JP5242884B2 - 強粘着テープ - Google Patents

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本発明は、吸着機能を併せ備えることによって、試着面に対して安定に粘着される強粘着テープの提供に関する。
釘やビス等によって取り付けのできない取り付け対象物、例えばタイル面に対して各種物品を取り付ける場合や取り付け物品に釘、ビスなどの止め跡を残すことが憚かれる場合には、通常、両面粘着テープ等の粘着止め着け手段による固定、あるいは吸盤等による吸着状態での止め着けがなされている。
かかる両面粘着テープ等を用いた取り付け物品の粘着、止め着けにあっては、取り付け物品が、取り付け対象面に対して固定的に止着されることが無く、取り付け面においてずれ出し、あるいは取り付け面から引き剥がされる等の難がある。粘着面におけるずれ出し、あるいは引き剥しは、取り付け物品の重さ等に対応して、粘着面にもたらされる荷重が大きくなるほど顕著に生ずるとともに、粘着後の時間の経過に伴って、より顕著に生ずる難がある。
また、吸盤等の吸着機能を用いて、各種物品の取り付けをなす場合にあっては、この吸着対象とされる取り付け面の平滑性が特に厳格に要請され、物品の取り付け対象物が多くの制約を受けるという難がある。さらに、吸着機能による各種物品の取り付けにあっては、吸盤等の吸着具における構成素材の経時的な劣化により、吸着面における気密性が欠落する等の不都合を生じ易い。
このような状況から、本願出願人は、プラスチックフォームの吸着機能を利用した強粘構造を提案している(特許文献1を参照)。この強粘構造は、粘着剤層を備えるプラスチックフォーム材において、少なくとも粘着対象面に粘着される粘着剤層を備えた面に開口されている孔が、該プラスチックフォーム材の圧縮変形後における弾性復帰に伴って、前記粘着対象面に吸着する吸着機能を備えており、粘着剤層による粘着機能と、孔による吸着機能とが、同時に取付け物の取付け面に作用することとなり、取付け物を確実に止着状態に保持することができる特長を有している。
特許第3016730号公報
前記のように、特許文献1記載の強粘構造及びそれを備える粘着テープによれば、非常に強い接着固定力を得ることができ、しかも比較的簡単に剥がせ、剥離後に跡が残ることもない等、幾多の長所を有する。
本発明は、前記特許文献1記載の強粘構造を有する粘着テープより一層改良することを目的に提案されたものである。すなわち、本発明は、特許文献1記載の強粘構造よりも優れた接着力を実現することが可能な強粘着テープを提供することを目的とする。
本発明の強粘着テープは、粘着対象面に臨むように開口された孔が形成され該孔を構成する気泡の数が厚み方向で1つ乃至2つ程度となるような薄い厚みに形成されたプラスチックフォーム材と、前記孔に対応する位置に吸盤形状の凹部を形成するように前記プラスチックフォーム材の粘着対象面に備えられた粘着剤層とを有し、前記プラスチックフォーム材の圧縮変形にともなって前記凹部が略平面状に変形し、前記プラスチックフォーム材の弾性復帰に応じて吸着機能を有することを特徴とする。
本発明の強粘着テープによれば、粘着剤層の吸盤状の凹部による吸着機能により、粘着剤の粘着力と吸盤状の凹部の吸着力によって粘着対象物をより強く粘着することができる。
また、本発明の強粘着テープにおいて、前記凹部は、吸盤状であることを特徴とする。これにより、孔を粘着剤によって吸盤状とすることで、単なる吸着機能に比べせん断接着力が向上させることができる。
本発明の強粘着テープにおいて、前記プラスチックフォーム材をシート状基材上に形成されていることを特徴とする。また、本発明の強粘着テープにおいて、前記プラスチックフォーム材は、前記シート状基材の両面に粘着対象面を外側となるように形成されていることを特徴とする。これにより、両面に粘着することができる。
さらに、本発明の強粘着テープにおいて、前記粘着剤層と接して離型処理された剥離シートが設けられ、使用時に前記剥離シートが粘着剤層から剥離されることを特徴とする。これにより、粘着剤層の経時劣化や埃等の進入を防止することができ、粘着剤層の粘着力の低下を防ぐことができる。
本発明の強粘着テープによれば、粘着剤層の吸盤状の凹部による吸着機能により、粘着剤の粘着力と凹部の吸着力によって粘着対象物をより強く粘着することができる。また、孔を粘着剤によって吸盤状とすることで、従来のものに比べて著しく高いせん断接着力を実現することが可能である。
[実施の形態1]
以下、本発明の強粘着テープについて、図面を参照して詳細に説明する。この粘着テープの基本構成は、図1のように、シート状基材1と、粘着対象面に望むように開口される孔20及び内部に空間を有するプラスチックフォーム材2と、プラスチックフォーム材2の粘着対象面に形成される粘着剤層3と、粘着剤層と接して離型処理された剥離シート4とにより構成されている。
シート状基材1は、プラスチックフォーム材2と粘着剤層3とを有する強粘構造を備えるシート状の部材である。このシート状基材1は、粘着テープの用途に応じて材質等を適宜変更することができ、例えば、ポリエチレンテレフタレートといったポリマーを使用したシートとすることができる。さらに、例えばこのシート状基材1を非通気性の材料を使用することで、下記で説明する粘着剤層3の凹部30の気密性を高めることができ、吸着機能を高めることができる。
プラスチックフォーム材2は、内部や表面に孔20を有する多孔質構造で、粘着テープに対する押圧にともなって圧縮変形し、この押圧を解除した際に、押圧前の状態に弾性復帰する各種のプラスチックフォーム材である。例えば、ポリウレタンフォーム材、ポリエチレンフォーム材等が挙げられる。このプラスチックフォーム材は、実施の形態1のような粘着テープの場合、シート状基材1上に形成され、本発明の強粘構造の使用を容易にする。
このプラスチックフォーム材2は、図1のように、少なくとも粘着対象面に孔20が開口されている。この孔20は、プラスチックフォーム材2の形成時に形成された孔20であり、粘着対象面に限らず、プラスチックフォーム材2の内部に形成されている。
このプラスチックフォーム材2は、粘着テープに対する押圧時に変形し、その押圧が解除された際に弾性復帰するものであれば、いかなる態様の発泡体孔であってもよい。例えば、連続気泡タイプのプラスチックフォーム材、独立気泡タイプのプラスチックフォーム材、及び独立気泡と連続気泡との混在タイプのプラスチックフォーム材等、任意のフォ−ム材を用いることができる。
粘着剤層3は、粘着剤からなる層で、少なくとも、プラスチックフォーム材2の粘着対象面に形成されている。そして、この粘着剤層3は、プラスチックフォーム材2の粘着対象面にある孔20に対応する位置に凹部30が形成されている。
この凹部30は、プラスチックフォーム材2の孔20に孔20の大方を埋めるように粘着剤が入り込んでいる。そして、図2のように、凹部30の中心近傍が孔20に入り込むように凹部30の中心に向かって徐々に深くする。この吸盤状の凹部30は、粘着剤の量や層の厚さを調節して、このような形状いわゆる吸盤状となるように形成されている。この凹部30の吸着機能により粘着対象物を吸着することができる。そして、凹部30を吸盤状とすることで、凹部30と粘着対象物との気密性が高くなり、吸着力が向上する。したがって、吸盤としての機能が向上し、高いせん断接着力が実現され、粘着対象物をより強く粘着することができる。
この凹部30を吸盤状とするためには、プラスチックフォーム材2の孔20が気泡1つによって形成されている方が好ましい。あるいは、2つ以上の気泡が連なって形成された状態であっても、例えば気泡1つから2つ程度のあまり深くない孔20が好ましい。深すぎる孔の場合、粘着剤層3の形成時に凹部30の略中央のくぼみが深くなり、粘着対象物の粘着の際に凹部30が略平面となりにくくなり、凹部30の気密性が損なわれる。
したがって、気泡1つすなわち単独気泡タイプのフォーム材を使用するか、連続気泡タイプ又は混在タイプのフォーム材の場合、プラスチックフォーム材2の厚さを薄くしたものを使用することで好適となる。例えば、プラスチックフォーム材2の厚さを0.5mmから0.05mmとすることが好ましい。プラスチックフォーム材2の厚さを薄くすることで、単独の気泡を増加させることができ、2つ以上の気泡が連なって形成された孔20であっても、1つから2つ程度のあまり深くないものとなる。したがって、孔20の大部分を粘着剤によって埋めるのが容易となる。
粘着剤層3は、典型的には、溶剤タイプのウレタン系粘着剤、溶剤タイプのアクリル系粘着剤、あるいはエマルジョンタイプの酢酸ビニル系粘着剤等を用いることができる。例えば、粘着剤層3は、比較的粘性の強い粘着剤を、ローラーコーティング法等によって、プラスチックフォーム材2の貼着面に塗布することによって形成することができる。
また、この粘着剤層3の凹部30を非気密構造とすることで、より強い吸着機能が得られる。そのために、例えば、プラスチックフォーム材2の粘着対象面に、その形状に合わせ、粘着剤層3の凹部30の形成を阻害しない程度に薄く合成樹脂を塗布して、粘着剤層3の凹部30への通気を防ぐことができ、吸着機能が向上する。また、また、例えば、プラスチックフォーム材の貼着面以外の面に合成樹脂液を塗布し、貼着面以外の面を非通気性の樹脂コーティング面としても同様の効果が得られる。
剥離シート4は、粘着テープが粘着対象物に粘着する前に粘着剤層3に接するように設けられている。この剥離シート4は、すくなくとも、粘着剤層3と接する面に離型処理が施され、容易に粘着剤層3から剥離することができる。
このように形成される粘着テープは、粘着剤による粘着機能と、粘着剤層3に形成された凹部30の吸着機能とが、同時に粘着対象物5に作用し、粘着対象物相互を確実に粘着することができる。すなわち、この粘着テープは、プラスチックフォーム材2における粘着対象面、粘着剤層3の凹部30の開口周縁が、粘着剤によって、粘着対象面に対して粘着されることとなり、このプラスチックフォーム材2に吸着機能をもたらす孔の吸着面に対する気密状態での密着を可能としている。
上述のように構成される粘着テープにおいては、図2及び図3のように粘着対象物5を粘着テープの粘着機能と吸着機能とにより、強固に粘着することができる。図2は、粘着テープに粘着対象物5が粘着する前の状態を示す図であり、図3は、粘着対象物5の粘着テープに対する押圧によって、粘着テープに粘着させている状態を示す図である。
図2のように、粘着テープの粘着剤層3には、吸盤状の凹部30が形成されている。この粘着テープに粘着対象物5を粘着する際、剥離シート4を剥離し、表出した粘着剤層3に対する粘着対象物5の押圧によって、プラスチックフォーム材2が弾性圧縮する。このとき、プラスチックフォーム材2の孔20が変形する。そして、この孔20の対応する位置に形成されている吸盤状の凹部30が粘着対象物5に押し付けられる。
凹部30が粘着対象物5に押し付けられることで、図3のように、凹部30の粘着対象物5との接触部分が略平面となる。これにより、凹部30と粘着対象物5とが密着し、粘着対象物5が押し付ける前に存在した凹部30内の空気が外に逃げ、負圧となる。すなわち、粘着対象物5に対して凹部30が吸着する。したがって、粘着対象物5の粘着テープに対する押圧を解除しても、凹部30の吸着機能により、粘着対象物5を吸着することができる。また、同時に、粘着剤層30の粘着機能を有するため、粘着対象物5を粘着テープにより強固に粘着させることができる。また、凹部30が吸盤状であるため、せん断接着力が強い。
このようにして構成される粘着テープにおいては、粘着対象物に対して、圧縮後における弾性復帰に伴う孔の有する吸着機能と、この孔を有する面における粘着剤層による粘着機能とによって、強固な止着状態を作り出すことができる。そして、凹部30が吸盤としての機能を備えることで、せん断接着力が向上する。一方、凹部30は吸盤として機能するため、粘着対象物を粘着テープから引き剥がすことで容易に引き剥がすことができる。
[実施の形態2]
実施の形態1で説明した粘着テープは、片面の粘着テープに限られるものではなく、例えば、シート状基材の両面に粘着対象面を外側となるようにプラスチックフォーム材を有するような両面粘着テープであってもよい。
この両面粘着テープは、図4のように、シート状基材1の両面に、プラスチックフォーム材2と、粘着剤層3と、剥離シート4とを備えている。そして、プラスチックフォーム材2の粘着対象面には、孔20を備えている。そして、粘着剤層3は、その孔20の対応する位置に吸盤状の凹部30を備えている。尚、実施の形態2で説明する両面粘着テープの各部材は、同一の番号を付し、説明を省略する。
両面に強粘構造を備えた両面粘着テープとすることで、粘着テープの両側から2つの粘着対象物5の粘着テープに対する押圧によって、上述と同様に、粘着テープの粘着剤層30に2つの粘着対象物5が押し付けられる。2つの粘着対象物5が押し付けられることで、凹部30が粘着対象物5に対して略平面となり、吸着機能が生じ、粘着テープが粘着機能と吸着機能とによって強固に粘着する。また、凹部30が吸盤状であることで、せん断接着力が高くなる。また、粘着対象物5を両面粘着テープから引き剥がすことも容易である。
本発明の強粘着テープの一例である粘着テープを示す概略断面図である。 本発明の強粘着テープの一例である粘着テープの凹部を示す拡大断面図である。 本発明の強粘着テープの一例である粘着テープに粘着対象物を押し付けた状態を示す拡大断面図である。 本発明の強粘着テープの一例である両面粘着テープを示す概略断面図である。
1 シート状基材
2 プラスチックフォーム材
20 孔
3 粘着剤層
30 凹部
4 剥離シート

Claims (3)

  1. 略平面な粘着対象面に臨むように開口された孔が形成され、単独気泡若しくは連続気泡であっても該孔を構成する気泡の数が厚み方向で1つ乃至2つ程度となるように形成され、且つ0.5mm乃至0.05mmの厚みに形成されたプラスチックフォーム材と、
    前記孔の大部分を埋め込み、前記孔に対応する位置に中心に向かって徐々に深くされた吸盤形状の凹部を形成するように前記プラスチックフォーム材の粘着対象面に備えられた粘着剤層とを有し、
    前記粘着剤層と接して離型処理された剥離シートが設けられ、使用時に前記剥離シートが前記粘着剤層から剥離され
    前記プラスチックフォーム材の圧縮変形にともなって前記凹部が略平面状に変形し、前記プラスチックフォーム材の弾性復帰に応じて吸着機能を有することを特徴とする強粘着テープ。
  2. 前記プラスチックフォーム材をシート状基材上に形成していることを特徴とする請求項1記載の強粘着テープ。
  3. 前記プラスチックフォーム材は、前記シート状基材の両面に粘着対象面を外側となるように形成されていることを特徴とする請求項2記載の強粘着テープ。
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