JP4984623B2 - 環状炭化水素化合物の製造方法 - Google Patents

環状炭化水素化合物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えばシクロオレフィン(共)重合体の原料モノマーまたは原料モノマー前駆体として用いられる環状炭化水素化合物の製法に関する。更に詳しくは、活性メチレン基を有する化合物と脱離基を有する化合物との縮合反応において、塩基としてアルカリ金属水酸化物、溶媒として炭化水素を使用して環状炭化水素化合物を得る方法に関する。
スピロ骨格を有する化合物は種々の置換基を固定化できることから3次元的に屈折率の異方性をコントロールすることが可能であり、光学材料またはその原料として好適である。特に、スピロ骨格を有するノルボルネン誘導体は、その開環重合体もしくは付加重合体が透明性、耐熱性、低吸水性等に優れるばかりでなく容易に屈折率の異方性をコントロールできることから利用価値が高いものである。
従来、スピロ骨格を有するノルボルネン誘導体は、(1)ノルボルネン骨格の構築後に環化反応を行う方法、(2)スピロ骨格を有するオレフィン類とシクロペンタジエン類とのディールス・アルダー反応を行う方法、または(3)例えばイタコン酸無水物のような環状構造を有するオレフィン化合物とシクロペンタジエン類とのディールス・アルダー反応を行う方法等により得られることが知られている。しかしながら、(1)の方法ではノルボルネン骨格の高歪な構造に起因してオレフィン部の反応性が非常に高く、環化反応の際に使用できる試薬類に制限があり、また、同様の理由で副反応が生じやすいため、精製工程での効率が悪く収率が低い等の問題があった。特許文献1にはこの方法でスピロ炭素を介してフルオレン骨格を有するノルボルネン誘導体を合成した例が開示されているが、スピロ環形成反応は極低温下の反応であり、また収率が低い等の問題があった。(2)の方法では場合によってスピロ化合物が効率よく得られるが、原料であるスピロ骨格を有するオレフィン類の合成において(1)と同様の問題点を有する。一方、(3)の方法でも場合によってスピロ化合物が効率よく得られるが、使用できる安価な原料オレフィン(ジエノフィル)の種類が少なく、またスピロ炭素の導入位置が限られてしまうという問題があった。
前記(1)の環化反応において従来用いられる溶媒は、非プロトン性極性溶媒や、飽和カルボン酸エステル類、エーテル類が挙げられる。中でも非プロトン性極性溶媒による反応は数多く報告されており、収率、選択性の点で良好である。しかしながら、これらの溶媒は塩基との組み合わせによって爆発、暴走反応が生じるケースがあり、毒性、有害性が高いものもある。また、沸点や極性が高いため、反応終了後の溶媒回収が困難である、精製時に排水へ混入するなどの問題があった。
前記(1)の環化反応は、第四級アンモニウム塩などの相関移動触媒を用いた二相系で行っても、収率、選択性は良好であるが、精製時に相関移動触媒が残留する、排水へ混入するなど、処理が複雑になるという問題がある。
光学特性を高度に制御するためには、置換基をその置換基が有する効果を最大限に発現し得る置換位置に導入することが好ましいため、前記(1)または(2)の手法が好ましく用いられるが、いずれの場合にもモノマー製造の全工程において生産性およびコストの面で支配的となる工程はスピロ環の構築工程である。
このため、これら従来のスピロ骨格を有するノルボルネン誘導体またはノルボルネン誘導体前駆体の製造方法が包含する種々の問題は極めて重大であり、新たな製造方法の開発
が強く望まれている。
特開2004−323489号公報
本発明は、スピロ骨格を有するノルボルネン誘導体またはスピロ骨格を有するノルボルネン誘導体の合成原料となり得るスピロ化合物などの環状炭化水素化合物を、効率よく安価に得ることが出来る環状炭化水素化合物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため、鋭意検討を進めた結果、活性メチレン基を有する化合物と、脱離基を有する化合物との縮合反応において、塩基としてアルカリ金属水酸化物、溶媒として炭化水素を使用した製造方法が上記目的を満足することを見出し、該知見に基づいて本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
下記一般式(1)で表される化合物と、下記一般式(2−1)、(2−2)または(2−3)で表される化合物とを、炭化水素系溶媒中で塩基としてのアルカリ金属水酸化物の存在下に縮合反応させ、下記一般式(3−1)、(3−2)または(3−3)で表される環状炭化水素化合物を製造することを特徴とする環状炭化水素化合物の製造方法を提供するものである。
Figure 0004984623
[式(1)中、R1〜R8はそれぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;炭素原子数1〜10の2価の炭化水素基である連結基、または、酸素原子、窒素原子、イオウ原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有していてもよい置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の1価の炭化水素基;および極性基よりなる群から選ばれる原子もしくは基を表し、a、b、cはそれぞれ独立に0〜2であり、Aは単結合;−O−;−S−;−SO−;−SO2
−;−CO−;−NR18−;−SiR19 2−(但し、R18およびR19はハロゲン原子を有
しても良い炭素原子数1〜30の1価の炭化水素基を表す。);−(CH2)n−(nは0から2の整数)を表す。]
Figure 0004984623
[式(2−1)、(2−2)、(2−3)中、R9、R10およびR11はそれぞれ独立に、
水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、窒素原子、イオウ原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有していてもよい置換もしくは非置換の不飽和構造も含む炭素原子数1〜30の1価の炭化水素基;および極性基よりなる群から選ばれる原子もしくは基を表すか、またはR10およびR11が相互に結合して炭素環または複素環(これらの炭素環または複素環は単環構造でも良いし、他の環が縮合して多環構造を形成しても良い。)を表し、XおよびYはそれぞれ独立に、ハロゲン原子またはスルホン酸エステル基(R20SO3−、R20はハ
ロゲン原子を有しても良い炭素原子数1〜30の1価の炭化水素基)、リン酸エステル基((R21O)R22P(O)O−、R21およびR22はハロゲン原子を有しても良い炭素原子数1〜30の1価の炭化水素基)であるか、またはXとYとが相互に結合して2価の基(R22P(O)(O−)2、R21およびR22はハロゲン原子を有しても良い炭素原子数1〜
30の1価の炭化水素基)を表す。]
Figure 0004984623
[式(3−1)、(3−2)、(3−3)中、R1〜R11、a、b、c、およびAは一般
式(1)、(2−1)、(2−2)および(2−3)で定義の通り]。
本発明では、前記炭化水素系溶媒が、芳香族炭化水素であることが好ましい。
本発明では、リチウム、ナトリウムおよびカリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属の水酸化物を塩基として使用することが好ましく、金属水酸化物の使用量は上記一般式(1)で表される化合物とのモル比([一般式(1)で表される化合物]/[金属水酸化物])で、1/1〜1/6であることが好ましい。
また炭化水素系溶媒の使用量が上記一般式(1)で表される化合物とのモル比(炭化水素系溶媒/[一般式(1)で表される化合物])で0.5〜10であることが好ましい。
また、前記一般式(1)で表される化合物が、一般式(1)中のaおよびcがそれぞれ独立に0または1であり、aおよびcのいずれもが0でないときはR1〜R8の内、少なくとも任意の6つが水素原子であり、aおよびcのいずれもが0であるときはR2、R3、R7、R9が水素原子であることが好ましく、前記一般式(2−2)で表される脱離基を有する化合物が、下記一般式(4)で表されるノルボルネン骨格を有する化合物であることも好ましい。
Figure 0004984623
[式(4)中、R12〜R17はそれぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、窒素原子、イオウ原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有していてもよい置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の1価の炭化水素基;および極性基よりなる群から選ばれる原子もしくは基を表し、d、eおよびfは、それぞれ0〜2を表し、XおよびYはそれぞれ一般式(2−3)で定義の通り。]
本発明では、縮合反応時の反応液温度が25〜200℃であることが好ましい。
また、本発明では縮合反応終了後、蒸留、昇華精製、水を用いた抽出、炭素数1〜6のアルコール類を用いた抽出もしくは晶析のいずれか、またはこれらの組み合わせにより反応混合物から生成した化合物を精製・分離することが好ましい。
本発明に係る環状炭化水素化合物の製造方法は、活性メチレン基を有する化合物と脱離基を有する化合物との縮合反応において、塩基として金属水酸化物、溶媒として炭化水素を使用して環状炭化水素化合物を合成しており、その反応条件および使用する原料を選択することによって、効率良くかつ安価に環状炭化水素化合物を得ることが出来る。また適切な溶媒と塩基を選択することにより、従来よりも安全性を向上させ、さらに廃棄物処理を容易にすることができる。
また、本発明に係る環状炭化水素化合物の製造方法は、他の塩基を使用した同一化合物の合成方法と比較して効率的である。さらに、本発明で使用する合成試剤は何れも安価または安価に製造可能で、工業的に使用可能なものであることから利用価値が高い。
本発明の製法で得られる環状炭化水素化合物は、ノルボルネン誘導体前駆体および光学樹脂前駆体モノマーとして非常に有用であり、環状炭化水素化合物がスピロ結合を有する場合にはその構造はスピロ結合で種々の置換基をシクロオレフィン部と垂直方向に固定している為、このような環状炭化水素化合物を用いて誘導される重合体では、その含有量を適切に調整することで複屈折性、波長分散性を自在に制御することが可能である。
本発明の製法で得られる環状炭化水素化合物は、ノルボルネン誘導体前駆体または光学樹脂前駆体モノマーとして非常に有用であり、これから誘導される重合体は、光ディスク、光磁気ディスク、光学レンズ(Fθレンズ、ピックアップレンズ、レーザープリンター用レンズ、カメラレンズ等)、眼鏡レンズ、光学フィルム/シート(ディスプレイ用フィルム、位相差フィルム、偏光フィルム、偏光板保護フィルム、拡散フィルム、反射防止フィルム、液晶基板、EL基板、電子ペーパー用基板、タッチパネル基板、PDP前面板等)、透明導電性フィルム用基板、光ファイバー、導光板、光カード、光ミラー、IC、LSI、LED封止材等、非常に高精度の光学設計が必要とされている光学材料への応用が可能である。
以下、本発明について具体的に説明する。
<反応試剤および条件>
本発明は上記一般式(1)で表される化合物と上記一般式(2−1)、(2−2)または(2−3)で表される化合物との縮合反応において、塩基としてアルカリ金属水酸化物を必須の試剤として使用する。使用するアルカリ金属水酸化物の具体的な例としては、リチウム、ナトリウムおよびカリウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属の水酸化物であることが好ましく、より好ましくは水酸化カリウムである。
アルカリ金属水酸化物の使用量は、上記一般式(1)で表される化合物とのモル比([一般式(1)で表される化合物]/[アルカリ金属水酸化物])で、1/1〜1/6であることが好ましく、特に好ましくは1/1〜1/4である。アルカリ金属水酸化物の使用量がこの範囲よりも少ないと目的物の収率が低くなることがあり、この範囲よりも多いと副反応を生じることがあるので好ましくない。
また、アルカリ金属水酸化物は、単独でも複数のアルカリ金属水酸化物を併用しても良く、他の塩基と組み合わせて使用しても良い。
他の塩基としては例えば水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化カルシウム等の水素化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム等の炭酸塩;ピリジン、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の第3級アミン;水酸化アンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム等の水酸化アンモニウム類;n−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、フェニルリチウムなどの有機リチウム;ソーダアミド、リチウムジイソプロピルアミド等の金属アミド;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、t−ブトキシカリウム、t−ブトキシナトリウムなどの金属アルコキシド;ナトリウム、カリウム、リチウムなどのアルカリ金属を例示することができる。
複数の塩基を併用する場合には、その使用量はモル比([一般式(1)で表される化合物]/[塩基の総モル数(アニオン種モル数換算)])で、1/1.5〜1/9.5であることが好ましく、より好ましくは1/1.7〜1/9、特に好ましくは1/2〜1/8.5である。
本発明で用いられる上記一般式(1)で表される化合物において、一般式(1)中のR1〜R8はそれぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;炭素原子数1〜10の2価の炭化水素基である連結基、または、酸素原子、窒素原子、イオウ原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有していてもよい置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の1価の炭化水素基;および極性基よりなる群から選ばれる原子もしくは基を表す。
ここで、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子および臭素原子が挙げられる。
炭素原子数1〜30の1価の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;エチリデン基、プロピリデン基等のアルキリデン基;フェニル基、p−メチルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等の芳香族基等が挙げられる。これらの炭化水素基は置換されていてもよく、置換基としては例えばフッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子、フェニルスルホニル基、シアノ基等が挙げられる。
また、上記の置換または非置換の炭化水素基は、直接環構造に結合していてもよいし、あるいは連結基を介して結合していてもよい。連結基としては、例えば炭素原子数1〜10の2価の炭化水素基(例えば、−(CH2)q−、qは1〜10の整数で表されるアルキレン基);酸素原子、窒素原子、イオウ原子またはケイ素原子を含む連結基(例えば、カルボニル基(−CO−)、カルボニルオキシ基(−COO−)、スルホニル基(−SO2−)、スルホ
ニルエステル基(−SO2−O−)、エーテル結合(−O−)、チオエーテル結合(−S−)
、イミノ基(−NH−)、アミド結合(−NHCO−)、シロキサン結合(−Si(R2)O−(ここ
で、Rはメチル、エチル等のアルキル基));あるいはこれらの2種以上が組み合わさって連なったものが挙げられる。
極性基としては、例えば水酸基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、カルボニルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、シアノ基、アミド基、イミド基、トリオルガノシロキシ基、トリオルガノシリル基、アミノ基、アシル基、アルコキシシリル基、スルホニル基、およびカルボキシル基などが挙げられる。さらに具体的には、上記アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基等が挙げられ;カルボニルオキシ基としては、例えばアセトキシ基、プロピオニルオキシ基等のアルキルカルボニルオキシ基、およびベンゾイルオキシ基等のアリールカルボニルオキシ基が挙げられ;アルコキシカルボニル基としては、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等が挙げられ;アリーロキシカルボニル基としては、例えばフェノキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基、フルオレニルオキシカルボニル基、ビフェニリルオキシカルボニル基等が挙げられ;トリオルガノシロキシ基としては例えばトリメチルシロキシ基、トリエチルシロキシ基等が挙げられ;トリオルガノシリル基としてはトリメチルシリル基、トリエチルシリル基等が挙げられ;アミノ基としては第1級アミノ基等が挙げられ、アルコキシシリル基としては例えばトリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基等が挙げられる。
一般式(1)中のAが示す−NR18−、−SiR19 2−におけるR18およびR19におい
て、ハロゲン原子を有しても良い炭素原子数1〜30の1価の炭化水素基としては、R1
〜R8が表す炭素原子数1〜30の炭化水素基と同じ基およびこれらの基にハロゲン原子
が置換した基が挙げられる。
a、b、cはそれぞれ独立に0〜2であり、このうちbは入手または製造の容易性から好ましくは0または1である。
一般式(1)で表される化合物は、前記の定義を満足するものであれば特に限定されないが、一般式(1)中のaおよびcがそれぞれ独立に0または1であり、aおよびcのいずれもが0でないときはR1〜R8の内、少なくとも任意の6つが水素原子であり、aおよびcのいずれもが0であるときはR2、R3、R7、R9が水素原子である活性メチレン基を有する化合物を使用することが好ましく、より好ましくはaおよびcが1である。
一般式(1)で表される化合物としては下記のようなものを例示することができる。
Figure 0004984623
Figure 0004984623
Figure 0004984623
本発明で用いられる上記一般式(2−1)、(2−2)または(2−3)で表される化合物において、一般式(2−1)、(2−2)および(2−3)中のR9、R10およびR11としては、一般式(1)中のR1〜R8と同じ基が挙げられ、また一脱離基を有する化合
物中のR10とR11とが相互に結合して炭素環または複素環を形成してもよい。これらの炭素環または複素環は単環構造でも良いし、他の環が縮合して多環構造を形成しても良い。
XおよびYはそれぞれ独立に、ハロゲン原子またはスルホン酸エステル基(R20SO3
−、R20はハロゲン原子を有しても良い炭素原子数1〜30の1価の炭化水素基)、リン酸エステル基((R21O)R22P(O)O−、R21およびR22はハロゲン原子を有しても良い炭素原子数1〜30の1価の炭化水素基)、またはXとYとが相互に結合して2価の基R22P(O)(O−)2、R21およびR22はハロゲン原子を有しても良い炭素原子数1
〜30の1価の炭化水素基)を表す。R20〜R22としては、一般式(1)中のR1〜R8が表す炭素原子数1〜30の炭化水素基と同じ基およびこれらの基にハロゲン原子が置換した基が挙げられる。
一般式(2−3)中のR10およびR11としては、一般式(1)中のR1〜R8と同じ基が挙げられ、好ましくはディールス・アルダー反応の反応性から水素原子または電子吸引性の基、より好ましくは水素原子である。
一般式(2−1)または(2−3)で表される化合物としては下記のようなものを例示することができる。
Figure 0004984623
Figure 0004984623
本発明では、一般式(2−2)で表される化合物において、R10とR11とが相互に結合して炭素環または複素環を形成した化合物を用いることが好ましく、このような化合物としては上記一般式(4)で表される置換もしくは非置換のノルボルネン骨格を有する化合
物が挙げられる。
一般式(4)中のR12〜R17としては、一般式(1)中のR1〜R8と同じ基が挙げられる。また、一般式(4)中のd、e、およびfはそれぞれ0〜2を表し、より好ましくはdが0であり、特に好ましくはdが0でかつeが0または1である。dおよびeがそれぞれ2よりも大きいと、得られるノルボルネン誘導体から合成される重合体のガラス転移温度が必要以上に高くなり、加工性に乏しく強度が不十分なものとなることがある。
XおよびYとしては、一般式(2−2)と同様の原子または基が挙げられる。
上記一般式(4)で表される化合物としては下記のような化合物を例示することができる。
Figure 0004984623
Figure 0004984623
Figure 0004984623
これらの一般式(4)で表される化合物は、シクロペンタジエン類とcis−2−ブテン−1,4−ジオールまたはtrans−2−ブテン−1,4−ジオールとのディールズ・アルダー反応により得られる化合物の水酸基を脱離基に変換する方法、シクロペンタジエン類と無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸エステル類、フマル酸、またはフマル酸エステル類とのディールズ・アルダー反応により得られる化合物のカルボニル部位を還元
させた後、還元反応により生成する水酸基を脱離基に変換する方法、cis−2−ブテン−1,4−ジオールまたはtrans−2−ブテン−1,4−ジオールの水酸基を脱離基に変換した後シクロペンタジエン類とのディールズ・アルダー反応を行う方法、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸エステル類、フマル酸、またはフマル酸エステル類のカルボニル部位を還元させ、還元反応により生成する水酸基を脱離基に変換した後シクロペンタジエン類とのディールズ・アルダー反応を行う方法により得ることができる。
上記ディールズ・アルダー反応で用いるジエノフィルのオレフィン部位の幾何異性はシス・トランスの何れでも良く、2種の混合物であっても良いが好ましくはシス体である。また、ジオール類の水酸基の脱離基(スルホン酸エステル、リン酸エステル、ハロゲン原子等)への変換には公知の手法が使用できる。このような変換試薬としては、例えばベンゼンスルホン酸クロライド、p−トルエンスルホン酸クロライド、p−ブロモベンゼンスルホン酸クロライド、メタンスルホン酸クロライド、トリフルオロメタンスルホン酸クロライド等のスルホン酸誘導体;メトキシ(フェニル)ホスホン酸クロライド、フェニルホスホン酸ジクロライド、メトキシ(メチル)ホスホン酸クロライド、メチルホスホン酸ジクロライド等のリン酸誘導体;塩化チオニル、三塩化リン、五塩化リン、臭化チオニル、三臭化リン、オキシ塩化リン等のハロゲン化剤;塩化水素、臭化水素等のハロゲン化水素;トリメチルシリルクロライド、アセトニトリル、および臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化カルシウム、ヨウ化カリウム、またはヨウ化ナトリウム等を併用するハロゲン化剤を挙げることができる。また、水酸基をハロゲン原子に置換した場合には、ハロゲン交換反応によってより脱離性の高いハロゲン原子へと置換しても良い。
一般式(1)で表される化合物(以下「化合物(1)」ともいう。))と一般式(2−1)、(2−2)または(2−3)で表される化合物(以下「化合物(2)」ともいう。)とを縮合反応させる際の仕込比は、モル比([化合物(1)]/[化合物(2)])で3/1〜1/3、好ましくは2/1〜1/2である。各試剤のモル比が上記範囲外であると化合物(2)に対して化合物(1)が2つ置換した副生物を生じたり、化合物(1)の濃度が不十分なために収率の低下を招く場合がある。
また、化合物(1)と、化合物(2)との縮合反応時の反応温度は、25〜200℃、好ましくは60〜190℃、さらに好ましくは70〜180℃である。反応温度がこの範囲外であると主反応の選択性が低下したり、反応速度が遅く生産性の低下を招く場合がある。
反応に使用する溶媒の沸点は、50〜200℃、好ましくは60〜190℃、さらに好ましくは70〜180℃である。溶媒の沸点がこの範囲外であると反応溶液の濃縮が困難になったり、所定の温度で反応させたときに内圧が高くなったりする恐れがある。
反応に使用できる溶媒として具体的にはペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどのアルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナンなどのシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメンなどの芳香族炭化水素を挙げることができ、これらは単独であるいは混合して用いることができる。これらのうち、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメンなどの芳香族炭化水素が溶解性、反応の選択性、反応速度、安全性およびコストの面から好ましく、特に好ましくはトルエンである。
炭化水素系溶媒の使用量としては重量比({炭化水素系溶媒}/{[化合物(1)]+[化合物(2)]+[塩基]})で10/1〜0/1、好ましくは7/1〜0.1/1、特に好ましくは5/1〜0.2/1である。炭化水素系溶媒の使用量がこの範囲外であると生産性が低下することがある。
また、炭化水素系溶媒の使用量は化合物(1)とのモル比(炭化水素系溶媒/[上記一般式(1)で表される化合物])で0.5〜50、好ましくは10〜40である。炭化水素系溶媒の使用量がこの範囲外であると生産性が低下することがある。
また、化合物(1)、化合物(2)、塩基、および溶媒の仕込み方法は、それぞれの試剤を一括で仕込んでも分割または連続的に添加しても良い。
化合物(1)と、化合物(2)との反応時の反応時間は通常0.1〜50時間、好ましくは0.2〜35時間、更に好ましくは0.3〜24時間である。反応時間がこの範囲よりも短いと反応が不十分であるため収率が低下し、長いと生産性が悪くなるため好ましくない。
<精製方法>
このようにして得られた環状炭化水素化合物は蒸留、昇華精製、抽出、または晶析を行うか、これらを組み合わせて行うことにより精製/分離することができる。使用する原料、生成物、および副生成物の物理的および化学的性質により精製方法および精製条件は異なるが、環状炭化水素化合物の沸点が工業的に蒸留可能な温度および圧力である場合には蒸留による精製/分離が好ましいが、蒸留前または蒸留後に抽出または晶析によりオリゴマー成分の除去やより純度を高くするための精製を行っても良い。蒸留時の圧力は大気圧下でも減圧下でも良く、温度は通常20〜250℃、好ましくは30〜220℃、さらに好ましくは40〜200℃である。温度がこの範囲外であると蒸留ガスの液化が困難となったり、目的物が熱的に分解する場合がある。また、昇華性を有する場合には昇華精製により精製することもできる。
環状炭化水素化合物の沸点が高く、蒸留が困難である場合には、蒸留による沸点の低い成分の除去と抽出および/または晶析を組み合わせて精製することができる。さらに、環状炭化水素化合物と原料または副生成物との溶解性に十分な差がある場合には抽出および/または晶析により精製することができる。抽出または晶析には水または公知の有機溶媒を使用することができる。抽出または晶析による精製を行う際には、より具体的には水を用いた抽出および/または炭素数1〜6のアルコール類を用いた抽出により精製することが好ましい。
水による抽出工程では、液/液2相系の抽出であっても良く、固/液2相系の抽出であっても良い。水による抽出工程において、液/液2相系の抽出を行う場合には有機相はバルクでも良いが、反応溶媒として列挙したものと同じものの内、非水溶性のものを挙げることができる。反応混合物が水との接触により固化する場合には固/液2相系の抽出を適用することができる。水による抽出工程において使用する水の量は、重量比([水]/[反応に使用した全ての物質の和])で0.1/1〜100/1、好ましくは0.2/1〜50/1、さらに好ましくは0.3/1〜30/1である。水の使用量がこの範囲外であると副生する水溶性塩の除去が不十分であったり、生産性が低下する場合がある。
また、抽出または晶析に用いる炭素数1〜6のアルコール類としてはメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノールが例示でき、好ましくはメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール、イソブタノール、より好ましくはメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールである。これらの溶媒は単独でも複数を併用しても良く、さらに他の溶媒と混合して使用しても良い。これらのアルコール類の使用量は重量比で[アルコール類]/[反応に使用した全ての物質重量の和]=0.01/1〜50/1、好ましくは0.02/1〜40/1、さらに好ましくは0.03/1〜30/1である。アルコール類の使用量がこの範囲外であると原料等の不純物の除去が不十分であったり、目的物
の収率が低下する場合がある。
また、前記の抽出または晶析は前記範囲の水または有機溶媒を使用して複数回実施しても良い。また、抽出または晶析を行う温度は通常0〜200℃、好ましくは5〜170℃、より好ましくは10〜140℃である。温度がこの範囲外であると生産性が悪化したり、不純物の除去が不十分となる場合がある。
蒸留、抽出、または晶析により分離した原料および/または溶媒等は回収し、必要に応じて精製して再利用することができる。
本発明の製法で得られる環状炭化水素化合物は、ノルボルネン誘導体前駆体および光学樹脂前駆体して有用であり、得られる環状炭化水素化合物は開環重合、開環重合とそれに続く水素添加反応、付加重合、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合等によって、所望の重合体とすることができる。また、本発明の製法で得られる環状炭化水素化合物を、必要に応じて任意の共重合可能な化合物と共重合反応させて共重合体を得る事も可能である。
本発明の製法で得られる環状炭化水素化合物から誘導した重合体は、優れた透明性、耐熱性、低吸水性を示し、かつ用途に応じて任意に複屈折値の大きさやその波長分散性を制御できることから、光ディスク、光磁気ディスク、光学レンズ(Fθレンズ、ピックアップレンズ、レーザープリンター用レンズ、カメラ用レンズ等)、眼鏡レンズ、光学フィルム/シート(ディスプレイ用フィルム、位相差フィルム、偏光フィルム、偏光板保護フィルム、拡散フィルム、反射防止フィルム、液晶基板、EL基板、電子ペーパー用基板、タッチパネル基板、PDP前面板等)、透明導電性フィルム用基板、光ファイバー、導光板、光カード、光ミラー、IC、LSI、LED封止材などの成形材料として好適に応用することができる。
[実施例]
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<スピロ[フルオレン−9,8'−トリシクロ[4.3.0.12.5][3]デセン]の合成>
5,6−ジ(p−トルエンスルホニルオキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2
−エン 22.20g(0.048mol)およびフルオレン 7.99g(0.048mol)をトルエン60.36gに溶解した。この溶液を還流させ(内温106〜110℃
)、水酸化カリウム 7.48g(0.12mol)を徐々に添加して攪拌した。反応を
昭和電工製Shodex GPC101(カラム:昭和電工製KF-806L2本、KFG 1本、KF-807 1本、KF802 1本)溶媒:テトラヒドロフラン、検出器:RIおよびUV、流速:1.0mL、温
度:40℃)で追跡したところ水酸化カリウム添加終了後1時間で目的物生成率は44%、5時間で58%に達した。
[比較例1]
<スピロ[フルオレン−9,8'−トリシクロ[4.3.0.12.5][3]デセン]の合成>
塩基としてt−ブトキシナトリウムを用いた以外は実施例1と同様の手順、反応条件、
および仕込み量(重量)で反応を行った結果、反応時間5時間での目的物生成率は88%に達した。
[比較例2]
<スピロ[フルオレン−9,8'−トリシクロ[4.3.0.12.5][3]デセン]の合成>
溶媒としてジメチルスルホキシドを用いた以外は実施例1と同様の手順、反応条件、および仕込み量(重量)で反応を行った結果、反応時間1時間での目的物生成率は79%に達した。
<スピロ[フルオレン−9,8'−トリシクロ[4.3.0.12.5][3]デセン]の合成>
5,6−ジ(p−トルエンスルホニルオキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2
−エン 22.20g(0.048mol)およびフルオレン 7.99g(0.048mol)をトルエン120.72gに溶解した。この溶液を還流させ(内温106〜110℃)、水酸化カリウム 11.97g(0.192mol)を徐々に添加して攪拌した。
反応を昭和電工製Shodex GPC101(カラム:昭和電工製KF-806L2本、KFG 1本、KF-807 1本、KF802 1本)溶媒:テトラヒドロフラン、検出器:RIおよびUV、流速:1.0m
L、温度:40℃)で追跡したところ水酸化カリウム添加終了後7時間で目的物生成率は73%に達した。
7時間反応後、内温90℃まで冷却した後、水88.9gを加え、0.5時間室温で撹拌した。水層を分離し、有機層を同量の水で洗浄した。有機層を、固形分50wt%程度まで濃縮した後、メタノール68.25g添加して数分間撹拌した。−20℃で2.5時間静置したのち、固体を濾別、メタノールで洗浄した。回収物を乾燥し、収率61%で白色粉末を得た。得られた化合物は目的とするスピロ[フルオレン−9,8'−トリシクロ[4.3.0.12.5][3]デセン]であることを1H−NMRで確認した。ここで得られたス
ピロ[フルオレン−9,8'−トリシクロ[4.3.0.12.5][3]デセン]の1H−NMRス
ペクトルを図1、IRスペクトルを図2に示す。
図1は、実施例1で得た化合物の1H−NMRスペクトルを示す。 図2は、実施例1で得た化合物のIRスペクトルを示す。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物であるインデン、フルオレン、2,7−ジフルオロフルオレン、2,7−ジクロロフルオレン、2,7−ジブロモフルオレン、2,7−ジメトキシフルオレン、2,7−ジエトキシフルオレン、2,7−ジフェノキシフルオレン、2−メトキシフルオレン、2−エトキシフルオレン、2−フェノキシフルオレン、3,6−ジメトキシフルオレン、9−ヒドロ−10−オキサアントラセン、9−ヒドロ−10−チアアントラセン、9,10−ジヒドロアントラセン−10−オン、9−ヒドロ−10−チアアントラセン−10−オン、9−ヒドロ−10−チアアントラセン−10,10−ジオン、9−ヒドロ−10−メチル−10−アザアントラセン、9−ヒドロ−10−エチル−10−アザアントラセン、9−ヒドロ−10−フェニル−10−アザアントラセン、および1,2:4,5―ジ[1,2]ベンゼノシクロヘプタンから選ばれる少なくとも一種の化合物と下記一般式(2−1)、(2−2)または(2−3)で表される化合物であるメタンスルホン酸n−ブチル、トリフルオロメタンスルホン酸n−ブチル、p−トルエンスルホン酸n−ブチル、フェニルスルホン酸n−ブチル、p−ブロモフェニルスルホン酸n−ブチル、5,6−ジ(クロロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2,5−ジエン、5,6−ジ(ブロモメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2,5−ジエン、5,6−ジ(メタンスルホニルオキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2,5−ジエン、5,6−ジ(p−トルエンスルホニルオキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2,5−ジエン、5,6−ジ(フェニルスルホニルオキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2,5−ジエン、5,6−ジ(クロロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(ブロモメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(メタンスルホニルオキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ビス(トリフルオロメタンスルホニルオキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(p−トルエンスルホニルオキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(フェニルスルホニルオキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(p−ブロモフェニルスルホニルオキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ[メトキシ(フェニル)ホスホニルオキシメチル]ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、1,4−ジオキサ−4−フェニル−4−ホスファトリシクロ[5.4.0.1 8,10 ]−9−ドデセン−4−オン、8,9−ジ(クロロメチル)トリシクロ[4.4.0.1 2,5 ]−3−ウンデセン、8,9−ジ(p−トルエンスルホニルオキシメチル)トリシクロ[4.4.0.1 2,5 ]−3−ウンデセン、3,4−ジ(クロロメチル)テトラシクロ[4.4.0.1 2,5 .1 7,10 ]−3−ドデセン、3,4−ジ(p−トルエンスルホニルオキシメチル)テトラシクロ[4.4.0.1 2,5 .1 7,10 ]−3−ドデセン、9,10−ジ(クロロメチル)ペンタシクロ[7.4.0.1 2,5 .1 8,11 .0 7,12 ]−3−ペンタデセン、9,10−ジ(p−トルエンスルホニルオキシメチル)ペンタシクロ[7.4.0.1 2,5 .1 8,11 .0 7,12 ]−3−ペンタデセン、1−メチル−5,6−ジ(クロロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、1−メチル−5,6−ジ(p−トルエンスルホニルオキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、7−メチル−5,6−ジ(クロロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、および7−メチル−5,6−ジ(p−トルエンスルホニルオキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンから選ばれる少なくとも一種の化合物とを、炭化水素系溶媒である芳香族炭化水素中で塩基としてのアルカリ金属水酸化物の存在下に縮合反応させ、下記一般式(3−1)、(3−2)または(3−3)で表される環状炭化水素化合物を製造することを特徴とする環状炭化水素化合物の製造方法;
    Figure 0004984623
    [式(1)中、R1〜R8はそれぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;炭素原子数1〜10の2価の炭化水素基である連結基、または、酸素原子、窒素原子、イオウ原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有していてもよい置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の1価の炭化水素基;および極性基よりなる群から選ばれる原子もしくは基を表し、a、b、cはそれぞれ独立に0〜2であり、Aは単結合;−O−;−S−;−SO−;−SO2−;−CO−;−NR18−;−SiR19 2−(但し、R18およびR19はハロゲン原子を有しても良い炭素原子数1〜30の1価の炭化水素基を表す。);−(CH2)n−(nは0から2の整数)を表す。]
    Figure 0004984623
    [式(2−1)、(2−2)、(2−3)中、R9、R10およびR11はそれぞれ独立に、
    水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、窒素原子、イオウ原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有していてもよい置換もしくは非置換の不飽和構造も含む炭素原子数1〜30の1価の炭化水素基;および極性基よりなる群から選ばれる原子もしくは基を表すか、またはR10およびR11が相互に結合して炭素環または複素環(これらの炭素環または複素環は単環構造でも良いし、他の環が縮合して多環構造を形成しても良い。)を表し、XおよびYはそれぞれ独立に、ハロゲン原子またはスルホン酸エステル基(R20SO3−、R20はハロゲン原子を有しても良い炭素原子数1〜30の1価の炭化水素基)、リン酸エステル基((R21O)R22P(O)O−、R21およびR22はハロゲン原子を有しても良い炭素原子数1〜30の1価の炭化水素基)であるか、またはXとYとが相互に結合して2価の基(R22P(O)(O−)2、R21およびR22はハロゲン原子を有しても良い炭素原子数1〜30の1価の炭化水素基)を表す。]
    Figure 0004984623
    [式(3−1)、(3−2)、(3−3)中、R1〜R11、a、b、c、およびAは一般式(1)、(2−1)、(2−2)および(2−3)で定義の通り。]。
  2. 前記塩基がリチウム、ナトリウムおよびカリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属の水酸化物であることを特徴とする請求項1に記載の環状炭化水素化合物の製造方法。
  3. 前記炭化水素系溶媒の使用量が一般式(1)で表される化合物とのモル比(炭化水素系溶媒/[一般式(1)で表される化合物])で0.5〜10であることを特徴とする請求項1または2項に記載の環状炭化水素化合物の製造方法。
  4. 前記アルカリ金属水酸化物の使用量が一般式(1)で表される化合物とのモル比([一般式(1)で表される化合物]/アルカリ金属水酸化物)で1/1〜1/6であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の環状炭化水素化合物の製造方法。
  5. 縮合反応時の反応液温度が25〜200℃であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の環状炭化水素化合物の製造方法。
  6. 反応終了後、蒸留、昇華精製、水を用いた抽出、炭素数1〜6のアルコール類を用いた抽出もしくは晶析のいずれか、またはこれらの組み合わせにより反応混合物から生成した化合物を精製・分離することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の環状炭化水素化合物の製造方法。
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