JP5285146B2 - 自動車の火工的安全装置を廃棄するフェイルセーフ装置および方法 - Google Patents

自動車の火工的安全装置を廃棄するフェイルセーフ装置および方法 Download PDF

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Description

背景
本発明は、全体として、火工的安全装置の廃棄、とりわけフェイルセーフな自動車用火工的安全装置の廃棄に関する。
自動車は、通常、自動安全装置を含んでいて、さまざまな火工的安全装置(PSD)および一連の衝突センサを搭載している。万一の自動車衝突の場合には、衝突センサから受信した信号に反応してPSDが作動すなわち展開し、自動車の乗員が被る負傷を和らげる。PSDの例としては、エアバッグ、シートベルト・プリテンショナ、展開可能ロールバー、展開可能ニーボルスタ、展開可能アンチサブマリン装置、「ポップアップ」式歩行者安全フードなどがある。
自動車の耐用年数の終了時、展開しなかった多数の「生きている」PSDが自動車に残る。PSDの火工的性質のため、多くの国の政府規則で、安全上の理由から、PSDの除去、保管および再利用を禁じている。近年、多くの政府が、展開しなかったPSDを残している自動車の廃棄を禁じる規則をも施行し、今や、自動車廃棄の前に、展開しなかったすべてのPSDを展開させるよう求めている。このような規則の1つは、ISO 26021規約案に盛り込まれていて、自動車拘束システムコントローラが、外部装置からPSD廃棄命令を受信し、それに基づいて作動することを求めている。
自動車拘束システムの主要な目的は衝突時に自動車の乗員の負傷を和らげることであるから、明白な自動車の衝突状態、すなわち乗員の負傷を引き起こすほど重大な衝突状態が認識された時のみ、PSDを作動させることが望ましい。
PSDの偶発のもしくは不要な展開を防ぐために、自動車拘束システムコントローラは一般に「フェイルセーフ」に設計され、システムの構成要素のうちただの1つも、PSDへ流れる展開電流を生じさせる工程で失敗しないように設計される。全体として、このフェイルセーフ構造は、多数の独立した衝突センサ、ロジック回路評価、および展開コントロールハードウェアをアレンジすることにより実現され、個々の構成要素それぞれが所定の展開状態に達したときしか、展開電流が流れることを許容しない。しかし、自動車拘束システムコントローラのこのフェイルセーフ構造によって、自動車の廃棄に先立って手動で安全にPSDを廃棄することが困難になっている。なぜなら、一般的に、衝突状態を示すセンサ入力がなければ、所定の展開状態にならないからである。
このように、標準的な拘束システム構造は、PSD廃棄用の展開が単一の通信ポートを介して制御されることを求めるISO 26021規約案などの規則とは矛盾している。単一の通信ポートを介した展開を実現するには、関連する制御ロジックが、多くの自動車拘束システムコントローラ内蔵のインターロックおよびリダンダンシを実質的に無視する必要がある。しかしこれにより、仮に個々の構成要素の故障モードが適切に管理されなかった場合には、システムの偶発的な展開の危険性が潜在的に増すことになってしまう。
したがって、ISO 26021規約案などの新しい政府規則に準拠する、火工的安全装置の廃棄のためのフェイルセーフ方法および装置に対するニーズが現存する。
本発明の一面において、火工的安全装置の廃棄に関する方法は、基本制御装置および補助制御装置を有する電子制御装置を設けることを含んでよい。補助制御装置はセーフィングモードおよびスクラップモードを含み、初期状態ではセーフィングモードで作動する。補助制御装置は、基本制御装置から第1の所定信号を受信すると、セーフィングモードからスクラップモードに切り換わる。補助制御装置は、補助制御がスクラップモードで作動している間に基本制御装置から第2の所定信号を受信したときのみ、発火する。補助制御装置の発火中に単一のPSDへ展開信号を送信することにより、その単一のPSDを展開させる。
他の側面において、展開信号は、外部ソースより受信した信号に基づき、基本制御装置からPSDへ送信する。基本制御装置は、外部信号ソースから第1の信号を受信した後に、第1の所定信号を補助制御装置に送信する。基本制御装置は、外部信号ソースから第2の信号を受信した後に、第2の所定信号を補助制御装置に送信する。外部信号ソースはCANベースのテスタとしてよく、補助制御装置とは通信不能である。
さらに本発明の他の側面において、火工的安全装置の廃棄方法は、基本制御装置のメモリに符号化データを保存することを含んでよい。符号化データは複数の所定信号に相当する。復号キーは、基本制御装置が外部信号ソースから受信する複数の信号に基づいて決定される。第1および第2の所定信号に相当する、符号化データの少なくとも一部分は、この復号キーを使って復号される。
本発明の他の側面において、補助制御装置は、廃棄セッションが終了するとセーフィングモードにリセットされ、復号キーおよび復号データが破棄可能となる。
本発明による火工的安全装置の他の処理方法は、基本制御装置および補助制御装置を含む電子制御装置を設けることを含み、補助制御装置はセーフィングモードおよびスクラップモードで作動可能である。補助制御装置がスクラップモードで作動する時、補助制御装置から基本制御装置へ廃棄シードが送信される。廃棄シードに基づいて廃棄キーが計算され、補助制御装置は、基本制御装置が廃棄キーを補助制御装置に送信した時に発火する。火工的装置の発火中に展開信号を単一の火工的装置に送信することにより、その単一の火工的装置が展開する。廃棄キーは、ユニークな定期的メッセージとしてよい。
1つの実施形態では、補助制御装置は展開後に安全化させてよい。また、仮に他の廃棄信号を基本制御装置より受信した場合には、再発火させてよい。第2の火工的装置は、補助制御装置が廃棄信号を受信したときに展開させてよく、補助制御装置の発火中、基本制御装置は火工的装置に展開信号を送信する。
火工的安全装置の廃棄に関するシステムは、補助制御装置および基本制御装置を有する電子制御装置を含んでよい。基本制御装置は補助制御装置と電気通信を行い、補助制御装置はセーフィングモードおよびスクラップモードで作動するように構成される。また本システムは、補助制御装置および基本制御装置と電気通信を行う火工的安全装置と、基本制御装置と電気通信を行う外部信号装置とを含む。外部信号装置は、補助制御装置と電気通信を行わない。1つの実施形態では、外部信号装置はCANベースのテスタとしてよい。
補助制御装置は、補助制御装置が基本制御装置から第1の所定信号を受信した時に、セーフィングモードからスクラップモードに切り換わるよう構成される。また補助制御装置は、補助制御装置がスクラップモードで作動している時に基本制御装置から第2の所定信号を受信すると、火工的安全装置を発火させるよう構成される。
さらに他の一面では、発火後、決まった期間だけ補助制御装置の発火状態を継続させてよい。
概要の紹介として以上の各段落を記載したが、後述する特許請求の範囲を制限する意図はない。現状の好ましい実施形態は、他の利点とともに、以下に続く詳細な説明および添付の図面を参照して、最もよく理解可能である。
本発明は、図面と関連した以下の説明を読むことにより、より完全に理解可能である。
図1(a)は本発明の実施形態による電子制御装置に関するシステム図である。図1(b)は図1(a)の電子制御装置に関するタイミング図である。 火工的安全装置の廃棄に関するフェイルセーフ方法のフローチャートである。 補助制御装置が図2のセーフィングモードで作動している時に火工的安全装置を展開させる工程に関する詳細なフローチャートである。 補助制御装置が図2のスクラップモードで作動している時に火工的安全装置を展開させる工程に関する詳細なフローチャートである。 補助制御装置が図2のスクラップモードで作動している時に第2の火工的安全装置を展開させる工程に関するフローチャートである。 補助制御装置の作動形態がスクラップモードで作動している時の第1および第2の火工的安全装置の展開に関する典型的なタイミング図である。 本発明による、補助制御装置の作動形態に関する論理図である。
発明の詳細な説明
「火工的安全装置」もしくは「PSD」という用語は、火工品を含むあらゆる自動車安全拘束のことを指し、例えば、エアバッグ、シートベルト・プリテンショナ、展開可能ロールバー、展開可能ニーボルスタ、展開可能アンチサブマリン装置、「ポップアップ」式歩行者安全フードなどがあるが、これらに限られない。用語「展開」、「展開した」、「廃棄」およびこれらの派生語は、火工的安全装置の発火後の状態、つまり発生した火工ガスが実質的にすべて酸化した状態を指す。
最近の火工的安全装置は電子制御装置(ECU)を含み、これは一般に2つのハードウェア制御装置、つまり、主要なマイクロコントローラ(MCU)および独立した補助制御装置を利用する。補助制御装置はセーフィングロジックとも呼ばれ、衝突状態を認識し、各PSDを展開させる。一般的に、MCUはマイクロコントローラ衝突アリゴリズムを利用して衝突信号を分析し、衝突の位置および程度を決定する。衝突アルゴリズムが、衝突が十分重大であると判断した場合、MCUは、検知された衝突位置に相当するPSDに展開信号を送信する。補助制御装置は、同時に独立して同衝突信号を分析し、衝突信号を有効にし、セーフィング(発火)をオンにする。PSDの展開を実現するためには、展開信号およびセーフィングが同時に発生しなければならない。
ISO 26021規約案などの政府規則および工業規格では、自動車が道路での使用に適さなくなった時および自動車がスクラップされる時に、展開されなかった、もしくは「生きている」PSDを廃棄するメカニズムをECUが有することを要求する。これらの規則の下では、スクラップ時に、テスタがコントローラ・エリア・ネットワーク(CAN)を介してECUにメッセージ(信号)を送信し、PSDの廃棄を要求する。しかし、CANメッセージはMCUでしか受信されないため、補助制御装置は、テスタメッセージを同時に有効にするための外部入力を持たない。したがって本発明は、外部信号ソースから送信されMCUのみが受信する信号を独立して有効にし、これにより、「スクラップ時」に独立したセーフィングおよびPSDの展開を実現することを目的とする。
各要素を示す参照番号については、図を参照されたい。図1(a)は、本発明の実施形態による電子制御装置(ECU)100を示している。ECU100は、補助制御装置110、基本マイクロコントローラ(MCU)120およびANDゲート180を含む。補助制御装置110は、メモリに保存された2つの作動モード、つまり、セーフィングモード112およびスクラップモード114を含む。MCU120は、衝突アルゴリズム122およびメモリに保存されたスクラップ管理データ124を含む。スクラップ管理データ124は、好ましくは、MCU120のメモリ内に、実行不能形式にて符号化され保存される。補助制御装置110およびMCU120は、互いに双方向電気通信を行い、補助制御装置110およびMCUは両方とも、自動車のPSDと電気通信を行う(図示せず)。ANDゲート180もまた、MCU120および補助制御装置110と同様、自動車のPSDと電気通信を行う。
補助制御装置110は、セーフィングモード112およびスクラップモード114の2つのうち1つのモードで、自動車のPSDを発火もしくは安全化させるよう構成される。補助制御装置110はまた、MCU120が補助制御装置110に廃棄シード130の要求を送信した時に、廃棄シード130をMCU120に送信するよう構成される。廃棄シード130は、好ましくは、シリアル・ペリフェラル・インタフェース(SPI)を介して、2kHzに等しいかそれ以上のスピードで送信される。補助制御装置110は、CANを介して送信された信号、もしくは、テスタなどの、ECU100の外部ソースから他の通信ラインを受信できないことが好ましい。
MCU120は、複数の自動車衝突センサ(図示せず)からの信号、ならびにテスタ(図示せず)などの外部信号ソースからの信号、廃棄シード130を含む補助制御装置110からの信号を受信するよう構成される。MCU120はCANを介して外部信号を受信することが好ましい。しかし、現存するもしくは後に開発されるいかなる電気通信ラインを信号送信に利用してもよいと理解すべきであり、例えばこれらに限られないがイントラネット、ケーライン、もしくはワイヤレス・プロトコルを含む。MCU120はまた、自動車のPSDに信号を送信し、廃棄キー140などの信号を補助制御装置110に送信するよう構成される。信号は、シリアル・ペリフェラル・インタフェース(SPI)を介して送信されることが好ましい。
作動に際して、廃棄シード/廃棄キーによる方法を用いて、補助制御装置110がスクラップモード114で作動中に補助制御装置110を発火させてよい。これについての詳細は、図2〜図5を参照して下記に述べる。
図1(b)は、補助制御装置110と、ECU100のMCU120とのタイミング動作を示している。時刻tでは、偶発の展開を避けるために、安全化機能150はHIGHであり、発火機能はLOWである。補助制御装置110は、時刻tで初めて発火機能160を作動させる。これは、セーフィングモード112で作動中に衝突センサ信号がPSD展開要求を満たしていると独立して確認すると同時に行われる。あるいは、スクラップモード114で作動中に廃棄キー信号を受信すると同時に行われる。補助制御装置110が時刻tで発火する時、安全化はLOWで、発火はHIGHである。補助制御装置110の発火中、つまり時刻t〜tの間、MCU120は、時刻t〜t間ではHIGHになる展開信号170を送信する。PSDは、展開信号がHIGHでありかつ補助制御装置110の発火機能160がHIGHである場合のみ、展開可能である。展開信号がHIGHであり、発火機能160がLOWであり、安全化機能150がHIGHである場合、PSDは展開できない。図1(b)に見られるように、発火すると、補助制御装置110は所定の時間発火可能である。例えば、補助制御装置が発火したままでいる時間を定義した時刻t〜t間のセーフィング・ウィンドウ(発火ウィンドウ)は、およそ0.5ミリ秒からおよそ2ミリ秒の間でよい。好ましくは、補助制御装置110を発火させている時間は、次の数式により計算される。
発火時間=発火リード時間+発火電流時間+発火ラグ時間
ここで発火リード時間は、補助制御装置110が発火した後に展開信号がPSDに送信されるように決定される。発火リード時間は、例えばおよそは、2ミリ秒からおよそ5ミリ秒の間でよいがこれに限られない。発火電流時間はハードウェアに依存し、パラメータを固定された火工装置に依存する。また、発火電流時間は、およそ0.5ミリ秒からおよそ2ミリ秒の間に設定してよい。発火ラグ時間(発火後の)は、補助制御装置110の発火継続を許容する追加の時間であり、この発火継続によって、PSD展開に必要な時間が所定の発火電流時間では不足することになっても、確実にPSDの展開が完了する。発火ラグ時間は、発火電流時間の複数倍としてよい。例えば、発火ラグ時間は発火電流時間の2倍としてよいが、これに限定されない。無論、セーフィング・ウィンドウは他の手段によって計算してもよく、もしくは、固定時間としてもよいことは理解されるべきである。例えば、発火ラグ時間は、およそ2ミリ秒からおよそ3ミリ秒の固定値であってもよい。
発火電流は、バッテリにより充電されるコンデンサによって提供してよい。コンデンサに蓄えられたチャージは、新しい発火電流がPSDに送信される度に減少するため、コンデンサは、例えば、16個のPSDのうち12番目のPSDが発火した後、放電させてもよい。この場合、発火命令はSPI経由で送信されるが、実際の発火電流は、コンデンサが十分なボルテージにまで再充電された後に、PSDにのみ送信される。このように、補助制御装置110の発火中に発火信号をPSDに確実に送信するために、また、PSDを確実に展開させるために、補助制御装置110の発火時間は、発火電流時間を超過することが望ましい。さらには、コンデンサは一般に経時劣化するので、発火ラグ時間を、コンデンサの劣化した性能を相殺するために作用させてもよい。
図2は、図1(a)の実施形態に従って、火工的安全装置の廃棄に関するフェイルセーフ方法を表すフローチャート例を示している。工程210において、補助制御装置110、MCU120およびANDゲート180を含むECU100が、パワーオンされる。補助制御装置110は、2つのモード、つまり、セーフィングモード112およびスクラップモード114で作動するよう構成される。MCU120は、メモリ、好ましくはROMを含んでよい。メモリは符号化データ124を保存していて、これは、補助制御装置110のスクラップモードをオンにしたり、PSDの火工的展開を命令したりするのに必要なものであり、好ましくは実行不能形式で保存される。工程220に見られるように、起動時、補助制御装置110はセーフィングモード112に設定され、衝突アルゴリズム122がオンになる。工程230において、MCU120は、スクラップモード114に入るための外部信号をテスタ等から受信したか否かを判定する。
工程240に見られるように、外部信号が受信されなかったら、補助制御装置110はセーフィングモードを維持し、MCU120はスクラップモード114に入るための外部信号を監視し続ける。しかし、スクラップモード114に入るための外部信号を受信したことをMCU120が判定すると、MCU120は、スクラップモード114の入力に関するISO 26021規約案により定義された条件を満たすか否かを判定する。これは工程250に示される。仮に所定の条件を満たしていなかったら、補助制御装置はセーフィングモード112を維持し、MCU120はスクラップモード114に入るための新しい外部信号を監視し続ける。
スクラップモード114に入るための所定の条件が満たされた場合、MCU120は、蓄積されたデータに基づく復号キー(図示せず)の組立を開始する。本データは、工程260に見られるように、CANを介して外部信号ソースによって受信された信号を通じてMCU120が受信したものである。復号キーは、外部信号ソースによってMCU120に送信されたCAN信号(メッセージ)の16進値のみから得られることが望ましい。また、外部信号ソースから外部CAN信号を受信する前は、MCU120のメモリ内には復号キーのいずれの部分も含まれていない、すなわち保存されていないことが望ましい。また、スクラップ状態を包括的に認識するのに必要なあらゆるCANメッセージが含まれるように、復号キーを選択することが望ましい。
工程270において、一旦復号キーの組立が完了すると、MCU120は、MCU120のROMに保存された符号化データ124を、実行可能な形式の指示に復号し、RAMに当該指示をロードする。復号された実行可能な指示には、セーフィング・ハードウェアにて展開制御を定期的に管理するアルゴリズム、火工的展開を命令するための指示、廃棄キー140を計算するための指示、および補助制御装置の作動モードを制御するための所定信号を含めてよい。MCU120は、復号キーの適切さを確認できないことが望ましく、したがって、復号された実行可能な指示の適切さを確認できないことが望ましい。MCU120は、単にCAN信号からの復号キーを組み立て、符号化されたデータ124を復号する。
指示がRAMに一旦ロードされると、MCU120は、符号化データ124から復号された所定信号を、復号キーを使って補助制御装置110に送信する。すると補助制御装置110はスクラップモード114をオンにする命令を出す。スクラップモード114に入ると、すべての衝突アルゴリズム122が中断され、補助制御装置110は、衝突センサからの信号の監視を停止する。所定信号は、補助制御装置110に、MCU120から廃棄キー140を受信したときにのみ発火するよう命じる。このことは、図4に関連して後述する。
図3に注目すると、図3は図2のセーフィングモード実行220のフローチャートを示している。これは、非スクラップ状態における補助制御装置110の標準作動モードであり、ECU100がパワーオンされたときの初期モードと同じである。工程300に見られるように、補助制御装置110がセーフィングモード112で作動しているとき、補助制御装置110は、自動車の全体にわたって設置される一連の衝突センサからの信号を監視する(図示せず)。そして、MCU120は、一連の衝突センサからの受信信号を監視するために衝突アルゴリズム122を利用する。当該一連のセンサは、減速力と、その減速力が生じた1または複数の位置とに関して、ECU100へ情報を中継するよう構成される。
工程310、320において、MCU120が衝突センサ信号を受信すると、衝突アルゴリズム122は、当該信号がPSD展開に関する所定のパラメータに適合するか否かを決定する。その間、補助制御装置110は同時かつ独立に、本発明の技術分野で知られている方法によって、上記信号が所定のパラメータに適合するか否かを確認する。所定の要件が満たされない場合は、PSDは展開せず、MCU120は、衝突センサ信号の監視を続ける。
工程330、340に見られるように、衝突信号が展開のための所定のパラメータに適合することをMCU120衝突アルゴリズムが判定し、また、衝突信号が展開のための所定のパラメータに適合することを補助制御装置110が独自に確認した場合、MCU120は、ANDゲート180に展開信号を送信する。補助制御装置110が衝突信号を確認すると、補助制御装置110は発火し、補助制御装置110はANDゲート180に発火信号を送信する。補助制御装置110の発火中、ANDゲート180がMCU120からの展開信号および補助制御装置110からの発火信号の両方を受信すると、衝突アルゴリズム122により指定された各PSDに展開信号が送信され、指定された各PSDが展開する(工程350、360)。
図4は、図2の工程280に示されるスクラップモード114を実行するためのフローチャートを示す。補助制御装置110は、MCU120が復号キーを用いて復号した所定信号を受信したときのみ、スクラップモード114に入るよう構成される。工程400に見られるように、補助制御装置110がMCU120から復号された所定信号を受信すると、セーフィングモード112の衝突アルゴリズム122は中断され、補助制御装置110は、廃棄キー140を受信したときのみ発火可能となる。補助制御装置110が一旦スクラップモード114に入ると、補助制御装置110は、廃棄キー140受信以外のいかなる手段を通しても発火不能であることが望ましいことに注目されたい。
工程410において、補助制御装置110がスクラップモード114に入ると、MCU120は、外部信号ソースからの廃棄信号に関してCANを監視し続けることが望ましい。MCU120が外部信号ソースから廃棄信号を受信すると、MCU120は、補助制御装置110に信号を送信し、廃棄シード130を要求する(工程420)。廃棄シード130は、補助制御装置110によりパワーサイクル毎に生成され、もしくは所定の時間間隔で生成される乱数であってよい。
工程430において、MCU120は、補助制御装置110から廃棄シード130を受信し、廃棄シード130に基づいた廃棄キー140を計算する。MCU120は、次に、補助制御装置110へ廃棄キー140を送信し、ANDゲート180に展開信号を送信する(工程450、440)。廃棄キー140は、ユニークな定期的メッセージとしてもよい。展開信号は、工程260において復号された実行可能な指示としてよく、もしくは、テスタから受信された廃棄信号に含めてもよい。展開信号および廃棄キー140は、シリアル・ペリフェラル・インタフェース(SPI)を介して、MCUから同時に受信されることが望ましい。
補助制御装置110が一旦廃棄キー140を受信すると、補助制御装置110は、MCU120から受信した廃棄キー140が適切か否かを決定する(工程460)。もし、廃棄キー140が適切でなかった場合、補助制御装置110は発火しないままでいて、適切な廃棄キー140に関して監視を続ける(工程465)。しかし、仮に補助制御装置110が適切な廃棄キー140を受信したら、補助制御装置110は発火し、工程470に見られるように、補助制御装置110はANDゲート180に発火信号を送信する。
工程480、490に見られるように、仮に補助制御装置110の発火中にANDゲート180がMCU120からの展開信号および補助制御装置110からの発火信号の両方を受信すると、外部信号ソースにより要求されたPSDに、展開信号が送信される。補助制御装置110がスクラップモード114で作動している時は、ECU100は、外部信号ソースからの廃棄信号を受信しても、単一のPSDしか展開できないよう制限されることが望ましいことに注意されたい。しかし、仮に廃棄信号が複数同時の展開を要求する場合は、単一の廃棄信号受信と同時に、複数のPSDを展開させてよい。
図2および図4に関連して述べられた上記工程は、MCU120が新しい廃棄要求を外部信号ソースから受信する度に繰り返される。さらに、MCU120は復号キーの適切さを確認することができないため、復号された指示の適切さ、復号された所定信号の適切さ、およびCANメッセージ(テスタ)を送信する外部信号ソースの適切さは、補助制御装置110にスクラップモード114をオンにすることを命じる唯一の手段である。このように、補助制御装置110が、MCU120とは独立して発火することにより、偶発の展開の危険性を最小限にする。
図5は、補助制御装置110がスクラップモード114で作動する時の、複数の火工的装置の廃棄方法に関するフローチャートを示している。ECU100は、外部信号ソースから受信した廃棄信号ごとに単一のPSDを展開させるよう、制限されている。工程490における単一のPSDの展開に続き、補助制御装置110は、工程510において一時的にオフにされる。補助制御装置110は、補助制御装置110に不適切な信号(たとえば適切な展開キー以外の信号)を送信することによりオフにしてよい。補助制御装置110が一時的にオフにされたあと、MCU120は、スクラップ状態が終了したか否かを監視する。スクラップ状態の終了となる状態の例には、ECU100のリセット、ECU100および外部信号ソース間の通信の喪失、もしくは、パワーの喪失が含まれる。スクラップ状態が終了した場合、工程530に見られるように、補助制御装置110はセーフィングモード112に設定される。そして、復号キー、およびRAMに保存された復号された実行可能な指示は破棄してよい。補助制御装置110が一旦セーフィングモード112に設定されると、補助制御装置110は、図2および図4に関連して上述した工程による以外、スクラップモードに設定不能であることが望ましい。
しかし、スクラップ状態が終了していない場合、MCU120は、テスタからの有効な廃棄信号の監視を続ける(工程540)。有効な廃棄信号をMCU120が受信した場合には、工程410〜490において上述したように、補助制御装置110は発火し、次のPSDが展開する。この工程は、展開していないすべてのPSDが廃棄されるまで繰り返してよい。
図6は、補助制御装置110の実施形態に関する論理略図を示している。上述したように、当初、補助制御装置110はセーフィングモード112で作動する。所定のメッセージを受信すると同時に、補助制御装置110はスクラップモード114に入る。スクラップモード114は、発火(セーフィング)がオフにされる初期値を有する。補助制御装置110が適切でユニークな定期的メッセージ(廃棄キー140)を受信すると、発火がオンになる。補助制御装置110が不適切でユニークなメッセージ(たとえば不適切な廃棄キー140)を受信した場合、もしくは、補助制御装置110の発火中に補助制御装置110が何らメッセージを受信しなかった場合、発火はオフにされる。最終的には、補助制御装置がリセット命令を受信した場合、補助制御装置110は、その初期状態に戻り、セーフィングモード112がオンになる。
図7は、補助制御装置110およびMCU120のタイミング機能を示すタイミング略図であり、図5に関して上述したように、スクラップモード114で複数のPSDを順次展開させる時のものである。時刻tにおいて、テスタから送られた新しい廃棄要求信号が、MCU120によって受信される。MCU120は、廃棄キー140を補助制御装置110に送信する。補助制御装置110は、補助制御装置110を発火させることにより、時刻t〜t間のセーフィングウィンドウをオンにする。セーフィングウィンドウは、時刻t〜t間の発火リード時間を含み、これは、例えば5ミリ秒としてよく、これに限られない。また、セーフィングウィンドウは、時刻t〜t間の発火ラグ時間を含み、これは、例えばおよそ2ミリ秒からおよそ3ミリ秒としてよく、これに限られない。時刻t〜t間のPSD展開ウィンドウに代表される展開信号(発火電流時間)が、MCU120によって、当該セーフィングウィンドウ内のPSDに送信された場合、第1のPSDが廃棄される。時刻t〜t間の展開信号は、例えば2ミリ秒としてよく、これに限られない。
時刻tにおいて、不適切なメッセージあるいは不適切な信号を送信することによって、MCU120は、一時的に補助制御装置110の発火をオフにする。そして、ECUは、時刻tにおいて、テスタからの新しい廃棄要求信号を受信可能である。不適切なキーは、MCU120から補助制御装置110へ送信されたメッセージのデータ要素であってもよい。補助制御装置110は、不適切な信号あるいは不適切なメッセージが補助制御装置110に送信されたときは、セーフィングモードにリセットせず、単にセーフィングを一時的にオフにするだけであることに注目されたい。新しい廃棄要求が時刻tにおいて一旦受信されると、新しい廃棄要求のために上記工程が繰り返される。そして、時刻tおよびtで定義されるPSD展開ウィンドウを、時刻t〜t10間のセーフィングウィンドウ内の要求されたPSDに送信する必要がある。しかし、補助制御装置110は、不適切な信号あるいは不適切なメッセージを受信すると同時にセーフィングモードにリセットされるように構成してもよいことを理解されたい。
このように、本発明は、ISO 26021規約案などの新しい政府規則に準拠する、火工的安全装置の廃棄に関するフェイルセーフ方法を提供する。さらに、本発明は、PSDを安全に廃棄するために、衝突アルゴリズムおよびセーフィングを作動させるための衝突センサエミュレーションを必要としない。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらに限られず、本発明から逸脱しない範囲で改良してよいことを理解されたい。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義し、特許請求の範囲の意味するところから文言上または均等な意味において想起されるあらゆる工程および装置は、特許請求の範囲に含まれるものとする。さらに、本発明の利点は、必ずしも上述した利点には限られないし、本発明のすべての実施形態において上述の利点のすべてが実現されるとは限らない。

Claims (15)

  1. 火工的安全装置廃棄方法において、
    基本制御装置と、セーフィングモードおよびスクラップモードを含む補助制御装置を含む電子制御装置とを準備し、
    前記補助制御装置が前記基本制御装置から第1の所定信号を受信した時に前記スクラップモードをオンにし、
    前記補助制御装置が前記スクラップモードにて作動している時に前記基本制御装置からの第2の所定信号を前記補助制御装置が受信した場合のみ、前記補助制御装置を発火させ、
    前記補助制御装置の発火中に少なくとも1つの前記火工的装置に展開信号を送信することにより、少なくとも1つの火工的装置を展開させることを特徴とする火工的安全装置廃棄方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、前記展開信号は、前記基本制御装置が外部ソースから信号を受信した後に、前記基本制御装置から送信することを特徴とする方法。
  3. 請求項2に記載の方法において、前記外部ソースがCANベースのテスタであることを特徴とする方法。
  4. 請求項3に記載の方法において、前記基本制御装置は、外部ソースから第1の信号を受信した後に前記第1の所定信号を送信し、前記外部ソースから第2の信号を受信した後に前記第2の所定信号を送信することを特徴とする方法。
  5. 請求項4に記載の方法において、前記外部ソースがCANベースのテスタであり、前記CANベースのテスタは前記補助制御装置と電気通信を行わないことを特徴とする方法。
  6. 請求項1に記載の方法において、前記第2の所定信号と前記展開信号とを同時に送信すること特徴とする方法。
  7. 請求項1に記載の方法において、さらに、
    基本制御装置のメモリ内に、複数の所定信号に相当する符号化データを保存し、
    外部ソースから前記基本制御装置が受信した複数の信号に基づいた復号キーを決定し、
    前記第1および第2の所定信号に相当する、前記符号化データの少なくとも一部分を前記復号キーを用いて復号することを特徴とする方法。
  8. 請求項7に記載の方法において、前記復号キーは、前記外部ソースから前記基本制御装置が受信した前記複数の信号の各々の16進値に基づいて決定することを特徴とする方法。
  9. 請求項7に記載の方法において、前記符号化データは、実行可能な形式に復号することを特徴とする方法。
  10. 請求項7に記載の方法において、さらに、
    廃棄セッションが終了した時に前記補助制御装置を前記セーフィングモードにリセットし、
    前記復号キーおよび前記復号データを破棄することを特徴とする方法。
  11. 請求項10に記載の方法において、前記電子制御装置をリセットするか、前記電子制御装置へのパワーを喪失させるか、あるいは前記外部ソースとの通信を喪失させることによって、前記廃棄セッションを終了させることを特徴とする方法。
  12. 請求項1に記載の方法において、さらに、
    前記補助制御装置の発火中に前記基本制御装置が前記展開信号を受信した時は、少なくとも1つの火工的装置の第1の火工的装置が展開した後に、前記補助制御装置を安全化し、
    廃棄信号を前記基本制御装置が受信したときのみ、前記補助制御装置を再発火させ、
    前記基本制御装置が前記外部ソースから前記廃棄信号を受信した時、第2の火工的装置を展開させることを特徴とする方法。
  13. 請求項12に記載の方法において、前記基本制御装置にいずれかの非廃棄信号を送信することにより、前記補助制御装置を安全化することを特徴とする方法。
  14. 請求項12に記載の方法において、前記補助制御装置を所定の時間発火させることを特徴とする方法。
  15. 火工的安全装置の廃棄システムにおいて、
    補助制御装置および基本制御装置を含む電子制御装置であって、前記基本制御装置は前記補助制御装置と電気通信を行い、前記補助制御装置はセーフィングモードおよびスクラップモードで作動するよう構成される電子制御装置と、
    前記補助制御装置および前記基本制御装置と電気通信を行う火工的安全装置と、
    前記基本制御装置と電気通信を行い、前記補助制御装置と電気通信を行わない、外部信号装置とを含み、
    前記補助制御装置が第1の所定信号を前記基本制御装置から受信した時、前記補助制御装置は、前記セーフィングモードから前記スクラップモードに切り換わるよう構成され、前記補助制御装置は、前記補助制御装置が前記基本制御装置から第2の所定信号を受信し前記補助制御装置が前記スクラップモードで作動している時に、前記火工的安全装置を発火させるよう構成されることを特徴とする、火工的安全装置の廃棄システム。
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