JP5243089B2 - プラズマ処理装置のシール構造、シール方法およびプラズマ処理装置 - Google Patents

プラズマ処理装置のシール構造、シール方法およびプラズマ処理装置 Download PDF

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Description

本発明は、プラズマ処理装置のシール構造、シール方法およびプラズマ処理装置に関する。
集積回路や液晶、太陽電池など多くの半導体デバイスにプラズマ技術は広く用いられている。プラズマ技術は半導体製造過程の薄膜の堆積やエッチング工程などで利用されているが、より高性能かつ高機能な製品のために、例えば超微細加工技術など高度なプラズマ処理が求められる。特に、マイクロ波帯のプラズマを用いるマイクロ波プラズマ処理装置が注目されている。
プラズマ工程では安定したプラズマ形成が必須条件であるほか、安定したプラズマ発生のために、真空状態を保つことも大切である。プラズマ処理を行う際のシールは、発生室から外部への雰囲気漏れおよび発生室内への外部雰囲気の進入を防止し、発生室の密閉かつ真空状態を保つ役割を有する。一般的にシールに用いられるOリングは、プラズマ雰囲気に晒されると劣化しやすく、パーティクルの発生やシール性の低下が起こる。
特許文献1には、均一にプラズマ処理を行うプラズマ処理装置が記載されている。接地された反応容器の蓋を構成する上部電極により、導電性Oリングを介して反応容器を密閉させる。上部電極に反りが生じていても反応容器に電気的に接続され、反応容器は接地されるため、高周波として電気的乱れが生じずノイズが発生しないため、反応ガスは均一にプラズマ化され、均一なプラズマ流が生じそのため半導体ウェハは均一にプラズマ処理される。
また、特許文献2では、外部リークが発生した場合に早期に発見し、さらに被害を最小限にとどめる真空装置が記載されている。真空装置は、真空室と、真空室シール部と、真空室シール部と外気雰囲気との間の不活性ガス封入部とを備える。不活性ガス封入部は真空室のリークが起こった際に外部雰囲気が真空室に侵入することを防止する。不活性ガス封入部の圧力を監視する第1の圧力モニター機構と、真空室の圧力を監視する第2の圧力モニター機構とを備え、リークが発生した場合に早期に発見できる。
特許文献3は、耐蝕性を向上させると同時に、大気のチャンバ内に対する侵入を完全に防止し得る真空処理装置が記載されている。チャンバを形成する壁部材と天井板との当接部分に同心円状に形成した外溝及び内溝に外シール部材及び内シール部材をそれぞれ嵌入するとともに、これら外シール部材と内シール部材との間に連通する通路を形成し、この通路に大気圧を超える圧力を付与したヘリュウムガスを充填する。耐蝕性を向上させると同時に、大気のチャンバ内に対する侵入を完全に防止し得る。
さらに特許文献4では、Oリング劣化によるパーティクル発生を防止し、かつシール性低下を防いだプラズマプロセス装置が記載されている。反応室と搬送室の間にゲートバルブを設け、反応室側に金属メッシュ状のOリング、搬送室側にフッ素樹脂系のOリングを設けてプラズマ雰囲気を遮断する。
特開平6−112168号公報 特開2000−182958号公報 特開2004−99924号公報 特開2004−141803号公報
Oリングの劣化をできるだけ防止しシール性の低下を防ぐ方法として、Oリングを2重に設けて、各々のOリングに機能性を分ける方法が知られている。しかし、マイクロ波の遮断については考慮されていない。また、2重に設けたOリングとOリングの間に異常放電が発生し、プラズマが不安定になることが懸念される。
特許文献2ではOリングの劣化を検知し、真空室の漏れを防ぐことを重点に置いており、Oリングの劣化防止については特に対策されていない。特許文献3では不活性ガスを用いてプラズマ雰囲気からOリングを保護しているが、ガスをOリングから透過させるためには、比較的高価なヘリュウムガスを使用せざるを得ない。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、プラズマを安定させ、シール部材の劣化を防止することができるプラズマ処理装置のシール構造、シール方法およびプラズマ処理装置を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係るシール構造は、
プラズマ処理を行うプラズマ発生室の開口部を封止するシール構造であって、
前記開口部が形成された第1部材と、
前記開口部を封止する第2部材と、
前記第1部材および前記第2部材に接して配置される環状の第1のシール部材と、
前記第1部材および前記第2部材に接して、前記第1シール部材との間に間隙をあけて前記第1のシール部材を取り囲むように配置される環状の第2のシール部材と、
を備え、
前記第1部材または前記第2部材は、前記間隙に不活性ガスを注入するガス注入口が形成されており
前記第1部材または前記第2部材は、前記第1のシール部材の長手方向にほぼ直交する方向に、前記第1のシール部材に接する面に前記プラズマ発生室と前記間隙とを連通する溝が形成されている
とを特徴とする。
好ましくは、前記間隙は、異常放電が発生しない圧力の不活性ガスで満たされることを特徴とする。
好ましくは、前記第1部材または前記第2部材は、前記間隙の前記第1のシール部材と前記第2のシール部材との間に、前記第1または第2のシール部材の長手方向に沿って連続する凹部が形成されていることを特徴とする。
さらに、前記間隙の圧力を測定する圧力測定手段と、
前記圧力測定手段で測定した値が所定の範囲からはずれた場合に、前記第1のシール部材が劣化したと判断する劣化判定手段と、
を備えてもよい。
またさらに、前記間隙に注入する前記不活性ガスの量を測定するガス流量測定手段と、
前記ガス流量測定手段で測定した値が所定の範囲からはずれた場合に、前記第1のシール部材が劣化したと判断する劣化判定手段と、
を備えてもよい。
さらに、前記間隙の圧力を測定する圧力測定手段と、
前記圧力測定手段で測定した値が所定の範囲からはずれた場合に、前記第2のシール部材が劣化したと判断する劣化判定手段と、
を備えてもよい。
またさらに、前記間隙に注入する前記不活性ガスの量を測定するガス流量測定手段と、
前記ガス流量測定手段で測定した値が所定の範囲からはずれた場合に、前記第2のシール部材が劣化したと判断する劣化判定手段と、
を備えてもよい。
好ましくは、前記不活性ガスは、Ne(ネオン)、Ar(アルゴン)、Kr(クリプトン)、Xe(キセノン)もしくはN(窒素)のうちの任意の組み合わせの気体を含むことを特徴とする。
好ましくは、前記第2のシール部材は、導電性を有することを特徴とする。
さらに好ましくは、前記第2部材と前記第1部材との間に微小間隙を形成するための小片部材を備えることを特徴とする。
さらに、前記第2部材は、前記開口部を封止するゲートバルブであって
前記第1および第2のシール部材は、前記第1部材の前記開口部の周縁と前記ゲートバルブの弁体との間に位置することが好ましい。
またさらに、前記開口部は、前記プラズマ発生室上部に形成され、
前記第2部材は、前記開口部を封止する天板であって
前記第1および第2のシール部材は、前記開口部の周縁と前記天板との間に位置することが好ましい。
本発明の第2の観点に係るプラズマ処理装置のシール方法は、
プラズマ処理を行うプラズマ発生室の開口部を封止するシール方法であって、
前記開口部が形成された第1部材および前記開口部を封止する第2部材に接して配置される環状の第1のシール部材と、前記第1部材および前記第2部材に接して配置される環状の第2のシール部材とを、前記第2のシール部材が前記第1のシール部材を取り囲むように前記第1のシール部材と前記第2のシール部材との間に間隙をおいて、前記第1のシール部材の長手方向にほぼ直交する方向に、前記プラズマ発生室と前記間隙とを連通する溝が形成された面に、前記第1のシール部材が接するように、前記開口部の周縁で、前記第1部材および前記第2部材との間に圧接するステップと、
前記第1のシール部材と前記第2のシール部材との間の間隙に、不活性ガスを注入するステップと、
を備えることを特徴とする。
好ましくは、前記間隙に不活性ガスを注入するステップは、前記間隙内に異常放電が発生しない圧力で前記不活性ガスを注入することを特徴とする。
好ましくは、前記間隙に不活性ガスを注入するステップでは、前記第1のシール部材と前記第2のシール部材との間に、前記第1または第2のシール部材の長手方向に沿って連続して、前記第1部材または前記第2部材に形成された凹部に、前記不活性ガスを通じて、前記間隙の圧力一定に保つ、ことを特徴とする。
さらに、前記間隙の圧力を測定する圧力測定ステップと、
前記圧力測定ステップで測定した値が所定の範囲からはずれた場合に、前記第1のシール部材が劣化したと判断する劣化判定ステップと、
を備えてもよい。
またさらに、前記間隙に注入する前記不活性ガスの量を測定するガス流量測定ステップと、
前記ガス流量測定ステップで測定した値が所定の範囲からはずれた場合に、前記第1のシール部材が劣化したと判断する劣化判定ステップと、
を備えてもよい。
さらに、前記間隙の圧力を測定する圧力測定ステップと、
前記圧力測定ステップで測定した値が所定の範囲からはずれた場合に、前記第2のシール部材が劣化したと判断する劣化判定ステップと、
を備えてもよい。
またさらに、前記間隙に注入する前記不活性ガスの量を測定するガス流量測定ステップと、
前記ガス流量測定ステップで測定した値が所定の範囲からはずれた場合に、前記第2のシール部材が劣化したと判断する劣化判定ステップと、
を備えてもよい。
好ましくは、不活性ガスは、Ne(ネオン)、Ar(アルゴン)、Kr(クリプトン)、Xe(キセノン)もしくはN(窒素)であることを特徴とする。
本発明の第3の観点に係るプラズマ処理装置は、
プラズマ処理を行うプラズマ発生室と、
前記本発明の第1の観点に係るいずれかのシール構造と、
を備えることを特徴とする。
本発明のプラズマ処理装置のシール構造、シール方法およびプラズマ処理装置によれば、プラズマを安定させ、シール部材の劣化を防止することができる。
(実施の形態1)
以下、本発明に係るプラズマ処理装置のシール構造について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付し、その説明は繰り返さない。図1は、本発明の実施の形態に係るプラズマ処理装置の断面図である。例えば図1の破断部は搬送側につながっており、プラズマ発生室と搬送側はゲートバルブで仕切られる。図2(a)は、本発明の実施の形態1に係るプラズマ処理装置の開口部をシールするゲートバルブの断面図であり、図1の1点鎖線の囲み部分Vを示す。図2(b)はゲートバルブの弁体の部分平面図である。
プラズマ処理装置1は、プラズマ発生室(チャンバー)2と、天板3と、アンテナ4と、導波管5と、基板保持台6と、ガス導入口7と、から構成される。天板3は石英もしくはアルミナなどのマイクロ波を伝播する誘電体材料より形成される。アンテナ4は導波部(シールド部材)4a、ラジアルラインスロットアンテナ(RLSA)4b、遅波板(誘電体)4cからなる。遅波板4cはSiOやAlなどの誘電体材料から構成される。導波管5は外側導波管5aと内側導波管5bからなる同軸導波管である。
図2に示すゲートバルブは、バルブ弁体16と、バルブステム17と、バルブ弁体16に備えた環状のシール部材11、12と、からなる。シール部材11、12は、バルブ弁体16とプラズマ発生室2の隙間を密封する。シール部材11、12は、予めバルブ弁体16に溝を設けておき、その溝にシール部材11、12を嵌めることで、シール部材11、12の位置、および、バルブ弁体16とプラズマ発生室2を接触させる箇所の位置の固定をすることができる。シール部材11はプラズマ発生室2側にあり、直接プラズマ雰囲気に触れるが、シール部材12は搬送側にあり、プラズマ雰囲気に晒されない。例えば、シール部材11は耐プラズマ性および耐熱性を有するOリングなど、シール部材12は耐熱性およびシール性を有する導電性のOリングなどが用いられる。
シール部材11とシール部材12とは接しておらず、間隙Sが存在する。シール部材11を備えたバルブ弁体16は、シール部材11の長手方向に沿って複数のガス溝13が形成されている。ガス溝13は、シール部材11の長手方向にほぼ直交する方向に切られている。バルブ弁体16がシール部材11を間に挟んでプラズマ発生室2の開口部に押しつけられたときでも、ガス溝13が間隙Sとプラズマ発生室2を連通する。プラズマ発生室2の壁に、間隙Sにガスを注入するガス注入通路14が設けられる。プラズマ発生室2側に、シール部材11の長手方向に沿って連続する凹部15を備え、ガス注入通路14のガス排出口と凹部15を連結する。
プラズマ発生室2内に基板10を搬入した後、バルブステム17を上昇させ、プラズマ発生室2の開口部をバルブ弁体16で覆うようにゲートバルブを閉じる。シール部材11、12はプラズマ発生室2の外壁に密着して接する。プラズマ発生室2の上端部は天板3で塞がれており、プラズマ発生室2の内部を真空ポンプで圧力が10mPa〜数10Pa程度の真空状態にする。
天板3の上には、アンテナ4が結合されている。アンテナ4には、導波管5が接続されている。導波部4aは外側導波管5aに接続され、ラジアルラインスロットアンテナ4bは内側導波管5bに結合される。遅波板4cは、導波部4aとラジアルラインスロットアンテナ4bとの間にありマイクロ波波長を圧縮する。
マイクロ波源から導波管5を通してマイクロ波を供給する。マイクロ波は導波部4aとラジアルラインスロットアンテナ4bとの間を径方向に伝播し、ラジアルラインスロットアンテナ4bのスロットより放射される。マイクロ波は天板3を伝播して偏波面を有し、全体として円偏波を形成する。
プラズマ発生室2内にプラズマ8を形成する前に、シール部材11、12の間隙Sに、ガス注入通路14より不活性ガスを注入し、間隙Sおよび凹部15に不活性ガスを充填する。さらに、所定量以上の不活性ガスが、ガス溝13を通ってプラズマ発生室2側へ流出するように、注入するガス量を調整する。
不活性ガスは、アルゴン(Ar)またはキセノン(Xe)、および窒素(N)などで、プラズマ発生室2に導入するプラズマ形成時に使用する不活性ガスと同じ種類を用いてもよい。不活性ガスにヘリウム(He)を用いてもよいが高価であり、通常の製造工程での使用は不向きである。
プラズマ発生室2側にシール部材11の長手方向に沿って延びる凹部15を備える。ガスがシール部材11の長手方向に沿って流れる抵抗を小さくすることによって、ガス注入通路14が少なくても、ガス注入通路14から入ってくるガスの圧力をシール部材11、12周辺に安定して均一にかけることができる。間隙Sに注入するガスの量は、間隙S内で異常放電が発生しない圧力、好ましくは4000Pa以上になるようにする。例えば4000Paの圧力であれば、異常放電は見られない。このとき間隙Sはプラズマ発生室2内よりも圧力が高く、シール部材11が劣化しリークが発生した場合でも、プラズマ発生室2のガスが搬送側に漏れることはない。
プラズマ発生室2内にマイクロ波が給電されプラズマ8を生成するとき、ガス導入口7より、アルゴン(Ar)またはキセノン(Xe)、および窒素(N)などの不活性ガスを、必要に応じて水素などのプロセスガスとともに導入することにより、アルゴン(Ar)またはキセノン(Xe)プラズマを形成する。形成したプラズマ8で、基板保持台6に設置した基板10にプラズマ処理を施すことができる。
プラズマ8を形成している間、シール部材11の長手方向に沿って形成された複数のガス溝13から、プラズマ発生室2内に向かって不活性ガスが排出され続ける。間隙Sに供給する不活性ガスの量は、プラズマ発生室2内にプラズマを形成するために供給する不活性ガスの量より少量となるようにする。好ましくは3分の1程度である。シール部材11のプラズマ発生室2側に、不活性ガスの層が形成され、プラズマ雰囲気(ラジカル)および腐食性を有するガスからシール部材11を保護する。シール部材12も、間隙S内にある不活性ガスで保護されプラズマ雰囲気(ラジカル)に晒されないので、劣化を防ぐことができる。さらに、シール部材12は導電性を有する材料でできておりマイクロ波を遮断するので、搬送側へマイクロ波が漏洩するのを防止することができる。
(実施の形態1の変形例1)
図3は、本発明の実施の形態1の変形例1に係るシール構造を示すゲートバルブの断面図である。間隙Sに接する面に圧力センサ20を備え、判定部21、制御部22と連結している。他は、実施の形態1と同様である。制御部22はコンピュータなどの演算処理装置と、処理プログラムなどを記憶しているROM等から構成され、プラズマ処理装置1全体と、構成している個々のシステムを制御する。
間隙Sと凹部15に不活性ガスが充填された状態に、不活性ガスを注入し続けることで、ガス溝13からプラズマ発生室2内に向かって連続して不活性ガスが排出される。不活性ガスの収支が一定であれば、圧力は一定に保たれる。
圧力センサ20は、間隙Sの圧力を測定し、測定した数値は判定部21にデータとして送られる。シール部材11が劣化した場合、ガス溝13だけでなく劣化した部分からも不活性ガスが排出され、間隙S内の圧力は小さくなる。判定部21に予め所定の範囲を設定しておくことで、範囲から外れた場合にはシール部材11が劣化したものと判断される。間隙S、もしくは間隙Sと凹部15を合わせた空間は、プラズマ発生室2に比べて十分に容積が小さく、わずかな圧力差でも測定できるので、劣化を検知しやすい。
判定部21で所定の範囲内であると判断された場合は、そのまま作業が行われる。所定の範囲から外れた場合は、判定部21でシール部材11の劣化と判定され、情報が制御部22へ送られる。プラズマ処理装置1は制御部22によりシステムが作動し、例えば、装置の一時停止や、ブザーによる異常音の発生などで、シール部材11の劣化を知ることが出来る。
また、圧力センサ20に替えて、間隙Sに供給する不活性ガスの量を測定する流量測定手段を備えてもよい。このとき、判定部21は、ガス流量が所定の範囲を超えた場合にシール部材11が劣化したと判定する。さらに判定部21を制御部22と連動させておくことで、シール部材11の劣化を検出した際にプラズマ処理装置1を一時停止し、シール部材11の交換を行うなどの対応ができる。
また、シール部材11のみならず、シール部材12の劣化を判断することも可能である。シール部材12は、直接プラズマ雰囲気に晒されないので、シール部材11と比較して、耐久期間は長く、交換頻度は少ない。しかし所定期間経過後は劣化のおそれがある。プラズマ処理を行う際、プラズマ発生室2を封止した状態で、真空ポンプで所定の圧力まで下げる必要がある。時間経過により、プラズマ発生室2の圧力が高くなるようであれば、シール部材12の劣化が原因と判断できる。
また、圧力センサ20で間隙Sの圧力を測定することで、シール部材12の劣化を早い段階で見つけることも可能である。間隙Sと凹部15に不活性ガスが充填された状態で、不活性ガスの注入量を一定とし、排出量も一定であれば、圧力は一定に保たれるはずである。間隙Sの圧力は4000Pa程度であり、搬送側の圧力は、大気圧もしくは大気圧より低い圧力であり、間隙Sの圧力に比べて充分に大きい。シール部材12が劣化した場合は、搬送側より間隙Sに向けてガスが移動し、間隙S内の圧力が高くなる。間隙S内の圧力が所定の範囲より大きくなった場合は、シール部材12が劣化したものと判断される。
シール部材12についても、シール部材11と同様に、圧力を検出した検出結果は判定部21で判定され、情報が制御部22へ送られる。劣化と判断された場合は、プラズマ処理装置1は制御部22によりシステムが作動し、例えば、装置の一時停止や、ブザーによる異常音の発生などで、シール部材12の劣化を知ることが出来る。ここでは、圧力センサ20について説明したが、間隙Sに供給する不活性ガスの量を測定する流量測定手段を備えてもよい。
(実施の形態1の変形例2)
図4は、本発明の実施の形態1の変形例2に係るシール構造を示すゲートバルブの平面図および断面図で、プラズマ発生室2とゲートバルブのバルブ弁体16との間に、スペーサを備えた場合である。図4(a)は、バルブ弁体16の周縁部に環状のスペーサ24を備えた場合のバルブの平面図であり、図4(b)は、その断面図である。図4(c)は、プラズマ発生室2の開口部に近い部分のバルブ弁体16に、小片のスペーサ25を複数備えた場合のバルブの平面図であり、図4(b)は、その断面図である。
直接、プラズマ発生室2とバルブ弁体16が接触した場合、それらの摩擦によるパーティクルの発生や、充分にシール性を確保できないなどのおそれがある。プラズマ発生室2とバルブ弁体16とを、直接に接触することなく、シール部材11、12を介して接触させる必要がある。
プラズマ処理を行うときは、プラズマ発生室2の開口部をバルブ弁体16で覆うようにゲートバルブを閉じ、プラズマ発生室2の内部を真空ポンプで圧力が10mPa〜数10Pa程度の真空状態にする。搬送側の圧力は、大気圧と同等もしくはそれ以下ではあるが、プラズマ発生室2内に比べて充分に圧力は高いので、プラズマ発生室2の開口部を覆うバルブ弁体16は、搬送側からプラズマ発生室2へ圧力がかかり、プラズマ発生室2の外壁に押しつけられる。
バルブ弁体16のシール部材11、12はプラズマ発生室2の外壁に密着して接し、このとき、シール部材11、12は適度に圧縮される。シール部材11、12が劣化する、もしくは、バルブ弁体16にかかる圧力が大きく、シール部材11、12が所定の大きさよりも圧縮された場合は、プラズマ発生室2とバルブ弁体16とが接触するおそれがある。このとき、バルブ弁体16に備えたスペーサ24、25により、プラズマ発生室2とバルブ弁体16に、所定の間隙を形成することができ、接触を防止することができる。
また、プラズマ処理において、プラズマ発生室2内の温度が上昇し、シール部材11、12が熱により膨張するおそれがある。このような場合においても、プラズマ発生室2の密封性を保つために、シール部材11、12は充分なシール性を具備する必要がある。そのためスペーサ24、25により形成される間隙は、プラズマ発生室2の昇温時に、プラズマ発生室2とバルブ弁体16との間隔が0.3mm以下(0.1〜0.3mm程度)になるように設定するのが望ましい。
スペーサ24、25は、図4(a)、(b)のように、環状のものを用いてもよく、また、図4(c)、(d)のように、小片のものでもよい。また、取り付ける位置についても、バルブ弁体16の周縁部や、中心の開口部を覆う位置に近い場所であってもよく、また、バルブ弁体16側ではなく、プラズマ発生室2側に備えてもよい。例えば、スペーサ24、25は、耐熱性と硬化性を備えたものであればよい。
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2に係るプラズマ処理装置の開口部をシールする天板の断面図であり、図1の1点鎖線の囲み部分Cを示す。(a)は、天板にシール部材を2つ備えた場合である。(b)は(a)の変形例であり、天板とプラズマ発生室にシール部材を各々1つ備えた場合である。(c)は(b)のM−M線断面図を示す。プラズマ処理装置1は、実施の形態1と同じであり、搬送側は塞がれていればよく、プラズマ発生室は上端のみが開口する箱型でも構わない。
プラズマ発生室2に基板10を搬入した後に、搬送側が開いている場合は塞ぐ。その後、真空ポンプでプラズマ発生室2内を真空状態にし、シール部材11とシール部材12の間隙Sに不活性ガスを充填する。天板3にシール部材11の長手方向に沿って延びる凹部15を備える。ガスがシール部材11の長手方向に沿って流れる抵抗を小さくすることによって、ガス注入通路14が少なくても、ガス注入通路14から入ってくるガスの圧力をシール部材11、12周辺に安定して均一にかけることができる。図5(b)のように凹部15を備えない場合であっても、シール部材11とシール部材12を離して間隙Sを大きく設けることで、シール部材11およびシール部材12に安定した均一な圧力がかけられる。
間隙Sとプラズマ発生室2を連通するガス溝13からプラズマ発生室2へ不活性ガスが排出され続けるようにガス導入量を調整する。このとき間隙Sに注入するガスの量は、間隙S内で異常放電が発生しない圧力、例えば4000Paに保つ。異常放電による基板10への物理的または電気的なダメージを防ぎ、プラズマが不安定になるのを防止する。
プラズマを形成している間、図5(c)で示したように、シール部材11の長手方向に沿って形成された複数のガス溝13から、プラズマ発生室2内に向かって不活性ガスが排出され続ける。シール部材11のプラズマ発生室2側に、不活性ガスの層が形成され、プラズマ雰囲気(ラジカル)および腐食性を有するガスからシール部材11を保護する。シール部材12も、間隙S内にある不活性ガスで保護されプラズマ雰囲気(ラジカル)に晒されないので、劣化を防ぐことができる。
天板3は誘電体でできておりマイクロ波を伝播する。シール部材12は導電性でできておりマイクロ波を遮断し、かつ、プラズマ発生室2と電気的に接続されるので、ノイズが生じず、プラズマ流が乱れることなく安定してプラズマが発生する。
実施の形態2においても、実施の形態1の変形例1で示したように、間隙Sに接する面に圧力センサ20を備えてもよい。圧力センサ20は、判定部21および制御部22に連結してあるので、設置する場所は、プラズマ発生室2の方が天板3よりも好ましい。圧力センサ20に替えて、間隙Sに供給する不活性ガスの量を測定する流量測定手段を備えてもよい。
さらに、実施の形態2においても、実施の形態1の変形例2で示したように、開口部を封止する閉塞部材(天板3)と、プラズマ発生室2との間に微小間隙を形成するためのスペーサ24、25を備えてもよい。スペーサ24、25により形成されるプラズマ発生室2と天板3との間隙は、プラズマ処理時においても充分にシール性を保つことができる大きさ(0.1〜0.3mm程度)であることが望ましい。また、スペーサ24、25の形状は、小片や環状など、設置する条件に合わせて自由に選択でき、スペーサ24、25を設置する場所についても、天板3であってもよく、プラズマ発生室2であってもかまわない。
本発明の実施の形態1および2では、間隙Sに供給する不活性ガスは、アルゴン(Ar)またはキセノン(Xe)、および窒素(N)の他、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、クリプトン(Kr)でもよい。
また、シール部材11、12は、両方をプラズマ発生室2の外壁に備えてもよく、ゲートバルブのバルブ弁体16に備えてもよく、プラズマ発生室2とバルブ弁体16に分けて備えてもよい。天板3についても同様に、シール部材11、12は、プラズマ発生室2もしくは天板3に両方備えることや、プラズマ発生室2と天板3に分けて備えることができる。
さらに、間隙Sとプラズマ発生室2を連通するガス溝13、および間隙Sの空間を大きくするための凹部15を備える場所についても、プラズマ発生室2側に限らず、バルブ弁体16もしくは天板3に設けることができる。凹部15の大きさや形状についても、実施の形態の例に限定されない。また、シール部材11とシール部材12を離して設置したり、シール部材11、12の嵌入部を大きくしたりすることで、凹部15を備えていなくても、シール部材11、12周辺に安定した均一な圧力がかけられる場合がある。
さらに、間隙Sにガスを供給するガス注入通路14は、プラズマ発生室2側ではなく、バルブ弁体16に備えることができる。
環状のシール部材11、12の形状はOリングの他に、断面がD型や角丸四角形などであってもよい。素材についても、機能性を有する樹脂製や金属製など、実施の形態の例に限定されず、任意に選択が可能である。
本発明の実施の形態では、プラズマ処理装置としたが、プラズマ処理を施す処理ユニットであって、半導体製造装置の中の1つの処理ユニットの場合でもよい。プラズマ処理はプラズマCVDの他、エッチングやスパッタリングなどがある。さらに、プラズマ処理を施す基板は半導体基板などに限定されない。プラズマ発生室を有する装置のプラズマ発生室の開口部をシールする場合に有用であり、実施の形態の例に限定されずに適用できる。
本発明の実施の形態に係るプラズマ処理装置の断面図である。 本発明の実施の形態1に係るプラズマ処理装置のシール構造であるゲートバルブを示す。(a)は図1の装置開口部の1点鎖線囲み部分Vを示す断面図であり、(b)はゲートバルブの弁体の部分平面図である。 本発明の実施の形態1の変形例1に係るシール構造を示すゲートバルブの断面図である。 本発明の実施の形態1の変形例2に係るシール構造を示すゲートバルブの平面図および断面図である。 本発明の実施の形態2に係るプラズマ処理装置のシール構造である天板を示す。(a)は図1の装置開口部の1点鎖線囲み部分Cを示す断面図であり、(b)はその変形例を示す。(c)は(b)のM−M線断面図である。
符号の説明
1 プラズマ処理装置
2 プラズマ発生室(チャンバー)
3 天板
11、12 シール部材
13 ガス溝
14 ガス注入通路
15 凹部
16 バルブ弁体
20 圧力センサ
21 判定部
22 制御部
24、25 スペーサ
S 間隙

Claims (21)

  1. プラズマ処理を行うプラズマ発生室の開口部を封止するシール構造であって、
    前記開口部が形成された第1部材と、
    前記開口部を封止する第2部材と、
    前記第1部材および前記第2部材に接して配置される環状の第1のシール部材と、
    前記第1部材および前記第2部材に接して、前記第1シール部材との間に間隙をあけて前記第1のシール部材を取り囲むように配置される環状の第2のシール部材と、
    を備え、
    前記第1部材または前記第2部材は、前記間隙に不活性ガスを注入するガス注入口が形成されており
    前記第1部材または前記第2部材は、前記第1のシール部材の長手方向にほぼ直交する方向に、前記第1のシール部材に接する面に前記プラズマ発生室と前記間隙とを連通する溝が形成されている
    とを特徴とするプラズマ処理装置のシール構造。
  2. 前記間隙は、異常放電が発生しない圧力の不活性ガスで満たされることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置のシール構造。
  3. 前記第1部材または前記第2部材は、前記間隙の前記第1のシール部材と前記第2のシール部材との間に、前記第1または第2のシール部材の長手方向に沿って連続する凹部が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のプラズマ処理装置のシール構造。
  4. 前記間隙の圧力を測定する圧力測定手段と、
    前記圧力測定手段で測定した値が所定の範囲からはずれた場合に、前記第1のシール部材が劣化したと判断する劣化判定手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置のシール構造。
  5. 前記間隙に注入する前記不活性ガスの量を測定するガス流量測定手段と、
    前記ガス流量測定手段で測定した値が所定の範囲からはずれた場合に、前記第1のシール部材が劣化したと判断する劣化判定手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置のシール構造。
  6. 前記間隙の圧力を測定する圧力測定手段と、
    前記圧力測定手段で測定した値が所定の範囲からはずれた場合に、前記第2のシール部材が劣化したと判断する劣化判定手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置のシール構造。
  7. 前記間隙に注入する前記不活性ガスの量を測定するガス流量測定手段と、
    前記ガス流量測定手段で測定した値が所定の範囲からはずれた場合に、前記第2のシール部材が劣化したと判断する劣化判定手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置のシール構造。
  8. 前記不活性ガスは、Ne(ネオン)、Ar(アルゴン)、Kr(クリプトン)、Xe(キセノン)もしくはN2(窒素)のうちの任意の組み合わせの気体を含むことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置のシール構造。
  9. 前記第2のシール部材は、導電性を有することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置のシール構造。
  10. 前記第2部材と前記第1部材との間に微小間隙を形成するための小片部材を備えることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置のシール構造。
  11. 前記第2部材は、前記開口部を封止するゲートバルブであって
    前記第1および第2のシール部材は、前記第1部材の前記開口部の周縁と前記ゲートバルブの弁体との間に位置する
    ことを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置のシール構造。
  12. 前記開口部は、前記プラズマ発生室上部に形成され、
    前記第2部材は、前記開口部を封止する天板であって
    前記第1および第2のシール部材は、前記開口部の周縁と前記天板との間に位置する
    ことを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置のシール構造。
  13. プラズマ処理を行うプラズマ発生室の開口部を封止するシール方法であって、
    前記開口部が形成された第1部材または前記開口部を封止する第2部材に接して配置される環状の第1のシール部材と、前記第1部材または前記第2部材に接して配置される環状の第2のシール部材とを、前記第2のシール部材が前記第1のシール部材を取り囲むように前記第1のシール部材と前記第2のシール部材との間に間隙をおいて、前記第1のシール部材の長手方向にほぼ直交する方向に、前記プラズマ発生室と前記間隙とを連通する溝が形成された面に、前記第1のシール部材が接するように、前記開口部の周縁で、前記第1部材および前記第2部材との間に圧接するステップと、
    前記第1のシール部材と前記第2のシール部材との間の間隙に、不活性ガスを注入するステップと、
    を備えることを特徴とするプラズマ処理装置のシール方法。
  14. 前記間隙に不活性ガスを注入するステップは、前記間隙内に異常放電が発生しない圧力で前記不活性ガスを注入することを特徴とする請求項13に記載のプラズマ処理装置のシール方法。
  15. 前記間隙に不活性ガスを注入するステップでは、前記第1のシール部材と前記第2のシール部材との間に、前記第1または第2のシール部材の長手方向に沿って連続して、前記第1部材または前記第2部材に形成された凹部に、前記不活性ガスを通じて、前記間隙の圧力一定に保つ、ことを特徴とする請求項13または14に記載のプラズマ処理装置のシール方法。
  16. 前記間隙の圧力を測定する圧力測定ステップと、
    前記圧力測定ステップで測定した値が所定の範囲からはずれた場合に、前記第1のシール部材が劣化したと判断する劣化判定ステップと、
    を備えることを特徴とする請求項13ないし15のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置のシール方法。
  17. 前記間隙に注入する前記不活性ガスの量を測定するガス流量測定ステップと、
    前記ガス流量測定ステップで測定した値が所定の範囲からはずれた場合に、前記第1のシール部材が劣化したと判断する劣化判定ステップと、
    を備えることを特徴とする請求項13ないし15のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置のシール方法。
  18. 前記間隙の圧力を測定する圧力測定ステップと、
    前記圧力測定ステップで測定した値が所定の範囲からはずれた場合に、前記第2のシール部材が劣化したと判断する劣化判定ステップと、
    を備えることを特徴とする請求項13ないし17のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置のシール方法。
  19. 前記間隙に注入する前記不活性ガスの量を測定するガス流量測定ステップと、
    前記ガス流量測定ステップで測定した値が所定の範囲からはずれた場合に、前記第2のシール部材が劣化したと判断する劣化判定ステップと、
    を備えることを特徴とする請求項13ないし17のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置のシール方法。
  20. 前記不活性ガスは、Ne(ネオン)、Ar(アルゴン)、Kr(クリプトン)、Xe(キセノン)もしくはN2(窒素)のうちの任意の組み合わせの気体を含むことを特徴とする請求項13ないし請求項19のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置のシール方法。
  21. プラズマ処理を行うプラズマ発生室と、
    請求項1ないし12のいずれか1項に記載のシール構造と、
    を備えることを特徴とするプラズマ処理装置。
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