JP5128083B2 - 帽子の製造方法及び帽子 - Google Patents

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Description

本発明は、衝撃吸収性に優れ、頭部の保護に適する帽子の製造方法及び帽子に関する。
特許文献1には、発泡樹脂エラストマーとして所定の低反発エラストマーをクッション材として用いた保護帽が開示されている。作業帽、二輪自動車用のヘルメット、あるいは各種スポーツで用いられるヘルメットなどにおいては、ウレタンフォームが衝撃吸収材として用いられているが、所定の低反発エラストマーを用いることにより、耐寒性を向上させ、寒冷地でも十分なクッション性を保持できることを特徴とするものである。一方、特許文献2には、三次元立体編物を防災頭巾として用いる技術が開示されている。
また、特許文献3〜5には、三次元立体編物(三次元ネット材)を加熱圧縮成形し、ブラジャーカップ等に加工する手段が開示されている。
特開2005−163228号公報 特開2002−165895号公報 特開平9−31856号公報 特開2000−199104号公報 特開2005−154998号公報
特許文献1に開示された発泡樹脂エラストマーを用いる場合、通気性の点で課題がある。一般に、帽子は、通気性に優れると共に、洗濯し易く、かつ軽量であることが望まれる。しかるに特許文献1に記載のものは、衝撃吸収性の点では所定の特性を備えるが、通気性、洗濯容易性、軽量性といった点では一般の帽子よりはるかに劣るものである。これに対し、特許文献2の防災頭巾に用いられている三次元立体編物は、衝撃吸収特性に優れているばかりか、軽量で通気性に優れ、また、洗濯も容易であるという特徴を備えている。従って、かかる三次元立体編物をクッション材として用いれば、大人用だけでなく、子供用の頭部保護帽としても適する帽子を提供できる。
しかしながら、三次元立体編物を帽子のような半球状に加工することは困難である。一般には、所定形状に裁断し、縫製により半球状に加工することが考えられるが、製造工程が複雑化すると共に、製造コストも高くなる。一方、特許文献3〜5に記載された加熱圧縮成形法を用いて半球状に加工することも考えられるが、特許文献3〜5に記載の技術は次のような問題がある。すなわち、三次元立体編物を加熱圧縮して所定の成形物に成形すると、成形物を構成している三次元立体編物は、成形前と比較して厚みが薄くなり、圧縮復元性も劣化する。この点に鑑み、特許文献5では、加工対象となる三次元立体編物として特殊な生地特性等を有するものを用い、圧縮復元性を改善しているが、それでも、50%前後の圧縮復元性しか達成できていない。また、加熱圧縮用の金型は製作コストが高く、製作期間も長く要する。
本発明は上記に鑑みなされたものであり、三次元立体編物を用いることにより、軽量性、通気性、洗濯容易性という一般の帽子に要求される条件を満足しながら、低い製造コストで高い衝撃吸収特性を発揮でき、頭部保護用として適する帽子の製造方法及び帽子を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、請求項1記載の本発明では、 所定形状に裁断した三次元立体編物の端部を上型及び下型に係止し、該端部を除いた略半球状の形状成形部を上型及び下型によって加圧されない非加圧状態で該上型及び下型間にセットして加熱処理し、前記形状成形部を前記上型及び下型の型内面に沿って変形させて成形する工程と、
成形された前記形状成形部の形状を保持するための帯状のゴム部材を、前記端部と前記形状成形部との境界付近に円周状に付設する工程と
を有することを特徴とする帽子の製造方法を提供する。
請求項2記載の本発明では、上型及び下型のうち、前記端部を係止する各端部係止面を、成形前の三次元立体編物の厚みよりも狭い間隔に調整し、該端部係止面間に該端部を挟持して成形し、該端部を鍔として用いることを特徴とする請求項1記載の帽子の製造方法を提供する。
請求項3記載の本発明では、前記上型及び下型間の各端部係止面を除いた部分の成形時における間隔を、前記三次元立体編物の厚み以上に調整して成形することを特徴とする請求項1又は2記載の帽子の成形方法を提供する。
請求項4記載の本発明では、所定形状に裁断した三次元立体編物を成形してなる帽子であって、
三次元立体編物のうち、上型及び下型に係止される端部を除いた形状成形部が、上型及び下型によって加圧されない非加圧状態で上型及び下型間にセットされて加熱処理され、前記形状成形部が前記上型及び下型の型内面に沿った略半球状に成形されたものであると共に、
前記端部と前記形状成形部との境界付近に、前記形状成形部の形状を保持するゴム部材が付設されていることを特徴とする帽子を提供する。
請求項5記載の本発明では、上型及び下型のうち、前記端部を係止する各端部係止面が、成形前の三次元立体編物の厚みよりも狭い間隔となるように調整され、該端部が該端部係止面間に挟持して成形され、該端部が鍔として成形されていることを特徴とする請求項4記載の帽子を提供する。
請求項6記載の本発明では、前記形状成形部の内面側に、弾性中材が設けられていることを特徴とする請求項4又は5記載の帽子を提供する。
請求項7記載の本発明では、前記弾性中材が、複数枚積層されて設けられていることを特徴とする請求項6記載の帽子を提供する。
請求項8記載の本発明では、前記弾性中材が、三次元立体編物から形成されていることを特徴とする請求項6又は7記載の帽子を提供する。
本発明は、所定形状に裁断した三次元立体編物の端部を上型及び下型に係止し、該端部を除いた部分を上型及び下型によって加圧されない非加圧状態で該上型及び下型間にセットして帽子形状に成形することを特徴とする。加工対象の三次元立体編物は、編み上げた後、ヒートセットして平板状の原反として提供される。ヒートセットは、編み上げた際の表面の凹凸を矯正して平滑化するものであるため、ヒートセットを行うことにより、グランド地や連結糸は、編み上げ時よりも厚み方向に押圧された状態で熱変形されている。本発明は、このようにして提供された三次元立体編物に対し、非加圧状態で上型及び下型間にセットして加熱するため、三次元立体編物は、熱を受けることにより、グランド地や連結糸の残留応力が上型及び下型間で開放され、いわばヒートセット前の編み上げ時の状態に変形しようとして型に沿って変形する。従って、得られた帽子は、厚みが加工前の三次元立体編物とほぼ同じか、それよりも厚くなっており、加熱圧縮して成形しているわけではないため、高い圧縮復元性が得られ、高い衝撃吸収特性を発揮でき、頭部保護用として適する。
また、端部と略半球状の形状成形部との境界付近に円周に沿ってゴム部材を付設する構成とした場合、該ゴム部材により、形状成形部の形状を保持することができると共に、三次元立体編物の伸びを利用して、一定の大きさでありながら、種々の頭部サイズに対応した帽子を提供できる。すなわち、形状成形部を加熱圧縮成形した場合、グランド地や連結糸が硬化するため、円周方向の伸びも制限されるが、本発明によれば、形状成形部を非加圧で成形するため、三次元立体編物の有する伸縮性を成形後も保持させることができ、ゴム部材が付設することにより、形状成形部を円周方向に伸ばした状態でも頭部にフィットさせることができ、種々の頭部サイズに対応したいわゆるフリーサイズあるいはそれに近い帽子を提供できる。また、形状成形部の内面側に、弾性中材、好ましくは三次元立体編物からなる弾性中材を1枚、あるいは複数枚積層して設けることにより、形状成形部における衝撃吸収特性をさらに向上させることができる。また、弾性中材は、三次元立体編物から成る帽子に限らず、布製の帽子に用いても衝撃吸収特性を向上させることができる。
以下、図面に示した実施形態に基づき、本発明をさらに詳細に説明する。図1及び図2は本実施形態の製造工程を示す図である。これらの図に示したように、まず、加工対象となる三次元立体編物10は、例えば、略方形、略円形など、金型20にセットしやすい任意の形状に裁断されたものでよく、成形後に所望の帽子形状となるように端縁部を裁断処理するようにしてもよいが、成形のみで所望の帽子形状を得られるような形状に、あるいは成形後の裁断処理をできるだけ簡素化できるような形状に、予め裁断処理したものを用いてもよい。
ここで、三次元立体編物10は、互いに離間して配置された一対のグランド編地と、該一対のグランド編地間を往復して両者を結合する多数の連結糸とを有する立体的な三次元構造となった編地である。一方のグランド編地は、例えば、単繊維を撚った糸から、ウェール方向及びコース方向のいずれの方向にも連続したフラットな編地組織(細目)によって形成され、他方のグランド編地は、例えば、短繊維を撚った糸から、ハニカム状(六角形)のメッシュを有する編み目構造に形成されている。もちろん、この編地組織は任意であり、細目組織やハニカム状以外の編地組織を採用することもできるし、両者とも細目組織を採用するなど、その組み合わせも任意である。連結糸は、一方のグランド編地と他方のグランド編地とが所定の間隔を保持するように、この一対のグランド編地間に編み込んだもので、三次元立体編物に所定の剛性を付与する。グランド編地を形成するグランド糸の太さは、三次元立体編物に必要な腰の強さを具備させることができると共に、編成作業が困難にならない範囲のものが選択される。
グランド糸又は連結糸の素材としては、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、レーヨン等の合成繊維や再生繊維、ウール、絹、綿等の天然繊維が挙げられるが、これらの素材は単独で用いてもよいし、これらを任意に併用することもできる。好ましくは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などに代表される熱可塑性ポリエステル樹脂類、ナイロン6、ナイロン66などに代表されるポリアミド樹脂類、ポリエチレン、ポリプロピレンなどに代表されるポリオレフィン樹脂類、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)あるいはこれらの樹脂を2種類以上混合した樹脂である。なお、ポリエステル系樹脂はリサイクル性に優れており好適である。また、グランド糸又は連結糸の糸形状は限定されるものではなく、丸断面糸でも異形断面糸等でもよい。
連結糸は、表層と裏層のグランド編地中にループ状の編み目を形成してもよく、挿入組織で表層と裏層のグランド編地に引っかけた構造でもよいが、少なくとも2本の連結糸が表層と裏層の編地を互いに逆方向に斜めに傾斜して、クロス状(X状)やトラス状に連結することが、三次元立体編物の形態安定性を向上させる上で好ましい。
なお、三次元立体編物は、相対する2列の針床を有する編機で編成することができる。このような編機として、ダブルラッセル編機、ダブル丸編機、Vベッドを有する横編機等がある。寸法安定性のよい三次元立体編物を得る上で、ダブルラッセル編機を用いるのが好ましい。三次元立体編物は、編み上げられた生機を、精練、染色、ヒートセット等の工程を通して仕上げる。ヒートセットは、例えば、150℃で1分間の乾熱で行われ、平滑な面を有する平板状に仕上げられる。仕上げ加工が行われた三次元立体編物は、例えば、ロール状に巻回されて原反として提供される。本実施形態では、ロール状に巻回された原反を所定長引き出し、上記のように所定形状に裁断される。
所定形状に裁断された三次元立体編物10は、図1(a)に示したように、金型20を構成する上型21と下型22との間にセットされる。ここで、下型22は、略中央部に上方に突出する半球凸部22bを備え、その周縁はテーパ状の端部係止面22aとなっている。一方、上型21は、下型22の半球凸部22bに対向する位置に、半球凹部21bを備えており、その周縁の裏面は、下型22の端部係止面22aに対向するテーパ状の端部係止面21aとなっている。
三次元立体編物10をセットする際には、周縁部の端部11付近を上型21及び下型22の端部係止面21a,22aに係止する。端部11付近を係止する手段は任意であり、例えば、該端部11付近が位置する端部係止面21a,22a間に、ピン部材などを用いて係止することもできるが、図1(b)及び図2に示したように、上型21及び下型22の端部係止面21a,22a間の間隔を、加工対象の三次元立体編物10の厚みよりも狭くなるように調整することで、該端部係止面21a,22a間に挟持して係止することが好ましい。端部係止面21a,22a間の間隔を三次元立体編物10の厚みよりも狭くして挟持した場合には、その部分は、成形後には、三次元立体編物10の加工前よりも厚みが薄くなって硬度が増すため、端部11付近を帽子の鍔部として利用できる。
端部係止面21a,22a間に挟持される端部11以外の部分(以下、「形状成形部」という)12を成形する上型21及び下型22の半球凹部21bと半球凸部22bは、成形時において、三次元立体編物10の形状成形部12を加圧しない間隔でセットされる。すなわち、図1(b)及び図2に示したように、半球凹部21bと半球凸部22bとの対向間隔が、加工対象である三次元立体編物10の厚みとほぼ同じかそれよりも広い間隔でセットされる。なお、上型21及び下型22はこのような状態でセットされるが、加工中、かかるセット状態を保持するように、互いに適宜の係合手段等により、そのセット位置が固定されることはもちろんである。
次に、図1(b)に示したように、金型20にセットした三次元立体編物10を、例えば、加熱炉30に収容して加熱処理する。三次元立体編物10は、上記のようにその形状成形部12が上型21及び下型22の半球凹部21bと半球凸部22bによって加圧されないようにセットされているため、三次元立体編物10を構成するグランド編地のグランド糸や連結糸は、残留応力によって、ヒートセット時の熱変形が解除されるように形態が安定するまで変形する。この結果、三次元立体編物の形状成形部12は、半球凹部21bと半球凸部22bとの間で、加圧されていないにも拘わらず型内面に沿って略半球状に変形する。
一方、端部係止面21a,22a間に挟持されている端部11は、本実施形態では、加工前の三次元立体編物10の厚みよりも狭くなるように調整しているため、該端部11のグランド糸や連結糸の変形は面方向になり、加工前の三次元立体編物10の厚みよりも薄くなるように変形する。端部11は、このように変形するため、厚み方向の弾力性は形状成形部12よりも小さくなり硬度が増すため、この部分を所定形状に裁断処理することにより、そのまま鍔部として利用できる。
なお、金型20を構成する上型21及び下型22は、熱伝導性の高い材料を用いて製作することが好ましい。また、従来の加熱圧縮成形のように、金型20の加圧力によって型形状に沿わせたりする必要がないため、パンチングメタルを用いて簡易に製作することができる。
また、本実施形態における加熱時の温度は、加熱時間や三次元立体編物の厚み等によっても変化するが、ヒートセット時の温度以上であって三次元立体編物10を構成するグランド糸や連結糸の融点以下、例えば、3〜5分の加熱時間で、140〜170℃の加熱温度に設定することが好ましい。
加熱処理後、例えば、約80℃以下になるまで強制冷却し、図1(c)に示したように、上型21を外して脱型すると、図1(d)に示したように、所定の形状の三次元立体編物からなる帽子50が得られる。得られた帽子50は、上記のようにして成形されるため、略半球状の形状成形部12の厚みが加工前よりも薄くならず、逆に、上型21と下型22との間の隙間によっては、加工前よりも厚くなり、ヒートセット前の編み上げ時の厚さに近くなり、厚み方向の弾力性、圧縮復元性が、加工前とほぼ同等か、それよりも大きくなっている。すなわち、半球状の形状成形部12は、加工前の三次元立体編物10の有する弾力性等をそのまま発揮できるため、頭部保護用として優れている。また、三次元立体編物10は、そのまま洗濯することも容易であり、洗濯容易性を備えると共に、通気性、軽量性の点でも、帽子に適している。
このようにして成形された帽子50は、端部11を所定形状に裁断して鍔部として用いる。例えば、図3に示したように、円周方向全体に亘って鍔部が形成された形状としてもよいし、図4に示したように前方のみに鍔部が形成された野球帽のような形状とすることもできる。また、鍔部を形成する端部11と略半球状の形状成形部12との境界部においては、図3(b)及び図4(b)に示したように、その内側に、円周上に帯状のゴム部材60を縫製等によって付設することが好ましい。このゴム部材60は、ビン皮としての機能を果たすものであるが、略半球状の形状成形部12は、上記のように、加工前の三次元立体編物10の弾力性等をそのまま維持しているため、三次元立体編物10を構成するグランド地の編目の変形、連結糸の倒れにより、円周方向にも高い伸縮性を維持している。そこで、ゴム部材60を円周状に付設すると、着帽状態では、頭部サイズに応じて伸びが生じると共に、脱帽した際には、ゴム部材60の弾性力により略半球状の形状成形部12の形状を保持するように復帰させる。すなわち、このゴム部材60を設けることにより、種々の頭部サイズに対応でき、ゴム部材60を付設した状態でのサイズが一定であっても、種々の頭部サイズに対応でき、いわゆるフリーサイズあるいはそれに近い帽子とすることができる。また、ビン皮としてのゴム部材60は、通常、鍔部を形成する端部11と略半球状の形状成形部12との境界部において縫いつけ、内周面に沿わせた状態で使用されるが、これを180度折り返して該境界部の下方に突出するようにして頭部に装着すると、頭部への当接面積が広くなるため、転倒時等における脱落防止機能を高めることができる。
また、鍔部を構成する端部11の周縁は、1回あるいは2回以上折り曲げ、被覆用布材11aで被覆して縫い合わせると、鍔部の周縁が強化され、鍔部の形状保持に役立つ。
上記実施形態の帽子50は、形状成形部12等が三次元立体編物10から形成されているため、衝撃吸収性に優れているが、衝撃吸収性をさらに高めるため、形状成形部12に、図5(a),(b)に示したように、弾性中材70を設けることが好ましい。弾性中材70は、薄手のクッション材であればよいが、衝撃吸収性及び通気性の両方に優れることから三次元立体編物を用いることが好ましい。また、弾性中材70は、三次元立体編物等のクッション材を1枚用いるようにしてもよいし、複数枚を積層して用いてもよい。形状は任意であるが、形状成形部12の内面側に配置しやすくするため、円形に形成されていることが好ましい。弾性中材70は、形状成形部12の内面側に周縁の少なくとも一部を縫製等により固定することができる。但し、形状成形部12の内面側に固定せずに配置して、そのまま頭部に着用することも可能である。
ここで、(A)上記実施形態の帽子50(以下、「ネット帽子」)、及び、(B)上記実施形態の帽子50の内面側に弾性中材70を設けた場合(以下、「ネット帽子+中材ネット」)について、衝撃試験を行った。また、比較のため、(C)一般に使用されている布製の学童帽子(以下、「学童帽子」)、(D)厚さ12mmのスラブウレタン(以下、「12mmスラブウレタン」)についても同様の衝撃試験を行った。試験対象、試験方法等の詳細は次の通りであった。
I.試験対象
(A)ネット帽子
材料・・・住江織物(株)製の立体編物(製品番号:29020D)
グランド編地:1050d/96fの
ポリエチレンテレフタレート
パイル(連結糸):600d/1fの
ポリエチレンテレフタレート
厚さ・・・11.5mm
(B)ネット帽子+中材ネット
a)ネット帽子
材料、厚さとも(A)と同じ
b)中材ネット
材料・・・住江織物(株)製の立体編物(製品番号:09050D)
グランド編地:1300d/96fの
ポリエチレンテレフタレート
パイル(連結糸):900d/1fの
ポリエチレンテレフタレート
厚さ・・・11.5mm
形状・・・直径20cmの円形
(C)学童帽子
材料・・・ポリエステル布(二次元の布)
厚さ・・・0.2mm
II.試験方法
(A)ネット帽子、(B)ネット帽子+中材ネット、(C)学童帽子については、いずれも頭部模型にそれらを深くかぶせ(各帽子の頭頂部の内側と頭部模型の頭頂部との間に実質的に隙間がないようにかぶせ)、頭頂部の上方10cmの位置から、直径5cm、重さ540gの鋼球を自然落下させ、その際の衝撃値を測定した。(D)12mmスラブウレタンについては、試験片を平坦な試験台上に載置し、その上方10cmの位置から、同じ鋼球を自然落下させて衝撃値を測定した。結果を図6に示す。
図6に示したように、ネット帽子の衝撃吸収力は、12mmスラブウレタンとほぼ同じであり、学童帽子と比較して、衝撃吸収性能がはるかに高いことがわかる。また、「ネット帽子+中材ネット」の構成では、12mmスラブウレタンの衝撃吸収力を上回る試験結果が得られ、「ネット帽子+中材ネット」の衝撃吸収性能が極めて優れていることがわかる。また、「ネット帽子」と「ネット帽子+中材ネット」とを比べると、「中材ネット」を取り付けることにより、衝撃吸収力に大きな改善がもたらされることがわかった。従って、この三次元立体編物の中材は、通常の二次元の布材から成る学童帽子等の帽子などの内側に装填するだけでも、当該帽子の衝撃吸収力を向上させることができる。
図1(a)〜(d)は、本発明の一の実施形態に係る帽子の成形方法を説明するための図である。 図2は、加工対象である三次元立体編物を金型にセットした際の状態を示す断面図である。 図3は、上記実施形態により製作された、円周方向全体に亘って鍔部が形成された帽子を示す図であり、(a)は該帽子を上側から見た斜視図であり、(b)は該帽子を下側から見た斜視図である。 図4は、上記実施形態により製作された、前方のみに鍔部が形成された野球帽形状の帽子を示す図であり、(a)は該帽子を上側から見た斜視図であり、(b)は該帽子を下側から見た斜視図である。 図5(a),(b)は、帽子の形状成形部の内面側に弾性中材を配置する態様を説明するための図である。 図6は、ネット帽子、ネット帽子+中材ネット、学童帽子及び12mmスラブウレタンの衝撃吸収力の測定を行った際の試験結果を示す箱ひげ図である。
符号の説明
10 三次元立体編物
11 端部
12 形状成形部
20 金型
21 上型
21a 端部係止面
22 下型
22a 端部係止面
50 帽子
60 ゴム部材
70 弾性中材

Claims (8)

  1. 所定形状に裁断した三次元立体編物の端部を上型及び下型に係止し、該端部を除いた略半球状の形状成形部を上型及び下型によって加圧されない非加圧状態で該上型及び下型間にセットして加熱処理し、前記形状成形部を前記上型及び下型の型内面に沿って変形させて成形する工程と、
    成形された前記形状成形部の形状を保持するための帯状のゴム部材を、前記端部と前記形状成形部との境界付近に円周状に付設する工程と
    を有することを特徴とする帽子の製造方法。
  2. 上型及び下型のうち、前記端部を係止する各端部係止面を、成形前の三次元立体編物の厚みよりも狭い間隔に調整し、該端部係止面間に該端部を挟持して成形し、該端部を鍔として用いることを特徴とする請求項1記載の帽子の製造方法。
  3. 前記上型及び下型間の各端部係止面を除いた部分の成形時における間隔を、前記三次元立体編物の厚み以上に調整して成形することを特徴とする請求項1又は2記載の帽子の成形方法。
  4. 所定形状に裁断した三次元立体編物を成形してなる帽子であって、
    三次元立体編物のうち、上型及び下型に係止される端部を除いた形状成形部が、上型及び下型によって加圧されない非加圧状態で上型及び下型間にセットされて加熱処理され、前記形状成形部が前記上型及び下型の型内面に沿った略半球状に成形されたものであると共に、
    前記端部と前記形状成形部との境界付近に、前記形状成形部の形状を保持するゴム部材が付設されていることを特徴とする帽子。
  5. 上型及び下型のうち、前記端部を係止する各端部係止面が、成形前の三次元立体編物の厚みよりも狭い間隔となるように調整され、該端部が該端部係止面間に挟持して成形され、該端部が鍔として成形されていることを特徴とする請求項4記載の帽子。
  6. 前記形状成形部の内面側に、弾性中材が設けられていることを特徴とする請求項4又は5記載の帽子。
  7. 前記弾性中材が、複数枚積層されて設けられていることを特徴とする請求項6記載の帽子。
  8. 前記弾性中材が、三次元立体編物から形成されていることを特徴とする請求項6又は7記載の帽子。
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