JP5155584B2 - 浸漬管 - Google Patents

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本発明は、金属溶解炉で用いられる浸漬管に関するものである。
従来より、例えば亜鉛メッキ等を行うために亜鉛等の金属の溶融状態を維持する金属溶解炉において、金属を加熱する加熱手段としてバーナを収容した浸漬管が用いられている。図5に浸漬管の従来例を示す。
浸漬管2は、セラミックからなる有底筒状をしたもので、浸漬管の上端開口からバーナ4を挿入して浸漬管2内の上部に配置し、浸漬管2内のバーナ4よりも下側の空間が燃焼空間となる。そしてバーナ4を燃焼させることで浸漬管2内の燃焼空間に高温の燃焼ガスを排出し、浸漬管2を高温にすると共に熱を供給して、浸漬管2に接している溶融金属10の溶融状態を維持するものである。図5に示す従来例では、バーナ4に、一対の蓄熱式のバーナ4a、4bを交番燃焼させる所謂リジェネバーナを用いている。リジェネバーナは、燃料ガス供給路41と空気供給路42とを備えると共に、空気供給部にアルミナボール等からなる蓄熱体43を収容しており、各蓄熱体43は空気流路を介して四方弁44に接続されると共に、四方弁44は給気ブロア45及び排気ブロア46に接続される。本実施形態では燃料ガス供給路41を共通とすると共に空気供給路42を別々に構成され、一空気供給路42と燃料ガス供給路41とでバーナ4a、4bが構成される。そして、一方のバーナ4aにて燃焼中に他方のバーナ4bより浸漬管2内の燃焼ガスを排気し、次に四方弁44を切り替えて各バーナ4a、4bの燃焼、排気を交番させ、これにより交番燃焼を行うものである。この時、排気側のバーナ4bにて浸漬管2内の燃焼ガスを排気する際に蓄熱体43に燃焼ガスの熱を蓄熱し、次にこのバーナ4bにて燃焼する際に、蓄熱した熱によって燃焼用空気の予熱を行うことで、高温の燃焼ガスの排熱を高効率で回収することができる。
ところで浸漬管2は、溶融金属10に浸漬されている状態で、溶融金属10のメタルライン5(溶湯面)が浸漬管2の上下方向の中間部に位置することとなる。この時、浸漬管2のメタルライン5の上側の部分では温度差が大きくなって熱応力が発生し、浸漬管2が破損してしまうという問題があった。そこで、浸漬管の内面に断熱性を有する隔壁を設けるものが考えられたが(例えば特許文献1参照)、このものにあっては、隔壁が加熱されて劣化することで断熱性が下がり、さらには断熱材に割れが発生して脱落し、結局浸漬管に熱応力が発生してしまうものであった。
また、浸漬管2の材質に耐熱性が高いセラミックを用いると、浸漬管2の酸化に対する耐性が低く、寿命が短いという問題があった。
このため、セラミックを材質に用いて耐酸性を向上させるのに加えて、熱応力の発生を防止することのできる浸漬管が望まれていた。
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、その目的とするところは、耐酸性を向上させると共に熱応力の発生を防止して寿命を延ばすことのできる浸漬管を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために請求項1に係る発明にあっては、金属溶解炉1にて溶融金属10に浸漬される浸漬管2であって、浸漬管2を有底筒状をしたセラミックで形成すると共に内部を燃焼空間20とし、浸漬管2の上部に浸漬管2の内面との間に隙間3をあけてバーナ4を配設し、浸漬管2の上端部から少なくとも浸漬管2を溶融金属10に浸漬した時のメタルライン5の位置にかけて前記浸漬管2の内面とバーナ4との間の隙間3に、内部に冷却空気流路60を備えた布状部材で構成され前記冷却空気流路60を流れる冷却空気を前記布状部材の繊維の隙間から前記浸漬管2内に排出可能とし、前記冷却空気により冷却される断熱部材6を設けて成ることを特徴とするものである。
浸漬管2のメタルライン5より上側の部分は大きな温度差によって大きな熱応力が発生してしまうが、請求項1に係る発明のように冷却空気流路60を備えた断熱部材6を設けたことで、前記熱応力の発生を抑えると共に断熱部材6の劣化を防止し、耐酸性および耐熱性に優れて寿命の長い浸漬管2とすることができる。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、断熱部材6の冷却空気流路60内に、冷却空気を冷却空気流路60の一端側から他端側にかけて略均等に噴出する噴出孔73を形成した送気管72を設けて成ることを特徴とするものである。このような構成とすることで、冷却空気流路60全体にわたって冷却空気を万遍なく行き渡らせることができて、確実に冷却を行うことができる。
本発明は、断熱部材の劣化を防止し、耐酸性および耐熱性に優れて寿命の長い浸漬管とすることができる。
以下、本発明の一実施形態について添付図面に基づいて説明する。
本発明の浸漬管は、主に、金属溶解炉に用いられて溶融金属に浸漬される浸漬管である。金属溶解炉1としては、本実施形態では図2に示すような線材Wに亜鉛メッキを行うために溶融亜鉛10を貯留する溶解炉として説明するが、特に限定はされない。
浸漬管2は、図1に示すように、半球状をした底部21と、円筒状をした側面部22とからなる有底筒状をしたもので、耐酸化性が高いいわゆるファインセラミックで形成される。浸漬管2には、上端開口23からバーナ4が下方の浸漬管2内に向けて挿入され、浸漬管2の上部に配置される。図2に示す金属溶解炉1においては、5本の浸漬管2を浸漬させており、溶融亜鉛10中に配設したシンカーローラと金属溶解炉1外に設けたローラとの間に巻回した線材Wを送ることで、溶融亜鉛10に線材Wを浸漬させて線材Wに亜鉛メッキを行う。
バーナ4は、本実施形態ではリジェネバーナを用いており、リジェネバーナの構成および特徴は従来例に示した通りであるため、詳しい説明を省略する。なお、バーナ4としてはリジェネバーナに限定されないものである。
リジェネバーナの燃料ガス供給路41、蓄熱体43を収容した空気供給路42、等を備えた本体ボディ40は、外径が浸漬管2の内径よりも小さい径の円筒状をしており、浸漬管2の上端開口23から挿入されて浸漬管2の内面との間に隙間3(例えば10mmの隙間3)をあけた状態で配設される。本体ボディ40の上端にはフランジ40aが形成してあり、浸漬管2の上端から上方に隙間3をあけてフランジ40aが位置する位置関係でバーナ4の本体ボティと浸漬管2とを位置固定する。
そして本発明の浸漬管2では、バーナ4の本体ボティと浸漬管2の内面との間の隙間3に、浸漬管2の過熱防止のため、内部に冷却空気流路60を備えた断熱部材6を設けている。
断熱部材6は、耐熱性に優れるアルミナ系繊維からなる布状部材にて外筒61a及び内筒61bからなる二重筒61にて構成され、前記二重筒61の外筒61aと内筒61bとの間の空間を冷却空気流路60とするもので、外部より冷却空気を冷却空気流路60に供給する。二重筒61は、その外筒61aが浸漬管2の内面に沿うと共に内筒61bが浸漬管2の外面から距離をあけて配置され、内筒61bと外筒61aの下端部が接続してあって冷却空気流路60の下端部を閉塞してある。二重筒61の製作にあたっては一枚の布状部材を折り返して二重筒61状に形成する等、特に限定されない。
外筒61aの上端部と内筒61bの上端部との間には隙間3が形成してあり、冷却空気の流入口62となる。この冷却空気の流入口62は、上記本体ボティのフランジ40aと浸漬管2の上端部の間の隙間3に位置する。
冷却空気の供給手段としては、上記リジェネバーナ4の給気ブロア45からの給気の一部を冷却空気として冷却空気流路60に供給することで、別の供給手段としてのブロア等を要することなく、また上記給気ブロア45の給気量の1〜5%程度を冷却空気として供給すればよいため、給気ブロア45の容量を上げる必要もなく、コストの増加を抑えることができる。
この二重筒61は、浸漬管2の内面に沿って浸漬管2の上端開口23から少なくともメタルライン5の位置まで(好ましくはメタルライン5よりも下側)にかけて配置される。バーナ4の本体ボティは、浸漬管2が溶融金属10に浸漬された際にメタルライン5の上側(本実施形態ではメタルライン5の10mm程度上側)に位置するように浸漬管2内の上部(本体ボティの下端が浸漬管2の上端から約300mmの位置)に配置され、二重筒61は、メタルライン5の下側(本実施形態ではメタルライン5の50mm(好ましくは30mm)程度下側)に位置するように浸漬管2の内面に沿って配置される。
上記の浸漬管2では、冷却空気を供給手段によって冷却空気流路60の流入口62から供給する。冷却空気は、冷却空気流路60内に充満して浸漬管2が過熱されるのを防止する。そして、冷却空気流路60内の高温となった冷却空気は後から供給される温度の低い新鮮な冷却空気によって、内筒61bを構成する布状部材の繊維の隙間3から浸漬管2内に排出され、燃焼ガスと共に排出される。これにより、冷却空気流路60内の空間は、所定の温度以下に保つことができる。
本発明の浸漬管2を採用することで、浸漬管2が過熱されて熱応力によって破損するのを防止することができる。すなわち、浸漬管2の燃焼空間20内の温度は本実施形態では約980℃、溶融金属10である亜鉛の温度は約450℃で、浸漬管2が溶融金属10に浸漬されている状態では、浸漬管2のメタルライン5の下側は前記約450℃の溶融金属10に晒されると共に、メタルライン5の上側は溶融金属10は存在せず前記450℃よりも低い温度に晒される。このため浸漬管2のメタルライン5より上側の部分はメタルライン5より下側の部分よりも大きな温度差となり、また、外側に溶融金属10が存在しないため浸漬管2が高温となっても冷却されず、大きな熱応力が発生してしまう。そこで、メタルライン5の上側の部分に冷却空気流路60を設けることで、このメタルライン5の上側の浸漬管2の内面が高温の燃焼ガスに晒されて、大きな熱応力が発生するのを防止することができる。これにより、耐酸性および耐熱性に優れて寿命の長い浸漬管2とすることができる。また、冷却空気により、冷却空気流路60の外殻をなす二重筒61の断熱部材6が冷却されて、断熱部材6のアルミナ系繊維が長時間の高温雰囲気での使用によってガラス化されて劣化するのを防止することができる。
また、本実施形態のようにバーナ4にリジェネバーナを用いたものにあっては、リジェネバーナは交番燃焼するため温度分布が頻繁に変化して、熱応力が発生し易いため、本発明の浸漬管2を採用することで、上述した効果がより顕著に得られる。
図3に断熱部材6の他例を示す。この図3に示す例では、断熱部材6の流入口62から冷却空気流路60の上端部に平面視環状をしたヘッダ7を挿入して配置し、ヘッダ7の下面に下方の冷却空気流路60に向けて空気を吐出するスリット71を設けたことを特徴とするものである。
これにより、断熱部材6の冷却空気流路60内に流入させる冷却空気を冷却空気流路60の下方に向けて吐出することができて、冷却空気流路60全体にわたって冷却空気を万遍なく行き渡らせることができて、確実に冷却を行うことができる。
図4に断熱部材6の更に他例を示す。この図4に示す例では、図3に示す上例のように断熱部材6の流入口62から冷却空気流路60の一端側(上端部)に平面視環状をしたヘッダ7を挿入して配置するのに加えて、ヘッダ7から下方の冷却空気流路60の他端側(下端部)に向けて空気を搬送する送気管72を設けたことを特徴とするものである。送気管72は、SUS310やSUS304等のSUS材で構成される円管等で、平面視において環状をしたヘッダ7の周方向に複数箇所(4〜8箇所)から下方に垂下されている。送気管72の先端は冷却空気流路60の下端付近にまで伸びており、浸漬管の内側の面に上下にわたって噴出孔73が多数設けてある。
これにより、断熱部材6の冷却空気流路60内に流入させる冷却空気を冷却空気流路60の下方に向けて搬送すると冷却空気流路60の上下にわたって冷却空気を噴出孔73より噴出することができて、より一層、冷却空気流路60全体にわたって冷却空気を万遍なく行き渡らせることができて、確実に冷却を行うことができる。
本発明の一実施形態の断面図である。 金属溶解炉を示し、(a)は側断面図であり、(b)は平面図である。 同上の他の実施例の断熱部材の断面図である。 同上の更に他の実施例の断熱部材の断面図である。 従来の浸漬管の断面図である。
符号の説明
1 金属溶解炉
2 浸漬管
20 燃焼空間
21 底部
22 側面部
23 上端開口
3 隙間
4 バーナ
40 本体ボディ
40a フランジ
41 燃料ガス供給路
42 空気供給路
43 蓄熱体
44 四方弁
45 給気ブロア
46 排気ブロア
5 メタルライン
6 断熱部材
61 二重筒
61a 外筒
61b 内筒
62 流入口
60 冷却空気流路
W 線材
10 溶融金属(亜鉛)

Claims (2)

  1. 金属溶解炉にて溶融金属に浸漬される浸漬管であって、浸漬管を有底筒状をしたセラミックで形成すると共に内部を燃焼空間とし、浸漬管の上部に浸漬管の内面との間に隙間をあけてバーナを配設し、浸漬管の上端部から少なくとも浸漬管を溶融金属に浸漬した時のメタルラインの位置にかけて前記浸漬管の内面とバーナとの間の隙間に、内部に冷却空気流路を備えた布状部材で構成され前記冷却空気流路を流れる冷却空気を前記布状部材の繊維の隙間から前記浸漬管内に排出可能とし、前記冷却空気により冷却される断熱部材を設けて成ることを特徴とする浸漬管。
  2. 断熱部材の冷却空気流路内に、冷却空気を冷却空気流路の一端側から他端側にかけて略均等に噴出する噴出孔を形成した送気管を設けて成ることを特徴とする請求項1記載の浸漬管。
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