JP5168923B2 - 膜濾過システムの運転方法 - Google Patents

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この発明は、機器への給水ラインに設けられた濾過膜部と、この濾過膜部の上流側の前記給水ラインに設けられて前記濾過膜部へ給水を供給する給水ポンプとを備えた膜濾過システムの運転方法に関する。
従来、蒸気ボイラ,温水ボイラ,クーリングタワー,給湯器等の熱機器や、洗浄装置等の水使用機器などの機器への給水ラインに、濾過膜部を設けた膜濾過システムが知られている。
前記濾過膜部の濾過膜にあっては、水温により水の粘性や膜特性が変化するため、前記濾過膜部からの処理水流量が、季節によって違ったものとなってしまう。ここで、処理水流量は、水温が低くなるほど低下する。したがって、前記濾過膜部の下流側の前記給水ラインに定流量弁を設けておき、前記濾過膜部の上流側の前記給水ラインに設けられた給水ポンプを、低温時でも所要の処理水流量が確保できるように予め高く設定された運転圧力で運転するといったことが行われている。このような膜濾過システムの運転方法によれば、処理水流量を一定にすることができるものの、水温が高い時には過剰な運転圧力になるため、年間を通じると、ほとんどがエネルギーロスになっていた。
そこで、特許文献1では、前記給水ポンプの消費電力を抑えつつ処理水流量を所要の目標流量で一定にするための膜濾過システムの運転方法として、処理水流量が目標流量になるように、処理水流量の検出値に基づいて、インバータのPID制御機能によって前記給水ポンプの回転数を制御する方法が提案されている。また、特許文献2では、前記濾過膜部の下流側に膜式脱気部を備えた膜濾過システムの運転方法として、水温が低下したときに処理水流量の減量運転を行うため、前記給水ポンプの回転数を制御する方法が提案されている。
特開2005−296945号公報 特開2005−279459号公報
ところで、前記特許文献1に記載された方法で膜濾過システムの運転を行う場合、P制御(比例制御)の制御パラメータを大きくすれば、前記給水ポンプの運転開始時に、処理水流量が目標流量になるまでの時間を短くすることができる。しかし、P制御(比例制御)の制御パラメータを大きくすると、目標流量に対する処理水流量のオーバーシュート量が大きくなる。一方で、P制御(比例制御)の制御パラメータを小さくすれば、オーバーシュート量を抑制することができるものの、処理水流量が目標流量になるまでに時間がかかってしまう。
また、前記特許文献2に記載された処理水流量の減量運転において、前記給水ポンプの回転数制御を、前記特許文献1と同様にして処理水流量の検出値に基づくインバータのPID制御機能によって行う場合、P制御(比例制御)の制御パラメータを大きくすれば、減量運転時に、処理水流量が目標流量になるまでの時間を短くすることができる。しかし、P制御(比例制御)の制御パラメータを大きくすると、目標流量に対する処理水流量のアンダーシュート量が大きくなる。一方で、P制御(比例制御)の制御パラメータを小さくすれば、アンダーシュート量を抑制できるものの、処理水流量が目標流量になるまでに時間がかかってしまう。
この発明が解決しようとする課題は、機器への給水ラインに設けられた濾過膜部と、この濾過膜部の上流側の前記給水ラインに設けられた給水ポンプとを備え、前記濾過膜部からの処理水流量が目標流量になるように前記給水ポンプを運転する膜濾過システムの運転方法において、前記給水ポンプの運転開始時や処理水流量の減量運転時に、処理水流量をできるだけ短時間で目標流量にするとともに、オーバーシュート量やアンダーシュート量を抑制することである。
この発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、機器への給水ラインに設けられた濾過膜部と、この濾過膜部の上流側の前記給水ラインに設けられ、前記濾過膜部からの処理水流量が目標流量で一定になるようにインバータの出力周波数に応じて回転数が制御される給水ポンプとを備えた膜濾過システムの運転方法であって、前記給水ポンプの運転開始時および/または処理水流量の減量運転時に、処理水流量が目標流量になるように比例制御によって制御された前記インバータの出力周波数に応じて前記給水ポンプの回転数が制御される初期運転を行った後、処理水流量が目標流量に到達する前に、処理水流量が目標流量になるように比例制御および積分制御および/または微分制御によって制御された前記インバータの出力周波数に応じて前記給水ポンプの回転数が制御される通常運転に切り替えることを特徴とする。
請求項1に記載の発明では、前記給水ポンプの運転開始時および/または処理水流量の減量運転時に、比例制御によって制御された前記インバータの出力周波数に応じて前記給水ポンプの回転数が制御される初期運転を行うことにより、前記濾過膜部からの処理水流量が、より短時間で目標流量に近づく。また、初期運転を行った後、処理水流量が目標流量に到達する前に、比例制御および積分制御および/または微分制御によって制御された前記インバータの出力周波数に応じて前記給水ポンプの回転数が制御される通常運転に切り替えることにより、オーバーシュート量やアンダーシュート量が抑制される。
この発明によれば、前記給水ポンプの運転開始時および/または処理水流量の減量運転時に、初期運転を行った後、処理水流量が目標流量に到達する前に、通常運転に切り替えることにより、前記給水ポンプの運転開始時および/または処理水流量の減量運転時に、処理水流量をできるだけ短時間で目標流量にすることができるとともに、オーバーシュート量やアンダーシュート量を抑制することができる。
つぎに、この発明の実施の形態について図面に基づいて詳細に説明する。図1は、この発明を実施する膜濾過システムの一例を示す概略的な説明図、図2は、この発明に係る膜濾過システムの運転方法を実施したときの処理水流量の変化を示す図である。
図1において、膜濾過システム1は、水道水,工業用水,地下水などの水源から供給される原水を水処理して得られた給水を、後段に設置されたボイラなどの機器(図示省略)へ供給するものである。前記膜濾過システム1は、前記機器への給水ライン2を備えており、この給水ライン2には、濾過膜部3が設けられている。前記濾過膜部3の上流側の前記給水ライン2には、給水ポンプ4が設けられており、また前記濾過膜部3の下流側の前記給水ライン2には、流量センサ5が設けられている。
前記濾過膜部3は、濾過膜モジュール(図示省略)により給水を濾過処理するように構成されている。この濾過膜モジュールは、濾過膜(図示省略)として、具体的には逆浸透膜(RO膜)やナノ濾過膜(NF膜)などを使用して形成されている。前記逆浸透膜および前記ナノ濾過膜は、ポリアミド系,ポリエーテル系などの合成高分子膜である。そして、前記逆浸透膜は、分子量が数十程度の物質の透過を阻止できる液体分離膜である。また、前記ナノ濾過膜は、2nm程度より小さい粒子や高分子(分子量が最大数百程度の物質)の透過を阻止できる液体分離膜である。前記ナノ濾過膜は、濾過機能の点において、前記逆浸透膜と、分子量が1,000〜300,000程度の物質を濾別可能な限外濾過膜(UF膜)との中間に位置する機能を有する。前記濾過膜は、前記機器への給水が、所望の水質になるように選択される。
前記濾過膜部3では、一側から流入した給水が、前記濾過膜で濾過され、他側から透過水と濃縮水とが分離されて流出するようになっている。透過水は、前記給水ライン2へ流出するようになっている。これにより、前記機器へ所望の水質になった給水が供給されるようになっている。一方、濃縮水は、前記濾過膜部3と接続された濃縮水ライン6へ流出するようになっている。この濃縮水ライン6は、排水ライン7と、還流ライン8とに分岐しており、この還流ライン8は、前記給水ポンプ4の上流側の前記給水ライン2と接続されている。そして、前記濃縮水ライン6へ流出した濃縮水は、一部が前記排水ライン7を介して系外へ排水されるとともに、残部が前記還流ライン8を介して前記濾過膜部3の上流側の前記給水ライン2へ還流するようになっている。
前記流量センサ5における流量検出信号は、CPUを備える制御部9へ入力されるようになっている。前記制御部9は、前記流量センサ5からの流量検出信号を受けると、これを周波数指示信号(たとえば、4〜20mAの電流値,もしくは1〜5Vの電圧値)としてインバータ10へ出力するようになっている。そして、周波数指示信号を受けた前記インバータ10の出力周波数に応じ、前記濾過膜部3からの処理水流量が目標流量になるように、前記給水ポンプ4の回転数が制御されるようになっている(定流量制御)。
さて、前記膜濾過システム1の運転方法について説明する。前記給水ポンプ4にあっては、処理水流量が目標流量になるように、前記インバータ10の出力周波数に応じて回転数が制御される。具体的には、前記制御部9は、前記流量センサ5からの流量検出信号を受けると、これを周波数指示信号として前記インバータ10へ出力する。そして、前記インバータ10は、この周波数指示信号に応じて前記給水ポンプ4への出力周波数を制御する。前記制御部9は、後述する初期運転のときには比例制御,すなわちP制御により、また後述する通常運転のときには、比例制御(P制御)および積分制御(I制御)および/または微分制御(D制御),すなわちPI制御,PD制御およびPID制御により、処理水流量が目標流量になるように、その前記インバータ10への周波数指示信号を制御する。ここで、前記制御部9のP制御機能,PI制御機能,PD制御機能およびPID制御機能は、前記流量センサ5からの流量検出信号をフィードバック値として目標値と比較を行い、偏差をゼロにするように動作する機能である。これにより、処理水流量が目標流量になるように、前記インバータ10の出力周波数に応じ、前記給水ポンプ4の回転数が制御される。
この発明に係る前記膜濾過システム1の運転方法では、図2に示すように、前記給水ポンプ4の運転開始時に、初期運転を行った後、処理水流量が目標流量X1に到達する前に通常運転に切り替える。具体的には、処理水流量が第一運転切替流量x1に達したとき、初期運転から通常運転に切り替える。第一運転切替流量x1は、たとえば目標流量X1の80〜90%の流量に設定される。
具体的に説明すると、前記膜濾過システム1では、前記給水ポンプ4の運転を開始すると、まず初期運転を行う。この初期運転は、処理水流量が目標流量X1になるように前記制御部9のP制御によって制御された前記インバータ10の出力周波数に応じて前記給水ポンプ4の回転数が制御される起動運転である。
そして、前記濾過膜部3からの処理水流量が、第一運転切替流量x1になると、前記制御部9は初期運転から通常運転に切り替える。この通常運転は、処理水流量が目標流量X1になるように、PI制御,PD制御およびPID制御のいずれかによって制御された前記インバータ10の出力周波数に応じて前記給水ポンプ4の回転数が制御される運転である。ちなみに、通常運転において、PI制御,PD制御およびPID制御を行うときの制御パラメータは、目標流量に対する処理水流量のオーバーシュート量を抑制することができる値に設定する。
以上説明した前記膜濾過システム1の運転方法によれば、前記給水ポンプ4の運転開始時に、前記インバータ10の出力周波数がP制御によって制御される初期運転(すなわち、起動運転)を行うことにより、処理水流量がより短時間で目標流量X1に近づく。また、処理水流量が第一運転切替流量x1に到達したとき、前記インバータ10の周波数がPI制御,PD制御およびPID制御のいずれかによって制御される通常運転に切り替えることにより、目標流量X1に対する処理水流量のオーバーシュート量が抑制される。
つぎに、この発明に係る前記膜濾過システム1の運転方法では、図2に示すように処理水流量の減量運転時に、初期運転を行った後、処理水流量が目標流量X2に到達する前に通常運転に切り替える。具体的には、処理水流量が第二運転切替流量x2に達したとき、初期運転から通常運転に切り替える。第二運転切替流量x2は、たとえば目標流量X2の110〜120%の流量に設定される。
具体的に説明すると、前記膜濾過システム1では、水温の低下の検知により、処理水流量の減量運転を開始すると、まず初期運転を行う。この初期運転は、処理水流量が目標流量X2(X2<X1)になるようにP制御によって制御された前記インバータ10の出力周波数に応じて前記給水ポンプ4の回転数が制御される移行運転である。
そして、前記濾過膜部3からの処理水流量が、第二運転切替流量x2になると、前記制御部9は、初期運転から通常運転に切り替える。この通常運転は、処理水流量が目標流量X2になるように、PI制御,PD制御およびPID制御のいずれかによって制御された前記インバータ10の出力周波数に応じて前記給水ポンプ4の回転数が制御される運転である。ちなみに、通常運転において、PI制御,PD制御およびPID制御を行うときの制御パラメータは、目標流量X2に対する処理水流量のアンダーシュート量を抑制することができる値に設定する。
以上説明した前記膜濾過システム1の運転方法によれば、処理水流量の減量運転時に、前記インバータ10の出力周波数がP制御によって制御される初期運転(すなわち、移行運転)を行うことにより、処理水流量が短時間で目標流量X2に近づく。また、処理水流量が第二運転切替流量x2に到達したとき、前記インバータ10の周波数がPI制御,PD制御およびPID制御のいずれかによって制御される通常運転に切り替えることにより、目標流量X2に対する処理水流量のアンダーシュート量が抑制される。
以上、この発明を実施形態により説明したが、この発明は、その主旨を変更しない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。
この発明を実施する膜濾過システムの一例を示す概略的な説明図である。 この発明に係る膜濾過システムの運転方法を実施したときの処理水流量の変化を示す図である。
符号の説明
1 膜濾過システム
2 給水ライン
3 濾過膜部
4 給水ポンプ
10 インバータ

Claims (1)

  1. 機器への給水ラインに設けられた濾過膜部と、この濾過膜部の上流側の前記給水ラインに設けられ、前記濾過膜部からの処理水流量が目標流量で一定になるようにインバータの出力周波数に応じて回転数が制御される給水ポンプとを備えた膜濾過システムの運転方法であって、
    前記給水ポンプの運転開始時および/または処理水流量の減量運転時に、処理水流量が目標流量になるように比例制御によって制御された前記インバータの出力周波数に応じて前記給水ポンプの回転数が制御される初期運転を行った後、処理水流量が目標流量に到達する前に、処理水流量が目標流量になるように比例制御および積分制御および/または微分制御によって制御された前記インバータの出力周波数に応じて前記給水ポンプの回転数が制御される通常運転に切り替えることを特徴とする膜濾過システムの運転方法。
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