JP5113337B2 - 繊維布材の洗浄方法 - Google Patents
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Description
このとき、これらの印刷面やメタルマスク(PDPに金属蛍光体を含むセルロース系樹脂を吹き付ける吹付け具)の表面に付着した金属蛍光体を含むセルロース系樹脂の残渣を拭き取る作業に長尺反物状の繊維布材(ウエス)が用いられる。
その反面、繊維布材は繊維質からなるものであるため、付着物が付着した繊維布材を通常の洗濯等によって洗浄し、繊維布材から付着物を洗い落とすことは困難である。
このため、一度使用した繊維布材は、その都度廃棄されており、環境面、コスト面で問題となっている。
例えば、特許文献1〜3には、複数の溶剤や薬剤を調合したドライクリーニング用洗浄剤組成物が開示されている。
一方、テープ状部材の洗浄装置としては、例えば特許文献4に、洗浄液が循環供給される洗浄槽と、テープ状部材を洗浄液に浸漬させるテープ移動手段とを含む洗浄装置が開示されている。
特に、上記セルロース系樹脂は、繊維布材内部にまで入り込むため、この付着物を除去することは困難である。
すなわち、一般にセルロース系樹脂が繊維布材内部にまで入り込むため、金属蛍光体を含むセルロース系樹脂を除去することは困難であるが、本発明の洗浄剤組成物は、溶剤がセルロース系樹脂を効果的に溶解するので、繊維布材に付着したセルロース系樹脂を効率よく除去できる。
このとき、セルロース系樹脂を繊維布材から除去することにより、このセルロース系樹脂に含まれる金属蛍光体も間接的に繊維布材から除去される。
したがって、例えば、洗浄後の廃液をフィルター等でろ過することにより、上記金属蛍光体をろ取することができる。
なお、ろ取した金属蛍光体は分離精製されることにより、再利用することが可能である。
この場合、弱酸がセルロース系樹脂を分解し、溶剤中に溶出させるため、より効率よく付着物を繊維布材から除去できる。
また、上述した金属蛍光体を再利用する場合において、本発明の洗浄液組成物に弱酸が含まれると、金属蛍光体は酢酸により精製されるため、ろ取した後の金属蛍光体の分離精製が容易となる利点もある。
なお、取り扱い性、汎用性等の観点から、上記弱酸は酢酸であることがより好ましい。
含有率が上記範囲内であると、繊維質の破損等に伴う繊維布材の耐久性の低下を抑制できる。
この場合、リモネンがいわゆる相関移動触媒として機能するため、より一層効率よく付着物を繊維布材から除去できる。
また、リモネンは天然由来の成分であるため、合成された界面活性剤を用いた場合と比較して、洗浄後の廃液も環境に悪影響を与えない。
この場合、コストを抑えつつ、更に効率よく付着物を繊維布材から除去できる。
合成繊維は耐溶剤性、耐酸性に優れるため、他の天然繊維を用いた場合と比較して、洗浄液組成物による繊維布材の強度低下を抑制できる。
また、本発明の繊維布材の洗浄方法で洗浄された繊維布材は、プリント基板やプラズマディスプレイパネル(PDP)等の製造工程において、付着物を拭き取る作業等に再利用することができる。
なお、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。
また、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
このように本発明の洗浄液組成物は、これらの溶剤を含むため、この洗浄液組成物を付着物が付着した繊維布材と接触させることにより、付着物を繊維布材から効率よく除去できる。
この場合、繊維布材から付着物を、より効率よく除去できる。
また、メタノールを用いた場合、洗浄後の廃液は分解性に優れるため、より環境に悪影響を与えない。
すなわち、この溶剤の含有率が70体積%未満であると、十分な洗浄効果が得られない。
なお、上記溶剤の含有率は80体積%以上であることが好ましい。
この場合、弱酸がセルロース系樹脂を分解させるため、より効率よく付着物を繊維布材から除去できる。
上記弱酸としては、酢酸、蓚酸、蟻酸、乳酸等のカルボン酸類が挙げられる。
酢酸を用いると、付着物の除去をより一層効率よく行うことができる。
また、酢酸は安価であり、常温で液体であるため、取扱性にも優れる。
含有率が8体積%未満であると、含有率が上記範囲にある場合と比較して、付着物を十分に除去できない傾向にあり、含有率が24体積%を超えると、含有率が上記範囲にある場合と比較して、繊維質の破損等に伴う繊維布材の耐久性が低下する傾向にある。
この場合、より一層効率よく付着物を繊維布材から除去できる。また、本発明の洗浄剤組成物にリモネンが含まれていると、合成洗剤が含まれている場合と比較して、洗浄後の廃液も環境に悪影響を与えない。
なお、上記リモネンには、d体、l体、又はdl体のリモネンが含まれる。
含有率が0.01ml/lであると、含有率が上記範囲にある場合と比較して、付着物を十分に除去できない傾向にあり、含有率が1.0ml/lを超えても、洗浄効果の向上が認められなくなる。
かかる添加剤としては、例えば、有機溶剤、漂白剤、防腐剤、柔軟剤、界面活性剤等が挙げられる。
ここで、界面活性剤としては、石鹸、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等が挙げられる。
なお、この界面活性剤はアニオン性、カチオン性、ノニオン性、両性のいずれであってもよい。
そうすると、洗浄後の繊維布材に残存する洗浄液の除去が容易になるとともに、洗浄後の廃液から、付着物中の成分を抽出し、再利用することが可能となる。
具体的には、綿、麻、絹又は羊毛等の天然繊維、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレン又はポリアクリル等の合成繊維を原料とする編地、織地、不織布等により構成されるものが挙げられる。
合成繊維は耐溶剤性、耐酸性に優れるため、他の天然繊維を用いた場合と比較して、洗浄液組成物による繊維布材の強度低下を抑制できる。
すなわち、繊維布材が合成繊維であると、繊維布材の強度を維持した状態で繊維布材を再利用することができる。
なお、プリント基板やPDPの付着物の拭き取り作業には、通常、長尺反物状の繊維布材が用いられるため、洗浄が困難であるが、本発明の洗浄液組成物は、長尺反物状であっても、繊維布材を本発明の洗浄液組成物に接触させることができれば、十分に洗浄することが可能である。
赤色(R)の金属蛍光体としては、例えばユーロピウム付活イットリウム金属蛍光体を含むユーロピウム付活ホウ酸イットリウム・ガドリニウム金属蛍光体、緑色(G)の金属蛍光体としては、例えばセリウム・テルビウム付活リン酸ランタン金属蛍光体、青色(B)の金属蛍光体としては、例えばユーロピウム付活アルミン酸バリウム・マグネシウム金属蛍光体が挙げられる。
本発明の繊維布材の洗浄方法は、金属蛍光体を含むセルロース系樹脂が付着した繊維布材を上述した洗浄液組成物からなる洗浄液に浸漬させることにより洗浄される。このように洗浄を浸漬で行うことにより、洗浄液のロスを少なくすることができ、長尺反物状の繊維布材であっても容易に洗浄することが可能となる。
図1に示すように、洗浄装置10は、付着物が付着した繊維布材3が巻き取られた第1のリール1と、洗浄液Wが貯留された洗浄タンク4と、洗浄された繊維布材3を巻き取るための第2のリール2とを備え、第1のリール1及び第2のリール2が洗浄タンク4の上方に併設された構造を有する。
また、洗浄タンク4には、案内ローラー5が、洗浄液中に浸漬された状態で固定されている。
そして、第1のリール1が回転することにより、繊維布材3が送り出され、洗浄タンク4内に貯蔵された洗浄液に浸漬される。
このとき、この繊維布材3は案内ローラー5によって洗浄液に確実に浸漬される。
こうして、この繊維布材3は洗浄液に浸漬されることにより洗浄され、その後、第2のリール2に巻き取られることになる。
具体的には、第1のリール1に巻き取られている繊維布材3を送り出し、洗浄タンク4に収容された洗浄液Wに浸漬し、第2のリール2に巻き取る順方向浸漬工程と、第2のリール2に巻き取られている繊維布材3を送り出し、洗浄タンク4に収容された洗浄液Wに浸漬し、第1のリール1に巻き取る逆方向浸漬工程と、の二種類の浸漬を行う。
なお、この二種類の工程からなる浸漬は、複数回繰り返されることが好ましい。
そうすると、繊維布材3の進行方向が順方向浸漬工程と、逆方向浸漬工程とでは逆になり、繊維布材3が進行することにより生じる洗浄液Wの回流の方向も逆になる。
このため、繊維布材3の所定の面に接する洗浄液Wの方向性が順方向浸漬工程と、逆方向浸漬工程とでは異なるものとなる。よって、繊維布材3の面に対する洗浄効果が向上し、より均一な洗浄が可能となる。
この浸透作用は、第2のリール2又は第1のリール1に繊維布材3を巻き取っている最中に、巻き取られた繊維布材3が次々重ねられて加圧されることで大きく促進される。
よって、上記繊維布材3の洗浄方法によれば、このような洗浄液Wの浸透作用の促進により、短時間で繊維布材3を洗浄することができると共に、より確実に付着物を繊維布材3から除去することができる。
得られた繊維布材は、再びプリント基板やPDPの付着物を拭き取る繊維布材として用いることができる。
例えば、上述した洗浄装置10を用いた繊維布材3の洗浄において、洗浄装置10を、図示しない耐圧容器内に収容し、該耐圧容器内を減圧して、本発明の洗浄液組成物を用いた上記繊維布材3の洗浄を行ってもよい。
かかるフィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム等が挙げられる。
表1,2に示す組成(単位:質量部)となるように各成分を混合して実施例1〜18及び比較例1〜3の洗浄液組成物を得た。
表1,2中の化合物の詳細を以下に示す。
なお、表1,2中の質量は不揮発分の質量である。
工業用酢酸:80%酢酸(昭和電工株式会社製)
IPA:イソプロピルアルコール
クリアトップA:d−リモネン1%含有(株式会社日華化学社製)
ウエスとしては縦240mm、横240mmの100%ポリエステル編地を用いた。
このウエスに青色蛍光対体ペーストであるユーロピウム付活アルミン酸バリウム・マグネシウム金属蛍光体35質量%、エチルセルロース(セルロース系樹脂)10質量%、揮発溶剤55質量%からなる混合物を、付着量が10.42g/m2となるように付着させた。
すなわち、図1に示す洗浄装置において、洗浄液Wとして実施例1〜18及び比較例1〜3の洗浄液組成物を用い、ウエスがそれぞれの洗浄液組成物に浸漬している時間を60分となるように調整して洗浄を行った。
(付着物の残存量)
洗浄したウエスの単位面積に対して、残存する付着物の重量を測定した(単位:g/m2)。
得られた結果を表3,4に示す。
洗浄したウエスの状態を下記基準で目視にて評価した。
得られた結果を表3,4に示す。
A:ウエス上に付着物がなく再利用可能である。
B:ウエス上に殆ど付着物がなく再利用可能である。
C:ウエス上の一部に付着物が認められるが再利用可能である。
D:ウエス上の殆どの部分に付着物が認められ再利用できない。
E:ウエス上の全面に付着物が認められ再利用できない。
特に、酢酸及びリモネンを加えた実施例12〜18の洗浄液組成物は効果的であり、残存する付着物は殆ど認められなかった。
以上の結果より、本発明の洗浄液組成物によれば、付着物が付着した繊維布材を洗浄することにより、付着物を効率よく除去できることが確認された。
2・・・第2のリール
3・・・繊維布材
4・・・洗浄タンク
5・・・案内ローラー
10・・・洗浄装置
W・・・洗浄液
Claims (8)
- 金属蛍光体を含むセルロース系樹脂が付着した繊維布材を洗浄液組成物に浸漬させることにより、その付着物を前記繊維布材から除去する繊維布材の洗浄方法であって、
前記洗浄液組成物がメタノール、エタノール及びアセトンからなる群より選ばれる少なくとも1つの溶剤を含有し、かつ前記洗浄液組成物中の前記溶剤の含有率が70体積%以上であることを特徴とする繊維布材の洗浄方法。 - 前記洗浄液組成物が弱酸を更に含有することを特徴とする請求項1記載の繊維布材の洗浄方法。
- 前記洗浄液組成物中の前記弱酸の含有率が8〜24体積%であることを特徴とする請求項2記載の繊維布材の洗浄方法。
- 前記弱酸が酢酸であることを特徴とする請求項2記載の繊維布材の洗浄方法。
- 前記洗浄液組成物がリモネンを更に含有することを特徴とする請求項1記載の繊維布材の洗浄方法。
- 前記洗浄液組成物中の前記リモネンの含有率が0.01〜1.0ml/lであることを特徴とする請求項5記載の繊維布材の洗浄方法。
- 前記繊維布材が合成繊維からなることを特徴とする請求項1記載の繊維布材の洗浄方法。
- 前記浸漬は、
前記繊維布材を巻き取り可能な第1のリール及び第2のリールと、前記洗浄液組成物が貯留された洗浄タンクと、を備え、前記第1のリール及び前記第2のリールが前記洗浄タンクの上方に併設された構造を有する洗浄装置を用いるものであって、
前記第1のリールに巻き取られている前記繊維布材を送り出し、前記洗浄タンクに収容された前記洗浄液組成物に浸漬し、前記第2のリールに巻き取る順方向浸漬工程と、
前記第2のリールに巻き取られている前記繊維布材を送り出し、前記洗浄タンクに収容された前記洗浄液組成物に浸漬し、前記第1のリールに巻き取る逆方向浸漬工程と、
の二種類の浸漬を行うことを特徴とする請求項7記載の繊維布材の洗浄方法。
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