JP5120406B2 - セラミック電子部品及びセラミック電子部品の製造方法 - Google Patents
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Description
以下、本発明のセラミック電子部品の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の実施形態に係るセラミック電子部品の構成を簡略に示す正面断面図である。図1に示すように、本実施形態のセラミック電子部品10は、第1の誘電体層11と、第2の誘電体層12と、中間層13とを含むものである。第1の誘電体層11は、BaOとNd2O3とTiO2とを含む層であり、第2の誘電体層12は第1の誘電体層11とは異なる材料を含む層であり、中間層13は第1の誘電体層11と第2の誘電体層12との間に形成され、主成分として第1の誘電体層11および第2の誘電体層12の双方に共通に含まない主成分を含む層である。
第1の誘電体層11は、その主成分がBaOとNd2O3とTiO2とを含むもので構成されている。
第1の誘電体層11の主成分は、BaOとNd2O3とTiO2とを少なくとも含んでいる。主成分は、例えば、BaO−Nd2O3−TiO2系、Bi2O3−BaO−Nd2O3−TiO2系等の誘電体セラミックスである。BaOとNd2O3とTiO2との各々の含有量は特に限定されるものではなく、適宜調整するようにしてもよい。
xBaO・yNd2O3・zTiO2 ・・・(1)
6.0≦x≦23.0 ・・・(2)
13.0≦y≦30.0 ・・・(3)
64.0≦z≦68.0 ・・・(4)
x+y+z=100 ・・・(5)
第1の誘電体層11は、更にその副成分を含んでいてもよい。第1の誘電体層11に含まれる副成分は、例えば、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ホウ素(B2O3)、酸化銅(CuO)であるが、特にこれに限定されるものでない。
第2の誘電体層12は、第1の誘電体層11と異なる材料を含む誘電体層である。第2の誘電体層12は、第1の誘電体層11と同様、主成分と副成分とで構成されるが、主成分のみで構成されていてもよい。本実施形態では、第2の誘電体層12は主成分と副成分とを含んで構成される。また、第1の誘電体層11と異なる材料を含む誘電体層とは、第2の誘電体層12の成分が、第1の誘導体層11の成分と完全同一でなければよい。例えば、第1の誘導体層11の成分の一部が第2の誘電体層12に含まれていてもよい。
第2の誘電体層12の主成分は、第1の誘電体層11と異なる材料であればよく、その種類は特に限定されるものではない。第2の誘電体層12の主成分は、公知のものを用いることができる。第2の誘電体層12に含まれる主成分は、例えば、フォルステライト(2MgO・SiO2)、エンスタタイト(MgO・SiO2)、ディオプサイド(CaO・MgO・2SiO2)等である。これらの中でも比誘電率εrが低く、かつQ・f値が大きいという観点から、フォルステライトを主成分とする誘電体層が好ましい。
第2の誘電体層12に含まれる副成分は、第1の誘電体層11に含まれる副成分と同様のものが用いられる。また、第2の誘電体層12に含まれる主成分がフォルステライトのみである場合、フォルステライトのみを低温焼結させる場合は副成分の含有量は多くなる。このため、第2の誘電体層12に含まれる副成分の含有量は、全ての主成分の和に対する全ての副成分の和の量は16.1質量%以上48.0質量%以下であることが好ましい。
中間層13は、第1の誘電体層11と第2の誘電体層12との間に形成され、主成分として第1の誘電体層11および第2の誘電体層12の双方に共通に含まない主成分を含む層である。第1の誘電体層11と第2の誘電体層12との間に中間層13が存在することで、第1の誘電体層11と第2の誘電体層12とは中間層13の境界部でポアの発生や誘電体層と中間層との間にずれが生じることを抑制することができるので、第1の誘電体層11と第2の誘電体層12とは中間層13を介して強い接着力を有しながら積層させることができる。このため、第1の誘電体層11と第2の誘電体層12との間に中間層13が形成されることによって、積層された第1の誘電体層11と第2の誘電体層12との剥離を抑制することができる。
中間層13の形成方法としては、第1の誘電体層11と第2の誘電体層12とを同時に焼成することにより形成する方法がある。第1の誘電体層11は第1の誘電体層11を構成するために用いられる第1の母材と第1の添加物で構成され、第2の誘電体層12は第2の誘電体層12を構成するために用いられる第2の母材と第2の添加物で構成され、第1の母材および第2の母材との双方に共通に含まない材料を含む中間材で構成されている。これらの第1の母材と第1の添加物と第2の母材と第2の添加物と中間材とが同時に焼成して第1の誘電体層11と第2の誘電体層12と中間層13とが形成されると共に、第1の誘電体層11と第2の誘電体層12と中間層13とを一体化させることができる。
次に、上述したような構成を有するセラミック電子部品の好適な製造方法について図面を用いて説明する。図2は、本発明の実施形態に係るセラミック電子部品の製造方法を示すフローチャートである。図2に示すように、本実施形態に係るセラミック電子部品の製造方法は、次のような(a)から(c)の工程を含んでなる。
(a)BaとNdとTiとを含む第1の母材と少なくともZnOを含む第1の添加物とを混合し、酸素雰囲気下において800℃以上950℃以下の温度で仮焼きして第1の完成材を作製し、前記第1の母材とは異なる材料を含む第2の母材と少なくともZnOを含む第2の添加物とを混合し、酸素雰囲気下において800℃以上950℃以下の温度で仮焼きして第2の完成材を作製すると共に、第1の母材および第2の母材とは異なる材料を含む中間材を、酸素雰囲気下において800℃以上950℃以下の温度で仮焼きして第3の完成材を作製する完成材作製工程(ステップS11)
(b)第1の完成材を含む第1のスラリーをシート状に形成する第1のシート体(第1のグリーンシート)と、第2の完成材を含む第2のスラリーをシート状に形成する第2のシート体(第2のグリーンシート)との間に、中間材を含む第3のスラリーをシート状に形成した第3のシート体(第3のグリーンシート)を積層し、第1のシート体と第3のシート体と第2のシート体との順に交互に積層し、シート積層体を形成するシート積層体形成工程(ステップS12)
(c)シート積層体を焼成して積層焼結体を作製する積層焼結体作製工程(ステップS13)
完成材作製工程(ステップS11)は、第1の母材と第1の添加物とを混合し、仮焼きして、微粉砕工程を経て第1の完成材を作製し、第2の母材と第2の添加物とを混合し、仮焼きして第2の完成材を作製すると共に、第1の母材および第2の母材とは異なる材料を含む中間材を仮焼きして第3の完成材を作製する工程である。
シート積層体形成工程(ステップS12)は、第1の完成材を含む第1のスラリーをシート状に形成した第1のグリーンシート(第1のシート体)と、第2の完成材を含む第2のスラリーをシート状に形成する第2のグリーンシート(第2のシート体)との間に、中間材を含む第3のスラリーをシート状に形成した第3のシート体(第3のグリーンシート)を積層し、第1のシート体と第3のシート体と第2のシート体との順に交互に積層し、シート積層体を形成する工程である。
積層焼結体作製工程(ステップS13)は、シート積層体を焼成して硬化させ、積層焼結体を作製する工程である。積層焼結体作製工程(ステップS13)では、得られるシート積層体を所定形状に切断してチップ型のシート積層体を形成し、第1のグリーンシートと第2のグリーンシートと第3のグリーンシートとに含まれるバインダーを除去した後、シート積層体を焼成し、積層焼結体が生成される。焼成は、空気中のような酸素雰囲気下にて行うことが好ましい。焼成温度は中間層が形成されるのに好ましい温度が最適であり、例えば、850℃以上950℃以下であることが好ましく、880℃以上920℃以下であることがより好ましく、900℃以上920℃以下が最も好ましい。
本実施形態のセラミック電子部品は、例えば、高周波デバイスの一種である多層型デバイスのセラミック電子部品として好適に用いることができる。多層型デバイスは、内部にコンデンサー、インダクタ等の誘電デバイスが一体的に作り込まれるか一体に埋設された複数のセラミック層からなる多層セラミック基板を用いて製造される。この多層セラミック基板の製造方法は、上述の本実施形態に係るセラミック電子部品の製造方法を用いて製造される。また、本実施形態のセラミック電子部品は、多層型デバイスの他に、LCフィルターに好適に用いることができる。図3は、本実施形態のセラミック電子部品をLCフィルターとした場合の一実施形態を模式的に示す概念図である。図3に示すように、LCフィルター20は、コンデンサー21−1から21−3とコイル22とを備えている。コンデンサー21−1から21−3はコイル22とビア(ビア導体)23によって接続されている。LCフィルター20のコンデンサー部は3層構造としているが、本実施形態のセラミック電子部品は3層構造に限定されず、任意の多層構造とすることができる。よって、本実施形態のセラミック電子部品は、多層型のSMDとして、LCフィルターに好適に用いることができる。
第1の誘電体層11と第2の誘電体層12と中間層13との一層で構成されたセラミック電子部品を作製した。セラミック電子部品を作製する際に、第1の誘電体層11と第2の誘電体層12と中間層13との各々の層に含まれる各成分と、その添加量(質量部)を表1に示す。表1に示す成分を含み表1に示す量で調整された第1の誘電体層11と第2の誘電体層12と中間層13とを含むセラミック電子部品を作製した。
(中間層に含まれる成分が多い誘電体層側の領域の値―中間層に含まれる成分が少ない誘電体層側の領域の値)/第1の誘電体層11又は第2の誘電体層12のうち中間層に含まれる成分が多い誘電体層側の領域の値 ・・・(1)
表1に示すように、第1の誘電体層11及び第2の誘電体層12の両方に含まれる成分は、BaOとZnOとCuOとであった。中間層13内に含まれるBaOは、中間層13の第1の誘電体層11側の方が第2の誘電体層12側の方より多く分布していた。よって、第1の誘電体層11側の方が第2の誘電体層12側より多く含まれているBaOは、第1の誘電体層11側から拡散し、中間層13の内部には第1の誘電体層11側から第2の誘電体層12側に向かって拡散していることが分かった。また、中間層13内に含まれるZnOとCuOとは、中間層13の第2の誘電体層12側の方が第1の誘電体層11側の方より多く分布していた。よって、第2の誘電体層12側の方が第1の誘電体層11側より多く含まれているZnOとCuOは、第2の誘電体層12側から拡散し、中間層13の内部には第2の誘電体層12側から第1の誘電体層11側に向かって拡散していることが分かった。
表1に示すように、第1の誘電体層11にのみ含まれる成分は、Nd2O3とTiO2とAg2Oとであった。これらNd2O3とTiO2とは、中間層13の第1の誘電体層11側の方が第2の誘電体層12側の方より多く分布していた。よって、中間層13内のNd2O3とTiO2とは、第1の誘電体層11側から第2の誘電体層12側に向かって拡散していることが確認された。一方、Ag2Oは、中間層13内の第1の誘電体層11側より第2の誘電体層12側に多く拡散していた。これは、中間層13を構成する成分として含まれていたAg2Oが第2の誘電体層12側に拡散していたためであると考えられる。よって、第1の誘電体層11にのみ含まれるNd2O3とTiO2とは、中間層13の第1の誘電体層11との境界部に多く分布し、第1の誘電体層11側から第2の誘電体層12側に向かって拡散しているのが確認された。
表1に示すように、第2の誘電体層12にのみ含まれる成分はMgOとSiO2とSrOとCaOとであった。MgOとSiO2とSrOとは、中間層13の第2の誘電体層12側の方が第1の誘電体層11側の方より多く分布していた。一方、CaOは、中間層13の第1の誘電体層11側と第2の誘電体層12側とにほぼ同等の割合で分布していた。よって、第2の誘電体層12にのみ含まれるMgOとSiO2とSrOは、中間層13の第2の誘電体層12側に多く分布し、第2の誘電体層12側から第1の誘電体層11側に向かって拡散しているのが確認された。
[母材とシート体との作製]
第1の誘電体層と第2の誘電体層と中間層とを各々構成する成分が含まれる母材と、第1の誘電体層と第2の誘電体層を形成するために用いられるシート体との作製方法について説明する。用いる母材は、BaNdTiO系酸化物と、2MgO・SiO2と、BaNdTiO系酸化物と2MgO・SiO2との混合物と、SiO2−Al2O3−B2O3−SrO系ガラスである。また、シート体は、BaNdTiO系酸化物のシート体と、2MgO・SiOのシート体と、BaNdTiO系酸化物と2MgO・SiO2との混合物のシート体と、SiO2−Al2O3−B2O3−SrO系ガラスのシート体とである。
炭酸バリウム(BaCO3)24.36質量%と、水酸化ネオジム(Nd(OH)3)40.29質量%と、酸化チタン(TiO2)35.35質量%とを秤量した。BaCO3とNd(OH)3とTiO2との和を100質量%とし、秤量した粉体をナイロン製ボールミルに入れ、イオン交換水と市販の分散剤を添加してスラリー濃度が25%のスラリーを作製し、16時間混合した。
上述の方法により得た完成材に、市販品のトルエン(1級)、アルコール(特級)、分散剤、アクリル樹脂ラッカー、可塑剤として市販品のn-ブチルフタリルn-ブチルグリコラートを所定量配合し、ポリエチレン製ボールミルに入れ、16時間混合し、シート体成形用のスラリーを得た。これをドクターブレード法によって基板上に塗布してシート体を複数作製した。
フォルステライト(2MgO・SiO2)100質量%に対し、酸化ホウ素(B2O3)を8.0質量%、酸化亜鉛(ZnO)を12.0質量%、酸化銅(CuO)を4.0質量%、炭酸カルシウム(CaCO3)を1.0質量%秤量した。秤量した粉体をナイロン製ボールミルに入れ、イオン交換水を添加して濃度が33%濃度のスラリーを作製し、16時間混合した。
上述の方法により得た完成材に、市販品のトルエン(1級)、アルコール(特級)、分散剤、アクリル樹脂ラッカー、可塑剤として市販品のn-ブチルフタリルn-ブチルグリコラートを所定量配合し、ポリエチレン製ボールミルに入れ、16時間混合し、シート体成形用のスラリーを得た。これをドクターブレード法によって基板上に塗布してシート体を複数作製した。
炭酸バリウム(BaCO3)を24.36質量%、水酸化ネオジム(Nd(OH)3)を40.29質量%、酸化チタン(TiO2)を35.35質量%秤量し、BaCO3とNd(OH)3とTiO2との和が100質量%となるようにした。秤量した粉体をナイロン製ボールミルに入れ、イオン交換水と市販分散剤を添加してスラリー濃度が25%のスラリーを作製し、16時間混合した。
上述の方法により得た完成材に、市販品のトルエン(1級)、アルコール(特級)、分散剤、アクリル樹脂ラッカー、可塑剤として市販品のn-ブチルフタリルn-ブチルグリコラートを所定量配合し、ポリエチレン製ボールミルに入れ、16時間混合し、シート体成形用のスラリーを得た。これをドクターブレード法によって基板上に塗布してシート体を複数作製した。
SiO2を55質量%、Al2O3を10質量%、B2O3を5質量%、SrOを30質量%秤量し、4つの酸化物の和が100質量%となるようにした。秤量した粉体をシェイカーミキサーに入れ、乾式混合を行った。
上述の方法により得た完成材に、市販品のトルエン(1級)、アルコール(特級)、分散剤、アクリル樹脂ラッカー、可塑剤として市販品のn-ブチルフタリルn-ブチルグリコラートを所定量配合し、ポリエチレン製ボールミルに入れ、16時間混合し、シート体成形用のスラリーを得た。これをドクターブレード法によって基板上に塗布してシート体を複数作製した。
上記のようにして得られたBaNdTiO系酸化物と、2MgO・SiO2と、BaNdTiO系酸化物及び2MgO・SiO2のコンポジット材料と、SiO2−Al2O3−B2O3−SrO系ガラスとを第1の誘電体層及び第2の誘電体層を形成するために用いる母材として用いた。ZnO、B2O3、CoO、MnO、Bi2O3、CaCO3、Ag、CuO、α−SiO2、Al2O3の何れか1つ以上を添加物として用いた。これらを母材又は添加物として用い、表1に示す条件によりチップ状に形成された積層焼結体(チップ)を作製した。
(実施例2−1)
(焼成前)
BaO−NdO3−TiO2セラミックスシートにAgペースト(TDK社製)を所定のコンデンサパターン形状(焼成後にチップの形状が長手方向4.5mm、幅方向3.2mmであるパターン)に印刷し、120℃で、15分間乾燥させた。
焼成したチップの端部に外部端子を形成させるため、市販品のAgの外部端子ペーストを用いて端子両側に手動で塗布し、120℃で15分間乾燥し、連続式焼成炉(LINDBERG社製)を用いて670℃で焼付け処理を行った。端部を焼成したチップを電気めっき装置でCu−Ni−Snめっきを行い、各めっきにより所定の膜厚となるまでめっきを行い、チップを得た。
実施例2−2から2−4、比較例2−1から2−4のチップの作成方法は、表2に示した条件を変化させたこと以外は、実施例2−1における場合と同様として行なった。
得られたチップを用いて、第1の誘電体層と中間層との境界部に優先して拡散している成分(優先拡散成分)と、第1の誘電体層と中間層との境界部の優先拡散成分の拡散割合と、第1の誘電体層と中間層との境界部の連続性と、第2の誘電体層と中間層との境界部の優先拡散成分と、第2の誘電体層と中間層との境界部の優先拡散成分の拡散割合と、第2の誘電体層と中間層との境界部の連続性と、めっき液の中間層への侵入の有無と、第1及び第2の誘電体層の剥がれ状況とについて確認した。
焼成後のチップを市販のエポキシ樹脂を用いて容器に埋め込み、研磨剤を用いて研磨し、鏡面研磨で仕上げた後、その研磨面を走査電子顕微鏡(商品名:JSM‐6700、日本電子データム社製)によりSEM−EDS観察し、焼成後の境界面のEDS像(2000倍)を撮影し、境界面の拡散元素分布の状態を確認した。得られた境界面の拡散元素分布の状態から、第1の誘電体層又は第2の誘電体層と中間層との境界部の優先拡散成分と、第1の誘電体層又は第2の誘電体層中間層との境界部の優先拡散成分のグラデーション率と、第1の誘電体層又は第2の誘電体層と中間層との境界部の連続性とを評価した。
めっき処理を施したチップをペンチで破断し、その破断した境界面を走査電子顕微鏡(商品名:JSM‐T300、日本電子データム社製)により観察し、焼成後の境界面のCOMPO像(2000倍)を撮影して境界面へのめっき液の浸入の有無を確認した。
めっき処理を施したチップの3面(平面、側面、端面)を金属顕微鏡で確認し剥がれ等の異常が無いか各試料毎に10箇所確認した。
SiO2−Al2O3−B2O3−SrO系ガラスを主成分とする中間層を用いた場合、中間層と第1の誘電体層との連続性は悪く、第1の誘電体層と中間層との境界部で拡散していた成分を特定することはできず、第1の誘電体層と中間層との境界部に拡散する成分の拡散割合を特定することはできなかった(比較例2−1から2−4参照)。一方、中間層に、BaNdTiO系酸化物と2MgO・SiO2とを混合した混合物を用いると、Nd2O3とTiO2とが第1の誘電体層と中間層との境界部に多く含まれており、中間層の第1の誘電体層側から第2の誘電体層側に向かって拡散していたのが確認され、第1の誘電体層と中間層の境界部との間に連続性が確認された(実施例2−1から2−4参照)。よって、BaNdTiO系酸化物と2MgO・SiO2とを混合した混合物は、第1の誘電体層との連続性を持たせるための中間層として好適に用いることができることが確認された。
第2の誘電体層と中間層との間でも第1の誘電体層と中間層との間での関係と同様に、SiO2−Al2O3−B2O3−SrO系ガラスを主成分とする中間層を用いた場合、中間層と第1の誘電体層との連続性は悪く、第2の誘電体層と中間層との境界部で拡散していた成分を特定することはできず、第2の誘電体層と中間層との境界部に拡散する成分の拡散割合を特定することはできなかった(比較例2−1から2−4参照)。一方、中間層に、BaNdTiO系酸化物と2MgO・SiO2とを混合した混合物を用いると、MgOとSiO2とSrOとCaOとが第2の誘電体層と中間層との境界部に多く含まれており、中間層の第2の誘電体層側から第1の誘電体層側に向かって拡散していたのが確認され、第2の誘電体層と中間層の境界部との間に連続性が確認された(実施例2−1から2−4参照)。よって、BaNdTiO系酸化物と2MgO・SiO2とを混合した混合物は、第2の誘電体層との連続性を持たせるための中間層として好適に用いることができることが確認された。
SiO2−Al2O3−B2O3−SrO系ガラスを主成分とする中間層を用いた場合、めっき処理後の中間層と第1の誘電体層及び第2の誘電体層との界面へのめっき液の浸入が認められた(比較例2−1から2−4参照)。一方、中間層に、BaNdTiO系酸化物と2MgO・SiO2とを混合した混合物を用いた場合には、めっき処理後の中間層と第1の誘電体層及び第2の誘電体層との界面へのめっき液の浸入は認められなかった(実施例2−1から2−4参照)。よって、BaNdTiO系酸化物と2MgO・SiO2とを混合した混合物は、第1の誘電体層及び第2の誘電体層との接着力を高くすることができ、中間層として好適に用いることができることが確認された。
SiO2−Al2O3−B2O3−SrO系ガラスを主成分とする中間層を用いた場合、第1の誘電体層と第2の誘電体層との焼成時の剥離が認められた(比較例2−1から2−4参照)。一方、中間層に、BaNdTiO系酸化物と2MgO・SiO2とを混合した混合物を用いた場合には、第1の誘電体層と第2の誘電体層との一体化時の剥離も認められなかった(実施例2−1から2−4参照)。よって、BaNdTiO系酸化物と2MgO・SiO2とを混合した混合物は、第1の誘電体層及び第2の誘電体層との接着力を高くすることができ、中間層として好適に用いることができることが確認された。
11 第1の誘電体層
12 第2の誘電体層
13 中間層
20 LCフィルター
21−1〜21−3 コンデンサー
22 コイル
23 ビア(ビア導体)
Claims (4)
- BaOとNd2O3とTiO2とを主成分として含む第1の誘電体層と、
Mg 2 SiO 4 を主成分として含む第2の誘電体層と、
前記第1の誘電体層と前記第2の誘電体層との間に設けられ、主成分として前記第1の誘電体層の主成分のうち前記第2の誘電体層に含まれない主成分と、前記第2の誘電体層の主成分のうち前記第1の誘電体層に含まれない主成分との両方を含む中間層と、
を含み、
前記中間層は、
前記中間層と前記第1の誘電体層との境界部に前記第2の誘電体層に含まれず前記第1の誘電体層にのみ含まれている成分の割合を前記中間層と前記第2の誘電体層との境界部より多く含み、前記第1の誘電体層側から前記第2の誘電体層側に向かって前記第2の誘電体層に含まれず前記第1の誘電体層にのみ含まれている成分の割合が少なくなるように含むと共に、
前記中間層と前記第2の誘電体層との境界部に前記第1の誘電体層に含まれず前記第2の誘電体層にのみ含まれている成分の割合を前記中間層と前記第1の誘電体層との境界部より多く含み、前記第2の誘電体層側から前記第1の誘電体層側に向かって前記第1の誘電体層に含まれず前記第2の誘電体層にのみ含まれている成分の割合が少なくなるように含む、
ことを特徴とするセラミック電子部品。 - 前記第1の誘電体層は、前記BaO、Nd2O3 及びTiO2を主成分とし、酸化物類を副成分として含み、
前記第2の誘電体層は、前記Mg2SiO4を主成分とし、酸化物類とガラスを副成分として含む請求項1に記載のセラミック電子部品。 - 前記第2の誘電体層に含まれず前記第1の誘電体層にのみ含まれている成分が、Nd 2 O 3 、TiO 2 を含み、
前記第1の誘電体層に含まれず前記第2の誘電体層にのみ含まれている成分が、MgO、SiO 2 、SrO、CaOを含む、
請求項1又は2に記載のセラミック電子部品。 - Ba及びNd及びTiを含む第1の母材と少なくともZnOを含む第1の添加物とを混合し、酸素雰囲気下において800℃以上950℃以下の温度で仮焼きして第1の完成材を作製し、Mg及びSiを含む第2の母材と少なくともZnOを含む第2の添加物とを混合し、酸素雰囲気下において800℃以上950℃以下の温度で仮焼きして第2の完成材を作製すると共に、材料として前記第1の母材の材料のうち前記第2の母材に含まれない材料と、前記第2の母材の材料のうち前記第1の母材に含まれない材料との両方を含む中間材を酸素雰囲気下において800℃以上950℃以下の温度で仮焼きして第3の完成材を作製する完成材作製工程と、
前記第1の完成材を含む第1のスラリーをシート状に形成する第1のシート体と、第2の完成材を含む第2のスラリーをシート状に形成する第2のシート体との間に、前記中間材を含む第3のスラリーをシート状に形成した第3のシート体を積層し、第1のシート体と第3のシート体と第2のシート体との順に交互に積層し、シート積層体を形成するシート積層体形成工程と、
前記シート積層体を焼成して積層焼結体を作製する積層焼結体作製工程と、
を含むことを特徴とするセラミック電子部品の製造方法。
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