JP5248860B2 - 両親媒性ブロックコポリマーにより靭性を付与したエポキシ樹脂及びそれらから製造された電気用積層板 - Google Patents

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Description

本発明は、硬化した積層用組成物の耐破壊性又は靭性が向上するように、両親媒性ポリエーテルブロックコポリマーで変性したエポキシ樹脂積層用組成物、及びブロックコポリマーで変性した組成物から製造された積層板に関する。
エポキシ樹脂は、電気用積層板用途に有用であることが知られている熱硬化性樹脂の一種である。エポキシ樹脂は、一般的に、ガラス繊維等の補強基板(reinforcing substrate)と共に用いられ、そして当該組合せ物を、ハードナー又は硬化剤と硬化させるのが通常である。硬化した場合に、エポキシ樹脂はそれらの耐熱性及び耐薬品性で知られ、そして硬化した樹脂はまた、機械的特性が良好である。しかし、エポキシ樹脂は靭性に欠け、硬化すると極めて脆くなる傾向がある。
上記樹脂の靭性の不足は、樹脂の架橋密度又はTgが上がるにつれて特にその傾向が強くなる。上記樹脂の靭性の不足は、積層板用途において不利である。というのは、積層板、特にプリント回路板(PCB)中に用いられる特定の積層板は、穿孔に耐えるように十分な靭性を有することが必要であるからである。そして脆い樹脂は、穿孔工程の際に容易に割れるか又はひび割れする場合がある。
電気用積層板は、一般的にガラス繊維製補強基板を用いて含浸させたエポキシ樹脂製の複合材であり、そしてPCB用の一次支持体として用いられる。最近、電気用積層板業界に供給されるエポキシ樹脂は、電気配線及び電子部品用の基板を提供することにおいて優れている。しかし、電子産業内での急速な進歩と、ハンダから鉛を除去するための規制による圧力の増加とにより、耐温度性樹脂系に対する必要性が一段と増している。先行技術の樹脂系は本質的に脆く、これがPCB処理及び穿孔の際に問題を引き起こす。
これらの樹脂系における靭性の改良により、PCBの加工性、耐久性及び信頼性が改良される。従って、積層板が、弾性率及びTg等の樹脂の他の全ての重要な特性を維持しながら、厳しいPCB処理条件に耐えることができるように、電気用積層板用途において用いられるエポキシ樹脂の靭性を増すか又は向上させるための必要性がなお存在する。
近年、エポキシ樹脂に種々のブロックコポリマーを添加することによりエポキシ樹脂の耐破壊性又は靭性を向上させることに関する、いくつかの研究がある。以前の研究の多くは、エポキシ混和性ブロックがポリ(エチレンオキシド)(PEO)であり、非混和性ブロックが飽和ポリマー系炭化水素である、エポキシ混和性ブロックとエポキシ非混和性ブロックとを有する両親媒性ジブロックコポリマーを使用することに主眼を置いている。公知のブロックコポリマー材料は、魅力的な特性の硬化(set)を有するテンプレート化エポキシを提供する上で効果を発揮するが、一部の用途において用いるには余りにも高価すぎる。
例えば、Journal of Polymer Science,Part B:Polymer Physics,2001,39(23),2996〜3010には、ポリ(エチレンオキシド)−b−ポリ(エチレン−alt−プロピレン)(PEO−PEP)ジブロックコポリマーを使用することにより、硬化したエポキシ系中にミセル構造体が提供され、そしてベシクル及び球状ミセルに自己組織化したブロックコポリマーが、4官能性芳香族アミン硬化剤と硬化させたモデルのビスフェノールAエポキシの耐破壊性を大きく上げることができることが開示されている。そして、Journal of the American Chemical Society,1997,119(11),2749〜2750には、両親媒性PEO−PEP及びポリ(エチレンオキシド)−b−ポリ(エチルエチレン)(PEO−PEE)ジブロックコポリマーを用いてもたらされた自己組織化微構造を有するエポキシ系が記載されている。これらのブロックコポリマー含有系は自己組織化特性を示す。
ブロックの一つにエポキシ反応性官能基を導入する他のブロックコポリマーは、ナノ構造化エポキシ熱硬化樹脂を達成するためのエポキシ樹脂用の変性剤として用いられてきた。例えば、Macromolecules,2000,33(26)9522〜9534には、本質的に両親媒性であり、樹脂が硬化する際にブロックの一つがエポキシマトリクス中で反応できるような様式で設計された、ポリ(エポキシイソプレン)−b−ポリブタジエン(BIxn)及びポリ(アクリル酸メチル−co−メタクリル酸グリシジル)−b−ポリイソプレン(MG−I)ジブロックコポリマーの使用が記載されている。また、Journal of Applied Polymer Science,1994,54,815には、ポリ(カプロラクトン)−b−ポリ(ジメチルシロキサン)−b−ポリ(カプロラクトン)トリブロックコポリマーのサブミクロンスケールの分散液を有するエポキシ系が記載されている。
上述の既知のジブロック及びトリブロックコポリマーの一部は、エポキシ樹脂の靭性を改良するために有用であるが、上記既知のブロックコポリマーの調製は複雑である。既知のブロックコポリマーは合成するために多段階を必要とし、従って、商業的な観点から経済的には魅力的でない。
熱硬化性エポキシ樹脂を変性してナノ構造化エポキシ熱硬化樹脂を形成するための、さらに他の自己組織化両親媒性ブロックコポリマーは公知である。例えば、Macromolecules,2000,33,5235〜5244及びMacromolecules,2002,35,3133〜3144には、ジブロック含有混合物中の分散相の平均サイズがほぼ10〜30nmである、ポリ(エチレンオキシド)−b−ポリ(プロピレンオキシド)(PEO−PPO)ジブロック及びポリ(エチレンオキシド)−b−ポリ(プロピレンオキシド)−b−ポリ(エチレンオキシド)(PEO−PPO−PEO)トリブロックを、メチレンジアニリンと硬化させたエポキシに添加することが記載されている。そして、PEO−PPO−PEOトリブロック等のポリエーテルブロックコポリマーはまた、日本国特許出願公開第H9−324110号明細書に開示されているように、エポキシ樹脂と用いられることが知られている。
上述の既知のジブロック及びトリブロックコポリマーの一部は、エポキシ樹脂の靭性を改良するために有用であるが、樹脂の全ての他の重要な特性を維持しながら、積層板用途において用いられるエポキシ樹脂の靭性をさらに高めるための、積層板業界における必要性がなお存在する。
従って、既知のブロックコポリマーのいかなる不利益もなしで、自己組織化法によりエポキシ樹脂の靭性を改良するために有用である別のブロックコポリマーを提供することが望まれている。
本発明は、
(a)エポキシ樹脂;
(b)当該エポキシ樹脂組成物が硬化すると、得られた硬化した積層用エポキシ樹脂組成物の靭性が向上するような、少なくとも一つのエポキシ樹脂混和性ブロックセグメントと、少なくとも一つのエポキシ樹脂非混和性ブロックセグメントとを含む両親媒性ポリエーテルブロックコポリマー、ここで、当該非混和性ブロックセグメントはポリエーテル構造を少なくとも一つ含む;
(c)硬化剤;及び
(d)硬化触媒:
を含む硬化性エポキシ樹脂積層用組成物に向けられている。
本発明の実施形態の一つは、上記非混和性ブロックセグメントのポリエーテル構造が、少なくとも4個の炭素原子を有する少なくとも一つ以上のアルキレンオキシドモノマー単位を含有する条件の下、少なくとも一つのポリエーテル構造を含む非混和性ブロックセグメントを含有する両親媒性ポリエーテルブロックコポリマーを用いて変性したエポキシ樹脂に向けられている。
本発明の実施形態の一つは、少なくとも一つのエポキシ樹脂混和性ブロックセグメントと、少なくとも一つのエポキシ樹脂非混和性ブロックセグメントとを含む両親媒性ポリエーテルブロックコポリマーで変性したエポキシ樹脂に向けられており、上記混和性ブロックセグメントと、上記非混和性ブロックセグメントとの両方が、ポリエーテル構造を少なくとも一つ含む。
本発明の別の実施形態は、少なくとも一つのエポキシ樹脂混和性ブロックセグメントと、少なくとも一つのエポキシ樹脂非混和性ブロックセグメントとを含む両親媒性ポリエーテルブロックコポリマーで変性したエポキシ樹脂に向けられており、上記混和性ブロックセグメントと、上記非混和性ブロックセグメントとの両方が、ポリエーテル構造を少なくとも一つ含む。
少量(例えば、1〜5重量%)の両親媒性ブロックコポリマーをエポキシ樹脂に添加すると、自己組織化(ガラス転移温度、耐湿性、及び耐熱性等の他の特性に悪影響を与えることなく電気用積層板用エポキシ樹脂の靭性及び延性を大きく改良する)に起因するナノスケール(15〜25nm)の第2の相モルホロジーが作り出される。これらの特徴は、電気用積層板用途において特に有用であり、そこでは、より多いレイヤーカウントボード向けに必要とされるPCB(プリント回路板)処理時間の延長と、鉛フリーハンダの出現の両方から、耐温度性を向上させる必要性が引き続き存在している。この改良された耐温度性を達成するために、変性樹脂及び高度架橋系が用いられようとしている。
上記ブロックコポリマーがナノメートルサイズスケールでホストエポキシ樹脂中に自己組織化するために十分な両親媒性ブロックコポリマー(好ましくは、成分の一つとしてエラストマー系ポリマーを有するもの)の量を添加して、上記樹脂を変性する。上記コポリマーを、エポキシ樹脂処理の際の任意の時間に添加することができる。エポキシ最終生成物がいくつかのエポキシ及び溶媒の混合物である場合、上記コポリマーを、混合工程の際に添加することができる。これらの系に上記コポリマーを添加することにより、樹脂系の脆さが減少し、PCBの処理能力及び信頼性が向上する。これらのコポリマーは、全て、エポキシ樹脂中に用いられ、次に、最終的にPCBを生産する電気用積層板の製造に用いられる。
樹脂に靭性を付与する(toughen)ために本発明の両親媒性ポリエーテルブロックコポリマーを用いることの有利な特徴の一部には、例えば、(1)両親媒性ブロックコポリマーの自己組織化特性、(2)ナノメートルの長さスケールにおいて集まるためのブロックコポリマーの能力、(3)樹脂モノマーマトリクス全体にわたり極めて均一な分散を作り出すためのブロックコポリマーの能力、及び(4)靭性を付与した結果を達成するために、低充填濃度においてブロックコポリマー靭性付与剤(toughenig agent)を用いるための能力が含まれる。
本発明の両親媒性ポリエーテルブロックコポリマーを用いることの利点の一部には、例えば、(1)ガラス転移温度、弾性率及び粘度等のホスト樹脂の他の基本性質に悪影響を与えることなく、ホスト樹脂の靭性を改良するためのブロックコポリマーの能力、(2)一部の用途において重要である外見等のある種の美的資質を保持するための樹脂の能力、及び(3)樹脂それ自体の硬化の前又はその際に、一致してかつ再現可能にモルホロジーを作り出すための能力が含まれる。
本発明は、樹脂系用の靭性付与剤として、ポリエーテルブロックコポリマー等の両親媒性ブロックコポリマーで変性したエポキシ樹脂モノマー系を含む、靭性を改良した積層用組成物を含む。これらの変性したエポキシ樹脂は、硬化させると、弾性率及びガラス転移温度(Tg)挙動のほんの僅かな変化を伴うだけで破壊靭性(K1Cにより定義される)が大きく向上する。
ナノスケールの自己組織化モルホロジーを有するテンプレート化熱硬化エポキシポリマーは、改良された靭性、並びに弾性率及びTg等の材料特性を保持する魅力的な組合せを示す。エポキシ熱硬化ポリマーは、例えば、コポリマーが自己組織化を受けることができる樹脂モノマーマトリクス中に両親媒性ブロックコポリマーを分散させ、次に樹脂を硬化させて調製することができる。
界面活性剤様モルホロジーを示す自己組織化樹脂は、極めて低い(例えば、1重量%〜5重量%)ブロックコポリマー充填量において、破壊靭性が向上する。樹脂モノマーと混合する場合、自己組織化できる両親媒性ブロックコポリマーは、硬化の前に樹脂/硬化剤混合物と混和性を有するブロックの少なくとも一つと、硬化の前に樹脂/硬化剤混合物と非混和性であるブロックの少なくとも一つを有しなければならない。
本発明の実施形態の一つは、エポキシ樹脂系等の熱硬化性樹脂中で自己組織化する、全てのポリエーテルブロックコポリマー、例えば、ポリ(エチレンオキシド)−b−(ブチレンオキシド)(PEO−PBO)に基づくもの等のジブロックコポリマーを調製することに向けられている。十分に長いブチレンオキシドブロック長(例えば、Mn=1000以上)で、これらのブロック構造は、樹脂モノマーを球状ミセル等のミセル構造体にテンプレート化する際に有効であることが見出された。
本発明において有用な両親媒性ポリエーテルブロックコポリマーには、少なくとも一つのポリエーテル構造を含むエポキシ樹脂混和性ブロックセグメントと、少なくとも一つのポリエーテル構造を含むエポキシ樹脂非混和性ブロックセグメントとを含有する任意のブロックコポリマーが含まれうる。
好ましくは、本発明において有用な両親媒性ポリエーテルブロックコポリマーには、エチレンオキシド(EO)等のアルキレンオキシドから誘導された少なくとも一つのエポキシ混和性ポリエーテルブロックセグメントと、少なくとも3個超の炭素原子を有するアルキレンオキシド、例えば、ブチレンオキシド(BO)として一般に知られる1,2−エポキシブタンから誘導される少なくとも一つのエポキシ非混和性ポリエーテルブロックセグメントとを含む1種又は2種以上のポリエーテルブロックコポリマーが含まれる。非混和性ブロックセグメントはまた、一緒に共重合して非混和性ブロックセグメントを与えるC4以上の炭素系類似モノマー(carbon analogue monomer)の混合物を含んで成ることができる。
非混和性ブロックはまた、EO等の低分子量コモノマーを含有することができる。ポリエーテルブロックコポリマーは、少なくとも一つのエポキシ樹脂混和性ポリエーテルブロックセグメント(E)と、少なくとも一つのエポキシ樹脂非混和性ポリエーテルブロックセグメント(M)とを含有する。
本発明のポリエーテルブロックコポリマー成分は、少なくとも2以上の両親媒性ポリエーテルブロックコポリマーセグメントを含有することができる。両親媒性ポリエーテルブロックコポリマーの例は、ジブロック(EM);直鎖トリブロック(EME又はMEM);直鎖テトラブロック(EMEM);高次の複数ブロック構造(EMEM)XE又は(MEME)XM(式中、Xは、1〜3の範囲の整数である。);分岐鎖ブロック構造;又は星型ブロック構造;及びそれらの任意の組合せから成る群から選択することができる。分岐鎖ブロック構造又は星型ブロック構造から成る両親媒性ポリエーテルブロックコポリマーは、少なくとも一つのエポキシモノマー混和性ブロックと、少なくとも一つのエポキシモノマー非混和性ブロックとを含む。
エポキシ樹脂混和性ポリエーテルブロックセグメント(E)の例には、ポリエチレンオキシドブロック、プロピレンオキシドブロック、ポリ(エチレンオキシド−co−プロピレンオキシド)ブロック、ポリ(エチレンオキシド−ran−プロピレンオキシド)ブロック、及びそれらの混合物が含まれる。好ましくは、本発明において有用なエポキシ樹脂混和性ポリエーテルブロックセグメントは、ポリエチレンオキシドブロックである。
一般に、本発明において有用なエステル樹脂非混和性ポリエーテルブロックセグメント(M)は、C4〜C20の炭素原子数を有するエポキシ化α−オレフィンである。エポキシ樹脂非混和性ポリエーテルブロックセグメント(M)の例には、ポリブチレンオキシドブロック、1,2−エポキシヘキサンから誘導されるポリヘキシレンオキシドブロック、1,2−エポキシドデカンから誘導されるポリドデシレンオキシドブロック、及びそれらの混合物が含まれる。好ましくは、本発明において有用なエポキシ樹脂非混和性ポリエーテルブロックセグメントは、ポリブチレンオキシドブロックである。
本発明の別の実施形態では、ポリエーテルブロックコポリマーが多ブロックコポリマー構造を有する場合に、E及びMに加えて他のブロックセグメントがブロックコポリマー中に存在することができる。ブロックコポリマーの他の混和性セグメントの例には、ポリエチレンオキシド、ポリメチルアクリレート、及びそれらの混合物が含まれる。ブロックコポリマーの他の非混和性セグメントの例には、ポリエチレンプロピレン(PEP)、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリジメチルシロキサン、ポリブチレンオキシド、ポリヘキシレンオキシド、ポリエチルヘキシルメタクリレート等のポリアルキルメチルメタクリレート、及びそれらの混合物が含まれる。
本発明の実施において用いることができる両親媒性ポリエーテルブロックコポリマーには、例えば、ジブロックコポリマー、直鎖トリブロック、直鎖テトラブロック、高次の複数ブロック構造、分岐鎖ブロック構造、又は星型ブロック構造が含まれるが、それらに限定されるものではない。
例えば、ポリエーテルブロックコポリマーは、ポリ(エチレンオキシド)ブロック、ポリ(プロピレンオキシド)ブロック、又はポリ(エチレンオキシド−co−プロピレンオキシド)ブロック;及び例えば、1,2−エポキシブタン、1,2−エポキシヘキサン、1,2−エポキシドデカン、又は1,2−エポキシヘキサデカンブロック等のC4以上の炭素類似物ブロックに基づくアルキレンオキシドブロックを含むことができる。アルキレンオキシドブロックの他の例には、Atofinaから市販されているC10〜C30+オレフィンを含むエポキシ化α−オレフィン、Vikolox(商標)が含まれうる。
本発明において有用な好適なブロックコポリマーの好ましい例には、例えば、ポリ(エチレンオキシド)−b−ポリ(ブチレンオキシド)(PEO−PBO)等の両親媒性ポリエーテルジブロックコポリマー;又は例えば、ポリ(エチレンオキシド)−b−ポリ(ブチレンオキシド)−b−ポリ(エチレンオキシド)(PEO−PBO−PEO)等の両親媒性ポリエーテルトリブロックコポリマーが含まれる。
本発明において用いられる両親媒性ポリエーテルブロックコポリマーは、両方のブロック長の結合に関して、1,000〜30,000の数平均分子量(Mn)を有することができる。最も好ましくは、ポリエーテルブロックコポリマーの分子量は、3,000〜20,000である。非混和性ブロックが極めて低い溶解度パラメータ(ポリマーの炭化水素)を有するブロックコポリマーに由来する先行技術の材料は、硬化の前にミクロ相分離を起こす。一方、本発明のポリエーテル含有ブロック構造は、好ましい分子量において、硬化の前にミクロ相分離するか、又は硬化工程が行われている間にミセルを形成するかのどちらかであることができる。
ブロックコポリマーの組成は、エポキシ樹脂混和性ポリアルキレンオキシドブロック90%及びエポキシ樹脂非混和性ポリアルキレンオキシドブロック10%から、エポキシ樹脂混和性ポリアルキレンオキシドブロック10%及びエポキシ樹脂非混和性ポリアルキレンオキシドブロック90%の範囲にわたることができる。
各ブロックセグメントのそれぞれに由来する少量のホモポリマーは、本発明の最終両親媒性ポリエーテルブロックコポリマー中に存在してもよい。例えば、混和性又は非混和性ブロックの構造に類似又は同一のホモポリマーを1重量%〜50重量%、好ましくは1重量%〜10重量%を、熱硬化性モノマー系及び両親媒性ポリエーテルブロックコポリマーを含む本発明の組成物に添加することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物中に用いられる両親媒性ポリエーテルブロックコポリマーの量は、ポリマーの当量、並びに組成物から製造される生成物の所望の特性を含む多様な因子に応じて決まる。一般に、本発明において用いられる両親媒性ポリエーテルブロックコポリマーの量は、硬化コーティングの体積に基づいて、0.1重量%〜30重量%、好ましくは0.5重量%〜10重量%、最も好ましくは1重量%〜5重量%であることができる。
本発明の両親媒性ポリエーテルブロックコポリマーは、エポキシ樹脂の靭性又は耐破壊性を、エポキシ樹脂組成物中の、好ましくはブロックコポリマーの低充填率(例えば、5重量%未満)において向上させることが好ましい。一般に、1重量%〜5重量%のポリエーテルブロックコポリマーを、エポキシ樹脂組成物に添加することにより、対照品の靭性の1.5倍〜2.5倍の係数で組成物の靭性を向上させる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性エポキシ樹脂と混合した両親媒性ポリエーテルブロックコポリマーを少なくとも一つ以上含むことができる。加えて、2種又は3種以上の異なる両親媒性ブロックコポリマーを、当該ブロックコポリマーの一種がポリエーテルブロックコポリマーである限り、本発明のブロックコポリマー成分を製造するために一緒に混合することができる。1を超えるブロックコポリマーを、ナノ構造のさらなる制御、すなわち、形状及び寸法を得るために混合することができる。
樹脂組成物中に用いられるポリエーテルブロックコポリマーに加えて、他の両親媒性ブロックコポリマーも、本発明の樹脂組成物中の第2のブロックコポリマー成分として用いることができる。本発明の実施において用いることができる、本発明のポリエーテルブロックコポリマー以外のさらなる両親媒性ブロックコポリマーの例には、例えば、ポリ(エチレンオキシド)−b−ポリ(エチレン−alt−プロピレン)(PEO−PEP)、ポリ(イソプレン−エチレンオキシド)ブロックコポリマー(PI−b−PEO)、ポリ(エチレン・プロピレン−b−エチレンオキシド)ブロックコポリマー(PEP−b−PEO)、ポリ(ブタジエン−b−エチレンオキシド)ブロックコポリマー(PB−b−PEO)、ポリ(イソプレン−b−エチレンオキシド−b−イソプレン)ブロックコポリマー(PI−b−PEO−PI)、ポリ(イソプレン−b−エチレンオキシド−b−メタクリル酸メチル)ブロックコポリマー(PI−b−PEO−b−PMMA)、及びそれらの混合物が含まれるが、それらに限定されるものではない。一般に、樹脂組成物中に用いられる第2の両親媒性ブロックコポリマーの量は、0.1重量%〜30重量%であることができる。
本発明のポリエーテルブロックコポリマーは、あるブロックセグメントの非混和性と他のブロックセグメントの混和性とのバランスによりもたらされたミセル化により、液状樹脂マトリクス中に好ましくは「テンプレート」を形成する、均一に分散しかつ均一に調整したナノサイズ構造体を提供する。上記ミセル構造体は、硬化エポキシ熱硬化樹脂中に保存されるか、又は硬化工程の間に形成され、Tg、弾性率及び他の特性を、未変性のエポキシ熱硬化樹脂と同レベルに維持しながら、改良された靭性、改良された耐破壊性、及び改良された耐衝撃性を示すエポキシ熱硬化性材料を製造する。
ナノテンプレート化樹脂のミセルモルホロジーは、例えば、球状、ウォーム様(worm−like)及びベシクルであることができる。ミセルモルホロジーは、有利には低濃度(例えば、5重量%未満)のブロックコポリマーで得られる;すなわち、モルホロジーの特徴は、互いに結び付けられていないか、又は3次元格子中に詰められている。より高濃度における自己組織化構造体はまた、ナノメートルサイズスケールにおいて格子相互作用によりお互いに結び付いた球状、円筒型、又はラメラモルホロジーの特徴を形成することができる。
ブロックコポリマーが、ウォーム様、ベシクル又は球状ミセルモルホロジー等のナノスケールモルホロジーに自己組織化する場合に、耐破壊性が増すと思われる。いずれのミセルモルホロジーが、どのように、異なる樹脂中で生ずるかを予測できるのかについては、もしあったとしても十分に理解されていない。しかし、自己組織化モルホロジーを決める要因の一部には、例えば、(i)ブロックコポリマー中のモノマーの選択、(ii)ブロックコポリマー中の非対称度、(iii)ブロックコポリマーの分子量、(iv)熱硬化性樹脂の組成、及び(v)樹脂用の硬化剤の選択を挙げることができると思われる。ナノスケールモルホロジーは、本発明のエポキシ樹脂生成物における靭性を作り上げる上で重要な役割を演じることは明らかである。
本発明の実施形態の一つの実例として、エポキシ樹脂を、ポリエーテルブロックコポリマー、例えば、PBOがジブロックコポリマーのエポキシ非混和性の疎水性の軟質成分であり、そしてPEOがジブロックコポリマーのエポキシ混和性成分である、ポリ(エチレンオキシド)−b−ポリ(ブチレンオキシド)(PEO−PBO)ジブロックコポリマーと混合することができる。PEO−PBOブロックコポリマーを含む硬化性エポキシ樹脂組成物により、硬化したエポキシ樹脂本体の耐衝撃性が向上する。
PEO−PBOブロックコポリマーは、一般に、化学式(PEO)x−(PBO)y(式中、添字x及びyは、それぞれ、各ブロック中のポリエチレンオキシド及びポリブチレンオキシドのモノマー単位の数であり、そして正の数である)により示すことができる。一般に、xは15〜85であることが好ましく、構造部分(PEO)xの分子量は750〜100,000であることが好ましい。添字yは15〜85であることが好ましく、構造部分(PBO)yにより表される分子量は、1,000〜30,000であることが好ましい。また、単一のPEO−PBOジブロックコポリマーを、単独で用いることができ、あるいは1種超のPEO−PBOジブロックコポリマーを混合して、同様に用いることができる。
本発明の実施形態の一つにおいて、ジブロックコポリマーがPEO20%及びPBO80%〜PEO80%及びPBO20%を有し;そして2000以上のPBOの分子量(Mn)及び750以上のPEOの分子量のブロックサイズを有し;そして種々のモルホロジーを付与するPEO−PBOジブロックコポリマーが用いられる。例えば、本発明は、球状ミセルを与える2,500〜3,900のPBOブロック長を有するジブロックを含む。
本発明の別の例には、ウォーム様ミセルを与える6,400のPBOセグメントを有するジブロックが含まれる。本発明のさらに別の例は、凝集したベシクルモルホロジーを与える短い(Mn=750)PEOブロックセグメントを有するジブロックである。本発明のさらに別の例には、PBOホモポリマーが別個のマクロ相を形成することなく、ミセル中に隔離される球状ミセルを与える低分子量PBOホモポリマーとのPEO−PBOジブロックの混合物が含まれ;PBOホモポリマーは、ジブロックの存在なしで添加された場合にマクロ相分離を起こす。
一般に、本発明において用いられる両親媒性ブロックコポリマーを、一つのモノマーが重合して初期ブロックを調製し、続いて第2のモノマー種を単に導入し、次に、重合工程が完了するまで第1のブロックコポリマーの末端上に重合させる単一の連続合成重合法において調製することができる。
別個にブロックを製造することもまた可能であり、第1のブロックを調製し、次に、第2の合成段階において、第1のブロックの末端上に第2のブロックを重合させる。二つのブロック断片の溶解度の違いは十分であり、当該ブロックコポリマーを、多様なエポキシ材料を変性するために用いることができる。
上記ブロックコポリマーを、ナトリウム、カリウム又はセシウム等のI族金属により穏やかにしたアニオン重合により調製することができる。上記重合を、そのまま又は溶媒を用いて行うことができる。上記重合反応の温度は、例えば、大気圧から、僅かに大気圧を超える圧力において、100℃〜140℃であることができる。ブロックコポリマーの合成は、例えば、Whitmarsh,R.H.,In Nonionic Surfactants Polyoxyalkylene Block Copolymers;Nace,V.M.,Ed.;Surfactant Science Series;Vol.60;Marcel Dekker,N.Y.,1996;Chapter 1に記載されるように行うことができる。
好ましい実施形態において、ブロックコポリマーのブロックセグメントを、1,2−エポキシアルケンの開環重合により調製する。
熱硬化材料を、3次元網目を形成するために、共有結合を介して互いに結合した可変長のポリマー鎖から形成すると定義する。熱硬化エポキシ材料は、例えば、熱硬化性エポキシ樹脂を、アミン種、フェノール系、又は無水物等の硬化剤と反応させて得ることができる。
本発明に有用なエポキシ樹脂には、多様なエポキシ化合物が含まれる。一般的に、エポキシ化合物は、ポリエポキシドとも称されるエポキシ樹脂である。本明細書において有用なポリエポキシドは、モノマー性(例えば、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ノボラック系エポキシ樹脂、及びトリスエポキシ樹脂)、高分子量の改良樹脂(例えば、ビスフェノールAを用いて改良したビスフェノールAのジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノールAを用いて改良したビスフェノールAのジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノールAを用いて改良したテトラブロモビスフェノールAのジグリシジルエーテル)又は重合した不飽和のモノエポキシド(例えば、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル)、ホモポリマー又はコポリマーであることができる。最も望ましくは、エポキシ化合物は、平均して1分子当り少なくとも一つのペンダント又は末端1,2−エポキシ基(すなわち、隣接エポキシ基)を含む。
本発明に有用なエポキシの他の例には、米国特許出願番号第10/456128号明細書に記載されているようなリン含有エポキシ及び臭素化エポキシを含む難燃化エポキシ(retardant epoxyes)が含まれる。
有用なポリエポキシドの例には、多価アルコール及び多価フェノール両方のポリグリシジルエーテル、ポリグリシジルアミン、ポリグリシジルアミド、ポリグリシジルイミド、ポリグリシジルヒダントイン、ポリグリシジルチオエーテル、エポキシ化脂肪酸又は乾性油、エポキシ化ポリオレフィン、エポキシ化不飽和二酸エステル(epoxidized di−unsaturated acid esters)、エポキシ化不飽和ポリエステル、及びそれらの混合物が含まれるが、それらに限定されるものではない。
多価フェノールから調製される多くのポリエポキシドには、例えば、米国特許第4,431,782号明細書に開示されるポリエポキシドが含まれる。ポリエポキシドは1価、2価及び3価のフェノールから調製することができ、そしてノボラック樹脂を含むことができる。ポリエポキシドには、エポキシ化シクロオレフィン、並びにアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル及びアリルグリシジルエーテルのポリマー及びコポリマーである高分子量のポリエポキシドが含まれうる。好適なポリエポキシドは、米国特許第3,804,735号明細書、同第3,892,819号明細書、同第3,948,698号明細書、同第4,014,771号明細書、及び同第4,119,609号明細書;及びLee及びNevilleのHandbook of Epoxy Resins,Chapter 2,McGraw Hill,N.Y.(1967)に開示されている。
本発明は、一般的に、ポリエポキシドに適用できるが、好ましいポリエポキシドは、150〜3,000のエポキシド当量(EEW)、好ましくは170〜2,000のEEWを有する、多価アルコール又は多価フェノールのグリシジルポリエーテルである。これらのポリエポキシドは、通常、少なくとも2モルのエピハロヒドリン又はグリセロールジハロヒドリンを、1モルの多価アルコール又は多価フェノールと、当該ハロヒドリンと結合するために十分な量の苛性アルカリとを反応させることにより製造される。当該生成物は、1を超えるエポキシド基、すなわち、1を超える1,2−エポキシ当量の存在を特徴とする。
本発明に有用なポリエポキシドはまた、脂環式ジエン誘導エポキシドであることができる。これらのポリエポキシドを、熱、カチオン又は光開始(例、UV開始硬化)のいずれかで硬化させることができる。3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン、ビス(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタ−3−イルメチルヘキサン二酸エステル、3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートメチルエステル、及びそれらの混合物等のDow Chemical Companyにより製造され、市販されているいくつかの脂環式エポキシドがある。
上記ポリエポキシドはまた、反応希釈剤として、ブチル及びそれ以上の高級脂肪族グリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、又はクレシルグリシジルエーテル等の少量のモノエポキシドを含むことができる。上記反応希釈剤は、通常、ポリエポキシド配合物に添加されて、それらの使用粘度を下げ、そして配合物に一層良好な基材へのヌレ性を付与する。技術上公知であるように、モノエポキシドは、ポリエポキシド配合物の化学量論性に影響を与え、そしてその変化を反映させるために硬化剤の量及び他のパラメータの調整がなされる。
一般に、本発明に用いられるポリエポキシドの量は、20重量%〜99重量%の範囲にあることができる。
本発明において有用な硬化剤成分(ハードナー又は架橋剤とも称される)は、エポキシ樹脂のエポキシ基と反応性を有する活性基を有する任意の窒素含有化合物であることができる。上記硬化剤の化学的性質は、エポキシ樹脂に関する前述の書籍に記載されている。
本発明に有用な硬化剤には、アミン及びそれらの誘導体等の窒素含有化合物;カルボン酸基末端ポリエステル、無水物、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、臭素化フェノール樹脂、アミノ−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール、ビスフェノールA及びクレゾールノボラック、フェノール基末端エポキシ樹脂等の酸素含有化合物;ポリスルフィド、ポリメルカプタン等の硫黄含有化合物;及び第3級アミン、ルイス酸、ルイス塩基等の触媒硬化剤、及び2以上の上記硬化剤の組合せが含まれる。
実際に、例えば、ポリアミン、ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルスルホン及びそれらの異性体、アミノベンゾエート、種々の酸無水物、フェノール−ノボラック樹脂及びクレゾールノボラック樹脂を、本発明に用いることができるが、本発明はこれらの化合物の使用に限定されるものではない。
本発明に有用な架橋剤の別の実施形態は、米国特許第6,613,839号明細書に記載されており、そして例えば、1500〜50,000の範囲にある分子量(Mw)と、15%を超える無水物含有率とを有する、スチレンと無水マレイン酸とのコポリマーが含まれる。
一般に、本発明において用いられる硬化剤の量は、1重量%〜80重量%の範囲にあることができる。
本発明に有用である別の成分は硬化触媒であり、また、エポキシ樹脂組成物に添加することができる。硬化触媒の例には、イミダゾール誘導体、第3級アミン、及び有機金属塩が含まれる。上記硬化触媒の他の例には、アゾイソブチロニトリルを含むアゾ化合物等のフリーラジカル重合開始剤、及びtertiary−ブチルパーベンゾエート、tertiary−ブチルパーオクトエート、及びベンゾイルパーオキシド等の有機過酸化物;メチルエチルケトンパーオキシド、過酸化アセト酢酸、クメンヒドロパーオキシド、シクロヘキサノンヒドロパーオキシド、ジクミルパーオキシド、並びにそれらの混合物が含まれる。本発明において、メチルエチルケトンパーオキシド及びベンゾイルパーオキシドが用いられることが好ましい。
一般に、硬化触媒は、上記組成物中に存在可能な任意の補強粒子の重量を除いて、硬化性組成物の全体重量に基づいて、0.03〜6重量部の量で用いられる。
本発明の硬化性樹脂組成物に有用な任意成分は、反応抑制剤である。当該反応抑制剤には、ホウ素含有ルイス酸、例えば、アルキルボレートボレート、アルキルボラン、トリメトキシボロキシン、弱い求核アニオンを有する酸、例えば、過塩素酸、テトラフルオホウ酸、及び1〜3のpKaを有する有機酸、例えば、サリチル酸、シュウ酸及びマレイン酸が含まれうる。
本明細書で用いられるホウ酸は、ホウ酸又はその誘導体、例えば、メタホウ酸及び無水ホウ酸;並びにルイス酸とホウ素塩との組み合わせ、例えば、アルキルボレート又はトリメトキシボロキシンを指す。本発明において、抑制剤が用いられる場合、ホウ酸が用いられることが好ましい。抑制剤及び触媒を、任意の順序で、本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物に別個に添加することができ、あるいは複合体として添加することができる。
本発明の樹脂組成物中の触媒に関連して存在する抑制剤の量を調製して、上記樹脂組成物のゲル化時間を調整することができる。一定濃度の触媒において、抑制剤の量を増やすことにより、ゲル化時間が長くなる。所望の触媒濃度において、抑制剤の相対量を下げてゲル化時間を短くすることができる。ゲル化時間を長くするために、触媒濃度を変えることなく、抑制剤の量を増やすことができる。
抑制剤(又は各種抑制剤の混合物)の触媒に対するモル比は、抑制剤を含まない同様の組成物と比較してゲル化時間が増加するような、樹脂の反応を十分に抑制するために十分な比率である。簡単な実験により、ゲル化時間を長くするが、なお高温での完全な硬化を可能とする抑制剤又は混合物の特定の濃度を決定することができる。例えば、最大5.0phrのホウ酸が用いられる場合、抑制剤:触媒の好ましいモル比範囲は、0.1:1.0〜10.0:1.0であり、そしてさらに好ましい範囲は、0.4:1.0〜7.0:1.0である。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物に添加することができる別の任意成分は、溶媒又は複数の溶媒の混合物である。上記樹脂組成物中に用いられる溶媒は、好ましくは、樹脂組成物中の他の成分と混和性を有する。さらに、本発明の硬化性樹脂組成物は、組成物中で用いられる任意の溶媒に応じて決まる透明な溶液又は安定な分散液であることができる。本発明において用いられる好適な溶媒の例には、例えば、ケトン、エーテル、アセテート、芳香族炭化水素、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、グリコールエーテル、及びそれらの組合せが含まれる。
好ましい溶媒は極性溶媒である。例えば、メタノール等の1〜20個の炭素原子を有する低級アルコールは、化合物が形成する際に、樹脂マトリクスから除去させるために好適な溶解度及び揮発度を有する。
極性溶媒は、ホウ酸又はホウ素から誘導したルイス酸の抑制剤を溶解させるために特に有用である。極性溶媒がヒドロキシ基含有溶媒である場合、溶媒のヒドロキシ部分と、オキシラン環の開環の際に生成する第2級ヒドロキシル基との間で、利用可能なカルボン酸無水物に対する競合が生ずる可能性がある。従って、ヒドロキシル部分を含有しない極性溶媒、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、2−ブタノン、アセトン、及びテトラヒドロフランが有用である。また、2個又は3個のヒドロキシル基を有するグリコールエーテル又はエーテル部分を所望により含むジヒドロキシ及びトリヒドロキシ炭化水素が有用である。特に、C2~4ジ又はトリヒドロキシ化合物、例えば、1,2−プロパンジオール、エチレングリコール及びグリセリンが有用である。溶媒の多水酸基官能基は、共架橋剤に関して前述した可能性のある機構により、溶媒が、鎖延長剤として又は共架橋剤として機能することを容易にする。
硬化性エポキシ樹脂組成物中に用いられる溶媒の全体量は、一般に、20〜60重量%間、好ましくは30〜50重量%間、最も好ましくは35〜45重量%であることができる。
本発明による硬化性エポキシ樹脂組成物はまた、充填剤、染料、顔料、チキソトロープ剤、界面活性剤、流動性制御剤、安定剤、処理を支援する希釈剤、付着促進剤、軟質化剤、靭性付与剤、UV遮断、蛍光剤、及び難燃剤等の添加剤を含有することができる。エポキシ樹脂組成物中に用いられる任意の添加剤の量は、一般に、最終配合物によって決まり、0重量%〜70重量%であることができる。
本発明の靭性を付与した混合物又は組成物の調製において、当該組成物の成分を、好ましくは液体状である硬化性組成物を生成させるための条件において、当業界に公知の手段により一緒に混合する。本発明の硬化性樹脂組成物を、組成物中の全ての成分を任意の順序で一緒に混合することにより製造することができる。
あるいは、本発明の硬化性樹脂組成物を、エポキシ樹脂成分及びブロックコポリマーを含む第1の組成物と、硬化剤成分を含む第2の組成物とを調製することにより製造することができる。樹脂組成物を製造する上で有用な全ての他の成分は、同一の組成物中に存在することができ、あるいは一部は第1の組成物中に、そして一部は第2の組成物中に存在することができる。
次に、第1の組成物を、第2の組成物と混合して、硬化性樹脂組成物を形成する。次に、当該硬化性樹脂組成物の混合物を硬化させて、エポキシ樹脂熱硬化材料を生成させる。好ましくは、当該硬化性エポキシ樹脂組成物は溶液状であり、当該組成物の成分は溶媒中に溶解している。上記溶液又はワニスを、積層板物品を製造するために用いる。
前述のように、中性溶媒を、ブロックコポリマー、エポキシ樹脂、硬化触媒及び硬化剤の均質混合を促進するために、混合物中で用いることができる。本発明で用いられる好ましい任意の溶媒には、例えば、アセトン及びメチルエチルケトン(MEK)が含まれうる。さらに、他の溶媒選択物もまた、それが上記全ての成分を溶解する限り用いることができる。
本発明の変性樹脂を製造する態様の一つには、樹脂製造段階の際に、ブロックコポリマーを、エポキシ樹脂促進反応器中に直接導入することが含まれる。この実施形態において、本発明の組成物は、例えば、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル等の液状エポキシ樹脂、ビスフェノールA等の多価アルコール、及びEO/BOジブロックコポリマー等のブロックコポリマーを使用することを含む。
エポキシ樹脂の処理が促進段階を含む場合、本発明の変性された樹脂を製造する別の方法には、促進反応の前にブロックコポリマーを反応物質中に添加することが含まれる。
本発明の変性された樹脂を製造するさらに別の方法には、エポキシ樹脂を硬化させるために用いられる硬化剤中に、ブロックコポリマーを導入することが含まれる。
上記ブロックコポリマーは、積層板用途において用いられる硬化したエポキシ系の配合された固形分含有率に基づいて、0.5w/w%〜10w/w%、好ましくは2w/w%〜6w/wの濃度で用いることができる。上記樹脂中のブロックコポリマーの濃度を、最終配合物中の望ましい濃度を与えるように調整することができるか、あるいはより高濃度に保持し(マスターバッチ)、そして未変性の樹脂と共に、所望の最終濃度に下方調整することができる。
上記方法の時間及び温度は重要ではないが、しかし、一般に、上記成分を、完全な均質性が得られるまでの十分な時間の間、10℃〜60℃、好ましくは20℃〜60℃、さらに好ましくは25℃〜40℃の温度で混合することができる。
エポキシ樹脂、硬化剤、ブロックコポリマー、硬化触媒及び組成物中に存在する任意の他の変性剤の混合物を、当業界により実施される一般的な方法に従って硬化させることができる。硬化温度は、一般に、10℃〜200℃の範囲にあることができるが、これらの方法には、室温硬化(例えば、20℃)から熱、放射線又はエネルギー源の組合せを用いた高温硬化(例えば、100℃〜200℃)が含まれる。
一般に知られているように、硬化時間は、一般に、硬化剤及び樹脂組成物中の成分に応じて数秒から数時間の範囲にあることができる。硬化時間は、一般に、例えば、30分〜24時間、好ましくは1時間〜4時間の範囲にあることができる。上記硬化性組成物を、1段階又は複数段階で硬化させることができ、あるいは上記硬化性組成物を、初期硬化サイクル後、異なる温度又はエネルギー源を用いてポストキュアさせることができる。
本発明のポリエーテルブロックコポリマーを含有する硬化性エポキシ樹脂組成物を、複合材、プリプレグ又は積層板を調製するために用いることができる。
一般に、本明細書において開示される電気用積層板及び他の複合材は、繊維強化材及び本発明のブロックコポリマーで変性したエポキシ含有マトリクス樹脂から製造される。好適な方法の例には、以下の段階が含まれうる:
(1)エポキシ含有配合物を、ローリング、ディッピング、スプレー、若しくは他の公知の技術及び/又はそれらの組合せにより基板に適用するか、又は当該基板の中に含浸させる。当該基板は、一般的に、例えば、ガラス繊維又は紙を含有する織布又は不織布繊維マットである。
(2)含浸させた基板は、エポキシ配合物中の溶媒を揮発させ、かつ所望によりエポキシ配合物を部分的に硬化させるために十分な温度で加熱することにより「Bステージ」を行い、その結果、当該含浸させた基板を簡単に取り扱うことができる。「Bステージ」段階は、通常、90℃〜210℃の温度で、そして1分〜15分の時間にわたり行われる。「Bステージ」から得られる含浸させた基板は、「プリプレグ」と称される。上記温度は、通常、複合材の場合は100℃、電気用積層板の場合は130℃〜200℃である。
(3)電気用積層板が望まれる場合には、銅箔等の導電性材料の1枚又は2枚以上のシートを用いて、プリプレグの1枚又は2枚以上のシートを交互層に積み重ね又は積層する。
(4)上記積層されたシートを、樹脂を硬化させ、積層板を形成するために十分な時間にわたり高温及び高圧で加圧する。この積層化段階の温度は、通常、100℃〜230℃であり、ほとんどの場合、165℃〜190℃である。上記積層化段階はまた、第1の段階が100℃〜150℃、第2の段階が165℃〜190℃等の2段階又は3段階以上で行うことができる。上記圧力は、通常、50N/cm2〜500N/cm2である。上記積層化段階は、通常、1分〜200分、ほとんどの場合、45分〜90分の時間にわたり行われる。上記積層化段階は、所望により、より高温でより短時間(連続積層法等)、又はより低温でより長時間(低エネルギープレス法)、行うことができる。
(5)所望により得られた積層板、例えば、銅張積層板を、高温及び大気圧において、一定時間にわたって加熱することにより後処理することができる。当該後処理の温度は、通常、120℃〜250℃である。当該後処理時間は、通常、30分〜12時間である。
以下の例は、本発明を説明するために与えられ、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきでない。特に示さない限り、全ての部及び百分率は重量による。
例において用いられる原料の一部は、以下の通りである:
約215のEEWを有するエポキシビスフェノールノボラック樹脂(E−BPAN)。
アセトン溶媒(85%固形分)中の約180のEEWを有する3.6官能のエポキシノボラック樹脂(ENR)。
約455のEEW及び50%の臭素含有率を有する臭素化エポキシ樹脂(BER)。
DOWANOL*PMAは、Dow Chemical Companyから市販されるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶媒である。
DOWANOL*PMは、Dow Chemical Companyから市販されているプロピレングリコールモノメチルエーテル溶媒である。アセトンは溶媒である。
「PEO−PBO−PEO」は、ポリ(エチレンオキシド)−ポリ(ブチレンオキシド)−ポリ(エチレンオキシド)トリブロックコポリマー靭性付与剤を表す。
「PEO−PBO」は、ポリ(エチレンオキシド)−ポリ(ブチレンオキシド)ジブロックコポリマー靭性付与剤を表す。
「PN」は、104のヒドロキシル当量を有するフェノール系硬化剤(DOWANOL*PMA中の50%固形分)に対する呼称である。
「2MI」は2−メチルイミダゾールを表す。
「2MI溶液」は、2−メチルイミダゾール触媒(ジメチルホルムアミド(DMF)中の10%固形分)を表す。
「DMF」はジメチルホルムアミドを表す。
*Dow Chemical Companyの商標
予備例A:PEO−PBOジブロックコポリマーの調製
パートA:触媒化重合開始剤の調製
ジエチレングリコールモノメチルエーテル(979.1g;8.16モル)及び水酸化カリウム(29.84g;85重量%)を閉鎖系反応容器中で混合した。得られた混合物を110℃に加熱し、反応中に生成した水を除去(<500ppm)するために、減圧下で揮散させた。
パートB:ブチレンオキシドポリマーの調製
上記パートAにおいて調製した触媒化重合開始剤(123.9g;約1モルのジエチレングリコールモノメチルエーテル)を120℃に加熱した。ブチレンオキシド(BO)(5355g;74.38モル)を、反応温度を120℃に保持するように反応器中にゆっくりと供給した。反応器へのBOの添加が完了した後、反応器中の圧力がそれ以上低下しなくなるまで混合物を熟成させた。反応混合物の一部を取り出し、反応器中に3052gの生成物を残した。さらなるBO(1585g;22.01モル)を、反応温度を120℃に保持する速度でゆっくりと添加した。反応器へのBOの添加が完了した時に、混合物を再度圧力が安定するまで熟成させた。
パートC:ブチレンオキシド−エチレンオキシド最終ブロックコポリマーの調製
エチレンオキシド(EO)(1830g;41.59)を、上記パートBにおいて調製したブチレンオキシドブロックコポリマー(4016g)に、反応温度を120℃に保持するようにゆっくりと添加した。反応器へのEOの添加が完了した時に、混合物を圧力が安定するまで熟成させた。次に、十分な氷酢酸を混合物に添加して混合物のpHを6〜7(ASTM E70−90)とした。
次に、生成物を、移送ライン中での生成物の固化を防ぐため、生成物温度を50℃より高く保持しながら、移送ラインを通して貯蔵容器に移した。最終生成物、PEO−PBOブロックコポリマーは、ポリマーOH末端基滴定(ASTM D4274−94,Method D)により測定される数平均分子量5397を有していた。
予備例B:PEO−PBO−PEOトリブロックコポリマーの調製
上記予備例Aにおいて用いたPEO−PBOジブロックコポリマーを製造するために用いた基本手順を、以下の変更を除いて、PEO−PBO−PEOトリブロックコポリマーを製造するためにこの例で用いた。PEO−PBO−PEO最終生成物は、以下のモル比の重合開始剤/モノマーを含有していた。
プロピレングリコールを1モル/ブチレンオキシドを56モル/エチレンオキシドを62モル
パートA:触媒化重合開始剤の調製
DOWANOL PMの代わりにプロピレングリコールを用いた。さらに、KOH水溶液(固形分46重量%)を用いた。KOH水溶液を、9重量%の最終触媒濃度を与える量で反応器に添加した。水を、反応生成物から除去しなかった。
パートB:ブチレンオキシドポリマーの調製
ブチレンオキシドを二つのバッチに添加した。BOの量を、中間体のブチレンオキシドブロックが約1000の数平均分子量(Mn)を有するように調整した。熟成が完了した後に、さらにKOH水溶液(46重量%)を反応器に添加し、最終触媒濃度を約1重量%とした。水を減圧下で反応生成物から除去し、次に、さらにBOを反応器に添加して、最終ブチレンオキシドポリマーを得た。最終ブチレンオキシドポリマーは約3500の数平均分子量を有していた。
パートC:PEO−PBO−PEO最終トリブロックコポリマーの調製
液状生成物を得るために、エチレンオキシド及びブチレンオキシドの混合物(80/20重量%)を、上記パートBで調製したブチレンオキシドに添加した。この段階において少量のブチレンオキシドを導入すると、PEOが結晶化して固体を形成する傾向が乱される。最終トリブロックが約6800g/モルの数平均分子量を有するように、添加される混合物の量を調整した。最終反応混合物を60℃に冷却し、次に、ケイ酸マグネシウム床を通して中和して、PEO−PBO−PEO最終トリブロックコポリマーを得た。
例1及び2並びに比較例A
パートA:靭性を付与したエポキシ溶液の調製
靭性を付与したエポキシ溶液を以下のように調製した:
ENR溶液(アセトン中の85%固形分)、BER、E−BPAN、DOWANOL*PMA、DOWANOL*PM、及びアセトンを、室温(25℃)で混合してエポキシ樹脂混合物を生成させた。次に、靭性付与剤、PEO−PBO−PEO(例1)又はPEO−PBO(例2)のいずれかを、樹脂混合物に添加した。一つの混合物は靭性付与剤を含まず、対照(比較例A)として用いた。この例において用いた材料の量を、以下の表1に示す。
Figure 0005248860
パートB:電気用積層板用ワニスの調製
次の成分を、下記表2に示される量で混合することにより、ワニス溶液を調製した。溶液を1時間、室温で混合した。
Figure 0005248860
2MI溶液を、DMF(ジメチルホルムアミド)中の10%固形分濃度において2MIを混合することにより調製した。
得られた樹脂ワニス溶液の活性度を測定するために、樹脂溶液の10g試料を171℃のホットプレート表面上に置いた。樹脂溶液の活性度測定値を、ゲル化に要求される経過時間(秒)として表2に報告する。
パートC:プリプレグの調製
上記パートBにおいて調製したワニス溶液配合物をパン中に置き、次に、ガラスクロス(Hexcel Schwebelから市販され、CS718仕上げ塗りを有するタイプ7628のガラスクロス)を溶液中に浸漬することにより、プリプレグを調製した。得られた含浸させた基板を、次に、垂直型のLitzler(商標)製パイロット処理機(350°F[177℃]における30フィート[914cm]の加熱炉スペース及び10フィート/分[305cm/分]のガラスウェブ速度)に通した。
各プリプレグの樹脂含量を、方法IPC−L−109B、IPC−TM−650:2.3.16(米国、イリノイ州、リンカンウッドのInstitute for Interconnecting and Packaging Electronic Circuitsから入手可能である)に従って、プリプレグの製造前後に、10cm×10cmの四角形シートのガラスクロスを計量することにより測定した。重量差又は樹脂吸収重量をガラスクロス重量で割ったものが、樹脂含有量の重量%である。
パートD:積層板の調製
上記パートCにおいて調製した各プリプレグのシート8枚を、外層上に銅箔(Gould Grade 3)のシートを有する交互層に積層させた。積層板を形成するために、得られた積層された複層プリプレグを、二つのステンレス鋼板の間に置き、PHI水圧プレス(Model SBR 233C)中に挟み込み、次のプレススケジュールを用いて加圧した:
温度傾斜:6°F/分(10.8℃/分)で、374°F(190℃)まで
保持時間:90分
圧力:115psi
Figure 0005248860
表3に対する注釈
(1)プリプレグ安定性:硬化した5インチ×5インチ(12.7cm×12.7cm)のプリプレグ二つを一緒に重ね、そして鋼板(約2kg)下に置き、そして40℃で5日間にわたりオーブン中に置く。プリプレグ層が、この時間の後にくっついた場合、当該層を「粘着性」に分類する。当該層がこの時間の後にくっつかなかった場合、当該層を「非粘着性」に分類する。
(2)ほこりの生成:5インチ×5インチ(12.7cmx12.7cm)のプリプレグ片を計量し、次に、0.5インチストリップにカットし、そして当該ストリップを計量する。重量差を用いて、ほこりの生成(%)を計算する。
(3)プリプレグ外観:プリプレグの表面及び色の視覚による記述を行う。
(4)Tg:ガラス転移温度を、ASTM D−4065に従って、動的機械熱分析(DMTA)により測定する。
(5)Td:熱分解を、熱重量分析(TGA Model 2950)により測定する。5重量%が失われる温度である。
(6)T−260:層間剥離に対する時間を、熱機械分析(TMA)により測定する。
(7)「HPCT」は高圧釜試験を表す。HPCTにおいて、積層板を1時間にわたり15psiの飽和蒸気にさらし、次に、重量計測する。蒸気暴露の前後における重量差を用いて、上記吸収率(%)を計算する。
(8)1C−破壊靭性試験を、ASTM D5528に従って、16層積層板上で実施する。
上記表3に示される実際的に変わらないTg、Td、及びT−260値と組み合わせた、より高いG1C値により、例1及び2の樹脂には、実際に靭性が付与され、熱的特性が犠牲にされていないことが実証された。これらの例の結果はまた、上記靭性付与剤は、積層板に実際に靭性を付与するものであり、単純に可塑剤としてはたらいているわけではないことを示している。

Claims (22)

  1. (a)エポキシ樹脂、
    (b)少なくとも1つのエポキシ樹脂混和性ブロックセグメントと、少なくとも1つのエポキシ樹脂非混和性ブロックセグメントとを含む両親媒性ポリエーテルブロックコポリマー、ここで、前記エポキシ樹脂混和性ブロックセグメントが、ポリエチレンオキシドブロック、プロピレンオキシドブロック又はポリ(エチレンオキシド−co−プロピレンオキシド)ブロックを含み、そして前記エポキシ樹脂非混和性ブロックセグメントが、ポリブチレンオキシドブロック、ポリヘキサレンオキシドブロック又はポリドデカレンオキシドブロックを含む、
    (c)硬化剤、
    (d)硬化触媒、及び
    (e)溶媒、
    を含む硬化性積層用エポキシ樹脂ワニス組成物。
  2. 前記両親媒性ポリエーテルブロックコポリマーが、ジブロック、直鎖トリブロック、直鎖テトラブロック、高次の複数ブロック構造、分岐鎖ブロック構造、又は星型ブロック構造から成る群から選択される、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記両親媒性ポリエーテルブロックコポリマーの前記エポキシ樹脂混和性セグメントの少なくとも1つが、ポリ(エチレンオキシド)であり、そして前記両親媒性ポリエーテルブロックコポリマーの前記エポキシ樹脂非混和性セグメントの少なくとも1つが、ポリ(ブチレンオキシド)である、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 前記両親媒性ポリエーテルブロックコポリマーが、ポリ(エチレンオキシド)−ポリ(ブチレンオキシド)又はポリ(エチレンオキシド)−ポリ(ブチレンオキシド)−ポリ(エチレンオキシド)である、請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 前記両親媒性ポリエーテルブロックコポリマーが、1000〜30,000の数平均分子量を有する、請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 前記両親媒性ポリエーテルブロックコポリマーの前記エポキシ樹脂混和性セグメント:前記両親媒性ポリエーテルブロックコポリマーの前記エポキシ樹脂非混和性セグメントの比率が、10:1〜1:10である、請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 前記両親媒性ポリエーテルブロックコポリマーが、前記組成物の重量に基づいて、0.1重量%〜30重量%の量で存在する、請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 前記エポキシ樹脂が、多価アルコールのポリグリシジルエーテル、多価フェノールのポリグリシジルエーテル、ポリグリシジルアミン、ポリグリシジルアミド、ポリグリシジルイミド、ポリグリシジルヒダントイン、ポリグリシジルチオエーテル、エポキシ化脂肪酸又は乾性油、エポキシ化ポリオレフィン、エポキシ化不飽和二酸エステル、エポキシ化不飽和ポリエステル、及びそれらの混合物から成る群から選択される、請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物。
  9. 前記エポキシ樹脂が、多価アルコールのグリシジルポリエーテル又は多価フェノールのグリシジルポリエーテルである、請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 前記エポキシ樹脂が、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン、ビス(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタ−3−イルメチルヘキサン二酸エステル、3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートメチルエステル、及びそれらの混合物から成る群から選択される、請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物。
  11. 前記エポキシ非混和性ブロックセグメントと同一組成のホモポリマーを、前記硬化性積層用エポキシ樹脂ワニス組成物の重量に基づいて、1〜50重量%包含する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
  12. 前記エポキシ樹脂混和性ブロックセグメントと同一組成のホモポリマーを、前記硬化性積層用エポキシ樹脂ワニス組成物の重量に基づいて、1〜50重量%包含する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
  13. 前記エポキシ樹脂が、150〜3000のエポキシド当量を有する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物。
  14. 前記エポキシ樹脂が、リン含有エポキシ樹脂又は臭素化エポキシ樹脂である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の組成物。
  15. 前記エポキシ樹脂が臭素化エポキシ樹脂である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の組成物。
  16. 前記エポキシ樹脂がリン元素含有エポキシ樹脂である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の組成物。
  17. (a)エポキシ樹脂、
    (b)少なくとも1つのエポキシ樹脂混和性ブロックセグメントと、少なくとも1つのエポキシ樹脂非混和性ブロックセグメントとを含む両親媒性ポリエーテルブロックコポリマー、ここで、前記エポキシ樹脂混和性ブロックセグメントが、ポリエチレンオキシドブロック、プロピレンオキシドブロック又はポリ(エチレンオキシド−co−プロピレンオキシド)ブロックを含み、そして前記エポキシ樹脂非混和性ブロックセグメントが、ポリブチレンオキシドブロック、ポリヘキサレンオキシドブロック又はポリドデカレンオキシドブロックを含む、
    (c)硬化剤、
    (d)硬化触媒、及び
    (e)溶媒、
    を混合することを含む硬化性積層用エポキシ樹脂ワニス組成物の調製法。
  18. 次の各ステップ、
    (I)補強基板を、下記を含む硬化性積層用エポキシ樹脂ワニス組成物に含浸させるステップ、
    (a)エポキシ樹脂、
    (b)少なくとも1つのエポキシ樹脂混和性ブロックセグメントと、少なくとも1つのエポキシ樹脂非混和性ブロックセグメントとを含む両親媒性ポリエーテルブロックコポリマー、ここで、前記エポキシ樹脂混和性ブロックセグメントが、ポリエチレンオキシドブロック、プロピレンオキシドブロック又はポリ(エチレンオキシド−co−プロピレンオキシド)ブロックを含み、そして前記エポキシ樹脂非混和性ブロックセグメントが、ポリブチレンオキシドブロック、ポリヘキサレンオキシドブロック又はポリドデカレンオキシドブロックを含む、
    (c)硬化剤、
    (d)硬化触媒、及び
    (e)溶媒、そして
    (II)前記硬化性積層用エポキシ樹脂組成物を硬化させるために十分な温度において、前記硬化性積層用エポキシ樹脂ワニス組成物で含浸させた前記基板を加熱するステップ、
    を含む、積層板を調製するための方法。
  19. 前記補強基板がガラス繊維の織布である、請求項18に記載の方法。
  20. 請求項18に記載の方法により製造された積層板。
  21. 請求項18に記載の方法により製造されたプリプレグ。
  22. 請求項1〜16のいずれか一項に記載の組成物から製造された積層板。
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