α,α−トレハロース又はα−マルトシルα,α−トレハロースを含有する水溶液を2L入れた水槽の中で、1匹ずつ通常のえさを与えながら室温で1週間飼育した。比較例として、ミネラルのみ、α,α−トレハロースのみ又はα−マルトシルα,α−トレハロースのみを含有する水を、対照として、水のみを用いて上記と同様にして飼育した。金魚の活きと病気の治療効果を目視により観察した。結果を表10に示す。
Figure 0004982649
表10の結果から、ミネラルのみを含有する水溶液で金魚を飼育した場合、ミネラル(食塩)濃度が1(w/v)%では、尾腐れ病の治癒効果に優れるものの金魚の活きが悪くなった。これにさらにα,α−トレハロース又はα−マルトシルα,α−トレハロースを含有させた場合、金魚の活きの良さを損ねることなく、尾腐れ病の治癒効果が発揮された。一方、α,α−トレハロース又はα−マルトシルα,α−トレハロース単独では、尾腐れ病の治癒効果が弱かった。これらの結果から、ミネラル(食塩)とα,α−トレハロース又はα−マルトシルα,α−トレハロースを含有する水溶液は、本来金魚にとって好適でないミネラル(食塩)濃度1w/v%の中でも悪影響を与えないことが判明した。
以下、実施例で本発明の詳細を説明する。
<人工海水プレミックス>
下記の成分組成により粉末状の人工海水プレミックスを製造した。本品は、水1,000質量部に溶解して使用すれば、海水として使用することができる。また、本品は、生体の生命活動を強化及び/又は生命活動好適域を拡張することができるので、水に溶解する際の計量誤差や、水分の蒸発、雨水の混入などによるミネラル濃度の変動による悪影響を緩和することができる。したがって、本品は、いけす、水槽などにおいて、海水に棲息する魚介類の飼育に有利に用いることができる。
塩化ナトリウム 28.5 質量部
硫酸マグネシウム7水塩 6.82 質量部
塩化マグネシウム6水塩 5.16 質量部
塩化カルシウム2水塩 1.47 質量部
塩化カリウム 0.725 質量部
臭化ナトリウム 0.084 質量部
ホウ酸 0.0273質量部
塩化ストロンチウム6水塩 0.024 質量部
含水結晶α,α−トレハロース
(株式会社林原商事販売、登録商標『トレハ』) 20.0 質量部
<洗浄液>
塩化ナトリウム1質量部、株式会社林原商事販売の液体状の『ハローデックス』(α−マルトシルα,α−トレハロースを固形分当り52%含有)4質量部を蒸留水100質量部に溶解し、洗浄液を製造した。本品は、淡水に棲息する魚介類、農作物にとっての生命活動を強化及び/又は生命活動好適域を拡張することができるので、シジミ、フナなどの淡水魚介類、スプラウト食品などの生鮮野菜などの洗浄液として有利に利用できる。また、本品は淡水魚介類の泥だし剤や臭み抜き剤としても有利に利用できる。
<食塩浴用組成物>
市販の粉末状の食塩1質量部及び含水結晶α,α−トレハロース(株式会社林原商事販売、登録商標『トレハ』)1質量部をよく混ぜ合わせ、適宜の抗菌剤、抗生物質などを適量混合して、食塩浴用組成物を製造した。本品は、適当量の水に溶解して、望ましくは、食塩濃度約0.5乃至2(w/v)%に調製して、金魚、錦鯉などの淡水魚類の疾患治療用の食塩浴に利用することができる。また、本発明の食塩浴用組成物は、淡水魚とともに水槽や池に生息する水草などに対しても、食塩による悪影響を緩和することができるので、治療対象の魚を飼育している水槽や池に投入して用いることもできる。
<肥料杭>
配合肥料(N=14%、P=8%、KO=12%)14質量部、硫酸カルシウム3質量部、塩化マグネシウム6水塩2質量部、プルラン1質量部、含水結晶α,α−トレハロース(株式会社林原商事販売、登録商標『トレハ』)1質量部、α,α−トレハロースの糖質誘導体含有シラップ(株式会社林原商事販売、商品名『ハローデックス』)1質量部及び水0.5質量部を十分混合した後、押出機(L/D=20、圧縮比=1.8、ダイスの口径=30mm)で80℃に加熱して肥料杭を製造した。本品は、肥料用容器が不要で、徐崩性の肥料杭として利用することができる。また、溶解して一時的にミネラル濃度が高まった場合でも、植物への悪影響が緩和されているので、肥料焼けの懸念もなく安心して用いることができる。
<生命活動強化及び/又は生命活動好適域の拡張剤>
含水結晶α,α−トレハロース((株)林原商事販売、登録商標『トレハ』)2質量部を水100質量部に溶解し、生命活動強化及び/又は生命活動好適域の拡張剤を製造した。本品をそのままあるいは適度に希釈して、水耕用水又は散布用水などの農業用水として用いれば、台風、津波などによる農作物の塩害を防止することができる。また、ミネラルを含む海水、培地、洗浄液などに添加して生体に用いれば、生体の生命活動を強化及び/又は生命活動好適域を拡張することができるので、水分の蒸発、雨水の混入などによるミネラル濃度の変動による悪影響を緩和することができる。したがって、本品は、水系環境に棲息する生物の飼育、洗浄及び保存などに有利に用いることができる。
<生命活動強化及び/又は生命活動好適域の拡張剤>
特開平7−143876号公報の実験4に開示される方法にしたがって製造したα−マルトシルα,α−トレハロース含有粉末(純度98w/w%以上)3質量部を水100質量部に溶解し、生命活動強化及び/又は生命活動好適域の拡張剤を製造した。本品をそのままあるいは適度に希釈して、水耕用水又は散布用水などの農業用水として用いれば、台風、津波などによる農作物の塩害を防止することができる。また、ミネラルを含む海水、培地、洗浄液などに添加して生体に用いれば、生体の生命活動を強化及び/又は生命活動好適域を拡張することができるので、水分の蒸発、雨水の混入などによるミネラル濃度の変動による悪影響を緩和することができる。したがって、本品は、水系環境に棲息する生物の飼育、洗浄などに有利に用いることができる。
叙述のとおり、本発明は、生命活動を活発にすることができ、さらに、ミネラル水溶液中における生体の生命活動を強化及び/又は生命活動好適域を拡張することができる。したがって、動植物、例えば、農作物や養殖魚介類などを対象として、生体の生命活動を強化及び/又は生命活動好適域を拡張するので、過剰なミネラルの混入、水分の蒸発、雨水の混入などのようなミネラル濃度の変動から受ける悪影響を緩和することができる。

Claims (1)

  1. α,α−トレハロース及び/又はα,α−トレハロースの糖質誘導体を0.01乃至4w/v%の濃度で含有する水溶液中で、貝類を養殖することにより、貝類の可食部にコハク酸及び/又はリンゴ酸含量を増加させることを特徴とする貝類の養殖方法。
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