JP5246935B2 - 画像記録装置及び画像記録方法 - Google Patents

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Description

本発明は、画像記録装置及び画像記録方法に係り、特に副走査方向に記録媒体を間欠的に送りながら記録ヘッド主走査方向に走査させて画像記録を行うシリアル走査方式の画像記録技術に関する。
画像やテキストなどの汎用の出力装置として、インクジェット記録装置が好適に用いられる。インクジェット記録装置を用いた画像記録では、画像データに応じてインクジェットヘッドに設けられた複数のノズルからインクを吐出して、記録媒体上に所望の画像を形成する。
インクジェット記録装置には、主走査方向への画像記録と副走査方向への記録媒体の間欠送りとを交互に繰り返して画像記録を行うシリアル走査方式を適用した構成が実用化されている。シリアル走査方式の画像記録では、ノズルピッチ間を複数回の主走査により記録を行う「インターレース方式」や、1回の主走査により画像記録が可能な領域に対して複数回の主走査により画像記録を行う「マルチスキャン方式」といった技術を用いて、ノズルの吐出特性(インクの吐出方向)のバラつきによる周期的な濃度ムラの発生を抑制する技術が用いられている。
インクジェットヘッドは未使用期間が長くなるとノズル内のインクが凝固して目詰まりが発生する可能性が高くなる。このような状態になるとそのノズルからインクを吐出させることができなくなり、記録画像の品質に大きな影響を及ぼしてしまう。このような吐出異常が発生すると、ノズル内に詰まったインクを除去して当該ノズルを正常な状態に回復させる回復処理が施される。一方、回復処理を施しても回復しないノズルが存在することがあり、このような場合に対応するための様々な方法が提案されている。
例えば、テストパターンを用いて不吐出ノズルを特定し、不吐出ノズルの近傍のノズルから吐出されるインク液滴の量や吐出方向を変更し、不吐出ノズルによって本来形成されるべきドットを他のノズルにより補間する方法が挙げられる。
特許文献1には、記録ヘッドの中の不吐出ノズルを判断して記憶しておき、不吐出ノズルでの印刷を行わず、印刷できるノズルブロックの最も長く連続したノズルブロック群をして印刷をおこなう印刷装置が記載されている。
特許文献2には、複数のドット印刷手段(ノズル)のうち、一つ又は複数のドット印字手段の印字機能が不良になったことを指示し、指示されたドット印字手段を除いた他のドット印字手段によってドット抜けのない印字を行うように副走査方向の改行幅を制御するプリンタが記載されている。
また、インクジェットヘッドに設けられるノズルは、製造時の加工バラつきに起因する固有の吐出特性のバラつきを持っている。例えば、開口部の向きのバラつき、形成位置のバラつき、及び大きさのバラつきによって、吐出方向、ドット形成位置、吐出量にバラつきが生じる。このようなノズル固有の吐出特性のバラつきに起因したスジ状のムラが発生することがあり、画像品質を大きく劣化させる原因となっている。具体的には、隣接するノズルが互いに反対の吐出方向のバラつきを持つようなノズル同士の相性が悪い場合などが考えられる。このような場合には、周辺のノズルを利用して補間を行う方法や、マルチパス方式における他の走査において補間を行うなどの方法により対処している。
特許文献3には、テストパターンを用いてスジムラの発生を防止するように副走査方向の送り量を補正する方法として、インターレース記録モードで記録を行うプリンタにおいて、テストパターンの印刷結果を調べることによって各紙送り量の補正値を決定し、その補正値にしたがってインターレース記録モードの画像記録を行う紙送り誤差の補正方法が記載されている。
特開平7−314737号公報 特開平7−314784号公報 特開2003−11344号公報
しかしながら、不吐出ノズルの近傍のノズルから吐出されるインク液滴の量や吐出方向を変更して、不吐出ノズルが担う打滴を他のノズルにより行う方法では、補正打滴を行うノズルが吐出異常になった場合など、補正打滴を行うノズルの吐出状態によっては補正を行うことができないことがあり得る。
また、特許文献1,2に記載された方法では、不吐出になったノズルの周辺の多数のノズルが使用されないために、印刷効率(生産効率)が低下してしまう。また、特許文献3に記載された方法では、吐出特性のバラつきがある程度大きくなると、紙送り量の補正では十分な効果を得ることができない場合があり得る。
特許文献3に記載された画像記録方法は紙送り誤差に着目したものであり、ノズルの吐出異常や吐出特性のバラつきに応じて紙送り量を制御するものではなく、かかる画像記録方法によってノズルの吐出異常や吐出特性のバラつきによる画像品質の低下を防止することは困難である。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、記録素子の異常発生や記録素子固有の特性のバラつきによる画像品質の低下を防止して好ましい画像記録を実現する画像記録装置及び画像記録方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る画像記録装置は、副走査方向に所定の配置間隔で並べられた記録素子列を一列以上有する記録ヘッドと、主走査方向における複数回の走査によって同一の主走査線の記録を行うように前記記録ヘッドを主走査方向に走査させる走査手段と、前記記録ヘッドと記録媒体を副走査方向に相対的に搬送する搬送手段と、同一の主走査線の記録において複数の記録素子を用いて記録を行うように前記記録ヘッドを制御する記録制御手段と、前記記録素子の状態に基づき同一の主走査線の記録を行う記録素子の組み合わせを選択する記録素子選択手段と、前記記録素子選択手段によって選択された記録素子の組み合わせ対応する副走査方向の送り量の組み合わせを決定し、該副走査方向の送り量の組み合わせに基づいて前記搬送手段を制御する搬送制御手段と、を備え、前記記録素子選択手段は、記録特性が類似している記録素子同士を同一の主走査線の記録を行う記録素子に選択することを特徴とする。
本発明によれば、複数回の走査によって同一の主走査線の記録を行うマルチパス方式の画像記録において、記録素子の状態に応じて同一の主走査線の記録を行うノズルの組み合わせを選択するとともに、選択されたノズルの組み合わせに適した副走査送り制御が行われるので、記録ヘッドの不良率が低減化され、記録画像の品質の低下が防止される。また、記録特性が類似せず異なる場合には、周期的な記録位置ズレが生じ、結果としてスジ状の濃度ムラの発生原因となり得るが、記録特性が類似している記録素子同士を用いて同一走査線の記録を行うことで、周期的な記録位置ズレを抑制し、結果としてスジ状の濃度ムラの発生が抑制される。
以下添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
〔インクジェット記録装置の全体構成〕
図1は、本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置10の全体構成を示す概略図である。
同図に示すように、インクジェット記録装置10は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の色インク毎に設けられた複数のインクジェットヘッド(図1中不図示、図2に符号12K,12C,12M,12Yを付して図示)を有する印字部12と、各ヘッドに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14と、記録紙16を供給する給紙部18と、記録紙16のカールを除去するデカール処理部20と、前記印字部12のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙16の平面性を保持しながら記録紙16を搬送する吸着ベルト搬送部22と、印字部12による印字結果を読み取る印字検出部24と、印画済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部26と、を備えている。
図1では、給紙部18の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図1のように、裁断用のカッター28が設けられており、該カッター28によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター28は、記録紙16の搬送路幅以上の長さを有する固定刃28Aと、該固定刃28Aに沿って移動する丸刃28Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃28Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃28Bが配置されている。なお、カット紙を使用する場合には、カッター28は不要である。
複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコードあるいは無線タグ等の情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される用紙の種類を自動的に判別し、用紙の種類に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
給紙部18から送り出される記録紙16はマガジンに装填されていたことによる巻き癖が残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部20においてマガジンの巻き癖方向と逆方向に加熱ドラム30で記録紙16に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
デカール処理後、カットされた記録紙16は、吸着ベルト搬送部22へと送られる。吸着ベルト搬送部22は、ローラ31、32間に無端状のベルト33が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部12のノズル面に対向する部分が平面をなすように構成されている。
ベルト33は、記録紙16の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引孔(不図示)が形成されている。図1に示したとおり、ローラ31、32間に掛け渡されたベルト33の内側において印字部12のノズル面に対向する位置には吸着チャンバー34が設けられており、この吸着チャンバー34をファン35で吸引して負圧にすることによってベルト33上の記録紙16が吸着保持される。
ベルト33が巻かれているローラ31、32の少なくとも一方にモータ(図1中不図示、図6に符号88を付して図示)の動力が伝達されることにより、ベルト33は図1において、時計回り方向に駆動され、ベルト33上に保持された記録紙16は紙搬送方向(副走査方向;図1の右方向)に搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト33上にもインクが付着するので、ベルト33の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部36が設けられている。ベルト清掃部36の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、吸水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、あるいはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラ線速度を変えると清掃効果が大きい。
なお、吸着ベルト搬送部22に代えて、ローラ・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラ・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面にローラが接触するので、画像が滲み易いという問題がある。従って、本例のように、印字領域では画像面と接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
吸着ベルト搬送部22により形成される用紙搬送路上において印字部12の上流側には、加熱ファン40が設けられている。加熱ファン40は、印字前の記録紙16に加熱空気を吹きつけ、記録紙16を加熱する。印字直前に記録紙16を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
インク貯蔵/装填部14は、印字部12の各ヘッドに対応する色のインクを貯蔵するタンク(メインタンク)を有している。また、インク貯蔵/装填部14は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段等)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
印字検出部24は、印字部12の打滴結果を撮像するためのイメージセンサ(ラインセンサ等)を含み、該イメージセンサによって読み取った打滴画像からノズルの目詰まりその他の吐出不良や各ノズルの打滴速度(吐出特性)のバラつきをチェックする手段として機能する。
本例の印字検出部24は、記録紙16の画像記録幅よりも幅の広い受光素子列を有するラインセンサで構成される。このラインセンサは、赤(R)の色フィルタが設けられた光電変換素子(画素)がライン状に配列されたRセンサ列と、緑(G)の色フィルタが設けられたGセンサ列と、青(B)の色フィルタが設けられたBセンサ列とからなる色分解ラインCCDセンサで構成されている。なお、ラインセンサに代えて、受光素子が二次元配列されて成るエリアセンサを用いることも可能である。
印字検出部24は、各色のヘッドにより印字されたテストパターンを読み取り、各ヘッドの吐出検出を行う。吐出判定は、吐出の有無、ドットサイズの測定、ドット着弾位置の測定等で構成される。また、印字検出部24の読取結果に基づきノズルの打滴速度のバラつきが判断される。
印字検出部24の後段には、加熱ファン40が設けられている。後乾燥部42は、印字された画像面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けたほうが好ましいので、熱風を吹きつける方式が好ましい。
多孔質のペーパに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。
後乾燥部42の後段には、加熱・加圧部44が設けられている。加熱・加圧部44は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラ45で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
このようにして生成されたプリント物は、排紙部26から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置10では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部26A、26Bへと送るために排紙経路を切り換える選別手段(不図示)が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)48によってテスト印字の部分を切り離す。カッター48は、排紙部26の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に、本画像とテスト印字部を切断するためのものである。カッター48の構造は前述した第1のカッター28と同様であり、固定刃48Aと丸刃48Bとから構成されている。また、図示を省略したが、本画像の排出部26Aには、オーダー別に画像を集積するソーターが設けられている。
本実施形態では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態には限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタ等のライト系インクを吐出するヘッドを追加する構成も可能である。
図2は、インクジェット記録装置10の印字部12の周辺の構成を示した概略構成図である。インクジェット記録装置10は、ガイドレール13によって案内された状態で記録紙16の紙幅方向(主走査方向)に往復移動可能なキャリッジ15を備えている。このキャリッジ15上には、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の各色インクにそれぞれ対応するヘッド12K、12C、12M、12Yが搭載される。
本例に示すインクジェット記録装置10は、各ヘッド12K、12C、12M、12Yを搭載したキャリッジ15を主走査方向に走査させながら、各ヘッド12K、12C、12M、12Yのノズルからそれぞれ対応する色インクのインク滴を吐出させて主走査方向について画像記録を行い、1回の主走査方向の画像記録の後に記録紙16を副走査方向に所定量だけ搬送し、その後、次の主走査方向への画像記録を行い、この動作を繰り返して記録紙16上に所望の画像を記録するシリアル走査方式が適用される。
また、複数回の主走査により1つの主走査線を記録するマルチスキャン方式、及び副走査方向のノズルピッチ間を複数回の主走査により記録を行うインターレース方式が適用される。
〔ヘッドの構造〕
次に、ヘッド12K、12C、12M、12Yの構造について説明する。色別のヘッド12K,12C,12M,12Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号50によってヘッドを示すものとする。
図3は、ヘッド50の立体構造を示す断面図である。同図に示すように、各ヘッド50は、インクを吐出する複数のノズル51と、複数のノズル51のそれぞれとに対応して設けられる圧力室(液室)52と、各圧力室52と連通して各圧力室52へインクを分配供給する共通流路55と、を備えている。また、圧力室52の内部には、発熱素子としてのヒータ58を備えており、ヒータ58で生じる熱エネルギーを利用してノズル51からインク滴を吐出させる。
なお、図3に示すヒータ58の熱エネルギーを利用したサーマル方式に変わり、圧電素子の変形による機械的エネルギーを圧力室52内のインク付与するピエゾジェット方式を適用してもよい。
図4は、ピエゾジェット方式が適用されたヘッド50の断面図である。なお、図4中、図3と同一又は類似する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図4に示すように、ヘッド50はインク滴の吐出孔であるノズル51と、各ノズル51に対応する圧力室52等からなる複数のインク室ユニット53を含んで構成され、各ノズル51に対応して設けられている圧力室52は、その平面形状が概略正方形となっており(図示省略)、対角線上の両隅部にノズル51と供給口54が設けられている。各圧力室52は供給口54を介して共通流路55と連通されている。共通流路55はインク供給源たるインク供給タンク(不図示)と連通しており、該インク供給タンクから供給されるインクは共通流路55を介して各圧力室52に分配供給される。
圧力室52の天面を構成し共通電極と兼用される振動板56には個別電極57を備えた圧電素子58’が接合されており、個別電極57に駆動信号を印加することによって圧電素子58’が変形してノズル51からインクが吐出される。インクが吐出されると、共通流路55から供給口54を通って新しいインクが圧力室52に供給される。
また、ヘッド50はそれぞれサブタンクと一体的に構成されており、記録動作中、サブタンク内に貯蔵されるインクがヘッドのインク消費に伴って順次供給される。また、記録動作の進行に伴ってサブタンク内のインク残量が所定量以下になると、キャリッジ15は、図2に示すような所定の待機位置(メンテナンス位置)に移動される。待機位置では、メインタンクからサブタンクにインク補給が行われ、サブタンク内にインクが十分満たされた後、記録動作が再開される。なお、メインタンクは、図1に示したインク貯蔵/装填部14と等価なものである。また、交換可能なインクカートリッジをキャリッジ15に搭載可能に構成し、カートリッジ内のインクが空になったときにはインクカートリッジを交換するカートリッジ方式を適用してもよい。
〔ノズル配置の説明〕
次に、本例に適用されるヘッド50のノズル配置について説明する。図5は、ヘッド50のノズル配置を示す概略平面図である。
図5に示すヘッド50は、副走査方向に沿って複数のノズル51を一列に並べた構造を有している。同図に示すヘッド50を用いた画像記録では、インターレース方式が適用され、副走査方向の記録ピッチがノズルピッチDのk倍(kは2以上の整数)となっている。例えば、ノズルピッチDを600(dpi)とすると、k=2のときの副走査方向の記録ピッチは1200(dpi)となる。また、同一の主走査線上についてs回(sは2以上の整数)の主走査によって記録するマルチパス方式が適用される。
なお、図5には、副走査方向に複数のノズルを並べたノズル列を一列有するノズル配置を例示したが、複数のノズル列を有していてもよい。例えば、二列のノズル列を千鳥状に並べた千鳥配置や、ノズルを二次元状に並べたマトリクス配置などのノズル配置を適用してもよい。
〔制御系の説明〕
図6は、インクジェット記録装置10のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置10は、通信インターフェース70、システムコントローラ72、画像メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78、プリント制御部80、画像バッファメモリ82、ヘッドドライバ84等を備えている。
通信インターフェース70は、ホストコンピュータ86から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース70にはシリアルインターフェースやパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。
ホストコンピュータ86から送出された画像データは通信インターフェース70を介してインクジェット記録装置10に取り込まれ、一旦画像メモリ74に記憶される。画像メモリ74は、通信インターフェース70を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システムコントローラ72を通じてデータの読み書きが行われる。画像メモリ74は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ72は、通信インターフェース70、画像メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78等の各部を制御する制御部である。システムコントローラ72は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、ホストコンピュータ86との間の通信制御、画像メモリ74の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ88やヒータ89を制御する制御信号を生成する。
モータドライバ76は、システムコントローラ72からの指示に従ってモータ88を駆動するドライバ(駆動回路)である。
ヒータドライバ78は、システムコントローラ72からの指示に従って後乾燥部42その他各部のヒータ89を駆動するドライバである。
プリント制御部80は、システムコントローラ72の制御に従い、画像メモリ74内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字制御信号(ドットデータ)をヘッドドライバ84に供給する制御部である。プリント制御部80において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいてヘッドドライバ84を介してヘッド50のインク滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
プリント制御部80には画像バッファメモリ82が備えられており、プリント制御部80における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ82に一時的に格納される。なお、図6において画像バッファメモリ82はプリント制御部80に付随する態様で示されているが、画像メモリ74と兼用することも可能である。また、プリント制御部80とシステムコントローラ72とを統合して1つのプロセッサで構成する態様も可能である。
ヘッドドライバ84は、プリント制御部80から与えられるドットデータに基づいて各色のヘッド50のヒータ58(圧電素子58’)を駆動するための駆動信号を生成するとともに、ヒータ58(圧電素子58’)に駆動信号を供給する。ヘッドドライバ84にはヘッド50の駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
印字検出部24は、ヘッド50により記録されたテストパターンを読み取り、所要の信号処理などを行ってヘッド50のインク吐出状況(吐出の有無、ドットサイズ、ドット位置等)を検出し、その検出結果をノズル情報記憶部85に格納する。プリント制御部80は、必要に応じてノズル情報記憶部85に格納された情報に基づいてヘッド50に対する各種補正を行う。
ノズル情報記憶部85に格納される情報は、ノズルの吐出異常の有無の情報(吐出異常ノズル情報)や、各ノズルの固有の吐出特性の情報(ノズルローカリティ情報)が含まれている。ノズルローカリティ情報には、吐出量のバラつき、吐出方向のバラつき、吐出位置(ノズル形成位置)のバラつきが含まれている。
副走査シーケンス記憶部87は、同一主走査線の画像記録を行うノズルの組み合わせに対応して決められた副走査方向の移動量(送り量)のシーケンスが格納される記憶ブロックである。詳細は後述するが、本例に示す画像記録方法では、複数回の副走査方向の送りの組み合わせを1つの副走査シーケンスとして、この副走査シーケンスを繰り返して、抜けのない画像記録が行われるように構成されている。
副走査シーケンス記憶部87には、上述した副走査シーケンスが複数格納されており、プリント制御部80はノズル情報記憶部85の情報に基づいて、同一主走査線の画像記録を行うノズルの組み合わせを決定するとともに、該ノズルの組み合わせに対応する副走査シーケンスを選択し、副走査方向の送りの制御を行う。
プログラム格納部90には各種制御プログラムが格納されており、システムコントローラ72の指令に応じて、制御プログラムが読み出され、実行される。プログラム格納部90はROMやEEPROMなどの半導体メモリを用いてもよいし、磁気ディスクなどを用いてもよい。外部インターフェースを備え、メモリカードやPCカードを用いてもよい。もちろん、これらの記録媒体のうち、複数の記録媒体を備えてもよい。なお、プログラム格納部90は動作パラメータ等の記録手段(不図示)と兼用してもよい。
〔画像記録方法の説明〕
次に、インクジェット記録装置10に適用される画像記録方法について、具体例を挙げて詳細に説明する。
本例に示す画像記録方法は、インターレース方式及びマルチスキャン方式が適用される。1つの主走査線上の重ね書き数(マルチスキャン数)をsとし、副走査方向の記録ピッチ(dpi)を副走査方向のノズルピッチD(dpi)のk倍としたときに、副走査シーケンスはs×k回の副走査送りから構成される。すなわち、総ノズル数をn、副走査シーケンスにおける副走査方向の総移動量をPとすると、P=n/D=P+P+…+Ps×kで表される。
また、本例に示す画像記録方法では、ノズル情報記憶部85(図6参照)から各ノズルについてノズル情報を取得し、該ノズル情報に基づいて同一主走査線の画像記録を行うノズルの組み合わせが決定され、該ノズルの組み合わせに対応する副走査シーケンス(P,P,…,Ps×k)が選択される。ノズル情報には吐出異常ノズルであるか否かの情報や、吐出方向のズレ、吐出位置のズレ、吐出量の誤差の情報が含まれている。
図7は、本例に示す画像記録方法の主な工程を示すフローチャートである。同図に示すように、本例に示す画像記録方法では、先ず、ノズル情報記憶部85(図6参照)に格納されているノズル情報を参照して同一主走査線の記録を行うノズルの組み合わせが決められる(図7のステップS12)。ステップS12において同一主走査線の記録を行うノズルの組み合わせが決められると、該ノズルの組み合わせに対応する副走査シーケンスが選択される(ステップS14)。ステップS14において副走査シーケンスが選択されると、当該副走査シーケンスに基づいて副走査方向の送りが制御され、画像記録が行われる(ステップS16)。
すなわち、ノズルの状況に応じて副走査送りの制御方法を決定することにより、吐出機能が低下しているノズルを孤立配置する処理が可能である。また、該ノズルによる記録位置の近傍位置を記録する別のノズルを用いて補完記録を行う処理を併用することも可能である。また、吐出速度がほぼ同じノズル同士を同一主走査線に並べるマルチパス方式の画像記録を行うことも可能であり、かかる画像記録により、同一主走査線に並ぶ打滴(ドット)の吐出タイミングを個別に制御することなく着弾位置のばらつきを所定の範囲内に抑えることができる。
上述した副走査シーケンスの選択は、吐出異常ノズルが発生した場合や、ノズルの吐出特性が変化して副走査シーケンスの変更が必要な場合に適宜行われる。
次に、ノズル情報記憶部85にノズル情報を記憶するまでの手順を説明する。図8は、ノズル情報を記憶するまでの手順を示すフローチャートである。先ず、印字部12を用いてテストパターンの印字が行われる(ステップS102)。
テストパターンは各ノズルの吐出異常の有無を確認するものであるとともに、各ノズルの吐出速度を確認するものである。本例に示すテストパターンは、複数の副走査シーケンスを用いた複数のパターンを有している。例えば、ノズルn=1024のヘッドにおいて、マルチスキャン数S=2、副走査方向のノズルピッチDに対する副走査方向の記録ピッチの比k=2として、s×k=4回の副走査により1つの副走査シーケンスが構成されるときに、A=P×D×k、A=P×D×k、A=P×D×k、A=P×D×kで表される副走査方向の記録位置数A〜Aの組み合わせを(A、A、A、A)とすると、テストパターンは記録位置数の組み合わせごとのパターンを含んで形成される。
副走査方向の記録位置数A〜Aの組み合わせ(A、A、A、A)としては、(511、511、511、515)や(513、513、513、509)などが挙げられる。なお、副走査方向の記録位置数A〜Aの組み合わせ(A、A、A、A)は、A+A+A+A=P×D×k=2048を満たし、かつ、すべて奇数となるか交互に奇数及び偶数となる。
次に、複数の副走査シーケンスを含むテストパターンの読み取りが行われ(ステップS104)、各ノズルについて吐出異常の有無が判断されるとともに(ステップS106)、吐出速度(吐出特性)の確認が行われる(ステップS108)。
テストパターンの読み取りは、図6に図示した印字検出部24を用いて行われ、読取結果は図6のノズル情報記憶部85に記憶される(ステップS110)。テストパターンを構成するドットについて、ドットの有無、ドットの位置、ドットのサイズ、ドットの形状等が測定され、各ノズルについて吐出異常の有無が判断される。
吐出異常ノズルが存在する場合には、吐出異常ノズルは孤立配置される。孤立配置とは、吐出異常ノズルを使用せず、本来吐出異常ノズルにより行われる打滴を他の正常なノズルによって行われるように副走査シーケンスが選択される。
また、ステップS108におけるノズルの打滴速度(吐出特性)の確認は、テストパターンの読取結果における隣接ノズルの打滴位置の相対関係を解析することで確認可能である。上述したように、テストパターンには複数の副走査シーケンスに対応するパターンが含まれているので、いずれのパターンが最もムラの少ないものであるかを判断し、そのパターンに対応する副走査シーケンスを選択するように構成してもよい。
すなわち、上述したように複数の副走査シーケンスを用いてテストパターンを印字することにより、マルチパス方式における同一の主走査線の打滴を担うノズルの組み合わせが変わるので、吐出速度や吐出方向等のノズル固有のムラが互いに目立たないノズルの最適な組み合わせを見出すことが可能となる。
上記の如く構成された画像記録方法によれば、インターレース方式及びマルチパス方式が適用されたシリアル方式の画像記録において、記録ヘッドに設けられたノズルの状態を判断し、同一の主走査線の記録を行うノズルの組み合わせを選択し、該ノズルの組み合わせに対応する副走査シーケンスが決定され、該副走査シーケンスに基づいて副走査方向の送りが制御されるので、ノズルの吐出異常や吐出特性のバラつきに起因する画像品質の低下が防止される。
また、画像記録に使用されるノズルの数を大幅に減少させることがなく、一定の生産効率を維持することが可能となる。
〔吐出異常ノズルの孤立配置の具体例〕
次に、吐出異常ノズルの孤立配置の具体例を説明する。以下に説明する画像記録方法では、吐出異常ノズルを使用せず、かつ、副走査方向について吐出異常ノズルと対称位置にあるノズルを擬似的な異常ノズル(擬似異常ノズル)としてこれを使用せずに画像記録を行うものである。
ここでいう「擬似異常ノズル」は、記録ヘッドの一方の端部ノズルを1番目のノズルとして副走査方向について順にn個のノズルに番号を付し、i番目のノズルが吐出異常のときにn−(i−1)番目のノズルのことである。
図9は、n=8、i=7の場合における副走査方向の送り量を説明する図であり、ヘッド50の図9における上端のノズル51−1を1番目のノズルとした。また、7番目のノズル51−7は吐出異常ノズルであり、擬似異常ノズルである2番目のノズル51−2は画像記録に使用されないノズルである。
本例に示す画像記録方法では、マルチパス方式とインターレース方式が併用され、ノズル総数nから、吐出異常ノズル及び擬似異常ノズルを除いたノズル数をn’、ノズルピッチをD(dpi)とし、ヘッド50と記録紙16を相対的に副走査方向に移動量P=n’/Dだけ送ることにより隙間なくノズルピッチDでの記録が行われる。
このとき、マルチパス数(同一主走査線の重ね書き回数)をs(sは2以上の整数)とし、副走査方向におけるノズルピッチDに対する副走査方向の記録ピッチの比(記録ピッチ比=記録ピッチ/ノズルピッチD)をk(kは2以上の整数)とし、1副走査シーケンスにおける副走査方向の移動量Pをk×s回の移動の総和としたときに、ノズル数nと1シーケンスにおける副走査方向の移動量P(=P+P+…+P×)との関係は、n’=(P+P+…+P×)×Dにより表される。
すなわち、1副走査シーケンスの記録によって、k×s回の副走査方向への移動の総和としてヘッド50と記録紙16は相対的にP=(n’/D)だけ送られる。その結果、吐出異常ノズル51−7の位置に補間打滴を行うノズル51−1が移動する。
1副走査シーケンス内の副走査方向の移動量P,P,…,Pk×sは、( ×D×k)をkで割った剰余、(( +P )×D×k)をkで割った剰余、…、((P+P+…+Pk×s)×D×k)をkで割った剰余が、s個の0からk−1の組合せから成り立つように予め選択されている。
すなわち、主走査方向への記録が行われる副走査方向の位置(主走査記録位置)は、副走査方向におけるノズル位置と一致する位置(ノズル位置)、及び隣接するノズル位置の間の位置があり、ノズル位置の間にはk−1個の主走査記録位置がある。各主走査記録位置までの総移動量に(D×k)を乗じ、その値をkで除算した値の剰余が0の場合はノズル位置を意味し、該剰余が1からk−1の場合はノズル位置の間の位置を意味している。
なお、図9では、図示の都合上、ヘッド50が副走査方向(図の下方向)に移動するものとし、それぞれの停止位置(符号100〜108を付して図示)におけるヘッド50を図9の横方向にずらして図示している。
図9に示す例では、4回の副走査方向の移動を経てノズル51−1が吐出異常ノズル51−7の位置に移動するものとし、4回の副走査方向の移動量をP=0.5/D,P=1.5/D,P=1.5/D,P=2.5/Dとする。すなわち、1シーケンスの副走査方向の送り量Pは、P=P+P+P+P=6/Dとなっている。
符号100を付した位置(副走査方向の基準位置、ノズル位置)において1回目の主走査方向への記録が行われると、ヘッド50と記録紙(図9中不図示)は相対的に副走査方向について移動量Pだけ移動し、符号102を付した位置において2回目の主走査方向への記録が行われる。この位置はノズル位置の間(中間)の位置である。
2回目の主走査方向への記録の後にヘッド50と記録紙は副走査方向について相対的にPだけ送られ、符号104を付した位置において3回目の主走査方向への記録が行われる。この位置はノズル位置である。
3回目の主走査方向への記録の後にヘッド50と記録紙は副走査方向に相対的にPだけ送られ、符号106を付した位置において4回目の主走査が行われる。この位置はノズル位置である。その後、ヘッド50と記録紙は副走査方向に相対的にPだけ送られる。
このようにして、移動量P〜Pの4回の副走査方向の移動を経て、ノズル51−1は吐出異常ノズル51−7を補間する位置に移動する。ここまでの副走査方向の移動を1シーケンスとして、このシーケンスが繰り返し実行される。つまり、1シーケンスの副走査方向の移動において、s=2、k=2の場合における主走査記録位置は、s×k(=4)であり、ノズル位置と中間位置を交互にs(=2)回繰り返すことになる。
図10は、上述した記録方法により記録紙16上に記録されたドット配置を示す図である。同図においてドット100の中に付した数字はノズル番号n(1〜8)を表している。
同図に示す上から3列目のドット列は、ノズル51−7の打滴がノズル51−1により補間され、ノズル51−1とノズル51−5の組み合わせが選択されている。すなわち、吐出異常ノズル51−7を使用しないように各主走査におけるノズルの組み合わせが決められている。
ここで、次式(2)〜(5)の剰余を具体的に求めると以下のとおりとなる。
(P×D×k)/k …(2)
{(P+P)×D×k}/k …(3)
{(P+P+P)×D×k}/k …(4)
{(P+P+P+P)×D×k}/k …(5)
式(2)の剰余は1(中間位置)、式(3)の剰余は0(ノズル位置)、式(4)の剰余は1(中間位置)、式(5)の剰余は0となっている。すなわち、副走査方向における各移動位置102〜108において、基準位置100から当該移動位置までの移動量の総和にノズルピッチDを乗じ、さらに係数kを乗じた値をkで除算した剰余はs(=2)個の0,k−1(=1)の組み合わせとなっている。このようにs×k回の副走査方向への移動P〜Ps×kが選択される。
なお、記録紙16の先端部又は後端部では、ノズル51−1からノズル51−8の一部を用いて記録が行われる。図11は、記録紙16の先端部における記録例を説明する説明図である。
図11において、符号100を付した位置における主走査方向の記録では、ノズル51−6とノズル51−8が使用され、1列目のドット121列と5列目のドット列125が記録される。符号102を付した位置における主走査方向への記録では、ノズル51−6とノズル51−8が使用され、2列目のドット列122と6列目のドット列126が記録される。
符号104を付した位置における主走査方向への記録では、ノズル51−4〜ノズル51−6及びノズル51−8が使用され、1列目のドット列121、3列目のドット列123、5列目のドット列125と、9列目のドット列(不図示)が記録される。なお、7列目のドット列127は吐出異常ノズル51−7に対応しているので記録されない。
符号106を付した位置における主走査方向への記録では、ノズル51−3〜ノズル51−6及びノズル51−8が使用され、2列目のドット列122、4列目のドット列124、6列目のドット列126と、8列目のドット列128、12列目のドット列(不図示)が記録される。なお、10列目のドット列(不図示)は吐出異常ノズル51−7に対応しているので記録されない。
次に、符号108を付した位置における主走査方向への記録において3列目のドット列123の抜けている部分と7列目のドット列127が記録される。なお、このときに記録されたドットは太線で図示されている。次の主走査方向への記録では、(ヘッド50の位置は不図示)、4列目ドット列124の抜けている部分と8列目のドット列128の抜けている部分のドットが記録され、さらに次の主走査方向への記録では、7列目のドット列127の抜けている部分のドットが記録される。
このようにして、記録紙16の先端部(後端部)の記録においてノズル51−1からノズル51−8を選択的に使用することで、抜けがなくドットを記録することができる。
記録ピッチ比kについて、k=3とするとノズル位置の間の位置は2ヶ所になり、k=4とするとノズル位置の間の位置は3ヶ所になる。また、マルチパス数sについて、s=3とすると1シーケンスの副走査方向の移動でノズル位置及び各ノズル位置の間の位置がそれぞれ3ヶ所あり、k=4とすると1シーケンスの副走査方向の移動でノズル位置及び各ノズル位置の間の位置がそれぞれ4ヶ所ある。
次に、実質的なヘッドの構成を想定した、n=1024、D=600(dpi)の場合について説明する。副走査方向の記録ピッチは、D×k(=600×2)=1200dpiであり、1つの主走査線上をs(=2)回ずつ走査し、副走査方向へのk×s(=4)回の移動によりP(=n/D=1024/600dpi)だけ送られ、吐出異常ノズル51−2と擬似異常ノズル51−7の補間が成立する。副走査方向の移動量は、P,P,P,Pの繰り返しである。
上記式(1)より、副走査方向の移動量P,P,P,Pは、(P+P+P+P)×D=n=1024である。つまり、各副走査方向の移動量P,P,P,Pに対応する記録位置の数A,A,A,Aを考えると、P={A/(D×k)}、P={A/(D×k)}、P={A/(D×k)}、P={A/(D×k)}となる。例えば、A1=511、A2=511、A3=513、A4=513すると、これら値をk(=2)で除算したときの剰余はそれぞれ1,0,1,0である。すなわち、副走査方向の移動量に対応する記録位置数をD×kで除算した剰余は2個の0又は1の組み合わせとなっている。また、A+A+A+Aは、1シーケンスの副走査方向の総移動量に対応する記録位置数であり、n×k(=2048)となっている。
k=2のときには、副走査方向の移動量に対応する記録位置数A,A,A,Aはすべて奇数であり、かつ、これらの合計がn×kを満たすものであればよい。
また、k=2のときには、副走査方向の移動量に対応する記録位置数A,A,A,Aは奇数及び偶数の繰り返しであり、これらの合計がn×kを満たすものでもよい。
このようにして、同一主走査線の記録を行うノズルの組み合わせのそれぞれについて副走査シーケンスを予め求めておき、同一主走査線の記録を行うノズルの組み合わせと関連付けして図6の副走査シーケンス記憶部87に記憶しておき、図7のステップS12により同一主走査線の記録を行うノズルの組み合わせが決められると、副走査シーケンス記憶部87を参照して副走査シーケンスが選択される。
上述したように、吐出異常ノズルと副走査方向の対称位置にある擬似異常ノズルとして使用せず、ノズルの配置パターンを対称パターンに見立てることで、副走査シーケンスが複雑になることがない。
〔マトリクスヘッドへの応用例〕
上述した実施形態では、副走査方向に1列のノズル列を有するシリアル走査型ヘッドを用いた画像記録について説明したが、本発明に係る画像記録方法はマトリクス配列されたノズルを備えたヘッドを用いた画像記録にも適用することができる。
図12は、本応用例に示すインクジェット記録装置200概略構成図である。なお、以降の説明において、先に説明した部分と同一又は類似する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
同図に示すインクジェット記録装置200は、KCMY各色の対応するヘッド212K,212C,212M,212Yがキャリッジ15に搭載され、ヘッド212K,212C,212M,212Yはマトリクス配列されたノズル(図12中不図示)が設けられている。ヘッド212K,212C,212M,212Yは、後述するフルライン型ヘッドを構成するヘッドモジュールが用いられるとともに、フルライン型ヘッドに用いられる場合に対して90°回転して配設されている。
次に、ノズルのマトリクス配列について説明する。図13はヘッド212K,212C,212M,212Yのノズル配置例を示す平面図であり、ヘッドの一部を拡大して図示している。
図13に示すように、複数のノズル51を副走査方向に沿う行方向及び副走査方向に対して直交しない一定の角度θを有する斜めの列方向に沿って一定の配列パターンで格子状に多数配列させることにより、高密度のノズル配置が実現されている。
すなわち、副走査方向に対してある角度θの方向に沿ってノズル51を一定のピッチdで複数配列する構造により、副走査方向に並ぶように投影されたノズルのピッチPはd×cosθとなり、副走査方向については、各ノズル51が一定のピッチPで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。
すなわち、図13に示すようマトリクス配置されたノズルを副走査方向に沿って一列に並ぶように投影したノズル列を考えると、図5に図示したノズル配置と等価なものとして取り扱うことができ、上記に示した画像記録方法を適用することができる。
本実施形態ではノズルからインクを吐出させてカラー画像を形成するインクジェット記録装置を例示したが、本発明は、LEDなどの記録素子を用いた電子写真にも適用可能である。
以上、本発明の実施形態に係る画像記録装置及び画像記録方法を詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
〔付記〕
上記に詳述した発明の実施形態についての記載から把握されるとおり、本明細書は少なくとも以下に示す発明を含む多様な技術思想の開示を含んでいる。
(発明1):副走査方向に所定の配置間隔で並べられた記録素子列を一列以上有する記録ヘッドと、主走査方向における複数回の走査によって同一の主走査線の記録を行うように前記記録ヘッドを主走査方向に走査させる走査手段と、前記記録ヘッドと記録媒体を副走査方向に相対的に搬送する搬送手段と、同一の主走査線の記録において複数の記録素子を用いて記録を行うように前記記録ヘッドを制御する記録制御手段と、前記記録素子の状態に基づき同一の主走査線の記録を行う記録素子の組み合わせを選択する記録素子選択手段と、前記記録素子選択手段によって選択された記録素子の組み合わせ対応する副走査方向の送り量の組み合わせを決定し、該副走査方向の送り量の組み合わせに基づいて前記搬送手段を制御する搬送制御手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、複数回の走査によって同一の主走査線の記録を行うマルチパス方式の画像記録において、記録素子の状態に応じて同一の主走査線の記録を行うノズルの組み合わせを選択するとともに、選択されたノズルの組み合わせに適した副走査送り制御が行われるので、記録ヘッドの不良率が低減化され、記録画像の品質の低下が防止される。
記録素子は、インクジェット方式の記録ヘッドにおける、ノズル及びノズルから吐出させる液体を収容する液室、液室内の液体を加圧する加圧素子を有する構成を含む概念である。
記録素子の状態とは、動作可能であるか否かの状態、記録位置のバラつき、記録量のバラつきを含む概念である。
(発明2):発明1に記載の画像記録装置において、前記記録素子を用いて形成されたテストパターンを読み取る読取手段と、前記読取手段の読取結果に基づいて判断された前記記録素子の状態を記憶する記憶手段と、を備え、前記記録素子選択手段は、前記記憶手段に記憶されている記録素子の状態を参照して、同一の主走査線の記録を行う記録素子の組み合わせを選択することを特徴とする。
かかる態様によれば、所定のテストパターンの読取結果に基づいて判断された記録素子の状態を予め記憶しておくことで、記録素子選択手段は記録内容を参照することができる。
(発明3):発明2に記載の画像記録装置において、前記テストパターンは、前記同一の主走査線の記録を行う記録素子の組み合わせが異なる複数種類のパターンを含むことを特徴とする。
かかる態様によれば、テストパターンに含まれる複数のパターンの中から最も好ましいパターンを形成したノズルの組み合わせを同一の主走査線の記録を行う記録素子の組み合わせとして選択することができる。
(発明4):発明1乃至3のいずれかに記載の画像記録装置において、前記記録素子選択手段は、異常記録素子を使用しないように同一の主走査線の記録を行う記録素子の組み合わせを選択することを特徴とする。
異常となった記録素子を使用しないことで、該異常記録素子の発生に起因する画像品質の低下を抑制し得る。
(発明5):発明1乃至4のいずれかに記載の画像記録装置において、前記記録素子選択手段は、記録特性が類似している記録素子同士を同一の主走査線の記録を行う記録素子に選択することを特徴とする。
かかる態様において、記録特性が類似している記録素子は、記録位置ズレの方向及びズレ量が同程度のものを含む概念である。
例えば、記録特性が類似せず異なる場合には、周期的な記録位置ズレが生じ、結果としてスジ状の濃度ムラの発生原因となり得るが、記録特性が類似している記録素子同士を用いて同一走査線の記録を行うことで、周期的な記録位置ズレを抑制し、結果としてスジ状の濃度ムラの発生が抑制される。
(発明6):発明1乃至5のいずれかに記載の画像記録装置において、前記搬送制御手段は、同一主走査線上の記録回数であるマルチパス数をs、単位長さあたりの記録素子の数で表される記録素子の配置ピッチをD、前記記録素子の配置ピッチDに対する副走査方向の記録ピッチの比をk、s×k回の副走査方向の移動を副走査シーケンスとして該副走査シーケンスを繰り返して前記ヘッド及び前記記録媒体の少なくともいずれか一方を移動させるとともに、s×k回の副走査方向の移動の各回までの総移動量に前記記録素子ピッチDを乗じ、前記記録ピッチ比kを乗じた値を前記記録ピッチ比kで除算したときの剰余は、前記マルチパス数sと同数の0からk−1までの数の組み合わせとなるように前記搬送手段を制御することを特徴とする。
かかる態様によれば、マルチパス数sのマルチパス方式、及び前記記録素子の配置ピッチDに対する副走査方向の記録ピッチの比kのインターレース方式の画像記録において、最適な副走査シーケンスを選択することができる。
記録素子ピッチ及び記録ピッチは、1インチあたりの記録素子数の単位であるdpiで表すことができる。
(発明7):発明6に記載の画像記録装置において、前記記録ピッチ比kが2の場合には、s×k回の各回の副走査方向の移動量P,P,…,Ps×kに前記記録素子ピッチの最大値Dを乗じ、さらに、前記記録ピッチ比kを乗じた値(P×D×k),(P×D×k),…,(Ps×k×D×k)は、すべて奇数であるかあるいは交互に奇数及び偶数であることを特徴とする。
かかる態様において、s=2、k=2の場合に、各回の副走査方向の移動量をP,P,P,Pとすると、(P×D×k)/kの剰余、{P+P)×D×k}/kの剰余、{(P+P+P)×D×k)/kの剰余、(P+P+P+P)×D×k)/kの剰余は、2個の0又は1の組み合わせとなる。
(発明8):発明6又は7に記載の画像記録装置において、前記記録素子の配置ピッチの最大値Dは、前記オーバーラップ部における記録素子の配置ピッチの整数倍であり、前記搬送制御手段は、前記記録素子の数をn、s×k回の副走査方向の移動による総移動量をPとしたときにP=n/Dを満たすように前記搬送手段を制御することを特徴とする。
s×k回の副走査方向の移動による総移動量Pは、P=P+P+…+Ps×kと表すことができる。
(発明9):発明6乃至8のいずれか1項に記載の画像記録装置において、前記記録素子選択手段は、前記記録ヘッドの一方の端部からi番目の記録素子が異常記録素子の場合に、前記記録ヘッドの一方の端部からi番目の記録素子及び前記記録ヘッドの一方の端部からn−(i−1)番目の記録素子を選択しないことを特徴とする。
かかる態様によれば、副走査方向の移動量の制御を複雑にすることがない。
(発明10):副走査方向に所定の配置間隔で並べられた記録素子列を一列以上有する記録ヘッドを主走査方向における複数回の走査によって同一の主走査線の記録を行うように主走査方向に走査させる走査工程と、同一の主走査線の記録において複数の記録素子を用いて記録を行う記録工程と、前記記録素子の状態に基づき同一の主走査線の記録を行う記録素子の組み合わせを選択する記録素子選択工程と、前記記録素子選択工程によって選択された記録素子の組み合わせ対応する副走査方向の送り量の組み合わせを決定し、該副走査方向の送り量の組み合わせに基づいて前記記録ヘッドと記録媒体を副走査方向に相対的に搬送する搬送工程と、を含むことを特徴とする画像記録方法。
本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の全体構成図 図1に示すインクジェット記録装置の印字部周辺の構成を示した概略構成図 図2に示すヘッド立体構造を示す断面図 図2に示すヘッドの他の態様における断面図 図2に示すヘッドノズル配置例を示す平面図 図1に示すインクジェット記録装置のシステム構成を示す要部ブロック図 本発明の実施形態に係る画像記録方法のフローチャート ノズル情報の記憶の手順を示すフローチャート 本発明の実施形態に係る画像記録方法の一例を説明する模式図 図9に示す画像記録方法により記録されたドット配置例を示す図 図9に示す画像記録方法における記録紙端部の記録例を示す図 マトリクス配置を適用した場合の装置構成例を示すブロック図 マトリクス配置を説明する図
符号の説明
10,200…インクジェット記録装置、12K,12C,12M,12Y,50,212K,212C,212M,212Y…ヘッド、24…印字検出部、51…ノズル、80…プリント制御部、85…ノズル情報記憶部、87…副走査シーケンス記憶部

Claims (9)

  1. 副走査方向に所定の配置間隔で並べられた記録素子列を一列以上有する記録ヘッドと、
    主走査方向における複数回の走査によって同一の主走査線の記録を行うように前記記録ヘッドを主走査方向に走査させる走査手段と、
    前記記録ヘッドと記録媒体を副走査方向に相対的に搬送する搬送手段と、
    同一の主走査線の記録において複数の記録素子を用いて記録を行うように前記記録ヘッドを制御する記録制御手段と、
    前記記録素子の状態に基づき同一の主走査線の記録を行う記録素子の組み合わせを選択する記録素子選択手段と、
    前記記録素子選択手段によって選択された記録素子の組み合わせ対応する副走査方向の送り量の組み合わせを決定し、該副走査方向の送り量の組み合わせに基づいて前記搬送手段を制御する搬送制御手段と、
    を備え
    前記記録素子選択手段は、記録特性が類似している記録素子同士を同一の主走査線の記録を行う記録素子に選択することを特徴とする画像記録装置。
  2. 請求項1に記載の画像記録装置において、
    前記記録素子を用いて形成されたテストパターンを読み取る読取手段と、
    前記読取手段の読取結果に基づいて判断された前記記録素子の状態を記憶する記憶手段と、
    を備え、
    前記記録素子選択手段は、前記記憶手段に記憶されている記録素子の状態を参照して、同一の主走査線の記録を行う記録素子の組み合わせを選択することを特徴とする画像記録装置。
  3. 請求項2に記載の画像記録装置において、
    前記テストパターンは、前記同一の主走査線の記録を行う記録素子の組み合わせが異なる複数種類のパターンを含むことを特徴とする画像記録装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像記録装置において、
    前記記録素子選択手段は、異常記録素子を使用しないように同一の主走査線の記録を行う記録素子の組み合わせを選択することを特徴とする画像記録装置。
  5. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の画像記録装置において、
    前記搬送制御手段は、同一主走査線上の記録回数であるマルチパス数をs、単位長さあたりの記録素子の数で表される記録素子の配置ピッチをD、前記記録素子の配置ピッチDに対する副走査方向の記録ピッチの比をk、s×k回の副走査方向の移動を副走査シーケンスとして該副走査シーケンスを繰り返して前記記録ヘッド及び前記記録媒体の少なくともいずれか一方を移動させるとともに、s×k回の副走査方向の移動の各回までの総移動量に前記記録素子ピッチDを乗じ、前記記録ピッチ比kを乗じた値を前記記録ピッチ比kで除算したときの剰余は、前記マルチパス数sと同数の0からk−1までの数の組み合わせとなるように前記搬送手段を制御することを特徴とする画像記録装置。
  6. 請求項に記載の画像記録装置において、
    前記搬送制御手段は、副走査方向の一方向について、前記記録ヘッドと前記記録媒体とを相対的に搬送させるように前記搬送手段を制御し、
    同一主走査線を記録するときの前記記録ピッチ比kが2の場合には、s×k回の各回の副走査方向の移動量P,P,…,Ps×kに前記記録素子ピッチの最大値Dを乗じ、さらに、前記記録ピッチ比kを乗じた値(P×D×k),(P×D×k),…,(Ps×k×D×k)は、すべて奇数であるかあるいは交互に奇数及び偶数であることを特徴とする画像記録装置。
  7. 請求項又はに記載の画像記録装置において、
    前記搬送制御手段は、前記記録素子の数をn、s×k回の副走査方向の移動による総移動量をPとしたときにP=n/Dを満たすように前記搬送手段を制御することを特徴とする画像記録装置。
  8. 請求項乃至のいずれか1項に記載の画像記録装置において、
    前記記録素子選択手段は、前記記録ヘッドの一方の端部からi番目の記録素子が異常記録素子の場合に、前記記録ヘッドの一方の端部からi番目の記録素子及び前記記録ヘッドの一方の端部からn−(i−1)番目の記録素子を選択しないことを特徴とする画像記録装置。
  9. 副走査方向に所定の配置間隔で並べられた記録素子列を一列以上有する記録ヘッドを主走査方向における複数回の走査によって同一の主走査線の記録を行うように主走査方向に走査させる走査工程と、
    同一の主走査線の記録において複数の記録素子を用いて記録を行う記録工程と、
    前記記録素子の状態に基づき同一の主走査線の記録を行う記録素子の組み合わせを選択する記録素子選択工程と、
    前記記録素子選択工程によって選択された記録素子の組み合わせ対応する副走査方向の送り量の組み合わせを決定し、該副走査方向の送り量の組み合わせに基づいて前記記録ヘッドと記録媒体を副走査方向に相対的に搬送する搬送工程と、
    を含み、
    前記記録素子選択工程は、記録特性が類似している記録素子同士を同一の主走査線の記録を行う記録素子に選択することを特徴とする画像記録方法。
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