JP5116313B2 - 塗布ヘッド - Google Patents

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本発明は、板状や帯状の被塗布部材の表面に塗布液を塗布する塗布ヘッドに関する。
塗布ヘッドは、ガラス基板等の板状部材やテープなどの帯状部材の表面に、液晶材料や磁性材などを含有した塗布液を塗布して塗膜を形成するもので、液晶基板や磁気テープ等の製造に用いられている。
このような塗布ヘッドは、図5の正面図及び図6の側面図に示すような概略形状をしている。また、図7(図5におけるA−A断面図を表している)に示すように、塗布液を貯留するマニホールド20と塗布液を塗布ヘッド1の先端部2から吐出させるためのスリット4とを形成する少なくとも前後一対のヘッド1a,1bからなり、ボルト等によりヘッド1a,1bは一体に結合されている。この塗布ヘッド1を被塗布部材30の表面に接近させ、塗布ヘッド1と被塗布部材30とを相対的に移動させて、図示しない供給路を経てマニホールド20に供給される塗布液をスリット4の先端から吐出させ、被塗布部材30の表面に塗布膜を形成するようになっている。
ところで、液晶基板や磁気テープ等の被塗布部材の表面に塗布液を塗布する塗布ヘッドの場合、塗布液をミクロンオーダーの厚み精度で均一に塗布することが求められるため、図7に示す塗布ヘッド1の先端部2やスリット4の内面4aは高精度に加工されている。
さらに、塗布液をミクロンオーダーの厚み精度で均一に塗布する上で塗布ヘッド1の先端部2のスリット間隔Sの長さ方向(図面に対して直角方向)での平行度が極めて重要になるので、そのスリット間隔Sは例えば図5或いは図7に示すような複数の差動ネジ5等によってサブミクロンの精度で調整される。
また、図5に示すように塗布ヘッド1の両側面3,3には、塗布幅を規制すると共に前記側面3からの塗布液の塗布漏れを防止するためのサイドカバー6が備えられている(例えば、特許文献1)。このサイドカバー6は、サイドカバー6の下部先端部6aと、塗布ヘッド1の先端部2とが面一になるよう位置決め調整され、図6に示すような複数のボルト7で塗布ヘッドの側面3に固定されるのが一般的である(例えば、特許文献2)。
特開2006−255646号公報 特開2006−198501号公報
ところが、サイドカバー6を固定する複数のボルト7のうち、塗布ヘッド1の側面3の先端側3aのボルト8を締め付けると、塗布ヘッド1の先端部2の側端側2aにひずみが生じるという問題があった。このようにボルト8を締め付けることによって塗布ヘッド1の先端部2の側端側2aにひずみが生じてしまう原因としては、図8(図5におけるB−B断面図を表している)に示すボルト8の軸部8aの真直度やボルト8の頭部下面8bと軸部8aとの直角度といったボルト自体の精度誤差や、ボルト8の軸部8aと塗布ヘッド1の側面3に形成されためねじ9との芯ブレ等により、塗布ヘッド1の先端部2の側端側2aに不要な方向への力が働くためと推測することができる。
また、スリット4の内面4aと塗布ヘッド1の側面3との直角度や側面3自体の平面度をミクロンオーダーで高精度に加工することには困難が伴うため、塗布ヘッド1の側面3とサイドカバー6との間に隙間が出来ることは避けられず、このことも、塗布ヘッド1の側面3の先端側3aのボルト8を締め付けると、塗布ヘッド1の先端部2の側端側2aにひずみが生じる原因になっていた。
これらのひずみによって、折角サブミクロンオーダーで調整したスリット間隔Sが先端部2の側端側2aで狂ってしまうので、サイドカバー6をボルト8で締め付けた後に再びサイドカバー6の近傍のスリット間隔Sを差動ネジ5によって再度調整し直さなければならなかった。
また、塗布作業を長時間休止する場合や塗布液を変更する場合、あるいは塗布ヘッド内部に何らかの理由で塗布液が固まって付着してしまった場合等には、サイドカバー6を取り外し、塗布ヘッド1を分解して洗浄することが必要になるが、この場合にも組立の際に前記の調整を行わなければならなかった。
さらに、塗布ヘッド1を研削修理するために分解して塗布ヘッド1の先端部2やスリット4の内面4aを再研削した後の組立の際にも前記同様の調整が必要になってくる。
本発明は、上述したような従来の塗布ヘッドの欠点に鑑みてなされたものであり、サイドカバーを塗布ヘッドの側面に取り付ける作業を行った後であっても、スリット間隔が変化することのない塗布ヘッドを提供することを課題とする。
本発明は、前述の課題を解決するため、少なくとも前後一対のヘッドによりマニホールドとスリットとが形成され、その一対のヘッドの左右両側面には塗布幅を規制するためのサイドカバーを備え、スリットから吐出される塗布液を被塗布部材に塗布する塗布ヘッドにおいて、サイドカバーを塗布ヘッドの側面に固定するための複数のボルトのうち、塗布ヘッドの側面の先端側にある少なくとも一個以上のボルトの軸部には、ボルトの頭部下面とサイドカバーとの間に、ボルトのねじ込み量によって圧縮量を調整して、サイドカバーを塗布ヘッドの側面に所定の力で押し付けることで、塗布ヘッドの側面の先端側のひずみを防止して塗布ヘッドの側面の先端側のスリット間隔を所定の間隔に維持することが可能な付勢手段を設けた塗布ヘッドとする。
塗布ヘッドをこのように構成し、塗布ヘッド先端部の側端側にひずみが発生しない程度の力で付勢手段によってサイドカバーを塗布ヘッドの側面に押し付けてやれば、スリット間隔Sが変化することはなくなる。
また、塗布ヘッド先端部の側端側にある前記ボルトの軸部の一部には小径軸部が形成され、その小径軸部には付勢手段のはずれ防止用止め輪が設けられ、付勢手段はボルトの頭部下面とはずれ防止用止め輪との間に装着されている構成とするのが望ましい。これにより、付勢手段がボルトから外れることがなくなる。
また、付勢手段はコイルバネ或いは、ゴムや軟質樹脂材等からなる弾性体とする。付勢手段としてコイルバネやゴム等を用いることにより、ボルトのねじ込みによる付勢手段の圧縮量で、必要とされる押し付け力を得ることができるようになる。
本発明によれば、サイドカバーを取り付けた後のスリット間隔の再調整が不要になる。その結果、塗布ヘッドの組立調整の作業効率が極めて良くなる。
以下、本発明の実施形態について図1乃至図4を用いて説明してゆく。
図1は本発明に係る塗布ヘッドの一実施形態を示す部分正面図である。図2は本発明に係る塗布ヘッドの別の実施形態を説明するための部分正面図である。図3は本発明に係る塗布ヘッドの別の実施形態を説明するための部分正面図である。図4は本発明に係る塗布ヘッドの別の実施形態を説明するための部分正面図である。
図1において、サイドカバー6を固定する複数のボルト7のうち、塗布ヘッド1の側面3の先端側3aにねじ込まれる少なくとも一個以上のボルト8には、ボルト8の頭部下面8bとサイドカバー6との間に、ボルト8のねじ込みによりサイドカバー6を塗布ヘッド1の側面3に所定の圧縮力で押し付ける付勢手段10が設けられている。付勢手段10は、本実施例ではコイルバネを用いている。
サイドカバー6を取り付ける際に、サイドカバー6と側面3との間に液漏れがなく、また塗布ヘッド1の先端部2の側端側2aにひずみが発生しない程度の圧縮力に付勢手段10の圧縮高さXを調整する。この場合、サイドカバー6を側面3に押し付ける力は、例えば大人が親指で押し付ける程度の力で十分であり、3Kg〜10Kgの範囲とするのが好ましい。また、このときの付勢手段10の圧縮高さXを測定しておけば、サイドカバー6の取り付けを繰り返し行っても、付勢手段10の圧縮高さXによりボルト8のねじ込み量を容易に設定することができる。
また、付勢手段10としてコイルバネを用いることにより、付勢に必要なバネ圧や、ボルト8に装着するのに必要な寸法などを市場に流通しているコイルバネから選定することが容易であり、安価に購入できる。
図2に、本発明に係る塗布ヘッドの別の実施形態を示す。図2に示すように、ボルト8の軸部8aの一部に小径軸部11を形成し、その小径部軸部11に付勢手段10の外れを防止するための止め部材12を設けるようにする。小径軸部11の形状は、ボルト8を塗布ヘッド1の側面3に設けためねじ9にねじ込んでいく時に、止め部材12がサイドカバー6に当接してボルト8の頭部下面8bとの間にある付勢手段10を圧縮しながら、小径軸部11の軸方向に付勢手段10が所定の圧縮力になる位置まで移動できる形状にする。これにより、サイドカバー6の取り付け取り外しの時には付勢手段10がボルト8から外れることがなくなるので、サイドカバー6の取り付け取り外しが容易に行えるようになる。この止め部材12としては、市販のE型止め輪を用いることができる。止め部材としてE型止め輪を用いることにより、ボルト8の小径軸部11に容易に装着することができる。
また、付勢手段10とボルト8の頭部下面8bとの間に図3のように座金40を設けることで、より好ましい実施形態となり、座金40及び止め部材12の形状をボルト8の頭部の外径より大きくすることによりコイルバネの外径を大きくすることができ、より安定感のある付勢手段を備えた塗布ヘッドとすることも可能になる。
図4は付勢手段10としてゴムや軟質樹脂等からなる弾性体を用いたものであり、前述したコイルバネと同様の効果を得ることができる。
尚、前述した実施形態において、サイドカバー6を塗布ヘッド1の側面3に押し付ける力を3Kg〜10Kgとしたが、この値に限定されるものではなく、塗布ヘッド1の側面3とサイドカバー6との間に塗布液漏れがなく、且つ、塗布ヘッド1の先端部2の側端側2aにひずみが生じてスリット間隔Sが変化してしまうことがない押し付け力であれば問題ないことは勿論のことである。
また、弾性体の付勢手段10としてゴムや軟質樹脂等を例示したが、これに限定されるものではなく、皿バネやバネ座金を数枚重ねて使うこともできる。
また、止め部材12としてE型止め輪を例示したが、これに限定されるものではなく、本発明の目的を果たすものであればよい。
以上、本実施の形態ではヘッドが前後一対のものについて記述したが、前後のヘッドの中間に中央ヘッドを備えてスリットを2列にした3ヘッドの塗布ヘッドに用いても同様の効果を得ることができる。
本発明に係る塗布ヘッドの一実施形態を示す部分正面図。 本発明に係る塗布ヘッドの別の実施形態を示す部分正面図。 本発明に係る塗布ヘッドの別の実施形態を示す部分正面図。 本発明に係る塗布ヘッドの別の実施形態を示す部分正面図。 塗布ヘッドの概要を説明するための塗布ヘッドの正面図。 塗布ヘッドの概要を説明するための塗布ヘッドの側面図。 図5のA−A断面図。 図5のB−B断面図。
符号の説明
1 塗布ヘッド
2 (塗布ヘッド1の)先端部
2a (先端部2の)側端側
3 (塗布ヘッド1の)側面
3a (側面3の)先端側
4 スリット
4a スリットの内面
5 差動ネジ
6 サイドカバー
6a サイドカバーの先端部
7 ボルト
8 ボルト
8a ボルトの軸部
8b ボルトの頭部下面
9 めねじ
10 付勢手段
11 小径軸部
12 止め部材
20 マニホールド
30 被塗布部材
40 座金
S スリット間隔
X 圧縮高さ

Claims (4)

  1. 少なくとも前後一対のヘッドによりマニホールドとスリットとが形成され、前記一対のヘッドの左右両側面には塗布幅を規制するためのサイドカバーを備え、前記スリットから吐出される塗布液を被塗布部材に塗布する塗布ヘッドにおいて、
    前記サイドカバーを前記塗布ヘッドの側面に固定するための複数のボルトのうち、前記塗布ヘッドの側面の先端側にある少なくとも一個以上のボルトの軸部には、該ボルトの頭部下面と前記サイドカバーとの間に、前記ボルトのねじ込み量によって圧縮量を調整して、前記サイドカバーを前記塗布ヘッドの側面に所定の力で押し付けることで、前記塗布ヘッドの側面の先端側のひずみを防止して該塗布ヘッドの側面の先端側の前記スリット間隔を所定の間隔に維持することが可能な付勢手段が設けられていることを特徴とする塗布ヘッド。
  2. 前記塗布ヘッドの側面の先端側にある少なくとも一個以上のボルトの軸部の一部には小径軸部が形成され、該小径軸部には前記付勢手段のはずれ防止用止め部材が設けられ、前記付勢手段は、前記ボルトの頭部下面と前記はずれ防止用止め部材との間に装着されていることを特徴とする請求項1に記載の塗布ヘッド。
  3. 前記付勢手段がコイルバネであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の塗布ヘッド。
  4. 前記付勢手段が弾性体であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の塗布ヘッド。
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