JP5092004B2 - 吸着テーブル - Google Patents

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Description

本発明は、真空吸着によって平板状の基板を固定する吸着テーブルに関し、さらに詳細には吸着面が多孔質材料で形成された吸着テーブルに関する。
真空吸着によって基板を固定する吸着テーブルは、さまざまな分野の基板加工装置で利用されている。例えば、大型のガラス基板や半導体基板(いわゆるマザー基板)の上に多数の電子部品をパターン形成し、これを個々の電子部品ごとに分断する基板加工装置では、カッターホイール等を用いたメカニカルスクライブやレーザビームを用いたレーザスクライブによって、基板にスクライブラインを形成する加工が行われる。その際に、所望の位置にスクライブラインを形成するために基板を位置決めして吸着テーブルで固定するようにしている。
基板加工装置に用いる吸着テーブルには、金属板に多数の吸着用の貫通孔を形成して吸着面としたタイプのテーブルと、多孔質板を吸着面としたタイプのテーブルとが知られている(特許文献1参照)。
図8は金属板に多数の吸着用の貫通孔を形成したタイプの吸着テーブルの一例を示す断面図である。吸着テーブル50は、上面51a(吸着面となるステージ表面)に基板が載置される金属製のステージ51と、ステージ51をその周縁で支持するベース52とを備えている。ステージ51は、基板Gが載置される領域に、多数の貫通孔53が格子状に形成してある。ステージ51の直下には、中空空間54が形成してあり、ステージ51の裏面51bが中空空間54に面するようにしてある。そして、各貫通孔53が中空空間54に通じるようにしてある。
ベース52の中心にはプラグ55が取り付けてあり、プラグ55には中空空間54に通じる流路55aが形成してある。プラグ55は、さらに外部流路56を介して真空ポンプ57、エアー源58に接続され、弁59,60の開閉によって中空空間54を減圧状態にしたり、大気圧状態に戻したりできるようにしてある。
吸着テーブル50では、基板Gがステージ51上に載置されることによってすべての貫通孔53が塞がれているときに強い吸着力が働くようになり、基板Gを安定して固定することができる。例えば、真空ポンプ57で排気したときに貫通孔53がすべて基板Gで塞がれると、中空空間54の圧力はプラグ55近傍に設けた圧力センサ61でモニタすると、−60KPa程度の圧力まで減圧されるが、基板Gを取り去ってすべての貫通孔53を開放すると中空空間54は−5KPa程度の圧力になる。したがってすべての貫通孔53を塞ぐように基板Gを載置すれば、これら2つの状態間の圧力差(差圧約55KPa程度)が各貫通孔53を介して吸着力として働くようになる。なお、吸着テーブル50の場合は、基板Gの位置がずれて貫通孔53が1つでも開放されると、その開放された貫通孔から大きなリークが生じることになり、吸着力は一挙に弱まることになる。
一方、図9はセラミック製の多孔質板を吸着面に用いたタイプの吸着テーブルの一例を示す断面図である。
吸着テーブル70では、図8における金属製のステージ51に代えて、多孔質板からなるステージ71が用いられる。多孔質板には多数の微細孔が含まれており、上面71aと下面71bとの間で通気性を有している。なお、ステージ71以外の各部分は、図5と同じ構成であるので、同符号を付して説明の一部を省略する。
吸着テーブル70では、真空ポンプ57を作動すると中空空間54が減圧状態になり、多孔質板全面の微細孔を介してリークが発生し、ステージ71における上面71aのほぼ全面にて吸着できるようになる。そのため、上面71aのどこに基板Gを載置しても吸着する。しかし、多孔質板では微細孔を通過する気体の流れの抵抗が大きく、リーク量は小さいため、大きな吸着力は望めない。
例えば、真空ポンプ57で排気したときに上面71a全体(すなわち吸着面全体)を基板Gによって完全に塞ぐと、中空空間54は圧力センサ61で−60KPa程度の圧力まで減圧されるが、基板Gを取り去って上面71a全体を開放した場合でも微細孔によるリーク量は小さく、中空空間54は−55KPa程度の減圧状態になる。すなわち、多孔質板では小さな圧力差(差圧5KPa程度)しか吸着力として利用できないことになる。
特開2000−332087号公報
上述したように、後者の多孔質板を用いた吸着テーブル70では、前者の吸着テーブル50で貫通孔53を介して得られるような強い吸着力を得ることはできない。吸着テーブル70では、上面71a(多孔質面)と基板Gとが接する面全体で吸着力が生じるので、上面71aと接する基板面積が増えれば吸着力は少しずつ増大する。そのため、上面71aに載置した基板Gを確実に固定するには、基板Gの面積を十分に大きくして基板G全体に働く吸着力が、基板を保持するために必要な力(基板保持力ともいう)よりも大きくなるようにしなければならなかった。
例えば、図9で示した吸着テーブル70では、上面71aの上で、吸着力を発生させることができる領域の面積を吸着有効面積Sとすると、多孔質板の材質、特に気孔率にも依存するが、一般的なセラミック製の多孔質板の場合には、図10に示すように、吸着有効面積Sの60%以上(すなわち0.6S以上)を覆うように基板Gを載置しなければ、安定して基板を固定することができなかった。
そこで、本発明は多孔質板を吸着面に用いた吸着テーブルであって、これまでよりも吸着面に載置した基板に働く吸着力が強くなるように(あるいは逆に弱くなるように)調整することができるようにした構造の吸着テーブルを提供することを目的とする。
また、本発明は、基板が載置されるステージの上面における吸着有効面積の10%〜30%を基板で覆うだけで、当該基板を安定して固定するのに十分な吸着力を得ることができる吸着テーブルを提供することを目的とする。
さらに、別の観点からなされた本発明は、多孔質板を用いた吸着テーブルで、多孔質内に生じるリークの流れの状態を変化させて、従来よりも吸着力を強めたり、逆に弱めたりすることで、吸着テーブルに載置した基板に対する吸着力の大きさや分布を調整することができるようにした吸着テーブルを提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の吸着テーブルは、多孔質板で形成され上面に基板が載置されるステージと、ステージの周縁部分を支持するベースとからなり、内部に中空空間が形成されるとともに、ステージの裏面が中空空間に面するように構成されたテーブル本体と、中空空間を減圧する真空排気機構とを備えた吸着テーブルであって、ステージの裏面は、通気性のないシール部材で覆われるとともにシール部材の一部にリーク穴が形成され、中空空間を減圧状態にするとリーク穴から多孔質板を介してリークが生じるようにしてある。
本発明によれば、中空空間を真空排気して減圧状態にすると、シール部材の一部に形成されたリーク穴から多孔質板を介してリークが生じるようになる。リーク穴以外はシール部材で塞がれているので、これまでのように多孔質板全面(ステージ全面)で均一にリークが生じるのではなく、リーク穴からその上方領域に向かう局所的なリークが生じるようになる。その結果、多孔質板内のリークの発生状態(気体の流れ状態)が変化し、吸着力の大きさや分布が変化するようになって、これまでの吸着テーブル(例えば図9参照)と異なる分布で吸着力が得られるようになる。具体的には、吸着力が発生する領域はリーク穴の上方領域に集中するようになり、多孔質板であってもリーク穴を形成した近傍だけに吸着力を発生させることができるようになる。
ここで、リーク穴はシール部材から深さ方向に延伸されて多孔質板にリーク穴の底が形成されるようにしてもよい。
リーク穴を深くすることで、リーク穴の底が多孔質板に形成されるようになると、多孔質板に形成されるリーク穴の表面積(穴の底面積と側面面積との和)に依存してリーク量が増大するようになり、また、多孔質板内での気体の流れの分布も変化するようになり、従来のシール部材とリーク穴とを設けていない多孔質板による吸着テーブルよりも吸着力を強くすることができる。
ここで、リーク穴の底の深さは多孔質板の板厚の10%〜50%であるのが好ましい。
多孔質板に形成されるリーク穴の深さがこれより浅いと、吸着力が生じる領域の分布を調整することはできるがリーク量が少なくなって吸着力は小さくなる。リーク穴の深さがこれより深いと、ほぼ上面全体で吸着力が働くようになるが、リーク量も過大になり、基板の種類によっては強すぎる吸着力が基板に衝撃を与えたりして悪影響を与えてしまうおそれがある。それゆえ、リーク穴の底の深さは多孔質板の板厚の10%〜50%であれば、リーク穴を形成していない多孔質板に比べて大きな吸着力が得られるとともに適度な吸着力が得られるようになり、バランスがとれた吸着力の吸着テーブルとなる。
上記発明において、リーク穴はステージの裏面に格子状に複数形成されるのが好ましい。これにより、ステージの全体にわたってほぼ均一に基板を吸着することができる。
上記発明において、リーク穴はステージの裏面に複数形成されるとともに、リーク穴の分布、リーク穴の単位面積当たりの数、リーク穴の深さ、リーク穴の径の少なくともいずれかが不均一になるようにして、吸着力が不均一に働くようにしてもよい。
リーク量を不均一な分布にすることで、吸着力もステージに対し不均一に与えることができるようになる。例えば、中央と周囲とで吸着力を変化させたり、ステージの一部に強い吸着力を与えたりすることができるようになる。
本発明にかかる吸着テーブルの一実施例を示す断面図である。 図1における吸着テーブルの平面図である。 本発明の吸着テーブルに用いるステージの加工手順を示す工程図である。 リーク穴22によるステージの吸着状態を模式的に示した図である。 リーク穴23の深さを5mm程度にしたときのステージの吸着状態を模式的に示した図である。 リーク穴23の深さを15mm程度にしたときのステージの吸着状態を模式的に示した図である。 リーク穴23の深さをステージの左右で変化させたときのステージの吸着状態を模式的に示した図である。 金属板に多数の吸着用の貫通孔を形成したタイプの吸着テーブルの一例を示す断面図である(従来例)。 多孔質板を吸着面に用いたタイプの吸着テーブルの一例を示す断面図である(従来例)。 図9の従来型の吸着テーブルで基板を安定して固定するために必要な基板面積を示す図である(従来例)。
以下において本発明にかかる吸着テーブルの詳細をその実施の形態を示す図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明にかかる吸着テーブルの一実施例を示す断面図であり、図2はその平面図である。
吸着テーブル10は、上面11a(ステージ表面)に基板Gが載置される方形のステージ11と、ステージ11をその周縁で当接するようにして支持するベース12とからなるテーブル本体13を備えている。本実施形態ではステージ11の周縁の下面11cでベース12に支持されているが、図9で説明したステージ71と同様に、ステージ周縁の側面がベースに支持されるようにしてもよい。いずれの場合も接触面は密着するようにして境界面からリークが生じないようにしてあればよい。
ステージ11はセラミック製の多孔質板で形成され、裏面11bにはシール部材21が固着されるとともにシール穴23(22)が一定ピッチで格子状に形成されている。これらの詳細については後述する。ステージ11およびベース12の周縁を除いた内側部分には、ステージ11の下面およびベース12の上面に凹部が加工されることによって中空空間14が形成してあり、ステージ11の裏面11b(内側部分の下面)が中空空間14に面するようにしてある。なお中空空間14はステージ11側だけに凹部を加工するようにして設けてもよいし、ベース12側だけに凹部を加工するようにして設けてもよい。
ベース12の中心にはプラグ15が取り付けてあり、プラグ15には中空空間14に通じる流路15aが形成してある。プラグ15はさらに外部流路16を介して真空ポンプ17、エアー源18に接続され、弁19を開くことによって中空空間14を減圧状態にしたり、弁30を開くことによって大気圧状態に戻したりできるようにしてある。
プラグ15の近傍の外部流路16には圧力センサ31が取り付けてあり、中空空間14の圧力がモニタできるとともに、予め閾値を設定しておくことで、基板Gを安定して固定するために必要な基板保持力が確保できているか否かの判定を行う真空スイッチとして使用できるようにしてある。
次に、ステージ11の裏面11bの加工について説明する。図3は多孔質板からなるステージ11の加工手順を示す図である。
まず、図3(a)に示すように、基板が載置される表面11aは平坦面になるように加工し、反対側には裏面11bと周縁の下面11cとからなる凹部を形成する。
続いて、図3(b)に示すように、裏面11bを覆うようにシール部材21を固着する。具体的には、ステージ11の裏面11b全体を覆うように、接着剤として用いられるエポキシ樹脂をシール部材21として塗布する。なお、シール部材21は多孔質部材の通気性を遮断できる材料であれば特に限定されない。
続いて、図3(c)に示すように、形成されたシール部材21に対し、リーク穴22を形成する。本実施形態ではリーク穴22は一定ピッチで裏面11bの全体にわたって正方格子状に形成する。
続いて、図3(d)に示すように、リーク穴22をステージ11の深さ方向に向けて加工し、ステージ11の内部に達するリーク穴23(貫通はしない)を形成する。具体的にはドリル加工やレーザアブレーション加工により、所望の深さのリーク穴23を形成する。
ステージ11に形成されるリーク穴の好ましい深さは、板厚の10%〜50%である。例えば板厚が20mmであるとすると2mm〜10mmの深さにすれば、バランスのよい吸着力にすることができる。すなわち、ステージ11の有効吸着面積の10%〜30%の面積を有する基板を、確実に固定することができるようになる。
なお、ステージ11を貫通しないようにする限り、これよりも深いシール穴23を形成してもよいし、シール部材21だけを貫通するシール穴22にしてもよい。それぞれ特徴のある分布で吸着力を生じるようになる。
また、リーク穴の好ましい穴径は、多孔質板の材質、リーク穴深さなどの他のパラメータにも依存するが、0.5mm〜5mmであればよい。
図4〜図6はリーク穴22,23の深さの違いによる吸着状態の変化を模式的に示した図である。
図4は、シール部材21だけを貫通するリーク穴22を形成したときの吸着状態であり、図5はステージ11で深さ5mm程度(板厚20mmの25%)のリーク穴23を形成したときの吸着状態であり、図6はステージ11で深さ15mm程度(板厚20mmの75%)のリーク穴を形成したときの吸着状態である。穴径はいずれも3mmである。
いずれも、(a)はステージ11の断面の模式図であり、気流の流れが生じている範囲を実線で示している。また、(b)はステージ11の上面11aの模式図であり、吸着力が生じている領域をA,B,Cで示している。
シール部材21にリーク穴22を開けただけの場合は、図4で示されるように、リーク量が限られ、リーク穴22の直上の領域Aだけに吸着力が作用する。この場合は、例えば非常に脆い基板を弱い吸着力で吸着させたい場合などに利用できる。
穴底が多孔質板に至るリーク穴23をあけた場合は、図5に示されるように、吸着領域Bはかなり広がり、しかもリーク穴23の直上の位置では多孔質の板厚が薄くなっているので流れの抵抗が小さくなって吸着力も増大している。この場合は、基板Gの面積がステージ11の吸着有効面積Sの10%〜30%程度であっても確実に吸着できるようになっている。
穴底が多孔質板の板厚の50%以上の深さになるまでリーク穴を深くした場合は、図6に示されるように、吸着領域Cはさらに広がり、ステージ11の吸着有効面積のほぼ全面で強く吸着されるようになっている。
以上本発明の代表的な実施例について説明したが、本発明は必ずしも上記の実施形態に特定されるものでなく、その目的を達成し、請求の範囲を逸脱しない範囲内で適宜修正、変更することが可能である。
例えば、これまでは、ステージ11の上面11aで,できるだけ均一な分布になるように格子状に吸着力が働くようにしていたが、これとは反対に、リーク穴の分布、リーク穴の単位面積当たりの数、リーク穴の深さ、リーク穴の径などのパラメータが不均一になるようにして、吸着力が不均一に働くようにすることもできる。
図7は、リーク穴23の深さ分布を不均一にした例である。本実施形態では左側半分を図5で説明したリーク穴23とし、右側半分を図4で説明したリーク穴22としている。これにより、スクライブラインに沿って基板Gの左側を強く吸着し、右側を弱く吸着させた状態で加工することができるようになり、基板Gに外力が加わったときに右側が逃げやすくすることで過大な負荷がかからないようにすることができる。
リーク穴の深さを不均一にするだけではなく、穴径を不均一にしてもよいし、穴数を不均一にしてもよい。また、リーク穴の分布、リーク穴の単位面積当たりの数を不均一にしても同様の効果を得ることができるようになる。
また、これ以外にも、ステージ11の中央と、外側とでリーク穴を不均一にして吸着力を変化させたりしてもよい。
本発明の吸着テーブルは、基板加工装置で基板を固定するテーブルとして利用することができる。
G 基板
10 吸着テーブル
11 ステージ(多孔質板)
11a 上面
11b 裏面
12 ベース
13 テーブル本体
14 中空空間
15 プラグ
16 外部流路
17 真空ポンプ(真空排気機構)
18 エアー源
21 シール部材
22 リーク穴
23 リーク穴
31 圧力センサ

Claims (5)

  1. 多孔質板で形成され上面に基板が載置されるステージと、前記ステージの周縁部分を支持するベースとからなり、内部に中空空間が形成されるとともに、前記ステージの裏面が前記中空空間に面するように構成されたテーブル本体と、
    前記中空空間を減圧する真空排気機構とを備えた吸着テーブルであって、
    前記ステージの裏面は、通気性のないシール部材で覆われるとともに前記シール部材の一部にリーク穴が形成され、
    中空空間を減圧状態にすると前記リーク穴から多孔質板を介してリークが生じるようにしたことを特徴とする吸着テーブル。
  2. 前記リーク穴はシール部材から深さ方向に延伸されて多孔質板にリーク穴の底が形成されてなる請求項1に記載の吸着テーブル。
  3. 前記リーク穴の底の深さは多孔質板の板厚の10%〜50%である請求項1に記載の吸着テーブル。
  4. 前記リーク穴はステージの裏面に格子状に複数形成される請求項1に記載の吸着テーブル。
  5. 前記リーク穴はステージの裏面に複数形成されるとともに、リーク穴の分布、リーク穴の単位面積当たりの数、リーク穴の深さ、リーク穴の径の少なくともいずれかが不均一になるようにして、吸着力を不均一に働かせるようにした請求項1に記載の吸着テーブル。
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