JP5286021B2 - 多芯筆記具 - Google Patents

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本発明は、軸筒内に複数の筆記体を前後方向に移動可能に収容し、前記複数の筆記体のペン先の一つを軸筒の前端孔より外部に選択的に出没させる多芯筆記具に関する。
特許文献1には、外装体に摺動可能に取り付けられた操作体を摺動操作することにより、外装体内部に収納された先端にペン先を有する複数のレフィルを交互に外装体先端より突出させた多芯式筆記具が開示されている。さらに、前記特許文献1には、レフィルを後方に付勢するコイルスプリングが係止され且つレフィルの摺動ガイドとなる内棚部を、外装体に設けた構成が開示されている。また、前記特許文献1には、極力レフィル同士の接触の可能性を低減するとともに、レフィルのペン先とパイプとの接続部分の段部が、軸筒内壁に接触しないようにすることが記載されている。
特開平9−207494号公報
一般に、多芯筆記具において、収納するレフィル(本発明の筆記体に相当)の本数を増加させるに伴い、外装体の前部(把持部)の内径及び外径が太くなる。もし、レフィルの本数の少ないときの外装体の前部(把持部)の外径を維持したまま、収納するレフィルの本数を増加させた場合、レフィル同士の接触やレフィルと外装体内面との接触によりレフィルの出没作動が阻害されるおそれがある。また、前記レフィルの出没作動の阻害を回避するために、各々のレフィルの外径を細くせざるを得ず、その結果、各々のレフィルのインキ充填量が少なくなる。
本発明は、前記従来の問題点を解決するものであって、軸筒内に収容する筆記体の本数を増加させても、筆記体の出没作動の阻害や筆記体内のインキ充填量の減少を回避できるとともに、軸筒の前部の細い外径(スリムな把持部)を維持することができる多芯筆記具を提供しようとするものである。尚、本発明において、「前」とはペン先側を指し、「後」とはその反対側を指す。
[1]本願の第1の発明は、軸筒2内に複数の筆記体4を前後方向に移動可能に収容し、前記複数の筆記体4のペン先41の一つを軸筒2の前端孔23より外部に選択的に出没させる多芯筆記具であって、前記軸筒2内面に、前記各々の筆記体4が摺動可能に挿通される複数の内孔31を備えたガイド壁部3を設け、前記各々の筆記体4のペン先41の全てが前記軸筒2内に没入された状態において、前記ガイド壁部3前方の軸筒2内面に各々の筆記体4外面が接触する接触部6を設け、前記ガイド壁部3前端から前方に突出する筆記体4のペン先41前端までの軸方向の突出長さをLとし、前記ガイド壁部3前端から前記接触部6までの軸方向の距離をMとしたとき、前記軸方向の距離Mが前記突出長さLの50%以上に設定されることを要件とする。
前記第1の発明の多芯筆記具1は、前記各々の筆記体4のペン先41の全てが前記軸筒2内に没入された状態において、前記ガイド壁部3前方の軸筒2内面に各々の筆記体4外面が接触する接触部6を設け、前記ガイド壁部3前端から前方に突出する筆記体4のペン先41前端までの軸方向の突出長さをLとし、前記ガイド壁部3前端から前記接触部6までの軸方向の距離をMとしたとき、前記軸方向の距離Mが前記突出長さLの50%以上(M≧L×0.5)に設定されること(即ち、ガイド壁部3前端から突出長さLの50%以上離れた箇所で、軸筒2内面と筆記体4外面とを接触させたこと)により、軸筒2内に収容する筆記体4の本数を増加させても、筆記体4の出没作動の阻害や筆記体4内のインキ充填量の減少を回避でき、且つ、軸筒2の前部の細い外径を維持することができる。尚、本発明で、前記ガイド壁部3前端から前記接触部6までの軸方向の距離Mは、接触部6が複数箇所に存在する場合あるいは軸方向の一定の長さを有する領域に存在する場合、最大値を採用する。
もし、ガイド壁部3前端から突出長さLの50%未満箇所で軸筒2内面と筆記体4外面とを接触させ、且つ、ガイド壁部3前端から突出長さLの50%以上離れた箇所で軸筒2内面と筆記体4外面とを接触させない場合、筆記体4の出没作動が阻害される不具合があり、その不具合を解消するために、軸筒2前部の内径及び外径を太くするか、あるいは、筆記体4のインキ収容部の外径を細くすること(インキ充填量の減少)を余儀なくされる。
[2]本願の第2の発明は、前記第1の発明の多芯筆記具1において、横断面における前記ガイド壁部3の各々の内孔31に接する仮想外接円の直径をaとし、前記各々の筆記体4のペン先41の全てが軸筒2内に没入された状態で、前記ガイド壁部3前端から前記突出長さLの50%離れた箇所の軸筒2内面の内径をbとし、前記各々の筆記体4のペン先41の全てが軸筒2内に没入された状態における、各々の筆記体4のインキ収容部42前端の位置する軸筒2内面の内径をcとしたとき、前記内径aに対する内径bの比(b/a)が、0.87〜0.90であり、前記内径aに対する内径cの比(c/a)が、0.85〜0.90であり、前記内径bと前記内径cが等しいか、または前記内径bが前記内径cよりも大きいことを要件とする。
前記第2の発明の多芯筆記具1は、前記内径aに対する内径bの比(b/a)が、0.87〜0.90であり、前記内径aに対する内径cの比(c/a)が、0.85〜0.90であり、前記内径bと前記内径cが等しいか、または前記内径bが前記内径cよりも大きいこと(b≧c)により、軸筒2内に収容する筆記体4の本数を増加させても、筆記体4の出没作動の阻害や筆記体4内のインキ充填量の減少を確実に回避でき、且つ、軸筒2の前部の細い外径を維持することができる。
もし、b/aの値が、0.87未満の場合、筆記体4の作動不良が生じ、一方、b/aの値が、0.90を超える場合、筆記体4の収容本数の増加させる前の、軸筒2の前部の内径及び外径の細い状態を維持できない。もし、c/aの値が、0.85未満の場合、筆記体4の作動不良が生じ、一方、c/aの値が、0.90を超える場合、筆記体4の収容本数の増加させる前の、軸筒2の前部の内径及び外径の細い状態を維持できない。もし、内径bが内径cよりも小さい場合(b<cの場合)、軸筒2の前部の内径及び外径の細い状態を維持できないおそれがある。
[3]本願の第3の発明は、前記第1または第2の発明の多芯筆記具1において、前記接触部6を有する部分の軸筒2外径が、前記ガイド壁部3を有する部分の軸筒2外径よりも小さく設定されることを要件とする。
前記第3の発明の多芯筆記具1は、ガイド壁部3を有する部分の軸筒2外径を細くすることなく(即ち筆記体4の出没作動を阻害することなく)、軸筒2前部(把持部)の外径を細くすることができる。前記第3の発明の多芯筆記具1は、例えば、軸筒2が、前端孔23を有する前軸21と、該前軸21と螺着される後軸22とからなり、前記前軸21の内面に接触部6を設け、前記後軸22の内面にガイド壁部3を設け、前記前軸21の外面を把持部(グリップ部)とした構成が有効である。
[4]本願の第4の発明は、前記第1、2または3の発明の多芯筆記具1において、軸筒2内に4本の筆記体4を前後方向に移動可能に収容し、前記各々の筆記体4のインキ収容部42の外径が2.8mm〜3.5mmの範囲であることを要件とする。
本願の第4の発明の多芯筆記具1は、各々の筆記体4内に十分なインキ充填量を有し、且つ、筆記体4の収容本数が3本のときに用いた軸筒2前部の内径及び外径と同等の軸筒2前部の内径及び外径を有する、4本の筆記体4を収容した多芯筆記具1を得る。
もし、各々の筆記体4のインキ収容部42の外径が2.8mm未満の場合、インキ収容部42の外径が細径化し、インキ充填量が減少する。一方、各々の筆記体4のインキ収容部42の外径が3.5mmを超える場合、筆記体4の収容本数の増加させる前の、軸筒2の前部の内径及び外径の細い状態(即ち筆記体4の収容本数が3本のときに用いた軸筒2前部の内径及び外径)を維持できない。
本発明の多芯筆記具によれば、軸筒内に収容する筆記体の本数を増加させても、筆記体の出没作動の阻害や筆記体内のインキ充填量の減少を回避できるとともに、軸筒の前部の細い外径を維持することができる。
本実施の形態の多芯筆記具1は、軸筒2内に複数本(具体的には4本)の筆記体4が前後方向に移動可能に収容されている。前記各々の筆記体4は、弾発体7(具体的には圧縮コイルスプリング)により、後方に付勢されている。前記各々の筆記体4の後端には操作体5が取り付けられる。前記各々の操作体5は、軸筒2の窓孔24より外部に突出される。
(軸筒)
前記軸筒2は、先細円筒状の前軸21と、該前軸21の後端に接続される円筒状の後軸22とからなる。前記前軸21の前端軸心には、各々の筆記体4のペン先41が突出可能な前端孔23が軸方向に貫設される。前記前軸21及び後軸22は、合成樹脂(例えば、ポリカーボネイト等)の射出成形により得られる。
前記後軸22の後部の側壁には、複数本(具体的には4本)の前後方向に延びる細長状の窓孔24が、径方向に貫設される。前記4本の窓孔24は、互いに、後軸22の外周面の円周方向に90度回転した位置に等間隔に形成される。前記窓孔24と窓孔24の間の後軸22の一つの側壁にはクリップ(図示せず)が設けられる。
(ガイド壁部)
軸筒2の内面(即ち後軸22内面)には、円板状のガイド壁部3が固着される。前記ガイド壁部3は、各々の筆記体4が摺動可能に挿通される複数(具体的には4個)の内孔31が軸方向に貫設されている。前記ガイド壁部3の後面と、各々の操作体5の鍔部の前面との間には、弾発体7が配置される。前記各々の弾発体7の内部に筆記体4が遊挿される。前記各々の弾発体7の前端はガイド壁部3の後面により係止され、前記各々の弾発体7の後端は操作体7の鍔部前面に係止される。前記ガイド壁部3は、合成樹脂の射出成形から得られる。
(筆記体)
前記各々の筆記体4は、ボールペンレフィルであり、前端にボールが回転可能に抱持されたボールペンチップ(即ちペン先41)と、該ボールペンチップを前端に備え且つ後端が開口された直円筒状のインキ収容管42(インキ収容部)とからなる。前記インキ収容管42の内部には、剪断減粘性を有する水性ゲルインキ、低粘度の水性インキ、低粘度の油性インキ、または高粘度の油性インキからなるインキが収容される。前記インキが、剪断減粘性を有する水性ゲルインキ、低粘度の水性インキ、または低粘度の油性インキの場合、インキ収容管42内のインキの後端には、インキの消費に伴い前進する高粘度流体からなる追従体が充填される。前記直円筒状のインキ収容管42(インキ収容部)は、合成樹脂の成形体(押出成形体)から得られ、可撓性を有する。前記インキ収容管42の外径は、2.8mm〜3.5mm(好ましくは3mm〜3.5mm)に設定される。
また、前記ボールペンチップは、前端に回転可能に抱持されたボールを弾発体等により前方に付勢し、前端縁部の内面にボールを密接させる構成でもよい。また、ボールペンチップは、インキ収容管42の前端開口部に圧入等により直接、取り付けてもよいが、本実施の形態ではペン先ホルダーを介してインキ収容管42の前端開口部に固着される。
本実施の形態の出没機構は、前記一つの操作体5を窓孔24に沿って前方にスライドさせることにより、その一つの操作体5が取り付けられた筆記体4のペン先41が軸筒2の前端孔23から前方に突出するとともに、先に突出状態にあった他の筆記体4のペン先41が軸筒2内に没入するタイプ(スライド式)である。尚、本発明の出没機構は、前記スライド式以外にも、軸筒外面を回転操作することにより、軸筒内のカム機構を作動させ、筆記体のペン先を選択的に出没させるタイプ(回転式)でもよい。
(接触部)
前記各々の筆記体4のペン先41の全てが前記軸筒2内に没入された状態において、前記ガイド壁部3より前方の軸筒2内面に各々の筆記体4外面が接触する接触部6が設けられる。前記ガイド壁部3前端から前方に突出する筆記体4のペン先41前端までの軸方向の突出長さをLとし、前記ガイド壁部3前端から前記接触部6までの軸方向の距離をMとしたとき、前記軸方向の距離Mが前記突出長さLの50%以上(即ち、M≧0.5×L)に設定される。
前軸21が、小径部21a(把持部)と、該小径部21aの後方の大径部21bとからなり、前記小径部21aの外径が、後軸22の外径より小さく設定され、前記大径部21bの外径が、後軸22の外径と同等に設定される。前記接触部6を有する部分の接触部6を有する部分の軸筒2外径(即ち前軸21の小径部21aの外径)は、ガイド壁部3を有する部分の軸筒2外径(後軸22の外径)より小さく設定される。
(内径a,b,c)
横断面におけるガイド壁部3の各々の内孔31に接する仮想外接円の直径をaとし、各々の筆記体4のペン先41の全てが軸筒2内に没入された状態で、前記ガイド壁部3前端から前記突出長さLの50%離れた箇所の軸筒2内面の内径をbとし、前記各々の筆記体4のペン先41の全てが軸筒2内に没入された状態における、各々の筆記体4のインキ収容管42前端の位置する軸筒2内面の内径をcとしたとき、前記内径aに対する内径bの比(b/a)が、0.87〜0.90であり、前記内径aに対する内径cの比(c/a)が、0.85〜0.90であり、前記内径bと前記内径cが等しいか、または前記内径bが前記内径cよりも大きく設定される(即ちb≧cに設定される)。本実施の形態では、10mm〜11mmの軸筒2前部の外径を得る。
表1に、ガイド壁部3前端から接触部までの軸方向の距離Mと筆記体4の出没作動性との関係についての試験結果を示す。本試験は、本実施の形態の多芯筆記具1を用い、インキ収容管42の外径が3.1mm、内孔31の内径が3.5mm、内径aが9.5mm、内径bが8.35mm、内径cが8.14mmに設定された。
Figure 0005286021
表2に、内径aに対する内径bの比(b/a)及び内径aに対する内径cの比(c/a)と筆記体4の出没作動性との関係についての試験結果を示す。本試験は、本実施の形態の多芯筆記具1を用い、インキ収容管42の外径が3.1mm、内孔31の内径が3.5mm、内径aが9.5mmに設定された。
Figure 0005286021
本発明の実施の形態の多芯筆記具の縦断面図である。 (1)が図1のA−A線断面図であり、(2)が図1のB−B線断面図であり、(3)が図1のC−C線断面図である。
符号の説明
1 多芯筆記具
2 軸筒
21 前軸
22 後軸
23 前端孔
24 窓孔
3 ガイド壁部
31 内孔
4 筆記体
41 ペン先
42 インキ収容管
5 操作体
6 接触部
7 弾発体
L 筆記体の軸方向の突出長さ
M ガイド壁部前端から接触部までの軸方向の距離
a 内孔に接する仮想外接円の直径
b 突出長さLの50%離れた箇所の軸筒内面の内径
c インキ収容部前端の位置する軸筒内面の内径

Claims (1)

  1. 軸筒内に複数の筆記体を前後方向に移動可能に収容し、前記複数の筆記体のペン先の一つを軸筒の前端孔より外部に選択的に出没させる多芯筆記具であって、
    前記軸筒の後部側壁に4本の前後方向に延びる細長状の窓孔を径方向に貫設し、前記窓孔を互いに円周方向に90度回転した位置に等間隔に形成し、前記窓孔より、各々の筆記体の後端に取り付けられた操作体を外部に突出させ、
    前記軸筒内面に、前記各々の筆記体が摺動可能に挿通される4個の内孔を等間隔に備えたガイド壁部を設け、前記各々の筆記体のペン先の全てが前記軸筒内に没入された状態において、前記ガイド壁部前方の軸筒内面に各々の筆記体外面が接触する接触部を設け、前記ガイド壁部前端から前方に突出する筆記体のペン先前端までの軸方向の突出長さをLとし、前記ガイド壁部前端から前記接触部までの軸方向の距離をMとしたとき、前記軸方向の距離Mが前記突出長さLの50%以上に設定され
    横断面における前記ガイド壁部の各々の内孔に接する仮想外接円の直径をaとし、
    前記各々の筆記体のペン先の全てが軸筒内に没入された状態で、前記ガイド壁部前端から前記突出長さLの50%離れた箇所の軸筒内面の内径をbとし、
    前記各々の筆記体のペン先の全てが軸筒内に没入された状態における、各々の筆記体のインキ収容部前端の位置する軸筒内面の内径をcとしたとき、
    前記内径aに対する内径bの比(b/a)が、0.87〜0.90であり、
    前記内径aに対する内径cの比(c/a)が、0.85〜0.90であり、
    前記内径bと前記内径cが等しいか、または前記内径bが前記内径cよりも大きくし、
    前記接触部を有する部分の軸筒外径が、前記ガイド壁部を有する部分の軸筒外径よりも小さく設定され
    軸筒内に4本の筆記体を前後方向に移動可能に収容し、前記各々の筆記体のインキ収容部の外径が2.8mm〜3.5mmの範囲であることを特徴とする多芯筆記具。
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