JP5196559B2 - 漏電検出装置及び開閉器 - Google Patents

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Description

本発明は、漏電を検出する漏電検出装置及びこの漏電検出装置を備える開閉器に関する。
図12は、従来の漏電検出装置の例として、特許文献1に記載された零相電流検出装置における零相変流器と一次導体の部分の構成の概要を示したものである。図13は、特許文献1に記載された零相電流検出装置における零相変流器の分解斜視図である。この従来例の零相電流検出装置は、円環状の零相変流器110を有し、信号出力用の口出線110aが引き出されている。そして、この零相変流器110の貫通口を貫通する一次導体109R,109S,109Tが設けられ、これらの一次導体は三相3線のR相、S相、T相にそれぞれ対応する。このように一次導体109をコの字形状にすることで、零相変流器110の部分の小型化が図れる。しかしながら、コの字形状の一次導体109によって零相変流器110が磁気的影響を受けやすくなる問題点があった。
零相変流器は、磁気的影響を受けると、漏電が発生していない状態である一次導体の行きと帰りの電流が同じ場合でも不要な出力を出してしまうといったことがある。この不要出力が大きいと、漏電の発生を誤判断してしまうことがある。この課題を解決するため、特許文献1の例では、図13に示すように、シールドを内蔵して不要出力が発生しないようにしている。零相変流器110の周りには、零相変流器の下方に位置する底面側積層シールド板120、上方に位置する上面側積層シールド板123、零相変流器の貫通口内に位置する内周側巻回シールド121、零相変流器の外周に位置する外周側巻回シールド122が設けられている。そして、零相変流器110及びシールド120〜123が合成樹脂ケース119に収納されている。これらのシールド120〜123は、零相変流器110の周囲の外部磁界に対してシールド効果を発揮し、不要出力発生の原因となる磁気的影響を低減して、一次導体の零相電流以外による出力の発生を防止している。
しかしながら、磁気シールドを設けることは、部品点数の増加や構成の複雑化により、コストが上昇する要因となる。また、組立工数の増加等により、組立性が悪化するという問題点がある。
特開平6−290978号公報
上述したように、従来の漏電検出装置では、コの字形状の一次導体において磁気的影響を受けやすく、また、零相変流器にシールドを設ける場合は、構成が複雑化し、装置コストが嵩んでしまう。また、一次導体及び零相変流器部分の組立性が良くないという課題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、漏電の検出精度を向上するとともに、装置全体のコストを削減可能であり、組立性も良好な漏電検出装置を提供することを目的とする。
本発明は、それぞれが直線状に形成された複数の一次導体を含んで構成される複数の電路と、直交する2方向で寸法が異なる形状に構成され、前記複数の一次導体を長手方向に並列に配置した状態で貫通させる貫通口を有する零相変流器と、前記複数の電路における各電路の電流を検出する電流検出器と、前記電流検出器の出力に応じて、前記零相変流器の出力値に対して所定の補正演算処理を行う補正演算処理部と、前記補正演算処理部の出力に基づいて漏電電流の判定を行う漏電電流判定部と、を備える漏電検出装置を提供する。
上記構成により、電流検出器の出力に応じて零相変流器の出力値に対して所定の補正を行うことによって、平衡電流通電時の零相変流器の不要出力成分を除去または低減することが可能であり、漏電の検出精度を向上できる。このため、磁気シールド等の不要出力対策部材を取り除くことができるので、構成を簡単にでき、零相変流器や漏電検出装置全体のコストを低減できる。また、零相変流器を直交する2方向で寸法が異なる形状とし、この零相変流器の貫通口に直線状に形成された複数の一次導体を貫通させる構成とすることによって、一次導体において磁気的影響を受けにくくでき、かつ、構成や形状が簡単になるので、組立性を向上することができる。
また、本発明は、上記の漏電検出装置であって、前記零相変流器は、長径と短径を持つ長円形状または楕円形状、長辺と短辺とを持つ長方形状または角丸の長方形状のいずれかの形状の貫通構造であるものを含む。
上記構成により、零相変流器の貫通面積を大きくすることができ、それによって組立性が改善し、コストを下げることができる。
また、本発明は、上記の漏電検出装置であって、前記補正演算処理部は、前記複数の電路における各相の電路に対応した補正係数を用いて、前記電流検出器の出力を入力変数とする所定の補正演算式によって前記零相変流器の出力値の補正演算処理を行うものを含む。
上記構成により、各相の電流値にそれぞれ対応した補正係数によって補正演算処理を行うことで、より細かく適切な補正が可能となり、零相変流器の不要出力を効果的に抑えることができる。特に、零相変流器を長円形状や楕円形状に構成した場合など、零相変流器の構造によって一組の電路の端相と中相において平衡時の不要出力が顕著である場合などに、各相で個別に異なる値を有する補正係数を用いることで、装置の構造に応じて各相の電流値に基づく補正が可能であり、より高精度の漏電検出が可能になる。
また、本発明は、上記の漏電検出装置であって、前記補正演算処理部は、前記電流検出器の出力が所定の電流値以上である場合に、異なる補正演算式または補正係数によって補正演算処理を行うものを含む。
上記構成により、電路に流れる電流値によって、所定以上の電流通電時とそれ以下の場合とで異なる補正処理が可能であり、大電流通電時に過度の漏電検出出力を行わないようにすることができる。
また、本発明は、上記の漏電検出装置であって、前記電流検出器は、回路基板上に形成したロゴスキーコイルによって構成されるものを含む。
上記構成により、ロゴスキーコイルは電流検出範囲が広いため、広範囲の電流域において零相変流器の出力の補正が可能である。また、回路基板上に電流検出器を構成することで、装置の小型化ができる。
また、本発明は、上記の漏電検出装置であって、前記電流検出器の出力の信号処理を行う信号処理回路を備え、前記電流検出器と前記信号処理回路とが同一の回路基板上に実装されているものを含む。
上記構成により、電流検出器と信号処理回路とを同一の回路基板上に実装することで、さらに装置の小型化が可能になる。
また、本発明は、上記の漏電検出装置であって、前記電流検出器は、前記複数の電路の数がnである場合にn−1の電路に対応して設けられ、前記補正演算処理部は、前記電流検出器を設けない電路について他の電路の電流検出値から電流値を算出するものを含む。
上記構成により、電流検出器の数を削減し、コストを下げることができる。
また、本発明は、上記の漏電検出装置であって、前記電流検出器及び前記補正演算処理部の出力に基づき漏電電流値、各相の電流値のうちの少なくともいずれか一つを表示する表示部を備えるものを含む。
上記構成により、漏電電流値や各相の電流値を表示させ、使用者が容易に視認することが可能になる。
本発明は、上記いずれかの漏電検出装置を内蔵し、前記電路において所定の過電流が流れたときに回路を遮断する回路遮断器接点を備えた開閉器を提供する。
上記構成により、安価で組立性が良く高精度の漏電検出機能を持つ開閉器を実現できる。
また、本発明は、上記の開閉器であって、前記漏電検出装置の補正演算処理部は、前記電流検出器の出力が所定の電流値以上である場合に、異なる補正演算式または補正係数によって補正演算処理を行うものを含む。
上記構成により、大電流通電時に過度の漏電検出出力を行わないようにすることができ、例えば定格電流の11倍のような通常の使用状態では起こらない大電流の通電領域での誤動作を防止することができる。
本発明は、上記いずれかの漏電検出装置を内蔵し、前記電路において所定の漏電電流検出時及び所定の過電流検出時に回路を遮断する回路遮断器接点を備えた電子式ブレーカを提供する。
上記構成により、電子式ブレーカにおいて遮断用の過電流を検出するために電路の各相に設けられる電流検出器を、零相変流器出力の補正用に兼用することができ、電流検出器を新たに追加する必要がなく安価に漏電検出装置を実現できる。
本発明によれば、漏電の検出精度を向上するとともに、装置全体のコストを削減可能であり、組立性も良好な漏電検出装置を提供できる。
本実施形態では、本発明に係る漏電検出装置及び開閉器の一例として、電子式ブレーカ等に適用可能な漏電検出装置及び開閉器の構成例をいくつか示す。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係る漏電検出装置及び開閉器の概略構成を示すブロック図である。漏電検出装置は、交流電源50から負荷機器53へと接続される電路の途中に設けられる。図1では、往路と復路の単相の回路を有する一組の電路に適用した例を示している。この漏電検出装置は、電流検出器1,2、零相変流器3、信号処理回路4,5,6、補正演算処理回路7、漏電電流判定回路8を有して構成される。
電流検出器1は交流電源50から負荷機器53への往路51の電流を検出し、電流検出器2は復路52の電流を検出する。これらの電流検出器1,2は、例えばCT(Current Transformer、変流器)を用い、各電路を貫通させるか、電路の近傍に配置すればよい。零相変流器3は、交流電源50から負荷機器53への電路の零相電流を検出する。この零相変流器3は、例えばコイルを内蔵した長円形または楕円形の環状に形成された貫通構造のものを用い、その貫通口に往路51及び復路52の両方の電路を貫通させ、これらの電路の零相電流を検出する。
電流検出器1,2、及び零相変流器3の出力は、それぞれ信号処理回路4,5,6に接続される。信号処理回路4,5,6は、増幅回路やフィルタ回路を有して構成され、入力信号の増幅処理、フィルタ処理等を行い、後段の補正演算処理回路7における補正処理などの信号処理が実施しやすいレベルに変換する。補正演算処理回路7は、オペアンプ等のアナログ演算処理が可能な回路を有して構成され、信号処理回路4,5,6の出力を用いて、所定の補正演算式に従って電流検出値に応じた零相変流器の出力のアナログ補正処理を行う。
漏電電流判定回路8は、補正演算処理回路7の出力を所定の値と比較し、漏電状態かどうか判定して漏電検出信号を出力端9に出力する。交流電源50の入力部には開閉器の回路遮断器接点54が設けられ、漏電電流判定回路8の出力の漏電検出信号が出力端9から回路遮断器接点54に供給される。漏電検出装置において漏電状態が検出された場合、漏電検出信号に基づいて開閉器の回路遮断器接点54において交流電源50から負荷機器53への回路を遮断する。また、開閉器として、電路において所定の過電流が検出されたときに回路遮断器接点54により交流電源50から負荷機器53への回路を遮断する。
零相変流器は、磁気的影響を受けると、漏電が発生していない状態である一次導体の行きと帰りの電流が同じ場合でも不要出力を発生することがある。不要出力の値は、通電電流が出す磁界が零相変流器の巻き線に対して影響を及ぼすために起こることから、通電電流が大きくなるに従って、不要出力も大きくなる傾向がある。
そこで、本実施形態では、通電電流の大きさに応じて零相変流器の出力の補正を行い、不要出力を低減する構成を設ける。不要出力に関する補正値は、生産した零相変流器の特性、一次導体の形状などから、予め通電電流値に対してどの程度の不要出力が出力されるかを求めておく。例えば、電流検出器の出力の検出電流値を入力値とする所定の補正演算式を設定して補正処理に用いるようにし、電路に少なくとも一種類の所定の電流を通電することにより、その際の電流値(電流検出器の出力値)と零相変流器の出力値に応じて、前記補正演算式における補正係数を設定する。このように、個々の漏電検出装置において実際の特性に応じて個別に補正係数を設定して保持することで、装置個体ごとの検出特性のバラツキを吸収することができる。
漏電検出の際は、電流検出器1,2で計測された電流値から発生する不要出力のレベルを推定し、零相変流器3の出力に対して不要出力の成分を打ち消すような演算処理を行う。このように本実施形態によれば、不要出力を取り除いた正確な漏電検出を行うことができる。また、第1の実施形態では、電流検出器及び零相変流器の出力をアナログ信号の状態で増幅等して処理することによって、処理時間を短縮することができ、漏電発生時の検出時間及び遮断時間を短くすることができる。
(第2の実施形態)
図2は本発明の第2の実施形態に係る漏電検出装置及び開閉器の概略構成を示すブロック図である。図2において、図1に示した第1の実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付して説明を省略する。
第2の実施形態は、信号処理回路4,5,6の後段にそれぞれA/Dコンバータ10,11,12を設けて、電流検出値をデジタル化して処理する例である。
A/Dコンバータ10,11,12は、信号処理回路4,5,6のアナログ出力信号をデジタル信号に変換し、補正演算処理回路17に出力する。補正演算処理回路17は、A/Dコンバータ10,11,12からのデジタル信号を用いて、所定の補正演算式に従って電流検出値に応じた零相変流器の出力の補正処理を行う。漏電電流判定回路18は、補正演算処理回路17の出力を所定の値と比較し、漏電状態かどうか判定して漏電検出信号を出力端9に出力する。
補正演算処理回路17や漏電電流判定回路18は、例えば汎用のマイコンなどを用いて構成し、所定のプログラムを実行することで補正演算処理や漏電状態の判定処理を行う機能を実現する。この際、各電流検出器1,2からの電流信号の実効値などを演算により算出し、検出電流値に応じて補正係数の値を算出し、零相変流器3の出力に補正係数を乗算し、不要出力を取り除いた漏電電流を算出する。第2の実施形態では、デジタル演算することにより、例えば、補正係数を零相変流器の非線形性特性に合わせ込むことができるなど、より複雑な不要出力の低減処理が可能であり、複雑な補正処理を精度良く行うことができる。
(第3の実施形態)
図3は本発明の第3の実施形態に係る零相変流器のコアの構成を示す平面図、図4は第3の実施形態の漏電検出装置における零相変流器周辺の漏電センサブロックの配置構成を示す斜視図である。
第3の実施形態は、零相変流器及び漏電検出装置の具体的な構成例を示したものである。ここでは、R相、S相、T相の三相の回路を有する一組の電路に適用した例を示している。本実施形態の零相変流器24は、図3に示すように、長径と短径を持つ長円形状の環状に形成された貫通構造のコアを有して構成される。この零相変流器24は、図4に示すように、交流電源から負荷機器へと接続される複数の電路の一次導体55R,55S,55Tに対応して、長円形状の貫通口が位置するように設けられる。一次導体55R,55S,55Tは、構造の簡単化及び組立性の向上のためにそれぞれが端子部分を除き直線状に形成され、これらが略並行に一列に並んで配置されており、これらの一次導体55R,55S,55Tが長円形状の零相変流器24の貫通口を貫通する構造となっている。ここで、一次導体55R,55S,55Tは、零相変流器24の貫通口の前後の領域で各導体間の距離が変化しないよう略一定に保たれた状態に形成されて設けられている。すなわち、一次導体55R,55S,55Tは、折り曲げ部等を有さない略直線状の単純な形状であり、零相変流器24の貫通口の長手方向に並列して配置される。なお、零相変流器の形状は長円形状に限らず、楕円形状や、長辺と短辺とを持つ長方形状または角丸の長方形状など、直交する2方向で寸法が異なるような形状で、長手方向に複数の直線状の一次導体を並列に配置した状態で貫通させることができる貫通口を有するものであれば、いずれの形状であってもよい。
また、それぞれの一次導体55R,55S,55Tに対応して電流検出器21,22,23が設けられ、各電流検出器に一次導体が貫通している。図4の例では、零相変流器24の近傍に設けた回路基板56に電流検出器21,22,23が配置され、さらにこの回路基板56上には電流検出器21,22,23の出力についてそれぞれ増幅等の信号処理を行う信号処理回路25,26,27が設けられている。
本実施形態のような長円形状の零相変流器24では、その長手方向に複数の一次導体を並列させて貫通させることが可能であり、一般的な円形状のものと比較して、一次導体を貫通させる貫通面積を大きくとることができる。図4のように例えば一次導体の貫通本数が3本の電路である場合、例えば長径と短径の比が10:3とすると、直線状の一次導体55R,55S,55Tを適用しても、零相変流器の外形を大きくしなくても貫通面積を十分大きく確保できる。よって、図12で示したように零相変流器の部分で電路間距離を小さくするために一次導体を折り曲げる必要がなく、組立性が大幅に改善される。
(第4の実施形態)
図5は本発明の第4の実施形態に係る漏電検出装置及び開閉器の概略構成を示すブロック図である。第4の実施形態は、図3及び図4に示した第3の実施形態の零相変流器を用いた他の構成例である。
図4の構成と同様に、長円形状の零相変流器24を備え、三相の一次導体55R,55S,55Tが貫通している。また、電流検出器21,22,23は、回路基板56上に形成されて実装され、これらの貫通口にそれぞれ一次導体55R,55S,55Tが貫通している。そして、電流検出器21,22,23と同一基板上に電流検出器出力の増幅やフィルタ処理等の信号処理を行う信号処理回路25,26,27が実装されている。
また、零相変流器24の出力の増幅やフィルタ処理を行う信号処理回路28、信号処理回路25〜28のアナログ出力信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータ29〜32、補正演算処理回路33、漏電電流判定回路34、出力端35が設けられる。補正演算処理回路33は、A/Dコンバータ29〜32からのデジタル信号を用いて、所定の補正演算式に従って電流検出値に応じた零相変流器の出力の補正処理を行う。漏電電流判定回路34は、補正演算処理回路33の出力を所定の値と比較し、漏電状態かどうか判定して漏電検出信号を出力端35に出力する。
交流電源入力部の電路には開閉器の回路遮断器接点54が設けられ、漏電電流判定回路34の出力の漏電検出信号が出力端35から回路遮断器接点54に供給される。漏電検出装置において漏電状態が検出された場合、漏電検出信号に基づいて開閉器の回路遮断器接点54において負荷への電路を遮断する。また、開閉器として、電路において所定の過電流が検出されたときに回路遮断器接点54により負荷への電路を遮断する。
なお、上記信号処理回路28、A/Dコンバータ29〜32、補正演算処理回路33、漏電電流判定回路34は、電流検出器21,22,23や信号処理回路25,26,27等と同一の基板に実装してもよい。
電流検出器21,22,23は、回路基板56上に形成したロゴスキーコイルによって構成されている。図6は回路基板上に構成したロゴスキーコイルの構成例を示す図であり、(A)は斜視図、(B)は平面図で、それぞれ透過して見た状態を示している。ロゴスキーコイルは、コアを持たない空芯のトロイダルコイルであり、例えばプリント基板を用いて構成される。プリント基板に設けたスルーホールにより裏表を接続してトロイダルコイル状にパターンを形成し、電流センサとして構成することが可能である。
ロゴスキーコイルと同一回路基板上のコイル出力近傍に、増幅回路等の信号処理回路を実装することにより、電流検出器の出力線で受けるノイズなどの影響を軽減することができる。また、本実施形態のように複数の電流検出を行う必要性がある場合は、1枚の回路基板上に複数のロゴスキーコイルを配置することにより、部品点数を減らすことができ、組立性も向上する。
また、零相変流器の出力段の信号処理回路、補正演算処理回路等も同一基板に実装することにより、さらに部品点数を削減でき、低コストで組立性の良い漏電検出装置として構成可能である。
(第5の実施形態)
図7は本発明の第5の実施形態に係る漏電検出装置及び開閉器の概略構成を示すブロック図、図8は第5の実施形態の漏電検出装置における零相変流器周辺の漏電センサブロックの配置構成を示す斜視図である。第5の実施形態は、一部の電路を除いて電流検出器を設けたものであり、R相、S相、T相の三相の回路を有する一組の電路に適用した例を示している。図7において、図1に示した第1の実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付して説明を省略する。
電流検出器1,2は、の三相の電路のうちの2線に設けられる。すなわち、電路の数がnである場合にn−1の電路に対応して電流検出器を設けている。ここで、電流検出器が設置されていない電路については、補正演算処理回路7における所定の演算によって、他の電路の電流検出器1,2の出力から算出する。
図8は第5の実施形態の漏電検出装置の具体的な構成例を示したものである。この場合、第3の実施形態と同様、交流電源から負荷機器へと接続される電路の一次導体55R,55S,55Tに対応して、長円形状の零相変流器24が設けられる。そして、一次導体55R,55Tに対応して電流検出器21,23が設けられ、各電流検出器に一次導体が貫通している。中央の一次導体55Sに対しては電流検出器が設けられず、回路基板56の貫通口を貫通している。さらにこの回路基板56上には電流検出器21,23の出力についてそれぞれ増幅等の信号処理を行う信号処理回路25,27が設けられている。
負荷機器への電力供給用の電路には、単相2線式、単相3線式、三相3線式などがあるが、それぞれの構成において電流検出器を設けない相の電流値は、他の相の電流検出値から求めることができる。例えばL1,L2,N相を有する単相3線式の場合、L1,L2相のみ電流検出器を設け、N相の電流検出は、L1とL2の電流値から、全ての相の電流和は0というキルヒホッフの法則により、算出することができる。三相3線式の場合も同様の考え方により、2個の電流検出器の電流検出値から検出していないもう1相の電流値を演算により求めることができる。
電流検出器が設けられていない電路の電流値を得る方法は、全ての電流値を加えた場合に0になるというキルヒホッフの法則を用いて、補正演算処理回路7において、電流値を計測している他の電路の電流検出器から出力される電流検出値の和を0から減算する。
例えば、電路が3線ある場合、各電路を流れる電流をI1、I2、I3とおくと、
I1+I2+I3=0
となる。よって、I3を求める場合、
I3=−I1−I2
で算出される。
三相3線式の場合、電流値を計測していない電路の通電電流値は、残りの2つの電路の電流値の和を0から減算すればよい。
例えば、I1=10A、I2=−5Aの時、I3=−5Aとなる。
この第5の実施形態では、電流検出器の設置数を削減することで、コストを下げることができる。
(第6の実施形態)
図9は本発明の第6の実施形態に係る漏電検出装置及び開閉器の概略構成を示すブロック図である。第6の実施形態は、N本の電路を有する場合に、各相の電路ごとに対応した補正係数を設定した構成例を示したものである。
漏電検出装置は、N本の電路P1〜Pnに対応して、それぞれ電流検出器C1〜Cnを備えている。また、電流検出器C1〜Cnの各出力についてそれぞれ増幅等の信号処理を行う信号処理回路S1〜Snが設けられる。零相変流器24は、電路P1〜Pnを貫通するよう設けられ、電路P1〜Pnにおける零相電流に対応する出力Vzctを出力する。これらの信号処理回路S1〜Snの出力i1〜inと零相変流器24の出力Vzctは、補正演算処理回路57に入力されて補正処理が行われる。
補正演算処理回路57は、予め各相に対応した補正係数k1〜knをそれぞれの電流検出器S1〜Snの出力に対して保持しており、下記式(1)に示す所定の補正演算式によって補正演算を行って出力Velを出力する。
Vel=Vzct+f(i1,i2,…,in,k1,k2,…,kn) …(1)
上記式(1)は、電路P1〜Pnの通電電流値に対応する信号処理回路S1〜Snの出力i1〜inと補正係数k1〜knを入力変数として出力Velを得るものである。この補正演算処理回路57は、汎用のマイコンなどを用いて構成し、所定のプログラムを実行することで、各相の電路に対応した補正演算処理を行う機能を実現する。上記補正演算式や補正係数はマイコン内部に保持しておく。
そして、漏電電流判定回路58は、補正演算処理回路57の出力を所定の値と比較し、漏電状態かどうか判定して漏電検出信号を出力端59に出力する。交流電源入力部の電路には開閉器の回路遮断器接点54が設けられ、漏電電流判定回路58の出力の漏電検出信号が出力端59から回路遮断器接点54に供給される。漏電検出装置において漏電状態が検出された場合、漏電検出信号に基づいて開閉器の回路遮断器接点54において負荷への電路を遮断する。また、開閉器として、電路において所定の過電流が検出されたときに回路遮断器接点54により負荷への電路を遮断する。
この第6の実施形態によれば、精度良く各相の電流値に応じた零相変流器出力の補正をすることが可能である。特に、電路の端相と中相とで不要出力の値が異なるなど、電路によって不要出力にバラツキがある場合、あるいは端相と中相との間で平衡時の不要出力が顕著である場合などであっても、不要出力を効果的に抑えることができる。また、第3の実施形態で示した長円形のコア形状を持つ零相変流器を用いた場合や、電路の数が多い場合など、装置の構造によって電路の端相と中相とで同じ通電電流値に対する影響が異なり、各相の特性に差が生じる可能性がある場合においても、各相毎に電流値に応じた適切な補正ができ、高精度の漏電検出が可能になる。
(第7の実施形態)
図10は本発明の第7の実施形態に係る漏電検出装置の補正演算処理における補正係数を示すグラフである。第7の実施形態は、上述した第6の実施形態の変形例であり、本発明に係る漏電検出装置を開閉器に適用した場合の補正演算処理を示したものである。
第7の実施形態では、補正演算処理回路57において、電路に通電電流値が所定値以下の場合と所定値を超えた場合とで異なる補正係数を用いる。所定の電路Pnの電流値inが所定の電流I0以下の場合は、補正演算式において、入力変数として電流値i1〜in,補正係数k1〜knを持つ下記式(2)に示す関数f1を用いる。
f1=f1(i1,i2,…,in,k1,k2,…,kn) …(2)
また、所定の電路inの電流値が所定の電流I0より大きい場合は、補正演算式において、入力変数として同様に電流値i1〜in,補正係数k1〜knを持つ下記式(3)に示す関数f2を用いる。
f2=f2(i1,i2,…,in,k1,k2,…,kn) …(3)
ここで、図10に示すように、f1とf2の電流値に対する傾きは、f1をf2より大きく設定する。電路への通電電流が定格電流を大きく逸脱し過電流の状態になった場合、不要出力は通電電流に応じて大きくなるが、本実施形態では、過電流の状態における零相変流器出力の補正の仕方を、通常通電される電流域での補正の仕方とは切り離して行う。例えば、I0を定格電流の11倍の値とし、定格電流の11倍以上の大電流が流れたときは、この電流を検出すると補正係数を大電流通電用に変更し、過度の漏電検出出力を行わないようにさせる。そして、大電流の検出によって開閉器の回路遮断器接点を開き、電路を遮断する。
このように、所定の過電流が流れたときは開閉器によって遮断するようにし、電流値に応じた過度の漏電検出出力を行わないことで、通常の使用状態では起こらない通電領域での誤動作を防止することができる。
(第8の実施形態)
図11は本発明の第8の実施形態に係る漏電検出装置及び開閉器の概略構成を示すブロック図である。第8の実施形態は、図5に示した第4の実施形態の構成に加えて、表示部を設けた例である。
第8の実施形態の漏電検出装置は、漏電電流値、各電路の通電電流値等を表示する表示部37と、この表示部37を駆動するための演算処理を行う表示値演算処理部36とを備えている。表示値演算処理部36は、A/Dコンバータ30〜32、補正演算処理回路33の出力を入力し、漏電電流値や各電路の通電電流値などに基づく各種表示値を算出し、表示部37に出力する。表示部37は、液晶表示器やLED等を有して構成され、表示値演算処理部36の出力に基づき、漏電電流値や各相の通電電流値などをデジタル数値表示等で表示する。
第8の実施形態では、表示部37によって漏電電流だけではなく各相の電流値を表示可能であり、使用者は漏電電流値や通電電流値などを目視で容易に確認することができる。また、漏電電流及び各相の電流値を表示する機能を持つ漏電検出装置や開閉器を安価に提供できる。
以上説明したように、本実施形態によれば、電流検出器で検出された各相の電流値に応じて、零相変流器の出力値に対して所定の補正を行うことによって、平衡電流通電時の零相変流器の不要出力成分を除去または低減することが可能である。このため、磁気ノイズによる不要出力の低減のために使用されていた磁気シールドなど、不要出力対策部材を取り除くことができるので、構成を簡単にでき、零相変流器や漏電検出装置全体のコストを低減できる。また、零相変流器を長円形状や楕円形状のコアで構成し、この零相変流器の貫通口に直線状に形成された複数の一次導体を並列状に貫通させる構成とすることによって、一次導体において磁気的影響を受けにくくでき、かつ、構成や形状が簡単になるので、組立性を改善することができる。したがって、組立性が良好で、かつ低価格に構成でき、しかも検出精度の高い漏電検出装置及び開閉器を実現することができる。また、本実施形態を電子式ブレーカに適用することによって、遮断用の過電流を検出するために電路の各相に設けられる電流検出器を漏電検出の補正用に兼用することができ、電流検出器を新たに追加する必要がなく安価に漏電検出装置を実現できる。
なお、本発明は上記の実施形態において示されたものに限定されるものではなく、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
本発明の第1の実施形態に係る漏電検出装置及び開閉器の概略構成を示すブロック図 本発明の第2の実施形態に係る漏電検出装置及び開閉器の概略構成を示すブロック図 本発明の第3の実施形態に係る零相変流器のコアの構成を示す平面図 第3の実施形態の漏電検出装置における零相変流器周辺の漏電センサブロックの配置構成を示す斜視図 本発明の第4の実施形態に係る漏電検出装置及び開閉器の概略構成を示すブロック 回路基板上に構成したロゴスキーコイルの構成例を示す図であり、(A)は斜視図、(B)は平面図 本発明の第5の実施形態に係る漏電検出装置及び開閉器の概略構成を示すブロック図 第5の実施形態の漏電検出装置における零相変流器周辺の漏電センサブロックの配置構成を示す斜視図 本発明の第6の実施形態に係る漏電検出装置及び開閉器の概略構成を示すブロック図 本発明の第7の実施形態に係る漏電検出装置の補正演算処理における補正係数を示すグラフ 本発明の第8の実施形態に係る漏電検出装置及び開閉器の概略構成を示すブロック図 従来例の零相電流検出装置における零相変流器と一次導体の部分の構成を示す斜視図 従来例の零相変流器の分解斜視図
符号の説明
1、2、C1〜Cn、21、22、23:電流検出器
3、24:零相変流器
4、5、6、S1〜Sn、25、26、27、28:信号処理回路
7、17、33、57:補正演算処理回路
8、18、34、58:漏電電流判定回路
9、35、59:出力端
10、11、12、29、30、31、32:A/Dコンバータ
50:交流電源
51:電路往路
52:電路復路
53:負荷機器
54:回路遮断器接点
55R:一次導体(R相)
55S:一次導体(S相)
55T:一次導体(T相)
56:回路基板

Claims (11)

  1. それぞれが直線状に形成された複数の一次導体を含んで構成される複数の電路と、
    直交する2方向で寸法が異なる形状に構成され、前記複数の一次導体を長手方向に並列に配置した状態で貫通させる貫通口を有する零相変流器と、
    前記複数の電路における各電路の電流を検出する電流検出器と、
    前記電流検出器の出力に応じて、前記零相変流器の出力値に対して所定の補正演算処理を行う補正演算処理部と、
    前記補正演算処理部の出力に基づいて漏電電流の判定を行う漏電電流判定部と、
    を備える漏電検出装置。
  2. 請求項1に記載の漏電検出装置であって、
    前記零相変流器は、長径と短径を持つ長円形状または楕円形状、長辺と短辺とを持つ長方形状または角丸の長方形状のいずれかの形状の貫通構造である漏電検出装置。
  3. 請求項1または2に記載の漏電検出装置であって、
    前記補正演算処理部は、前記複数の電路における各相の電路に対応した補正係数を用いて、前記電流検出器の出力を入力変数とする所定の補正演算式によって前記零相変流器の出力値の補正演算処理を行う漏電検出装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の漏電検出装置であって、
    前記補正演算処理部は、前記電流検出器の出力が所定の電流値以上である場合に、異なる補正演算式または補正係数によって補正演算処理を行う漏電検出装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の漏電検出装置であって、
    前記電流検出器は、回路基板上に形成したロゴスキーコイルによって構成される漏電検出装置。
  6. 請求項5に記載の漏電検出装置であって、
    前記電流検出器の出力の信号処理を行う信号処理回路を備え、
    前記電流検出器と前記信号処理回路とが同一の回路基板上に実装されている漏電検出装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の漏電検出装置であって、
    前記電流検出器は、前記複数の電路の数がnである場合にn−1の電路に対応して設けられ、
    前記補正演算処理部は、前記電流検出器を設けない電路について他の電路の電流検出値から電流値を算出する漏電検出装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の漏電検出装置であって、
    前記電流検出器及び前記補正演算処理部の出力に基づき漏電電流値、各相の電流値のうちの少なくともいずれか一つを表示する表示部を備える漏電検出装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の漏電検出装置を内蔵し、
    前記電路において所定の過電流が流れたときに回路を遮断する回路遮断器接点を備えた開閉器。
  10. 請求項9に記載の開閉器であって、
    前記漏電検出装置の補正演算処理部は、前記電流検出器の出力が所定の電流値以上である場合に、異なる補正演算式または補正係数によって補正演算処理を行う開閉器。
  11. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の漏電検出装置を内蔵し、
    前記電路において所定の漏電電流検出時及び所定の過電流検出時に回路を遮断する回路遮断器接点を備えた電子式ブレーカ。
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