JP5017423B2 - 操舵制御装置 - Google Patents
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Description
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、歯車機構の噛み合わせにより生じる振動によって乗員に不快感を与えることを抑制できる操舵制御装置を提供することにある。
これにより、歯車機構にて生じる振動トルクが操舵方向によって異なる場合であっても、操舵方向に応じて適切に補助トルクを補正することができるので、運転者の不快感をより低減することができる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による操舵制御装置を図1〜図19に基づいて説明する。
まず、操舵システム100の概略構成を図1に基づいて説明する。図1に示すように、操舵システム100は、操舵制御装置1、コラム軸2、ラックアンドピニオン機構6、操舵輪7、操舵部材としてのハンドル8等を備えている。本実施形態では、コラム軸2およびラックアンドピニオン機構6が「トルク伝達経路」を構成している。
円形歯車であるステアリングピニオン60は、コラム軸2のハンドル8と反対側の端部に設けられ、出力軸20およびシャフト24と共に正逆回転する。ステアリングラックバー61は、車両の左右方向に移動可能に設けられる。ステアリングラックバー61に設けられるラック歯がステアリングピニオン60と噛み合うことにより、ステアリングピニオン60の回転運動がステアリングラックバー61の車両左右方向の直線運動に変換される。すなわち、ラックアンドピニオン機構6は、コラム軸2の回転運動を直線運動に変換している。
本実施形態では、入力軸10と出力軸20との間に設けられるディファレンシャルギアの作用により出力軸20は入力軸10の回転方向と反対方向に回転するので、ハンドル8が左方向に操舵されると、ユニバーサルジョイント9側から見てステアリングピニオン60が右回りに回転し、ステアリングラックバー61は右方向に移動し、車両が左方向へ進行するように操舵7の舵角が変更される。
また、ハンドル8が右方向に操舵されると、ユニバーサルジョイント9側から見てステアリングピニオン60が左回りに回転し、ステアリングラックバー61は左方向に移動し、車両が右方向へ進行するように操舵輪7の舵角が変更される。
操舵制御装置1は、ハウジング12、入力軸10、出力軸20、VGRS部3、EPS部5等を備える。
ハウジング12は、ハウジング本体121およびフレームエンド122と有する。ハウジング本体121とフレームエンド122とは、ねじ123により固定されている。ハウジング12には、歯車機構30が収容されるとともに、入力軸10および出力軸20が挿通される。ハウジング本体121の反フレームエンド122側には、第1軸受部13が設けられる。また、フレームエンド122には、第2軸受部14が設けられる。
出力軸20に操舵トルクが入力されていない場合、トーションバー70における捩れ変位が生じていない。このとき、磁気ヨーク72、73の爪の中心と多極磁石71のN極およびS極の境界線とが一致している。ここで、磁気ヨーク72、73の爪には、多極磁石71のN極およびS極から同数の磁力線が出入りするので、一方の磁気ヨーク72の内部の磁力線と、他方の磁気ヨーク73の内部の磁力線とが、それぞれ閉じた状態となる。したがって、集磁リング75、76の間に形成されるエアギャップに磁束が漏れることがなく、トルクセンサ94の検出する磁束密度は0となる。
歯車機構30は、入力ギア11、出力ギア23、ピニオンギア41、ウォームホイール50、およびウォーム51から構成される。なお、入力ギア11、出力ギア23、およびピニオンギア41が「ディファレンシャルギア」に対応し、ウォームホイール50およびウォーム51が「ウォームギア」に対応している。
入力ギア11の径方向内側には、第1出力軸21の入力軸10側の端部が挿入される。入力ギア11と第1出力軸21との間には、ニードル軸受113が設けられる。これにより、第1出力軸21は、入力ギア11に回転可能に支持されている。
ここで、入力ギア11、出力ギア23、およびピニオンギア41の関係性について述べておく。ピニオンギア41の歯数は偶数である。一方、入力ギア11および出力ギア23は、歯数が同一であって、その歯数は奇数である。これにより、入力ギア11とピニオンギア41との歯当たりの位置が回転に伴って入れ替わる。同様に、出力ギア23とピニオンギア41との歯当たりの位置が回転に伴って入れ替わる。したがって、特定の歯の摩耗が進行することがなく、偏摩耗によって耐久寿命を損なうことがない。なお、入力ギア11、出力ギア23、およびピニオンギア41は、その歯が曲がり歯となっており、入力ギア11とピニオンギア41との噛み合い率、および、出力ギア23とピニオンギア41との噛み合い率を高くしている。
また、入力ギア11および出力ギア23が金属で形成される場合、ピニオンギア41は樹脂で形成される。入力ギア11および出力ギア23が樹脂で形成される場合、ピニオンギア41は金属で形成される。
ウォームホイール50およびウォーム51のリード角は、進み角が摩擦角よりも小さく設定されている。これにより、ウォームホイール50とウォーム51とをセルフロック可能にしている。すなわち、ウォームホイール50とウォーム51のリード角は、セルフロック可能な角度に設定されている。
EPSウォームホイール80の径方向外側には、EPSウォーム81が噛み合っている。EPSウォーム81は、ハウジング12に設けられた第6軸受18および第7軸受19により回転可能に支持されている。なお、本実施形態では、EPSウォームホイールの歯筋が回転軸と平行に形成されている。また、EPSウォームホイール80の歯底が円弧面ではなく、平面で形成されている。これにより、加工公差よりEPSウォームホイール80の設置位置が第2出力軸22の軸方向にずれたとしても、EPSウォームホイール80とEPSウォーム81との歯当たりの状態を、正回転時と逆回転時とで同様に保つことができる。
VGRS制御部56におけるVGRS部3の制御演算処理のメインフローを図6に示す。
S110では、VGRSモータ回転角指令値演算処理を行う。
S120では、VGRSモータ回転角制御演算処理を行う。
S130では、VGRSモータにおけるPWM指令値演算処理を行う。
S140では、S130で算出されたPWM指令値に基づき、VGRSインバータ57を構成するスイッチング素子のオン/オフを切り替えることにより、VGRSモータ52の駆動を制御する。
S111では、車速センサ91により検出される車速センサ値を読み込み、車両の走行速度である車速を取得する。また、ハンドル角センサ92により検出されるハンドル角センサ値を読み込み、ハンドル8の操舵角を取得する。
θc=θh×(z−1)×i×0.5 …(1)
S121では、図7中のS113で算出されたVGRSモータ回転角指令値θcを取得する。また、VGRSモータ回転角センサ93により検出されるVGRSモータ回転角センサ値を読み込み、VGRSモータ回転角θmを取得する。
S122では、角度差分値θdを算出する。角度差分値θdは、以下の式(2)により算出される。
θd=θc−θm …(2)
S131では、図8中のS123で算出されたVGRSモータ電圧指令値Vvcを取得する。
S132では、VGRSモータPWM指令値Pvを算出する。バッテリ電圧をVbとすると、Pvは、以下の式(4)により算出される。
Pv=Vvc/Vb×100 …(4)
EPS制御部86におけるEPS部5の制御演算処理のメインフローを図11に示す。
最初のS200では、車速センサ91により検出される車速センサ値を読み込み、車両の走行速度である車速を取得する。また、トルクセンサ94のセンサ値を読み込み、乗員によりハンドル8が操舵されることにより生じる操舵トルクを取得する。さらにまた、EPSモータ電流センサ95により検出される電流センサ値を読み込み、EPSモータ82に通電されるモータ電流を取得する。
S220では、EPSモータ電流制御演算を行う。
S230では、PWM指令値演算処理を行う。
S240では、S230で算出されたPWM指令値に基づき、EPSインバータ87を構成するスイッチング素子のオン/オフを切り替えることにより、EPSモータ82の駆動を制御する。
S211では、車速センサ91により検出される車速センサ値を読み込み、車両の走行速度である車速を取得する。また、トルクセンサ94のセンサ値を読み込み、乗員によりハンドル8が操舵されることにより生じる操舵トルクを取得する。
S221では、図11中のS112で算出されたEPSモータ電流指令値Icを取得する。また、EPSモータ電流センサ95により検出される電流センサ値を読み込み、EPSモータ82に通電されるモータ電流Imを取得する。
S222では、電流差分値Idを算出する。電流差分値Idは、以下の式(5)により算出される。
Id=Ic−Im …(5)
S231では、図13中のS223で算出されたEPSモータ電圧指令値Vecを取得する。
S232では、EPSモータPWM指令値Peを算出する。バッテリ電圧をVbとすると、Peは、以下の式(7)により算出される。
Pe=Vec/Vb×100 …(7)
ピニオンギア41の歯数をN1、出力ギア23の歯数をN2とする。そして、矢印X1で示すようにピニオンギア41を回転させると、ピニオンギア41の回転に伴い、矢印X2で示すように出力ギア23が回転し、ピニオンギア41に入力されたトルクが出力ギア23へ伝達される。ピニオンギア41から出力ギア23へのトルク伝達効率をηとすると、ピニオンギア41を一定の入力トルクT1で回転させた場合に出力ギア23に伝達される出力トルクT2は、以下の式(8)で表される。
T2=N2/N1×η×T1 …(8)
図17(a)に示すように、出力ギア23およびピニオンギア41に曲がり歯歯車を用いた場合、回転に伴い、矢印THで示すように、スラスト方向の力が発生する。このスラスト方向の力は、ギアの回転方向によって正負が逆転する。これにより、ギアが曲がり歯歯車である場合であって、寸法誤差がある場合、噛み合う歯の組み合わせ、および回転方向毎にトルク伝達効率ηが変動する。そのため、曲がり歯歯車において、実際に出力される出力トルクT3、T4は、図17(b)に示すように、ギアの歯の組み合わせ毎にトルク脈動が発生する。また、回転方向により正負が反対となるスラスト方向の力が生じるので、回転方向毎に異なるトルク脈動となる。図17に示す例では、ギアが左方向に回転したとき、曲がり歯歯車でない場合と比較して出力トルクT3が相対的に小さくなる。また、ギアが右方向に回転したとき、曲がり歯歯車でない場合と比較して出力トルクT4が相対的に大きくなる。
このようなトルクの脈動は、入力ギア11およびピニオンギア41においても同様である。
最初のS301では、ハンドル角センサ92により検出されるハンドル角センサ値を読み込み、ハンドル角θhを取得する。また、ハンドル角速度を取得する。本実施形態では、ハンドル角速度は、ハンドル角θhを微分することにより算出される。また、ハンドル8が右方向に操舵された場合のハンドル角速度を正、ハンドル8が左方向に操舵された場合のハンドル角速度を負とする。
S304では、S303にて取得された右操舵時振動トルクに基づき、差分トルクtmpを算出する。本実施形態では、S303にて取得された右操舵時振動トルクを差分トルクtmpとする。
S307では、S306にて取得された左操舵時振動トルクに基づき、差分トルクtmpを算出する。本実施形態では、S306にて取得された左操舵時振動トルクを差分トルクtmpとする。
ハンドル角速度が0である場合(S305:NO)に移行するS308では、差分トルクtmp=0とする。
Ica=Ic+tmp×Ktm …(9)
(1)入力軸10は、乗員により操舵されるハンドル8に連結される。出力軸20は、入力軸10と相対回転可能に設けられ、ハンドル8に加えられた操舵力を操舵輪7側へ伝達するトルク伝達経路をなしている。VGRS部3は、入力軸10の回転を出力軸20側へ伝達する歯車機構30、および歯車機構30を駆動するVGRSモータ52を有し、入力軸10の回転角度と出力軸20の回転角度との比を可変にする。EPS部5は、EPSモータ82を有し、EPSモータ82を駆動することにより生じるトルクにより乗員によるハンドル8の操舵を補助する。
本発明の第2実施形態による補助トルク補正処理を図19に基づいて説明する。なお、本実施形態の操舵制御装置1は、歯車機構30を構成する入力ギア11、出力ギア23、ピニオンギア41がいずれも図16(a)に示すような曲がり歯でない歯車である点を除き、上記第1実施形態と同様の構成であり、EPS制御部86にて実行される補助トルク補正処理のみが異なっている。そのため、本実施形態では、補助トルク補正処理のみを説明し、全体構成や補助トルク補正処理以外の制御処理についての説明は省略する。
S402では、振動トルクマップを参照し、ハンドル角θhに応じた振動トルクTpを取得する。また、取得された振動トルクTpに基づき、差分トルクtmpを算出する。なお、本実施形態では、取得された振動トルクTpを差分トルクtmpとする。
また、本実施形態では、歯車機構30が曲がり歯歯車ではないので、ハンドル8の操舵方向によらず、ハンドル角θhに応じた振動トルクTpに基づき、EPSモータ82により発生する補助トルクを補正している。これにより、より容易に補助トルクを補正することができる。
なお、本実施形態では、図19中のS402が「振動トルク取得手段」の機能としての処理に相当し、S403が「補正手段」の機能としての処理に相当する。
上記実施形態では、ハンドルを操舵することにより歯車機構において生じる振動トルクがマップとして予め記憶されていた。上記実施形態では、入力ギア11および出力ギア23の歯数とピニオンギア41の歯数とでは、一方が奇数であり、他方が偶数であったため、ハンドル角θhの角度範囲を0°≦θh<720°とし、ハンドル角θhと振動トルクTpとが対応づけて記憶されていた。他の実施形態では、ハンドルの回転ごとに噛み合う歯が変わらない場合、ハンドル角の角度範囲を0°≦θh<360°とし、ハンドル角θhと振動トルクTpとが対応づけて記憶されているようにしてもよい。また例えば、振動トルクが、ハンドル角に応じた関数(例えば正弦波関数)に近似できる場合、振動トルクを算出する関数を設定しておき、この関数を用いて振動トルクを算出してもよい。
さらにまた、上記実施形態では、歯車機構において生じる振動トルクがマップとして記憶されていたが、振動トルクに基づいてEPS部の補正に係る補正トルクを予め算出しておき、この補正トルクをマップとして記憶しておいてもよい。
上記実施形態では、VGRS部は、VGRSモータの回転角に基づいてVGRSモータ電圧指令値を算出して制御されていたが、VGRSモータの回転角に替えて、ピニオン角センサにより検出されるピニオン角に基づいて制御してもよい。
図20に示す操舵システム200のように、ラックアンドピニオン機構6は、左右の操舵輪7の回転中心を結ぶ直線Lよりも車両前方側に設けてもよい。図20に示す例において、左右の操舵輪7の回転中心を結ぶ直線Lとステアリングピニオン60との間の距離Aは、左右の操舵輪7の回転中心を結ぶ直線Lとステアリングラックバー61との距離Bよりも長くなっている。
また、ハンドル8が右方向に操舵されると、ユニバーサルジョイント9側から見てステアリングピニオン60が左回りに回転し、ステアリングラックバー61は右方向に移動し、車両が右方向に進行するように操舵輪7の舵角が変更される。
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
2・・・コラム軸
3・・・操舵比可変部
5・・・電動パワーステアリング部(パワーステアリング部)
6・・・ラックアンドピニオン機構
7・・・操舵輪
8・・・ハンドル(操舵部材)
10・・・入力軸
11・・・入力ギア
20・・・出力軸
23・・・出力ギア
30・・・歯車機構
41・・・ピニオンギア
52・・・VGRSモータ(第1のモータ)
55・・・VGRS ECU
56・・・VGRS制御部
57・・・VGRSインバータ
82・・・EPSモータ(第2のモータ)
85・・・EPS ECU
86・・・EPS制御部(振動トルク取得手段、補正手段、駆動制御手段、操舵方向取得手段)
87・・・EPSインバータ
100・・・操舵システム
Claims (5)
- 乗員により操舵される操舵部材に連結される入力軸と、
前記入力軸と相対回転可能に設けられ、前記操舵部材に加えられた操舵力を操舵輪側へ伝達するトルク伝達経路をなす出力軸と、
前記入力軸の回転を前記出力軸へ伝達する歯車機構および前記歯車機構を駆動する第1のモータを有し、前記入力軸の回転角度と前記出力軸との回転角度との比を可変にする操舵比可変部と、
第2のモータを有し、前記第2のモータを駆動することで生じるトルクにより乗員による前記操舵部材の操舵を補助するパワーステアリング部と、
前記操舵部材を操舵することによる前記歯車機構の振動により生じる振動トルクを取得する振動トルク取得手段と、
前記振動トルク取得手段により取得された前記振動トルクに基づき、乗員による前記操舵部材の操舵の補助に係る補助トルクを補正する補正手段と、
前記補正手段により補正された前記補助トルクが出力されるように前記第2のモータの駆動を制御する駆動制御手段と、
を備えることを特徴とする操舵制御装置。 - 前記操舵部材が操舵された方向を取得する操舵方向取得手段をさらに備え、
前記操舵方向取得手段により取得された前記操舵部材の操舵方向が右方向である場合、
前記振動トルク取得手段は、前記操舵部材を右方向に操舵することによる前記歯車機構の振動により生じる右操舵時振動トルクを取得し、
前記補正手段は、前記右操舵時振動トルクに基づき、前記補助トルクを補正し、
前記操舵方向取得手段により取得された前記操舵部材の操舵方向が左方向である場合、
前記振動トルク取得手段は、前記操舵部材を左方向に操舵することによる前記歯車機構の振動により生じる左操舵時振動トルクを取得し、
前記補正手段は、前記左操舵時振動トルクに基づき、前記補助トルクを補正することを特徴とする請求項1に記載の操舵制御装置。 - 前記歯車機構は、少なくとも1組の曲がり歯歯車を有することを特徴とする請求項1または2に記載の操舵制御装置。
- 前記トルク伝達経路は、前記入力軸および前記出力軸を有するコラム軸、および前記コラム軸の回転運動を直線運動に変換するラックアンドピニオン機構からなり、
前記操舵比可変部および前記パワーステアリング部は、前記コラム軸に設けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の操舵制御装置。 - 前記操舵比可変部および前記パワーステアリング部は、一体にモジュール化されていることを特徴とする請求項4に記載の操舵装置。
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