JP4982963B2 - O−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)―n−(6−メトキシ−2−ピリジル)−n−メチルチオカーバメート及びその製造方法 - Google Patents

O−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)―n−(6−メトキシ−2−ピリジル)−n−メチルチオカーバメート及びその製造方法 Download PDF

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本発明は着色がなく、白色度が高く、医薬品原料として特に好適なO−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)N−(6−メトキシ−2−ピリジル)N−メチルチオカーバメート及びその製造方法に関するものである。
下記一般式(1)で示されるO−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)N−(6−メトキシ−2−ピリジル)−N−メチルチオカーバメート(以下「目的チオカーバメート」と略記する)は、抗真菌剤の有効成分であることが知られている。(例えば特許文献1参照)
Figure 0004982963
目的チオカーバメートを医薬品の原料として使用するためには、目的チオカーバメートが高純度であることが必要であるが、最近では特に医薬品の着色が問題視されており、従来よりもさらに高純度でなおかつ白色度の高いものが求められている。
従来、目的チオカーバメートの製造方法としては、原料O−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)クロロチオホルメイトを2−メトキシ−6−メチルアミノピリジンと脱ハロゲン化水素剤存在下で反応させるか、又は、原料N−メチル−N−(6−メトキシ−2−ピリジル)カルバモイルクロライドを5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフトールと脱ハロゲン化水素剤存在下で反応させた後、水洗し、エタノール、イソプロピルアルコール等のC1〜C3のアルコールを用いて再結晶することにより目的チオカーバメートが得られることが知られている。
しかし、従来の連続降温による自然放冷によって得られる目的チオカーバメートは薄い淡黄着色をしており、結晶粒径は、30〜700μm以上の広い範囲に分布したものであり、なおかつ純度も99.96重量%程度までのものであった。
一方、目的チオカーバメートを含水率20〜70%に調整した後、活性炭を加えてC1〜C3アルコール類で再結晶することによりチオカーバメートを精製する方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかし、この様な方法では、目的チオカーバメートと物理化学的性質が似ている不純物である下記一般式(2)で示されるO−ナフチルN−(6−メトキシ−2−ピリジル)−N−メチルチオカーバメイト(NPC)を除去することができなかった。一般式(2)で示される不純物(NPC)を0.1重量%以上含有した目的チオカーバメートは、医薬品として用いた場合、着色、経時劣化の原因となった。不純物除去のため再結晶時に活性炭を多量に使用しただけでは十分に精製できず、さらに活性炭の除去のために熱時ろ過が必要で操作が煩雑となり、収率が低下するという問題があった。
Figure 0004982963
特公平1−45449号公報 特許第3030732号公報
本発明は医薬品の有効成分として使用するのに適した、特に着色の少ない目的チオカーバメート及びその製造方法を提供するものである。
本発明者らは、目的チオカーバメートの着色の低減について鋭意検討を重ねた結果、O−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)クロロチオホルメイトと2−メトキシ−6−メチルアミノピリジンの反応、又はN−メチル−N−(6−メトキシ−2−ピリジル)カルバモイルクロライドと5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフトールの反応により得られた粗目的チオカーバメートを水洗、溶媒に溶解し、不溶物をろ過した後、50〜70℃の温度範囲で1時間以上保持する条件下で再結晶化すると、白色度がJIS基準のWB値で90以上の極めて着色の少ない目的チオカーバメートが得られることを見出した。またこの様な目的チオカーバメートは高純度(99.96%以上)で、中間体O−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)クロロチオホルメイト等の不純物も少なく、特に特定の不純物であり着色原因であるO−ナフチル−N−(6−メトキシ―2―ピリジル)―N―メチルチオカーバメート(NPC)が0.1重量%未満で医薬品原料として特に有効であることを見出した。加えて、O−ナフチル−クロロホルメイト(NCF)の含有量を0.1重量%未満としたO−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)クロロチオホルメイトを原料として用いれば、O−ナフチル−N−(6−メトキシ―2―ピリジル)―N―メチルチオカーバメート(NPC)が全く検出されない特に高品質な目的チオカーバメーが得られ、その様なO−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)クロロチオホルメイトは温度100〜200℃、圧力300Pa以下で減圧蒸留によって得られることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の目的チオカーバメートは白色度(WB値、JIS基準)が90以上のものである。WB値が90未満の目的チオカーバメートでは医薬品の原料に用いた場合、淡い着色があり、医薬品として見栄えが劣るだけでなく、光吸収等による劣化促進原因となる可能性もあるため好ましくない。
本発明の目的チオカーバメートは、純度が99.96重量%以上であることが好ましい。従来用いられている目的チオカーバメートの純度は99.96重量%未満までのものであり、本発明の目的チオカーバメートほどの高純度は要求されていなかった。
本発明の目的チオカーバメートの不純物として特に重要なものは、重金属を含む一般金属類は当然のことであるが、O−ナフチルN−(6−メトキシ−2−ピリジル)−N−メチルチオカーバメイト(NPC)である。
本発明の目的チオカーバメートでは、O−ナフチル−N−(6−メトキシ−2−ピリジル)−N−メチルチオカーバメート(NPC)の含有量が0.1重量%未満であり、特に0.03重量%以下、さらには全く検出されない(検出限界以下、即ち0.01重量%未満)ものが最も好ましい。
本発明の目的チオカーバメートは、さらに粒径の90%以上が10〜150μmの範囲であることが好ましい。粒径が揃っている目的チオカーバメートは、光の反射の関係から見た目の白色度が高くなり、またこの粒径の揃ったものは不純物の取込み、巻込みが少なく、高白色、高純度を維持することができる。
本発明の目的チオカーバメートは、表1に示されるX線回折パターンを有する結晶であることが好ましい。不純物を含み、白色度の低い目的チオカーバメートでは、不純物に起因する別のピーク、或いは不純物に起因するピークのシフトが見られる。
Figure 0004982963
次に本発明の目的チオカーバメートの製造方法について説明する。
本発明の目的チオカーバメートは、O−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)クロロチオホルメイトと2−メトキシ−6−メチルアミノピリジンの反応、又はN−メチル−N−(6−メトキシ−2−ピリジル)カルバモイルクロライドと5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフトールの反応によって得られる粗目的チオカーバメートを、水洗後、溶媒中に溶解し、不溶物をろ過した後、再結晶化を50〜70℃の温度範囲で1時間以上保持する条件で再結晶化して製造することができる。
原料として用いるO−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)クロロチオホルメイト、N−メチル−N−(6−メトキシ−2−ピリジル)カルバモイルクロライド、2−メトキシ−6−メチルアミノピリジン、5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフトールは公知の方法で製造することが出来る。(例えば特許第1364461号、特許第2086706号他参照)
これらの原料の合成条件は、従来の条件で良く、例えば、特許文献1、又は特許文献2に典型的な条件が例示されている。
上記の反応で得られた粗結晶はまず水洗するが、水洗に用いられる水は、反応後得られた粗結晶を充分に分散して懸濁状態で洗える量が必要であり、得られた粗結晶に対して5倍量(重量比)以上であることが好ましい。一方、あまり多量の水を用いてもそれ以上の効果は得られず、また粗結晶の流出による収率低下の原因となるため、好ましくは6〜10倍量(重量比)の範囲である。
次に溶媒中でろ過と再結晶によって精製するが、用いられる溶媒は特に限定されず、例えば(1)C1〜C3の直鎖状及び側鎖を持つ鎖状脂肪族アルコール類、(2)C1〜C3の直鎖状及び側鎖を持つ鎖状脂肪族カルボン酸類とC1〜C3の直鎖状及び側鎖を持つ鎖状脂肪族アルコール類の組合せ、(3)C4〜C18の直鎖状及び側鎖を持つ鎖状脂肪族炭化水素類及とベンゼン、トルエン、o−,m−,p−キシレン、エチルベンゼン、等の芳香族炭化水素類との組合せ、(4)アセトニトリル等のニトリル類、等が好ましい溶媒として例示できる。これらの溶媒うち、本発明の目的チオカーバメートの再結晶における精製効果、及び工業的な入手及び単独成分で使用できる等の点から、特にC1〜C3アルコールを用いることが好ましい。
用いる溶媒の量は、例えばC1〜C3アルコールの場合、精製する目的チオカーバメートに対して4倍量(重量比)以上が好ましい。一方、溶媒をあまり多量に使用すると最終精製物の収量が減少するため経済的ではなく、4〜8倍量(重量比)が適当である。
精製する目的チオカーバメートを溶媒に溶解する温度は、用いる有機溶媒の種類及び沸点により異なるが、例えば溶媒がC1〜C3アルコールの場合、70℃以上で目的チオカーバメートを全て溶解することが可能である。
ろ過の方法は特に限定されないが、上記の溶解した溶液から目的チオカーバメートが晶析しない温度でグラスフィルター、メンブレンフィルター等のフィルターやろ過器等に付随の中空糸フィルター又はろ紙等を用いて不溶物のろ過が例示できる。
本発明の目的チオカーバメートを得るには、再結晶の温度制御が重要である。再結晶化の初期温度が50℃に達しない低温では晶析が急激に進み純度が低下するため、本発明の目的チオカーバメートは得られない。一方、再結晶化の初期温度が100℃を超える高い温度では目的チオカーバメートが溶融して一部分解も生ずるため、不純物が取込まれ易く、また粒径も不揃いとなり易い。そこで本発明の目的チオカーバメートを得るためには再結晶化開始温度が50℃〜100℃の範囲から開始することが好ましい。
一方、本発明の方法は再結晶化を50〜70℃の温度範囲で1時間以上保持する条件で再結晶化させるものである。50〜70℃の温度範囲で1時間以上保持することにより目的チオカーバメートの着色が低減される原因は明らかではないが、この温度領域で一定温度に保つことによってチオカーバメートの析出と溶解が生じ、不純物が低減される効果があるものと考えられる。保持温度は1時間以上あれば十分であるが、好ましくは2〜10時間程度までである。保持時間がこれ以上長くても、目的チオカーバメートの着色低減効果は頭打ちとなり、なおかつ生産性が低くなるため、保持時間の上限は10〜50時間程度までである。
本発明の再結晶化において、一定温度保持する以外の降温速度の条件は特に限定はなく、本発明の温度制御を行う限り比較的高速で降温させても着色のない目的チオカーバメートが得られる。50〜70℃での保持温度以外の室温までの降温時間はトータルで1〜20時間、2〜10時間程度で十分に着色のない目的チオカーバメートを得ることができる。50〜70℃の温度範囲で1時間以上保持すれば、全体として急速降温処理しても構わない本発明の方法は、生産性の点からも優れた方法である。
本発明では、原料として用いるO−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)クロロチオホルメイトは、特に不純物としてO―ナフチル−クロロチオホルメイト(NCF)や、5,6,7,8−テトラヒドロナフトール(THNOH)が少ない、又は含まないものを用いることが好ましく、特にO―ナフチル−クロロチオホルメイト(NCF)が0.1重量%未満のものを用いることが好ましい。
O―ナフチル−クロロチオホルメイト(NCF)が0.1重量%未満のO−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)クロロチオホルメイト(TNCF)を原料として用いた場合、得られる目的チオカーバメート中のO−ナフチル−N−(6−メトキシ−2−ピリジル)−N−メチルチオカーバメート(NPC)の含有量が0.1重量%未満で、特に上述の再結晶と組合せることによってO−ナフチル−N−(6−メトキシ−2−ピリジル)−N−メチルチオカーバメート(NPC)の含有量を検出限界未満まで低減することができ、着色のない、白色度の高い目的チオカーバメートを得ることができる。
O―ナフチル−クロロチオホルメイト(NCF)が0.1重量%未満のO−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)クロロチオホルメイト(TNCF)は、原料O−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)クロロチオホルメイト(TNCF)を減圧蒸留することによって得ることができる。
減圧蒸留の方法としては一般的な薄膜蒸留が使用でき、例えば温度が100〜200℃、好ましくは120〜140℃、圧力が300Pa以下、好ましくは30〜150Pa以下の範囲が好ましい。
本発明の目的チオカーバメートは、高純度で粒度分布がシャープなため、着色がなく白色度に優れ、着色、経時劣化のない医薬品の原料として優れている。
以下に本発明を実施例で説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
得られた目的チオカーバメートの評価は以下の方法を用いた。また実施例における収量はいずれも単離収量を用いた。
[高速液体クロマトグラフィー(HPLC)]
HPLCにより純度(面積%)を以下に示した条件で測定した。
カラム:東ソーTSKgel Silica−60、内径4.6mm×長さ25cm
移動相:n−ヘキサン:酢酸エチル:アセトニトリル(980:20:3)
測定波長:UV(293nm)
[白色度測定]
分光色差計(日本電色工業株式会社製 SE2000)を用いて、測定した。
[粉末X線回折測定]
X線回折装置(理学電気製 RU−200 ロ−タフレックスタイプ、ターゲットCu)を用いて、5°≦2θ≦50°の範囲でシンチレーションカウンターにより測定した。
[粒径分布]
レーザー光回折・散乱式粒度分析計(日機装株式会社製 MICROTRAC HRA 9320−X100、光源780nm)を用いて、0.1〜700μmの範囲での粒径分布を水中で測定した。
実施例1
2−メトキシ−6−メチルアミノピリジン39kg(283モル)と炭酸ナトリウム28.7kg(271モル)をイソプロピルアルコール793kgと水42kgの混合溶媒と一緒に反応器に入れ、撹拌しながらO−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)クロロチオホルメイト61kg(269モル)を滴下した。次いで、遠心ろ過して、粗精製目的チオカーバメート122kgを得た。得られた粗結晶を水1,230kgで洗浄後、再度、遠心ろ過にて湿結晶110kgを得た。得られた湿結晶を、そのままイソプロピルアルコール573kgに80℃で加熱溶解し、微細ろ過フィルターにて熱時ろ過後、冷却して更に65℃で2時間保持する条件で降温させた。その後、室温まで冷却し、遠心ろ過後、乾燥することにより目的チオカーバメート結晶75.5kg(収率85.4%)を得た。
得られた目的チオカーバメートの粒径、純度及び白色度を表2に、X線回折パターンを図1に示す。図1の結晶回折ピークは表1に示す回折角(2θ)と格子面間隔(d,(オングストローム))及びその回折強度と一致した。
実施例2
実施例1と同様の方法で反応後、粗結晶に対して7倍量の水で洗浄後、粗精製目的チオカーバメート107kgを得た。得られた粗精製結晶を湿結晶のまま、イソプロピルアルコール573kgに75℃で溶解し、微細ろ過フィルターにて熱時ろ過後、57℃で2時間保持する条件で降温させた。その後、室温まで冷却し、遠心ろ過後、乾燥することにより目的チオカーバメート76.0kg(収率86.0%)を得た。
得られた目的チオカーバメートの粒径、純度及び白色度を表2に示した。
得られた目的チオカーバメート結晶のX線回折図は実施例1と同様のX線回折図であり、再結晶溶媒中の水分量の違いによる結晶多型は認められなかった。
実施例3
実施例1と同様の方法で反応し、粗結晶に対して6倍量の水で洗浄後、粗精製目的チオカーバメートを109kg得た。得られた粗精製結晶を湿結晶のまま、イソプロピルアルコール856kgに75℃で溶解し、微細ろ過フィルターにて熱時ろ過後、50℃で3時間保持する条件で降温させた。その後、室温まで冷却し、遠心ろ過後、乾燥することにより目的チオカーバメート76.9kg(収率86.9%)を得た。得られた目的チオカーバメートの粒径、純度及び白色度を表2に示した。
得られた目的チオカーバメートのX線回折図は実施例1と同様のX線回折図であった。
実施例4
2−メトキシ−6−メチルアミノピリジン120.0g(0.870モル)と炭酸ナトリウム88.0g(0.830モル)をイソプロピルアルコール2,375gと水125gの混合溶媒と一緒に反応器に入れ、撹拌しながらO−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)クロロチオホルメイト187.0g(0.826モル)を滴下し反応させた。次いで、ろ過して、2,540gの水で洗浄後、粗精製目的チオカーバメート246.7gを得た。得られた粗精製結晶を湿結晶のまま、メタノール1,750gに70℃付近で溶解し、微細ろ過フィルターにて熱時ろ過後、60℃で2時間保持する条件で降温させた。その後、室温まで冷却し、ろ過後、乾燥することにより目的チオカーバメート237.0g(収率87.5%)を得た。
得られた目的チオカーバメートの粒径、純度及び白色度を表2に示した。
得られた目的チオカーバメート結晶のX線回折図は実施例1と同様のX線回折図であったことから溶媒による結晶多型は認められなかった。
実施例5
窒素雰囲気で置換した100Lの反応器に、チオホスゲン8.3kg(71.8mol)と四塩化炭素29.5kgを仕込み、撹拌しながら冷却し、内温を12℃とした。その溶液に、5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフトール10.1kg(68.4mol)と水酸化ナトリウム3.0kg(75.2mol)並びに水40.0kgからなる5,6,7,8−テトラヒドロナフトールの水酸化ナトリウム水溶液を16℃以下の条件下、2.6時間で滴下した。更に、同温度で1時間熟成を行った。反応終了後、静定、水槽を除去し、更に48%の水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し四塩化炭素を減圧留去し濃縮したところ、17.6kgの粗精O−5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)クロロチオホルメイトが得られた。粗製品について液体クロマトグラフィー(検出器:UV−8000、カラム:逆相TSKgelODS−120T(4.6mmID×25cm、溶離液アセトニトリル/水=80/20)により分析を行った結果、純度は87.1%であり収率98.8%であった。得られた粗製液7.0kgを抜き取り、薄膜蒸留装置を用い加熱部の温度を140℃付近に保ちながら真空度133Pa以下で蒸留したところ、精製O−5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)クロロチオホルメイト5.2kg(収率74.3%)を得た。精製品について液体クロマトグラフィーにより分析を行った結果、純度は99.42%であり、不純物O−2−ナフチルクロロチオホルメイトは検出限界(0.01重量%)以下で検出されなかった。
次に、得られたO−2−ナフチルクロロチオホルメイトを含まないO−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)クロロチオホルメイトの一部を用いて、目的チオカーバメートの合成を行った。
2−メトキシ−6−メチルアミノピリジン120.0g(0.870モル)と炭酸ナトリウム88.0g(0.830モル)をイソプロピルアルコール2.4kgと水125gの混合溶媒と一緒に反応器に入れ、撹拌しながらO−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)クロロチオホルメイト187.1g(0.826モル)を滴下し反応させた。次いで、ろ過して、2.5kgの水で洗浄後、粗精製目的チオカーバメート257.0gを得た。得られた粗精製結晶を湿結晶のまま、イソプロピルアルコール1.73kgに70℃付近で溶解し、1時間保持しながら微細ろ過フィルターにて熱時ろ過後、60℃で2時間保持する条件で降温させた。その後、室温まで冷却し、ろ過後、乾燥することにより目的チオカーバメート234.6g(収率86.6%)を得た。再結晶品について液体クロマトグラフィー(検出器:UV−8000、カラム:順相TSKgel Silica(4.6mmID×25cm、溶離液n−ヘキサン/酢酸エチル=98/2)により分析を行った結果、純度は99.99重量%であり、不純物O−ナフチルN−(6−メトキシ−2−ピリジル)−N−メチルチオカーバメートは検出限界(0.01重量%)未満で検出されなかった。
得られた目的チオカーバメートの純度を原料5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフトールと中間体O−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)クロロチオホルメイトの純度と共に表3に示した。
実施例6
2−メトキシ−6−メチルアミノピリジン120.1g(0.870モル)と炭酸ナトリウム88.0g(0.830モル)をイソプロピルアルコール2.4kgと水125.0gの混合溶媒と一緒に反応器に入れ、撹拌しながら実施例5で得られたO−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)クロロチオホルメイト187.1g(0.826モル)を滴下し反応させた。次いで、遠心ろ過して、粗精製目的チオカーバメート270.1gを得た。得られた粗結晶を水2.5kgで洗浄後、再度、遠心ろ過にて湿結晶254.9gを得た。得られた湿結晶を、そのままイソプロピルアルコール1.75kgに70℃付近で溶解し、1時間保持しながら微細ろ過フィルターにて熱時ろ過後、冷却して更に50〜60℃で1時間保持する条件で降温させた。その後、室温まで冷却し、ろ過後、乾燥することにより目的チオカーバメート235.2g(収率86.8%)を得た。再結晶品について液体クロマトグラフィーにより分析を行った結果、純度は99.98重量%であり、不純物O−ナフチルN−(6−メトキシ−2−ピリジル)−N−メチルチオカーバメートは検出限界(0.01%)未満で検出されなかった。
得られた目的チオカーバメートの純度を原料5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフトールと中間体O−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)クロロチオホルメイトの純度と共に表3に示した。
実施例7
実施例5で得られたO−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)クロロチオホルメイトを用いて実施例1と同様の方法で反応し、粗結晶に対して4倍量の水で洗浄後、粗精製目的チオカーバメート240.8gを得た。得られた粗精製結晶を湿結晶のまま、イソプロピルアルコール1.75kgに70℃で溶解し、微細ろ過フィルターにて熱時ろ過後、50〜60℃で3時間保持する条件で降温させた。その後、室温まで冷却し、遠心ろ過後、乾燥することにより目的チオカーバメート237.6g(収率87.1%)を得た。再結晶品について液体クロマトグラフィーにより分析を行った結果、純度は99.98重量%であり、不純物O−ナフチルN−(6−メトキシ−2−ピリジル)−N−メチルチオカーバメートは検出限界(0.01重量%)未満で検出されなかった。
得られた目的チオカーバメートの純度を原料5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフトールと中間体O−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)クロロチオホルメイトの純度と共に表3に示した。
実施例8
2−メトキシ−6−メチルアミノピリジン1.2kg(8.696モル)と炭酸ナトリウム0.88kg(8.302モル)をイソプロピルアルコール21.9kgと水1.2kgの混合溶媒と一緒に反応器に入れ、撹拌しながら実施例5で得られたO−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)クロロチオホルメイト1.87kg(8.256モル)を滴下し反応させた。次いで、遠心ろ過して、25.0kgの水で洗浄後、粗精製目的チオカーバメート2.94kgを得た。得られた湿結晶を、湿結晶のままイソプロピルアルコール17.2kgに70℃付近で溶解し、1時間保持しながら微細ろ過フィルターにて熱時ろ過後、冷却して更に50〜60℃で1時間保持する条件で降温させた。その後、室温まで冷却し、ろ過後、乾燥することにより目的チオカーバメート2.42kg(収率89.4%)を得た。再結晶品について液体クロマトグラフィーにより分析を行った結果、純度は99.97重量%であり、不純物O−ナフチルN−(6−メトキシ−2−ピリジル)−N−メチルチオカーバメートは検出限界(0.01重量%)未満で検出されなかった。
得られた目的チオカーバメートの純度を原料5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフトールと中間体O−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)クロロチオホルメイトの純度と共に表3に示した。
実施例9
実施例5で得られたO−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)クロロチオホルメイト粗製液544.4gを抜き取り、単留蒸留装置を用いて加熱部の温度を131℃付近に保ち塔頂温度を107〜112℃に保ちながら真空度47Pa以下で蒸留したところ、精製O−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)クロロチオホルメイト448.7g(収率93.7%)を得た。精製品について液体クロマトグラフィーにより分析を行った結果、純度は99.64重量%であり、不純物O−2−ナフチルクロロチオホルメイトは0.09重量%検出された。
次に、得られたO−2−ナフチルクロロチオホルメイトを0.09重量%含有するO−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)クロロチオホルメイトの一部を用いて、目的チオカーバメートの合成を行った。
2−メトキシ−6−メチルアミノピリジン72.5g(0.525モル)と炭酸ナトリウム53.5g(0.50モル)をイソプロピルアルコール355.0gと水155gの混合溶媒と一緒に反応器に入れ、撹拌しながらO−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)クロロチオホルメイト113.3g(0.50モル)を滴下し反応させた。反応終了時に水1.2kgを加え、次いで、ろ過して、700gの水で2回洗浄後、粗精製目的チオカーバメート159.0gを得た。得られた粗精製結晶を湿結晶のまま、イソプロピルアルコール1.11kgに70℃付近で溶解し、1時間保持しながら微細ろ過フィルターにて熱時ろ過後、50℃で1時間保持する条件で降温させた。その後、室温まで冷却し、ろ過後、乾燥することにより目的チオカーバメート141.8g(収率86.5%)を得た。再結晶品について液体クロマトグラフィー(検出器:UV−8000、カラム:順相TSKgel Silica(4.6mmID×25cm、溶離液n−ヘキサン/酢酸エチル=98/2)により分析を行った結果、純度は99.97%であり、不純物O−ナフチルN−(6−メトキシ−2−ピリジル)−N−メチルチオカーバメートは検出限界(0.01重量%)未満で検出されなかった。
得られた目的チオカーバメートの純度を原料5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフトールと中間体O−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)クロロチオホルメイトの純度と共に表3に示した。
比較例1
20Lの反応器に、純度95%のチオホスゲン699.1g(5.78mol)と2−ナフトール0.01%を含む5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフトール814.0g(5.5mol)、四塩化炭素6.6kgを仕込み、撹拌しながら冷却し、内温を6℃とした。その溶液に、水酸化ナトリウム220.0g(5.5mol)並びに水2.75kgからなる水酸化ナトリウム水溶液を10℃以下の条件下、3時間で滴下した。更に、同温度で1時間熟成を行った。更に5%の水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し四塩化炭素を減圧留去し濃縮したところ粗製液1290.0gを得た。粗製液について加熱部の温度を143〜144℃に保ち、真空度200Paで蒸留したところ精製O−5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)クロロチオホルメイト792.6g(収率63.6%)を得た。精製品について液体クロマトグラフィーにより分析を行った結果、純度は95.56重量%であり、不純物O−2−ナフチルクロロチオホルメイトの含有率は0.14重量%であった。
次に得られたO−2−ナフチルクロロチオホルメイトを含むO−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)クロロチオホルメイトを用いて目的チオカルバメートを合成した。
実施例1と同様の方法で原料2−メトキシ−6−メチルアミノピリジン507g(3.669モル)とO−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)クロロチオホルメイト792.0g(3.497モル)を炭酸ナトリウム371.0g(3.50モル)存在下、イソプロピルアルコール10.2kgと水650gの混合溶媒中で滴下しながら反応し、ろ過して粗結晶を得た。得られた粗結晶をイソプロピルアルコール4.7kgと水8.6kgで洗浄後、イソプロピルアルコール5.5kgに加え加熱溶解した。そのまま、50〜70℃の範囲で保持することなく、連続的に一晩自然放冷により再結晶したところ目的チオカーバメート906.0gを得た(収率79.0%)。
得られた目的チオカーバメートの粒径、純度及び白色度を表2に示した。再結晶温度が本発明範囲から外れ、なおかつ一定でなかったため、白色度が低く、なおかつ純度が低く、平均粒径が大きいものしか得られなかった。純度は99.59重量%であり、不純物O−ナフチルN−(6−メトキシ−2−ピリジル)−N−メチルチオカーバメートが0.17重量%検出された。
また、得られた目的チオカーバメートの純度を原料5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフトールと中間体O−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)クロロチオホルメイトの純度と共に表3に示した。
比較例2
実施例1と同様の方法で原料2−メトキシ−6−メチルアミノピリジン24.8g(0.180モル)とO−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)クロロチオホルメイト38.7g(0.171モル)を炭酸ナトリウム18.2g(0.171モル)存在下、イソプロピルアルコール241gと水15.3gの混合溶媒中で滴下しながら反応し、ろ過して粗結晶を得た。得られた粗結晶をイソプロピルアルコール280gと水980gで洗浄、イソプロピルアルコール196gに溶解し、活性炭2gを加えて熱時ろ過後、50〜70℃の範囲で保持することなく、連続的に放冷状態で再結晶し、目的チオカーバメート48.4gを得た(収率86.3%)。
得られた目的チオカーバメートの粒径、純度及び白色度を表2に示した。活性炭を用いることにより純度は向上したが、白色度はまだ十分なものではなかった。
比較例3
20Lの反応器に、純度88%のチオホスゲン460g(3.8mol)と2−ナフトールを0.15%含有する5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフトール600.0g(4.05mol)、四塩化炭素4.8kgを仕込み、撹拌しながら冷却し、内温を10℃とした。その溶液に、水酸化ナトリウム170.5g(4.26mol)並びに水2.0kgからなる水酸化ナトリウム水溶液を30℃以下の条件下、2.5時間で滴下した。更に、同温度で1時間熟成を行った。更に48%の水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し四塩化炭素を減圧留去し濃縮したところ、921.8gの粗製O−5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)クロロチオホルメイトが得られた。粗製液を加熱部の温度を135〜140℃に保ち塔頂温度を114〜116℃に保ちながら、真空度26Paで蒸留したところ精製O−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)クロロチオホルメイト676.8g(収率73.7%)を得た。精製品について液体クロマトグラフィーにより分析を行った結果、純度は99.28重量%であり、不純物O−2−ナフチルクロロチオホルメイトの含有率は0.34重量%であった。
次に得られたO−2−ナフチルクロロチオホルメイトを含むO−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)クロロチオホルメイトを用いて目的チオカーバメートを合成した。
実施例1と同様の方法で原料2−メトキシ−6−メチルアミノピリジン281.7g(2.041モル)とO−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)クロロチオホルメイト440.2g(1.944モル)を炭酸ナトリウム206.1g(1.944モル)存在下、イソプロピルアルコール5.7kgと水300gの混合溶媒中で滴下しながら反応し、ろ過して粗結晶を得た。得られた粗結晶をイソプロピルアルコール240gと水3.0kgで洗浄、イソプロピルアルコール4.14kgに溶解し、微細フィルターで熱時ろ過後、80℃で1時間保持した。その後、50〜70℃の範囲で保持することなく、連続的に室温まで冷却したところ、目的チオカーバメート572.0gを得た。(収率89.7%)再結晶品について液体クロマトグラフィーにより分析を行った結果、純度は98.87重量%であり、不純物O−ナフチルN−(6−メトキシ−2−ピリジル)−N−メチルチオカーバメートが0.49重量%検出された。
得られた目的チオカーバメートの粒径、純度及び白色度を表2に示した。再結晶温度が本発明範囲から外れ、なおかつ一定でなかったため、白色度、純度、粒径、いずれも十分なものではなかった。
また、得られた目的チオカーバメートの純度を原料5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフトールと中間体O−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)クロロチオホルメイトの純度と共に表3に示した。
比較例4
500mlの反応器に、純度90%のチオホスゲン19.8g(0.155mol)と2−ナフトールを0.15%含有する5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフトール29.6g(0.2mol)、四塩化炭素223gを仕込み、撹拌しながら冷却し、内温を5℃とした。その溶液に、水酸化ナトリウム6.7g(0.17mol)並びに水80gからなる水酸化ナトリウム水溶液を10℃以下の条件下、0.5時間で滴下した。更に、同温度で1時間熟成を行った。四塩化炭素を減圧留去し濃縮し、加熱部の温度を135〜140℃に保ち塔頂温度を114〜116℃に保ちながら、真空度26Paで蒸留したところ精製O−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)クロロチオホルメイト26.9g(収率59.4%)を得た。精製品について液体クロマトグラフィーにより分析を行った結果、純度は97.63重量%であり、不純物O−2−ナフチルクロロチオホルメイトの含有率は0.18重量%であった。
次に得られたO−2−ナフチルクロロチオホルメイトを含むO−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)クロロチオホルメイトを用いて該目的チオカーバメートを合成した。
実施例1と同様の方法で原料2−メトキシ−6−メチルアミノピリジン9.2g(0.067モル)とO−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)クロロチオホルメイト14.4g(0.064モル)を炭酸ナトリウム6.8g(0.064モル)存在下、イソプロピルアルコール188gと水10gの混合溶媒中で滴下しながら反応し、ろ過して粗結晶を得た。得られた粗結晶をイソプロピルアルコール84gと水105gで洗浄、イソプロピルアルコール314gに溶解し活性炭1gを加えて70℃で熱時ろ過後、45℃まで50〜70℃の範囲で保持することなく、連続的に冷却し、40℃で1時間保持しながら再結晶したところ目的チオカーバメート14.1gを得た(収率67.2%)。
再結晶品について液体クロマトグラフィーにより分析を行った結果、純度は99.25重量%であり、不純物O−ナフチル N−(6−メトキシ−2−ピリジル)−N−メチルチオカーバメートが0.42重量%検出された。
得られた目的チオカーバメートの粒径、純度及び白色度を表2に示した。活性炭を用いることにより純度は向上したが、白色度はまだ十分なものではなかった。
また、得られた目的チオカーバメートの純度を原料5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフトールと中間体O−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)クロロチオホルメイトの純度と共に表3に示した。
比較例5
1000mlの反応器に、純度95%のチオホスゲン127.2g(1.05mol)と2−ナフトールを0.01%含有する5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフトール148.0g(1.0mol)、四塩化炭素1.2kgを仕込み、撹拌しながら冷却し、内温を8℃とした。その溶液に、水酸化ナトリウム42.1g(1.0mol)並びに水500gからなる水酸化ナトリウム水溶液を15℃以下の条件下、1時間で滴下した。更に、同温度で一晩熟成を行った。四塩化炭素を減圧留去し濃縮し、加熱部の温度を135〜150℃に保ち塔頂温度を122〜145℃に保ちながら、真空度106Paで蒸留したところ精製O−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)クロロチオホルメイト203.2g(収率87.5%)を得た。精製品について液体クロマトグラフィーにより分析を行った結果、純度は97.52重量%であり、不純物O−2−ナフチルクロロチオホルメイトの含有率は0.22重量%であった。
次に得られたO−2−ナフチルクロロチオホルメイトを含むO−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)クロロチオホルメイトを用いて目的チオカーバメートを合成した。
2−メトキシ−6−メチルアミノピリジン117.8g(0.854モル)とO−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)クロロチオホルメイト1193.4g(0.854モル)を炭酸ナトリウム54.3g(0.512モル)存在下、イソプロピルアルコール1.18kgと水75.0gの混合溶媒中で滴下しながら反応し、ろ過して粗結晶を得た。得られた粗結晶を水2.0kgで洗浄、イソプロピルアルコール2.36kgに70℃付近で溶解し、1時間保持しながら微細ろ過フィルターにて熱時ろ過後、冷却して更に50〜60℃で1時間保持する条件で降温させた。その後、室温まで冷却し、ろ過後、乾燥することにより目的チオカーバメート211.0gを得た(収率75.4%)。
再結晶品について液体クロマトグラフィーにより分析を行った結果、純度は99.81重量%であり、不純物O−ナフチルN−(6−メトキシ−2−ピリジル)−N−メチルチオカーバメートが0.11重量%検出された。
得られた目的チオカーバメートの純度を原料5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフトールと中間体O−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)クロロチオホルメイトの純度と共に表3に示した。
Figure 0004982963
Figure 0004982963
O−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)N−(6−メトキシ−2−ピリジル)−N−メチルチオカーバメートのX線回折図。(実施例1)

Claims (5)

  1. 白色度(WB値、JIS基準)が90以上であり、純度が99.96重量%以上であり、表1に示されるX線回折パターンを有することを特徴とする下記一般式(1)
    Figure 0004982963
    で示されるO−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)N−(6−メトキシ−2−ピリジル)−N−メチルチオカーバメート結晶。
    Figure 0004982963
  2. 下記一般式(2)
    Figure 0004982963
    で示されるO−ナフチル−N−(6−メトキシ−2−ピリジル)−N−メチルチオカーバメートの含有量が0.03重量%以下である請求項1に記載のO−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)N−(6−メトキシ−2−ピリジル)−N−メチルチオカーバメート結晶。
  3. 粒径の90%以上が10〜150μmの範囲であることを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項に記載のO−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)N−(6−メトキシ−2−ピリジル)−N−メチルチオカーバメート結晶。
  4. O−ナフチル−クロロチオホルメイトの含有量が0.1重量%未満であるO−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)クロロチオホルメイトと2−メトキシ−6−メチルアミノピリジンの反応によって得られるO−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)N−(6−メトキシ−2−ピリジル)−N−メチルチオカーバメートを、再結晶化してO−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)N−(6−メトキシ−2−ピリジル)−N−メチルチオカーバメート結晶を製造する方法において、50〜70℃の温度範囲で1時間以上保持する条件で再結晶化させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のO−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)N−(6−メトキシ−2−ピリジル)−N−メチルチオカーバメート結晶の製造法。
  5. 温度100〜200℃、圧力300Pa以下で減圧蒸留したO−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)クロロチオホルメイトを用いることを特徴とする請求項4に記載のO−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)N−(6−メトキシ−2−ピリジル)−N−メチルチオカーバメート結晶の製造法。
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