JP5016480B2 - 結晶形態の1β−メチルカルバペネム中間体 - Google Patents

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Description

本発明は、経口投与用1β−メチルカルバペネム化合物を効率的に製造するために有用な合成中間体の結晶に関する。
1β−メチルカルバペネム化合物は広範囲の病原菌に対して優れた抗菌作用を示し、かつ生体内での安定性にも優れていることから最も注目されている抗菌剤のひとつである。そのため、近年、経口投与薬剤、及びその製造方法の研究開発が精力的に進められている。経口投与用1β−メチルカルバペネム化合物の効率的な製造方法として、WO2004/43973A1(特許文献1)、及びWO2004/043961A1(特許文献2)に記載の方法が知られている。
一般式(2):
Figure 0005016480
(式中、R1は水酸基の保護基を表し、R2はアリール基またはヘテロアリール基を表し、R3は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数1〜10のアルキルオキシ基または炭素数3〜10のシクロアルキルオキシ基を表し、R4は水素または炭素数1〜4のアルキル基を表す)で表される化合物(以下化合物(2))は1β−メチルカルバペネム化合物を製造するための中間体として有用な化合物であることから、特に高純度であることが望まれる。一般的に、結晶化を行なえば高純度化が達成されるが、これまでは結晶形態の化合物(2)は知られていなかった。
例えば、前記特許文献1では、化合物(2)のなかでも極めて有用な次式(1):
Figure 0005016480
で表される(3S,4S)−4−[(1R)−1−(p−クロロフェニルチオカルボニル)エチル]−3−[(1R)−1−トリメチルシリロキシエチル]−1−ピバロイルオキシメチルオキシカルボニルメチル−2−アゼチジノン(以下化合物(1))の製法を記載しているが、化合物(1)は、実施例において油状形態で取扱われている。油状形態の化合物(1)は5%程度の溶媒を含有しているが、この溶媒は、発明者らの検討の結果、その形態から通常の減圧濃縮や、真空乾燥などで除去することは容易ではなく、化合物(1)を結晶形態で取得することはできなかった。
工業的規模での製造を考慮した場合、油状形態の化合物(2)は高粘度であるため容器への充填や容器からの払出時に取扱いにくい事が問題となる。高粘度状態での取扱いを緩和するために、溶剤で溶液にすることで、充填や払出の作業時において比較的取扱い易くなる。しかし、容量が増加するため市場への流通を考慮すると、容器数や運搬費の増加を招き不利である。また、化合物(2)の溶液を次工程で扱う場合、次工程における使用溶媒が異なる際には溶媒留去や溶媒置換の必要があるため油状形態の化合物(2)を溶液状態として取扱う事は不利である。さらに、油状形態の化合物(2)を高純度に精製するためには、例えば大量のシリカゲルカラムにより処理する必要があり、コストの上昇を引き起こす。以上のような理由により油状形態として取扱う事は総合的に不利である。
これらの理由により、高純度化が期待でき、取扱い易く、優れた保存安定性を有する結晶形態の化合物(2)の取得が強く望まれていた。
WO2004/043973 WO2004/043961
本発明は、有用な1β−メチルカルバペネム化合物の中間体であり、取扱い易く、品質や保存安定性の面で優れている結晶形態の化合物(2)を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、油状形態の化合物(2)で表される化合物を適当な有機溶剤中で処理することにより、結晶形態の化合物(2)が得られ、該化合物が長時間に亘って安定な化合物であることを見出した。本発明はこのような知見に基づき完成されたものである。
すなわち本発明は、前記式(2)で表されるアゼチジノン誘導体を、有機溶媒を用いる晶析工程に付し、結晶として取得することを特徴とする、化合物(2)の結晶の製造方法に関する。
さらに本発明は、前記式(1)で表される(3S,4S)−4−[(1R)−1−(p−クロロフェニルチオカルボニル)エチル]−3−[(1R)−1−トリメチルシリロキシエチル]−1−ピバロイルオキシメチルオキシカルボニルメチル−2−アゼチジノンの結晶に関する。
本発明により、近年活発に研究開発がなされている種々の経口投与用1β−メチルカルバペネム化合物を製造する際に極めて有用な前記式(2)で表される化合物が結晶形態として提供される。結晶形態の化合物(2)は、高品質であり、優れた保存安定性を有し、取扱い性にも優れているため、本発明は工業的に非常に有用なものである。
本発明の目的である、結晶形態の式(2):
Figure 0005016480
で表されるアゼチジノン誘導体は、化合物(2)を、有機溶媒を用いる晶析工程に付すことにより得ることができる。
化合物(2)においてR1は水酸基の保護基を表す。水酸基の保護基としてはPROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC SYNTHESIS THIRD EDITION(著者:Theodora W.Greene and Peter G.M.Wuts(WILEY INTERSCIENCE PUBLICATION))に記載されたエチル基、メチル基、ベンジル基などのエーテル系保護基、トリエチルシリル基、トリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基などのシリル系保護基、アセチル基、ベンゾイル基、ベンジルオキシカルボニル基、p−ニトロベンジルオキシカルボニル基などのエステル系保護基などがあげられる。好ましくはシリル系保護基でありさらに好ましくはトリメチルシリル基、トリエチルシリル基であり、とりわけ好ましくはトリメチルシリル基である。
2はアリール基またはヘテロアリール基を表し、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子、ニトロ基、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基などにより置換されていても良い。
アリール基としては、例えば、フェニル基、1〜3個の塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子で置換されたハロゲノフェニル基、p−ニトロフェニル基、o−ニトロフェニル基、p−メトキシフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基などがあげられる。
ヘテロアリール基としては、例えば2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−ピリミジル基、2−(4,6−ジメチル)ピリミジル基、2−ベンゾチアゾリル基、2−ベンゾイミダゾリル基、2−ベンゾオキサゾリル基、2−チエニル基などがあげられる。
2としてはアリール基が好ましく、フェニル基、ハロゲノフェニル基がより好ましく、ハロゲノフェニル基としては、p−クロロフェニル基が好ましい。
3は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数1〜10のアルキルオキシ基または炭素数3〜10のシクロアルキルオキシ基を表す。
炭素数1〜10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デカニル基等があげられる。
炭素数3〜10のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基などがあげられる。
炭素数1〜10のアルキルオキシ基としては、メチルオキシ基、エチルオキシ基、n−プロピルオキシ基、iso−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、iso−ブチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、1−エチルプロピルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−デシルオキシ基などがあげられる。
炭素数3〜10のシクロアルキルオキシ基としては、シクロプロピルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、1−メチルシクロヘキシルオキシ基、4−メチルシクロヘキシルオキシ基などがあげられる。
3としては、tert−ブチル基、エチルオキシ基、1−エチルプロピルオキシ基またはシクロヘキシルオキシ基が好ましく、さらに好ましくはtert−ブチル基である。
4としては、水素または炭素数1〜4のアルキル基があげられる。炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などがあげられる。R4として好ましくは、水素またはメチル基でありさらに好ましくは水素である。
化合物(2)として好ましくは下記一般式(1):
Figure 0005016480
で表される(3S,4S)−4−[(1R)−1−(p−クロロフェニルチオカルボニル)エチル]−3−[(1R)−1−トリメチルシリロキシエチル]−1−ピバロイルオキシメチルオキシカルボニルメチル−2−アゼチジノンである。化合物(1)の結晶は、本発明者らによって見出された新規な結晶であり、経口投与用1β−メチルカルバペネム化合物を製造する際に取り扱いが容易であること、安定性が良好であることから非常に有用である。
化合物(2)は、例えば、WO2004/043973号記載の方法に従い製造することができる。例えば、実施例3に記載されている方法に従い製造された化合物(1)のように油状形態の化合物でも良いし、化合物(2)を含有する反応溶液(粗反応溶液)そのものでも良いが、他の方法で製造されたものであっても構わない。もちろん、さらに純度を高めたり、結晶形状をさらに取り扱いやすい状態にするために、本方法で得られた結晶を再度用いても良い。以下、晶析工程について具体的に説明する。
本晶析工程は、化合物(2)を含有する有機溶媒溶液から晶析を実施し、化合物(2)を結晶として取得する。
用いる有機溶媒としては特に限定されないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸tert−ブチル等のエステル類などを使用することができ、それら有機溶媒を単独で用いても良いし、或いは2種以上組み合わせた混合溶媒として用いても良い。
混合溶媒として用いる場合、その混合比に制限はない。用いる有機溶媒として好ましくはベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、ジクロロメタンあるいは、これらの混合溶媒であり、さらに好ましくはベンゼン、トルエン、またはこれらの混合溶媒である。
用いる有機溶媒の使用量は、使用する有機溶媒に対する化合物(2)の溶解度に基づき適宜設定すればよく、化合物(2)の固体が析出しない量であれば良い。通常有機溶媒は油状形態の化合物(2)に対して0.1〜20倍重量、好ましくは0.1〜10倍重量である。
次に、化合物(2)の有機溶媒溶液を調製する方法について説明する。化合物(2)の有機溶媒溶液は、油状形態の化合物(2)に有機溶媒を添加することによって調製できる。有機溶媒の添加は任意の温度で実施することができるが、必要に応じて一旦加温しても良い。加温する温度としては、特に制限されないが、用いる有機溶媒の沸点以下であれば良い。言うまでもなく、化合物(2)の有機溶媒溶液は任意の方法で合成した化合物(2)の粗反応溶液であっても良い。
晶析方法としては、特に制限されないが、例えば、反応晶析法、冷却晶析法、濃縮晶析法、溶剤置換を用いる晶析法又は貧溶媒を添加することによる晶析法等の一般に用いられる晶析法を、単独又は適宜組み合わせて実施する事ができる。好ましい晶析方法の態様について説明する。
冷却晶析を実施する場合は、撹拌下冷却することにより結晶化させるのが好ましい。冷却速度としては特に制限されず、冷却する温度としては上述した方法で調製された化合物(2)の有機溶媒溶液温度以下であれば特に制限されないが、30℃以下が好ましく、さらに好ましくは20℃以下であり、とりわけ好ましくは10℃以下である。最終的な到達温度としては、好ましくは0℃以下、より好ましくは−5℃以下である。
次に、貧溶媒を用いる晶析工程について説明する。貧溶媒としては特に限定されないが、例えば、ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類を使用することができ、そのなかでもn−ヘキサンまたはn−ヘプタンが好ましい。またこれらは単独で用いても良いし、或いは2種以上組み合わせた混合溶媒として用いても良い。言うまでもなく、化合物(2)を含有する有機溶媒溶液に化合物(2)の結晶が析出しない程度の貧溶媒が混入していても良い。
貧溶媒は油状形態の化合物(2)に対して0.1〜50倍重量程度、好ましくは0.5〜25倍重量程度である。貧溶媒は、有機溶媒に対して、0.5〜5倍重量用いるのが好ましい。貧溶媒は、化合物(2)を含有する有機溶媒溶液に一括添加、逐次添加または分割添加しても良い。もちろん、貧溶媒に有機溶媒溶液を添加して、逆添加の形態をとっても良い。好ましくは、逐次添加である。貧溶媒の添加時間は通常5分〜20時間程度、好ましくは30分〜5時間程度である。貧溶媒は攪拌下に滴下するのがよい。
濃縮晶析としては、化合物(2)を含有した有機溶媒溶液から有機溶媒を減圧濃縮などによって攪拌しながら除去する方法があげられ、化合物(2)が結晶化すれば、このまま単離してもよいが、濃縮晶析は冷却晶析と組み合わせて実施することが好ましい。
晶析法として好ましくは、冷却晶析法、貧溶媒を添加することによる晶析法、濃縮晶析法及び冷却晶析法を組み合わせて実施する晶析法があげられる。上記晶析方法の中でも、貧溶媒を用いる晶析方法がより好ましい。
種々の晶析方法は必要に応じて組み合わせて実施しても良い。なお、上記のいずれの方法においても、種晶を添加することにより結晶化を促進することができる。
得られた結晶は、必要に応じて、例えば、減圧乾燥(真空乾燥)することにより乾燥結晶として取得することができる。
以上のようにして得られた、化合物(2)の結晶の中でも、化合物(1)の結晶は、例えば、銅のKα線(波長λ=1.54オングストローム)の照射で得られる粉末X線回折において、回折角2θ=7.12°、9.64°、13.34°、18.02°、20.42°及び21.44°に、主ピークを示す結晶として得られる。ここでいう主ピークとは、回折角2θ=7.12°を示すピークの強度を100としたときの相対強度が20以上のピークである。本明細書において、結晶を回折ピークの位置で規定する場合には、回折角2θの値は、上記ピークがあるとして示された値及びそれに基づく範囲のみに限定されず、誤差の生じうる範囲は、本発明の結晶における回折角2θ値として包含することができる。そのような誤差の生ずる範囲は、測定条件等から当業者であれば容易に予測可能であり、例えばその誤差範囲は±0.05°である。
以下に実施例、参考例及び試験例を掲げて、本発明をより一層明らかにするが、本発明はこれに限定されるものではない。
(参考例)油状形態の(3S,4S)−4−[(1R)−1−(p−クロロフェニルチオカルボニル)エチル]−3−[(1R)−1−トリメチルシリロキシエチル]−1−ピバロイルオキシメチルオキシカルボニルメチル−2−アゼチジノンの取得
式(3):
Figure 0005016480
で示される(3S,4S)−4−[(1R)−1−(p−クロロフェニルチオカルボニル)エチル]−3−[(1R)−1−ヒドロキシルエチル]−1−ピバロイルオキシメチルオキシカルボニルメチル−2−アゼチジノン(WO2004/043973A1号参照)29.52g(60.74mmol)をトルエン240.00gに溶解し、この溶液を氷冷した。ついで反応液中にトリエチルアミン9.93g(97.18mmol)を加え、塩化トリメチルシラン9.43g(85.04mmol)を滴下した後、同温度で20時間攪拌した。反応液中に水120.00gを投入して5分間攪拌後、有機層を分取した。有機層を水にて再度洗浄し、(3S,4S)−4−[(1R)−1−(p−クロロフェニルチオカルボニル)エチル]−3−[(1R)−1−トリメチルシリロキシエチル]−1−ピバロイルオキシメチルオキシカルボニルメチル−2−アゼチジノン(1)を含有するトルエン溶液を得た。この溶液を濃縮し、油状形態の(3S,4S)−4−[(1R)−1−(p−クロロフェニルチオカルボニル)エチル]−3−[(1R)−1−トリメチルシリロキシエチル]−1−ピバロイルオキシメチルオキシカルボニルメチル−2−アゼチジノン(1)を35.56g(5%のトルエン溶媒を含む)得た。
(実施例1)結晶形態の(3S,4S)−4−[(1R)−1−(p−クロロフェニルチオカルボニル)エチル]−3−[(1R)−1−トリメチルシリロキシエチル]−1−ピバロイルオキシメチルオキシカルボニルメチル−2−アゼチジノンの取得
参考例で得られた油状形態の化合物(1)17.82gをトルエン20.80gに溶解し、攪拌しながらヘキサン30.50gを23℃で滴下した。−5℃まで冷却後、後述の実施例2で取得した種晶(0.02g)を添加したところ、(3S,4S)−4−[(1R)−1−(p−クロロフェニルチオカルボニル)エチル]−3−[(1R)−1−トリメチルシリロキシエチル]−1−ピバロイルオキシメチルオキシカルボニルメチル−2−アゼチジノン(1)が結晶として析出した。析出した結晶を濾取し、少量のヘキサンで洗浄した後真空乾燥を18時間行うと、白色の結晶形態の化合物(1)が13.7g得られた。得られた結晶は、偏光顕微鏡による観察で偏光性のある針状の結晶であった。融点:64℃。また、得られた結晶のNMRは以下の通りであった。
1H−NMR(CDCl3)δ:0.14(9H, s)、1.17(9H, s)、1.27〜1.30(6H, m)、3.05〜3.16(2H, m)、3.85(1H, d, J=18.3Hz)、4.10(1H, dd, J=2.7, 5.4Hz)、4.14〜4.20(1H, m)、4.32(1H, d, J=18.3Hz)、5.75(2H, s)、7.30(2H, d, J=8.3Hz)、7.38(2H, d, J=8.3Hz)。
また、得られた結晶の粉末X線回折測定について、下記の装置及び測定条件に従って、粉末X線回折測定を行った。
装置:回転対陰極形X線回折装置 ガイガーフレックスRAD−rA[理学電機株式会社製]
測定条件:使用X線 Cu・Kα線、X線強度 40kV、100mA、角度域 2θ=3〜80°、走査速度 2°/分、サンプリング間隔 0.02秒、ダイバージェンススリット 1.0°、レシーピングスリット 0.6°、スキャッタスリット 1.0°
結果を表1に示す。
Figure 0005016480
(実施例2)結晶形態の(3S,4S)−4−[(1R)−1−(p−クロロフェニルチオカルボニル)エチル]−3−[(1R)−1−トリメチルシリロキシエチル]−1−ピバロイルオキシメチルオキシカルボニルメチル−2−アゼチジノンの取得
参考例と同様な方法で得られた(3S,4S)−4−[(1R)−1−(p−クロロフェニルチオカルボニル)エチル]−3−[(1R)−1−トリメチルシリロキシエチル]−1−ピバロイルオキシメチルオキシカルボニルメチル−2−アゼチジノン(1)を含有するトルエン溶液11.0gを減圧濃縮し、−20℃で終夜冷却したところ、白黄色の塊状物1.2gが得られた。この塊状物を潰しながら、少量のヘキサンで洗浄した後真空乾燥行うと、白色の固体が得られ、偏光顕微鏡で観察したところ偏光性のある針状の結晶が認められた。
(実施例3)結晶形態の(3S,4S)−4−[(1R)−1−(p−クロロフェニルチオカルボニル)エチル]−3−[(1R)−1−トリメチルシリロキシエチル]−1−ピバロイルオキシメチルオキシカルボニルメチル−2−アゼチジノンの取得
参考例で得られた油状形態の(3S,4S)−4−[(1R)−1−(p−クロロフェニルチオカルボニル)エチル]−3−[(1R)−1−トリメチルシリロキシエチル]−1−ピバロイルオキシメチルオキシカルボニルメチル−2−アゼチジノン(1)に実施例2で取得した種晶を極微量添加し、室温下(25℃)で放置した。2時間後、白色の塊状物が得られた。得られた塊状物を潰しながら少量のヘキサンで洗浄した後真空乾燥を行うと白色の固体が得られ、偏光顕微鏡による観察したところ偏光性のある針状の結晶が認められた。
(実施例4)結晶形態の化合物(1)の保存安定性試験
実施例1で得た結晶形態の化合物(1)約40〜50mgをガラス瓶に秤量した後、窒素ガス雰囲気下50℃にて21日間放置した。得られた結晶は、外観の色、形状とも変化はなかった。また、初日の結晶形態の化合物(1)の残存率を100%として得られた結晶の残存率を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて測定した。ここでいう残存率はHPLCの面積百分率を基準にしており、初日の化合物(1)の面積百分率に対する値である。
[HPLC分析条件]
機種 :(株)島津製作所製 LC−10Aシリーズ
カラム:(株)ジーエルサイエンス製ODSカラム
Inertsil ODS−2(4.6mm×150mm)
溶離液:アセトニトリル/水=80/20(v/v)
流速 :1.0ml/min
検出 :220nm(UV検出器)
温度 :25℃
結果は表2に示すとおりであり、本発明の結晶形態の式(1)の化合物の安定性は良好であることが判明した。
Figure 0005016480

Claims (9)

  1. 式(1):
    Figure 0005016480
    で表される(3S,4S)−4−[(1R)−1−(p−クロロフェニルチオカルボニル)エチル]−3−[(1R)−1−トリメチルシリロキシエチル]−1−ピバロイルオキシメチルオキシカルボニルメチル−2−アゼチジノンを、有機溶媒を用いる晶析工程に付し、結晶として取得することを特徴とする、粉末X線回折パターンにおいて、回折角7.12°、9.64°、13.34°、18.02°、20.42°及び21.44°に、回折強度のピークを示す前記式(1)で表される化合物の結晶の製造方法。
  2. 晶析工程における晶析方法が、冷却晶析法、濃縮晶析法及び冷却晶析法を組み合わせて実施する晶析法、または貧溶媒を添加することによる晶析法である請求項1記載の製造方法。
  3. 晶析工程における晶析方法が、貧溶媒を添加することによる晶析法である請求項2記載の製造方法。
  4. 用いる有機溶媒が、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、及びエステル類からなる群より選ばれる1種単独溶媒または2種以上の混合溶媒である、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 有機溶媒が、n−ヘキサン、n−ヘプタン、ベンゼン、トルエン、ジクロロメタンからなる群より選ばれる1種単独または2種以上の混合溶媒である、請求項4に記載の製造方法。
  6. 貧溶媒が、脂肪族炭化水素類より選ばれる1種単独または2種以上の混合溶媒である、請求項3に記載の製造方法。
  7. 貧溶媒が、n−ヘキサン及び/またはn−ヘプタンである、請求項6に記載の製造方法。
  8. 粉末X線回折パターンにおいて、回折角7.12°、9.64°、13.34°、18.02°、20.42°及び21.44°に、回折強度のピークを示す、式(1):
    Figure 0005016480
    で表される(3S,4S)−4−[(1R)−1−(p−クロロフェニルチオカルボニル)エチル]−3−[(1R)−1−トリメチルシリロキシエチル]−1−ピバロイルオキシメチルオキシカルボニルメチル−2−アゼチジノンの結晶。
  9. 1β−メチルカルバペネム化合物を製造するための合成中間体としての、請求項8に記載の結晶の使用。
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