JPH0984527A - エビ類成長促進剤 - Google Patents

エビ類成長促進剤

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JPH0984527A
JPH0984527A JP7244123A JP24412395A JPH0984527A JP H0984527 A JPH0984527 A JP H0984527A JP 7244123 A JP7244123 A JP 7244123A JP 24412395 A JP24412395 A JP 24412395A JP H0984527 A JPH0984527 A JP H0984527A
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JP
Japan
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feed
cholesterol
shrimp
present
growth
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JP7244123A
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English (en)
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Youichi Matsufune
陽一 松船
Jun Nakajima
洵 中嶋
Shinichi Tejima
新一 手島
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Nippon Fine Chemical Co Ltd
Original Assignee
Nippon Fine Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】エビ類の成長促進に優れた効果を奏する新しい
エビ類成長促進剤及びこれを含む餌料を開発する。 【解決手段】一般式 【化1】 [式中ROCは炭素数8〜22の直鎖状飽和もしくは不
飽和脂肪酸残基を示す。]のコレステロールの脂肪酸エ
ステルを有効成分とするエビ類成長促進剤及びこれを配
合したエビ類養殖用餌料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエビ類の成長促進剤
及びこれを含む餌料に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に動物はコレステロールを体内で酢
酸やメバロン酸からスクアレンを経由して生合成するこ
とができ、必須栄養素として要求しないが、エビ等の甲
殻類は例外なくステロール合成能を欠き、成長や生残の
ために必須栄養素としてステロールを要求する。即ち、
エビ類は成長に伴って、幾度となく脱皮を繰り返すが、
そのための脱皮ホルモンはコレステロールから生合成さ
れることが知られており、また該コレステロールが性ホ
ルモン及び副腎皮質ホルモンの前駆物質となることも知
られている。稚エビの養殖段階で、いわゆる共食いの現
象が生じるのは、この不足するコレステロールを他の個
体から摂取するためと考えられるが、かかる共食い現象
は、養殖の生産歩留まりを低下させ、生産性を低下させ
る致命的欠点となる。
【0003】従って、クルマエビ等の養殖のための餌料
には、現在総じてコレステロールが添加配合されてい
る。しかるに、このコレステロールは、高価であること
はもとより、尚、エビ類の養殖時の生存率、成長率等の
向上効果において、改善されるべき余地があり、更に優
れた飼料添加効率を図り得る新しいエビ類の成長促進効
果を奏し得る物質の開発が、斯界で要望されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
斯界で要望されている新しいエビ類の成長促進物質を開
発、提供することにある。
【0005】本発明者等は、鋭意研究の結果、下記一般
式(1)で表わされる特定のコレステロール脂肪酸エス
テルが、上記目的に合致するエビ類の成長促進剤として
有効であることを見いだし、ここに本発明を完成するに
至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明によれば、
一般式
【0007】
【化2】
【0008】[式中ROCは炭素数8〜22の直鎖状飽
和もしくは不飽和脂肪酸残基を示す。]で表されるコレ
ステロールの脂肪酸エステルを有効成分として含有する
ことを特徴とするエビ類成長促進剤、及び該エビ類成長
促進剤を配合したエビ類養殖用餌料が提供される。
【0009】本発明のエビ類成長促進剤を添加配合した
養殖用餌料の利用によれば、コレステロールを添加配合
した同餌料に比して、稚エビ及び幼生エビを問わず、エ
ビ類の成長を著しく促進、改善することができる。即
ち、本発明成長促進剤は、その有効成分とする上記コレ
ステロールエステル自体、消化吸収率及び栄養効果に優
れており、これに基づいて、該成長促進剤を配合した餌
料の飼料効率、蛋白質効率等を図り得、また該餌料によ
るエビ類の飼育によって、優れた増重効果、生残効果等
を奏することができる。
【0010】以下、本発明エビ類成長促進剤及びこれを
利用した餌料につき詳述する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明エビ類成長促進剤におい
て、有効成分とされる特定のコレステロールエステルと
しては、上記一般式(1)で表わされる通り、コレステ
ロールと炭素数8〜22の直鎖状飽和もしくは不飽和脂
肪酸とのエステルであることを必須とする。該エステル
は、コレステロールと脂肪酸とから、通常の方法に従
い、例えば酵素を利用した合成反応により合成すること
ができる。
【0012】ここで、原料コレステロールとしては、羊
毛脂、魚油の不けん化物成分、牛脳から得られるもの等
のいずれでもよいが、特に羊毛脂から得られるものが好
適である。該コレステロールは、特にその純度にこだわ
る必要はなく、通常入手されるそれで充分であり、他の
類似のステロール類を含むものであってもよい。この類
似ステロール類としては、例えば7−コレステロール、
22−デヒドロコレステロール、24−メチレンコレス
テロール、エルゴステロール、デスモステロール、β−
シトステロール、スティグマステロール、カンペステロ
ール、フコステロール、イソフコステロール等を例示で
きる。
【0013】また、他方の原料である脂肪酸としては、
上記炭素数8〜22の直鎖状飽和もしくは不飽和脂肪酸
の1種を単独で利用することもでき、また2種以上を組
合わせて利用することもできる。この組合せ利用の場合
の脂肪酸としては、例えばタラ油、イワシ油、イカ油、
大豆油、ヌカ油、サフラワー油、コーン油、オリーブ油
等の天然(動)植物油脂類の脂肪酸を好ましく利用する
ことができる。特に好ましい原料脂肪酸としては、パル
ミチン酸、オレイン酸、リノール酸やリノレン酸等の炭
素数16〜18の飽和又は不飽和脂肪酸、之等を多く含
む例えば大豆油脂肪酸等を例示することができる。他の
好ましい原料脂肪酸としては、例えばコメヌカ油、サフ
ラワー油、コーン油、オリーブ油等の植物油脂起源の脂
肪酸や、例えばタラ油、イワシ油、イカ油等の水産動物
油脂起源の脂肪酸を例示できる。
【0014】上記エステル合成反応は、常法に従うこと
ができ、特に限定されないが、例えば、本願人等の出願
に係わるリパーゼを用いたエステル合成法〔特公平5−
33712号公報参照〕等によるのが好ましい。
【0015】かくして得られる所望のコレステロール脂
肪酸エステルは、反応系内より単離精製して、本発明有
効成分として利用することもできるが、特に単離精製す
る必要はなく、之を含む反応生成物の形で、本発明成長
促進剤として利用することもできる。むしろ、上記エス
テル合成反応に原料として用いられる脂肪酸成分及びコ
レステロールは、何れもエビ類の餌料に添加配合できる
ことの知られているものであり、之等未反応成分の残存
自体、本発明成長促進剤に実質的に悪影響を与えるおそ
れはなく、得られる餌料の栄養効果に好結果をもたらす
場合がある。
【0016】本発明エビ類成長促進剤は、上記の如くし
て得られる特定のコレステロール脂肪酸エステルの精製
品乃至粗製品からなるものであってもよく、更に之に他
の添加剤、例えば農林水産大臣が指定した飼料添加物一
覧に記載の抗酸化剤、防カビ剤、粘結剤、乳化剤、アミ
ノ酸、ビタミン、ミネラル、色素、合成抗菌剤、抗生物
質、香料、呈味料、酵素や、上記飼料添加物の賦形物質
として記載のデンプン類、トウモロコシ、ジスチラズグ
レイン類、トウモロコシ及び小麦由来のグルテン類、コ
メヌカ、大豆粉、大豆粕類、糖類、動植物油、硬化油、
高級飽和及び不飽和脂肪、脂肪酸類、脱脂魚粉、ホワイ
トフィッシュミール、ビール酵母、パン酵母、トラル酵
母、無水珪酸及び珪酸塩類、リン酸カルシウム類、バー
ミキュライト、けい藻土、タルク、カオリン、ベントナ
イト等を添加して、利用に適した経時安定性のよい液
状、固状、粉末状等の各種形態に調製することもでき
る。
【0017】本発明は、また本発明の上記エビ類成長促
進剤を配合したエビ類養殖用餌料をも提供するものであ
る。
【0018】本発明に係わるエビ類養殖用餌料は、エビ
類の生育に望ましい各種栄養源等を含む通常の一般的エ
ビ類基本餌料に、上記本発明エビ類成長促進剤を添加配
合することにより調製できる。
【0019】ここで基本餌料を構成する栄養源等として
は、代表的には、カゼイン、ゼラチン、ホワイトフィッ
シュミール、エビミール、オキアミミール、スキムミル
ク、イカミール、ブラウンフィッシュミール、酵母粉
末、コーングルテンミール、フェザーミール、卵アルブ
ミン、カニタンパク質、大豆蛋白質等の蛋白源;アルギ
ニン、メチオニン、バリン、スレオニン、イソロイシ
ン、ロイシン、リジン、ヒスチジン、フェニルアラニ
ン、トリプトファンの必須アミノ酸;酵母エルゴステロ
ール、植物スチグマステロール、βシトステロール等の
ステロール類;リノール酸、リノレン酸、エイコサペン
タエン酸、ドコサヘキサエン酸等の高度不飽和の必須脂
肪酸;スケトウダラ肝油、アサリ抽出脂質、大豆レシチ
ン、ホスファチジルコリン等のリン脂質;小麦澱粉、活
性グルテン、デキストリン、グリコーゲン、グルコー
ス、マルトース、蔗糖、グルコサミン等の炭水化物;そ
の他カルシウム、リン、マグネシウム、カリウム、銅等
のミネラルやビタミンC、α−トコフェロール、ニコチ
ン酸、コリン、イノシトール、メナジオン、チアミン、
ピリドキシン、葉酸、シアノコバラミン、カルシフェロ
ール、リボフラビン、β−カロチン等のビタミン類等を
例示することができる。之等各種栄養源の餌料中への配
合割合は、従来より種々研究、報告されており、本発明
餌料においても、之等の報告に従うことができる。ま
た、本発明における上記基本餌料としては、既に市販さ
れているエビ類飼育用餌料をそのまま用いることもでき
る。
【0020】特に上記基本餌料構成成分中、大豆油由来
のレシチン0.5〜3%、タラ肝油0.5〜6%、高度
不飽和脂肪酸のエチルエステル0.5%前後程度の添加
配合が望ましい。また、上記の内、活性グルテン等は餌
料の粘結剤としても重要であり、その配合によれば、餌
料にエビ類の摂餌に適した粘着力を与えると共に、餌料
中の栄養素の水中への溶出損失を抑え、水質の悪化をも
防止できる。
【0021】上記基本餌料組成につき更に詳述すれば、
一般にエビ類の養殖飼料の基本構成成分は、蛋白質、必
須アミノ酸、ステロール、必須脂肪酸、リン脂質、炭水
化物、ミネラル、ビタミン等からなっている。これらの
内、蛋白質は、エビの成長、生命維持に必須の栄養素で
あり、動物体の構成成分として重要な働きをしている。
これはエビの種類、養殖環境等により若干異なるが、ほ
ぼ30〜57%が飼料の至適配合量範囲とされている。
【0022】上記必須アミノ酸は、エビ類の場合、アル
ギニン、メチオニン、バリン、スレオニン、イソロイシ
ン、ロイシン、リジン、ヒスチジン、フェニルアラニン
及びトリプトファンの10種類であることが知られてい
る。これらアミノ酸(結晶)のクルマエビ飼料中への添
加は、幼生エビ飼料の場合には有効であるが、稚エビで
はその成長に効果がなく、実際の飼料への配合では、こ
れらを蛋白の形で行ない、該蛋白の構成アミノ酸がエビ
類生体内で利用されるのが普通である。従って、使用す
る蛋白質中のアミノ酸残基の構成比がエビ体内の必須ア
ミノ酸の構成比に近くなるように、配合蛋白質原料を調
整することがエビ成長促進に効果があるとされており、
市販の各種飼料の蛋白質組成もこの点に考慮がなされて
いる。公知の代表的クルマエビ幼生微粒子飼料の効果的
な蛋白質原料配合組成例を下記表1に、またその構成ア
ミノ酸成分比率(メチオニンを1.00として)を表2
にそれぞれ示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】また、一般に動物は体内でアセテートから
コレステロールを生合成することができるが、クルマエ
ビ、ウシエビ、ロブスター、カニ、ザリガニ、イセエビ
等の甲殻類は、アセテート−14Cあるいはメバロネート
14Cからコレステロールへの取り込みが見いだされ
ず、ステロール合成能を有していないことが知られてい
る。しかるにエビ類もまたその成長及び生残率改善のた
めに、コレステロールを必須栄養素として要求し、従っ
て、エビ類養殖用飼料へのコレステロールの配合は必要
である。通常その至適配合量は、おおよそ0.5%前後
であるといわれている。コレステロール以外の例えばエ
ルゴステロール、植物のスティグマステロール、β−シ
トステロール等にも、コレステロールと同様の栄養効果
が認められているが、その程度はやや劣る傾向にある。
【0026】必須脂肪酸については、甲殻類にも魚と同
様にその存在が明らかにされ、クルマエビ、ロブスタ
ー、ウシエビ、イセエビ等の実験でも、リノール酸(1
8:2n−6)、リノレン酸(18:3n−3)、エイ
コサペンタエン酸(20:5n−3)、ドコサヘキサエ
ン酸(22:6n−3)等の高度不飽和酸が必須脂肪酸
であることが証明され、その飼料への配合は重要であ
り、通常飼料当たり各必須脂肪酸を1〜2%程度配合さ
れるのが普通である。
【0027】リン脂質のエビ類飼料への添加による成長
促進効果については、クルマエビ、ロブスター等で大豆
レシチン3%の添加効果が既に確認されており、その飼
料への配合も重要である。
【0028】エビ類飼料への炭水化物の添加配合は、余
りに多すぎるとむしろ成長を阻害する傾向があり、また
グルコース、ガラクトース、フラクトース等の単糖類よ
りも蔗糖、マルトース、トレハロース等の多糖類が、成
長に対して優れているとされている。例えばクルマエビ
飼料においては、炭水化物及び蛋白質の最適添加量は、
マルトース24%及び蛋白質40%との報告もあり、マ
ルトースには蛋白質の節約作用も認められている。
【0029】ミネラル、ビタミンのエビ類飼料への添加
配合も成長促進に有効とされており、通常クルマエビ飼
料へのミネラルの至適添加量は、カルシウム1%、リン
1%、マグネシウム0.3%、カリウム0.9%、銅6
mg%とされている。
【0030】本発明エビ類成長促進剤の上記餌料への添
加配合量は、得られる餌料を適用すべきエビ類の種類や
体重(養殖段階)等に応じて適宜決定でき、特に限定さ
れるものではないが、通常一般的には得られる餌料重量
に対して、約0.01〜3重量%程度、好ましくは約
0.1〜1.0重量%程度の範囲から選択されるのがよ
い。
【0031】本発明餌料は、上記のように代表的には、
市販餌料に本発明エビ類成長促進剤を添加配合すること
により調製できるものであり、該飼料の製造手段、形態
(剤型、粒度)等は、市販のそれと同じでよい。また、
該餌料によるエビ類の養殖方法も、従来より行なわれて
いる各種方法と特に異なるところはなく、給餌方法、投
餌量、投餌回数等も、エビ類の種類や養殖段階に応じ
て、適宜決定することができる。
【0032】かくして、本発明のエビ類成長促進剤を配
合したエビ類養殖用餌料を調製できる。該餌料には、必
要に応じて更に、前述したような農林水産大臣の指定す
る飼料添加物一覧に収載されている各種の添加剤等を適
宜添加配合することができる。
【0033】かくして得られる本発明餌料は、これをエ
ビ類の養殖用餌料として利用することによって、優れた
増重効果、生残効果等を奏することができる。
【0034】なお、本発明餌料の適用できるエビ類とし
ては、代表的には、クルマエビ(Penaeus japonicus)
を挙げることができるが、之に限定されるわけではな
い。養殖できるすべてエビ類、例えば上記クルマエビ、
ウシエビ(Penaeus monodon)に代表されるクルマエビ
類、アメリカンロブスター(Homarus americanus)に代
表されるザリガニ類、オニテナガエビ(Macrobrachium
rosenbergii)に代表されるコエビ類、イセエビに代表
されるイセエビ類等について、本発明餌料は有効に利用
でき、上記クルマエビとほぼ同等の効果を奏し得る。
【0035】
【実施例】以下、本発明を更に詳しく説明するため、実
施例を挙げる。
【0036】
【実施例1】 (1)本発明エビ類成長促進剤の調製 コレステロールの3位水酸基に大豆油脂肪酸をエステル
結合させた前記一般式(1)で表わされるコレステロー
ル脂肪酸エステルを、以下の通り調製した。
【0037】(1−1) コレステロールとしては、局
方グレードコレステロールJP(日本精化株式会社製
造)を利用した。このもののコレステロールの純度(G
LC分析法による)は、約94%である。
【0038】(1−2) まず、大豆白絞油1kgと1
5%カセイソーダ水溶液2.8kgを5リットルオート
クレーブに入れ、140℃で5時間反応させ、反応後、
液を取り出し、食塩水を加えて塩析し、上層を回収、n
−ヘプタンを加えて、ナトリウム石鹸を硫酸で分解し、
水洗後、脱溶剤して、大豆油脂肪酸を調製した。
【0039】(1−3) 次いで、上記で得た大豆油脂
肪酸510gに、前記コレステロール500g、パラト
ルエンスルホン酸2.5gを添加し、窒素ガスを吹き込
みながら、減圧下、100〜110℃で48時間撹拌、
反応させた。反応後、アルカリ脱酸、脱色、水洗して、
触媒及び未反応脂肪酸を除去し、かくして、所望のコレ
ステロール大豆脂肪酸エステル(I)を得た。このもの
の構成コレステロール成分は56%であり、構成大豆脂
肪酸成分は44%であった。
【0040】(1−4) また、大豆白絞油1.25k
gとイソオクタン2リットルとを撹拌機付きのガラス製
4つ口反応器に入れ、これに更に油脂分解酵素リパーゼ
OF(名糖産業社製)2gを蒸留水100mlに溶かし
た液を添加し、37℃で4時間反応させて、加水分解さ
せた。その後、蒸留水を加えて静置して、分解により生
じたグリセリンを除去し、次いで、上層のイソオクタン
に、コレステロール1.12kgと蒸留水に溶かしたO
F5gを加え、37℃で48時間エステル合成反応を行
なった。反応後、未反応の脂肪酸、酵素を脱酸水洗して
除去し、かくして、所望のコレステロール大豆脂肪酸エ
ステル(II)を得た。このものの構成コレステロール
成分は56%であり、構成大豆脂肪酸成分は44%であ
った。
【0041】(1−5) 上記で利用した各原料物質及
び得られたエステルI及びIIの諸性質を下記表3に示
す。
【0042】
【表3】
【0043】尚、表中の色(GH)は、ガードナー法に
より、また、酸価、ケン化価、沃素価、乾燥減量、灰
分、過酸化物価及び融点(℃)は、いずれも日本化粧品
原料基準による分析法により、遊離コレステロール
(%)は、GLC法により、それぞれ測定したものであ
り、分子量は、酸化又はケン化価よりの計算平均分子量
を示す。
【0044】また、原料大豆脂肪酸とコレステロール脂
肪酸エステルのそれぞれの大豆油脂肪酸組成(脂肪酸構
成成分をメチルエステルに変換してGLC分析法により
測定した)を表4に示す。
【0045】
【表4】
【0046】(2)本発明エビ類成長促進剤の調製 上記(1)において、大豆油脂肪酸に代えてエイコサペ
ンタン酸(EPA)及びドコサヘキサン酸(DHA)を
用いて、同様にして前記一般式(1)で表わされるコレ
ステロール脂肪酸エステルIおよびIIのそれぞれを調
製した。
【0047】得られた各エステルの純度は、コレステロ
ール−EPAエステルでは、67.8%であり、コレス
テロール−DHAエステルでは、48.0%であった。
【0048】(3)本発明エビ類養殖用餌料の調製 上記(1)及び(2)のそれぞれで調製した本発明エビ
類成長促進剤を脂質試料として用いて、以下の通り本発
明エビ類養殖用餌料を調製した。
【0049】即ち、下記表5に示す基本餌料配合に従
い、蛋白源(カゼイン)、バインダー(寒天、カラギー
ナン、ゼラチン)、リン脂質(レシチン)、ビタミン
類、ミネラル類、その他の各成分に水を加えて加温混合
し、冷却後、乾燥、粉砕して、粒径10〜350μmの
微粒子飼料とするか、あるいは、上記加温混合後、ペレ
ットマシンにて、更に1〜5mmのペレットにするかし
て、本発明飼料を得た。
【0050】
【表5】
【0051】尚、用いたカゼイン、α−澱粉、グルコー
ス、蔗糖、グルコサミンHCl、クエン酸Na、コハク
酸Na、サメ肝油及びHUFA(エチルエステル)、セ
ルロース、BHT(抗酸化剤)及び寒天は、いずれも市
販のものであり、ビタミン類は、その組成を表6に、ミ
ネラル類は、その組成を表7に示し、更に、大豆レシチ
ンとしては、市販大豆レシチンをアセトン処理して、得
られた不溶画分を利用した。
【0052】
【表6】
【0053】
【表7】
【0054】また表5には、比較のため、脂質試料とし
て、本発明エビ類成長促進剤に代えて、前記(1−1)
で原料として利用したコレステロール(比較1とする)
を用いて、同様にして調製した比較餌料の組成を併記す
る。
【0055】(4)エビ類の養殖 親エビ及び稚エビとして、宮崎県延岡市の松本水産株式
会社より入手した親エビ(クルマエビ、Penaeus japoni
cus)より得た受精卵を鹿児島大学水産学部(鴨池海洋
生産実験室)で孵化させ、市販エビ飼料(ヒガシマル株
式会社製)で稚エビ(体重:0.28±0.1g)まで
生育・予備飼育して本試験に利用した。
【0056】上記稚エビ20尾を1タンクに入れ、1試
験区当り3タンクを利用した(Triplicated tanks)。
各タンクの容量は、54リットルであり、毎日海水(p
H6.8)を100%換水した。投餌レベルは8から1
2%とし、投餌量50〜150mg/尾/日、投餌回数
1〜2回/日にて、51日間(前記予備飼育は11日
間)飽食給餌にて飼育した。尚、タンク内水温は、2
6.5±0.5℃とし、塩分濃度3.4%とした。
【0057】試験区としては、本発明餌料(1)(実施
例1の(1−4)で調製したコレステロール大豆脂肪酸
エステルIIを用いた餌)の投餌区をSFA−CE、本発
明餌料(2)(実施例1の(2)で調製したコレステロ
ール−EPAエステルを用いた餌)の投餌区をEPA−
CE、本発明餌料(3)(実施例1の(2)で調製した
コレステロール−DHAエステルを用いた餌)の投餌区
をDHA−CEとし、比較餌料(比較1)投餌区をCH
とそれぞれ名付けた。
【0058】(5)試験結果 得られた結果(増重率及び飼料効率)を表8に示す。
尚、いずれの試験区においても、生残率は60%以上で
あり、各区において有意差は認められなかった。
【0059】
【表8】
【0060】表8より、増重率(Body weight gain)に
ついては、CH区に比べて本発明区はいずれも有意に高
い増重率を示した。本発明区の内では、SFA−CE区
が最も高い増重率196%を示した。
【0061】飼料効率(Feed conversion efficiency)
についても、本発明区はいずれもCH区に比して高い値
を示した。
【0062】これらのことから、本発明餌料は、コレス
テロール脂肪酸エステルの利用に基づいて、クルマエビ
稚エビに対して、成長促進効果を奏することが明らかと
なった。
【0063】また、飼育実験終了後に、体組織中のコレ
ステロールの分析を行なった。即ち、実験終了時に、各
試験区より無作為にエビ体5尾をサンプリングし、凍結
乾燥後、各個体の全コレステロール量及び遊離コレステ
ロール量を比色法により、また遊離ステロール量をジギ
トニン法によりそれぞれ測定し、全コレステロール量よ
り遊離コレステロール量を差し引いてコレステロールエ
ステル含量を算出した。結果を表9に示す。
【0064】
【表9】
【0065】表9より、本発明区では、いずれも1尾当
たりの全コレステロール量が上昇することが認められ
た。
【0066】また、飼育終了時の1尾当たりのエビ体組
織のコレステロール量から、実験開始時のそれを差し引
いた値、即ち飼育期間中における各コレステロール区分
の増加量(mg/1尾/40日)を求めた結果、本発明
区はいずれもCH区に比して、高い値を示し、特に本発
明DHA−CE区では、餌料コレステロールの体組織へ
の蓄積率がかなり上昇することが明らかとなった。
【0067】
【実施例2】 (1)本発明エビ類養殖用餌料の調製 実施例1の(1−4)で得た本発明エビ類成長促進剤
(コレステロール大豆脂肪酸エステルII)の1.0g/
100g餌料(1.0%)を脂質試料として含む本発明
餌料を、実施例1の(3)に準じて調製した。但し、基
本飼料配合より大豆レシチンを除き、その分はセルロー
スを追加補充した。これを以下「CE餌料」という。
【0068】また上記において、脂質試料としてのエビ
類成長促進剤に代えて、実施例1の(1−1)で原料と
して利用したコレステロールの0.56g/100g餌
料(これを「CH餌料」とする)、及び該コレステロー
ルと大豆油脂肪酸(実施例1の(1−3)で調製したも
の)との0.56:0.44重量比混合物1.0g/1
00g餌料(「CH+SFA餌料」とする)を用いて、
同様にして比較餌料を調製した。
【0069】(2)エビ類の養殖 親エビ及び稚エビとして、宮崎県延岡市の松本水産株式
会社より入手した親エビ(クルマエビ、Penaeus japoni
cus)より得た受精卵を鹿児島大学水産学部(鴨池海洋
生産実験室)で孵化させ、市販エビ飼料(ヒガシマル株
式会社製)で稚エビ(体重:0.27±0.02g)ま
で生育・予備飼育して本試験に利用した。
【0070】上記稚エビ10尾を1タンクに入れ、1試
験区当り3タンクを利用した(Triplicated tanks)。
各タンクの容量は、13リットルであり、毎日海水(p
H6.5)を100%換水した。投餌レベルは7〜8%
とし、投餌量50〜150mg/尾/日、投餌回数1〜
2回/日にて、40日間飽食給餌にて飼育した。尚、タ
ンク内水温は、25±1.0℃とし、塩分濃度は3.4
%とした。
【0071】試験区としては、本発明CE餌料投餌区
(CE区)、比較CH餌料投餌区(CH区)及び比較C
H+SFA餌料投餌区(CH+SFA区)を設けた。
【0072】(3)試験結果 得られた結果(増重率及び飼料効率)を表10に示す。
【0073】
【表10】
【0074】表10より、CH区及びCH+SFA区に
比して、本発明CE区はいずれも有意に高い増重率を示
した。飼料転換効率(Feed conversion efficiency)に
ついても、本発明CE区は、CH区及びCH+SFA区
に比して高い値を示した。
【0075】このことから、コレステロール脂肪酸エス
テルを配合した本発明餌料の利用によれば、クルマエビ
稚エビの成長促進が図り得ることが明らかとなった。
【0076】また、飼育実験終了後に、実施例1と同様
にして、エビ体組織中のコレステロール含量(mg/1
尾及びmg/g乾燥組織)の分析を行なうと共に、飼育
期間中の各コレステロール区分の増加量(mg/1尾/
40日)を求めた。結果を表11〜表13に示す。
【0077】
【表11】
【0078】
【表12】
【0079】
【表13】
【0080】之等表より、本発明CE区では、CH区及
びCH+SFA区に比して、全コレステロール量のより
顕著な上昇が認められ、このことから、体組織へのコレ
ステロールの移行、利用という観点からも、本発明にお
けるコレステロール脂肪酸エステルがより効果的である
ことが明らかとなった。
【0081】
【実施例3】稚エビ及び幼生の飼育 (1)本発明エビ類養殖用餌料の調製 表14に示す基本餌料配合に従い、蛋白源としてカゼイ
ン48.1%とアルギニン塩酸塩2.5%とを含み、更
にカラギーナンと本発明エビ類成長促進剤(実施例1の
(1−4)で調製したもの)とを配合した幼生用微粒子
飼料を、実施例1の(3)に準じて調製した。以下これ
を「CE餌料」という。
【0082】また上記において、脂質試料としての本発
明エビ類成長促進剤に代えて、実施例1の(1−1)で
原料として利用したコレステロールの0.56g/10
0g餌料+大豆油脂肪酸の0.44g/100g餌料を
用いて、同様にして比較餌料を調製した。これを「CH
餌料」とする。
【0083】
【表14】
【0084】(2)稚エビの飼育 親エビ及び稚エビとして、宮崎県延岡市の松本水産株式
会社より入手した親エビ(クルマエビ、Penaeus japoni
cus)より得た受精卵を鹿児島大学水産学部(鴨池海洋
生産実験室)で孵化させ、市販エビ飼料(ヒガシマル株
式会社製)で稚エビ(体重:0.27±0.02g)ま
で生育・予備飼育して本試験に利用した。
【0085】稚エビ(Zoea 2 stage)100尾をタンク
(1リットル容ビーカー)に入れ、毎日海水を100%
換水し、pH8.13、水温28.0±2.0℃、塩分
濃度3.2%の条件で12日間飼育した。投餌レベル
は、Z1〜Z3;0.16mg/N/日、M1〜M3;0.
20mg/N/日及びP1以降;0.24mg/N/日
とし、餌サイズは、Z1〜Z3;53mm以下、M1
3;53mm及びP1以降;125〜250mmとし、
投餌回数2回/日とした。
【0086】試験区としては、本発明CE餌料投餌区
(CE区)及び比較CH餌料投餌区(CH区)を設け
た。
【0087】幼生(Zoea-2 stage)を用いて、2つの水
槽につき行なった各区の飼育実験を2回繰り返した(そ
れぞれ試験−1:CE−a、CE−b及びCH−a、C
H−b並びに試験−2:CE−a、CE−b及びCH−
a、CH−bとする)。
【0088】(3)試験結果 栄養価は、到達したステージ(development stage)、体
長及び生残率(survival)で判定した。なお、発育ステー
ジ(成長指数ともいう)は次の通りである。
【0089】zoea-1 = 1, zoea-2 = 2, zoea-3 = 3, my
sis-1 = 4, mysis-2 = 5, mysis-3 =6, postlarvae-1 =
7 試験−1及び試験−2につき、得られた結果を表15及
び表16に示す。
【0090】
【表15】
【0091】
【表16】
【0092】各表より、本発明CE区では、比較CH区
に比して、発育指数では有意差は認められず(p>0.
05)、クルマエビ幼生の発育に対して同等の効果(栄
養価)を奏することが確認された。また、成長(体重)
や生残率については、本発明CE区は、比較CH区に比
して試験−1及び試験−2のいずれにおいても、有意に
(p<0.05)高い値を示し、このことから、本発明
餌料が優れた成長促進(体長増加)効果を示し、且つ高
い生残率を与えることが明らかとなった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 [式中ROCは炭素数8〜22の直鎖状飽和もしくは不
    飽和脂肪酸残基を示す。]で表されるコレステロールの
    脂肪酸エステルを有効成分として含有することを特徴と
    するエビ類成長促進剤。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のエビ類成長促進剤を配
    合したエビ類養殖用餌料。
JP7244123A 1995-09-22 1995-09-22 エビ類成長促進剤 Pending JPH0984527A (ja)

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