図1は本発明の一実施例の空気除菌装置VWの外観図、図2は図1の空気除菌装置VWの縦断側面を一面側(正面側)から見た図、図3は図1のVWの縦断側面を他面側(背面側)から見た図をそれぞれ示している。実施例の空気除菌装置VWは、乗用車やバスなどの自動車、或いは、電車の車両等に設置されて車内や客室内を被除菌空間とし、当該空間内の空気を除菌する装置である。
各図において、1は本実施例の空気除菌装置VWの本体、2は本体1に取り付けられ、本体1上に装着された後述する気液接触部材(エレメント)8、送風機20等を被覆する本体カバーである。本体カバー2は、天板2Tと、この天板2Tの外周縁から鉛直方向に延在する4つのパネル(正面パネル2A、背面パネルB、側面パネル2R及び側面パネル2L)にて形成された壁面から構成される。
上記天板2Tの上面には、複数(実施例では4つ)の制御用の操作スイッチ11と、複数(実施例では2つ)のLEDランプから成る表示手段12と、電源スイッチ13を備えた操作部10が形成されている。そして、天板2Tの一端部(図1では前端部)と正面パネル2Aの上端部との間には被除菌空間となる室内の空気を空気除菌装置VW内(本体カバー2内)に吸い込むための吸気口4が形成されている。また、正面パネル2Aと背面パネル2Bの一端側(図1及び図2では正面パネル2A及び背面パネル2Bの右端側)に位置する側面パネル2Rには気液接触部材8で除菌された後の空気を空気除菌装置VWの外部(被除菌空間である室内)に吐出するための排気口5が形成されている。この排気口5は側面パネル2Rの上下方向に渡って形成された多数の小孔5Aから成る。
また、本体カバー2の正面パネル2Aには、給水タンク15内に貯留された少なくとも塩化物イオンを含む水(本実施例では、水道水とする)の水位を確認するための水量確認用窓16が形成されている。この水量確認用窓16により、本体カバー2を取り外すこと無く、給水タンク15内の水量を確認することができる。
次に、図2乃至図4を用いて空気除菌装置VWの内部構成を説明する。図4は本体カバー2を本体1から取り外した状態の空気除菌装置VWの内部構成図である。
空気除菌装置VWの本体1は、受け面1Aと、この受け面1Aの外周縁から鉛直方向(下方向)に延在する壁面1Bからなるフレーム体であり、壁面1Bの下端には壁面1Bから外方に拡張した拡張部1Cが形成されている。壁面1Bの外周は前記本体カバー2の内周と略同一となるように設定され、拡張部1Cの外周はそれより大きく設定されている。そして、本体1に本体カバー2を取り付けた際に本体カバー2の壁面先端(下端)の内面が本体1の壁面1Bに当接し、これにより、本体カバー2が拡張部1Cの上面にて本体1の壁面1Bにて保持されることとなる。
上記本体1の受け面1Aには、一端部、他端部及び一端部と他端部の間の中央部に受け面を鉛直方向(上下方向)に貫通する連通孔30、31、32、33が夫々形成されている。受け面1Aの一端部に形成された連通孔30は、本体1の一端部に吸水部材19を取り付けるためのものであり、周囲に受け面1Aから上方向に起立する係合部30Aが形成されている。受け面1Aの他端部に形成された連通孔33には、貯水部としての貯水タンク9内に水を供給するための給水タンク15が取り付けられる。即ち、連通孔33は、給水タンク9内に水(本実施例では給水タンク15の水)を供給するための給水口とされている。また、受け面1Aの中央部の連通孔31には後述する電極17、18が取り付けられ、連通孔32には圧力弁37が設置される。
この圧力弁37は、後述する電極17、18を用いた電気化学的処理にて発生する気体(水素や酸素等)により、貯水タンク9内の圧力が上がり過ぎた場合に、この圧力を逃がすための圧力逃がし機構として機能する。圧力弁37は、貯水タンク9外部からの気体が当該貯水タンク9内部に流入すること無く、一定圧力以上で貯水タンク9内の気体が外部に流出するのみを許容する構造とされ、例えば、逆止弁等により構成されている。当該圧力弁37により、貯水タンク9内の圧力が上がりすぎた場合に、内部の圧力を的確に逃がすことができるので、貯水タンク9の破裂防止や電解水の噴出防止など、空気除菌装置VWの安全性を向上させることができる。
また、受け面1Aの底面(下面)には、本体1に電解槽トレイ25を取り付けるための係合部25Dが形成されている。この電解槽トレイ25は、内部に充分な容積が確保された空間を備えた一端部25A側と、同様に内部に充分な容積が確保された空間を備えた他端部25B側と、一端部25A側と他端部25B側とを連通し、一方側(前方側)が大きくえぐれて、内部の容積が小さく、狭い形状の中央部25Cとからなる縦長形状の水受け部材である。
当該電解槽トレイ25は、上端の開口縁が本体1の受け面1Aの底面に形成された前記係合部25Dに嵌合される。具体的には、電解槽トレイ25の上端開口縁全周にシール部材としてのパッキン26を取り付けた状態で、本体1の拡張部1Cの下方から壁面1B内に電解槽トレイ25が挿入される。そして、電解槽トレイ25が所定の取り付け位置まで挿入されると、上端開口が係合部25D内に嵌合し、これにより、電解槽トレイ25が本体1に取り付けられる。電解槽トレイ25は本体1に取り付けられた状態で、上端開口が本体1の受け面1Aにて密閉的に閉塞され、この電解槽トレイ25の内部には密閉構造、若しくは、半密閉構造の貯水タンク9が形成される。そして、この貯水タンク9内には後述する電解水が貯留されることとなる。本実施例では、電解槽トレイ35の上端開口縁全集にパッキン26を取り付けた状態で、本体の受け面1Aにて密閉的に閉塞されると共に、当該受け面1Aに形成された全ての連通孔30、31、32、33がそれぞれ吸水部材19、電極17、18、圧力弁37、給水タンク15にて閉塞されているため、貯水部としての貯水タンクは密閉構造となる。
ところで、前述したように電解槽トレイ25の中央部は前面側が大きくえぐれて内部の容積が小さく、狭い形状とされているため、貯水タンク9の中央部に貯留される電解水の容量も必然的に少なくなる。この貯水タンク9内の中央部、即ち、前述したように本体1の一端部に気液接触部材8と接触可能に設けられた吸水部材19が取り付けられ、他端部に貯水タンク9内に給水を行うための給水タンク15が取り付けられているので、この吸水部材19と給水タンク15の間となる貯水タンク9内には、前述した一対の電極17、18(電解ユニット)が設けられている。電極17、18は貯水タンク9内に貯留された少なくとも塩化物イオンを含む水(本実施例では、水道水)を電気化学的に処理(電気分解)することにより、電解水を生成させるものである。具体的には、電極17、18は、電源からの通電により貯水タンク9内の水道水を電気分解して、活性酸素種を含む電解水を生成するためのものであり、上端が電極端子52、53に接続されている。また、各電極端子52、53は後述する制御手段Cに接続されて、ここから電極端子52、53を介して電極17、18に通電されるのである。
ここで、活性酸素種とは、通常の酸素よりも高い酸化活性を持つ酸素分子と、その関連物質のことであり、スーパーオキシドアニオン、一重項酸素、ヒドロキシラジカル、或いは、過酸化水素といった所謂狭義の活性酸素に、オゾン、次亜ハロゲン酸等といった所謂広義の活性酸素を含むものとする。
電極17、18は、例えばベースがTi(チタン)で被膜槽がIr(イリジウム)、Pt(白金)から構成された電極板であり、この電極17、18に印加する電流値は、電流密度が20mA(ミリアンペア)/cm2(平方センチメートル)として、所定の浮遊残留塩素濃度(例えば、1mg(ミリグラム)/l(リットル))を発生させる。
上記電極17、18により水道水に通電すると、カソード電極では、
4H++4e-+(4OH-)→2H2+(4OH-)
の反応が起こり、アノード電極では、
2H2O→4H++O2+4e-
の反応が起こると同時に、水に含まれる塩化物イオン(水道水に予め添加されているもの)が、
2Cl-→Cl2+2e-
のように反応し、更にこのCl2は水と反応し、
Cl2+H2O→HClO+HCl
となる。上記化学式に示すように電極17、18を用いた電気化学的処理により、前述した水素及び酸素等の気体が発生する。
そして、この構成では、電極17、18に通電することで、殺菌力の大きいHClO(次亜塩素酸)を発生することができる。この次亜塩素酸を含む電解水は、毛細管現象により吸水部材19を介して気液接触部材8に供給され、この気液接触部材8での雑菌の繁殖が防止でき、気液接触部材8を通過する空気中に浮遊するウィルスを不活化することができる。また、悪臭も気液接触部材8を通過する際に、電解水中の次亜塩素酸と反応し、イオン化して溶解することで空気中から除去され、脱臭される。特に、前述した如き電極17、18が配置された貯水タンク9内の中央部は内部の容積が小さく、狭い形状とされており、貯留される水道水の容量が少ないため、電極17、18による電気分解で高濃度の(即ち、次亜塩素酸の濃度の高い)電解水を生成することができる。
当該電極17と電極18とは、図5及び図6に示すように両電極板の面が所定の間隔を存して対向して並設されるように電極固定板54にて周囲が固定されている。この電極固定板54の上端には前述した本体1の連通孔31と略同一の形状を有する突起部54Aが形成され、当該突起部54Aが連通孔31の内面に係合して保持されて、本体1に取り付けられる。具体的には、受け面1Aの底面側(下側)から連通孔31内に電極17、18が固着された電極固定板54を挿入すると、上端に形成された突起部54Aが連通孔31の内壁に嵌り合い、これにより、突起部54Aが連通孔31の内壁面にて保持され、本体1に取り付けられるのである。
このとき、貯水タンク9内の電解水の流通を阻害しないように、即ち、本体1の他端部側(給水タンク15)から貯水タンク9内に供給される水道水を電極17、18に流し、且つ、電極17、18にて生成された電解水が一端部側(気液接触部材8)に円滑に流れるように対向して設けられた両電極17、18の板面が他端側から一端側に向かう貯水タンク9内の電解水の流れ方向と平行となるように貯水タンク9に取り付けられる。また、電極17、18は本体1に取り付けられた状態で、少なくとも先端(下端)が貯水タンク9内の電解水に浸漬される。
一方、本体1の中央部上、即ち、上述した電極17、18が配設された貯水タンク9の中央部の上方には、送風機20が設けられている。送風機20は、気液接触部材8に通風するための送風手段であり、外部(室内)から空気を導入し、気液接触部材8に供給し、接触させた後、外部に排出するよう構成されている。送風機20は、送風ファン21と、送風ファン21の回転の軸中心に設けられ、送風ファン21を回転駆動するファンモータ22と、正面パネル2Aが位置する一面側(図2では正面側)の中心部にファン吸気口23Aが形成されると共に、側面パネル2Rが位置する一端側(図2では右端側)の下部にファン排気口23Bが形成されたファンケーシング23から成る。本実施例の送風機20は、送風ファン21が回転する軸の方向から空気を吸引して半径方向に吐出させるシロッコファンにて構成される。
上記送風機20は、正面パネル2A側に前記ファン吸気口23A、側面パネル2R側にファン排気口23Bが位置するよう配置されて、外周を固定板(第1の固定板40と第2の固定板45)にて囲繞された状態で本体1の受け面1Aの中央部上面に取り付けられている。
上記固定板は、送風機20の一面側(前面側)に位置する第1の固定板40と、他面側(背面側)に位置する第2の固定板45から成る。第1の固定板40は送風機20の一面側(正面側)に並設される平面41と、この平面41から送風機20側に延在する周壁部42と、平面41の一端(図4では右端)から当該平面41と水平に延在し、気液接触部材8を固定するための保持面8Aとを備える。当該第1の固定板40の平面41には送風機20のファンケーシング23に形成されたファン吸気口23Aに対応する位置に円形の孔41Aが形成されている。また、平面41の上方に位置する周壁部42の先端には後述する第2の固定板45に形成された凸部と嵌合する図示しない凹部が形成されている。
第2の固定板45は送風機20の他面側(背面側)に並設される平面46と、この平面46の外周縁から送風機20側に延在する周壁部47と、平面46の一端(図4では右端)から平面46と水平に延在し、気液接触部材8を固定するための保持面8Bにより構成されている。当該平面46の上方に位置する周壁部47の下部の一端側には前記凹部と嵌合する図示しない凸部が形成されている。また、平面46の周壁部47が延在する側(送風機20側)の一端側(図3では左端側、即ち、気液接触部材8側)であって、送風機20を固定板40、45内に配置した際に、ファン排気口23Bが位置する箇所から気液接触部材8側となる一端側に渡って、ファン排気口23Bから吐出された空気を気液接触部材8に供給する空気ダクト48を形成する区画板48A、48Bが取り付けられている。更に、下方に取り付けられた区画板48Bにはファン排気口23Bから吐出される空気の風向きを調節するためのフィン49が取り付けられている。
そして、送風機20を本体1上に取り付けるには、先ず、送風機20の一端側に平面41に形成された孔41Aと送風機20のファンケーシング23のファン吸気口23Aとを位置合わせして第1の固定板40を配置する。次に、送風機20の他端側から第2の固定板45を配置する。このとき、第1の固定板40の周壁部42の先端に当接させるように第2の固定板45の周壁部47の先端を配置すると、周壁部42の上方に形成された前記凹部内に周壁部46の凸部が嵌合され、これにより、送風機20は固定板40、45にて形成された空間内に囲繞された状態となる。そして、この状態で第2の固定板45の背面側から両固定板40、45をネジ止めすると共に、両固定板40、45と本体1ともネジ止めなどにより固定することで、本体1上に取り付けることができる。
ところで、前述した気液接触部材8は、貯水タンク9に貯留された前記電解水と送風機20からの通風空気とを接触させる部材であり、本体1の一端部上に配置されている。本実施例の気液接触部材8は、ハニカム構造を持ったフィルタ部材であって、気液接触面積が広く確保され、保水可能で、目詰まりし難い構造とされている。即ち、気液接触部材8は、図7に示すように波形状に屈曲された素材8Mと、平板状の素材8Pとを接合して全体としてハニカム状に形成されている。
これらの素材8M、8Pには、電解水に反応性の少ない素材、即ち、電解水による劣化が少ない素材、例えば、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等)、PET(ポリエチレン・テレフタノール)樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素系樹脂(PTFE、PFA、ETFE等)、セルロース系材料又はセラミック系材料等の素材が使用されている。このように、気液接触部材8を電解水に反応性の少ない素材で形成することで、当該気液接触部材8の耐久性の向上を図ることができる。また、この気液接触部材8には親水性処理が施され、電解水に対する親水性が高められており、これによって、気液接触部材8の電解水の保水性(湿潤性)が保たれ、当該気液接触部材8に通風される空気と電解水との接触を接触を長時間持続させることができる。更に、気液接触部材8の上面及び底面は、耐腐食性に優れた板部材8Cが取り付けられる。
更にまた、この気液接触部材8は、貯水タンク9に近接して配置され(本実施例では、前述の如く気液接触部材8は貯水タンク9上に配置される)、水道水を電気分解して生成された活性酸素種を含む電解水が吸水部材19により毛細管現象を利用し、迅速に気液接触部材8に供給できるように構成される。
この吸水部材19は、貯水タンク9から電解水を吸い上げて気液接触部材8に供給するためのものであり、例えば、アクリル繊維やポリエステル繊維などから成る不織布やスポンジ等、吸水性に優れた素材により構成されており、実施例の吸水部材19は、縦長円柱状に形成され、一端部(図2、図3及び図7では上部)が気液接触部材8に接触して設けられると共に、他端部(図2、図3及び図7では下部)は受け面1Aの連通孔30を通過して貯水タンク9内に侵入し、貯水タンク9内の電解水中に浸漬されている。尚、34は連通孔30周囲の受け面1Aに設けられたシール材としてのパッキンであり、吸水部材19に当接している。
また、連通孔33には前述したように給水タンク15が取り付けられ、当該給水タンク15内に貯留された水(水道水)が当該連通孔33を介して貯水タンク9内に供給可能に構成されている。また、貯水タンク9内には貯水タンク9に貯留された電解水の水位を検出するための水位センサー75(図8参照。図1乃至図6では図示されず)が設けられている。
更に、本実施例の空気除菌装置VWでは、制御手段Cにより定期的、例えば、3時間に1回電極17、18に通電し、所定時間、例えば、10分乃至1時間電解が実行される構成とされている。また、制御手段Cは貯水タンク9に貯留された電解水の次亜塩素酸の濃度2PPM乃至10PPMを維持するように、電極17、18に印加する電流密度を一定とした状態で、電極17、18間に電圧を付与している。この制御手段Cは、本実施例の空気除菌装置VWの制御を司る制御装置であり、汎用のマイクロコンピュータ等にて構成されている。図8に示すように制御手段Cの制御基板には、前記電極17、18(電解ユニット)、送風機20、上記水位センサー75、後述するヒーター92等が接続されている。また、図8には図示されないが制御基板には、前記本体カバー2の天板2Tに形成された操作部10の制御用の各操作スイッチ11と、LEDランプから成る表示手段12と、電源スイッチ13も接続されている。
更に、実施例の制御手段Cの制御基板は、当該空気除菌装置VWが取り付けられる、例えば、乗用車130のエアコン100にも接続されている。このエアコン100には車室内の温度を検出する温度センサー101が設けられている(図8参照)。尚、空気除菌装置VWの駆動電源としては、乾電池などの一次電池の他、充放電可能な二次電池、それと併用した太陽電池などが適用可能である。また、乗用車130のシガーソケットを利用してバッテリーに接続してもよい。
制御手段Cは、操作スイッチ11、電源スイッチ13や温度センサー101等からの出力に基づき、電極17、18の通電、送風機20の運転、ヒーター92の通電等を制御している。また、制御手段Cは、前記水位センサー75にて検出される貯水タンク2内に貯留された電解水の水位に基づき、空となった場合には表示手段12にて渇水を表示すると共に、電極17、18への通電を禁止する。
以上の構成で次に本実施例の空気除菌装置VWの動作を説明する。先ず、本体カバー2の天板2Tに形成された操作部10の電源スイッチ13が押されて、電源が投入されると、制御手段Cは電極17、18への通電を開始する。これにより、貯水タンク9内に貯留された水道水が電気分解されて次亜塩素酸を含む電解水が生成される(電気化学的処理)。
また、制御手段Cは、電極17、18への通電と同時に、送風機20を始動する。これにより、吸気口4から吸い込まれた被除菌空間内(車室内)の空気が送風機20、気液接触部材8を順次通過し、排気口5から排出される空気経路が形成される。即ち、吸気口4から吸い込まれた被除菌空間の空気は、送風ファン21が回転する軸方向であって、ファンケーシング23の前面側に形成されたファン吸気口23Aから、送風機20に吸引される。そして、空気は送風ファン21の半径方向であって、ファンケーシング23の一端側の下部に形成されたファン排気口23Bから吐出され、このファン排気口23Bの空気吐出側に形成された空気ダクト48を介して、気液接触部材8に通風供給される。
気液接触部材8に供給された被除菌空間からの空気は気液接触部材8に浸み込んだ次亜塩素酸に接触する。この次亜塩素酸は、室内の空気中に例えばインフルエンザウィルスが侵入した場合、その感染に必須のインフルエンザウィルスの表面蛋白(スパイク)を破壊、消失(除去)する機能を持ち、これを破壊すると、インフルエンザウィルスと、このウィルスが感染するのに必要な被感染生物の受容体(レセプタ)とが結合しなくなり、これによって感染が阻止される。また、気液接触部材8を通過して除菌された空気は、気液接触部材8の一端側に設けられた側面パネル2Rの排気口5から外部(車室内)に排出される。
以上詳述した本発明の空気除菌装置VWによれば、電極17、18の通電により電気分解されて生成され、貯水タンク9内に貯留された電解水を毛細管現象を利用して吸水部材19を介して気液接触部材8に迅速に供給して、気液接触部材8にて電解水と送風機20からの通風空気とを接触させることにより、この電解水に接触して除菌された空気の流速を大きく低下させること無く、被除菌空間(車室)内の空気を効率よく除菌することができる。また、気液接触部材8は電解水に反応性の少ない素材で構成されているので、耐久性が向上し、長寿命化を図ることができる。
特に、本発明の空気除菌装置VWは、毛細管現象を利用して吸水部材19により貯水タンク9内の電解水を気液接触部材8に供給するように構成している。これにより、従来のように気液接触部材8に電解水を供給するための格別なポンプ機構などを設置すること無く、貯水タンク2内の電解水を気液接触部材8に供給することができるので、構造の簡素化及び小型化を図ることが可能となり、乗用車130に取り付ける場合には特に有効となる。また、ポンプ機構が不要となることで、ポンプ機構を駆動するための電力消費も無くなるので、消費電力の削減も図ることが可能となる。特に、空気除菌装置VWの駆動電源として、バッテリーを用いる場合には、当該バッテリーの負荷を低減することができる。
更に、本実施例の空気除菌装置VWは、貯水タンク2内に設けられた電極17、18の通電により、貯水タンク9内に注入された水道水を電気化学的に処理することによって電解水を生成するようにしたので、常に新鮮な電解水によって空気除菌をより効率的に行うことができるようになると共に、前記電極17、18を用いた電気化学的処理にて発生する気体(上記水素や酸素)により、貯水タンク9内の圧力が上昇するので、吸水部材19を介した毛細管現象による気液接触部材8への電解水の供給も強制的且つ円滑に行われるようになる。
また、本実施例の空気除菌装置VWでは、一端部が気液接触部材8に接触し、他端部が貯水タンク9の電解水に浸漬された吸水部材19により、貯水タンク9から気液接触部材8に電解水を供給するよう構成されているので、気液接触部材8の表面にスケールなどが堆積したときなどは、気液接触部材8を直接貯水タンク9内の電解水に浸漬する場合に比して、当該気液接触部材8を容易に交換することができるようになる。特に、貯水タンク9内から気液接触部材8に電解水を供給するために、貯水タンク9には吸水部材19が通過可能な連通孔30を形成するのみでよいので、気液接触部材8を直接貯水タンク9内の電解水に浸漬する場合に比して、貯水タンク9の密閉化を簡単に図ることが可能となる。
即ち、本実施例の貯水タンク9は、電解槽トレイ25の上端開口縁にパッキン26を介して本体1に密閉的に取り付けることにより構成されると共に、本体1の受け面1Aに形成された各連通孔30、31、32、33もそれぞれ吸水部材19、電極17、18を固定する電極固定板54、圧力弁37及び給水タンク15にて同様に密閉的に閉塞されるので、当該貯水タンク9は密閉構造となり、容易に貯水タンク9のシール性を確保して、水漏れし難い構造とすることができる。特に、本実施例の如く空気除菌装置VWを車載した場合の坂道走行時等、空気除菌装置VWが傾斜した条件で使用される場合には、係る構造がより効果的となる。
また、気液接触部材8と接触させた電解水を貯水タンク9に再び戻す従来の循環型の装置では、少なくとも気液接触部材に過剰供給された電解水を回収可能な構造としなければならないので、構造が複雑化して、装置が大型化すると共に、コストが高騰するといった問題が生じていた。しかしながら、本発明では、貯水タンク9内の電解水を毛細管現象を利用して吸水部材19にて気液接触部材8に供給するので、従来の如き気液接触部材に供給された電解水を回収する必要が無いので、水の経路や構造を簡素化して、小型化を図ることができる。更に、貯水タンク9を密閉構造とし易く、貯水タンク9のシール性をより一層向上することができる。
以上詳述した本実施例の空気除菌装置VWは、上述したように貯水タンク9内の水が漏れ難い構造とされているため、乗用車やバスなどの自動車や電車の車両などの乗り物に極めて好適なものとなる。図9は本実施例の空気除菌装置VWを乗用車130に搭載した場合の配置例を示した図である。この図に示すように空気除菌装置VWは、ダッシュボード136の上(P1)や後部座席132の後側(P2)、或いは、運転席131の前側に設けられたエアコン100の吹出口137(P3)など、様々な場所に配置することが可能である。このとき、本実施例の如く空気除菌装置VWを気液接触部材8に通風する送風機20を備えた構造とすることで、上記の如くダッシュボード136の上(P1)や後部座席132の後側(P2)などのファン(送風手段)が設けられていない空間にも自在に設置することが可能である。
更に、従来の除菌装置は、ミストを空間内に拡散させたるため、当該ミストにより空間内が加湿されて、フロントガラス135等が曇り、運転に支障を来す恐れがあるため自動車の車内等に搭載するには不向きであった。しかしながら、本発明の空気除菌装置VWではこのようなミストを拡散させるものに比べて、車室内加湿による不都合も大幅に低減することが可能である。
尚、本実施例の如く空気除菌装置VWを自動車に搭載(車載)する場合には、電極17、18への通電を定期的に行うので無く、制御手段Cに振動を感知するセンサーを接続して、当該センサーにより、自動車が動いたことによる振動を感知して電極17、18を通電するものとしてもよい。或いは、太陽電池を利用した場合等には、逆に停車しているときに動作させる方式としてもよい。その場合も前記電気化学的処理は前述したように所定時間(10分乃至1時間)実行する。その後、制御手段Cは電極17、18への通電を停止する。そして、制御手段Cは貯水タンク9に貯留された電解水の次亜塩素酸の濃度を2PPM乃至10PPMに維持するように、所定の時間間隔、例えば、3時間毎に電極17、18に通電して電気化学的処理を繰り返し行う。
また、本発明の空気除菌装置VWは図9のように車室内に設置する場合に限らず、通常の室内に設置して使用することも勿論可能であり、この場合にも室内を効率的に除菌できることは云うまでもない。
ところで、上述した空気除菌装置VWを低外気温となる寒冷地などで使用した場合、例えば自動車で寒冷地を訪れた場合などには、貯水タンク9内の電解水(又は水道水)が凍結する恐れがある。このように貯水タンク9内の電解水が凍結した状態で電極17、18に通電すると、当該電極17、18に極度の負荷がかかるため、電極17、18の寿命が著しく低下する恐れがある。
図10は、電極17、18に印加する電流密度を一定とした場合における水の温度と電圧の関係を示す図である。図10に示すように電流密度を一定とした場合、貯水タンク9内の水の温度が高いほど電圧が低く、温度が低くなるに伴い電圧が上昇することがわかる。特に、図10では水の温度が+20℃以上から+5℃付近の範囲では温度の低下に伴う電圧の上昇は緩やかであるが、+5℃より低下すると電圧の上昇が急峻となり、貯水タンク9内の水の温度が凝固点(−5℃辺り)付近まで低下すると、電圧の増加量が更に大きくなり、凝固点を下回ったときに電圧が著しく増大することがわかる。尚、図10において、凝固点が0℃以下となる(即ち、凝固点降下する)のは、水が純水では無く、イオンを含む電解水であるためである。
このような電圧の上昇は、温度低下により水中の各イオン運動が鈍くなり、それに伴って電子の伝達(電気の流れ)も起こり難くなるためであると考えられる。更に、凍結した水(氷)は、より一層イオンの運動が抑制されると同時に、結晶化に起因する電極17、18との接触面積の減少による接触抵抗の増加が発生し、電圧がより一層上昇するものと考えられる。図10では、実際に水が結晶化し始めると考えられる+4℃付近から電圧の上昇傾向が大きくなっている。そこで、このような性質を利用して、電圧の上昇により貯水タンク9内の水の状態を知ることが可能であると考えられる。
そこで、本実施例の空気除菌装置VWの前記制御手段Cは、電極17、18に印加する電流密度を一定とした状態で、貯水タンク9内の水の温度変化によって変化する電極17、18間の電圧値に基づき、貯水タンク9内の水が凍結していると判断された場合は、電極17、18への通電を禁止して、空気除菌装置VWの運転を停止し、貯水タンク9内の水の凍結が解消したと判断される場合には、電極17、18への通電禁止を解除して、空気除菌装置VWを稼働するものとする。
更に、本実施例の空気除菌装置VWでは、貯水タンク9に当該貯水タンク9内の水(氷)を解凍させる解凍手段としてのヒーター92を設置して、制御手段Cは、電極17、18間の電圧値に基づき、貯水タンク9内の水が凍結する以前の所定の低温度以下に低下していると判断される場合にヒーター92を作動して、貯水タンク9内の水を加熱するものとする。
ここで、制御手段Cによる空気除菌装置VW及びヒーター92の制御動作について図11に示すフローチャートを用いて具体的に説明する。本実施例では、貯水タンク9内の水が貯水タンク9内の水が凍結する以前の所定の低温度、具体的に、本実施例では温度低下に伴う電極17、18間の電圧の上昇が急峻となる所定の低温度(例えば、+5℃)における電圧(この場合の電圧値をVBとする)と、貯水タンク9内の水が凍結する温度(例えば、−5℃)における電圧(この場合の電圧値をVAとする)とを予め測定し、これら電圧値VA、VBの情報を制御手段Cに入力しておき、制御手段Cは電圧値VBに基づき、ヒーター92の通電を制御すると共に、電圧値VAに基づき、空気除菌装置VWを制御する。
具体的に、本実施例の制御手段Cは、電圧値VBの上下にヒステリシス幅αを持ってヒーター92の通電を制御する。即ち、制御手段Cは、電極17、18間の電圧がVB+α以上に上昇すると、ヒーター92を通電し、電圧がVB−α以下に低下すると、ヒーター92を停止する。また、制御手段Cは、電圧値VAの上下にヒステリシス幅βを持って空気除菌装置VWの運転(電極17、18への通電)を制御する。即ち、制御手段Cは、電極17、18間の電圧が上記VB(VB+α)より高いVA+β以上に上昇すると、空気除菌装置VWを停止し、電圧がVA−β(VA−β>VB+α)以下に低下すると、空気除菌装置VWを稼働する。
先ず、空気除菌装置VWの電源が投入(ON)される、或いは、電極17、18の前回の通電から所定時間(例えば、上述した3時間)経過すると、制御手段Cは、ステップS1にてスイッチをONし、ステップS2に移行してフラグ1(FLAG1)及びフラグ2(FLAG2)をリセットする。
次に、制御手段Cは、ステップS3に移行してフラグ1がリセットされているか否かを判断する。この場合、フラグ1(FLAG1)は上述のステップS2にてリセットされているので、制御手段Cは、ステップS4に移行して、電極17、18間の電圧を検出して、この電圧値Vが前記VB+α以上(即ち、V≧VB+α)であるか否かを判断する。このとき、電圧値Vが前記VB+αより低い場合(即ち、V≧VB+αを満たさない場合)には、制御手段CはステップS9に移行して、ヒーター92を停止(この場合は、ヒーター92を停止した状態を維持)して、ステップS10に移行する。
そして、制御手段Cは、ステップS10にてフラグ2がリセットされているか否かを判断する。このとき、フラグ2(FLAG2)は上述のステップS2にてリセットされているので、制御手段Cは、ステップS11に移行して、電極17、18間の電圧が前記VA+β以上(即ち、V≧VA+β)であるか否かを判断する。ここでは、上述の如く電圧値VはVB+αより低い、即ち、VA+βより低いので、制御手段Cは、次に、ステップS16に移行し、電極17、18への通電を開始して、空気除菌装置VWを稼働する。
制御手段CはステップS16にて空気除菌装置VWを稼働した後、再びステップS3に戻って、ステップS4に移行し、上述した動作を繰り返す。
一方、電圧VがVB+α以上に上昇すると(ここでは、電圧VはVA−β以下であるものとする)、制御手段Cは、ステップS4からステップS5に移行し、フラグ1をセットした後、ステップS6に移行する。そして、制御手段CはステップS6にてヒーター92を稼働する。これにより、ヒーター92への通電が開始されて、貯水タンク9内の水が加熱される。
次に、制御手段CはステップS10に移行して、フラグ2がリセットされているか否かを判断する。このとき、フラグ2(FLAG2)は上述のステップS2にてリセットされたままであるので、制御手段Cは、ステップS11に移行して、電極17、18間の電圧が前記VA+β以上(即ち、V≧VA+β)であるか否かを判断する。上述の如くここでは、電極17、18間の電圧値VはVB+α以上で、且つ、VA+βより低いので、制御手段Cは、次に、ステップS16に移行し、空気除菌装置VWを稼働、即ち、空気除菌装置VWを継続して行う。その後、制御手段Cは再びステップS3に戻り、フラグ1がリセットされているか否かを判断する。
このとき、前述の如くステップS5にてフラグ1はセットされているので、制御手段Cは、S7に移行して、電極17、18間の電圧が前記VB−α以下であるか否かを判断する。このとき、電圧値Vは前述の如くVB+α以上で、且つ、VA+βより低いので、制御手段Cは、次に、前記ステップS6に移行して、ヒーター92が作動した状態を維持して、ステップS10に移行し、上述した動作を繰り返す。
このように、制御手段Cは電圧値Vに基づき、貯水タンク9内の水が凍結する以前の所定の低温度以下に低下していると判断される場合に、ヒーター92を動作させることで、貯水タンク9内の水を加熱することができるので、貯水タンク9内の水の凍結を極力回避することができるようになる。
また、かかるヒーター92の通電により貯水タンク9内の水が加熱されて電極17、18間の電圧がVB−α以下になると、制御手段Cは、ステップS7からステップS8に移行し、フラグ1を再びリセットした後、ステップS9に移行する。そして、制御手段Cは、ステップS9にてヒーター92を停止する。その後、制御手段Cは、ステップS10に移行して前述した動作を繰り返す。
他方、ステップS1にてスイッチをONした時点で、既に、貯水タンク9内の水が凍結したものと判断される、即ち、電圧値VがVA+β以上に上昇している場合について説明する。この場合、制御手段Cは、前述の如くステップS2にてフラグ1(FLAG1)及びフラグ2(FLAG2)をリセットした後、ステップステップS3に移行してフラグ1がリセットされているか否かを判断する。フラグ1(FLAG1)は上述のステップS2にてリセットされているので、制御手段Cは、ステップS4に移行して、電極17、18間の電圧を検出して、この電圧値Vが前記VB+α以上(即ち、V≧VB+α)であるか否かを判断する。
このとき、電極17、18間の電圧はVA+β以上であり、VB+αより高い値であるので、制御手段CはステップS5に移行して、フラグ1をセットした後、ステップS6に移行する。そして、制御手段CはステップS6にてヒーター92を稼働する。これにより、ヒーター92への通電が開始されて、貯水タンク9内の水が加熱される。
次に、制御手段Cは、ステップS10に移行してフラグ2がリセットされているか否かを判断する。このとき、フラグ2(FLAG2)は上述のステップS2にてリセットされているので、制御手段Cは、ステップS11に移行して、電極17、18間の電圧が前記VA+β以上(即ち、V≧VA+β)であるか否かを判断する。ここで、前述したように電極17、18間の電圧値VはVA+β以上なので、制御手段Cは、ステップS12に移行し、フラグ2をセットした後、ステップ13に移行して、電極17、18への通電を禁止して、空気除菌装置VWの運転を停止する。
その後、制御手段Cは再びステップS3に戻り、フラグ1がリセットされているか否かを判断する。このとき、前述の如くステップS5にてフラグ1はセットされているので、制御手段Cは、ステップS7に移行し、電極17、18間の電圧が前記VB−α以下であるか否かを判断する。このとき、電圧値Vは前述の如くVA+β以上、即ち、VB−αより大きい値であるので、制御手段CはステップS6に移行し、ヒーター92が稼働した状態を維持し、ステップS10に移行して、フラグ2がリセットされているか否かを判断する。
ここでは、前述のステップS12にてフラグ2はセットされているので、制御手段CはステップS14に移行し、電極17、18間の電圧が前記VA−β以下であるか否かを判断する。このとき、電圧値Vは前述の如くVA+β以上であるので、制御手段CはステップS13に移行して、空気除菌装置VWの運転を停止した状態を維持し、ステップS3に戻り、前述した動作を繰り返す。
このように、制御手段Cは電圧値Vに基づき、貯水タンク9内の水が凍結していると判断される場合には、電極17、18への通電を禁止して、空気除菌装置VWの運転を停止するので、上述した氷を電解する場合に生じる電極17、18への負担を解消することができるようになる。これにより、電極17、18の長寿命化を図ることが可能となる。また、この場合、ヒーター92により貯水タンク9内を加熱することで、貯水タンク9内の氷の解凍を促進することができる。
そして、かかるヒーター92の通電により貯水タンク9内の氷が溶けて、電極17、18間の電圧がVA−β以下に低下すると、制御手段Cは、ステップS14からステップS15に移行し、フラグ2をリセットした後、ステップS16に移行する。そして、制御手段Cは、ステップS16にて電極17、18への通電の禁止を解除して、空気除菌装置VWを稼働する。
そして、制御手段CはステップS3に戻って、ステップS7に移行して上述した動作を繰り返す。更に、その後、ヒーター92による貯水タンク9内の加熱により、水の温度が上昇し、水が凍結する以前の所定の低温度(例えば、前記+5℃)を超えて、電圧値VがVB−α以下になると、制御手段CはステップS7からステップS8に移行し、フラグ1をリセットした後、ステップS9に移行する。そして、制御手段Cは、ステップS9にてヒーター92を停止する。
このように、制御手段Cは電圧値Vに基づき、貯水タンク9内の水の凍結が解消した場合は、電極17、18への通電禁止を解除して、空気除菌装置VWを稼働するので、貯水タンク9内の水の凍結が解消した後は、支障なく空気除菌を行うことができるようになる。更に、前述したように貯水タンク9内の水が凍結している場合に、ヒーター92を通電して貯水タンク9内を加熱することで、貯水タンク9内の氷を早期に溶かすことが可能となり、空気除菌装置VWの運転も早期に開始することが可能となるので、迅速に空気除菌装置VWの運転を再開して、電解水の生成を実行できるようになる。特に、本実施例では、格別な検出手段等を別途設置することなく、制御手段Cは電極17、18間の電圧に基づき、貯水タンク9内の水の状態を判断して、空気除菌装置VW及びヒーター92の運転を制御することができる。
尚、上記では制御手段Cが電極17、18間の電圧に基づき、貯水タンク9内の水の状態を判断するものとしたが、例えば、貯水タンク9内の水の温度を直接検出可能な温度センサー90を設けて(図8参照)、制御手段Cが当該温度センサー90にて検出される貯水タンク9内の水の温度に基づいて、空気除菌装置VWの運転及びヒーター92の通電を制御するものとしても差し支えない。
ここで、貯水タンク9内の水の温度により制御手段Cが空気除菌装置VW及びヒーター92の運転を制御する動作について図12に示すフローチャートを用いて具体的に説明する。本実施例では、貯水タンク9内の水の温度が貯水タンク9内の水が凍結する温度TS(例えば、−5℃)に基づき、制御手段Cが空気除菌装置VWの運転及びヒーター92の通電を制御するものとする。具体的に、本実施例の制御手段Cは、温度TSの上下にヒステリシス幅γを持ってヒーター92の通電及び空気除菌装置VWの運転(電極17、18の通電)を制御する。即ち、制御手段Cは、貯水タンク9内の水の温度がTS−γ以下に低下すると、ヒーター92を通電すると共に、電極17、18への通電を禁止(空気除菌装置VWを停止)し、温度がTS+γ以上に上昇すると、ヒーター92の通電を停止すると共に、電極17、18への通電禁止を解除(空気除菌装置VWを稼働)する。
先ず、空気除菌装置VWの電源が投入(ON)される、或いは、電極17、18の前回の通電から所定時間(例えば、上述した3時間)経過すると、制御手段Cは、ステップS21にてスイッチをONし、ステップS22に移行してフラグ3(FLAG3)をリセットする。
次に、制御手段Cは、ステップS23に移行してフラグ3がリセットされているか否かを判断する。この場合、フラグ3(FLAG3)は上述のステップS22にてリセットされているので、制御手段CはステップS24に移行して、貯水タンク9内の水の温度Tを検出して、この温度Tが前記TS−γ以下(即ち、T≦TS−γ)であるか否かを判断する。このとき、温度Tが前記TS−γより高い場合(即ち、貯水タンク9内の水が凍結してない場合)には、制御手段CはステップS30に移行して、ヒーター92を停止(ここでは、ヒーター92を停止した状態を維持)して、ステップS31に移行する。
そして、制御手段CはこのステップS31にて電極17、18への通電を開始して、空気除菌装置VWを稼働する。制御手段Cは、ステップS31にて空気除菌装置VWを稼働した後、再びステップS23に戻って、ステップS24に移行し、上述した動作を繰り返す。
一方、貯水タンク9内の水が凍結して、温度センサー90にて検出される貯水タンク9内の水の温度TがTS−γ以下に低下すると、制御手段CはステップS24からステップS25に移行し、フラグ3をセットした後、ステップS26に移行する。そして、制御手段Cはステップ26にてヒーター92を稼働する。これにより、ヒーター92への通電が開始されて、貯水タンク9内の水が加熱される。次に、制御手段CはステップS27に移行し、電極17、18への通電を禁止して、空気除菌装置VWの運転を停止する。
その後、制御手段CはステップS23に戻り、フラグ3がリセットされているか否かを判断する。このとき、上述の如くステップ25にてフラグがセットされているので、制御手段Cは、ステップS28に移行して、貯水タンク9内の水の温度TがTS+γ以上であるか否かを判断する。このとき、貯水タンク9内の水の温度Tは前述の如くTS−γ以下であるので、制御手段CはステップS26に移行し、ヒーター92が作動した状態を維持して、ステップS27にて空気除菌装置VWの運転を停止した状態を維持したままステップS23に戻り、ステップS28に移行して前述した動作を繰り返す。
その後、かかるヒーター92の通電により貯水タンク9内の氷が溶けて、貯水タンク9内の水の温度TがTS+γ以上に上昇すると、制御手段Cは、ステップS28からステップS29に移行し、フラグ3をリセットした後、ステップS30に移行する。そして、制御手段Cは、ステップS30にてヒーター92を停止した後、ステップS31に移行し、電極17、18への通電禁止を解除して、空気除菌装置VWを稼働する。
そして、制御手段CはステップS23に戻り、フラグ3がリセットされているか否かを判断する。このとき、上述のステップ29にてフラグ3はリセットされているので、制御手段Cは、ステップS24に移行し、貯水タンク9内の水の温度TがTS−γ以下であるか否かを判断する。ここでは、上述の如く温度TがTS+γ以上であるので、制御手段CはステップS30に移行し、ヒーター92を停止した状態を維持した後、ステップS31に移行して、空気除菌装置VWの運転を継続する。その後、制御手段CはステップS23に戻って、上述した動作を繰り返す。
このように、制御手段Cが温度センサー90にて検出される貯水タンク9内の水の温度に基づいて、空気除菌装置VWの運転及びヒーター92の通電を制御した場合にも、電極17、18への負担を解消することができる。また、貯水タンク9内の水の凍結が解消した場合にも同様に、電極17、18への通電禁止を解除し、空気除菌装置VWを稼働するので、貯水タンク9内の水の凍結が解消した後は、支障なく空気除菌を行うことができる。更に、ヒーター92の通電により貯水タンク9内の水(氷)の解凍を促進し、迅速に空気除菌装置VWの運転を再開して、電解水の生成も実行できるようになる。