本発明の実施形態に係る電力変換装置について、図面を参照しながら以下詳細に説明する。本発明の実施形態に係る電力変換装置は、ハイブリッド用の自動車や純粋な電気自動車に適用可能であるが、代表例として、本発明の実施形態に係る電力変換装置をハイブリッド自動車に適用した場合の制御構成と電力変換装置の回路構成について、図1と図2を用いて説明する。図1はハイブリッド自動車の制御ブロックを示す図である。
本発明の実施形態に係る電力変換装置では、自動車に搭載される車載電機システムの車載用電力変換装置、特に、車両駆動用電機システムに用いられ、搭載環境や動作的環境などが大変厳しい車両駆動用インバータ装置を例に挙げて説明する。車両駆動用インバータ装置は、車両駆動用電動機の駆動を制御する制御装置として車両駆動用電機システムに備えられ、車載電源を構成する車載バッテリ或いは車載発電装置から供給された直流電力を所定の交流電力に変換し、得られた交流電力を車両駆動用電動機に供給して車両駆動用電動機の駆動を制御する。また、車両駆動用電動機は発電機としての機能も有しているので、車両駆動用インバータ装置は運転モードに応じ、車両駆動用電動機の発生する交流電力を直流電力に変換する機能も有している。変換された直流電力は車載バッテリに供給される。
なお、本実施形態の構成は、自動車やトラックなどの車両駆動用電力変換装置として最適であるが、これら以外の電力変換装置、例えば電車や船舶,航空機などの電力変換装置、さらに工場の設備を駆動する電動機の制御装置として用いられる産業用電力変換装置、或いは家庭の太陽光発電システムや家庭の電化製品を駆動する電動機の制御装置に用いられたりする家庭用電力変換装置に対しても適用可能である。
図1において、ハイブリッド電気自動車(以下、「HEV」と記述する)110は1つの電動車両であり、2つの車両駆動用システムを備えている。その1つは、内燃機関であるエンジン120を動力源としたエンジンシステムである。エンジンシステムは、主としてHEVの駆動源として用いられる。もう1つは、モータジェネレータ192,194を動力源とした車載電機システムである。車載電機システムは、主としてHEVの駆動源及びHEVの電力発生源として用いられる。モータジェネレータ192,194は例えば同期機あるいは誘導機であり、運転方法によりモータとしても発電機としても動作するので、ここではモータジェネレータと記すこととする。
車体のフロント部には前輪車軸114が回転可能に軸支されている。前輪車軸114の両端には1対の前輪112が設けられている。車体のリア部には後輪車軸(図示省略)が回転可能に軸支されている。後輪車軸の両端には1対の後輪が設けられている。本実施形態のHEVでは、動力によって駆動される主輪を前輪112とし、連れ回される従輪を後輪とする、いわゆる前輪駆動方式を採用しているが、この逆、すなわち後輪駆動方式を採用しても構わない。
前輪車軸114の中央部には前輪側デファレンシャルギア(以下、「前輪側DEF」と記述する)116が設けられている。前輪車軸114は前輪側DEF116の出力側に機械的に接続されている。前輪側DEF116の入力側には変速機118の出力軸が機械的に接続されている。前輪側DEF116は、変速機118によって変速されて伝達された回転駆動力を左右の前輪車軸114に分配する差動式動力分配機構である。変速機118の入力側にはモータジェネレータ192の出力側が機械的に接続されている。モータジェネレータ192の入力側には動力分配機構122を介してエンジン120の出力側及びモータジェネレータ194の出力側が機械的に接続されている。尚、モータジェネレータ192,194及び動力分配機構122は、変速機118の筐体の内部に収納されている。
モータジェネレータ192,194は、回転子に永久磁石を備えた同期機であり、固定子の電機子巻線に供給される交流電力がインバータ装置142によって制御されることによりモータジェネレータ192,194の駆動が制御される。インバータ装置142にはバッテリ136が電気的に接続されており、バッテリ136とインバータ装置142との相互において電力の授受が可能である。
本実施形態では、モータジェネレータ192及びインバータ装置142からなる第1電動発電ユニットと、モータジェネレータ194及びインバータ装置142からなる第2電動発電ユニットとの2つを備え、運転状態に応じてそれらを使い分けている。すなわち、エンジン120からの動力によって車両を駆動している場合において、車両の駆動トルクをアシストする場合には第2電動発電ユニットを発電ユニットとしてエンジン120の動力によって作動させて発電させ、その発電によって得られた電力によって第1電動発電ユニットを電動ユニットとして作動させる。また、同様の場合において、車両の車速をアシストする場合には第1電動発電ユニットを発電ユニットとしてエンジン120の動力によって作動させて発電させ、その発電によって得られた電力によって第2電動発電ユニットを電動ユニットとして作動させる。
また、本実施形態では、バッテリ136の電力によって第1電動発電ユニットを電動ユニットとして作動させることにより、モータジェネレータ192の動力のみによって車両の駆動ができる。さらに、本実施形態では、第1電動発電ユニット又は第2電動発電ユニットを発電ユニットとしてエンジン120の動力或いは車輪からの動力によって作動させて発電させることにより、バッテリ136の充電ができる。
インバータ装置142およびインバータ装置43さらにコンデンサモジュール500は電気的に密接な関係にある。さらに発熱に対する対策が必要な点が共通している。また装置の体積をできるだけ小さく作ることが望まれている。電力変換装置1は、インバータ装置142、さらにコンデンサモジュール500を電力変換装置1の筐体内に内蔵している。この構成により、小型で信頼性の高い装置が実現できる。
またインバータ装置142、さらにコンデンサモジュール500を一つの筐体に内蔵することで、配線の簡素化やノイズ対策で効果がある。またコンデンサモジュール500とインバータ装置142およびインバータ装置43との接続回路のインダクタンスを低減でき、スパイク電圧を低減できると共に、発熱の低減や放熱効率の向上を図ることができる。
次に、図2を用いてインバータ装置142の電気回路構成を説明する。尚、図1,図2に示す実施形態では、インバータ装置142をそれぞれ個別に構成する場合を例に挙げて説明する。インバータ装置142は同様の構成で同様の作用を為し、同様の機能を有しているので、ここでは、代表例としてインバータ装置142の説明を行う。
本実施形態に係る電力変換装置1は、インバータ回路部140とコンデンサモジュール500とを備え、インバータ回路部140はインバータ回路部140と制御部170とを有している。また、インバータ回路部140は、上アームとして動作するIGBT100(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)及びダイオード156と、下アームとして動作するIGBT100及びダイオード156と、からなる上下アーム直列回路150を複数有し、それぞれの上下アーム直列回路の中点部分から交流端子を通してモータジェネレータ192への交流電力線(交流バスバー)と接続する構成である。また、制御部170はインバータ回路を駆動制御するドライバ回路174と、ドライバ回路174へ信号線176を介して制御信号を供給する制御回路172と、を有している。
上アームと下アームのIGBT100は、スイッチング用パワー半導体素子であり、制御部170から出力された駆動信号を受けて動作し、バッテリ136から供給された直流電力を三相交流電力に変換する。この変換された電力はモータジェネレータ192の電機子巻線に供給される。
インバータ回路部140は3相ブリッジ回路により構成されており、3相分の上下アーム直列回路がそれぞれ、バッテリ136の正極側と負極側に電気的に接続されている直流正極端子と直流負極端子の間に電気的に並列に接続されている。
本実施形態では、スイッチング用パワー半導体素子としてIGBT100を用いることを例示している。IGBT100のコレクタ電極とエミッタ電極との間にはダイオード156が図示するように電気的に接続されている。ダイオード156は、カソード電極及びアノード電極の2つの電極を備えており、IGBT100のエミッタ電極からコレクタ電極に向かう方向が順方向となるように、カソード電極がIGBT100のコレクタ電極に、アノード電極がIGBT100のエミッタ電極にそれぞれ電気的に接続されている。スイッチング用パワー半導体素子としてはMOSFET(金属酸化物半導体型電界効果トランジスタ)を用いてもよい、この場合はダイオード156は不要となる。
上下アーム直列回路は、モータジェネレータ192の電機子巻線の各相巻線に対応して3相分設けられている。3つの上下アーム直列回路150はそれぞれ、IGBT100のエミッタ電極とIGBT100のコレクタ電極を接続する中間電極,交流端子を介してモータジェネレータ192へのU相,V相,W相を形成している。上下アーム直列回路同士は電気的に並列接続されている。
上アームのIGBT100のコレクタ電極は正極端子(P端子)を介してコンデンサモジュール500の正極側コンデンサ電極に、下アームのIGBT100のエミッタ電極は負極端子(N端子)を介してコンデンサモジュール500の負極側コンデンサ電極にそれぞれ電気的に接続(直流バスバーで接続)されている。各アームの中点部分(上アームのIGBT100のエミッタ電極と下アームのIGBT100のコレクタ電極との接続部分)にあたる中間電極は、モータジェネレータ192の電機子巻線の対応する相巻線に交流コネクタ188を介して電気的に接続されている。
コンデンサモジュール500は、IGBT100のスイッチング動作によって生じる直流電圧の変動を抑制する平滑回路を構成するためのものである。コンデンサモジュール500の正極側コンデンサ電極にはバッテリ136の正極側が、コンデンサモジュール500の負極側コンデンサ電極にはバッテリ136の負極側がそれぞれ直流コネクタを介して電気的に接続されている。これにより、コンデンサモジュール500は、上アームIGBT100のコレクタ電極とバッテリ136の正極側との間と、下アームIGBT100のエミッタ電極とバッテリ136の負極側との間で接続され、バッテリ136と上下アーム直列回路に対して電気的に並列接続される。
制御部170はIGBT100を作動させるためのものであり、他の制御装置やセンサなどからの入力情報に基づいて、IGBT100のスイッチングタイミングを制御するためのタイミング信号を生成する制御回路172と、制御回路172から出力されたタイミング信号に基づいて、IGBT100をスイッチング動作させるためのドライブ信号を生成するドライブ回路174とを備えている。
制御回路172は、IGBT100のスイッチングタイミングを演算処理するためのマイクロコンピュータ(以下、「マイコン」と記述する)を備えている。マイコンには入力情報として、モータジェネレータ192に対して要求される目標トルク値、上下アーム直列回路150からモータジェネレータ192の電機子巻線に供給される電流値、及びモータジェネレータ192の回転子の磁極位置が入力されている。目標トルク値は、不図示の上位の制御装置から出力された指令信号に基づくものである。電流値は、電流センサ(不図示)から出力された検出信号に基づいて検出されたものである。磁極位置は、モータジェネレータ192に設けられた回転磁極センサ(不図示)から出力された検出信号に基づいて検出されたものである。本実施形態では3相の電流値を検出する場合を例に挙げて説明するが、2相分の電流値を検出するようにしても構わない。
制御回路172内のマイコンは、目標トルク値に基づいてモータジェネレータ192のd,q軸の電流指令値を演算し、この演算されたd,q軸の電流指令値と、検出されたd,q軸の電流値との差分に基づいてd,q軸の電圧指令値を演算し、この演算されたd,q軸の電圧指令値を、検出された磁極位置に基づいてU相,V相,W相の電圧指令値に変換する。そして、マイコンは、U相,V相,W相の電圧指令値に基づく基本波(正弦波)と搬送波(三角波)との比較に基づいてパルス状の変調波を生成し、この生成された変調波をPWM(パルス幅変調)信号としてドライバ回路174に出力する。
ドライバ回路174は、下アームを駆動する場合、PWM信号を増幅し、これをドライブ信号として、対応する下アームのIGBT100のゲート電極に、上アームを駆動する場合、PWM信号の基準電位のレベルを上アームの基準電位のレベルにシフトしてからPWM信号を増幅し、これをドライブ信号として、対応する上アームのIGBT100のゲート電極にそれぞれ出力する。これにより、各IGBT100は、入力されたドライブ信号に基づいてスイッチング動作する。
図3は、本実施形態に係るIGBT100の駆動装置のブロック構成図である。本図では駆動の対象となるIGBT100のみが表示され、IGBT100に接続される負荷やターンオフ制御に関わる構成やその他のIGBT装置の構成は省略されている。
本実施の形態の駆動装置は、駆動回路200および駆動回路300と、駆動回路200,駆動回路300とIGBT100のゲートとをそれぞれ接続する抵抗400および抵抗410と、ゲート用電源Vと、各駆動回路の動作を制御する制御回路部600と、電圧変化率検出回路700とゲートに印加される電圧を検出する電圧検出回路800,900,1000を有する。電圧検出回路は、一つのIGBT100に対し、3つ存在する。後述するゲート電圧の基準電圧が3つ存在する為である。これら電圧検出回路800,900,1000は、ドライバ回路174に内蔵されている。さらに、制御回路部600及び駆動回路200,300もドライバ回路174に内蔵されている。
制御回路部600は、オンゲート入力信号Vin,電圧変化率検出回路700、さらにゲートの電圧検出回路800,900,1000、それぞれの出力信号を受信し、駆動回路200,300を切り換えるタイミングを決定する。さらに、制御回路部600は、そのタイミングに応じて駆動回路200と駆動回路300を切り換える論理回路を有する。本実施形態では、駆動回路200,300は、pMOSトランジスタで構成されているが、それ以外の他のスイッチ機能を有する装置であっても構わない。その他の回路ブロックの構成についても同様の機能を有していれば、本実施の形態に示した構成と同一でなくても構わない。
図4は、本実施形態に係るゲート抵抗の切り換えタイミングを示す波形である。図4(a)は、ミラー期間(期間2)におけるゲート電圧が、あらかじめ定めた基準電圧(Vsp(2))より小さい場合における、ゲート抵抗の切り換えタイミングを示す波形である。一方、図4(b)は、ミラー期間(期間2)におけるゲート電圧が、あらかじめ定めた基準電圧(Vsp(2))より大きい場合における、ゲート抵抗の切り換えタイミングを示す波形である。
図4(a)に示されるように、ミラー期間(期間2)におけるゲート電圧が基準電圧Vsp(2)より小さい場合には、コレクタ電流が小さくなる(期間2後半から期間3におけるコレクタ電流)。コレクタ電流が小さいため、ノイズ等が発生しにくい。そこで、もともとノイズ発生の可能性が低い場合には、積極的にスイッチング損失を低減するために、ミラー期間(期間2)中のゲート抵抗を小さくする。ここで、ミラー期間を精度良く検出することが求められるが、本実施形態では、このゲート抵抗を切り換えるタイミングであるミラー期間(期間2)を検出する為に、電圧変換率検出回路700により検出されるゲート電圧変化率(dV/dt値)を用いている。
具体的に図4(a)に示される波形に基づいて、本実施例に係るゲート抵抗の切り換えタイミングを説明する。
まず、オンゲート入力信号VinにHi信号が入力されると(t1)、IGBT100がターンオン動作に入り、ゲート電圧が上昇し始める(t1〜t2)。このとき、駆動回路200と駆動回路300が導通しており、電源電圧Vが、抵抗Raより低い抵抗値であるRaRb/(Ra+Rb)を介してIGBTゲートに印加される(t1〜t2)。
ゲート電圧が時間と共に上昇し、電圧検出回路800,900,1000により、このゲート電圧が検出される。ゲート電圧が上昇し、予め定めた電圧Vsp(1)に到達したことを電圧検出回路が検出すると(t2)、制御回路部600は駆動回路300を遮断する。これにより、電源電圧Vは、駆動回路200に接続された抵抗Raを介してIGBTゲートに印加される(t2〜t3)。この抵抗Raの抵抗値は、抵抗Rbの抵抗値より大きく設定されている。この予め定めた電圧Vsp(1)は、各々のIGBTの特性によって決定されるが、少なくとも当該IGBTのミラー期間中のゲート電圧値よりも小さく設定される。
その後、ゲート電圧検出回路900がゲート電圧を検出し制御回路部600にゲート電圧波形を出力し、制御回路部600は、検出されたゲート電圧と予め定めた電圧Vsp(2)を比較する。
一方、オンゲート入力信号Vinが入力されてからのゲート電圧は、電圧変化率検出回路700に入力されており、この電圧変化率検出回路700によってゲート電圧の変化率が検出される。前述のように、このゲート電圧変化率に基づいて、ゲート抵抗の切り換えタイミングであるミラー期間を検知する。具体的には、ターンオン動作に入り、ゲート電圧が上昇し始める期間(t1〜t2)におけるゲート電圧変化率(dV1)を100%とした場合に、例えば、そのゲート電圧変化率(dV1)の30%程度までゲート電圧変化率が減少したときに(dV2)、IGBT100のミラー期間であると判定することができる。なお、ミラー期間の判定に際し、ゲート電圧変化率の減少率は、各々のIGBTの特性によって決定され、使用されるIGBTに合せて、ゲート電圧変化率の閾値を設定することができる。
上記のように、ゲート電圧変化率に基づいて、ゲート抵抗の切り換えタイミングであるミラー期間を検知し(t3)、その時のゲート電圧が、予め定めた電圧Vsp(2)より小さいときは、コレクタ電流が小さくなるためノイズが発生しにくい。そこで積極的にスイッチング損失を低減するために、ミラー期間(期間2)中のゲート抵抗を小さくする(t3)。
これにより、もともとノイズ発生の可能性が低い場合には、積極的にスイッチング損失の低減を図り、駆動装置全体の発熱を抑制することができる。
一方、図4(b)に示されるように、ミラー期間(期間2)のように、あらかじめ定めた基準電圧(Vsp(2))よりゲート電圧が大きい場合には、コレクタ電流が大きくなる(期間2後半から期間3における電流)。コレクタ電流が大きいため、ノイズ等により誤動作及び素子破壊等を招く恐れがある。そこで、もともとノイズ発生の可能性が高い場合には、積極的にノイズの発生を抑制するために、ミラー期間(期間2)中のゲート抵抗を大きくする。図4(a)の場合と同様に、ミラー期間を精度良く検出することが求められるが、本実施形態では、このゲート抵抗を切り換えるタイミングであるミラー期間(期間2)を検出する為に、電圧変換率検出回路700によりゲート電圧変化率(dV/dt値)を用いている。
具体的に図4(b)に示される波形に基づいて、本実施例に係るゲート抵抗の切り換えタイミングを説明する。ここで、オンゲート入力信号Vinが入力されてから(t1)、ミラー期間に到達するまでは、図4(a)の説明と同様である。
t3において、ゲート電圧検出回路900がゲート電圧を検出し制御回路部600にゲート電圧波形を出力し、制御回路部600は、検出されたゲート電圧と予め定めた電圧Vsp(2)を比較する。
一方、前述のように、ゲート電圧変化率に基づいて、ゲート抵抗の切り換えタイミングであるミラー期間を検知し(t3)、その時のゲート電圧が、予め定めた電圧Vsp(2)より大きいときは、コレクタ電流が大きくなるためノイズが発生する可能性が高い。そこで積極的にノイズ発生を抑制するために、ミラー期間(期間2)中のゲート抵抗値を大きく、すなわち、Raのまま維持する(t3〜t4)。なお、ゲート抵抗値は、Raのまま維持するだけでなく、Raより大きくしてもよい。すなわち、ゲート抵抗値をRaより小さくならないように駆動回路200,300を制御すればよい。
これにより、もともとノイズ発生の可能性が高い場合には、少々のスイッチング損失を犠牲にしても、ノイズ等により誤動作及び素子破壊等を招く可能性を低減している。
なお、図4に説明した実施形態では、ゲート電圧が基準電圧Vsp(2)より小さいときにゲート抵抗を小さくし、ゲート電圧が基準電圧Vsp(2)より大きいときはゲート抵抗を大きくしたが、その逆の関係であってもよい。IBGTの特性によっては、ゲート電圧が基準電圧Vsp(2)より小さいときに、ノイズが発生しやすい場合もあるため、その場合には積極的にノイズ発生を抑制するために、ゲート抵抗を大きくする。この場合でも、より精度良く、ミラー期間を検出する必要があるので、ゲート電圧変化率に基づいてゲート抵抗の切り換えタイミングであるミラー期間を検知する。
図5は、電圧変化率検出回路700によるゲート電圧の変化率の検出に失敗した場合におけるゲート抵抗の切り換えタイミングを示す波形である。本図におけて、(A)に係るゲート電圧変化率及びゲート抵抗は、ゲート電圧の変化率の検出に失敗しなかった場合を示し、(B)に係るゲート電圧変化率及びゲート抵抗は、ゲート電圧の変化率の検出に失敗した場合を示す。Δt1はミラー期間であるため電圧変化率が小さくなる期間である。Vg1はゲート電圧変化率の検出に失敗した時のゲート電圧の変化を示す。Δt2は、Δt1と同じようにミラー期間であるため電圧変化率が小さくなる期間であるが、後述するようにゲート抵抗値が大きいことによって、Δt1のミラー期間が長くなっていることを示す。
本実施形態では、電圧変化率検出回路700がゲート電圧変化率の検出に失敗した場合であっても、ノイズ等による誤動作及び素子破壊等を招く恐れを低減させるための手段を講じている。
具体的には、オンゲート入力信号VinにHi信号が入力されると(t1)、IGBT100がターンオン動作に入り、ゲート電圧が上昇し始める(t1〜t2)。このとき、駆動回路200と駆動回路300が導通しており、電源電圧Vが、抵抗Raより低い抵抗値であるRaRb/(Ra+Rb)を介してIGBTゲートに印加される(t1〜t2)。
ゲート電圧が時間と共に上昇し、電圧検出回路800,900,1000により、このゲート電圧が検出される。ゲート電圧が上昇し、予め定めた電圧Vsp(1)に到達したことを電圧検出回路が検出すると(t2)、一先ず制御回路部600は駆動回路300を遮断する。図4にて説示したように、この予め定めた電圧Vsp(1)は、各々のIGBTの特性によって決定されるが、少なくとも当該IGBTのミラー期間中のゲート電圧値よりも小さく設定される。
その後、(B)に係るゲート電圧変化率検出失敗時のように、IGBT100の変化率がdV2(t3〜t6のミラー期間)であるのに、電圧変化率検出回路700がゲート電圧変化率の検出に失敗して、電圧変化率検出回路700の検出値がdV1とdV2の間となってしまい、ミラー期間を検出できない場合が想定される。このようなミラー期間の検出が出来ていない状態で、ゲート抵抗を大きい抵抗値Raから小さい抵抗値RaRb/(Ra+Rb)に変更すると、コレクタ電流が急激に大きくなるおそれがあり、ノイズ等により誤動作及び素子破壊等を招く恐れがある。
そこで、本実施形態では、ゲート電圧が予め定めた電圧Vsp(1)に到達した時点(t2)で一先ずゲート抵抗を大きい抵抗値Raに変更する。そして、電圧変化率検出回路700がdV2を検出するまでは、ミラー期間を正しく検出できないので、ゲート抵抗を大きい抵抗値Raのままで維持する。これにより、もともとノイズ発生の可能性が高い場合には、少々のスイッチング損失を犠牲にしても、ノイズ等により誤動作及び素子破壊等を招く可能性を低減し、信頼性向上を図っている。
なお、その後、電圧変化率検出回路700の検出値が、dV2を検出することなく、再びdV1を検出した場合には、ゲート抵抗を大きい抵抗値Raから小さい抵抗値RaRb/(Ra+Rb)に変更する(t6)。これにより、ゲート抵抗が長期間大きい抵抗値Raままでいることを防止して、スイッチング損失の低減を図っている。
図6は、電圧変化率検出回路700によるゲート電圧の変化率の検出に失敗した場合におけるゲート抵抗の切り換えタイミングを示す波形である。本図におけて、(A)に係るゲート電圧変化率及びゲート抵抗は、ゲート電圧の変化率の検出に失敗しなかった場合を示し、(B)に係るゲート電圧変化率及びゲート抵抗は、ゲート電圧の変化率の検出に失敗した場合を示す。Δt1はミラー期間であるため電圧変化率が小さくなる期間である。Vg1はゲート電圧変化率の検出に失敗した時のゲート電圧の変化を示す。Δt2は、Δt1と同じようにミラー期間であるため電圧変化率が小さくなる期間であるが、後述するようにゲート抵抗値が大きいことによって、Δt1のミラー期間が長くなっていることを示す。
本実施形態では、電圧変化率検出回路700がゲート電圧変化率の検出に失敗した場合であっても、ノイズ等による誤動作及び素子破壊等を招く恐れを低減させつつ、スイッチング損失を低減するための手段を講じている。
具体的には、オンゲート入力信号VinにHi信号が入力されると(t1)、IGBT100がターンオン動作に入り、ゲート電圧が上昇し始める(t1〜t2)。このとき、駆動回路200と駆動回路300が導通しており、電源電圧Vが、抵抗Raより低い抵抗値であるRaRb/(Ra+Rb)を介してIGBTゲートに印加される(t1〜t2)。
ゲート電圧が時間と共に上昇し、電圧検出回路800,900,1000により、このゲート電圧が検出される。ゲート電圧が上昇し、予め定めた電圧Vsp(1)に到達したことを電圧検出回路が検出すると(t2)、制御回路部600は駆動回路300を遮断する。
ここでは、図4(b)に示したようにゲート電圧が、予め定めた電圧Vsp(2)より大きくなった場合を想定している。したがって、ノイズ発生を抑制するためにt3〜t4の期間では、ゲート抵抗を抵抗Raのまま維持している。
一方、t4において、実際のIGBT100のゲート電圧変化率がdV1に変化しているにも関わらず、(B)に示すように電圧変化率検出回路700の検出値がdV2のままとなっている場合は、ミラー期間(t3〜t4)の終了を検知できず、ゲート抵抗を変更することができない。このまま、ゲート抵抗Raの大きい状態を維持するとスイッチング損失がおおきくなってしまう。
そこで、(B)に係るゲート電圧変化率検出失敗時のように、電圧検出回路800,900,1000が、ゲート電圧がVsp(3)に到達したことを検出したときに、ゲート電圧変化率の検出に関係なく、ゲート抵抗を大きい抵抗値Raから小さい抵抗値RaRb/(Ra+Rb)に変更する(t6)。これにより、ゲート抵抗が長期間大きい抵抗値Raを維持することを防止して、スイッチング損失の低減を図っている。
図7は、本実施形態に係るゲート抵抗の切り換えのオフタイミングを示す波形である。図7(a)は、ミラー期間(期間5)におけるゲート電圧が、あらかじめ定めた基準電圧(Vsp(2))より小さい場合における、ゲート抵抗の切り換えタイミングを示す波形である。一方、図7(b)は、ミラー期間(期間5)におけるゲート電圧が、あらかじめ定めた基準電圧(Vsp(2))より大きい場合における、ゲート抵抗の切り換えタイミングを示す波形である。
図7(a)に示されるように、ミラー期間(期間5)におけるゲート電圧が基準電圧Vsp(2)より小さい場合には、コレクタ電流が小さくなる(期間5後半から期間6におけるコレクタ電流)。コレクタ電流が小さいため、ノイズ等が発生しにくい。そこで、もともとノイズ発生の可能性が低い場合には、積極的にスイッチング損失を低減するために、ミラー期間(期間5)中のゲート抵抗を小さくする。ここで、ミラー期間を精度良く検出することが求められるが、本実施形態では、このゲート抵抗を切り換えるタイミングであるミラー期間(期間5)を検出する為に、電圧変換率検出回路700により検出されるゲート電圧変化率(dV/dt値)を用いている。
具体的に図7(a)に示される波形に基づいて、本実施例に係るゲート抵抗の切り換えタイミングを説明する。
まず、オンゲート入力信号VinにLow信号が入力されると(t1)、IGBT100がターンオフ動作に入り、ゲート電圧が下降し始める(t1〜t2)。このとき、駆動回路200と駆動回路300が導通しており、電源電圧Vが、抵抗Raより低い抵抗値であるRaRb/(Ra+Rb)を介してIGBTゲートに印加される(t1〜t2)。
ゲート電圧が時間と共に上昇し、電圧検出回路800,900,1000により、このゲート電圧が検出される。ゲート電圧が上昇し、予め定めた電圧Vsp(3)に到達したことを電圧検出回路が検出すると(t2)、制御回路部600は駆動回路300を遮断する。これにより、電源電圧Vは、駆動回路200に接続された抵抗Raを介してIGBTゲートに印加される(t2〜t3)。この抵抗Raの抵抗値は、抵抗Rbの抵抗値より大きく設定されている。この予め定めた電圧Vsp(3)は、各々のIGBTの特性によって決定されるが、少なくとも当該IGBTのミラー期間中のゲート電圧値よりも大きく設定される。
その後、ゲート電圧検出回路900がゲート電圧を検出し制御回路部600にゲート電圧波形を出力し、制御回路部600は、検出されたゲート電圧と予め定めた電圧Vsp(2)を比較する。
一方、オンゲート入力信号Vinが入力されてからのゲート電圧は、電圧変化率検出回路700に入力されており、この電圧変化率検出回路700によってゲート電圧の変化率が検出される。前述のように、このゲート電圧変化率に基づいて、ゲート抵抗の切り換えタイミングであるミラー期間を検知する。具体的には、ターンオフ動作に入り、ゲート電圧が下降し始める期間(t1〜t2)におけるゲート電圧変化率(dV1)を100%とした場合に、例えば、そのゲート電圧変化率(dV1)の30%程度までゲート電圧変化率が減少したときに(dV2)、IGBT100のミラー期間であると判定することができる。なお、ミラー期間の判定に際し、ゲート電圧変化率の減少率は、各々のIGBTの特性によって決定され、使用されるIGBTに合せて、ゲート電圧変化率の閾値を設定することができる。
上記のように、ゲート電圧変化率に基づいて、ゲート抵抗の切り換えタイミングであるミラー期間を検知し(t3)、その時のゲート電圧が、予め定めた電圧Vsp(2)より小さいときは、コレクタ電流が小さくなるためノイズが発生しにくい。そこで積極的にスイッチング損失を低減するために、ミラー期間(期間2)中のゲート抵抗を小さくする(t3)。
これにより、もともとノイズ発生の可能性が低い場合には、積極的にスイッチング損失の低減を図り、駆動装置全体の発熱を抑制することができる。
一方、図7(b)に示されるように、ミラー期間(期間5)のように、あらかじめ定めた基準電圧(Vsp(2))よりゲート電圧が大きい場合には、コレクタ電流が大きくなる(期間5後半から期間6における電流)。コレクタ電流が大きいため、ノイズ等により誤動作及び素子破壊等を招く恐れがある。そこで、もともとノイズ発生の可能性が高い場合には、積極的にノイズの発生を抑制するために、ミラー期間(期間2)中のゲート抵抗を大きくする。図7(a)の場合と同様に、ミラー期間を精度良く検出することが求められるが、本実施形態では、このゲート抵抗を切り換えるタイミングであるミラー期間(期間5)を検出する為に、電圧変換率検出回路700によりゲート電圧変化率(dV/dt値)を用いている。
具体的に図7(b)に示される波形に基づいて、本実施例に係るゲート抵抗の切り換えタイミングを説明する。ここで、オンゲート入力信号Vinが入力されてから(t1)、ミラー期間に到達するまでは、図7(a)の説明と同様である。
t3において、ゲート電圧検出回路900がゲート電圧を検出し制御回路部600にゲート電圧波形を出力し、制御回路部600は、検出されたゲート電圧と予め定めた電圧Vsp(2)を比較する。
一方、前述のように、ゲート電圧変化率に基づいて、ゲート抵抗の切り換えタイミングであるミラー期間を検知し(t3)、その時のゲート電圧が、予め定めた電圧Vsp(2)より大きいときは、コレクタ電流が大きくなるためノイズが発生する可能性が高い。そこで積極的にノイズ発生を抑制するために、ミラー期間(期間5)中のゲート抵抗値を大きく、すなわち、Raのまま維持する(t3〜t4)。
これにより、もともとノイズ発生の可能性が高い場合には、少々のスイッチング損失を犠牲にしても、ノイズ等により誤動作及び素子破壊等を招く可能性を低減している。
なお、図7に説明した実施形態では、ゲート電圧が基準電圧Vsp(2)より小さいときにゲート抵抗を小さくし、ゲート電圧が基準電圧Vsp(2)より大きいときはゲート抵抗を大きくしたが、その逆の関係であってもよい。IBGTの特性によっては、ゲート電圧が基準電圧Vsp(2)より小さいときに、ノイズが発生しやすい場合もあるため、その場合には積極的にノイズ発生を抑制するために、ゲート抵抗を大きくする。この場合でも、より精度良く、ミラー期間を検出する必要があるので、ゲート電圧変化率に基づいてゲート抵抗の切り換えタイミングであるミラー期間を検知する。
図8は、電圧変化率検出回路700によるゲート電圧の変化率の検出に失敗した場合におけるゲート抵抗の切り換えタイミングを示す波形である。本図におけて、(A)に係るゲート電圧変化率及びゲート抵抗は、ゲート電圧の変化率の検出に失敗しなかった場合を示し、(B)に係るゲート電圧変化率及びゲート抵抗は、ゲート電圧の変化率の検出に失敗した場合を示す。図5と同一の符号を用いたものは、図5の説明と同様である。
本実施形態では、電圧変化率検出回路700がゲート電圧変化率の検出に失敗した場合であっても、ノイズ等による誤動作及び素子破壊等を招く恐れを低減させるための手段を講じている。
具体的には、オンゲート入力信号VinにLow信号が入力されると(t1)、IGBT100がターンオン動作に入り、ゲート電圧が上昇し始める(t1〜t2)。このとき、駆動回路200と駆動回路300が導通しており、電源電圧Vが、抵抗Raより低い抵抗値であるRaRb/(Ra+Rb)を介してIGBTゲートに印加される(t1〜t2)。
ゲート電圧が時間と共に下降し、電圧検出回路800,900,1000により、このゲート電圧が検出される。ゲート電圧が下降し、予め定めた電圧Vsp(3)に到達したことを電圧検出回路が検出すると(t2)、一先ず制御回路部600は駆動回路300を遮断する。図7にて説示したように、この予め定めた電圧Vsp(3)は、各々のIGBTの特性によって決定されるが、少なくとも当該IGBTのミラー期間中のゲート電圧値よりも小さく設定される。
その後、(B)に係るゲート電圧変化率検出失敗時のように、IGBT100の変化率がdV2(t3〜t6のミラー期間)であるのに、電圧変化率検出回路700がゲート電圧変化率の検出に失敗して、電圧変化率検出回路700の検出値がdV1とdV2の間となってしまい、ミラー期間を検出できない場合が想定される。このようなミラー期間の検出が出来ていない状態で、ゲート抵抗を大きい抵抗値Raから小さい抵抗値RaRb/(Ra+Rb)に変更すると、コレクタ電流が急激に大きくなるおそれがあり、ノイズ等により誤動作及び素子破壊等を招く恐れがある。
そこで、本実施形態では、ゲート電圧が予め定めた電圧Vsp(3)に到達した時点(t2)で一先ずゲート抵抗を大きい抵抗値Raに変更する。そして、電圧変化率検出回路700がdV2を検出するまでは、ミラー期間を正しく検出できないので、ゲート抵抗を大きい抵抗値Raのままで維持する。これにより、もともとノイズ発生の可能性が高い場合には、少々のスイッチング損失を犠牲にしても、ノイズ等により誤動作及び素子破壊等を招く可能性を低減し、信頼性向上を図っている。
なお、その後、電圧変化率検出回路700の検出値が、dV2を検出することなく、再びdV1を検出した場合には、ゲート抵抗を大きい抵抗値Raから小さい抵抗値RaRb/(Ra+Rb)に変更する(t6)。これにより、ゲート抵抗が長期間大きい抵抗値Raままでいることを防止して、スイッチング損失の低減を図っている。
図9は、電圧変化率検出回路700によるゲート電圧の変化率の検出に失敗した場合におけるゲート抵抗の切り換えタイミングを示す波形である。本図におけて、(A)に係るゲート電圧変化率及びゲート抵抗は、ゲート電圧の変化率の検出に失敗しなかった場合を示し、(B)に係るゲート電圧変化率及びゲート抵抗は、ゲート電圧の変化率の検出に失敗した場合を示す。図6と同一の符号を用いたものは、図6の説明と同様である。
本実施形態では、電圧変化率検出回路700がゲート電圧変化率の検出に失敗した場合であっても、ノイズ等による誤動作及び素子破壊等を招く恐れを低減させつつ、スイッチング損失を低減するための手段を講じている。
具体的には、オンゲート入力信号VinにLow信号が入力されると(t1)、IGBT100がターンオフ動作に入り、ゲート電圧が下降し始める(t1〜t2)。このとき、駆動回路200と駆動回路300が導通しており、電源電圧Vが、抵抗Raより低い抵抗値であるRaRb/(Ra+Rb)を介してIGBTゲートに印加される(t1〜t2)。
ゲート電圧が時間と共に上昇し、電圧検出回路800,900,1000により、このゲート電圧が検出される。ゲート電圧が下降し、予め定めた電圧Vsp(3)に到達したことを電圧検出回路が検出すると(t2)、制御回路部600は駆動回路300を遮断する。
ここでは、図7(b)に示したようにゲート電圧が、予め定めた電圧Vsp(2)より大きくなった場合を想定している。したがって、ノイズ発生を抑制するためにt3〜t4の期間では、ゲート抵抗を抵抗Raのまま維持している。
一方、t4において、実際のIGBT100のゲート電圧変化率がdV1に変化しているにも関わらず、(B)に示すように電圧変化率検出回路700の検出値がdV2のままとなっている場合は、ミラー期間(t3〜t4)の終了を検知できず、ゲート抵抗を変更することができない。このまま、ゲート抵抗Raの大きい状態を維持するとスイッチング損失がおおきくなってしまう。
そこで、(B)に係るゲート電圧変化率検出失敗時のように、電圧検出回路800,900,1000が、ゲート電圧がVsp(1)に到達したことを検出したときに、ゲート電圧変化率の検出に関係なく、ゲート抵抗を大きい抵抗値Raから小さい抵抗値RaRb/(Ra+Rb)に変更する(t6)。これにより、ゲート抵抗が長期間大きい抵抗値Raを維持することを防止して、スイッチング損失の低減を図っている。
図10は、本発明の実施形態に係る電力変換装置の全体構成を各構成要素に分解した斜視図を示す。
図10に示すように、筐体12の中ほどに冷却水流路19が設けられ、前記冷却水流路19の上部には流れの方向に並んで2組の開口が形成されている。前記2組の開口がそれぞれインバータ装置142で塞がれる様に2個のインバータ装置142が前記冷却水流路19の上面に固定されている。各インバータ装置142には放熱のためのフィンが設けられており、各インバータ装置142のフィンはそれぞれ前記冷却水流路19の開口から冷却水の流れの中に突出している。
前記冷却水流路19の下側にはアルミ鋳造を行いやすくするための開口404が形成されており、前記開口はカバー420で塞がれている。また前記冷却水流路19の下側には補機用のインバータ装置43が取り付けられている。前記補機用のインバータ装置43は、インバータ回路144と同様の回路が内蔵されており、前記インバータ回路144を構成しているパワー半導体素子を内蔵したインバータ回路を有している。補機用のインバータ装置43は前記内蔵している前記インバータ回路の放熱金属面が前記冷却水流路19の下面に対向するようにして、前記冷却水流路19の下面に固定されている。
さらに前記冷却水流路19の下部に放熱作用を為す下部ケース16が設けられ、前記下部ケース16にはコンデンサモジュール500が、コンデンサモジュール500の金属材からなるケースの放熱面が前記下部ケース16の面に対向するようにして前記下部ケース16の面に固定されている。この構造により冷却水流路19の上面と下面とを利用して効率良く冷却することができ、電力変換装置全体の小型化に繋がる。
入出口配管13,14からの冷却水が冷却水流路19を流れることによって、併設されている2個のインバータ装置142が有する放熱フィンが冷却され、前記2個のインバータ装置142全体が冷却される。冷却水流路19の下面に設けられた補機用のインバータ装置43も同時に冷却する。
さらに冷却水流路19が設けられている筐体12が冷却されることにより、筐体12の下部に設けられた下部ケース16が冷却され、この冷却によりコンデンサモジュール500の熱が下部ケース16および筐体12を介して冷却水に熱的伝導され、コンデンサモジュール500が冷却される。
インバータ装置142の上方には制御回路基板20と駆動回路基板22とが配置され、駆動回路基板22にはドライバ回路174が搭載され、制御回路基板20にはCPUを有する制御回路172が搭載される。また、駆動回路基板22と制御回路基板20の間には金属ベース板11が配置され、金属ベース板11は両基板22,20に搭載される回路群の電磁シールドの機能を奏すると共に駆動回路基板22と制御回路基板20とが発生する熱を逃がし、冷却する作用を有している。このように筐体19の中央部に冷却水流路19を設け、その一方の側に車両駆動用のインバータ装置142を配置し、また他方の側に補機用のインバータ装置43を配置することで、少ない空間で効率良く冷却でき、電力変換装置全体の小型化が可能となる。また筐体中央部の冷却水流路19の主構造を筐体12と一体にアルミ材の鋳造で作ることにより、冷却水流路19は冷却効果に加え機械的強度を強くする効果がある。またアルミ鋳造で作ることで筐体12と冷却水流路19とが一体構造となり、熱伝導が良くなり冷却効率が向上する。
駆動回路基板22には、金属ベース板11を通り抜けて、制御回路基板20の回路群との接続を行う基板間コネクタ23が設けられている。また、制御回路基板20には外部との電気的接続を行うコネクタ21が設けられている。コネクタ21により電力変換装置の外の、例えばバッテリ136として車に搭載されているリチウム電池モジュールとの信号の伝送が行われ、リチウム電池モジュールから電池の状態を表す信号やリチウム電池の充電状態などの信号が送られてくる。前記制御回路基板20に保持されている制御回路172との信号の授受を行うために前記基板間コネクタ23が設けられており、図示を省略しているが信号線176が設けられ、この信号線176と基板間コネクタ23を介して制御回路基板20からインバータ回路のスイッチングタイミングの信号が駆動回路基板22に伝達され、駆動回路基板22で駆動信号であるゲート駆動信号を発生し、インバータ回路のゲート電極にそれぞれ印加される。
筐体12の上部と下部には開口が形成され、これら開口はそれぞれ上部ケース10と下部ケース16が例えばネジ等で筐体12に固定されることにより塞がれる。筐体12の中央に冷却水流路19が設けられ、前記冷却水流路19にインバータ装置142やカバー420を固定する。このようにして冷却水流路19を完成させ、水路の水漏れ試験を行う。水漏れ試験に合格した場合に、次に前記筐体12の上部と下部の開口から基板やコンデンサモジュール500を取り付ける作業を行うことができる。このように中央に冷却水流路19配置し、次に前記筐体12の上部と下部の開口から必要な部品を固定する作業が行える構造を為しており、生産性が向上する。また冷却水流路19を最初に完成させ、水漏れ試験の後その他の部品を取り付けることが可能となり、生産性と信頼性の両方が向上する。