以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の無線チップの構成例と、リーダ/ライタから電波で情報を受信した際の無線チップの動作例について、図面に基づいて説明する。尚、本発明の無線チップのような半導体素子を用いた装置を半導体装置と呼ぶことができる。
本発明の無線チップの構成例について、図1を用いて説明する。本発明の無線チップ100は、無線通信回路111と、CPU109と、メモリ110とを有する。無線通信回路111は、電波にて、リーダ/ライタ200と情報をやり取りすることができる回路である。CPU109は、リーダ/ライタ200からの情報に含まれる命令に従い、命令を実行することができる。
メモリ110は、無線チップの製造段階から、無線チップの個別の認識番号が記録される書き換え不可能なメモリを持っている。また、書き換え不可能な不揮発性メモリには、CPUの一般的な命令を実行するプログラムが記録される。書き換え不可能な不揮発性メモリとして、マスクROM(Read Only Memory)、本発明の電極間に絶縁物を有するライトワンスメモリが挙げられる。
また、メモリ110は、暗号を解く復号化プログラムと、情報を暗号化する暗号化プログラムと、を記録する書き換え可能なメモリを持っている。CPUの一般的な命令を実行するプログラムを書き換え可能なメモリに記録してもよい。書き換え可能なメモリとして、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、強誘電体メモリ等の不揮発性メモリが挙げられる。また、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリが挙げられる。
本発明に用いるのに十分なメモリ容量を確保できるならば、暗号を解く復号化プログラムと、情報を暗号化する暗号化プログラムと、を記録するメモリに、本発明のライトワンスメモリを用いてもよい。また、メモリ110は、CPUが命令を実行する際に使用する揮発性メモリをもっている。揮発性メモリとして、RAM(Random Access Memory)が挙げられる。
次に、本発明の無線チップの構成を、無線通信回路内の構成例も含め、図2を用いて説明する。本発明の無線チップ100内の無線通信回路111は、アンテナと共振容量を有する共振回路101と、電力生成回路102と、クロック生成回路103と、復調回路104と、変調回路105と、データ抽出回路106と、符号化回路107と、制御レジスタ108とを有する。
共振回路101はリーダ/ライタ200からの電波を受信し、アンテナ両端に交流信号を発生することができる回路である。発生した交流信号は、無線チップ100を駆動する電力になるほか、リーダ/ライタ200からの情報を含んでいる。
電力生成回路102は、共振回路101に発生した交流信号をダイオードで整流し、容量を用いて平滑化することで、電力を生成し、共振回路、クロック生成回路、復調回路、変調回路、データ抽出回路、符号化回路、制御レジスタ、CPU、メモリ等の各回路へ供給することができる回路である。
クロック生成回路103は、共振回路101に発生した交流信号を基に、クロック信号を生成し、各回路へ供給することができる回路である。
復調回路104は、共振回路101に発生した交流信号を復調し、データ抽出回路106へ復調した復調データを送ることができる回路である。
制御レジスタ108は、無線通信回路及びCPUのインターフェースとして機能する。具体的には、データ抽出回路106から書き込まれた情報によりCPUを動作させたり、CPUからの命令によりデータ抽出回路106や符号化回路107に命令したりする機能を有する。
データ抽出回路106は、送られてきた復調データから暗号化情報を抽出し、制御レジスタ108に抽出した情報を書き込むことができる回路である。
CPU109は、制御レジスタ108に情報が書き込まれると、情報に含まれる命令に従い、命令を実行することができる。
図3に、本発明で用いるリーダ/ライタから送信された平文情報の内容例を示す。平文情報には、CPU109の実行する命令300と、メモリ110のアドレスを示すアドレス301と、アドレス301の示すメモリに書き込むデータである書き込みデータ302が含まれており、CPU109は、命令に従い動作を実行する。ここで、平文情報に含まれるアドレスと書き込みデータは、必ずしも必要ではなく、命令によっては使用しない場合もある。
リーダ/ライタからの命令により無線チップから情報を送信する場合、CPU109が、制御レジスタ108に送信する情報を書き込む。符号化回路107は、制御レジスタ108に送信する情報が書き込まれると、制御レジスタ108から情報を読み出し、符号化した信号を生成し、変調回路105に出力する。変調回路105は、符号化信号を変調し、変調した変調データを共振回路101に出力する。共振回路101は、アンテナを介し電波にて、変調データをリーダ/ライタに送信する。
次に、本発明で用いるメモリ110の構成例を、図4を用いて説明する。本実施の形態では、書き換え可能な不揮発性メモリとしてEEPROMを用いる場合を示す。
図4にある、0x0000、0x2000、...、等の英数字はメモリのアドレスを示し、各アドレスの先頭2文字の0xは16進数であることを示す。例えば、0x2000を2進数で表すと、001000000000000、となる。以下、アドレスの表示に関しては同様とする。
ROM領域400に、アドレス0x0000から0x1FFFまでを割り当てる。RAM領域401に、アドレス0x2000から0x3FFFまでを割り当てる。EEPROM領域402に、アドレス0x4000から0xFFFEまでを割り当てる。制御レジスタ108には、本発明で述べるメモリ、又はその他のメモリであって、CPU109がメモリの一部としてアクセスできるように、アドレス0xFFFFを割り当てる。
次に、本発明で用いるEEPROM領域402の構成例を、図5を用いて説明する。アドレス0x4000のメモリの1ビット分に、フラグ4020を割り当てる。アドレス0x4000の残りのビットに、暗号化プログラム先頭アドレス4021を割り当てる。アドレス0x4001に、復号化プログラム先頭アドレス4022を割り当てる。アドレス0x6000から0x7FFFまでに暗号化プログラム1領域4023、アドレス0x8000から0x9FFFまでに、暗号化プログラム2領域4024、アドレス0xA000から0xBFFFまでに復号化プログラム1領域4025、アドレス0xC000から0xDFFFまでに復号プログラム2領域4026、を割り当てる。
尚、ここでは暗号化プログラム領域、及び復号化プログラム領域として、それぞれ2領域分設けているが、それぞれ3領域以上設け、各領域にアドレスを割り当ててもよい。
次に、本発明の無線チップに暗号化/復号化プログラムを初めて書き込む一連の動作の例について、図6を用いて説明する。尚、ここでは、無線チップが生産された時点で、EEPROMの内容が全て消去されていることとしている。または、無線チップが出荷される際に、EEPROMの内容の全てを消去してもよい。
S100の「待機」状態は、無線チップがリーダライタからの電波を待っていることを示す。
S101の「命令受信」状態は、無線チップが電波を受信し、共振回路が、受信した電波を基に交流信号を発生し、電力生成回路が、発生した交流信号を基に各回路で消費する電力を生成し、各回路に生成した電力を供給し、クロック生成回路が、発生した交流信号を基に各回路が同期動作するためのクロックを生成し、各回路に生成したクロックを供給し、復調回路が、暗号化情報の含まれる交流信号を復調し、復調データを生成し、データ抽出回路が、復調データから暗号化情報を抽出し、暗号化情報を制御レジスタに書き込む、ことを示す。
S102の「RAM書き込み」状態は、無線チップのCPUが、制御レジスタに書き込まれた命令を含む暗号化情報を、RAMに書き込むことを示す。
S103の「フラグ=1」状態は、CPUが、EEPROMのアドレス0x4000を読み出し、読み出したデータの1ビットに割り当てられているフラグの値を確認することを示す。フラグの値が、0の時は、受信した命令が暗号化されていないことを示し、1の時は、受信した命令が暗号化されていることを示す。ここでは、無線チップが、最初に受信した命令であるため、フラグの値は0である。
S104の「復号化プログラム書き込み」状態は、CPUが、RAMに書き込んだ命令を読み出し、命令が復号化プログラムの書き込みであるか否かを確認することを示す。命令が復号化プログラムの書き込みであるならば、CPUは、命令と一緒に受信した復号化プログラム領域1内を示すアドレスに、同じく命令と一緒に受信した書き込みデータを書き込む。その後、状態はS100に戻る。無線チップに復号化プログラムの全てが書き込まれるまで、S100からS104を繰り返す。命令が復号化プログラムの書き込みでなく、復号化プログラム書き込み終了の命令であるならば、状態S105に進む。
S105の「復号化プログラム書き込み終了」状態は、CPUが、RAMに書き込んだ命令を読み出し、命令が復号化プログラム書き込み終了であることを確認することを示す。CPUが、復号化プログラム書き込み終了の命令であることを確認したならば、フラグに1を書き込み、命令と一緒に受信した書き込みデータを、復号化プログラム領域1の先頭を示すアドレスとして、復号化プログラム先頭アドレスに書き込む。その後、状態はS100にもどる。ここで、フラグの値が1になったため、次に受信する命令から、命令が暗号化されていることとなる。
以上により、無線チップのメモリに復号化プログラムを記録することができる。
次に、無線チップが、リーダ/ライタから電波として、暗号化された暗号化プログラム書き込み命令を受信すると、前述と同様に、S100からS103まで状態が遷移し、S103ではフラグの値が1となっているため、状態S106に進む。
S106の「復号」状態は、CPUが、アドレス0x4001から復号化プログラム先頭アドレスを読み出し、読み出した復号化プログラム先頭アドレスの示す復号化プログラム1領域から、復号化プログラムを逐次読み出し、RAMに書き込んだ暗号化された命令を復号することを示す。CPUは、復号した命令をRAM領域に書き込む。
S107の「暗号化プログラム書き込み」状態は、CPUが、RAMに書き込んだ復号した命令を読み出し、命令が暗号化プログラムの書き込みであるか否かを確認することを示す。命令が暗号化プログラムの書き込みであるならば、CPUは、命令と一緒に受信した暗号化プログラム領域1内を示すアドレスに、同じく命令と一緒に受信した書き込みデータを書き込む。その後、状態はS100に戻る。無線チップに暗号化プログラムの全てが書き込まれるまで、S100からS107を繰り返す。命令が暗号化プログラムの書き込みでなく、暗号化プログラム書き込み終了の命令であるならば、状態S108に進む。
S108の「暗号化プログラム書き込み終了」状態は、CPUが、RAMに書き込んだ復号した命令を読み出し、命令が暗号化プログラム書き込み終了であることを確認することを示す。CPUが、暗号化プログラム書き込み終了の命令であることを確認したならば、命令と一緒に受信した書き込みデータを、暗号化プログラム領域1の先頭を示すアドレスとして、暗号化プログラム先頭アドレスに書き込む。状態はS100にもどる。
以上により、無線チップのメモリに暗号化プログラムを記録し、無線チップは暗号化および復号化の動作を行うことができるようになる。
次に、本発明の無線チップの暗号化/復号化プログラムを書き換える一連の動作の例について、図7を用いて説明する。尚、ここでは、無線チップには暗号化/復号化プログラムが書き込まれ、無線チップはリーダ/ライタ間で暗号化情報をやり取りしていることとする。無線チップが、リーダ/ライタから電波として、暗号化された復号化プログラム書き換え命令を受信すると、フラグの値が1となっているため、前述と同様に、S100からS106まで状態が遷移する。
なお、フラグの値が0の場合、図6で示すようなS104の「復号化プログラム書き込み」状態に進む。または、後述する図11で示すようなS604の「命令処理」状態に進む。
S207の「復号化プログラム書き換え」状態は、CPUが、RAMに書き込んだ復号した命令を読み出し、命令が復号化プログラムの書き換えであるか否かを確認することを示す。命令が復号化プログラムの書き換えであるならば、CPUは、命令と一緒に受信した暗号化プログラム領域2内を示すアドレスに、同じく命令と一緒に受信した書き込みデータを書き込む。その後、状態はS100に戻る。無線チップに書き換える復号化プログラムの全てが書き込まれるまで、S100からS207を繰り返す。命令が復号化プログラムの書き換えでなく、復号化プログラム書き換え終了の命令であるならば、状態S208に進む。
S208の「復号化プログラム書き換え終了」状態は、CPUが、RAMに書き込んだ復号した命令を読み出し、命令が復号化プログラム書き換え終了であることを確認することを示す。命令が復号化プログラム書き換え終了であることを確認したならば、CPUは、命令と一緒に受信した書き込みデータを、復号化プログラム領域2の先頭を示すアドレスとして、復号化プログラム先頭アドレスを書き換える。その後、状態はS100にもどる。復号化プログラム先頭アドレスを書き換えるため、CPUは、復号化プログラム1領域に記録されている復号化プログラムにはアクセスしなくなる。
暗号化プログラムの書き換え動作については、無線チップがリーダ/ライタから電波として受信する命令が、暗号化プログラム書き換え命令と暗号化プログラム書き換え終了命令に変わるのみで、動作に関して、前述の動作と同じであるため、説明を省略する。
以上により、無線チップのメモリに新たな暗号化/復号化プログラムを記録し、無線チップは新たな暗号化および復号化の動作を行うことができるようになる。更に、無線チップに新たな暗号化/復号化プログラムを書き込む場合、暗号化プログラム1領域と復号化プログラム1領域の情報を消去してから、上記書き換え動作を行う。このように、本発明の無線チップは、暗号化プログラム1領域と復号化プログラム1領域と、暗号化プログラム2領域と復号化プログラム2領域と、を交互に使用することにより、常に最新の暗号化/復号化プログラムを記録し、暗号化および復号化の動作を行うことができる。
次に、本発明の無線チップが、無線チップのメモリ内にある情報をリーダ/ライタに送信する一連の動作の例について、図8を用いて説明する。尚、ここでは、無線チップには暗号化/復号化プログラムが書き込まれ、無線チップはリーダ/ライタ間で暗号化情報をやり取りしていることとする。
無線チップが、リーダ/ライタから電波として、暗号化された暗号化付き情報送信命令を受信すると、フラグの値が1となっているため、前述と同様に、S100からS106まで状態が遷移する。
なお、フラグの値が0の場合、図6で示すようなS104の「復号化プログラム書き込み」状態に進む。または、後述する図11で示すようなS604の「命令処理」状態に進む。
S307の「暗号化付き情報送信」状態は、CPUが、RAMに書き込んだ復号化した命令を読み出し、命令が暗号化付きの情報送信であるか否かを確認することを示す。命令が暗号化付きの情報送信であるならば、CPUは、命令と一緒に受信したアドレスが示す情報を読み出し、RAMに書き込む。命令が暗号化付きの情報送信でなく、暗号化なしの情報送信の命令であるならば、状態S309に進む。
S308の「暗号化」状態は、CPUが、アドレス0x4000から暗号化プログラム先頭アドレスを読み出し、読み出した暗号化プログラム先頭アドレスの示す暗合化プログラム1または2領域から、暗号化プログラムを逐次読み出し、RAMに書き込んだ情報を暗号化することを示す。CPUは、暗号化した情報を制御レジスタに書き込む。命令が暗号化付きの情報送信でなく、暗号化なしの情報送信の命令であるならば、CPUは、メモリから読み出した情報を暗号化することなく制御レジスタに書き込む。
S309の「送信」状態は、CPUが、暗号化情報もしくは暗号化していない情報を制御レジスタに書き込んだ後に、符号化回路が、書き込まれた情報を基に符号化した信号を生成し、変調回路へ生成した符号化信号を出力し、変調回路が、符号化信号を変調し、共振回路を介して、変調した変調データを送信する、ことを示す。その後、状態はS100に戻る。以上により、無線チップは、無線チップのメモリ内にある情報を、暗号化し、もしくは暗号化せずに、リーダ/ライタに送信できるようになる。
次に、本発明の無線チップが、リーダ/ライタから受信した暗号化された命令を実行するまでの一連の動作の例について、図9を用いて説明する。
尚、ここでは、無線チップには暗号化/復号化プログラムが書き込まれ、無線チップはリーダ/ライタ間で暗号化情報をやり取りしていることとする。無線チップが、リーダ/ライタから電波として、暗号化された命令を受信すると、フラグの値が1となっているため、前述と同様に、S100からS106まで状態が遷移する。
なお、フラグの値が0の場合、図6で示すようなS104の「復号化プログラム書き込み」状態に進む。または、後述する図11で示すようなS604の「命令処理」状態に進む。
S407の「命令処理」状態は、CPUが、RAMに書き込んだ復号化した命令を読み出し、命令に従い動作することを示す。ここで述べている命令とは、加減乗除計算、メモリからの読み出し、メモリへの書き込み、分岐、割り込み処理、等のCPUの一般的な命令を指す。状態はS100に戻る。
以上により、無線チップは、リーダ/ライタから受信した暗号化された命令を実行できるようになる。
次に、本発明の無線チップが、リーダ/ライタから暗号化されていない情報を受信できるようにするまでの一連の動作の例について、図10を用いて説明する。尚、ここでは、無線チップには暗号化/復号化プログラムが書き込まれ、無線チップはリーダ/ライタ間で暗号化情報をやり取りしていることとする。
無線チップが、リーダ/ライタから電波として、暗号化された暗号通信中断命令を受信すると、フラグの値が1となっているため、前述と同様に、S100からS106まで状態が遷移する。
なお、フラグの値が0の場合、図6で示すようなS104の「復号化プログラム書き込み」状態に進む。または、後述する図11で示すようなS604の「命令処理」状態に進む。
S507の「フラグ→0」状態は、CPUが、RAMに書き込んだ復号化した命令を読み出し、命令が暗号中断であることを確認することを示す。命令が暗号中断であることを確認したならば、CPUは、フラグに0を書き込む。ここで、フラグの値が0になったため、次に受信する命令から、命令が暗号化されていないこととなる。その後、状態はS100にもどる。
以上により、無線チップは、リーダ/ライタと暗号化されていない情報をやり取りすることができるようになる。
次に、本発明の無線チップが、リーダ/ライタから受信した暗号化されていない命令を実行するまでの一連の動作の例について、図11を用いて説明する。尚、ここでは、無線チップはリーダ/ライタ間で暗号化されていない情報をやり取りしていることとする。
無線チップが、リーダ/ライタから電波として、暗号化されていない命令を受信すると、前述と同様に、S100からS103まで状態が遷移し、フラグの値が0となっているため、状態S604まで進む。
なお、フラグの値が1の場合、図6乃至10で示すようなS106の「復号化」状態に進む。
S604の「命令処理」状態は、CPUが、RAMに書き込んだ暗号化されていない命令を読み出し、命令に従い動作することを示す。ここで述べている命令とは、加減乗除計算、メモリからの読み出し、メモリへの書き込み、分岐、割り込み処理、等のCPUの一般的な命令を指す。その後、状態はS100に戻る。
以上により、無線チップは、リーダ/ライタから受信した暗号化されていない命令を実行できるようになる。尚、ここでの命令は、復号化プログラム書き込み命令、もしくは暗号化プログラム書き込み命令でもよく、リーダ/ライタから暗号化していない復号化プログラム書き込み命令、もしくは暗号化プログラム書き込み命令を受信し、無線チップに復号化プログラム、もしくは暗号化プログラムを書き込むことができるようになる。
このような本発明の無線チップが、上記のような暗号化/復号化プログラムを書き換えられる機能を有するため、より安全性の高い暗号アルゴリズムが開発された場合、新たに開発されたより安全性の高い暗号アルゴリズムを用いた暗号プログラムを随時実装することができる。その結果、無線チップのハードウェア構成を変更することなく、より安全性の高い暗号化/復号化機能を有した無線チップを提供することができる。
また本発明は、新たに実装する暗号プログラムも暗号化されて無線チップに送信されるため、無線チップに実装されている暗号アルゴリズムも特定され難く、更に安全性の高い暗号解読機能を有した無線チップを提供できる。尚、無線チップに初めて復号化プログラムが書き込まれる場合、書き込まれる復号化プログラムは暗号化されていないが、ユーザに出荷する前に、メーカの工場内等で復号化プログラムの書き込みを行えば、安全性は保たれる。
このような本発明により、CPUを内蔵し、より安全性の高い暗号化及び復号化処理機能を有した、無線チップを提供することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、無線チップに適用することができるEEPROM、及びその動作方法について説明する。
図12にEEPROMの回路図を示す。図12においてEEPROMは、複数のメモリセル(1、1)〜(n、m)が縦m個×横n個のマトリクス状に配置されたメモリセルアレイ805、Xアドレスデコーダ801、Yアドレスデコーダ802、および他の周辺回路803、804によって構成されている。他の周辺回路としては、アドレスバッファ回路、コントロールロジック回路、センスアンプ、昇圧回路等が含まれ、必要に応じて設けられる。
各メモリセル(代表として、メモリセル(i、j)を考える)(iは1以上n以下の整数、jは1以上m以下の整数)は、nチャネル型のメモリトランジスタTr1とnチャネル型の選択トランジスタTr2を有しており、これら2つのトランジスタは直列に接続されている。そして、メモリトランジスタTr1のソース電極とコントロールゲート電極は、ソース線Siとワード線Wjにそれぞれ接続され、選択トランジスタTr2のドレイン電極とゲート電極は、ビット線Biと選択線Vjにそれぞれ接続されている。また、ビット線B1〜BnはYアドレスデコーダ802に、ワード線W1〜Wmおよび選択線V1〜VmはXアドレスデコーダ801にそれぞれ接続され、ソース線S1〜Snには所定の電位Vsが全て共通に与えられている。各メモリセルが有するメモリトランジスタが1ビットのデータを記録する場合、図12に示すEEPROMはm×nビットの記憶容量を有する。
データの書き込み、読み出しおよび消去は、Xアドレスデコーダ801およびYアドレスデコーダ802によって選択された1つのメモリセルにおいて行われる。メモリセル(1、1)を例にとって、書き込み、読み出しおよび消去動作についての説明を行う。なお、本明細書において、書き込み動作はメモリトランジスタのフローティングゲート電極に電子を注入する操作を、消去動作はフローティングゲート電極から電子を放出する操作を表す。従って、書き込み動作によってメモリトランジスタのしきい値電圧は増加し、消去動作によってしきい値電圧は減少する。
まず、メモリトランジスタTr1にデータを書き込む場合は、ソース線S1〜Snをグランドに落し、ビット線B1およびワード線W1に、それぞれ正の高電圧(例えば20V)を印加する。また、選択線V1には選択トランジスタTr2がオンの状態となるような正の電圧(例えば20V)を印加する。このような条件下では、メモリトランジスタTr1のドレイン近傍で高電界が発生し、インパクトイオン化が起こる。さらにゲート方向にも高電界が生じるために、発生したホットエレクトロンはフローティングゲート電極に注入され、その結果、書き込みが行われる。メモリトランジスタTr1のしきい値電圧は、フローティングゲート電極に蓄積された電荷量に依存して変化する。
メモリトランジスタTr1に記憶されたデータを読み出す場合は、ソース線S1〜Snをグランドに落し、ワード線W1に所定の電圧(後述)を印加する。また、選択線V1には選択トランジスタがオンの状態となるような電圧を印加する(例えば5V)。そして、メモリトランジスタTr1のフローティングゲート電極に電荷が蓄積されている場合と蓄積されていない場合のしきい値電圧に応じて、メモリセルに記憶されているデータをビット線B1から読み出す。
尚、所定の電圧は、消去された状態(フローティングゲート電極に電子が蓄積されていない状態)におけるしきい値電圧と書き込まれた状態(フローティングゲート電極に電子が蓄積された状態)におけるしきい値電圧の間に設定すればよい。例えば、消去された状態のメモリトランジスタが2V以下のしきい値電圧を有し、書き込まれた状態のメモリトランジスタが、4V以上のしきい値電圧を有する場合には、所定の電圧として例えば3Vを用いることができる。
メモリトランジスタTr1に記憶されたデータの消去を行う場合には、ソース線S1およびワード線W1をグランドに落し、ビット線B1に正の高電圧(例えば20V)を印加する。また、選択線V1に正の高電圧(例えば20V)を印加し、選択トランジスタTr2をオンの状態とする。この時、メモリトランジスタTr1のゲート−ドレイン間に高い電位差が生じるため、フローティングゲート電極に蓄積されている電子がトンネル電流によってドレイン領域へ放出され、消去が行われる。
尚、書き込み、読み出しおよび消去時において選択されていない信号線B2〜Bn、W2〜Wmの電位は全て0Vであるとする。また、上述した動作電圧の値は一例であって、その値に限られるわけではない。1ビット毎の動作を行うためには、選択したメモリセル(1、1)への書き込み、読み出しおよび消去時に、非選択のメモリセル(この場合、メモリセル(1、1)以外の全てのメモリセル)に書き込み、読み出しまたは消去が行われてはならない。実際に、1行目以外のメモリセルでは、選択線V2〜Vnが0Vであるため選択トランジスタがオフの状態となり、メモリトランジスタへの書き込み、消去は行われず、読み出し時の影響もない。また、1列目以外のメモリセルにおいても、ソース線−ビット線間に電位差は生じないため、メモリセルへの書き込みは行われず、読み出し時の影響もない。ワード線−ビット線間に電位差が生じないため消去も行われない。
以上のようにして、非選択のメモリセルを誤動作させることなく、選択したメモリセル(1、1)への書き込み、読み出しおよび消去動作が行われる。尚、このような書き込み、読み出しおよび消去動作はCPU109に従って行われる。CPU109は、このようなメモリセルへ暗号化/復号化プログラムを書き込むことができ、書き込まれた暗号化/復号化プログラムも、CPU109より読み出すことができ、また、消去することもできる。
次に、EEPROMを構成するメモリセルの代表的な断面構造を図13に示す。図13において、メモリトランジスタTr1(nチャネル型)および選択トランジスタTr2(nチャネル型)が、絶縁基板500上に形成されている。メモリトランジスタTr1は、絶縁基板500の表面付近に形成されたソース領域、ドレイン領域(高濃度n型不純物領域)501、502とチャネル形成領域504、および第1のゲート絶縁膜506、フローティングゲート電極508、第2のゲート絶縁膜510、コントロールゲート電極511によって構成されている。選択トランジスタTr2は、絶縁基板500の表面付近に形成されたソース領域、ドレイン領域(高濃度n型不純物領域)502、503とチャネル形成領域505、および第1のゲート絶縁膜507、ゲート電極509によって構成されている。また、層間膜512上に、コンタクトホールを通して、ソース配線513及びドレイン配線514が引き出されている。
尚、図13において、メモリトランジスタTr1のドレイン領域502とフローティングゲート電極508は第1のゲート絶縁膜506を介して一部重なっている。この重なった領域は消去動作においてトンネル電流を流すための領域である。
(実施の形態3)本実施の形態では、無線チップの有するライトワンスメモリに用いられるメモリ、及びその動作方法について説明する。
図14に示すように、メモリ707はメモリ素子が形成されたメモリセルアレイ756及び駆動回路を有する。駆動回路は、カラムデコーダ751、ローデコーダ752、読み出し回路754、書き込み回路755、セレクタ753を有する。
メモリセルアレイ756はビット線Bm(m=1からx)、ワード線Wn(n=1からy)、ビット線とワード線とそれぞれの交点にメモリセル757を有する。なお、メモリセル757はトランジスタが接続されたアクティブ型であっても、パッシブ素子だけで構成されるパッシブ型であってもよい。またビット線Bmはセレクタ753により制御され、ワード線Wnはローデコーダ752により制御される。
カラムデコーダ751は、任意のビット線を指定するアドレス信号を受けて、セレクタ753に信号を与える。セレクタ753は、カラムデコーダ751の信号を受けて指定のビット線を選択する。ローデコーダ752は、任意のワード線を指定するアドレス信号を受けて、指定のワード線を選択する。上記動作によりアドレス信号に対応する一つのメモリセル757が選択される。読み出し回路754は選択されたメモリセルが有する情報を読み出して出力する。書き込み回路755は書き込みに必要な電圧を生成し、選択されたメモリセルに電圧を印加することで、情報の書き込みを行う。
本発明は、CPUを内蔵した、常に安全性の高い暗号化及び復号化処理機能を有し、かつ、ライトワンスメモリを用いたメモリを有する半導体装置を、提供することができる。
次に、メモリセル757の回路構成を説明する。本実施の形態では、下部電極、上部電極を有し、当該一対の電極間にメモリ材料層が介在したメモリ素子783を有するメモリセルについて説明する。
図15(A)に示すメモリセル757は、トランジスタ781とメモリ素子783とを有するアクティブ型のメモリセルである。トランジスタ781は、薄膜トランジスタ(TFT)を適用することができる。トランジスタ781が有するゲート電極は、ワード線Wyに接続される。また当該トランジスタ781が有するソース電極及びドレイン電極の一方は、ビット線Bxに接続され、他方はメモリ素子783と接続される。メモリ素子783の下部電極は、トランジスタ781のソース電極及びドレイン電極の一方と電気的に接続している。またメモリ素子783の上部電極(782に相当)は、共通電極として、各メモリ素子で共有することができる。
また図15(B)に示すように、メモリ素子783がダイオード784に接続された構成を用いてもよい。ダイオード784は、トランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方と、ゲート電極とが接続された所謂ダイオード接続構造を採用することができる。またダイオード784として、メモリ材料層と下部電極とのコンタクトによるショットキーダイオードを用いたり、メモリ材料の積層によって形成されるダイオードなどを利用することもできる。
メモリ材料層としては、電気的作用、光学的作用又は熱的作用等により、その性質や状態が変化する材料を用いることができる。例えば、ジュール熱による溶融、絶縁破壊等により、その性質や状態が変化し、下部電極と、上部電極とが短絡することができる材料を用いればよい。そのためメモリ材料層の厚さは、5nmから100nm、好ましくは10nmから60nmとするとよい。このようなメモリ材料層は、無機材料又は有機材料を用いることができ、蒸着法、スピンコーティング法、液滴吐出法等により形成することができる。
無機材料としては、酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素等がある。このような無機材料であっても、その膜厚を制御することによって、絶縁破壊を生じさせ、下部電極と上部電極とを短絡させることができる。
有機材料としては、例えば、4、4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略称:α−NPD)や4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略称:TPD)や4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニル−アミノ)−トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−トリフェニルアミン(略称:MTDATA)や4,4’−ビス(N−(4−(N,N−ジ−m−トリルアミノ)フェニル)−N−フェニルアミノ)ビフェニル(略称:DNTPD)などの芳香族アミン系(即ち、ベンゼン環−窒素の結合を有する)の化合物、ポリビニルカルバゾール(略称:PVK)やフタロシアニン(略称:H2Pc)、銅フタロシアニン(略称:CuPc)、バナジルフタロシアニン(略称:VOPc)等のフタロシアニン化合物等を用いることができる。これら材料は、正孔輸送性の高い物質である。
また、他にも有機材料として、例えばトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq3)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)等キノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等からなる材料や、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX)2)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ)2)などのオキサゾール系、チアゾール系配位子を有する金属錯体などの材料も用いることができる。これら材料は、電子輸送性が高い物質である。
さらに、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)等の化合物等を用いることができる。
またメモリ材料層は単層構造であっても、積層構造であってもよい。積層構造の場合、上記材料から選び、積層構造することができる。また上記有機材料と、発光材料とを積層してもよい。発光材料として、4−(ジシアノメチレン)2−メチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJT)、4−(ジシアノメチレン)−2−tert−ブチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJTB)、ペリフランテン、2,5−ジシアノ−1,4−ビス[2−(10−メトキシ−1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]ベンゼン、N,N’−ジメチルキナクリドン(略称:DMQd)、クマリン6、クマリン545T、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq3)、9,9’−ビアントリル、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPA)や9,10−ビス(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、2,5,8,11−テトラ−t−ブチルペリレン(略称:TBP)等がある。
また、上記発光材料を分散してなる層を用いてもよい。発光材料分散してなる層において、母体となる材料としては、9,10−ジ(2−ナフチル)−2−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuDNA)等のアントラセン誘導体、4,4’−ビス(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)等のカルバゾール誘導体、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ピリジナト]亜鉛(略称:Znpp2)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:ZnBOX)などの金属錯体等を用いることができる。また、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq3)、9,10−ビス(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)等を用いることができる。
このような有機材料は、熱的作用等によりその性質を変化させるため、ガラス転移温度(Tg)が50℃から300℃、好ましくは80℃から120℃であるとよい。
また、有機材料や発光材料に金属酸化物を混在させた材料を用いてもよい。なお金属酸化物を混在させた材料とは、上記有機材料又は発光材料と、金属酸化物とが混合した状態、又は積層された状態を含む。具体的には複数の蒸着源を用いた共蒸着法により形成された状態を指す。このような材料を有機無機複合材料と呼ぶことができる。
例えば正孔輸送性の高い物質と、金属酸化物を混在させる場合、当該金属酸化物にはバナジウム酸化物、モリブデン酸化物、ニオブ酸化物、レニウム酸化物、タングステン酸化物、ルテニウム酸化物、チタン酸化物、クロム酸化物、ジルコニウム酸化物、ハフニウム酸化物、タンタル酸化物を用いると好ましい。
また電子輸送性の高い物質と、金属酸化物を混在させる場合、当該金属酸化物にはリチウム酸化物、カルシウム酸化物、ナトリウム酸化物、カリウム酸化物、マグネシウム酸化物を用いると好ましい。
メモリ材料層には、電気的作用、光学的作用又は熱的作用により、その性質が変化する材料を用いればよいため、例えば光を吸収することによって酸を発生する化合物(光酸発生剤)をドープした共役高分子を用いることもできる。共役高分子として、ポリアセチレン類、ポリフェニレンビニレン類、ポリチオフェン類、ポリアニリン類、ポリフェニレンエチニレン類等を用いることができる。また、光酸発生剤としては、アリールスルホニウム塩、アリールヨードニウム塩、o−ニトロベンジルトシレート、アリールスルホン酸p−ニトロベンジルエステル、スルホニルアセトフェノン類、Fe−アレン錯体PF6塩等を用いることができる。
次に、図15(A)に示したようなアクティブ型のメモリセル757に情報の書き込みを行うときの動作について説明する。なお本実施の形態では、初期状態のメモリ素子が格納する値を「0」、電気的作用等によって特性を変化させたメモリ素子が格納する値を「1」とする。また、初期状態のメモリ素子は抵抗値が高く、変化後のメモリ素子は抵抗値が低いものとする。
書き込みを行う場合、カラムデコーダ751、ローデコーダ752、セレクタ753により、m列目のビット線Bmと、n行目のワード線Wnが選択され、m列目n行目のメモリセル757に含まれるトランジスタ781がオンとなる。
続いて、書き込み回路755により、m列目のビット線Bmに、所定の電圧が所定の期間印加される。この印加電圧および印加時間は、メモリ素子783が初期状態から抵抗値の低い状態へと変化するような条件を用いる。m列目のビット線Bmに印加された電圧は、メモリ素子783の下部電極に伝達され、上部電極との間には電位差が生じる。すると、メモリ素子783に電流が流れ、メモリ材料層の状態に変化が生じ、メモリ素子特性が変化する。そして、メモリ素子783が格納する値を「0」から「1」へ変化させる。
次に、情報の読み出しを行う動作について説明する。図16に示すように読み出し回路754は、抵抗素子790とセンスアンプ791を有する。情報の読み出しは、下部電極と上部電極の間に電圧を印加して、メモリ素子が、初期の状態か変化後の状態であるかを判定することで行う。具体的には、抵抗分割方式によって、情報の読み出しを行うことができる。
例えば、メモリセルアレイ756が含む複数のメモリ素子783から、m列目n行目のメモリ素子783の情報の読み出しを行う場合について説明する。まずカラムデコーダ751、ローデコーダ752、セレクタ753により、m列目のビット線Bmと、n行目のワード線Wnが選択される。すると、m列目n行目に配置されたメモリセル757が有するトランジスタ781がオン状態になり、メモリ素子783と、抵抗素子790とが直列に接続された状態となる。その結果、メモリ素子783の電流特性に応じて図16に示したP点の電位が決まる。
メモリ素子が初期状態である場合のP点の電位をV1、メモリ素子が変化後の低抵抗状態である場合のP点の電位をV2とし、V1>Vref>V2となる参照電位Vrefを用いることで、メモリ素子に格納されている情報を読み出すことができる。具体的には、メモリ素子が初期状態である場合、センスアンプ791の出力電位はLoとなり、メモリ素子が低抵抗状態である場合、センスアンプ791の出力電位はHiとなる。
上記の方法によると、メモリ素子783の抵抗値の相違と抵抗分割方式を利用して、電圧値で読み取っている。しかしながら、メモリ素子783が有する情報を、電流値により読み取ってもよい。なお本発明の読み出し回路754は、上記構成に限定されず、メモリ素子が有する情報を読み出すことができればどのような構成を有していてもよい。
このような構成を有するメモリ素子は、「0」から「1」の状態へ変化させ、「0」から「1」の状態へ変化は不可逆的であるためライトワンスメモリ素子となる。
CPU109は、このようなメモリ素子783へ暗号化/復号化プログラムを書き込むことができ、書き込まれた暗号化/復号化プログラムも、CPU109より読み出すことができる。
なお、本実施の形態は上記実施の形態と自由に組み合わせて実施することができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態2で記述したEEPROMの断面図とは別のメモリの断面図について説明する。
図17(A)は、絶縁基板310上にメモリセル部601と駆動回路部602とが一体形成されたメモリ素子の断面図を示す。絶縁基板310には、ガラス基板、石英基板、珪素からなる基板、金属基板等を用いることができる。
絶縁基板310上には下地膜311が設けられている。駆動回路部602では下地膜311を介して薄膜トランジスタ320、321が設けられ、メモリセル部601には下地膜311を介して薄膜トランジスタ621が設けられている。各薄膜トランジスタは、島状にエッチングされた半導体膜312、ゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極314、ゲート電極側面に設けられた絶縁物(所謂サイドウォール)313が設けられている。半導体膜312は、膜厚が0.2μm以下、代表的には40nmから170nm、好ましくは50nmから150nmとなるように形成する。さらに、サイドウォール313、及び半導体膜312を覆う絶縁膜316、半導体膜312に形成された不純物領域に接続する電極315を有する。なお電極315は不純物領域と接続するため、ゲート絶縁膜及び絶縁膜316にコンタクトホールを形成し、当該コンタクトホールに導電膜を形成し、当該導電膜を選択的にエッチングして形成することができる。
半導体膜は非晶質シリコン、多結晶シリコンを用いることができる。多結晶シリコンを用いる場合、まず非晶質シリコンを形成し、熱処理、又はレーザ照射を行って多結晶シリコンとすることができる。このとき、ニッケルを代表とする金属元素を用いて熱処理、又はレーザ照射を行うことにより、結晶化温度を低減することができる。レーザ照射には、連続発振、又はパルス発振のレーザ照射装置を用いることができる。また、熱処理を伴った結晶化法と、連続発振レーザ若しくは10MHz以上の周波数で発振するレーザビームを照射する結晶化法とを組み合わせても良い。連続発振レーザ又は10MHz以上の周波数で発振するレーザビームを照射することで、結晶化された半導体膜の表面を平坦なものとすることができる。それにより、ゲート絶縁膜を薄膜化することも可能であり、また、ゲート絶縁膜の耐圧を向上させることに寄与することができる。
また、半導体膜に対し、連続発振レーザ若しくは10MHz以上の周波数で発振するレーザビームを照射しながら一方向に走査して結晶化させて得られた半導体膜は、そのビームの走査方向に結晶が成長する特性がある。その走査方向をチャネル長方向(チャネル形成領域が形成されたときにキャリアが流れる方向)に合わせてトランジスタを配置し、以下に示すゲート絶縁膜を組み合わせることで、特性ばらつきが小さく、しかも電界効果移動度が高いトランジスタ(TFT)を得ることができる。
本発明のメモリを構成する薄膜トランジスタにおいて、ゲート絶縁膜等を代表とする絶縁膜は、高密度プラズマ処理を用いて、被形成面の表面を酸化又は窒化することによって作製することができる。高密度プラズマ処理とは、プラズマ密度が1×1011cm−3以上、好ましくは1×1011cm−3から9×1015cm−3以下であり、マイクロ波(例えば周波数2.45GHz)といった高周波を用いたプラズマ処理である。このような条件でプラズマを発生させると、低電子温度が0.2eVから2eVとなる。このように低電子温度が特徴である高密度プラズマは、活性種の運動エネルギーが低いため、プラズマダメージが少なく欠陥が少ない膜を形成することができる。このようなプラズマ処理を可能とする成膜室に、被形成体、ゲート絶縁膜を形成する場合であれば選択的にエッチングされた半導体膜が形成された基板を配置する。そして、プラズマ発生用の電極、所謂アンテナと被形成体(ここでは、半導体膜の表面)との距離を20mmから80mm、好ましくは20mmから60mmとして成膜処理を行う。このような高密度プラズマ処理は、低温プロセス(基板温度400℃以下)の実現が可能となる。そのため、耐熱性の低いプラスチックを基板上に成膜することができる。
このような絶縁膜の成膜雰囲気は窒素雰囲気、又は酸素雰囲気とすることができる。窒素雰囲気とは、代表的には、窒素と希ガスとの混合雰囲気、又は窒素と水素と希ガスとの混合雰囲気である。窒素と水素を有するガスには、アンモニアを挙げることができる。希ガスは、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノンの少なくとも1つを用いることができる。また酸素雰囲気とは、代表的には、酸素と希ガスとの混合雰囲気、酸素と水素と希ガスとの混合雰囲気、又は一酸化二窒素と希ガスとの混合雰囲気である。希ガスは、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノンの少なくとも1つを用いることができる。また水素と希ガスとの混合雰囲気を用いてもよい。
この高密度プラズマで生成された酸素ラジカル(OHラジカルを含む場合もある)や窒素ラジカル(NHラジカルを含む場合もある)によって、被形成面の表面を酸化又は窒化することができる。
このような高密度プラズマを用いた処理により、1〜20nm、代表的には5〜10nmの絶縁膜を形成することができる。この場合の反応は、固相反応であるため、当該絶縁膜と半導体膜との界面準位密度はきわめて低くすることができる。このような、高密度プラズマ処理は、被形成面、例えば半導体膜であれば結晶性シリコン、又は多結晶シリコンを直接酸化、若しくは窒化するため、形成される絶縁膜の厚さは、ばらつきをきわめて小さくすることができる。加えて、結晶性シリコンの場合、結晶粒界でも酸化が強くされることがないため、非常に好ましい状態となる。すなわち、ここで示す高密度プラズマ処理で半導体膜の表面を固相酸化することにより、結晶粒界において異常な酸化反応をさせることなく、均一性が良く、界面準位密度が低い絶縁膜を形成することができる。
このように形成された絶縁膜は、他の被膜に与えるダメージが少なく、緻密なものとなる。また高密度プラズマ処理により形成された絶縁膜は、当該絶縁膜と接触する界面状態を改善することができる。例えば高密度プラズマ処理を用いてゲート絶縁膜を形成すると、半導体膜との界面状態を改善することができる。その結果、薄膜トランジスタの電気特性を向上させることができる。
絶縁膜の作製に高密度プラズマ処理を用いる場合を説明したが、半導体膜に高密度プラズマ処理を施してもよい。高密度プラズマ処理によって、半導体膜表面の改質を行うことができる。その結果、界面状態を改善でき、強いては薄膜トランジスタの電気特性を向上させることができる。
本発明においてゲート絶縁膜等の絶縁膜は、高密度プラズマ処理によって形成される絶縁膜のみを用いても良いし、それにプラズマや熱反応を利用したCVD法で酸化シリコン、酸窒化シリコン、窒化シリコンなどの絶縁膜を堆積し、積層させても良い。いずれにしても、高密度プラズマで形成した絶縁膜をゲート絶縁膜の一部又は全部に含んで形成されるトランジスタは、特性のばらつきを小さくすることができる。
より安全性の高い暗号アルゴリズムは、暗号化/復号化プログラムの容量が大きくなる傾向があるため、本発明の無線チップに実装する場合、無線チップのメモリの容量を増やす必要がある。上記のような高密度プラズマ処理にて形成された絶縁膜を無線チップのメモリの絶縁膜に用いることにより、ばらつきを抑えられ、メモリの容量が多くとも、無線チップ作製の歩留まり向上を期待できる。
絶縁膜の作製に高密度プラズマ処理を用いる場合を説明したが、半導体膜に高密度プラズマ処理を施してもよい。高密度プラズマ処理によって、半導体膜表面の改質を行うことができる。その結果、界面状態を改善でき、強いては薄膜トランジスタの電気特性を向上させることができる。
また平坦性を高めるため、絶縁膜317、318が設けられているとよい。このとき絶縁膜317は有機材料から形成し、絶縁膜318は無機材料から形成するとよい。絶縁膜317、318が設けられている場合、電極315は、これら絶縁膜317、318にコンタクトホールを介して不純物領域と接続するように形成することができる。
さらに絶縁膜325が設けられ、電極315と接続するように下部電極327を形成する。下部電極327の端部を覆い、下部電極327が露出するように開口部が設けられた絶縁膜328を形成する。開口部内に、メモリ材料層329を形成し、上部電極330を形成する。このようにして、下部電極327、メモリ材料層329、上部電極330を有するメモリ素子622が形成される。メモリ材料層329は、有機材料又は無機材料から形成することができる。下部電極327又は上部電極330は、導電性材料から形成することができる。例えば、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)もしくはシリコン(Si)の元素からなる膜又はこれらの元素を用いた合金膜等から形成することができる。またインジウム錫酸化物(ITO)、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物、2から20%の酸化亜鉛を含む酸化インジウム等の透光性材料を用いることができる。
さらに平坦性を高め、不純物元素の侵入を防止するため、絶縁膜331を形成するとよい。
本実施の形態で説明した絶縁膜は、無機材料又は有機材料を用いることができる。無機材料は、酸化珪素、窒化珪素を用いることができる。有機材料はポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、レジスト又はベンゾシクロブテン、シロキサン、ポリシラザンを用いることができる。なお、シロキサン樹脂とは、Si−O−Si結合を含む樹脂に相当する。シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される。置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いてもよい。または置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。ポリシラザンは、珪素(Si)と窒素(N)の結合を有するポリマー材料を出発原料として形成される。
図17(B)は、図17(A)と異なり、電極315のコンタクトホール351内にメモリ材料層を形成したメモリ素子の断面図を示す。図17(A)と同様に、下部電極として電極315を用い、電極315上にメモリ材料層329、上部電極330を形成し、メモリ素子622を形成することができる。その後絶縁膜331を形成する。その他の構成は図17(A)と同様であるため、説明を省略する。
このようにコンタクトホール351にメモリ素子を形成すると、メモリの小型化を図ることができる。またメモリ用の電極が不要となるため製造工程を削減し、低コスト化されたメモリを提供することができる。
このように本発明の無線チップに適用することができるメモリは絶縁基板上に作製され、駆動回路を一体形成することができるため、製造コストを低くすることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、無線チップが有する回路の一部の薄膜トランジスタのレイアウトについて説明する。
上記実施の形態で示した半導体膜312に相当する半導体層は、絶縁表面を有する基板の全面若しくは一部(トランジスタの半導体領域として確定されるよりも広い面積を有する領域)に、下地膜等を介して形成される。そして、フォトリソグラフィー技術によって、半導体層上にマスクパターンを形成する。そのマスクパターンを利用して半導体層をエッチング処理することにより、薄膜トランジスタのソース領域、ドレイン領域及びチャネル形成領域を含む特定形状を有する島状の半導体パターンを形成することができる。そのパターン形成された半導体層の形状は、薄膜トランジスタの特性に基づき、要求される回路特性やレイアウトの適切さを考慮して決められる。
本発明の薄膜トランジスタにおいて、半導体層を形成するためのフォトマスクは、パターンを備えている。このフォトマスクのパターンは角部を有し、角部の角度が鈍角であり、丸みを帯びている。このマスクパターンの形状は、図18に示すように半導体層のパターン形状として転写することができる。また半導体層への転写のとき、半導体膜の角部は、フォトマスクパターンの角部よりさらに丸みを帯びるように転写されることがある。すなわち、半導体膜のパターンの角部には、フォトマスクのパターンよりもさらにパターン形状をなめらかにした丸みが設けられてもよい。なお図18において、後に形成されるゲート電極や配線を点線で示す。
次に、角部に丸みが設けられるようにエッチングされた半導体層上には、ゲート絶縁膜が形成される。そして、上記実施の形態で示したように、半導体層と一部が重なるようにゲート電極314、及び同時にゲート配線が形成される。ゲート電極又はゲート配線は、金属層や半導体層を成膜し、フォトリソグラフィー技術によって形成することができる。
このゲート電極又はゲート配線を形成するためのフォトマスクは、パターンを備えている。このフォトマスクのパターンは、角部を有し、この角部において、斜辺が10μm以下、または配線の線幅の1/2以下で、線幅の1/5以上の長さの直角三角形のパターンが除去されている。このマスクパターンの形状は、図19に示すように、ゲート電極又はゲート配線のパターン形状として転写することができる。またゲート電極又はゲート配線への転写のときに、ゲート電極又はゲート配線の角部がさらに丸みを帯びるように転写されることがある。すなわちゲート電極又はゲート配線の角部には、フォトマスクのパターンよりもさらにパターン形状をなめらかにした丸みが設けられていてもよい。このようなフォトマスクを用いて形成されたゲート電極又はゲート配線の角部には、斜辺が線幅の1/2以下1/5以上で有る直角三角形のパターンを除去することによって、角部に丸みをおびさせることができる。なお図19において、後に形成される配線を点線で示す。
このようなゲート電極又はゲート配線は、レイアウトの制約上、矩形に折れ曲がる。そのため、ゲート電極又はゲート配線の角部の外側の辺及び内側の辺には丸みが設けられる。この丸みを帯びた角部の外側の辺ではプラズマによるドライエッチの際、異常放電による微粉の発生を抑えることができる。また丸みを帯びた角部の内側の辺では、洗浄のときに、たとえできた微粉があっても、それが角に集まりやすいのを洗い流すことができる。その結果、歩留まり向上が甚だしく期待できるという効果を有する。
次に、ゲート電極又はゲート配線上には、上記実施の形態で示したように絶縁膜316、317、318に相当する絶縁層等を形成する。勿論、本発明において絶縁膜は単層であっても構わない。
そして絶縁層上に、絶縁膜には所定の位置に開口を形成し、当該開口に電極315に相当する配線を形成する。この開口は、下層に位置する半導体層又はゲート配線層と、配線層との間の電気的な接続をとるために設けられる。配線は、フォトリソグラフィー技術によってマスクパターンが形成され、エッチング加工により所定のパターンに形成される。
配線によって、ある特定の素子間を連結することができる。この配線は、特定の素子と素子の間を直線で結ぶのではなく、レイアウトの制約上、矩形に折れ曲がる(以下、屈曲部という)。また配線は、開口部やその他の領域において配線幅が変化することがある。例えば開口部では、開口が配線幅と同等若しくは大きい場合には、その部分で配線幅が広がるように変化する。また、配線は回路のレイアウト上、容量部の一方の電極を兼ねるため、配線幅を大きくとることがある。
この場合において、フォトマスクのパターンの屈曲部において、斜辺が10μm以下、または、配線の線幅の1/2以下で、線幅の1/5以上の長さの直角三角形のパターンが除去されている。そして、図20に示すように、配線のパターンにも同様な丸みを帯びさせる。配線の角部は、斜辺が線幅の1/2以下で、1/5以上である直角三角形のパターンを除去することで屈曲部に丸みをおびさせることができる。このような丸みを帯びた配線は、その屈曲部の外側の辺においてはプラズマによるドライエッチの際、異常放電による微粉の発生を抑え、屈曲部の内側の辺においては、洗浄のときに、たとえできた微粉であっても、それが角に集まりやすいのを洗い流す結果として歩留まり向上が甚だしく期待できるという効果を有する。配線の角部が丸みを帯びることにより、電気的にも伝導させることが期待できる。
図20に示したレイアウトを有する回路において、屈曲部や配線幅が変化する部位の角部をなめらかにして、丸みを付けることにより、プラズマによるドライエッチの際、異常放電による微粉の発生を抑え、洗浄のときに、たとえできた微粉であっても、それが角に集まりやすいのを洗い流すことができる。この結果として歩留まり向上が甚だしく期待できるという効果を有する。すなわち、製造工程における塵や微粉の問題を解消することができる。また、配線の角部が丸みを帯びた構成をとることにより、電気的にも伝導させることが期待できる。特に多数の平行配線が設けられる駆動回路部等の配線において、ゴミを洗い流すことを可能とすることは、きわめて好都合である。
なお本実施の形態では、半導体層、ゲート配線、配線の3つのレイアウトにおいて、角部又は屈曲部に丸みを帯びる形態を説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、いずれか一の層において、角部又は屈曲部に丸みを帯びさせ、製造工程における塵や微粉等の問題を解消することができればよい。
(実施の形態6)
本実施の形態では、無線チップが有する回路のトランジスタを形成するためのフォトマスクまたはレチクルについて説明する。
実施の形態1で述べた、無線通信回路111と、CPU109と、メモリ110と、はトランジスタを含んで構成されている。トランジスタは単結晶基板に形成されるMOSトランジスタの他、薄膜トランジスタで構成することもできる。図21はこれらの回路を構成するトランジスタの断面構造を示す図である。図21は、nチャネル型トランジスタ3201、nチャネル型トランジスタ3202、容量素子3204、抵抗素子3205、pチャネル型トランジスタ3203が示されている。各トランジスタは半導体層3305、絶縁層3308、ゲート電極3309を備えている。ゲート電極3309は、第1導電層3303と第2導電層3302の積層構造で形成されている。また、図22(A)〜(E)は、図21で示すトランジスタ、容量素子、抵抗素子に対応する上面図であり合わせて参照することができる。
図21において、nチャネル型トランジスタ3201は、チャネル長方向(キャリアの流れる方向)において、ゲート電極の両側に低濃度ドレイン(LDD)が形成される。低濃度ドレイン(LDD)は、配線3304とコンタクトを形成するソース及びドレイン領域を形成する不純物領域3306の不純物濃度よりも低濃度にドープされた不純物領域3307である。不純物領域3306と不純物領域3307には、nチャネル型トランジスタ3201を構成する場合、n型を付与する不純物としてリンなどが添加されている。LDDはホットエレクトロン劣化や短チャネル効果を抑制する手段として形成される。
図22(A)で示すように、nチャネル型トランジスタ3201のゲート電極3309において、第1導電層3303は、第2導電層3302の両側に広がって形成されている。この場合において、第1導電層3303の膜厚は、第2導電層の膜厚よりも薄く形成されている。第1導電層3303の厚さは、10〜100kVの電界で加速されたイオン種を通過させることが可能な厚さに形成されている。不純物領域3307はゲート電極3309の第1導電層3303と重なるように形成されている。すなわち、ゲート電極3309とオーバーラップするLDD領域を形成している。この構造は、ゲート電極3309において、第2導電層3302をマスクとして、第1導電層3303を通して一導電型の不純物を添加することにより、自己整合的に不純物領域3307を形成している。すなわち、ゲート電極とオーバーラップするLDDを自己整合的に形成している。
両側にLDD有するトランジスタは、図2における電力生成回路102の整流用のTFTや、論理回路に用いられるトランスミッションゲート(アナログスイッチとも呼ぶ)を構成するトランジスタに適用される。これらのTFTは、ソース電極又はドレイン電極に正負両方の電圧が印加されるため、ゲート電極の両側にLDDを設けることが好ましい。
図21において、nチャネル型トランジスタ3202は、ゲート電極の片側に不純物領域3306の不純物濃度よりも低濃度にドープされた不純物領域3307が半導体層3305に形成されている。図22(B)で示すように、nチャネル型トランジスタ3202のゲート電極3309において、第1導電層3303は、第2導電層3302の片側に広がって形成されている。この場合も同様に、第2導電層3302をマスクとして、第1導電層3303を通して一導電型の不純物を添加することにより、自己整合的にLDDを形成することができる。
片側にLDDを有するトランジスタは、ソース及びドレイン電極間に正電圧のみ、もしくは負電圧のみが印加されるトランジスタに適用すればよい。具体的には、インバータ回路、NAND回路、NOR回路、ラッチ回路といった論理ゲートを構成するトランジスタや、センスアンプ、定電圧発生回路、VCOといったアナログ回路を構成するトランジスタに適用すればよい。
図21において、容量素子3204は、第1導電層3303と半導体層3305とで絶縁層3308を挟んで形成されている。容量素子3204を形成する半導体層3305には、不純物領域3310と不純物領域3311を備えている。不純物領域3311は、半導体層3305において第1導電層3303と重なる位置に形成される。また、不純物領域3310は配線3304とコンタクトを形成する。不純物領域3311は、第1導電層3303を通して一導電型の不純物を添加することができるので、不純物領域3310と不純物領域3311に含まれる不純物濃度は同じにすることもできるし、異ならせることも可能である。いずれにしても、容量素子3204において、半導体層3305は電極として機能させるので、一導電型の不純物を添加して低抵抗化しておくことが好ましい。また、第1導電層3303は、図22(C)に示すように、第2導電層3302を補助的な電極として利用することにより、電極として十分に機能させることができる。このように、第1導電層3303と第2導電層3302を組み合わせた複合的な電極構造とすることにより、容量素子3204を自己整合的に形成することができる。
容量素子は、図2において、電力生成回路102が有する保持容量、あるいは共振回路101が有する共振容量として用いられる。特に、共振容量は、容量素子の2端子間に正負両方の電圧が印加されるため、2端子間の電圧の正負によらず容量として機能することが必要である。
図21において、抵抗素子3205は、第1導電層3303によって形成されている。第1導電層3303は30〜150nm程度の厚さに形成されるので、その幅や長さを適宜設定して抵抗素子を構成することができる。
抵抗素子は、図2において変調回路105が有する抵抗負荷として用いられる。また、VCOなどで電流を制御する場合の負荷としても用いられる場合がある。抵抗素子は、高濃度に不純物元素を含む半導体層や、膜厚の薄い金属層によって構成すればよい。抵抗値が膜厚、膜質、不純物濃度、活性化率などに依存する半導体層に対して、金属層は、膜厚、膜質で抵抗値が決定するため、ばらつきが小さく好ましい。
図21において、pチャネル型トランジスタ3203は、半導体層3305に不純物領域3312を備えている。この不純物領域3312は、配線3304とコンタクトを形成するソース及びドレイン領域を形成する。ゲート電極3309の構成は第1導電層3303と第2導電層3302が重畳した構成となっている。pチャネル型トランジスタ3203はLDDを設けないシングルドレイン構造のトランジスタである。pチャネル型トランジスタ3203を形成する場合、不純物領域3312にはp型を付与する不純物として硼素などが添加される。一方、不純物領域3312にリンを添加すればシングルドレイン構造のnチャネル型トランジスタとすることもできる。
半導体層3305及び絶縁層3308の一方若しくは双方に対して、電子温度が2eV以下、イオンエネルギーが5eV以下、電子密度が1011〜1013/cm3程度であるマイクロ波を用いた高密度プラズマ処理によって酸化又は窒化処理しても良い。詳細には、上記実施の形態を参照することができる。
図21及び図22を参照して説明したように、膜厚の異なる導電層を組み合わせることにより、さまざまな構成の素子を形成することができる。第1導電層のみが形成される領域と、第1導電層と第2導電層が積層されている領域は、回折格子パターン或いは半透膜からなる光強度低減機能を有する補助パターンを設置したフォトマスクまたはレチクルを用いて形成することができる。すなわち、フォトリソグラフィー工程において、フォトレジストを露光する際に、フォトマスクの透過光量を調節して、現像されるレジストマスクの厚さを異ならせる。この場合、フォトマスクまたはレチクルに解像度限界以下のスリットを設けて上記複雑な形状を有するレジストを形成してもよい。また、現像後に約200℃のベークを行ってフォトレジスト材料で形成されるマスクパターンを変形させてもよい。
また、回折格子パターン或いは半透膜からなる光強度低減機能を有する補助パターンを設置したフォトマスクまたはレチクルを用いることにより、第1導電層のみが形成される領域と、第1導電層と第2導電層が積層されている領域を連続して形成することができる。図22(A)に示すように、第1導電層のみが形成される領域を半導体層上に選択的に形成することができる。このような領域は、半導体層上において有効であるが、それ以外の領域(ゲート電極と連続する配線領域)では必要がない。このフォトマスク若しくはレチクルを用いることにより、配線部分は、第1導電層のみの領域を作らないで済むので、配線密度を実質的に高めることができる。
図21及び図22の場合には、第1導電層はタングステン(W)、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)またはモリブデン(Mo)などの高融点金属、又は高融点金属を主成分とする合金もしくは化合物を30〜50nmの厚さで形成する。また、第2導電層はタングステン(W)、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)またはモリブデン(Mo)などの高融点金属、又は高融点金属を主成分とする合金もしくは化合物で300〜600nmの厚さに形成する。例えば、第1導電層と第2導電層をそれぞれ異なる導電材料を用い、後に行うエッチング工程でエッチングレートの差が生じるようにする。一例として、第1導電層にTaNを用い、第2導電層にタングステン膜を用いることができる。
本実施の形態では、回折格子パターン或いは半透膜からなる光強度低減機能を有する補助パターンを設置したフォトマスクまたはレチクルを用いて、電極構造の異なるトランジスタ、容量素子、抵抗素子を、同じ作製工程によって作ることができることを示している。これにより、回路の特性に応じて、形態の異なる素子を、工程を増やすことなく作り込み、集積化することができる。