JP5075366B2 - 磁石発電機 - Google Patents

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Description

本発明は、磁石発電機(フライホイールマグネト)に関し、特に、その回転子(フライホイール)の改良に係り、例えば、オートバイやバギー等の小型車両に搭載する磁石発電子の回転子に利用して有効なものに関する。
一般に、オートバイやバギー等の小型または特殊車両においては、フェライトマグネット等の永久磁石(以下、マグネットという。)を利用した磁石発電機が使用されることが多い。
この種の磁石発電機は、ヨークの内周に複数個のマグネットが間隔を置かれて固定されている回転子と、コアの外周に放射状に突設された突極に発電子コイルが巻装されている発電子とを備えており、回転子がヨークに結合されたボスによってエンジンのクランクシャフトに連結され、回転子がエンジンに駆動されて発電子の周囲を回転することにより、発電子コイルにおいて起電力が誘起されるように構成されている。
このような磁石発電機においては、例えば、機種の変更等に対応するために、回転子(フライホイール)の慣性モーメントを大きく設定しようとする場合には、フライホイールの一部であるヨークの肉厚を厚く設定したり、フライホイールの他の一部であるボスの鍔径を大きく設定することが、一般的に行われている。
しかし、このような場合には、慣性モーメントの要求値毎にプレス機械の金型を用意しなければならないために、製作コストが嵩み、また、慣性モーメントの要求値が大きすぎる時には、プレス機械によっては製造することができないという問題点があった。
そこで、複数枚の板材を積層したウエイトを、ヨークの隣り合うマグネット間またはヨークの内周面とマグネットとの間に配設することにより、回転子(フライホイール)の慣性モーメントを増加する手段が提案されている。例えば、特許文献1参照。
特開平6−86520号公報
しかし、前記した複数枚の板材を積層したウエイトによって慣性モーメントを増加させる手段においては、複数枚の板材を積層したウエイトが使用されるために、部品点数が多大で組み立て作業能率が低く、結局、製造コストの増加を抑制することができないという問題点がある。
小型・高出力が要求される磁石発電機の場合においては、隣り合うマグネット間にウエイトを配設して慣性モーメントを増加する構造であると、マグネットの周方向を延長する以外に対応策はなく、そのウエイトの配置空間が狭まるために、調整範囲が限定されてしまう。
他方、エンジンの搭載スペースの関係から回転子の外観の変更には制限がある。
その結果、小型・高出力が要求される磁石発電機の場合においては、隣り合うマグネット間にウエイトを配設して慣性モーメントを増加する構造であると、出力特性の低下を招いてしまう。
本発明の目的は、出力特性の低下や外観の変更を招くことなく、製造コストの増加を抑制しつつ、慣性モーメントを簡単に増減調整することができる磁石発電機の回転子を提供することにある。
前記した課題を解決するための手段のうち代表的なものは、次の通りである。
略碗形状のヨークの内周に配置されたマグネットの内側に筒形状のカバーが嵌入されており、カバーの一端に突設された内側鍔部がヨークの底壁に固定されているとともに、カバーの他端に突設された外側鍔部がマグネットのヨーク開口側端面に押接されている回転子と、コアの外周に放射状に突設された突極に発電子コイルが巻装されている発電子とを備えている磁石発電機において、
前記回転子は前記ヨークの内周と前記カバーの外周との間の前記マグネットの軸方向空間にウエイトが配置されていることを特徴とする磁石発電機。
前記した手段によれば、ウエイトを交換することにより、出力特性の低下や外観の変更を招くことなく、また、製造コストの増加を抑制しつつ、回転子の慣性モーメントを簡単に増減調整することができる。
以下、本発明の一実施の形態を図面に即して説明する。
本実施形態において、本発明に係る磁石発電機の回転子はヨークと、ボス部材と、ウエイトと、複数個のマグネットと、カバーと、を備えている。
ヨーク11は磁性材料によって一端面(以下、上面とする。)が開口し下面が閉塞した略碗形状に一体形成されており、ヨーク11の円筒形状の側壁12の下面を閉塞する底壁13にはボス部材挿通孔14が同心円に開設されている。
また、ヨーク11の底壁13には窪み部15がボス部材挿通孔14と同心円に開口側に向かって没設されている。
ヨーク11の底壁13における窪み部15の外方位置には、大径の円形孔16が複数個(本実施形態においては6個)、同心円上において周方向に等間隔に開設されている。
さらに、ヨーク11の底壁13の底面上にはカバーを固定するための凸部17が複数個(本実施形態においては12個)、同心円上において各円形孔16の間にそれぞれ2個ずつ配されて、底壁13の一部を外面から突き上げられることにより軸心方向内向き(上向き)に突設されている。各凸部17は後記するカバーの固定孔と嵌合する小径短尺の円柱形状に形成されている。
ボス部材挿通孔14にはボス部材20がヨーク11の底壁13の外面側から挿入されてかしめ加工により堅牢に固定されている。
ボス部材20は鋼等の大きな機械的強度を有する構造用材料が使用されて、一端部外周上に円形リング形状のフランジ21を有する略円筒形状に形成されている。
ボス部材20の筒中空部にはテーパ内周面22が、フランジ21側に向かって次第に大径になるように全長にわたって形成されており、テーパ内周面22はエンジンの回転軸(図示せず)のテーパ外周面とテーパ結合するように設定されている。
テーパ内周面22の一部にはキー溝23が軸方向に全長にわたって切設されている。
ボス部材挿通孔14の内周とボス部材20の外周とはセレーション結合部24によって強固に回り止めされた状態で結合されている。
ボス部材20の外周におけるセレーション結合部24のフランジ21と反対側の位置には座屈かしめ部25が形成されており、窪み部15の底壁13は座屈かしめ部25とフランジ21との間で挟み込まれることにより軸方向の遊動を強固に防止された状態になっている。
ヨーク11の側壁12の内周面における底壁13側の位置には、ウエイト配置部18が環帯形状に形成されており、ウエイト配置部18にはウエイト26が配置されている。
ウエイト26はヨーク11と同一の材料やステンレスのような比較的に質量の大きい材料が使用されて、外径がウエイト配置部18の内径と略等しく内径がマグネットの内径よりも小径の円形リング形状に形成されている。
ヨーク11の側壁12の内周面におけるウエイト配置部18の上側には、マグネット配置部19が環帯形状に形成されており、マグネット配置部19には複数個(本実施の形態においては、6個)のマグネット27が周方向に等間隔に配置されている。
マグネット27はヨーク11の深さからウエイト26の高さを差し引いた以下の高さを有し、幅方向においてマグネット配置部19の内周面に沿って彎曲した円弧形状を有する六面体に一体成形されている。
ヨーク11の側壁12の内周面に沿って配列されたウエイト26およびマグネット27群の内側には、カバー30が嵌入されている。
カバー30は薄い鉄板等の金属材料が用いられて絞りプレス加工によって、マグネット27群が形成する円周内に圧入する円筒形状に一体成形されている。
カバー30の筒壁31の上端には円形リング形状の外側鍔部32が径方向に外向きに突設されており、カバー30の筒壁31の下端には円形リング形状の内側鍔部33が径方向内向きに突設されている。内側鍔部33の内径はその内側端辺が窪み部15の外側に位置するように設定されている。
内側鍔部33における径方向の中間部には固定孔34がヨーク11の凸部17群と同数個(本実施形態においては12個)、ヨーク11の凸部17群と整合するようにそれぞれ開設されており、固定孔34は凸部17と嵌合し得るように形成されている。
また、内側鍔部33の内周縁には切欠部35が複数個(本実施形態においては6個)、略半円形状に形成されており、各切欠部35はヨーク11の円形孔16を適宜逃げ得るように設定されている。
さらに、内側鍔部33の内周縁には剛性付与部36が各切欠部35を含めて全周にわたって曲げ起こし成形されている。この剛性付与部36は絞り加工等によって内側鍔部33の内周縁部が全周にわたって一定高さに軸方向内向きに曲げ起こし成形され、後述するカバー30の圧入時に充分な剛性を付与するようになっている。
以上のように構成されたカバー30はヨーク11の側壁12の内周面に沿って配列されたウエイト26およびマグネット27群の内周に嵌入される。
この嵌入に伴って、カバー30の筒壁31が全長にわたって径方向外向きに極僅かに膨出されることにより、隣合うマグネット27、27間の空間に第一の膨出部(図示せず)が形成される。
つまり、各マグネット27はカバー30の筒壁31に全長にわたって膨出成形された第一の膨出部によって周方向を位置規制されるとともに、マグネット配置部19の内周面に押圧されて固定された状態になる。
カバー30がウエイト26およびマグネット27群に挿入される際に、カバー30の上下端に外側鍔部32および内側鍔部33がそれぞれ突設されているため、カバー30に対する押し込み力が適正に付勢されるとともに、筒壁31の不適正な変形も防止される。
また、内側鍔部33の内側端辺に剛性付与部36が屈曲成形されているため、内側鍔部33の変形も防止される。
カバー30の内側鍔部33がヨーク11の底壁13の上まで嵌入されると、カバー30の内側鍔部33に開設された各固定孔34にヨーク11の各凸部17が挿通された状態になる。また、カバー30の外側鍔部32は各マグネット27のヨーク開口側端面に当接した状態になる。
この状態で、各凸部17の突出端部がかしめ加工されると、かしめ加工後の凸部17群により、カバーはその内側鍔部33の全周においてヨーク11の底壁13に円形環状に固定された状態になる。
この後に、カバー30の筒壁31におけるウエイト26の下端部およびマグネット27群の下端部に対向する部分が外向き環状に膨出成形されることにより、カバー30の筒壁31に第二の膨出部37が形成される。
この膨出部37により、ウエイト26およびマグネット27がヨーク11に対して位置決め固定された状態になる。
以上のように構成された磁石発電機の回転子10においては、ヨーク11の内周面にウエイト26が配置されているので、その分、慣性モーメントは大きくなる。
一般に、磁石発電機が使用されるエンジン側の仕様の変更等により、回転子の慣性モーメントの値の変更が要求される場合がある。
本実施の形態に係る磁石発電機の回転子においては、ウエイト26の仕様を変更することにより、慣性モーメントの値を簡単に増減調整することができるので、このような要求に迅速かつ簡単に対応することができる。
ここで、物体の微少部分の質量をdm、この部分のある一定の直線までの距離をrとすると、剛体の慣性モーメントIは次式の通りになる。
I=Σr2 ×dm・・・(1)
したがって、リング形状のウエイト26の半径(r)や大きさ(体積)および比重を適宜に選定することにより、回転子10の慣性モーメントを増減調整することができる。
図3は本発明の他の実施の形態である磁石発電機の回転子を示す正面断面図である。
本実施の形態が前記実施の形態と異なる点は、ドーナツ形状(円形リング形状)に形成されたウエイト26Aがヨーク11の底壁13の上に配置されて、凸部17群によってカバー30と共に締結されている点である。
本実施の形態においても、ドーナツ形状のウエイト26Aの半径(r)や大きさ(体積)および比重を適宜に選定することにより、回転子10の慣性モーメントを増減調整することができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
例えば、ウエイトはカバーによって固定するに限らず、ヨークまたはカバーに接着材によって接着したり、スポット溶接によって溶着したり、凹凸係合させたりして固定してもよい。
本発明の一実施の形態である磁石発電子の回転子を示す一部切断平面図である。 その正面断面図である。 本発明の他の実施の形態である磁石発電子の回転子を示す正面断面図である。
符号の説明
10…磁石発電機の回転子、11…ヨーク、12…側壁、13…底壁、14…ボス部材挿通孔、15…窪み部、16…円形孔、17…凸部、18…ウエイト配置部、19…マグネット配置部、20…ボス部材、21…フランジ、22…テーパ内周面、23…キー溝、24…セレーション結合部、25…座屈かしめ部、26…ウエイト、27…マグネット、30…カバー、31…筒壁、32…外側鍔部、33…内側鍔部、34…固定孔、35…切欠部、36…剛性付与部、37…膨出部、26A…ドーナツ形状のウエイト。

Claims (3)

  1. 略碗形状のヨークの内周に配置されたマグネットの内側に筒形状のカバーが嵌入されており、カバーの一端に突設された内側鍔部がヨークの底壁に固定されているとともに、カバーの他端に突設された外側鍔部がマグネットのヨーク開口側端面に押接されている回転子と、コアの外周に放射状に突設された突極に発電子コイルが巻装されている発電子とを備えている磁石発電機において、
    前記回転子は前記ヨークの内周と前記カバーの外周との間の前記マグネットの軸方向空間に慣性モーメント調整用ウエイトが配置されていることを特徴とする磁石発電機。
  2. 前記マグネットと前記慣性モーメント調整用ウエイトとの間には空隙が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の磁石発電機。
  3. 前記カバーは前記マグネットと前記慣性モーメント調整用ウエイトを固定する膨出部を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の磁石発電機。
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