JP5201092B2 - 成形用金型及び成形方法 - Google Patents

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Description

本発明は、型抜き方向にアンダーカットとなる凹凸部を内周表面に有する筒状成形体を成形する金型及び成形方法に関するものである。
例えば等速ジョイント用ブーツ(以下、CVJブーツという)は、小径筒部と、小径筒部と離間して同軸的に配置され小径筒部より大径の大径筒部と、小径筒部と大径筒部を一体的に連結する略円錐台形状の蛇腹部とからなる。したがってCVJブーツを射出成形で成形した場合には、蛇腹部の内周形状を成形するコア金型の型面がアンダーカットとなり、離型が困難となる。そのため従来は、少なくとも蛇腹部はブロー成形によって成形されている。なお蛇腹部はブロー成形で成形し、大径筒部などを射出成形で成形する射出ブロー成形方法が用いられる場合もある。
ところがブロー成形では、蛇腹部の内周表面の精度が低く、蛇腹部の肉厚を精度高く制御することが困難である。そのため蛇腹部の各山谷の高さを制御することで肉厚を安定化させるなど、複雑な生産技術を検討する必要があった。また射出ブロー成形では、射出成形工程とブロー成形工程の二工程を行う必要があり、設備が大がかりになるとともに成形サイクルが長いという問題がある。したがって蛇腹部も射出成形で成形できるようにすることが望まれていた。
しかし上述したように、射出成形ではコア金型から蛇腹部を離型する方法が問題となる。そこで例えば特開昭62−056113号公報に記載されたような、内向きのリップを備えた缶などを成形するための折畳み式成形用中子を用いることが考えられる。この折畳み式成形用中子によれば、テーパ付中心部材が軸方向へ移動することによって内側セグメントと外側セグメントがそれぞれ径方向に移動するように構成され、内向きのリップを成形するために外側セグメントに形成された溝がリップから離れる径方向へ移動することでアンダーカットとなるのが回避されている。
同公報には、テーパ付中心部材の周囲に三つの内側セグメントと三つの外側セグメントとが対称に配置されたことが記載されている。しかしこのような構成では、テーパ付中心部材が後退した際に内側セグメントどうし、あるいは外側セグメントどうしが早期に干渉するために、各セグメントの径方向への移動量が規制されるという問題がある。したがってアンダーカットが回避されるリップ高さには制約があり、CVJブーツの蛇腹部の山谷差のような大きなアンダーカットをもつ成形品を成形することは困難であった。
特開昭62−056113号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、CVJブーツなど内周面に大きなアンダーカットとなる凹凸部をもつ成形品を射出成形で成形できるようにすることを目的とする。
上記課題を解決する本発明の成形用金型の特徴は、両端に開口する筒状又は有底の容器状をなし内周表面にリング状の凸部を有する筒状成形体を射出成形するのに用いられ、筒状成形体の外周表面を形成する型面をもつ外金型と、筒状成形体の内周表面を成形する型面をもつコア金型とを有する成形用金型であって、
コア金型は、中芯と、中芯を中心に放射状に配置され外周表面に筒状成形体の内周表面を成形する型面をもつ複数の分割型とからなり、
分割型は、中芯を中心に互いに対向して配置された一対の第1分割型と、一対の第1分割型の配置方向に対して交差する方向に中芯を中心に互いに対向して配置された一対の第2分割型と、一対の第1分割型と一対の第2分割型との間に配置された複数の第3分割型と、を少なくとも有し、
中芯を後退駆動することで一対の第1分割型を互いに近接する方向へ中心に向かって径方向に移動させ一対の第1分割型から筒状成形体を離型する第1駆動手段と、
一対の第2分割型と複数の第3分割型とを筒状成形体とともに中芯から遠ざかる軸方向へ移動させる第1突出手段と、
一対の第2分割型を互いに近接する方向へ中心へ向かって径方向に移動させ一対の第2分割型から筒状成形体を離型する第2駆動手段と、
複数の第3分割型を筒状成形体とともに第2分割型から遠ざかる軸方向へ移動させる第2突出手段と、
複数の第3分割型を互いに近接する方向へ中心へ向かって径方向に移動させ複数の第3分割型から筒状成形体を離型する第3駆動手段と、を備えたことにある。
また本発明の成形方法の特徴は、本発明の成形用金型を用い、コア金型と外金型との間に形成されたキャビティに成形材料を射出して筒状成形体を成形する成形工程と、
外金型を筒状成形体から離型する外金型離型工程と、
中芯を後退駆動することで一対の第1分割型を互いに近接する方向へ中心に向かって径方向に移動させ一対の第1分割型から筒状成形体を離型する第1離型工程と、
一対の第2分割型と複数の第3分割型とを筒状成形体とともに中芯から遠ざかる軸方向へ移動させた後に、一対の第2分割型を互いに近接する方向へ中心へ向かって径方向に移動させ一対の第2分割型から筒状成形体を離型する第2離型工程と、
複数の第3分割型を筒状成形体とともに第2分割型から遠ざかる軸方向へ移動させた後に、複数の第3分割型を互いに近接する方向へ中心へ向かって径方向に移動させ複数の第3分割型から筒状成形体を離型する第3離型工程と、をこの順で行うことにある。
本発明の成形用金型及び成形方法によれば、一対の第2分割型は第1分割型から軸方向に遠ざかる方向へ移動した後に、又は軸方向へ移動すると同時に、互いに近接する方向へ径方向に移動するため、第1分割型に干渉することがなく大きな移動量を確保することができる。また複数の第3分割型は第2分割型から軸方向に遠ざかる方向へ移動した後に互いに近接する方向へ径方向に移動するため、第2分割型に干渉することがなく大きな移動量を確保することができる。したがってコア金型から筒状成形体を容易に離型することができるので、射出成形によって筒状成形体を容易に成形することができる。
そして本発明によれば、射出成形のみによってCVJブーツを成形できるので、蛇腹部の肉厚を精度高く形成することができ品質が安定する。また成形サイクルを短縮できるので、生産性が向上する。
本発明の一実施例に係る成形用金型を成形時の状態で示す断面図である。 本発明の一実施例に係る成形用金型に用いたコア金型を成形時の状態で示す断面図である。 本発明の一実施例に係る成形用金型を外金型の離型時で示す断面図である。 本発明の一実施例に係る成形用金型において外金型を離型した後の状態を示す図2のB−B断面相当の断面図である。 本発明の一実施例に係る成形用金型において、第1離型工程を行っている状態を示す図2のB−B断面相当の断面図である。 本発明の一実施例に係る成形用金型において、第1離型工程を行った後の状態を示す図2のA−A断面相当の断面図である。 本発明の一実施例に係る成形用金型において、第1離型工程を行った後のコア金型を示す断面図である。 本発明の一実施例に係る成形用金型において、第2離型工程を行っている状態を示す図7のA−A断面相当の断面図である。 本発明の一実施例に係る成形用金型において、第2離型工程を行っている状態のコア金型を示す断面図である。 本発明の一実施例に係る成形用金型において、第3離型工程を行っている状態を示す図9のA−A断面相当の断面図である。 本発明の一実施例に係る成形用金型において、第3離型工程の作用を説明する要部拡大断面図である。 本発明の一実施例に係る成形用金型において、第3離型工程を行っている状態のコア金型を示す断面図である。
本発明は、両端に開口する筒状又は有底の容器状をなし内周表面に突出するリング状の凸部(以下、アンダーカット部という)を有する筒状成形体を射出成形するのに利用される。筒状成形体の外周表面の形状は特に制限されず平坦であってもよいし、内周表面の凸部に対応する部位の外周表面にリング状の凹部をもつ形状としてもよい。本発明によれば、蛇腹部の山谷の高低差が大きなCVJブーツも射出成形によって製造することができる。
本発明の成形用金型は、外金型とコア金型とを有する。外金型は筒状成形体の外周表面を形成する型面をもち、筒状成形体の外周表面が断面一定の円筒形状などの場合には一個の金型から構成できるが、CVJブーツなどを成形する場合には軸を含む少なくとも一つの平面で分割された複数の分割外型から構成される。
コア金型は筒状成形体の内周表面を形成する型面をもち、先端ほど径が小さく後端ほど径が大きな中芯と、中芯を中心に放射状に配置され外側表面に筒状成形体の内周表面を成形する型面をもつ複数の分割型とから構成されている。中芯は、場合によっては断面円形の円錐台形状とすることも可能であるが、断面多角形の角錐台形状とすることが望ましい。断面多角形の角錐台形状とすることで、中芯と複数の分割型を平面どうしで当接させることができ、後述するように、干渉を避けることで複数の分割型の径方向の移動距離を大きくすることができる。したがって筒状成形体のアンダーカット部の高さが高くても、容易に離型することができる。
以下、中芯の中心軸方向を軸方向といい、軸方向に直交する方向を径方向といい、軸方向を中心とする円の円周方向を周方向という。
コア金型の中芯を中心に放射状に配置される分割型は、中芯を中心に互いに対向して配置された一対の第1分割型と、一対の第1分割型の配置方向に対して交差する方向に中芯を中心に互いに対向して配置された一対の第2分割型と、一対の第1分割型と一対の第2分割型との間に配置された複数の第3分割型と、から少なくとも構成される。
一対の第1分割型は中芯を中心に互いに対向して配置され、中芯と第1分割型とは第1駆動手段によって相対的にスライド移動可能に配置されている。すなわち中芯の外周表面及び第1分割型の内側表面には、先端から後端に向かって直線状に延びる凹溝と凸条が形成され、凹溝と凸条との係合によって中芯と第1分割型とは相対的にスライド移動可能とされている。中芯は、先端ほど径が小さく後端ほど径が大きなテーパ形状であるので、第1駆動手段によって一対の第1分割型に対して中芯を軸方向に後退移動させると、凹溝と凸条との係合によって一対の第1分割型は互いに近接する方向へ径方向に移動する。
第1駆動手段は、中芯を後退駆動することで、凹溝と凸条との係合によって一対の第1分割型を互いに近接する方向へ中心に向かって径方向に移動させる手段であり、油圧装置あるいは空気圧装置を採用することができる。
中芯のテーパ角度と径を適切に調整することで、一対の第1分割型のそれぞれの径方向への移動距離を筒状成形体のアンダーカット部の高さより大きくすることが容易であり、一対の第1分割型の型面から筒状成形体の内周表面を容易に離型することができる。この離型直後の状態では、筒状成形体は第2分割型と第3分割型からまだ離型されていない。
一対の第2分割型は、一対の第1分割型の配置方向に対して交差する方向に中芯を中心に互いに対向して配置されている。一対の第1分割型の配置方向と、一対の第2分割型の配置方向とが交差する角度は特に制限がないが、直交する配置とするのが好ましい。直交する配置とすることで、一対の第2分割型どうしが互いに近接する方向への移動距離を大きくすることができ、金型全体の形状を小型化できるとともに筒状成形体の離型がより容易となる。
そして一対の第1分割型と一対の第2分割型との間に複数の第3分割型が配置され、射出成型時には、各分割型はそれぞれ中芯の表面に当接してコア金型を構成する。第3分割型は少なくとも4個必要であるが、少なくとも二つの第3分割型をさらに周方向に分割して複数の第4分割型を形成することもできる。この場合、複数の第4分割型を駆動する第3突出手段及び第4駆動手段を追加することができる。
本発明の成形用金型は、一対の第2分割型と複数の第3分割型とを筒状成形体とともに中芯から遠ざかる軸方向へ移動させる第1突出手段を有している。一対の第1分割型が互いに近接する方向へ駆動されて筒状成形体が一対の第1分割型から離型された後に、あるいはそれと同時に第1突出手段が駆動される。これにより、一対の第2分割型と複数の第3分割型に保持された筒状成形体は、一対の第2分割型と複数の第3分割型とともに中芯及び一対の第1分割型からから遠ざかる軸方向へ移動する。
そして本発明の成形用金型は、一対の第2分割型を互いに近接する方向へ中心へ向かって径方向に移動させ一対の第2分割型から筒状成形体を離型する第2駆動手段を備えている。第2駆動手段の駆動によって、一対の第2分割型は互いに近接する方向へ中心へ向かって径方向に移動する。第1駆動手段の駆動によって中芯が後退し、第1突出手段によって一対の第1分割型も相対的に後退しているので、一対の第2分割型が移動しようとする方向には広い空間が形成され、一対の第2分割型は中芯及び一対の第1分割型と干渉することなく空間内へ移動することができる。したがって一対の第2分割型どうしが互いに近接する方向への移動距離を大きくとることができ、筒状成形体のアンダーカット部の高さが高くても一対の第2分割型からの離型が容易となる。
また一対の第1分割型の配置方向と一対の第2分割型の配置方向とが、中芯を中心として直交している構成とすれば、一対の第2分割型の移動方向の制約を最小とすることができ設計が容易となる。また一対の第2分割型がそれぞれ平面どうしで中芯の表面に当接する構成とすれば、一対の第2分割型の互いに対向する内側表面は平面となる。内側表面どうしが曲面の場合には、内側表面どうしの距離に長短があり、距離の短い部分どうしが干渉するが、平面どうしの場合にはそのような問題がないので、互いに近接する径方向に移動する際の移動量を最大とすることができる。
第2駆動手段としては、第1突出手段の駆動とともに一対の第2分割型を互いに近接する方向へ駆動する手段が望ましく、傾斜コア、スライドコアなどを用いて構成することができる。
本発明の成形用金型は、複数の第3分割型を筒状成形体とともに2分割型から遠ざかる軸方向へ移動させる第2突出手段を有している。一対の第2分割型が互いに近接する方向へ駆動されて筒状成形体が離型された後に、あるいはそれと同時に第2突出手段が駆動される。これにより、複数の第3分割型に保持された筒状成形体は、複数の第3分割型とともに中芯から遠ざかる軸方向へ移動し、一対の第2分割型からも軸方向に遠ざかる方向へ移動する。
そして本発明の成形用金型は、複数の第3分割型を互いに近接する方向へ中心へ向かって径方向に移動させ複数の第3分割型から筒状成形体を離型する第3駆動手段を備えている。第3駆動手段の駆動によって、複数の第3分割型は互いに近接する方向へ中心へ向かって径方向に移動する。複数の第3分割型が移動しようとする空間からは、第2突出手段によって一対の第2分割型が相対的に後退しているので、複数の第3分割型は一対の第2分割型、一対の第1分割型及び中芯と干渉することなく移動することができる。したがって複数の第3分割型どうしが互いに近接する径方向への移動距離を大きくとることができ、筒状成形体のアンダーカット部の高さが高くても複数の第3分割型からの離型が容易となる。
そして複数の第3分割型がそれぞれ平面どうしで中芯の表面に当接する構成とすれば、複数の第3分割型の内側表面は平面となる。したがって上記したように干渉の問題を回避することができるので、径方向に移動する際の移動量を大きくすることができる。また一対の第1分割型、一対の第2分割型及び複数の第3分割型とは、周方向で互いに平面どうしで当接している構成とすれば、互いに隣接する第3分割型は平面どうしで対向するため、径方向に移動する際に干渉することがなく、径方向に移動する際の移動量を最大とすることができる。
第3駆動手段としては、第2突出手段の駆動とともに複数の第3分割型を互いに近接する方向へ駆動する手段が望ましく、傾斜コア、スライドコア、倒れ込みコアなどを用いて構成することができる。
以下、図面を参照しながら、実施例により本発明を具体的に説明する。
図1に本発明の一実施例の成形用金型の全体断面図を示す。この成形用金型はCVJブーツを射出成形するための金型であり、図1には射出成形直後の状態を示している。CVJブーツ100は、図10に示すように、小径筒部101と、小径筒部101と離間して同軸的に配置され小径筒部101より大径の大径筒部102と、小径筒部101と大径筒部102を一体的に連結し山部と谷部が交互に連続する略円錐台形状の蛇腹部103と、から構成されている。
この成形用金型は、固定型200と、可動型300とを備えている。固定型200は、取付板201と、取付板201に固定され小径筒部101の内周表面を成形する1個の円柱コア202と3個の傾斜ピン203とをもつ第1金型204と、第1金型204に一体に保持された保持部205と、から構成されている。
可動型300は、取付板301と、取付板301に固定された主部材302と、取付板301と主部材302との間に配置された第1突出板303及び第2突出板304と、を備え、主部材302には大径筒部102及び蛇腹部103の内周表面を成形する型面をもつコア金型1が係合保持されている。また主部材302の表面には、コア金型1の周囲に小径筒部101、大径筒部102及び蛇腹部103の外周表面を成形する型面をもつスライドコア305が配置されている。スライドコア305は、コア金型1の軸芯を中心とする周方向で3つに分割され、それぞれのスライドコア305には傾斜ピン203がそれぞれ係合している。第1突出板303及び第2突出板304は、図示しない油圧装置によって取付板301から離れる方向及び取付板301に近接する軸方向に駆動される。
コア金型1は、図2に示すように、略八角形の断面形状をなし先端ほど径が小さく後端ほど径が大きな中芯10と、中芯10を中心として互いに対向するように配置された一対の第1分割型11と、中芯10を中心として互いに対向するように、かつ一対の第1分割型11の配置方向と直交するように配置された一対の第2分割型12と、一対の第1分割型11及び一対の第2分割型12の間を埋めるように配置された二対の第3分割型13と、から構成されている。一対の第1分割型11、一対の第2分割型12、二対の第3分割型13は、それぞれ互いに平面どうしで当接している。またこれらの外周表面には、それぞれ大径筒部102及び蛇腹部103の内周表面を成形する型面が形成されている。
中芯10の互いに対向する一対の側面には、その側面と平行に延びる凹溝14が形成され、一対の第1分割型11の型面と反対側表面に形成された凸条15が凹溝14にスライド移動自在に係合している。したがって一対の第1分割型11の型面と反対側表面は、中芯10の側面と平面どうしで摺接している。
中芯10及び一対の第1分割型11は、図4に示すように主部材302に保持されている。一対の第1分割型11は、略円板状の保持部材16にそれぞれ径方向にスライド移動自在に保持されている。中芯10の後端は長尺状の板部材10aに固定され、板部材10aは主部材302に形成されたスリット状空間302a(図5参照)に保持されている。そして中芯10は主部材302を貫通する貫通孔302b及び保持部材16を貫通する貫通孔16aを貫通し、軸方向に移動自在に配置されている。板部材10aは、図示しない油圧装置によって主部材302から離れる方向及び主部材302に近接する軸方向に駆動される。
図1には、図2のA−A断面相当の断面図を示している。一対の第2分割型12は、それぞれ径方向に移動可能に保持部材16に保持されている。一対の第2分割型12の後端面からは軸方向に対して交差する方向に傾斜ロッド12aがそれぞれ延び、傾斜ロッド12aの先端は第1突出板303に保持されている。傾斜ロッド12aの中間部は、第1突出板303に固定されたカム板306に支持されている。
二対の第3分割型13は、それぞれ径方向に移動可能に保持部材16に保持されている。二対の第3分割型13の後端面からは軸方向に平行な方向に倒れロッド13aがそれぞれ延び、倒れロッド13aの先端は第2突出板304に揺動可能に保持されている。倒れロッド13aの中間部は、カム板306に形成された二対のカム孔306aにそれぞれ挿通されている。倒れロッド13aの中間部には、カム孔306aの形状に対応するテーパ面13bが形成され、テーパ面13bから第2突出板304に保持された先端までの倒れロッド13aは、テーパ面13bから第3分割型13までの倒れロッド13aに対して若干傾斜している。
なお各部材を連結固定する、あるいはスライド移動可能に支持する連結棒などは、図示を省略している。
上記のように構成された本実施例の成形用金型の作動機構を説明する。
先ず射出成形時には、図1に示すように固定型200と可動型300とが型締めされる。コア金型1は、図2に示すように、中芯10の周囲に一対の第1分割型11、一対の第2分割型12、二対の第3分割型13がそれぞれ互いに平面どうしで当接して配置されている。コア金型1の外周には、CVJブーツ100の肉厚分の間隔を隔ててスライドコア305が配置され、円柱コア202の先端表面と中芯10の先端表面とが当接している。すなわち一対の第1分割型11、一対の第2分割型12及び二対の第3分割型13の外周表面と、スライドコア305の内周表面と、円柱コア202の表面との間にキャビティが形成され、固定型200に形成された図示しないランナー及びゲートからそのキャビティに熱可塑性エラストマーからなる成形材料が射出される。
成形完了後は、先ず可動型300が固定型200から離れる方向へ移動される。すると図3に示すように、円柱ピン202が小径筒部101から抜かれ、傾斜ピン203がスライドコア305と係合することで、スライドコア305はコア金型1から遠ざかる方向へコア金型1の径方向外方へ移動する。小径筒部101の内周表面にはシール突条が形成されているが、シール突条の高さが低いため、円柱ピン202は無理抜きにより容易に離型することができる。またスライドコア305が径方向外方へ移動することで、CVJブーツ100の外周表面がスライドコア305から離型される。その状態では、図4に示すように中芯10は前進位置にあり、一対の第1分割型11が中芯10の側面に当接している。
次に図示しない油圧シリンダ装置によって板部材10aが図4の下方へ押圧駆動され、図5に示すように、中芯10が板部材10aと共に取付板301に近接する方向へ駆動される。すると凹溝14と凸条15との係合によって、一対の第1分割型11が保持部材16内を互いに近接する方向へ径方向に移動し、一対の第1分割型11からCVJブーツ100の内周表面が離型される。なおカム板306には、板部材10aの通過を許容するために図示しないスリットが形成されている。
この状態では、図6及び図7に示すように、CVJブーツ100は一対の第2分割型12と二対の第3分割型13からは離型されていない。またコア金型1には、一対の第1分割型11と中芯10とが存在していた部位に空隙2が形成されている。なお図7では、CVJブーツ100の図示を省略している。
続いて図示しない油圧装置によって、図8に示すように、第1突出板303が取付板301から遠ざかる方向へ、つまり主部材302へ近接する方向へ軸方向に駆動される。このとき第2突出板304も第1突出板303に追従して移動する。すると一対の第2分割型12と二対の第3分割型13が、保持部材16と共に主部材302から離れる方向へ移動する。二対の第3分割型13は、倒れロッド13bが軸方向と平行に延びているため径方向に移動することはない。しかし傾斜ロッド12aは軸方向に対して傾斜し、主部材302には傾斜ロッド12aを案内する通路302bが形成されているため、一対の第2分割型12は主部材302から離れるにつれて互いに近接する方向へ移動する。
すなわち図9に示すように、一対の第2分割型12は互いに近接する方向へ移動し、空隙2内へ向かって移動する。空隙2は十分な間隔で形成されている。また一対の第2分割型12と二対の第3分割型13とは、一対の第2分割型12の移動方向と平行な平面で互いに当接している。したがって一対の第2分割型12の移動量を大きくとることができ、蛇腹部103の山谷高さが高くてもアンダーカットとならず、一対の第2分割型12からCVJブーツ100を容易に離型することができる。第1突出板303の移動量は、主部材302にカム板306が当接することで規制される。
なお一対の第2分割型12の型面の合計面積より、二対の第3分割型13の型面の合計面積の方が格段に大きい。したがって一対の第2分割型12が互いに近接する方向へ移動したときに、CVJブーツ100が第2分割型12側に残って第3分割型13から離型されるような不具合はない。
次いで図示しない油圧装置によって、図10に示すように第2突出板304が第1突出板303から遠ざかる方向へ、つまり主部材302へ近接する方向へ軸方向に駆動される。すると二対の第3分割型13が、保持部材16と共に主部材302から離れる方向へ移動する。そして二対の倒れロッド13aがそれぞれカム板306のカム孔306a内をスライド移動し、テーパ面13bがカム孔306aの内表面と係合すると、図11に示すようにそれぞれの倒れロッド13aは図10及び図11の右方向へ倒れ込むように揺動する。これにより二対の第3分割型13は、図12に示すように中心へ向かって互いに近接する方向へ移動する。
このとき図12に示すように、中芯10、一対の第1分割型11及び一対の第2分割型12は、二対の第3分割型13の間に存在せず、二対の第3分割型13の間には空隙3が存在している。また隣接する第3分割型13どうしは、互いに平行な平面で対向している。したがって二対の第3分割型13の径方向への移動距離を大きくとることができ、蛇腹部103の山谷高さが高くてもアンダーカットとならず、二対の第3分割型13からCVJブーツ100を容易に離型することができる。
すなわち本実施例の成形用金型によれば、蛇腹部103の山谷の高低差が大きなCVJブーツであってもアンダーカットとならず容易に離型することができる。したがってCVJブーツを射出成形で製造することが可能となるので、肉厚を精度高く制御することができ高品質のものを安定して製造することができる。
1:コア金型
2,3:空隙
10:中芯
11:第1分割型
12:第2分割型
13:第3分割型

Claims (6)

  1. 両端に開口する筒状又は有底の容器状をなし内周表面にリング状の凸部を有する筒状成形体を射出成形するのに用いられ、該筒状成形体の外周表面を形成する型面をもつ外金型と、該筒状成形体の内周表面を成形する型面をもつコア金型とを有する成形用金型であって、
    該コア金型は、中芯と、該中芯を中心に放射状に配置され外周表面に該筒状成形体の内周表面を成形する型面をもつ複数の分割型とからなり、
    該分割型は、該中芯を中心に互いに対向して配置された一対の第1分割型と、一対の該第1分割型の配置方向に対して交差する方向に該中芯を中心に互いに対向して配置された一対の第2分割型と、一対の該第1分割型と一対の該第2分割型との間に配置された複数の第3分割型と、を少なくとも有し、
    該中芯を後退駆動することで一対の該第1分割型を互いに近接する方向へ中心に向かって径方向に移動させ一対の該第1分割型から該筒状成形体を離型する第1駆動手段と、
    一対の該第2分割型と複数の該第3分割型とを該筒状成形体とともに該中芯から遠ざかる軸方向へ移動させる第1突出手段と、
    一対の該第2分割型を互いに近接する方向へ中心へ向かって径方向に移動させ一対の該第2分割型から該筒状成形体を離型する第2駆動手段と、
    複数の該第3分割型を該筒状成形体とともに該第2分割型から遠ざかる軸方向へ移動させる第2突出手段と、
    複数の該第3分割型を互いに近接する方向へ中心へ向かって径方向に移動させ複数の該第3分割型から該筒状成形体を離型する第3駆動手段と、
    を備えたことを特徴とする成形用金型。
  2. 一対の前記第1分割型の配置方向と一対の前記第2分割型の配置方向とは前記中芯を中心として直交している請求項1に記載の成形用金型。
  3. 前記筒状成形体の成形時には、前記第1分割型と前記第2分割型及び前記第3分割型とは周方向で互いに平面どうしで当接している請求項1又は請求項2に記載の成形用金型。
  4. 前記中芯は断面多角形状をなし、前記筒状成形体の成形時には前記第1分割型と前記第2分割型及び前記第3分割型とは互いに平面どうしで前記中芯の表面に当接している請求項1〜3のいずれかに記載の成形用金型。
  5. 前記中芯は先端ほど径が小さく後端ほど径が大きな形状をなし、前記中芯の外周表面及び前記第1分割型の内側表面には、先端から後端に向かって直線状に延びる凹溝と凸条が形成され、該凹溝と該凸条との係合によって前記中芯と前記第1分割型とは相対的にスライド移動可能である請求項1〜4のいずれかに記載の成形用金型。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の成形用金型を用い、前記コア金型と前記外金型との間に形成されたキャビティに成形材料を射出して前記筒状成形体を成形する成形工程と、
    前記外金型を前記筒状成形体から離型する外金型離型工程と、
    前記中芯を後退駆動することで一対の前記第1分割型を互いに近接する方向へ中心に向かって径方向に移動させ一対の前記第1分割型から前記筒状成形体を離型する第1離型工程と、
    一対の前記第2分割型と複数の前記第3分割型とを前記筒状成形体とともに前記中芯から遠ざかる軸方向へ移動させた後に、一対の前記第2分割型を互いに近接する方向へ中心へ向かって径方向に移動させ一対の前記第2分割型から前記筒状成形体を離型する第2離型工程と、
    複数の前記第3分割型を前記筒状成形体とともに前記第2分割型から遠ざかる軸方向へ移動させた後に、複数の前記第3分割型を互いに近接する方向へ中心へ向かって径方向に移動させ複数の前記第3分割型から前記筒状成形体を離型する第3離型工程と、をこの順で行うことを特徴とする成形方法。
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