JP4982947B2 - ポリオキシメチレン樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
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(1)トリオキサンと環状エーテルとの混合物を三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素水和物、および三フッ化ホウ素と酸素原子またはイオウ原子を含む有機化合物との配位化合物から成る群から選ばれる少なくとも一種の重合触媒の存在下で重合させて、オキシメチレン単位と他のオキシアルキレン単位を含むポリオキシメチレン粗ポリマーを得、該ポリオキシメチレン粗ポリマー100重量部に対して、重合終了後に(E)ヒンダードアミン系化合物0.01〜5重量部、(A)ヒンダードフェノール系酸化防止剤0.01〜5重量部、(B−1)クエン酸三カリウムを0.01〜5重量部、(C)ヒドラジド化合物0.01〜5重量部を配合し、100〜260℃の温度で加熱することを特徴とするポリオキシメチレン樹脂組成物の製造方法、
(3)重合終了後に、さらに(F)高級脂肪酸アミド0.01〜5重量部を配合することを特徴とする(1)または(2)記載のポリオキシメチレン樹脂組成物の製造方法、および
(4)(C)ヒドラジド化合物が、カルボジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジドから選ばれる、1種、または2種以上であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか記載のポリオキシメチレン樹脂組成物の製造方法である。
本発明におけるポリオキシメチレン樹脂とは、オキシメチレン単位を有するホモポリマー、またはコポリマーであるが、本発明では主としてオキシメチレン単位からなり、主鎖中に2〜8個の隣接する炭素原子を有するオキシアルキレン単位を15重量%以下含有する、オキシメチレンコポリマーを使用することが好ましい。
本発明で用いるヒンダードフェノール系酸化防止剤は分子量が400以上のものであることが好ましい。具体的には、例えば、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−オクタデシル−3−(3’−メチル−5’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−テトラデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、1,4−ブタンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、2,2’−メチレンビス−(4−メチル−t−ブチルフェノール)、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、N,N’−ビス−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオニルヘキサメチレンジアミン、N,N’−テトラメチレン−ビス−3−(3’−メチル−5’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェノール)プロピオニルジアミン、N,N’−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオニル]ヒドラジン、N−サリチロイル−N’−サリチリデンヒドラジン、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、N、N’−ビス[2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]オキシアミド等がある。好ましくは、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]およびテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンである。これらの酸化防止剤は1種類用いても良いし、2種類以上を組み合わせて用いても良い。また、ポリオキシメチレン粗ポリマー100重量部に対して、0.01〜5重量部配合することができ、特に好ましくは0.1〜3.0重量部である。0.01重量部未満では熱安定性の効果が十分でなく、5重量部を越えると酸化防止剤が着色ポリオキシメチレン樹脂組成物の表面に白粉状に析出して商品価値を低下させるため、好ましくない。
本発明で用いるヒドラジド化合物としては、モノカルボン酸ヒドラジド、ジカルボン酸モノヒドラジド、ジカルボン酸ジヒドラジド、ポリカルボン酸ポリヒドラジド等のヒドラジド化合物が挙げられ、中でもモノカルボン酸ジヒドラジド、ジカルボン酸ジヒドラジドが好ましい。
本発明においては、(D)紫外線吸収剤を配合することが可能であり、その具体例として、ベンゾトリアゾール系物質、ベンゾフェンノン系物質、蓚酸アニリド系物質からなる群から選ばれる1種もしくは2種以上が好ましく、またヒンダードアミン系安定剤と紫外線吸収剤を併用することも可能である。
本発明においては(E)ヒンダードアミン系安定剤を配合する。使用するヒンダードアミン系安定剤としては分子量400以上のものが好ましく、具体的には、ビス(1,2,2,6,6−ベンタメチル−4−ピペルジニル)セバケート、コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン・2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)アミノ]−6−クロロ−1、3,5−トリアジン縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル}イミノ]、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケートなどが挙げられる。この中で、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ベンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン・2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリニジル)イミノ}]が特に好ましい。これらのヒンダードアミン系安定剤を添加する場合の添加量は、ポリオキシメレン粗ポリマー100重量部に対し、0.01〜5重量部配合することができ、特に0.02〜2重量部が好ましい。
本発明においては(F)高級脂肪酸アミド、すなわち炭素数12以上の高級脂肪酸(一価又は二価の高級脂肪酸)とアミン類(モノアミン、ジアミン、ポリアミン類等)との高級脂肪酸アミド(モノアミド、ビスアミドなど)が使用可能である。モノアミドの具体例としてはステアリルアミドが好ましい例として挙げられる。またビスアミドの具体例としてはメチレンビスステアリルアミド、エチレンビスステアリルアミドが好ましい例として挙げられる。これらの高級脂肪酸アミドを添加する場合の添加量は、ポリオキシメレン粗ポリマー100重量部に対し、0.01〜5重量部配合することができ、特に0.02〜1.5重量部が好ましい。
本発明においてはさらに(G)アミノ置換トリアジン化合物を配合することも可能であり、これと(C)ヒドラジド化合物を共に用いることにより、(B)成分の配合とも相俟ってホルムアルデヒドの発生をよりいっそう低減させることが可能である。具体例としては、メラミン、メラミン誘導体、尿素等が挙げられ、中でもメラミンが好ましい。アミノ置換トリアジン化合物を添加する場合の添加量は、ポリオキシメチレン粗ポリマー100重量部に対し、0.01〜5重量部を配合することができ、特に0.03〜1重量部が好ましい。また(C)ヒドラジド化合物と併用した場合、(C):(G)が1:10〜10:1の範囲にあることが好ましい。
前述の成形条件で10,000ショットの連続成形を行い、そのときにおけるホルムアルデヒド臭気の発生状況を次のように評価した。
◎:ホルムアルデヒド臭が全くしない。
○:ほとんどホルムアルデヒド臭気がしない。
△:少しホルムアルデヒド臭気がする。
×:かなりホルムアルデヒド・ガスが発生し、その場にいると目、喉が痛くなる、あるいは、ホルムアルデヒド・ガスの発生が激しくその場に留まることができない。
80℃の熱風オーブン中で3時間乾燥したペレット約1gを精秤し、耐熱性の優れた容器内で、窒素雰囲気下、240℃で15分間放置し、発生したホルムアルデヒドをメタノール水溶液中にトラップした。上記メタノール水溶液中のホルムアルデヒド量を酸化還元滴定で定量して、加熱時発生ホルムアルデヒド量を測定した。
2軸押出機型重合機(100mm直径、シリンダー長(L)/シリンダー径(D)=10.2)にトリオキサン(22.5kg/h),1,3−ジオキソラン(700g/h),また、トリオキサンに対して触媒として100ppmの三フッ化ホウ素・ジエチルエーテラート(2.5%ベンゼン溶液)、分子量調節剤として600ppmのメチラールをそれぞれ供給し、連続重合を行った。重合は外部ジャケットを60℃にコントロールし、回転数は100rpmで行った。メチラールはトリオキサン中に溶解した。また、1,3−ジオキソランと触媒溶液は重合機へ供給する直前に予備混合されるように予備混合ゾーンを設けた。ポリオキシメチレン粗ポリマーは白色微粉末として22.4kg/hで得られた。
[トリエチレングリコール−ビス{3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}](A):チバガイギースペシャリティ−社製”イルガノックス”245を使用した。
乳酸ナトリウム(B−1−2)、乳酸カリウム(B−1−3)、リンゴ酸ナトリウム(B−1−4)、クエン酸三ナトリウム(B−1−6)、クエン酸三カリウム(B−1−7)、酒石酸ナトリウム(B−1−8):いずれも関東化学株式会社製のものを使用した。
12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム(B−2):大日化学”ダイワックスOHC”を使用した。
水酸化カルシウム(B−3):関東化学株式会社製のものを使用した。
セバシン酸ジヒドラジド(C−1)、アジピン酸ジヒドラジド(C−2)、カルボジヒドラジド(C−3)、イソフタル酸ジヒドラジド(C−4):いずれも日本ヒドラジン工業株式会社製を使用した。
[2−{2−ヒドロキシ−3、5−ビス(α、α−ジメチルベンジル)フェニル}ベンゾトリアゾール](D):チバガイギースペシャリティ−社製“Tinuvin”234Dを使用した。
ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート(E):三共製薬”サノール”LS765を使用した。
エチレンビスステアリルアミド:ライオン”アーモワックス”EBSを使用した。
メラミン:関東化学株式会社製を使用した。
上記のようにして得られたポリオキシメチレン粗ポリマーの微粉末5kgに対して、9.0gの”サノール”LS765[三共製薬、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、三級アミン型のヒンダードアミン系化合物]を50mlのベンゼンに溶解した溶液を添加し、ヘンシェルミキサー中で3分間撹拌して触媒失活を行った。
(B−1)成分の代わりに(B−3)水酸化カルシウムを表2に示した組成で配合した以外は、実施例1と同様にしてポリオキシメチレン樹脂組成物を得た。さらに比較例10では、(C)ヒドラジド化合物の代わりにメラミンを表2に示した組成で配合した。射出成形の後評価を行い、結果を表2に示した。
(B−1)成分として乳酸ナトリウム(B−1−2)と12−ヒドロキシ−ステアリン酸カルシウム(B−2)を表3に示した組成で併用して配合した以外は、実施例1、実施例4と同様にしてポリオキシメチレン樹脂組成物を得た。射出成形の後評価を行い、結果を表3に示した。
(B−1)成分として乳酸ナトリウム(B−1−2)、(C)ヒドラジド化合物としてセバシン酸ジヒドラジド(C−1)、イソフタル酸ジヒドラジド(C−4)をそれぞれメラミンと表3に示した組成で併用して配合した以外は、実施例1、実施例4と同様にしてポリオキシメチレン樹脂組成物を得た。射出成形の後評価を行い、結果を表3に示した。
(B−1)成分として乳酸ナトリウム(B−1−2)、(C)ヒドラジド化合物として、セバシン酸ジヒドラジド(C−1)、イソフタル酸ジヒドラジド(C−4)を表3に示した組成で配合し、さらに(D)紫外線吸収剤を表3に示した組成で配合した以外は実施例1、実施例4と同様にしてポリオキシメチレン樹脂組成物を得た。射出成形の後評価を行い、結果を表3に示した。
比較例43に、さらに(E)ヒンダードアミン系化合物を表3に示した組成で配合した以外は実施例1と同様にしてポリオキシメチレン樹脂組成物を得た。射出成形の後評価を行い、結果を表3に示した。
比較例44に、さらに(F)高級脂肪酸アミドを表3に示した組成で配合した以外は実施例1と同様にしてポリオキシメチレン樹脂組成物を得た。射出成形の後評価を行い、結果を表3に示した。
比較例45において、乳酸ナトリウム(B−1−2)と12−ヒドロキシ−ステアリン酸カルシウム(B−2)を表3に示した組成で併用して配合した以外は、実施例1と同様にしてポリオキシメチレン樹脂組成物を得た。射出成形の後評価を行い、結果を表3に示した。
比較例45において、イソフタル酸ジヒドラジド(C−4)とメラミンを表3に示した組成で併用して配合した以外は、実施例1と同様にしてポリオキシメチレン樹脂組成物を得た。射出成形の後評価を行い、結果を表3に示した。
比較例45において、乳酸ナトリウム(B−1−2)と12−ヒドロキシ−ステアリン酸カルシウム(B−2)を、かつイソフタル酸ジヒドラジド(C−4)とメラミンを表3に示した組成で併用して配合した以外は、実施例1と同様にしてポリオキシメチレン樹脂組成物を得た。射出成形の後評価を行い、結果を表3に示した。
乳酸ナトリウム(B−1−2)と水酸化カルシウム(B−3)を表3に示した組成で併用して配合し、セバシン酸ジヒドラジド(C−1)を使用しなかった以外は、実施例5と同様にしてポリオキシメチレン樹脂組成物を得た。射出成形の後評価を行い、結果を表3に示した。
比較例11において、(C)ヒドラジド化合物の代わりにメラミンを表3に示した組成で併用して配合した以外は、実施例5と同様にしてポリオキシメチレン樹脂組成物を得た。射出成形の後評価を行い、結果を表3に示した。
(12)また(B−1)成分、(C)成分が0.01重量部より少ない、もしくは5重量部より多い場合には、成形時のホルムアルデヒド臭やモールドデポジットが悪化し熱安定性が不十分となる。(比較例5〜8)
(13)また(B−1)成分の代わりに水酸化カルシウムのような金属の水酸化物を添加した場合には、成形時のホルムアルデヒド臭やモールドデポジットが悪化し熱安定性が不十分となる。(比較例9、10)
(14)(B−1)と水酸化カルシウムのような金属の水酸化物を併用して添加した場合には、成形時のホルムアルデヒド臭やモールドデポジットが悪化し熱安定性が不十分となる。(比較例11、12)
Claims (4)
- トリオキサンと環状エーテルとの混合物を三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素水和物、および三フッ化ホウ素と酸素原子またはイオウ原子を含む有機化合物との配位化合物から成る群から選ばれる少なくとも一種の重合触媒の存在下で重合させて、オキシメチレン単位と他のオキシアルキレン単位を含むポリオキシメチレン粗ポリマーを得、該ポリオキシメチレン粗ポリマー100重量部に対して、重合終了後に(E)ヒンダードアミン系化合物0.01〜5重量部、(A)ヒンダードフェノール系酸化防止剤0.01〜5重量部、(B−1)クエン酸三カリウム0.01〜5重量部、(C)ヒドラジド化合物0.01〜5重量部を配合し、100〜260℃の温度で加熱することを特徴とするポリオキシメチレン樹脂組成物の製造方法。
- 重合終了後に、さらに(D)紫外線吸収剤0.01〜5重量部を配合することを特徴とする請求項1記載のポリオキシメチレン樹脂組成物の製造方法。
- 重合終了後に、さらに(F)高級脂肪酸アミド0.01〜5重量部を配合することを特徴とする請求項1または2記載のポリオキシメチレン樹脂組成物の製造方法。
- (C)ヒドラジド化合物が、カルボジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジドから選ばれる、1種、または2種以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載のポリオキシメチレン樹脂組成物の製造方法。
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