JP5265169B2 - 摩擦体 - Google Patents

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本発明は、摩擦体に関する。詳細には、被筆記面(例えば紙面)上の熱変色性インキの筆跡を摩擦しその際に生じる摩擦熱で前記熱変色性インキの筆跡を熱変色可能な摩擦体に関する。
従来、特許文献1には、熱変色性インキによる筆跡を摩擦熱で熱変色させるための摩擦体において、摩擦体の形状を凸曲面とすることが記載され、さらに、前記凸曲面とすることにより、筆跡との接触角度によらず一定の接触面積が得られることが記載されている。
特開2004−148744号公報
前記従来の凸曲面状の摩擦体は、摩擦体と筆跡との接触面積(即ち摩擦体と被筆記面との接触面積)が接触角度によらず一定である。そのため、熱変色性インキの筆跡の小面積を熱変色させたい場合や、熱変色性インキの筆跡の大面積を熱変色させたい場合、所望する熱変色面積に適した大きさの接触面積を得ることができないおそれがある。例えば、熱変色性インキの筆跡の小面積を熱変色させたい場合、前記従来の摩擦体では、熱変色性インキの筆跡の熱変色させたくない部分を熱変色させてしまうおそれがあり、一方、熱変色性インキの筆跡の大面積を熱変色させたい場合、前記従来の摩擦体では多大な摩擦回数を必要とする。
本発明は、前記従来の問題点を解決するものであって、所望する熱変色面積に適した大きさの摩擦面積を容易に得ることができる摩擦体を提供しようとするものである。
本願の第1の発明は、被筆記面上の熱変色性インキの筆跡を摩擦しその際に生じる摩擦熱で前記熱変色性インキの筆跡を熱変色可能な摩擦体であって、非球面状の表面を有する弾性材料からなる摩擦部2を備え、摩擦部2を平面状の被筆記面に接触させたときの接触部分の形状が非円形状であること(請求項1)を要件とする。(図1乃至図12参照)
前記第1の発明の摩擦体1は、摩擦部2を平面状の被筆記面に接触させたときの接触部分の形状が非円形状であることにより、少なくとも、接触部分の形状が短径と長径を有する。それにより、熱変色性インキの筆跡の小面積を熱変色させたい場合には、接触部分の形状の長径方向aに摩擦体1を移動させることによって、比較的小さい摩擦面積(即ち細幅の熱変色跡)を容易に得ることができ、一方、熱変色性インキの筆跡の大面積を熱変色させたい場合には、接触部分の形状の短径方向bに移動させることによって、少ない摩擦回数で比較的大きい摩擦面積(即ち太幅の熱変色跡)を容易に得ることができる。即ち、前記第1の発明の摩擦体1は、被筆記面に接触させたときの移動させる方向を選択することにより、所望する熱変色面積に応じた最適な摩擦面積を容易に得ることができる。
本願の第2の発明は、前記第1の発明において、摩擦部2を平面状の被筆記面に接触させたときの接触部分の形状が細長状であること(請求項2)を要件とする。(図1乃至図12参照)
前記第2の発明の摩擦体1は、摩擦部2を平面状の被筆記面に接触させたときの接触部分の形状が細長状であることにより、摩擦部2の短径と長径を外部より容易に視認することができる。それにより、摩擦変色時、摩擦体1の摩擦部2の向きを所望する摩擦面積に応じて、迅速に選択できる。尚、前記細長状の形状とは、例えば、楕円形状、長円形状、長方形形状、帯状、線状等が挙げられる。
本願の第3の発明は、前記第2の発明において、摩擦部2の長径方向aの縦断面において摩擦部2の頂部が凸曲面2aを有し、摩擦部2の短径方向bの縦断面において摩擦部2の頂部が凸曲面2bを有し、長径方向の縦断面における凸曲面2aの曲率半径R1と短径方向bの縦断面における凸曲面2bの曲率半径R2とが異なること(請求項3)を要件とする。(図1乃至図4参照)
前記第3の発明の摩擦体1は、摩擦部2を平面状の被筆記面に接触させたときの接触部分の形状を細長状にできる摩擦部2を容易に得るとともに、長径方向a及び短径方向bのいずれに移動させても引っ掛かりのない滑らかな摩擦作動が可能となる。尚、前記摩擦部2の長径方向aの縦断面とは、摩擦部2を長径方向aに切断した縦断面をいう。前記摩擦部2の短径方向bの縦断面とは、摩擦部2を短径方向bに切断した縦断面をいう。
本願の第4の発明は、前記第2の発明において、摩擦部2の長径方向aの縦断面または短径方向bの縦断面において、摩擦部1の頂部が直線状の稜線部2cを備え、前記稜線部2cの少なくとも一端に角部2dを有すること(請求項4)を要件とする。(図5乃至図12参照)
前記第4の発明の摩擦体1は、摩擦変色時、摩擦部2の角部2dを用いることにより、被筆記面との接触面積を極めて小さくでき、その結果、摩擦変色時の摩擦部2に加える押圧力を小さくしても熱変色性インキの筆跡を十分に熱変色させることができ、しかも、熱変色性インキの筆跡の極めて細かい部分の熱変色が可能となる。前記角部2dの角度は、直角、鋭角、鈍角のいずれであてもよいが、具体的には10度〜160度(好ましくは20度〜140度)が好ましい。尚、前記摩擦部2の長径方向aの縦断面とは、摩擦部2を長径方向aに切断した縦断面をいう。前記摩擦部2の短径方向bの縦断面とは、摩擦部2を短径方向bに切断した縦断面をいう。
・摩擦体
尚、本発明で、摩擦体の摩擦部を構成する弾性材料(または摩擦体を構成する弾性材料)は、弾性を有する樹脂(ゴム、エラストマー)が挙げられ、例えば、シリコーン樹脂、SBS樹脂(スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体)、SEBS樹脂(スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン共重合体)、フッ素系樹脂、クロロプレン樹脂、ニトリル樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)等が挙げられる。前記摩擦体の摩擦部を構成する弾性材料(または摩擦体を構成する弾性材料)は、高摩耗性の弾性材料(例えば、消しゴム等)からなるものよりも、摩擦時に消しカスが生じない低摩耗性の弾性材料からなることが好ましい。
前記摩擦体の適用例としては、熱変色性インキを内蔵し且つ熱変色性インキを吐出可能なペン先を備えた筆記具の一部(例えば、筆記具本体の端部、またはキャップの端部)に取り付けられてもよいし、直接把持可能な大きさの単体であってもよいし、または把持可能なホルダーに取り付けられてもよい。
・熱変色性インキ
尚、本発明において、前記熱変色性インキは、可逆熱変色性インキが好ましい。前記可逆熱変色性インキは、発色状態から加熱により消色する加熱消色型、発色状態または消色状態を互変的に特定温度域で記憶保持する色彩記憶保持型、または、消色状態から加熱により発色し、発色状態からの冷却により消色状態に復する加熱発色型等、種々のタイプを単独または併用して構成することができる。
また、前記可逆熱変色性インキに含有される色材は、従来より公知の(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、及び(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体、の必須三成分を少なくとも含む可逆熱変色性組成物をマイクロカプセル中に内包させた可逆熱変色性マイクロカプセル顔料が好適に用いられる。
本発明では、図13に示すように、温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲線の形状が、温度を変色温度域より低温側から上昇させていく場合と逆に変色温度域より高温側から下降させていく場合とで異なる経路を辿って変色し、完全発色温度(t)以下の低温域での発色状態、または完全消色温度(t)以上の高温域での消色状態が、特定温度域〔t〜tの間の温度域(実質的二相保持温度域)〕で記憶保持できる色彩記憶保持型熱変色性インキが適用されることが好ましい。
図13において、ΔHは、ヒステリシスの程度を示す温度幅(即ちヒステリシス幅)を示す。ΔHの値が小さいと、変色前後の両状態のうち一方の状態しか存在しえない。ΔHの値が大きいと、変色前後の各状態の保持が容易となる。
本発明では、前記熱変色性インキの、摩擦部の摩擦熱による変色温度は、25℃〜95℃(好ましくは36℃〜95℃)に設定される。即ち、本発明では、前記高温側変色点〔完全消色温度(t)〕を、25℃〜95℃(好ましくは、36℃〜90℃)の範囲に設定し、前記低温側変色点〔完全発色温度(t)〕を、−30℃〜+20℃(好ましくは、−30℃〜+10℃)の範囲に設定することが有効である。それにより、常態(日常の生活温度域)で呈する色彩の保持を有効に機能させることができるとともに、可逆熱変色性インキによる筆跡を摩擦部による摩擦熱で容易に変色することができる。
前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料は、粒子径の平均値が0.5〜5.0μm、好ましくは1〜4μmの範囲にあることが好ましい。平均粒子径が5.0μmを越える系では、ボールペンチップや多孔質ペン体の毛細間隙からの流出性が低下し、平均粒子径が0.5μm以下の系では高濃度の発色性を示し難くなる。
前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料は、インキ組成物全量に対し、2〜50重量%(好ましくは3〜40重量%、更に好ましくは、4〜30重量%)配合することができる。2重量%未満では発色濃度が不充分であり、50重量%を越えるとインキ流出性が低下し、筆記性が阻害される。
本発明の摩擦体は、所望する熱変色面積に適した大きさの摩擦面積を容易に得ることができる。
<第1の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態を図1乃至図4に示す。
本実施の形態の摩擦体1は、弾性材料(例えば、SEBS樹脂、SBS樹脂)により構成され、直方体状の本体の一端に、表面が非球面状の凸曲面からなる摩擦部2が形成される。
前記摩擦部2は、長径方向aの縦断面において頂部が凸曲面2aを有するとともに、短径方向bの縦断面において頂部が凸曲面2bを有する。前記長径方向aの縦断面における凸曲面2aの曲率半径R1が、前記短径方向bの縦断面における凸曲面2bの曲率半径R2よりも大きく設定される。(図2、図3参照)
本実施の形態において、摩擦体1の摩擦部2の頂部を平面状の被筆記面に一定の荷重で接触させたとき、摩擦部2が弾性変形し、その接触部分の形状は、図4に示すように、楕円形状または長円形状となる。
本実施の形態の摩擦体1は、熱変色性インキの筆跡の小面積を熱変色させたい場合には、接触部分の形状の長径方向aに摩擦体1を移動させることによって、比較的小さい摩擦面積(即ち細幅の熱変色跡)を容易に得ることができ、一方、熱変色性インキの筆跡の大面積を熱変色させたい場合には、接触部分の形状の短径方向bに移動させることによって、少ない摩擦回数で比較的大きい摩擦面積(即ち太幅の熱変色跡)を容易に得ることができる。
本実施の形態の摩擦体1は、摩擦部2を平面状の被筆記面に接触させたときの接触部分の形状が楕円形状または長円形状(細長状)であることにより、摩擦部2の短径と長径を外部より容易に視認することができる。それにより、摩擦変色時、摩擦体1の摩擦部2の向きを所望する摩擦面積に応じて、迅速に選択できる。
本実施の形態の摩擦体1は、摩擦部2の長径方向の縦断面aにおいて摩擦部2の頂部が凸曲面2aを有し、摩擦部2の短径方向の縦断面bにおいて摩擦部2の頂部が凸曲面2bを有し、長径方向の縦断面における凸曲面2aの曲率半径R1と短径方向bの縦断面における凸曲面2bの曲率半径R2とが異なることにより、摩擦部2を平面状の被筆記面に接触させたときの接触部分の形状を細長状にできる摩擦部2を容易に得るとともに、長径方向a及び短径方向bのいずれに移動させても引っ掛かりのない滑らかな摩擦作動が可能となる。
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態を図5乃至図8に示す。
本実施の形態の摩擦体1は、弾性材料(例えば、SEBS樹脂、SBS樹脂)により構成され、直方体状の本体の一端に摩擦部2が形成される。
前記摩擦部2は、長径方向aの縦断面において直線状の稜線部2c(頂部)を備え、前記稜線部2cの両端に角部2dを有する。前記角部2dの角度は略直角に設定される。(図6参照)
また、前記摩擦部2は、短径方向bの縦断面において頂部が凸曲面2bを有する。(図7参照)
本実施の形態において、摩擦体1の摩擦部2の頂部(稜線部2c)を平面状の被筆記面に一定の荷重で接触させたとき、摩擦部2が弾性変形し、その接触部分の形状は、図8に示すように、長方形状または帯状となる。
本実施の形態の摩擦体1は、熱変色性インキの筆跡の小面積を熱変色させたい場合には、接触部分の形状の長径方向aに摩擦体1を移動させることによって、比較的小さい摩擦面積(即ち細幅の熱変色跡)を容易に得ることができ、一方、熱変色性インキの筆跡の大面積を熱変色させたい場合には、接触部分の形状の短径方向bに移動させることによって、少ない摩擦回数で比較的大きい摩擦面積(即ち太幅の熱変色跡)を容易に得ることができる。
本実施の形態の摩擦体1は、摩擦部2を平面状の被筆記面に接触させたときの接触部分の形状が長方形状または帯状(細長状)であることにより、摩擦部2の短径と長径を外部より容易に視認することができる。それにより、摩擦変色時、摩擦体1の摩擦部2の向きを所望する摩擦面積に応じて、迅速に選択できる。
本実施の形態の摩擦体1は、摩擦変色時、摩擦部2の角部2dを用いることにより、被筆記面との接触面積を極めて小さくでき、その結果、摩擦変色時の摩擦部2に加える押圧力を小さくしても熱変色性インキの筆跡を十分に熱変色させることができ、しかも、熱変色性インキの筆跡の極めて細かい部分の熱変色が可能となる。
<第3の実施の形態>
本発明の第3の実施の形態を図9乃至図12に示す。
本実施の形態の摩擦体1は、弾性材料(例えば、SEBS樹脂、SBS樹脂)により構成され、直方体状の本体の一端に摩擦部2が形成される。
前記摩擦部2は、長径方向aの縦断面において直線状の稜線部2c(即ち頂部)を備え、前記稜線部2cの両端に角部2dを有する。前記角部2dの角度は略直角に設定される。(図10参照)
また、前記摩擦部2は、短径方向bの縦断面において頂部に角部2eを有する。前記角部2eの角度は鋭角(例えば30度〜80度)に設定される。(図11参照)
本実施の形態において、摩擦体1の摩擦部2の頂部(即ち稜線部2c)を平面状の被筆記面に一定の荷重で接触させたとき、摩擦部2が弾性変形し、その接触部分の形状は、図12に示すように、線状または帯状となる。
本実施の形態の摩擦体1は、熱変色性インキの筆跡の小面積を熱変色させたい場合には、接触部分の形状の長径方向aに摩擦体1を移動させることによって、比較的小さい摩擦面積(即ち細幅の熱変色跡)を容易に得ることができ、一方、熱変色性インキの筆跡の大面積を熱変色させたい場合には、接触部分の形状の短径方向bに移動させることによって、少ない摩擦回数で比較的大きい摩擦面積(即ち太幅の熱変色跡)を容易に得ることができる。
本実施の形態の摩擦体1は、摩擦部2を平面状の被筆記面に接触させたときの接触部分の形状が線状または帯状(細長状)であることにより、摩擦部2の短径と長径を外部より容易に視認することができる。それにより、摩擦変色時、摩擦体1の摩擦部2の向きを所望する摩擦面積に応じて、迅速に選択できる。
本実施の形態の摩擦体1は、摩擦変色時、摩擦部2の角部2dを用いることにより、被筆記面との接触面積を極めて小さくでき、その結果、摩擦変色時の摩擦部2に加える押圧力を小さくしても熱変色性インキの筆跡を十分に熱変色させることができ、しかも、熱変色性インキの筆跡の極めて細かい部分の熱変色が可能となる。
本発明の摩擦体の第1実施の形態を示す要部斜視図である。 図1のX−X線縦断面図(図1の長径方向の縦断面図)である。 図1のY−Y線縦断面図(図1の短径方向の縦断面図)である。 図1の摩擦体の摩擦部を被筆記面に接触させたときの接触部分の形状を示す図である。 本発明の摩擦体の第2実施の形態を示す要部斜視図である。 図5の長径方向の縦断面図である。 図5の短径方向の縦断面図である。 図5の摩擦体の摩擦部を被筆記面に接触させたときの接触部分の形状を示す図である。 本発明の摩擦体の第3実施の形態を示す要部斜視図である。 図9の長径方向の縦断面図である。 図9の短径方向の縦断面図である。 図9の摩擦体の摩擦部を被筆記面に接触させたときの接触部分の形状を示す図である。 熱変色性インキの変色挙動を示す説明図である。
符号の説明
1 摩擦体
2 摩擦部
2a 凸曲面
2b 凸曲面
2c 稜線部
2d 角部
2e 角部
a 長径方向
b 短径方向

Claims (1)

  1. 被筆記面上の熱変色性インキの筆跡を摩擦しその際に生じる摩擦熱で前記熱変色性インキの筆跡を熱変色可能な摩擦体であって、
    非球面状の表面を有する弾性材料からなる摩擦部を備え、摩擦部の長径方向の縦断面において摩擦部の頂部が凸曲面を有し、摩擦部の短径方向の縦断面において摩擦部の頂部が凸曲面を有し、長径方向の縦断面における凸曲面の曲率半径と短径方向の縦断面における凸曲面の曲率半径とが異なり、前記摩擦部の頂部を平面状の被筆記面に弾性変形させるように接触させたときの接触部分の形状が非円形状且つ細長状となることを特徴とする摩擦体。
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