JP5111384B2 - ポリカーボネートおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
ポリカーボネートは、レンズ、光ディスク等の光学分野においては、耐衝撃性、透明性、低吸水性等の特性が注目され重要な位置を占めている。またポリカーボネートは、無機材料が主流であったエレクトロニクス分野においても、その材料選択性の広さ、素子構造の自由度の高さといった点から、近年その需要が飛躍的に高まってきている。こういった用途拡大に伴い、現存するポリカーボネートよりも高い性能を有する新規ポリカーボネートが求められるようになってきている。
その一つとしてシロキサンをポリカーボネートに含有させる方法が挙げられる。シロキサンは表面自由エネルギーを低下させ、水をはじく性質を有し、また特に湿式成形の場合には表面に出やすいという性質をもっている。このため、少量の添加でも摺動性向上に効果がある。よってシロキサン含有ポリカーボネートは、紙、クリーニングブレードなどの接触物質との滑り性に優れている。
1.シリコーンオイルなどのシロキサン系樹脂とポリカーボネートとをブレンドする方法(特許文献1、2参照)。
2.シロキサン構造を含むジヒドロキシ化合物をモノマーとして用いた共重合ポリカーボネートとする方法(特許文献3〜6参照)。
3.シロキサン構造を含むモノフェノール化合物を末端停止剤として用いた末端変性ポリカーボネートとする方法(特許文献7〜12参照)。
いずれの方法もシロキサン部位の添加により、表面の摺動性改質には効果がある。しかしながら「1」の方法では、シロキサンのポリカーボネートや電荷輸送剤などとの非相溶性に起因する相分離を起こすため、主に電気的特性に問題が生じる欠点がある。また「2」の方法では共重合ポリカーボネートの分子量を上げた場合に分子の自由度が低下し、シロキサン部分が効率良く表面に現れにくくなり充分な表面特性が得られなくなる。またシロキサン部分が内側に入ると電気特性や耐刷性に悪影響を及ぼす。「3」の方法では「2」の方法に比べてシロキサン部分の自由度が高く、表面に出やすいために他の特性を損なわずに表面滑り性が向上するが、耐摩耗性の面では充分な結果が得られていない。
このようにシロキサンの導入により表面滑り性は改善されるが、耐摩耗性については未だ充分な結果が得られていないのが実情である。
Zは炭素原子数1〜6の置換若しくは無置換のアルキレン基を表す。
R2、R3は夫々独立に、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20のシクロアルキル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数6〜10のアリール基、および炭素原子数7〜20のアラルキル基からなる群から選ばれる基を表す。R2およびR3は、複数ある場合、それらは同一でも異なっていても良い。
R4、R5およびR6は夫々独立に、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20のシクロアルキル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数6〜10のアリール基および炭素原子数7〜20のアラルキル基からなる群から選ばれる基を表す。
aは1〜4の整数である。mは、5〜80の整数である。
式中R 7 は、フェニル基、bは1または2である。
さらに本発明は、該ポリカーボネートからなる成形品を包含する。
本発明のポリカーボネートは、式[1]で表わされる繰り返し単位を含有する。
式[1]で表わされる繰り返し単位は、後述するジヒドロキシ化合物により形成される。
(式[2]で表される基)
本発明のポリカーボネートは、末端に下記式[2]で表される基を有する。
Zは、炭素原子数1〜6の置換若しくは無置換のアルキレン基を表す。Zは、好ましくは炭素原子数2〜3の置換若しくは無置換のアルキレン基であり、より好ましくは炭素原子数2〜3の無置換のアルキレン基である。アルキレン基として、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基が挙げられる。置換基として、メチル基、エチル基、プロピル基などの炭素原子数1〜3のアルキル基が挙げられる。
炭素原子数1〜10のアルキル基として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、n−ヘキシル基等オクチル基、デシル基等が挙げられる。炭素原子数6〜20のシクロアルキル基として、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、シクロオクチルオキシ基等が挙げられる。炭素原子数2〜10のアルケニル基として、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等が挙げられる。炭素原子数6〜10のアリール基として、フェニル基、トルイル基、ジメチルフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。炭素原子数7〜20のアラルキル基として、ベンジル基、フェネチル基、メチルベンジル基が挙げられる。
R 4 、R5およびR6は夫々独立に、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20のシクロアルキル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数6〜10のアリール基および炭素原子数7〜20のアラルキル基からなる群から選ばれる基を表す。R4、R5およびR6として、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基からなる群から選ばれる基が好ましい。
炭素原子数7〜20のアラルキル基として、ベンジル基、フェネチル基、メチルベンジル基が挙げられる。
aは1〜4の整数である。
mは5〜80の整数、好ましくは8〜40の整数である。mが小さすぎると表面滑り性の改善効果が充分でなくなり、mが大きすぎると、透明性、電気特性に悪影響が生じ好ましくない。
式[2]で表される基は、末端停止剤として一価フェノールを用いることにより導入することができる。一価フェノールの具体例として、後述する式[2]−1〜[2]−24で表される化合物が挙げられる。
(式[4]で表される基)
本発明のポリカーボネートの比粘度は、好ましくは0.2〜1.5、より好ましくは0.3〜1.3、さらに好ましくは0.6〜1.1である。比粘度は、0.7gのポリカーボネートを100mlの塩化メチレンに溶解し20℃で測定する。比粘度が0.2未満であると樹脂の機械的強度が低下する。また比粘度が1.5を超えると、樹脂の機械的強度は上昇するが、重合鎖末端数が減少するため、末端変性による表面滑り性と耐摩耗性改善の効果が充分でなくなる。加えて電子写真バインダー樹脂として用いた場合、適当な膜圧に塗布することが困難となる。
本発明のポリカーボネートは、それを用いて作成したフィルムの接触角が好ましくは95°以上、より好ましくは98°以上、さらに好ましくは100°以上である。
さらに、本発明のポリカーボネートは、それを用いて作成したフィルムのテーパ磨耗量が、好ましくは10.5mg以下、より好ましくは10.2mg以下、さらに好ましくは10.0mg以下である。
本発明のポリカーボネートは、ジヒドロキシ化合物、カーボネート前駆体および末端停止剤を反応させ製造することができる。本発明においては、末端停止剤として、式[2]で表される基を有する化合物(A成分)および式[4]で表される基を有する化合物(B成分)を用い、かつB成分とA成分とのモル比が1<B成分/A成分<70とすることを特徴とする。
末端停止剤は、式[2]で表される基を有する化合物(A成分)および式[4]で表される基を有する化合物(B成分)を含有する。
式[2]で表される基を有する化合物(A成分)として下記式で表される一価フェノールが挙げられる。
式[4]で表される基を有する化合物として下記式で表される一価フェノールが挙げられる。
ジヒドロキシ化合物は、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(BPZ)である。
カーボネート前駆体として、ホスゲン、炭酸ジエステルなどが挙げられる。カーボネート前駆体として、例えばホスゲンを使用する反応では、通常、酸結合剤および溶媒の存在下に反応を行う。カーボネート前駆体の使用割合は、反応の化学量論比(当量)を考慮して適宜調整すればよい。酸結合剤としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物またはピリジンなどのアミン化合物が用いられる。また酸結合剤の使用割合も、反応の化学量論比(当量)を考慮して適宜定めればよい。具体的には、使用するジオキシ化合物1モルに対して2当量若しくはこれより若干過剰量の酸結合剤を用いることが好ましい。
溶媒としては、例えば塩化メチレン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素が用いられる。互いに混ざり合わない2種の溶媒を用いて界面重縮合反応を行ってもよい。
反応促進のために例えば第三級アミンまたは第四級アンモニウム塩などの触媒を用いることもできる。また、所望に応じ、亜硫酸ナトリウム、ハイドロサルファイドなどの酸化防止剤を少量添加してもよい。
反応は、通常、0〜150℃、好ましくは5〜40℃の範囲の温度で行う。反応圧力は、減圧、常圧、加圧のいずれでも可能であるが、通常は、常圧若しくは反応系の自圧程度で好適に行い得る。反応時間は、反応温度等によって左右されるが、通常0.5分間〜10時間、好ましくは1分間〜3時間程度である。
(1)ジヒドロキシ化合物および末端停止剤としての一価フェノールを最初から共存させて、カーボネート前駆体を用いて高分子量化する方法、
(2)ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆物質とを反応させてオリゴマーを生成せしめた後、末端停止剤としての一価フェノールを添加して高分子量化を進め、重縮合を完結させる方法、
(3)ジヒドロキシ化合物、式[4]の構造を有する末端停止剤およびカーボネート前駆体を反応させてオリゴマーを生成せしめた後、式[2]の構造を有する末端停止剤を添加して重縮合を完結させる方法等、任意の方法をとることができる。
なお、本発明のポリカーボネートは、本発明の目的に支障のない範囲で、他の繰り返し単位や末端基を有していてもよい。
具体的には、下記に示す(i)リン系熱安定剤、(ii)酸化防止剤、(iii)難燃剤、(iv)滴下防止剤等を所望により添加することができる。
本発明のポリカーボネートの成形加工時の熱安定性を向上させることを主たる目的として各種のリン系熱安定剤が更に配合されることが好ましい。かかるリン系熱安定剤としては、亜リン酸、リン酸、亜ホスホン酸、ホスホン酸およびこれらのエステル、並びに第3級ホスフィンなどが例示される。かかるリン系熱安定剤は、1種のみならず2種以上を混合して用いることができる。
具体的にはホスファイト化合物としては、例えば、トリデシルホスファイトの如きトリアルキルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイトの如きジアルキルモノアリールホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイトの如きモノアルキルジアリールホスファイト、トリフェニルホスファイトおよびトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトの如きトリアリールホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、およびビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトなどのペンタエリスリトールホスファイト、並びに2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイトおよび2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトなどの環状ホスファイトが例示される。
ホスホナイト化合物としては、テトラキス(ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト、およびビス(ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトが好ましく例示され、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト、およびビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトがより好ましい。かかるホスホナイト化合物は前記アルキル基が2以上置換したアリール基を有するホスファイト化合物との併用可能であり好ましい。
ホスホネイト化合物としては、ベンゼンホスホン酸ジメチル、ベンゼンホスホン酸ジエチル、およびベンゼンホスホン酸ジプロピル等が挙げられ、第3級ホスフィンとしては、例えばトリフェニルホスフィンが例示される。
かかるリン系熱安定剤の配合量は、ポリカーボネート100重量部に対して0.0001〜1重量部が好ましく、0.0005〜0.5重量部がより好ましく、0.002〜0.3重量部がさらに好ましい。
本発明のポリカーボネートの成形加工時の熱安定性、および耐熱老化性を向上させることを主たる目的として酸化防止剤を配合することができる。かかる酸化防止剤は好適にはヒンダードフェノール系安定剤である。該ヒンダードフェノール系安定剤としては、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−tert−ブチル−6−(3’−tert−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−N−ビス−3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、3,9−ビス{2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、N,N’−ヘキサメチレンビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、およびテトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどが例示される。これらはいずれも入手容易である。中でもオクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートが好ましく利用される。上記ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。これら酸化防止剤の配合量は、ポリカーボネート100重量部に対して0.0001〜0.05重量部が好ましい。
本発明のポリカーボネートには、各種の難燃剤が配合されてよい。かかる難燃剤としては、下記(イ)〜(ハ)の難燃剤が挙げられる。
本発明のポリカーボネートには、滴下防止剤を含むことができる。かかる滴下防止剤を上記難燃剤と併用することにより、より良好な難燃性を得ることができる。かかる滴下防止剤としては、フィブリル形成能を有する含フッ素ポリマーを挙げることができ、かかるポリマーとしてはポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン系共重合体(例えば、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体など)、米国特許第4379910号公報に示されるような部分フッ素化ポリマー、フッ素化ジフェノールから製造されるポリカーボネート樹脂などを挙げることかできるが、好ましくはポリテトラフルオロエチレン(以下PTFEと称することがある)である。フィブリル化PTFEの市販品としては例えば三井・デュポンフロロケミカル(株)製のテフロン(登録商標)6J、テフロン(登録商標)30J、ダイキン化学工業(株)製のポリフロンMPA FA500、F−201L、フルオンD−1、D−2、旭アイシーアイフロロポリマーズ(株)製のフルオンAD−1、AD−936、三菱レイヨン(株)製の「メタブレン A3800」(商品名)、およびGEスペシャリティーケミカルズ社製 「BLENDEX B449」(商品名)などが例示される。
フィブリル化PTFEの配合量は、ポリカーボネート100重量部に対して好ましくは0.001〜1重量部、より好ましくは0.1〜0.7重量部である。
本発明は、前述のポリカーボネートからなる成形品を包含する。成形品は、エレクトロニクス機器部品に用いることができる。またノートパソコン、カメラおよび液晶テレビ等の筐体に有用である。
協和界面科学(株)製 滴下式接触角計を用いて純水に対する接触角を測定した。
(2)摩擦係数
新東科学(株)社製 平面性測定器(HEIDON14型)を用いて摩擦係数の測定を行った。なお圧子は直径10mmのステンレス製ボール圧子を用い、荷重を200gf、即ち1.96Nとした。
(3)摩耗試験
東洋精機(株)製 テーバー摩耗試験機を用いて摩耗評価を行った。試験条件は23℃、50%RHの雰囲気下、摩耗輪CS−17を用いて荷重500gf(摩耗輪の自重を含む)、即ち4.9Nで2,000回転後の摩耗量を、試験前後の重量を比較することにより求めた。
(4)比粘度(ηsp)
上述の本文中の条件に基づきポリマーを塩化メチレンに溶解し20℃の温度で測定した。
(5)ガラス転移温度(Tg)
デュポン社製910型DSCにより測定した。
温度計、撹拌機、還流冷却器付き反応器にイオン交換水218,200部、25%水酸化ナトリウム水溶液34,990部を入れ、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(以下“BP−Z”と略称することがある)32,530部、およびハイドロサルファイト68部を溶解した。その後、塩化メチレン123,600部を加え、撹拌下22〜30℃でホスゲン15,000部を60分要して吹き込んだ。
ホスゲン吹き込み終了後、25%水酸化ナトリウム水溶液5,000部、式[2]で表される構造式を含む一価フェノールとして[2]−5(n=8〜10)で表される化合物171.4部、を塩化メチレン500部に溶解した溶液および式[4]で表される構造式を含む一価フェノールとして[4]−13で表される化合物209.0部を塩化メチレン3,000部に溶解した溶液を加え、乳化させた。その後、トリエチルアミン40部を加えて28〜33℃で1時間撹拌して反応を終了した。反応終了後、生成物を塩化メチレンで希釈して水洗したのち塩酸酸性にして水洗し、水相の導電率がイオン交換水と殆ど同じになったところで、塩化メチレン相を濃縮、脱水してポリカーボネート濃度が20%の溶液を得た。
得られたポリカーボネートを20%塩化メチレン溶液とし、500μm厚のキャストフィルムを作製した。室温で2時間、40℃で3時間、60℃で3時間、溶媒を除去した後、120℃で24時間乾燥し、透明フィルムを得た。得られたフィルムの接触角および摩擦係数の測定、並びにテーバー摩耗試験を行った。結果を表1に示す。
式[4]で表される構造式を含む一価フェノールとして[4]−11で表される化合物175.4部を用いた以外は実施例1と同様にして、末端構成単位の比がモル比で[4]/[2]=8.5であるポリカーボネートを得た(ポリマー収率97%)。またこのポリマーのηspは0.774dl/g、Tgは176℃であった。更にポリマー中に含まれるポリシロキサン含有量は0.52%であった(仕込み比0.48%)。得られたポリカーボネートから実施例1と同様にしてキャストフィルムを作製し、得られたフィルムの接触角および摩擦係数の測定、並びにテーバー摩耗試験を行った。結果を表1に示す。
式[4]で表される構造式を含む一価フェノールとして[4]−2で表される化合物148.5部を用いた以外は実施例1と同様にして、末端構成単位の比がモル比で[4]/[2]=8.5であるポリカーボネートを得た(ポリマー収率96%)。またこのポリマーのηspは0.852dl/g、Tgは178℃であった。更にポリマー中に含まれるポリシロキサン含有量は0.56%であった(仕込み比0.48%)。得られたポリカーボネートから実施例1と同様にしてキャストフィルムを作製し、得られたフィルムの接触角および摩擦係数の測定、並びにテーバー摩耗試験を行った。結果を表1に示す。
式[2]で表される構造式を含む一価フェノールとして[2]−5(n=8〜10)で表される化合物1,713.9部を用い、式[4]で表される構造式を含む一価フェノールを用いなかった以外は実施例1と同様にして、末端構成単位の比がモル比で[4]/[2]=0であるポリカーボネートを得た(ポリマー収率94%)。またこのポリマーのηspは0.771dl/g、Tgは175℃であった。更にポリマー中に含まれるポリシロキサン含有量は5.4%であった(仕込み比4.6%)。得られたポリカーボネートから実施例1と同様にしてキャストフィルムを作製し、接触角および摩擦係数の測定、並びにテーバー摩耗試験を行った。結果を表1に示す。
式[2]で表される構造式を含む一価フェノールとして[2]−5(n=8〜10)で表される化合物10.3部を用い、式[4]で表される構造式を含む一価フェノールとして[4]−11で表される化合物194.8部を用いた以外は実施例1と同様にして、ポリカーボネートを得た(ポリマー収率97%)。得られたポリカーボネートのηspは0.777dl/g、Tgは156℃であった。更にポリカーボネート中に含まれるポリシロキサン含有量は0.03%であった(仕込み比0.029%)。得られたポリカーボネートから実施例1と同様にしてキャストフィルムを作製し、接触角および摩擦係数の測定、並びにテーバー摩耗試験を行った。結果を表1に示す。
式[4]で表される構造式を含む一価フェノールの代わりにp−tert−ブチルフェノールを154.6部用いた以外は実施例1と同様にして、末端構成単位の比がモル比で[4]/[2]=0であるポリカーボネートを得た(ポリマー収率98%)。得られたポリカーボネートのηspは0.840dl/g、Tgは180℃であった。ポリカーボネート中に含まれるポリシロキサン含有量は0.50%であった(仕込み比0.48%)。得られたポリカーボネートから実施例1と同様にしてキャストフィルムを作製し、接触角および摩擦係数の測定、並びにテーバー摩耗試験を行った。結果を表1に示す。
式[2]で表される構造式を含む一価フェノールを用いず、式[4]で表される構造式を含む一価フェノールの代わりにp−tert−ブチルフェノールを172.7部用いた以外は実施例1と同様にして、ポリカーボネートを得た(ポリマー収率98%)。得られたポリカーボネートのηspは0.859dl/g、Tgは182℃であった。ポリカーボネートのポリシロキサン含有量は0%であった(仕込み比0%)。得られたポリカーボネートから実施例1と同様にしてキャストフィルムを作製し、接触角および摩擦係数の測定、並びにテーバー摩耗試験を行った。結果を表1に示す。
BP−Zの代わりに、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下“BP−A”と略称することがある)を27,636部用い、式[4]で表される構造式を含む一価フェノールとして[4]−11で表される化合物175.4部を用いた以外は実施例1と同様にして、末端構成単位の比がモル比で[4]/[2]=8.5であるポリカーボネートを得た(ポリマー収率96%)。得られたポリカーボネートのηspは0.924dl/g、Tgは152℃であった。ポリカーボネートのポリシロキサン含有量は0.44%であった(仕込み比0.54%)。得られたポリカーボネートから実施例1と同様にしてキャストフィルムを作製し、接触角および摩擦係数の測定、並びにテーバー摩耗試験を行った。結果を表2に示す。
BP−Zの代わりに、BP−Aを27,636部用い、式[4]で表される構造式を含む一価フェノールとして[4]−11で表される化合物102.7部を用い、式[2]で表される構造式を含む一価フェノールとして[2]−5(n=8〜10)で表される化合物774.0部を用いた以外は実施例1と同様にして、末端構成単位の比がモル比で[4]/[2]=1.1であるポリカーボネートを得た(ポリマー収率94%)。得られたポリカーボネートのηspは0.874dl/g、Tgは148℃であった。ポリカーボネートのポリシロキサン含有量は2.18%であった(仕込み比2.39%)。得られたポリカーボネートから実施例1と同様にしてキャストフィルムを作製し、接触角および摩擦係数の測定、並びにテーバー摩耗試験を行った。結果を表2に示す。
BP−Zの代わりに、BP−Aを27,636部用い、式[2]で表される構造を含む一価フェノールとして[2]−5(n=8〜10)で表される化合物1,713.9部を用い、式[4]で表される構造を含む一価フェノールを用いなかった以外は実施例1と同様にして、末端構成単位の比がモル比で[4]/[2]=0であるポリカーボネートを得た(ポリマー収率95%)。得られたポリカーボネートのηspは0.842dl/g、Tgは148℃であった。ポリカーボネートのポリシロキサン含有量は4.5%であった(仕込み比5.2%)。得られたポリカーボネートから実施例1と同様にしてキャストフィルムを作製し、接触角および摩擦係数の測定、並びにテーバー摩耗試験を行った。結果を表2に示す。
BP−Zの代わりに、BP−Aを27,636部用い、式[2]で表される構造式を含む一価フェノールとして[2]−5(n=8〜10)で表される化合物10.3部を用い、式[4]で表される構造式を含む一価フェノールとして[4]−11で表される化合物194.8部を用いた以外は実施例1と同様にして、ポリカーボネートを得た(ポリマー収率96%)。得られたポリカーボネートのηspは0.845dl/g、Tgは153℃であった。ポリカーボネートのポリシロキサン含有量は0.03%であった(仕込み比0.033%)。得られたポリカーボネートから実施例1と同様にしてキャストフィルムを作製し、接触角および摩擦係数の測定、並びにテーバー摩耗試験を行った。結果を表2に示す。
BP−Zの代わりに、BP−Aを27,636重量部用いた以外は比較例4と同様にして、ポリカーボネートを得た(ポリマー収率98%)。得られたポリカーボネートのηspは0.846dl/g、Tgは152℃であった。
参考例5、比較例6および比較例7で得られたポリカーボネートから次の要領で成形品を製造し、その難燃性を評価した。
即ち、かかる各ポリカーボネート100重量部に対して、パーフルオロブタンスルホン酸カリウム(大日本インキ(株)製メガファックF−114P)0.01重量部、およびホスファイト安定剤(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製Irgafos168)0.05重量部をプリブレンドした。その後、スクリュー径30mmのベント式二軸押出機((株)日本製鋼所製TEX−30XSST)のスクリュー根元にあたる第1投入口に供給し、真空ポンプによる3kPaの真空下において、シリンダー温度330℃〜360℃(スクリュー根元のバレル〜ダイスまでほぼ均等に上昇)、スクリュー回転数180rpm、並びに時間当りの吐出量15kgの条件で押出した。押出されたストランドを水浴において冷却し、ペレタイザーで切断してペレット化し樹脂組成物を得た。
得られたペレットを120℃で6時間、熱風循環式乾燥機を用いて乾燥した後、射出成形機(住友重機械工業(株)製:SG−150U)によりシリンダー温度380℃、金型温度100℃、成形サイクル40秒でUL規格94に準拠する1.6mm厚みの燃焼試験片を成形した。かかる試験片を用いてUL規格94の垂直燃焼試験を行い、該規格に基づくランク付けを行った。
更に、難燃性評価において作成したペレット(COM−6、−8および−9)から図1および図2に示すセルフタップ強度評価用の成形品(ボス内径は3.495〜3.505mmの範囲)を用いて、ウエルドタップ強度を評価した(評価ネジはネジ径:4mm(M4)およびネジ長さ:8mmであるBタイトネジ(日東精工(株)製))。尚、ボスの破壊形態はすべてネジバカであった。締め付けトルク(Tf)に対する破壊トルク(Tb)の比(Tb/Tf)において、COM−6のそれは、COM−8およびCOM−9のそれらに対して1.25倍以上の値であった。
2 ボス成形品台座(円形状)
3 ゲート(1箇所、厚み1.5mm、幅3.0mm)
4 ボス孔(入り口部面取りC0.5)
5 ボス部(外径部抜きテーパー2°)
6 台座下側幅(円形状34mm)
7 ウエルド形成部分
8 ボス外径(8mm)
9 ボス内径(3.5mm)
10 台座厚み(2mm)
11 ボスおよびボス孔の長さ(10mm)
Claims (5)
- 下記式[1]で表される繰り返し単位を含有するポリカーボネートであって、末端には下記式[4]および[2]で表される基を有し、式[4]で表される基と式[2]で表される基とのモル比([4]/[2])が1<[4]/[2]<70を満たすことを特徴とするポリカーボネート。
式[1]において、Xは下記式で表される繰り返し単位を表す。
式[2]において、Yは、単結合、O、CO、COO、NHCO、S、SOおよびSO2よりなる群より選ばれる基を表す。
Zは炭素原子数1〜6の置換若しくは無置換のアルキレン基を表す。
R1は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数6〜20のシクロアルキル基、炭素原子数6〜20のシクロアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数6〜10のアリールオキシ基、炭素原子数7〜20のアラルキル基、炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、ニトロ基、アルデヒド基、シアノ基およびカルボキシル基からなる群から選ばれる基を表す。R1は複数ある場合は、それらは同一でも異なっていても良い。
R2、R3は夫々独立に、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20のシクロアルキル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数6〜10のアリール基、および炭素原子数7〜20のアラルキル基からなる群から選ばれる基を表す。R2およびR3は、複数ある場合、それらは同一でも異なっていても良い。
R4、R5およびR6は夫々独立に、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20のシクロアルキル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数6〜10のアリール基および炭素原子数7〜20のアラルキル基からなる群から選ばれる基を表す。
aは1〜4の整数である。mは、5〜80の整数である。
Arは、
または
である。
式中R 7 は、フェニル基、bは1または2である。 - 式[2]で表される基は、Yが単結合、Zがエチレン基またはトリメチレン基、mが5〜10の整数、R4およびR6がメチル基、R5がメチル基またはテトラメチレン基、R 1 は水素原子またはメチル基またはフェニル基である請求項1記載のポリカーボネート。
- 0.7gを塩化メチレン100mlに溶解した溶液の20℃における比粘度が0.2〜1.5dl/gである請求項1記載のポリカーボネート。
- ジヒドロキシ化合物、カーボネート前駆体および末端停止剤を反応させポリカーボネートを製造する方法において、
ジヒドロキシ化合物が、下記式で表される化合物であり、
末端停止剤が、下記式[2]で表される基を有する化合物(A成分)および下記式[4]で表される基を有する化合物(B成分)を含有し、
式[2]において、Yは、単結合、O、CO、COO、NHCO、S、SOおよびSO 2 よりなる群より選ばれる基を表す。
Zは炭素原子数1〜6の置換若しくは無置換のアルキレン基を表す。
R 1 は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数6〜20のシクロアルキル基、炭素原子数6〜20のシクロアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数6〜10のアリールオキシ基、炭素原子数7〜20のアラルキル基、炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、ニトロ基、アルデヒド基、シアノ基およびカルボキシル基からなる群から選ばれる基を表す。R 1 は複数ある場合は、それらは同一でも異なっていても良い。
R 2 、R 3 は夫々独立に、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20のシクロアルキル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数6〜10のアリール基、および炭素原子数7〜20のアラルキル基からなる群から選ばれる基を表す。R 2 およびR 3 は、複数ある場合、それらは同一でも異なっていても良い。
R 4 、R 5 およびR 6 は夫々独立に、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20のシクロアルキル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数6〜10のアリール基および炭素原子数7〜20のアラルキル基からなる群から選ばれる基を表す。
aは1〜4の整数である。mは、5〜80の整数である。
Arは、
または
である。
式中R 7 は、フェニル基、bは1または2である。
B成分とA成分とのモル比(B成分/A成分)が1<B成分/A成分<70を満たすことを特徴とするポリカーボネートの製造方法。 - 請求項1記載のポリカーボネートからなる成形品。
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