JP5201130B2 - 液晶性化合物、液晶性組成物、光学フィルムおよび光学積層体 - Google Patents

液晶性化合物、液晶性組成物、光学フィルムおよび光学積層体 Download PDF

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Description

本発明は有機電子材料や医農薬の製造中間体、特に電気光学的液晶表示用液晶材料として有用な液晶性化合物、この化合物を含有する液晶性組成物、並びにこの組成物から形成された液晶層を有する光学フィルム及び光学積層体に関する。
近年、液晶ディスプレイに使用される光学補償板等の光学フィルムとして、液晶ポリマーあるいは重合性官能基を有する液晶化合物を配向処理した液晶配向フィルムが開発されている。このフィルムは、高分子フィルムの延伸技術を利用した複屈折フィルムでは不可能な、より高度な配向状態、すなわち傾斜配向、ねじれ配向等の配向を実現できるものとして注目されている。
また、液晶ポリマー又は液晶性(メタ)アクリレート化合物等の重合性液晶化合物とキラル化合物を組み合わせた組成物を、コレステリック配向させて得られる液晶配向フィルム(選択反射フィルム)の選択反射特性を利用したコレステリック偏光子も実用化されている。
前記選択反射特性の選択反射中心波長λは、λ=n×P(nは平均屈折率、Pはコレステリックピッチを表す。)で示される。また、選択反射波長帯域Δλは、Δλ=Δn×P〔式中、Δnは(ne−no)であり、neは異常光屈折率、noは常光屈折率をそれぞれ表す。〕で表される。したがって、選択反射波長帯域Δλを広げるには、Δnの大きな材料が求められる。
また、選択反射フィルムをコレステリック偏光子として液晶ディスプレイに使用するには、可視光領域で選択反射が生じるものである必要がある。通常、選択反射フィルムの1層での選択反射波長帯域Δλは可視光領域より狭いので、選択反射波長帯域Δλを広帯域化するために選択反射フィルムは複数積層されている。そのため、選択反射波長帯域Δλの狭い材料を用いた選択反射フィルムでは積層数が多くなり、生産性が低いという問題があった。したがって、選択反射波長帯域Δλの広い材料、すなわちΔnの大きな材料(重合性液晶化合物等)が求められている。
しかしながら、従来知られている重合性化合物等でΔnの大きなものは、いずれも、溶解性や塗工性、配向性に乏しく、均一に製膜できない場合や使用に供しうる選択反射フィルムを得ることが困難となる場合があった。
一方、液晶性化合物として、下記式(A)
Figure 0005201130
(式中、Rはアルキル基を表し、Rはアルキル基、シアノ基、フッ素原子、トリフルオロメトキシ基などを表す。)で表されるアジン類が比較的古くから知られている。
この化合物は液晶相上限温度が高く、化学的に比較的安定で安価に製造できる等の特性を有する優れた液晶材料である。
しかしながら、これらのアジン類は現在汎用の液晶化合物との相溶性においては必ずしも満足できるものではなかった。また、上記式(A)において、側鎖アルキル基の炭素原子数を大きくすると相溶性は幾分改善できるが、液晶相上限温度が低くなってしまうという問題点も存在していた。
このような問題を解決すべく、特許文献1には、下記式(B)
Figure 0005201130
(式中、Rは水素原子又は炭素原子数1〜12のアルキル基を表し、Rがアルキル基の場合、二重結合はトランス配置である。mは1〜10の整数を表し、nは0又は1を表し、W、X及びYは、フッ素原子、塩素原子、メチル基、シアノ基又は水素原子を表し、Zはフッ素原子、塩素原子、シアノ基、炭素原子数1〜12のアルキル基又はアルコキシル基、炭素原子数3〜12のアルケニル基又はアルケニルオキシ基を表すが、これらの基中に含まれる水素原子の1個又はそれ以上がフッ素原子に置換されていてもよい。)で表される液晶性化合物が提案されている。
この化合物は、熱、光等に対し化学的に安定であり、液晶性に優れ、しかも工業的にも容易に製造することができるものである。また、従来の液晶化合物あるいは液晶組成物との相溶性に優れるので、このものを用いることにより、得られる液晶の応答時間を大幅に改善することができる。従って、温度範囲が広く高速応答が可能な液晶表示素子用の液晶材料の構成成分として実用的であるとされる。
しかしながら、近年における液晶表示装置はますます高性能化が図られ、より液晶相上限温度が高く、化学的に安定で安価に製造でき、Δnの大きい液晶材料の開発が求められているのが現状である。
特開平10−147562号公報(USP.6010642)
本発明は、上記した従来技術の実情に鑑みてなされたものであり、より液晶相上限温度が高く、化学的に安定であり、安価に製造でき、しかも、選択反射波長帯域Δλが広い、すなわちΔnの大きな液晶化合物、この化合物を含有する液晶性組成物、並びにこの組成物から形成された液晶層を有する光学フィルム及び光学積層体を提供することを課題とする。
本発明者は上記課題を解決すべく、鋭意研究した結果、下記式(I*)
Figure 0005201130
(式中、Rは、水素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基、シアノ基などを表す。)で示される化合物を合成した。そして、この化合物は、熱、光等に対し化学的に安定であり、液晶性に優れ、工業的にも容易に製造することができ、しかも、選択反射波長帯域Δλが広く(すなわちΔnが大きく)、特にコレステリック液晶層の形成材料として好適であることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして本発明の第1によれば、式(I)
Figure 0005201130
〔式中、R〜R13は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のハロアルキル基、炭素数1〜6のハロアルコキシ基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルケニルオキシ基、シアノ基、又はチオシアネート基を表し、
Xは、−O−、−O−CO−、−CO−O−、を表し、
nは、0又は1であり、
14は、式:−A−CO−CR15=CH(R15は、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、Aは連結基を表す。)で表される基を表す。〕
で示される液晶性化合物が提供される。なお、「−CO−」はカルボニル基を表す(以下にて同様。)
本発明の第2によれば、本発明の液晶性化合物の一種又は二種以上を含有する液晶性組成物が提供される。
本発明の液晶性組成物においては、
(a)本発明の液晶性化合物、及び分子内に、式:−O−CO−CR16=CH(R16は、水素原子又はメチル基を表す。)で表される基を二つ以上有する多官能(メタ)アクリレート化合物を含有するか、又は、
(b)本発明の液晶性化合物、及びキラル化合物を含有することが好ましく、本発明の液晶性化合物、前記多官能(メタ)アクリレート化合物、及びキラル化合物を含有することがより好ましい。
本発明の第3によれば、本発明の液晶性組成物を用いて形成された液晶層を有する光学フィルムが提供される。
本発明の第4によれば、基材と、該基材上に形成された配向膜と、該配向膜上に、本発明の液晶性組成物を用いて形成された液晶層を有する光学積層体が提供される。
本発明の液晶性化合物及び液晶性組成物は、液晶相上限温度が高く、化学的に安定であり、安価に製造でき、しかも、選択反射波長帯域Δλが広い、すなわちΔnの大きな液晶材料である。
本発明の液晶性組成物がキラル化合物を含有する場合には、液晶相上限温度が高く、選択反射波長帯域Δλが広い、すなわちΔnの大きな液晶層を形成することができる。
本発明の光学フィルム及び光学積層体は、本発明の液晶性組成物から形成された液晶層を有するので、安価で高品質である。
以下、本発明を、1)液晶性化合物、2)液晶性組成物、3)光学フィルム、及び、4)光学積層体に項分けして詳細に説明する。
1)液晶性化合物
本発明の液晶性化合物は、前記式(I)で示される化合物である。
式(I)中、R〜R13は、それぞれ独立して、水素原子;フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等の炭素数1〜6のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基などの炭素数1〜6のアルコキシ基;フルオロメチル基、クロロメチル基、ジフルオロメチル基、ジクロロメチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基などの炭素数1〜6のハロアルキル基;フルオロメトキシ基、クロロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、ジクロロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基などの炭素数1〜6のハロアルコキシ基;ビニル基、アリル基などの炭素数2〜6のアルケニル基;アリルオキシ基などの炭素数2〜6のアルケニルオキシ基;シアノ基;又はチオシアネート基;を表す。
これらの中でも、本発明の液晶性化合物においては、入手容易性の観点から、R〜Rがそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のハロアルキル基、炭素数1〜6のハロアルコキシ基、シアノ基であることが好ましく、R〜Rがそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のハロアルキル基、炭素数1〜6のハロアルコキシ基、シアノ基であり、R〜R13がそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のハロアルキル基であることが好ましい。
Xは、−O−、−O−CO−、又は、−CO−O−、を表し、nは、0又は1である。
14は、式:−A−CO−CR15=CH(R15は、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。)で表される基を表す。
Aは連結基を表す。連結基とは、単結合又は2価の基を意味する。Aの連結基としては、ベンゼン環と、式:−C(=O)−C(R15)=CHで表される基を連結するものであれば特に制限されない。
Aとしては、−O−、−CO−O−(CHR17−O−、−O−CO−O−(CHR18−O−、−O−(CHR19−O−、−O−(CHCHR20O)−、で表される基が好ましい。
ここで、R17〜R20はそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表し、a、b、c、dは任意の自然数を表す。a、b、c、dがそれぞれ2以上のとき、式:−CHR17−で表される基同士、式:−CHR18−で表される基同士、式:−CHR19−で表される基同士、式:−CHCHR20O−で表される基同士は、それぞれ同一であっても、相異なっていてもよい。なお、a、b、c、dは、1〜10の整数であることが好ましい
これらの中でも、Aとしては、−O−(CHR19−O−がより好ましく、−O−(CH−O−がさらに好ましく、−O−(CH−O−が特に好ましい。
本発明においては、前記式(I)で表される化合物が、下記式(Ia)
Figure 0005201130
(式中、R1a〜R3aはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のハロアルキル基、炭素数1〜6のハロアルコキシ基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルケニルオキシ基又はシアノ基を表し、R8aは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、R14、Xは前記と同じ意味を表す。)で表される化合物が好ましく、下記式(Ib)
Figure 0005201130
(式中、R1a〜R3a、R8a、及びR14は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物がより好ましい。
式(I)で表される化合物の具体例を、好ましい例(式(Ib)で表される化合物)を含め、以下に示す。なお、下記具体例中の、−O−CO−(CH−CO−O−(CH−O−は、前述したAの「2価の基」に相当するものである。
Figure 0005201130
Figure 0005201130
(製造方法)
本発明の液晶性化合物は、例えば、次のようにして製造することができる。
(製造方法1)
本発明の液晶性化合物のうち、前記式(I)において、nが1であって、Xが−O−CO−で表される基である化合物(Ic)は、次のようにして製造することができる。
Figure 0005201130
〔式中、R〜Rは前記と同じ意味を表し、Arは、式(C)
Figure 0005201130
(式中、R10〜R14は前記と同じ意味を表す。)で表される置換フェニル基を表す。〕
すなわち、まず、式(2)で表されるベンズアルデヒド化合物に、ヒドラジン(3)を反応させて、式(4)で表されるヒドラゾン化合物を得、更に、式(5)で表される4−ヒドロキシベンズアルデヒド化合物を反応させて、式(6)で表されるN,N’−ヒドラゾン化合物を得る。
式(2)で表されるベンズアルデヒド化合物に、ヒドラジン(3)を反応させて、式(4)で表されるヒドラゾン化合物を得る反応は、適当な有機溶媒中で、室温から用いる溶媒の沸点までの温度範囲で行うことができる。
用いるヒドラジン(3)としては、無水ヒドラジンであっても、ヒドラジンの水和物であってもよいが、取り扱い性の観点からヒドラジン一水和物の使用が好ましい。ヒドラジンの使用量は、通常式(2)で表されるベンズアルデヒド化合物1モルに対して、0.5〜2倍モル、好ましくは、0.8〜1.2倍モルである。
用いる有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどのアルコール系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒;などが挙げられる。
次いで、このものを用いて、下記に示す方法1〜3のいずれかの方法により、目的とする本発明化合物(Ic)を得ることができる。
Figure 0005201130
(式中、R〜R、及びArは前記と同じ意味を表し、halはハロゲン原子を表す。)
(α)方法1
本発明化合物(Ic)は、式:Ar−COOH(Arは前記と同じ意味を表す。「−COOH」は、カルボキシル基を表す。以下にて同じである。)で表される化合物と、式(6)で表される化合物とを、脱水剤の存在下に脱水縮合させることにより、得ることができる。
ここで用いる脱水剤としては、N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド(WSC)、1,1−カルボニルジイミダゾール(CDI)、N,N−ジスクシンイミジルカルボナート(DSC)、Bop試薬(Aldrich、米国)、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート(HBTU)、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム テトラフルオロボラート(TBTU)、ブロモトリスピロリジノホスホニウム ヘキサフルオロホスファート(PyBroP(登録商標):Novabiochem、ドイツ)、ジフェニルリン酸アジド(DPPA)、オキシ塩化リン、三塩化リン、トリフェニルホスフィン/N−ブロモスクシンイミド等)等が挙げられる。
脱水剤の使用量は、式:Ar−COOHで表される化合物1モルに対し、通常、1〜3倍モルである。
またこの場合、反応系に、ピリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン(DBU)等の塩基を共存させることが好ましい。これらの塩基は一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
塩基の使用量は、式:Ar−COOHで表される化合物1モルに対し、通常、0.0001〜1モルである。
この反応は、適当な溶媒中で行うことができる。
用いる溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば、特に限定されない。例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,3−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチルイミダゾリノン、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶媒;シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素系溶媒;アセトニトリル;ジメチルスルホキシド;及び、これらの溶媒の2種以上からなる混合溶媒;等が挙げられる。
溶媒の使用量は、式:Ar−COOHで表される化合物1gに対して、通常、0.1〜1000gである。
反応は、−20℃から用いる溶媒の沸点までの温度範囲で円滑に進行する。
反応時間は、反応規模にも依存するが、通常、数分から数時間である。
(β)方法2
本発明化合物(Ic)は、式:Ar−CO−hal(halはハロゲン原子を表す。)を得、このものと式(6)で表される化合物とを、塩基の存在下に反応させることによっても得ることができる。
用いる塩基としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン(DBU)等の有機塩基;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド等の無機塩基;が挙げられる。これらの塩基は一種単独で、或いは二種以上を組み合わせて用いることができる。
塩基の使用量は、式:Ar−CO−halで表される化合物1モルに対して、通常、1〜3倍モルである。
この反応は、適当な溶媒中で行うことができる。
用いる溶媒としては、前記(α)方法1の反応で用いる溶媒として列記したものと同様のものが挙げられる。
反応は、−20℃から用いる溶媒の沸点までの温度範囲で円滑に進行する。
(γ)方法3
本発明化合物(Ic)は、式:Ar−COOHで表される化合物に、酸無水物を作用させることにより、混合酸無水物を得た後、このものに、式(6)で表される化合物を反応させることによっても得ることができる。
用いる酸無水物としては、特に限定されない。例えば、無水酢酸、無水トリフルオロ酢酸、無水モノクロロ酢酸等が挙げられる。
酸無水物の使用量は、式:Ar−COOHで表される化合物1モルに対して、通常、1〜10倍モルである。
この反応は、適当な溶媒中で行うことができる。
用いる溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば、特に限定されない。例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶媒;シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン、デカリン等の脂環式炭化水素系溶媒;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,3−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチルイミダゾリノン、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒;アセトニトリル;ジメチルスルホキシド;及び、これらの溶媒の2種以上からなる混合溶媒;等が挙げられる。
溶媒の使用量は、式:Ar−COOHで表される化合物1gに対して、通常、0.1〜
1000gである。
反応は、−20℃から用いる溶媒の沸点までの温度範囲で円滑に進行する。
(製造方法2)
本発明の液晶性化合物のうち、前記式(I)において、nが0である化合物(Id)は、次のようにして製造することができる。
Figure 0005201130
(式中、R〜R、及びR14は前記と同じ意味を表す。)
すなわち、まず、式(2)で表されるベンズアルデヒド化合物に、ヒドラジン(3)を反応させて、式(4)で表されるヒドラゾン化合物を得、更に、式(5’)で表されるベンズアルデヒド化合物を反応させて、式(1d)で表される化合物を得ることができる。これらの反応は、前記製造方法1において、式(2)で表されるベンズアルデヒド化合物から、式(6)で表されるN,N’−ヒドラゾン化合物を得る反応と同様にして行うことができる。
(製造方法3)
また、本発明の液晶性化合物のうち、前記式(I)において、nが0であり、R14が−O−CO−CR15=CHで表される基である化合物(Ie)は、次のようにして製造することができる。
Figure 0005201130
(式中、R〜R、hal及びR15は前記と同じ意味を表す。)
すなわち、前記製造方法1で得られる式(6)で表されるN,N’−ヒドラゾン化合物に、式(10)で表されるカルボン酸、式(11)で表される酸ハライド、又は式(12)で表される酸無水物を反応させることにより、化合物(1e)を得ることができる。これらの反応は、前記製造方法1における方法1〜3と同様にして行うことができる。
前記式:Ar−COOH、及び式:R−COOHで表されるカルボン酸、式:Ar−CO−hal、及び式:R−CO−halで表される酸ハライド、並びに式:(R−CO)Oで表される酸無水物は公知化合物であり、公知の方法により製造することができる。
いずれの反応においても、反応終了後は、有機合成化学における通常の後処理操作を行い、所望により、カラムクロマトグラフィー、再結晶法、蒸留法等の公知の分離・精製手段を施すことにより、目的物を単離することができる。
目的物の構造は、NMRスペクトル、IRスペクトル、マススペクトル等の測定、元素分析等により、同定することができる。
2)液晶性組成物
本発明の液晶性組成物(以下、「本発明組成物」ということがある。)は、本発明の液晶性化合物(以下、「本発明化合物」ということがある。)の一種又は二種以上を含有する組成物である。
本発明組成物中における本発明化合物の配合量は、特に制限されないが、通常、組成物全体に対して、1〜99重量%、好ましくは5〜60重量%である。
本発明組成物においては、本発明化合物に加えて、分子内に、式:−O−CO−CR16=CH(R16は前記と同じ意味を表す。)で表される基を二つ以上有する多官能(メタ)アクリレート化合物をさらに含有することが好ましい。
かかる多官能(メタ)アクリレート化合物を含有させることで、本発明組成物の硬化物の耐熱性、耐溶剤性をさらに向上させることができる。
前記多官能(メタ)アクリレート化合物としては、分子内に、式:−O−CO−CR16=CHで表される基(以下、「(メタ)アクリロイルオキシ基」という)を二つ以上有し、本発明の液晶性化合物の液晶性、配向性を低下させないものであれば特に限定はなく、液晶性化合物であっても非液晶性化合物であってもよいが、液晶性組成物、さらには重合した後に調製されるフィルムが大きなΔnを維持できるように、なるべく大きなΔnを有する化合物(液晶性化合物)が好ましい。
かかる(メタ)アクリレート化合物としては、以下の一般式(14):
Figure 0005201130
(式中、R16a 16bはそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基を示す。L1は−(CH2d −(但し、dは0〜10の整数である)、−(CH2eO−(但し、eは1〜10の整数である)、−(CH2CH2O)f−(但し、fは0〜3の整数である)を示し、L2は−(CH2d−(但し、dは0〜10の整数である)、−O(CH2e−(但し、eは1〜10の整数である)、又は、−(OCH2CH2f−(但し、fは0〜3の整数である)を示し、P1、P2はそれぞれ独立して、−CO2−,−O−,−OCO−,−CH=CH−又は単結合を示す。A1、A2、A3はそれぞれパラ置換環状基を示す。)で表される化合物が好ましい。なお、「−CO−」及び「−OCO−」は、いずれもカルボニル基を有している。
上記パラ置換環状基A1、A2、A3としては、
Figure 0005201130
が好ましい。上記例示のパラ置換環状基のそれぞれの水素原子は、メチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;メトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;フッ素原子等のハロゲン原子;等と置き換わっても良い。
また、(メタ)アクリロイルオキシ基を2つ以上有する非液晶性ジアクリレート化合物としては、(メタ)アクリロイルオキシ基同士が脂肪族系炭化水素で連結したものや芳香族系炭化水素で連結したもの、特開平11−130729号公報に記載されている様な多環系化合物からアルキレンスペーサーを介して又は介さずに(メタ)アクリロイルオキシ基が結合した化合物などが挙げられる。
(メタ)アクリロイルオキシ基を2つ有する非液晶性化合物としては、以下の一般式(15):
Figure 0005201130
(式中、Qは炭素数2〜12の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、R16c 16dはそれぞれ独立して水素原子又はメチル基を示す。)
で表される化合物が挙げられる。
(メタ)アクリロイルオキシ基を3つ有する非液晶性化合物としては、以下の一般式(16):
Figure 0005201130
(式中、E、F、Gはそれぞれ独立して、−(CH2g−,−(CH2h−、又は−(CH2i−(但し、g、h、iは0〜10の整数であり、2つ以上が同時に0になることはない。)を示し、R16e 16f、R16gはそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基を示し、R18は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す)で表される化合物が挙げられる。
上記以外の化合物であっても、(メタ)アクリロイルオキシ基を2つ以上有する各種の液晶性又は非液晶性化合物として多数の種類が知られており、それらを本発明の液晶性組成物を構成する多官能(メタ)アクリレート化合物として使用しても良い。
(メタ)アクリロイルオキシ基を2つ以上有する多官能(メタ)アクリレート化合物の添加量は、特に限定されないが、本発明の液晶性化合物100重量部に対し、好ましくは10〜1000重量部、より好ましくは100〜800重量部である。
なお、上記多官能(メタ)アクリレート化合物の具体例としては、特表平11−513360(USP5833880)、特表平11−513019(USP6136225)に記載されたものが挙げられる。
本発明組成物は、本発明の液晶性化合物又は本発明の液晶性化合物及び多官能(メタ)アクリレート化合物に加えて、キラル化合物をさらに含有することが好ましい。キラル化合物を含有させることで、コレステリック液晶層を形成することができる。
用いるキラル化合物としては、特に制限なく、従来公知のものが挙げられる。例えば、用いるキラル化合物としては、特開2005−289881号公報、特開2004−115414号公報、特開2003-66214号公報、特開2003-313187号公報、特開2003−342219号公報、特開2000−290315号公報、特開平6−072962号公報、米国特許第6468444号公報、WO98/00428号公報等に掲載されるものを適宜使用することができる。例えばBASF社パリオカラーのLC756、ADEKA社キラコールのCNL617R、CNL−686Lとして入手できる。
本発明組成物において、液晶性化合物とキラル化合物の配合割合は、(液晶性化合物):(キラル化合物)の重量比で、100:1〜1:1である。
本発明組成物には、配向性をより良好にしたり、基板への塗布性を向上させたりするために、レベリング剤、安定剤、可塑剤などの種々の添加剤を必要に応じて配合することができる。
添加される他の添加剤の種類や量等は、当業者には通例、慣用であるか、又は同様にいくつかの予備試験により実験的に算出することができる。
他の添加剤の配合量は、組成物全体に対して、通常0〜10重量%である。
本発明組成物は、本発明の液晶性化合物、必要に応じて多官能(メタ)アクリレート化合物、キラル化合物、後述する重合開始剤、及び所望により他の添加剤の所定量を適当な有機溶剤に溶解させることにより調製することができる。
用いる有機溶剤としては、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸ブチル、酢酸アミル等の酢酸エステル類;クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;等が挙げられる。
以上のようにして得られる本発明組成物は、後述するように本発明の光学フィルム及び光学積層体の液晶層の形成用材料として有用である。
3)光学フィルム
本発明の光学フィルムは、本発明の液晶性組成物を用いて形成された液晶層を有する。
本発明の光学フィルムは、配向基板上に形成されたままの形態(配向基板/(配向膜)/光学フィルム)、配向基板とは異なる透明基板フィルム等に光学フィルムを転写した形態(透明基板フィルム/光学フィルム)、又は光学フィルムに自己支持性がある場合には光学フィルム単層形態(光学フィルム)のいずれの形態であってもよい。
本発明の光学フィルムは、(A)本発明の液晶性組成物の溶液を配向基板上に塗布し、得られた塗膜を乾燥し、熱処理(液晶の配向)、並びに光照射及び/又は加熱処理(重合)を行う方法や、(B)本発明の液晶性組成物を重合して得られる液晶性高分子の溶液を配向基板上に塗布する方法により製造することができる。
前記(A)及び(B)の方法において、本発明組成物を重合する場合には、本発明組成物に重合開始剤を添加して行う。
重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤が好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、加熱することによりラジカル重合を開始させる熱ラジカル発生剤と、光照射することによりラジカル重合を開始させる光ラジカル発生剤が挙げられる。
熱ラジカル発生剤としては、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、α,α−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド及び過酸化ベンゾイル等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾジ−t−オクタン、アゾジ−t−ブタン及び2,2’−アゾビス[N−(2−プロぺニル)−2−メチルプロピオンアミド]等のアゾ化合物;等が挙げられる。
また、有機過酸化物は、還元剤と組み合わせることにより、レドックス反応剤とすることも可能である。
光ラジカル発生剤としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル及びベンゾインプロピルエーテル等のベンゾイン;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン及びN,N−ジメチルアミノアセトフェノン等のアセトフェノン;2−メチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン及び2−アミルアントラキノン等のアントラキノン;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン及び2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン;アセトフェノンジメチルケタール及びベンジルジメチルケタール等のケタール;ベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、4,4−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーズケトン及び4−ベンゾイル−4−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
光ラジカル発生剤の具体例としては、例えば、チバスペシャリティーケミカルズ社製の、商品名:Irgacure907、商品名:Irgacure184、商品名:Irgacure369、商品名:Irgacure651等が挙げられる。
これらの重合開始剤は一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
前記(A)及び(B)の方法において用いる配向基板としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、トリアセチルセルロース、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ノルボルネン樹脂等の合成樹脂フィルム;これらの合成樹脂フィルムの一軸延伸フィルム;等が例示できる。
前記基板に配向機能を付与する方法としては特に限定はなく、公知慣用の方法が挙げられる。具体的には、布等で基板表面をラビング処理する方法、ポリイミド薄膜又はポリビニルアルコール薄膜等の有機薄膜を基板表面に形成し、これを布等でラビング処理する方法、基板にSiOを斜方蒸着して配向膜を形成する方法、分子内に光二量化反応する官能基を有する有機薄膜や光で異性化する官能基を有する有機薄膜に、偏光又は非偏光を照射する方法等が挙げられる。
一様な配向状態を形成するためには、通常のツイステッド・ネマチック素子又はスーパー・ツイステッド・ネマチック素子で使用されているプレチルト角を与えるポリイミド薄膜を使用すると、液晶分子の配向状態の制御を容易にすることができる。
一般に、配向機能を有する基板に液晶組成物を接触させた場合、液晶分子は基板付近で基板を配向処理した方向に沿って配向する。液晶分子が基板と水平に配向するか、傾斜あるいは垂直して配向するかは、基板への配向処理方法による影響が大きい。
例えば、インプレーンスイッチング(IPS)方式の液晶表示素子に使用するようなプレチルト角のごく小さな配向膜を基板上に設ければ、ほとんど水平に配向した重合性液晶層が得られる。
また、TN型液晶表示素子に使用するような配向膜を基板上に設けた場合は、少しだけ配向が傾斜した重合性液晶層が得られ、STN方式の液晶表示素子に使用するような配向膜を使うと、大きく配向が傾斜した重合性液晶層が得られる。
本発明組成物を、プレチルト角を有する水平配向機能を有する基板に接触させたときは、基板付近から空気界面付近まで一様又は連続的に角度が変化して傾斜配向した光学異方体を得ることができる。
また、分子内に光二量化反応する官能基を有する有機薄膜や光で異性化する官能基を有する有機薄膜(以下「光配向膜」と略す。)に、偏光又は非偏光を照射する方法等(光配向法)を用いれば、パターン状に配向方向が異なる領域が分布した基板を作製することができる。
初めに、光配向膜を設置した基板上に光配向膜の吸収帯にある波長の光を照射し、一様な配向が得られる基板を準備する。その後、当該基板にマスクを被せ、マスクの上から光配向膜の吸収波長にある第1の照射と異なる状態の光、例えば偏光状態が異なる光あるいは照射角度及び方向が異なる光を照射して、照射部分だけに第1の照射で得られた部分と異なる配向機能を持たせる。
以上のように得られたパターン状に配向機能の異なる領域が分布した基板に本発明組成物を接触させれば、基板の配向機能に応じてパターン状に配向方向の異なる領域が分布する。この状態で光照射による重合を行えば、配向パターンを有する液晶性高分子膜を得ることができる。
特に、前記基板としてパターン状に配向方向の異なる領域が分布している略水平配向機能を有する基板を使用する場合には、位相差膜として特に有用な液晶性高分子膜を形成することができる。
そのほか、配向パターンを得る方法として、AFMの触針で配向膜をラビングする方法、光学異方体をエッヂングする方法等の光配向膜を用いない方法も挙げられ、光配向膜を利用する方法が簡便であり好ましい。
前記(A)の方法においては、まず、配向基板上に本発明組成物を塗布する。本発明組成物を塗布する方法としては、塗膜の均一性が確保される方法であれば、特に限定されることはなく公知の方法が採用できる。例えば、ロールコート法、ダイコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スピンコート法などを挙げることができる。また、塗布の後に、ヒーターや温風吹きつけなどの方法による溶媒除去(乾燥)工程を入れても良い。
続いて、本発明組成物の塗膜を乾燥し、必要なら熱処理などにより液晶配向を形成し、重合反応(硬化)を行うことにより、配向基板上に液晶層を有する光学フィルムを製造することができる。
本発明組成物の乾燥塗膜の熱処理は、使用した液晶性組成物の液晶相発現温度範囲に加熱することにより、該液晶性組成物が本来有する自己配向能により液晶を配向させるものである。このような熱処理をすることで、単に塗布するだけの塗工方法と比べて、配向欠陥の少ない均質な液晶性高分子膜を作製することができる。
熱処理の加熱温度は、用いる液晶性組成物の液晶相挙動温度(転移温度)により最適条件や限界値が異なるため一概には言えないが、通常10〜200℃、好ましくは20〜150℃の範囲である。
熱処理時間は、通常3秒から30分、好ましくは10秒から10分の範囲である。3秒よりも短い熱処理時間では、液晶の配向が十分に完成しないおそれがあり、また30分を超える熱処理時間では、生産性が極端に悪くなるため、どちらの場合も好ましくない。該液晶性組成物が熱処理などにより液晶の配向が完成したのち、そのままの状態で配向基板上の液晶性組成物を重合反応により硬化させる。
塗布後、本発明の液晶性組成物中の液晶分子をネマチック相を保持した状態で均一に配向させることが好ましい。具体的には、液晶の配向を促すような熱処理を行うことにより、配向をより促進することができる。
熱処理は、具体的には次のように行う。すなわち、本発明の液晶性組成物を基板上に塗布後、該液晶性組成物のN(ネマチック相)−I(等方性液体相)転移温度(以下、「N−I転移温度」と略す。)以上に加熱して、該液晶性組成物を等方相液体状態にする。そこから、必要に応じ徐冷してネマチック相を発現させる。このとき、一旦液晶相を呈する温度に保ち、液晶相ドメインを充分に成長させてモノドメインとすることが望ましい。
また、本発明の液晶性組成物を基板上に塗布後、液晶性組成物のネマチック相が発現する温度範囲内で温度を一定時間保つような加熱処理を施しても良い。
加熱温度が高過ぎると重合性液晶化合物が好ましくない重合反応を起こして劣化するおそれがある。また、冷却しすぎると、重合性液晶組成物が相分離を起こし、結晶の析出、スメクチック相のような高次液晶相を発現し、配向処理が不可能になることがある。
また、このようにして均質な配向処理を行った後、液晶相が相分離を起こさない最低の温度、即ち過冷却状態となるまで冷却し、該温度において液晶相を配向させた状態で重合させることにより、配向秩序が高く、透明性に優れる液晶性高分子膜を得ることができる。
本発明組成物が熱ラジカル発生剤を含有する場合には、本発明組成物の塗膜を加熱することにより、液晶高分子膜を形成することができる。本発明組成物の塗膜を加熱するときの加熱温度は、好ましくは40〜250℃、より好ましくは50〜200℃である。
また、光ラジカル発生剤を含有する場合には、本発明組成物の塗膜に光を照射して重合することにより、液晶層を形成することができる。本発明においては、後者が好ましい。
本発明組成物の塗膜に光を照射して重合する方法は、特に制限されないが、少なくとも波長350〜400nmの光を照射することが好ましい。特に、前記重合性液晶化合物のΔnが0.18以上のとき、該重合性液晶化合物の紫外線の吸収端が350nm付近まで伸びてくるため、重合性液晶化合物による吸収の小さい、波長350〜400nmの光だけを照射することが好ましい。この波長域を含む光を照射することによって、塗膜の厚み方向全体に渡って効率的に光重合性開始剤による重合性液晶化合物の重合が開始され、重合性液晶化合物が重合されてなる広い幅の選択反射帯域を有するコレステリック液晶層を形成することができる。
重合性液晶化合物の重合転化率が100%になるまでの紫外線照射量は、重合性液晶化合物の種類によって異なるが、重合転化率が100%になるまでの照射量は、波長350〜400nmの光照射量の合計で、通常、200〜1500mJ/cmである。
波長350〜400nmの光の照射時間は、好ましくは0.1〜10秒、より好ましくは0.1〜5秒、さらに好ましくは0.1〜3秒である。光の照射時間が上記範囲であることにより、液晶高分子膜の生産性を向上させることができる。
前記(B)の方法においては、まず、本発明組成物を重合して液晶性高分子を得る。次いで、得られた液晶性高分子の溶液を調製し、該溶液を配向基板上に塗布する方法により、光学フィルムを製造する。
本発明組成物の重合は適当な有機溶媒中で行うことができる。用いる有機溶媒としては、不活性なものであれば、特に制限されず、例えば、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸ブチル、酢酸アミル等の酢酸エステル類;クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;等が挙げられる。これらの中でも、取り扱い性に優れる観点から、沸点が60〜250℃のものが好ましく、60〜150℃のものが特に好ましい。
重合反応後においては、重合反応液より目的とする液晶性高分子を単離する。
得られる液晶性高分子の数平均分子量は、好ましくは2,000〜500,000、更に好ましくは5,000〜300,000である。該数平均分子量が2,000未満であると膜の機械強度が不足して積層工程等で膜が破損するおそれがあり、500,000を超えると溶液としたときの粘度が増大して塗布性が低下したり、溶媒への溶解性が低下したりするおそれがある。
このようにして得られる液晶性高分子は、架橋点が分子内で均一に存在するため架橋効率が高い本発明の液晶性化合物を重合して得られるものであるから、硬度に優れている。
得られる液晶性高分子は、JIS K 5600−5−4に規定される鉛筆硬度が2H以上であることが好ましい。硬度が高い液晶性高分子を用いることにより、光学フィルムや光学積層体として用いる場合等において、ガラス等の基材に他の機能材料と共に積層する際に表面が傷付くのを防止することができる。
次いで、得られた液晶性高分子を適当な有機溶剤に溶解して溶液を調製する。
液晶性高分子を溶解するための溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;酢酸ブチル、酢酸アミル等のエステル系溶剤;ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶剤;テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶剤;等が挙げられる。
次に、この溶液を適当な支持体上に塗工して得られた塗膜を乾燥後、等方性液体となるまで加熱して、徐冷して液晶状態を固定化することができる。
液晶性高分子の溶液を支持体に塗布する方法としては、公知の方法を用いることができ、例えばカーテンコーティング法、押し出しコーティング法、ロールコーティング法、スピンコーティング法、ディップコーティング法、バーコーティング法、スプレーコーティング法、スライドコーティング法、印刷コーティング法等が挙げられる。
上記(A)又は(B)の方法により得られる光学フィルムは、十分強固な膜になっている。具体的には、硬化反応によりメソゲンが3次元的に結合され、硬化前に比べて耐熱性(液晶配向保持の上限温度)が向上するのみでなく、耐スクラッチ性、耐摩耗性、耐クラック性などの機械的強度に関しても大幅に向上する。
本発明組成物に、必要に応じて配合する化合物を適宜選定することにより、その配向構造を制御することができ、ネマチック配向、ねじれネマチック配向、コレステリック配向、ネマチックハイブリッド配向等を固定化した光学フィルムを製造することが可能であり、その配向構造によって種々の用途がある。
これらの光学フィルムのなかで、例えばネマチック配向、ねじれネマチック配向を固定化した光学フィルムは位相差フィルムとして機能し、STN型、TN型、OCB型、HAN型等の透過又は反射型液晶表示装置の補償板として使用できる。
ネマチックハイブリッド配向を固定化したフィルムは、正面から見たときのリターデーションを利用して、位相差フィルムや波長板として利用でき、またリターデーション値の向き(フィルムの傾き)による非対称性を生かしてTN型液晶表示装置の視野角改善フィルムなどに利用できる。
また、1/4波長板機能を有する光学フィルムは、偏光板と組み合わせ、反射型の液晶表示装置やEL表示装置の反射防止フィルターとして用いることができる。
キラル化合物を含有する液晶性組成物を重合することにより、コレステリック配向を固定化した光学フィルム(選択反射フィルム)を製造することができる。選択反射フィルムは可視光領域の一部に選択反射波長帯域を有し、当該選択反射波長帯域はキラル化合物の使用量を適宜に調整することにより変更できる。
選択反射フィルムの選択反射波長帯域を、可視光領域全体に広げる方法としては、キラル化合物の添加量を変えて作製した複数の選択反射フィルムを積層する方法と、得られた選択反射フィルム上に異なる選択反射波長帯域を有する液晶性組成物溶液を重ねて塗工する方法がある。
前記選択反射フィルムに位相差フィルムを積層するとコレステリック偏光子が得られる。位相差フィルムとしてはλ/4板が好適である。例えば高分子フィルムを延伸処理した複屈折性フィルムや液晶性材料からなる光学的異方性層を有する液晶配向フィルムが使用される。λ/4板として使用される延伸フィルムの素材としては従来より知られているものを特に制限なく使用できるが、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリビニルアルコール等が好適である。
コレステリック偏光子は、選択反射フィルムとλ/4板を粘着剤等により貼り合わせて積層する方法、λ/4板を基板として、λ/4板上に液晶性組成物を塗工、加熱配向、固定して選択反射フィルムを積層する方法により作製することができる。
これに加えて積層法によりこのような液晶性高分子膜を複数積層させ、かつ選択される液晶性高分子膜の選択波長を適切に選択することにより、可視スペクトルの全ての光をカバーする多層偏光子を得ることもできる(EP0720041号公報参照。)。
また、このような多層の偏光子の代わりに、適切な化合物及び加工条件と組合せていわゆる広域バンド偏光子(broad−band polarizer)として使用することもできる。このための実施方法としては、例えば、WO98/08135号パンフレット、EP0606940号公報、GB2312529号公報、WO96/02016号パンフレット等に記載された方法が挙げられる。
さらに、本発明組成物を用いてカラーフィルターを製造することもできる。このために、当業者に慣用の塗布方法によって、必要とされる波長を適切に施与することができる。
さらにまた、コレステリック液晶の熱変色性を利用することもできる。温度の調整により、コレステリックな層の色彩が赤色から緑色を経由して青色へと推移する。マスクを用いて特定の帯域を定義された温度で重合することができる。
また、得られる光学フィルムとしては、上記選択反射フィルム以外に位相差フィルム(光学補償フィルム)、ねじれ位相差フィルム、傾斜位相差フィルムなどとして使用することができる。
位相差フィルムは、配向膜上に液晶性組成物を加熱配向、固定形成することで得ることができる。ねじれ位相差フィルムは液晶性組成物に少量のキラル化合物の添加により得られる。キラル化合物の添加量によって、ねじれ角は自由に制御できる。傾斜配向位相差フィルムは、配向膜として、偏光紫外線の斜め照射で得られる光配向膜を用いることにより得られ、偏光紫外線の照射角度、照射量によって傾斜角度を制御することができる。
4)光学積層体
本発明の光学積層体は、基材と、該基材上に形成された配向膜と、該配向膜上に、本発明の液晶性組成物を用いて形成された液晶層を有する。
本発明の光学積層体としては、円偏光分離シート、位相差板、液晶表示素子用配向膜、偏光板、視野角拡大板、カラーフィルター、ローパスフィルター、光偏光プリズム、各種光フィルター等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)化合物1の合成
Figure 0005201130
ヒドラジン1水和物10重量部に、4−フルオロベンズアルデヒド3重量部をエタノール50重量部に溶解した溶液を加え、全容を室温で2時間攪拌した。反応混合物にジクロロメタン50重量部を加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液50重量部で3回洗浄した。有機層にトリエチルアミン1重量部を加え、無水硫酸ナトリウムで脱水乾燥させた。減圧下に溶媒を溜去し、トリエチルアミン1重量部を追加し、エタノール50重量部及び4−ヒドロキシベンズアルデヒド3重量部を加え、室温でさらに8時間攪拌した。
反応液にジクロロメタン50重量部を加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液50重量部で3回洗浄後、減圧下に溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製して、N−(4−フルオロベンジリデン)−N’−(4−ヒドロキシベンジリデン)ヒドラジンを4.1重量部得た。
上記で得たN−(4−フルオロベンジリデン)−N’−(4−ヒドロキシベンジリデン)ヒドラジン1重量部、4−(4−アクリロキシブチル−1−オキシ)安息香酸1重量部、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)0.05重量部を1,4−ジオキサン50重量部に溶解させた。この溶液に、攪拌しながらジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)1.5重量部を加えた。全容を室温で20時間攪拌した後、生成した沈殿物をろ過で取り除き、減圧下に溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製して、化合物1を1.2重量部得た。収率は42%であった。
化合物1のH−NMRデータは以下のとおりである。
H−NMR(CDCl)δppm:8.64(d,2H)、8.14(d,2H)、7.90(d,2H)、7.85(d,1H)、7.83(d,1H)、7.31(d,2H)、7.14(t,2H)、6.97(d,2H)、6.41(dd,1H)、6.12(dd,1H)、5.83(dd,1H)、4.25(t,2H)、4.09(t,2H)、1.91(m,4H)
得られた化合物1は108℃でネマチック相へ相転位した。
(実施例2)化合物2の合成
Figure 0005201130
実施例1において、4−フルオロベンズアルデヒドを4−シアノベンズアルデヒドに変えた以外は同様な方法により、目的物を得た。収率は51%であった。
化合物2のH−NMRデータは以下のとおりである。
H−NMR(CDCl)δppm:8.66(d,2H)、8.15(d,2H)、7.95(d,2H)、7.92(d,2H)、7.74(d,2H)、7.33(d,2H)、6.98(d,2H)、6.41(dd,1H)、6.13(dd,1H)、5.84(dd,1H)、4.26(t,2H)、4.10(t,2H)、1.92(m, 4H)
得られた化合物2は130℃でネマチック相へ相転位した。
(実施例3)化合物3の合成
Figure 0005201130
実施例1において、4−フルオロベンズアルデヒドを3,5−ジフルオロベンズアルデヒドに変えた以外は同様の方法により、目的物を得た。収率は49%であった。
化合物3のH−NMRデータは以下のとおりである。
H−NMR(CDCl)δppm:8.60(d,2H)、8.14(d,2H)、7.91(d,2H)、7.37(m,2H)、7.32(d,2H)、6.97(d,2H)、6.89(m,1H)、6.41(dd,1H)、6.13(dd,1H)、5.83(dd,1H)、4.26(t,2H)、4.09(t,2H)、1.92(m,4H)
得られた化合物3は123℃でネマチック相へ相転位した。
(実施例4)化合物4の合成
Figure 0005201130
実施例1において、4−フルオロベンズアルデヒドを4−トリフルオロメトキシベンズアルデヒドに変えた以外は同様の方法により、目的物を得た。収率は55%であった。
化合物4のH−NMRデータは以下のとおりである。
H−NMR(CDCl)δppm:8.66(d,2H)、7.90(t,4H)、7.31(t,4H)、6.98(d,2H)、6.41(dd,1H)、6.13(dd,1H)、5.84(dd,1H)、4.26(t,2H)、4.10(t,2H)、1.93(m,4H)
得られた化合物4は109℃でネマチック相へ相転位した。
(実施例5)化合物5の合成
Figure 0005201130
実施例1において、4−フルオロベンズアルデヒドを4−シアノアルデヒドに、4−ヒドロキシベンズアルデヒドを3−メチル−4−ヒドロキシベンズアルデヒドに変えた以外は同様の方法により、目的物を得た。収率は32%であった。
化合物5のH−NMRデータは以下のとおりである。
H−NMR(CDCl)δppm:8.63(d,2H)、7.95(d,2H)、7.78(s,1H)、7.72(d,2H)、7.69(d,1H)、7.18(d,1H)、6.66(dd,1H)、6.37(dd,1H)、6.07(dd,1H)、2.26(s,3H)
得られた化合物5は149℃でネマチック相へ相転位した。
(実施例6)化合物6の合成
Figure 0005201130
実施例1において4−(4−アクリロキシブチル−1−オキシ)安息香酸をアクリル酸に変えた以外は同様の方法により、目的物を得た。収率は66%であった。
化合物6のH−NMRデータは以下のとおりである。
H−NMR(CDCl)δppm:8.62(d,2H)、7.88(s,1H)、7.85(d,1H)、7.83(d,1H)、7.81(s,1H)、7.23(d,2H)、7.13(t,2H)、6.62(dd,1H)、6.32(dd,1H)、6.03(dd,1H)
得られた化合物6は118℃でネマチック相へ相転位した。
(実施例7)化合物7の合成
Figure 0005201130
実施例1において、4−フルオロベンズアルデヒドを4−シアノアルデヒドに、4−ヒドロキシベンズアルデヒドを3−メチル−4−ヒドロキシベンズアルデヒドに、4−(4−アクリロキシブチル−1−オキシ)安息香酸をアクリル酸に変えた以外は同様の方法により、目的物を得た。収率は43%であった。
化合物7のH−NMRデータは以下のとおりである。
H−NMR(CDCl)δppm:8.65(d,2H)、8.17(d,2H)、7.95(d,2H)、7.81(s,1H)、7.74(d,2H)、7.72(d,1H)、7.26(d,1H)、6.99(d,2H)、6.42(dd,1H)、6.13(dd,1H)、5.84(dd,1H)、4.26(t,2H)、4.11(t,2H)、2.30(s,3H)、1.92(m,4H)
得られた化合物7は128℃でネマチック相へ相転位した。
(実施例8〜14)
(1)配向膜を有する透明樹脂基材の作製
脂環式オレフィンポリマーからなるフィルム(オプテス社製、商品名:ゼオノアフィルムZF14−100」)の両面をコロナ放電処理した。次いで、5%のポリビニルアルコールの水溶液を当該フィルムの片面に♯2のワイヤーバーを使用して塗布し、塗膜を乾燥し、膜厚0.1μmの配向膜を形成した。次いで当該配向膜をラビング処理し、配向膜を有する透明樹脂基材を作製した。
(2)コレステリック液晶層の形成
下記第1表に示す配合割合(重量%)で各成分を混合し、固形分40%のコレステリック液晶組成物を調製した。このコレステリック液晶組成物を♯8のワイヤーバーを使用して、上記(1)で調製した配向膜を有する透明樹脂基材の、配向膜を有する面に塗布した。塗膜を75℃で5分間配向処理し、塗布膜を形成した面側に紫外線を波長350〜400nmの照射量として5mJ/cm照射した。その後、100℃のオーブン中に3分間放置し、次いで紫外線を塗布膜形成面側に波長350〜400nmの照射量として200mJ/cm照射して塗布膜を硬化させて、コレステリック樹脂層を有する厚み4μmのコレステリック液晶フィルムを得た。
(3)円偏光分離シートの評価
上記(2)で調製したフィルムを分光光度計(大塚電子社製、瞬間マルチ測光システムMCPD−3000)と顕微鏡(ニコン社製、偏光顕微鏡ECLIPSE E600−POL)を使用して透過スペクトルを測定した。選択反射の中心波長と選択反射帯域の半値幅を第1表に示した。
(比較例1)
実施例8において、化合物1を使用しない条件で円偏光分離シートを作成し、選択反射の中心波長と選択反射帯域の半値幅を測定した。(第1表、比較例1)
(比較例2)
実施例8において、化合物1の代わりに重合性基を有しない化合物8(下記)を用いてフィルムを作成したが、結晶が析出してきた為、透過スペクトル測定を行うことができなかった。(第1表、比較例2)
Figure 0005201130
第1表中、液晶化合物、キラル化合物(キラル剤)、重合開始剤、界面活性剤、及び溶媒としては、以下のものを用いた。また、単位は質量部である。
(1)液晶性化合物:下記式で表される多官能アクリレート化合物(LC242、BASF社製))
Figure 0005201130
(2)キラル剤:LC756(BASF社製)
(3)重合開始剤:IRGACURE379(チバスペシャルティケミカルズ社製)
(4)界面活性剤:KH40(セイケケミカル社製)
(5)溶媒:シクロペンタノン
Figure 0005201130
第1表より、実施例1〜7の化合物1〜7を含有する液晶性組成物から形成されたコレステリック液晶層(実施例8〜14)は、選択反射中心波長が630〜660nmであって、反射帯域幅が85〜95nmと広いものであった。
一方、実施例1の化合物1を使用しない条件で調製した液晶性組成物から形成したコレステリック液晶層(比較例1)は、選択反射中心波長が515nmであって、反射帯域幅が50nmと狭いものであった。
また、化合物8を含有する液晶性組成物(比較例2)では、結晶が析出し、均一なコレステリック液晶層を形成することが出来なかった。
本発明の液晶性化合物及び液晶性組成物は、液晶相上限温度が高く、化学的に安定であり、安価に製造でき、しかも、選択反射波長帯域Δλが広い、すなわちΔnの大きな液晶材料である。
本発明の液晶性組成物から形成された液晶層を有する本発明の光学フィルム及び光学積層体は、安価で高品質である。

Claims (6)

  1. 下記の化合物1〜7から選ばれる液晶性化合物。
    Figure 0005201130
    Figure 0005201130
  2. 請求項1に記載の液晶性化合物の一種または二種以上を含有する液晶性組成物。
  3. 分子内に、式:−O−CO−CR16=CH(R16は、水素原子またはメチル基を表す。)で表される基を二つ以上有する多官能(メタ)アクリレート化合物をさらに含有する請求項2に記載の液晶性組成物。
  4. キラル化合物をさらに含有する請求項2または3に記載の液晶性組成物。
  5. 請求項2〜4のいずれかに記載の液晶性組成物を用いて形成された液晶層を有する光学フィルム。
  6. 基材と、該基材上に形成された配向膜と、該配向膜上に、請求項2〜4のいずれかに記載の液晶性組成物を用いて形成された液晶層を有する光学積層体。
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