JP5162076B2 - 脂肪族ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents
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Description
また、生分解性樹脂に粒子径10μm以下のポリテトラフルオロエチレン粒子と有機重合体とを含有するポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体を添加することにより、生分解性樹脂の分子量の如何に関わらず、樹脂の溶融特性を改良し、成形品の表面外観を損なうことなく、成形加工性を改良することに成功している(例えば、特許文献3参照)。しかし、耐熱性および耐衝撃性を改良することに関する記述はない。
すなわち、
本発明は、(A)脂肪族ポリエステルと(B)粒子径10μm以下のポリテトラフルオロエチレン粒子と有機重合体とを含有するポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体および(C)多層構造重合体を含有する脂肪族ポリエステル樹脂組成物を提供するものである。
また、本発明は、上記(C)多層構造重合体のゴム層が、ポリオルガノシロキサンゴムとポリアルキル(メタ)アクリレートゴムとからなる複合ゴム、ポリブタジエンあるいはアクリルゴムをそれぞれ主成分とするものからなる脂肪族ポリエステル樹脂組成物を提供するものである。
また、本発明は、上記(A)脂肪族ポリエステルが、ポリ乳酸である脂肪族ポリエステル樹脂組成物を提供するものである。
さらには、本発明は、上記脂肪族ポリエステル樹脂組成物を成形してなる成形品を提供するものである。
本発明の(A)脂肪族ポリエステルとしては、特に限定されるものではなく、脂肪族ヒドロキシカルボン酸を主たる構成成分とする重合体、脂肪族多価カルボン酸と脂肪族多価アルコールを主たる構成成分とする重合体などが挙げられる。具体的には、脂肪族ヒドロキシカルボン酸を主たる構成成分とする重合体としては、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリ3−ヒドロキシ酪酸、ポリ4−ヒドロキシ酪酸、ポリ4−ヒドロキシ吉草酸、ポリ3−ヒドロキシヘキサン酸またはポリカプロラクトンなどが挙げられ、脂肪族多価カルボン酸と脂肪族多価アルコールを主たる構成成分とする重合体としては、ポリエチレンアジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンアジペートまたはポリブチレンサクシネートなどが挙げられる。これらの脂肪族ポリエステルは、単独ないし2種以上を用いることができる。これらの脂肪族ポリエステルの中でも、ヒドロキシカルボン酸を主たる構成成分とする重合体が好ましく、特にポリ乳酸が好ましく使用される。そして、ポリ乳酸としては、L−乳酸および/またはD−乳酸を主たる構成成分とする重合体であるが、本発明の目的を損なわない範囲で乳酸以外の他の共重合成分を含んでいてもよい。
(A)脂肪族ポリエステルの製造方法としては、既知の重合方法を用いることができ、特にポリ乳酸については、乳酸からの直接重合法、ラクチドを介する開環重合法などを採用することができる。
(A)脂肪族ポリエステルの分子量や分子量分布は、実質的に成形加工が可能であれば、特に限定されるものではなく、重量平均分子量としては、好ましくは1万以上、より好ましくは4万以上、特に好ましくは8万以上であるのがよい。ここでいう重量平均分子量とは、溶媒としてヘキサフルオロイソプロパノールを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリメタクリル酸メチル(PMMA)換算の重量平均分子量である。また、(A)脂肪族ポリエステルの融点は、特に限定されるものではなく、90℃以上であることが好ましく、さらに150℃以上であることが好ましい。
ポリテトラフルオロエチレン粒子を含む混合粉体としては、粒子径が0.05〜1.0μmのポリテトラフルオロエチレン粒子の水性分散液と有機重合体粒子の水性分散液とを混合し、凝固またはスプレードライにより粉体化して得られるもの;粒子径が0.05〜1.0μmのポリテトラフルオロエチレン粒子の水性分散液の存在下で有機重合体を構成する単量体を重合した後、凝固またはスプレードライにより粉体化して得られるもの;あるいは粒子径が0.05〜1.0μmのポリテトラフルオロエチレン粒子の水性分散液と有機重合体粒子の水性分散液とを混合した分散液中で、有機重合体を構成する単量体を乳化重合した後、凝固またはスプレードライにより粉体化して得られるものが好ましい。
ポリテトラフルオロエチレン粒子分散液の市販原料としては、「フルオンAD−1、AD−936、AD−938」(旭ICIフロロポリマー社製)や、「ポリフロンD−1、D−2」(ダイキン工業社製)、「テフロン(登録商標)30J」(三井デュポンフロロケミカル社製)などを代表例として挙げることができる。
ポリテトラフルオロエチレン粒子と有機重合体との混合粉体中に占めるポリテトラフルオロエチレンの含有割合は、0.1〜95質量%であることが好ましい。この範囲内とすることにより、ポリテトラフルオロエチレンの熱可塑性樹脂への分散性が良好となる。
また、脂肪族ビニル系単位としては、エチレン、プロピレンまたはブタジエンなど、芳香族ビニル系単位としては、スチレン、α−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、4−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−(フェニルブチル)スチレンまたはハロゲン化スチレンなど、シアン化ビニル系単位としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルまたはエタクリロニトリルなど、マレイミド系単位としては、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−(p−ブロモフェニル)マレイミドまたはN−(クロロフェニル)マレイミドなど、不飽和ジカルボン酸系単位として、マレイン酸、マレイン酸モノエチルエステル、イタコン酸、フタル酸など、その他のビニル系単位としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、ブトキシメチルアクリルアミド、N−プロピルメタクリルアミド、N−ビニルジエチルアミン、N−アセチルビニルアミン、アリルアミン、メタアリルアミン、N−メチルアリルアミン、p−アミノスチレン、2−イソプロペニル−オキサゾリン、2−ビニル−オキサゾリン、2−アクロイル−オキサゾリンまたは2−スチリル−オキサゾリンなどを挙げることができる。これらの単位は単独ないし2種以上を用いることができる。
ブタジエン系ゴムとは、1,3−ブタジエン単量体単位のみからなる重合体、若しくは1,3−ブタジエン単量体単位と、これと共重合可能な1種以上のビニル系単量体単位からなる重合体である。なお、共重合可能な1種類以上のビニル系単量体単位の含有量は、ブタジエン系ゴム重合体中50質量%以下とするのが好ましい。ここで、1,3−ブタジエンと共重合可能なビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のメタクリル酸アルキルエステル、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート等のアクリル酸アルキルエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリルやメチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル、塩化ビニル、臭化ビニル等のハロゲン化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、エチレングリコールグリシジルエーテル等のグリシジル基を有するビニル系単量体等が挙げられる。
グラフト共重合体の調製方法としては、まず、ブタジエン系ゴム重合体を調製する。その方法としては、例えば、反応容器に1,3−ブタジエンと、必要に応じて、これと共重合可能なビニル系単量体とを投入し、乳化重合をする。
また、上記のようにして調製されたブタジエン系ゴム重合体ラテックスに、少量のカルボキシル基含有共重合体を含有するラテックスを添加することによって、ブタジエン系ゴム重合体を肥大化させることができる。ブタジエン系ゴム重合体の肥大化を行うことで、短時間で大粒子径ゴムを含むブタジエン系ゴム重合体を製造することができ、最終的に得られる熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性を向上させることができる。
また、アクリル系ゴム重合体の形成に使用される残り成分であるビニル系単量体としては、例えば、スチレン、αーメチルスチレン等の芳香族ビニル、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のメタクリル酸アルキルエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル、塩化ビニル、臭化ビニル等のハロゲン化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、エチレングリコールグリシジルエーテル等のグリシジル基を有するビニル系単量体などが挙げられる。
ポリオルガノシロキサンの製造に用いられるジメチルシロキサンとしては、3員環以上のジメチルシロキサン系環状体が挙げられ、3〜7員環のものが好ましい。具体的にはヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等が挙げられ、これらは単独でまたは二種以上混合して用いられる。
CH2=C(R2)−COO−(CH2)p−SiR1 nO(3-n)/2 (GI−1)
CH2=C(R2)−C6H4−SiR1 nO(3-n)/2 (GI−2)
CH2=CH−SiR1 nO(3-n)/2 (GI−3)
(式中、R1 は、メチル基、エチル基、プロピル基またはフェニル基、R2 は水素原子またはメチル基、nは0、1または2、pは1〜6の数を示す。)
上記式(GI−1)の単位を形成し得る(メタ)アクリロイルオキシシロキサンは、グラフト効率が高いため有効なグラフト鎖を形成することが可能であり、耐衝撃性発現の点で有利である。
本発明におけるオルガノシロキサン/アクリルゴム系グラフト共重合体は、ポリオルガノシロキサンと、少なくとも(メタ)アクリル系アルキルエステル単量体を構成成分として有するゴム状重合体とを含むゴムの存在下に、一種以上のビニル系単量体を添加し、グラフト重合させることにより得られる。
グラフト重合に使用する単量体または単量体混合物の量は、特に制限はないが、ゴム重合体20〜95重量%に対し、80〜5重量%であることが好ましく、50〜5重量%が更に好ましい。グラフト重合に使用する単量体または単量体混合物の量が80重量%より多いと耐衝撃性改良効果が低下することがあり、5重量%より少ないと、グラフト共重合体の粉体特性が低下することがある。
カルボキシル基含有共重合体の添加量は、特に制限はないが、グラフト共重合体100重量%に対して、0.01重量%以上が好ましく、他の特性が損なわれることを避けるために固形分として10質量部以下が好ましい。
本発明において、(A)脂肪族ポリエステルと(C)多層構造重合体との重量比は、特に限定されるものではないが、99/1〜50/50であることが好ましく、さらに、99/1〜60/40であることがより好ましく、特に99/1〜70/30であることが最も好ましい。
無機系結晶核剤の具体例としては、タルク、カオリナイト、モンモリロナイト、マイカ、合成マイカ、クレー、ゼオライト、シリカ、グラファイト、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化チタン、硫化カルシウム、窒化ホウ素、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化ネオジウムおよびフェニルホスホネートの金属塩などが挙げられ、耐熱性を向上させる効果が大きいという観点から、タルク、カオリナイト、モンモリロナイトおよび合成マイカが好ましい。これらは単独ないし2種以上を用いることができる。これらの無機系結晶核剤は、組成物中での分散性を高めるために、有機物で修飾されていることが好ましい。
無機系結晶核剤の含有量は、(A)脂肪族ポリエステル樹脂100重量部に対して、0.01〜100重量部が好ましく、0.05〜50重量部がより好ましく、0.1〜30重量部がさらに好ましい。
有機系結晶核剤の含有量は、(A)脂肪族ポリエステル樹脂100重量部に対して、0.01〜30重量部が好ましく、0.05〜10重量部がより好ましく、0.1〜5重量部がさらに好ましい。
充填剤の含有量は、(A)脂肪族ポリエステル樹脂100重量部に対して、0.1〜200重量部が好ましく、0.5〜100重量部がさらに好ましい。
本発明の樹脂組成物の製造方法については特に限定されるものではないが、例えばポリ乳酸樹脂、ポリアセタール樹脂、耐衝撃改良剤および必要に応じてその他の添加剤を予めブレンドした後、樹脂の融点以上において、1軸または2軸押出機を用いて均一に溶融混練する方法や、溶液中で混合した後に溶媒を除く方法などが用いられる。
なお、以下の例における各種評価、成形は以下の方法で行った。
(1)押出機
TEX30α同方向二軸押し出し機(JSW(株)製)を用い、脂肪族ポリエステル樹脂等、本発明における配合物を溶融混練し、熱可塑性樹脂組成物ペレットを得た。
(2)射出成型機
上記熱可塑性樹脂組成物ペレットを用いて、射出成型法により各種物性評価用試験片を成型した。
(3)アイゾット衝撃強度
ASTM D256に準拠して、23℃におけるアイゾット衝撃強度を評価した。
(4)耐熱性
ASTM D648に準じて、12.7mm×6.4mm×127mmの試験片の熱変形温度(荷重0.46MPa)を測定した。
曲げ強度は、ASTM D790に準じて、3mm厚試験片の引張強度および引張伸度を測定した。
(6)成形体の外観評価
得られた成形体の表面異物を肉眼で観察し、以下の3段階評価を行った。
○:成形体表面に異物等が無く、外観性が良好。
△:成形体表面に異物等が若干観察される。
×:成形体表面に異物等が観察され、外観性に劣る。
(7)ラテックスの重量平均粒子径の測定
得られたラテックスを蒸留水で希釈したものを試料として、米国MATEC社製CHDF2000型粒度分布計を用いて測定した。測定条件は、MATEC社が推奨する標準条件で行った。専用の粒子分離用キャピラリー式カートリッジ及びキャリア液を用い、液性を中性、流速を1.4mL/min、圧力を28MPa、温度を35℃に保った状態で、濃度3%の希釈ラテックス試料0.1mLを測定に用いた。なお、標準粒子径物質として、米国DUKE社製の粒子径既知の単分散ポリスチレンを、0.03μmから0.8μmの範囲内で合計12点を用いた。
ポリテトラフルオロエチレン粒子分散液(旭フロロポリマーズ社製フルオンAD936、固形分濃度60.0%、平均粒子径0.30μm)83.3質量部(固形分として50質量部)をロータリーローブポンプ(東興産業(株)製バイキングIC30S−D)を用いて、攪拌翼、コンデンサー、熱電対、窒素導入口を備えた反応容器に仕込み、次いで、蒸留水156.7質量部とアルケニルコハク酸ジカリウム2.0質量部とからなる混合液を加え、さらにメタクリル酸メチル40質量部、アクリル酸n−ブチル10質量部、n−オクチルメルカプタン0.2質量部、t−ブチルハイドロパーオキサイド0.2質量部を加えてから、窒素気流を1時間通ずることによって反応容器内の雰囲気の窒素置換を行った。そして、所用攪拌動力が0.15kw/m3 となるように攪拌を開始した。反応容器内を55℃に昇温して内部の液温が55℃になった時点で、硫酸鉄0.005質量部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.015質量部、ロンガリット塩0.2質量部、蒸留水10質量部とから混合液を加えて、重合体の重合を開始した。重合開始から90分間保持して重合体の重合を終了した。一連の操作を通じて固形物の分離はみられず、均一な熱可塑性樹脂用改質剤の分散液が得られた。得られた分散液の固形分は34.6%であった。この分散液中における重合体粒子の平均粒子径は0.95μmであった。
攪拌翼、コンデンサー、熱電対、窒素導入口を備えた反応容器に、蒸留水220質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3.0部、メタクリル酸メチル80質量部、アクリル酸n−ブチル20質量部、n−オクチルメルカプタン0.2質量部、t−ブチルハイドロパーオキサイド0.2質量部を仕込み、窒素気流を1時間通じた。その後、系内を55℃に昇温して内部の液温が55℃になった時点で、硫酸鉄(II)0.0005質量部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.0015質量部、ロンガリット塩0.2質量部および蒸留水10質量部からなる混合液を加えて、重合を開始した。重合開始より90分間保持して重合を終了し、重合体(B2−2)粒子の水性分散液を得た。得られた重合体(B2−2)粒子の水性分散液の固形分濃度は30.4%であった。この粒子分散液中における重合体粒子の平均粒子径は0.075μmであった。
次に、攪拌機、熱電対付きの容器に純水100部を加えて、80℃にまで昇温した。内部の温度が80℃になった時点で(B−2)100質量部に対して、4質量部の硫酸アルミニウムを溶解した水溶液120質量部と、熱可塑性樹脂用改質剤(B−2)分散液100部とを20分かけて滴下して固形物を析出させた。次いで、98℃まで内部を昇温して、この状態を20分間保持した。それから、この析出物を分離し、濾過、洗浄、乾燥してポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体(B−2)を得た。
攪拌翼、熱電対、滴下口を備えた容器に、製造例2で得た重合体(B2−2)粒子水性分散液を98.7質量部(固形分として30質量部)を加え、系内部を攪拌しながら55℃まで昇温した。内部の温度が55℃になった時点で、攪拌を停止した。それから、製造例1で使用したポリテトラフルオロエチレン(B1−1)粒子分散液116.7質量部(固形分として70質量部)をロータリーローブポンプ(東興産業(株)製バイキングIC30S−D)を用いて滴下口より添加した。添加を終了したのち、所用攪拌動力が0.1kw/m3 となるように攪拌を行いながら、この状態を30分間保持したのち、粒子分散液同士の混合を終了してポリテトラフルオロエチレン含有混合体(B−3)の分散液を得た。一連の操作を通じて固形物の分離はみられず、得られた分散液の固形分は、34.8%であった。
以上[製造例1]〜[製造例3]で得られた粉体(B−1〜B−3)の粒度を表1に示す。
攪拌機を備えたセパラブルフラスコに蒸留水195部およびラウリル硫酸ナトリウム0.3部を加え、窒素置換をし、50℃に昇温した。次いで、硫酸第一鉄0.002部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.006部、ロンガリット0.26部および蒸留水5部の混合液を加え、さらに、窒素置換した2%のアリルメタクリレートを含むn−ブチルアクリレート50部、2−エチルヘキシルアクリレート35部およびt−ブチルヒドロペルオキシド0.30部の混合液を加えて、ラジカル重合を開始させた。その後、液温70℃で2時間保持し重合を完了して、ゴムラテックスを得た。
このゴムラテックスに、ラウリル硫酸ナトリウム0.3部、t−ブチルヒドロペルオキシド0.30部、メチルメタクリレート14部およびブチルアクリレート1部との混合液を65℃にて30分間かけて滴下し、その後70℃で1時間保持し、ゴムラテックスへのグラフト重合を完了し、アクリル系グラフト共重合体ラテックスを得た。このグラフト共重合体ラテックスを一部採取し、重量平均粒子径を測定したところ240nmであった。なお、メチルメタクリレートの重合率は、99.2%であった。
65℃の1.5%硫酸アルミニウム水溶液100部に対し、得られたグラフト共重合体(C−1)を含有するラテックス100部(固形分として約30%)を添加し、その後、90℃まで昇温して凝固し、水により洗浄を繰り返した後、固形分を分離して80℃で24時間乾燥し、グラフト重合体(C−1)の粉体を得た。
製造例4において、グラフト重合における単量体の組成を、メチルメタクリレート10部、グリシジルメタクリレート5部に変更した以外は同様の方法でグラフト重合体(C−2)の粉体を得た。
耐圧オートクレーブ中に、脱イオン水150部、1,3−ブタジエン100部、t−ドデシルメルカプタン0.5部、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド0.4部、ピロリン酸ソーダ1.5部、硫酸第一鉄0.02部、デキストローズ1.0部、及びオレイン酸カリウム1.0部を仕込み、撹拌しながら50℃で15時間反応させて、ブタジエン系ゴム重合ラテックスを製造した。このゴムラテックスの粒子径は、90nmであった。
カルボキシル基含有共重合体として、以下の混合物を70℃で4時間重合させ、転化率98%、pH5.0のエマルジョン(MAA−BA共重合体)を調製した。
n−ブチルアクリレート 85部
メタクリル酸 15部
オレイン酸ナトリウム 2.0部
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 1.0部
過硫酸カリウム 0.3部
脱イオン水 200部
得られたグラフト共重合体ラテックスにBHTを0.5部添加した後、0.2%の硫酸水溶液を添加して、グラフト共重合体を凝析させ、90℃で熱処理固化した。その後、凝固物を温水で洗浄し、さらに乾燥して粉末を得た。
製造例12において、グラフト重合時に用いる単量体の組成をメチルメタアクリレート14部、グリシジルメタクリレート5部、ブチルアクリレート1部に変更した以外は同様の方法で、ブタジエン系グラフト共重合体(C−4)を得た。
テトラエトキシシラン2部、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン0.5部およびオクタメチルシクロテトラシロキサン97.5部を混合し、シロキサン混合物100部を得た。ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムおよびドデシルベンゼンスルホン酸をそれぞれ0.67部溶解させた蒸留水200部に、シロキサン混合物100部を加え、ホモミキサーにて10,000rpmで予備攪拌した後、ホモジナイザーにより200kg/cm2 の圧力で乳化、分散させ、オルガノシロキサンエマルジョンを得た。これをコンデンサーおよび攪拌翼を備えたセパラブルフラスコに移し、混合攪拌しながら85℃で5時間加熱した後、20℃で放置し、5時間後に水酸化ナトリウム水溶液でこのエマルジョンのpHを7.0にして、重合を完結しポリオルガノシロキサンを含有するラテックス(S−1)を得た。得られたポリオルガノシロキサンの重合率は89.1%であり、ポリオルガノシロキサンの平均粒子径は0.19μmであった。
製造例1において、グラフト重合時のモノマー組成をメチルメタクリレート9.0部、グリシジルメタクリレート3.0部に変更した以外は、同様の方法にてグラフト共重合体(C−6)を得た。
γ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン2.0部及びオクタメチルシクロテトラシロキサン98.0部を混合して、シロキサン系混合物100部を得た。これにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.67部を溶解した蒸留水300部を添加し、ホモミキサーにて10,000rpmで2分間攪拌した後、ホモジナイザーに200kg/cm2 の圧力で2回通し、安定な予備混合オルガノシロキサンラテックスを得た。
一方、冷却コンデンサーを備えたセパラブルフラスコにドデシルベンゼンスルホン酸10部と蒸留水90部とを注入し、10重量%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液を調製した。この水溶液を85℃に加熱した状態で、予備混合オルガノシロキサンラテックスを2時間に亘って滴下し、滴下終了後3時間温度を維持し、冷却した。次いでこの反応物を苛性ソーダ水溶液で中和した。
上記ラテックス(S−2)を固形分換算で8.0部採取し、攪拌機を備えたセパラブルフラスコに入れ、蒸留水150部を加え、窒素置換をしてから55℃に昇温し、アリルメタクリレートを0.05%含むn−ブチルアクリレート74.0部およびジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド(パークミルP)0.30部の混合物を仕込み、30分間攪拌し、この混合物をポリオルガノシロキサンに浸透させた。次いで、硫酸第1鉄0.001部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.003部、ロンガリット0.24部および蒸留水10部の混合物を仕込み、ラジカル重合を開始させ、その後内温70℃で1時間保持し重合を完了してポリオルガノシロキサン複合ゴムのラテックスを得た。このラテックスを一部採取し、ポリオルガノシロキサン複合ゴムの平均粒子径を測定したところ0.12μmであった。
製造例10において、複合ゴム重合後に、カルボキシル基含有共重合体を固形分として1.5重量部添加した以外は、同様の方法にて、複合ゴムグラフト共重合体(C−8)を得た。
製造例10において、グラフト重合時に用いる単量体の組成を表2に示すように変更した以外は同様の方法にて、ゴムグラフト共重合体(C−9)〜(C−11)を得た。
(A)脂肪族ポリエステル
A−1:ポリ乳酸;レイシアH100(三井化学製)
(B)ポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体
上記で製造した(B−1)〜(B−3)およびPTFEパウダー(B−4)
(C)多層構造重合体
上記で製造したグラフト共重合体(C−1)〜(C−11)
(D)タルク:日本タルク(株)製SG−2000
表3に示す配合量で(A)脂肪族ポリエステル、(B)ポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体、(C)多層構造重合体、(D)タルクをドライブレンドした後、樹脂温度を200℃に設定した30mmφ二軸スクリュー押出機を使用して溶融混合ペレタイズを行った。
得られたペレットを220℃に設定したスクリューインライン型射出成形機を使用して試験片を金型温度40℃で成形した。各サンプルの物性評価結果を表3に示す。
Claims (7)
- (A)脂肪族ポリエステルと(B)粒子径10μm以下のポリテトラフルオロエチレン粒子と有機重合体とを含有するポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体および(C)多層構造重合体を含有することを特徴とする脂肪族ポリエステル樹脂組成物。
- (C)多層構造重合体が、少なくとも一種のエポキシ基含有ビニル系単量体を含有する重合体により構成されることを特徴とする請求項1記載の脂肪族ポリエステル樹脂組成物。
- (C)多層構造重合体のゴム層が、ポリオルガノシロキサンゴムとポリアルキル(メタ)アクリレートゴムとからなる複合ゴムを主成分とすることを特徴とする請求項1または請求項2記載の脂肪族ポリエステル樹脂組成物。
- (C)多層構造重合体のゴム層が、ポリブタジエンを主成分とすることを特徴とする請求項1または請求項2記載の脂肪族ポリエステル樹脂組成物。
- (C)多層構造重合体のゴム層が、アクリルゴムを主成分とすることを特徴とする請求項1または請求項2記載の脂肪族ポリエステル樹脂組成物。
- (A)脂肪族ポリエステルが、ポリ乳酸であることを特徴とする請求項1〜請求項5いずれか1項に記載の脂肪族ポリエステル樹脂組成物。
- 請求項1〜請求項6いずれか1項に記載の脂肪族ポリエステル樹脂組成物を成形してなる成形品。
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