JP5295668B2 - 光触媒体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高い活性を示す光触媒体の製造方法に関する。
半導体にバンドギャップ以上のエネルギーをもつ光を照射すると、価電子帯の電子が伝導帯に励起し、価電子帯に正孔、伝導帯に電子が生成する。これらはそれぞれ強い酸化力と還元力を有し、半導体に接触した分子種に酸化還元作用を及ぼす。このような作用を光触媒作用と呼び、この光触媒作用を発揮し得る半導体は光触媒体と呼ばれている。かかる光触媒作用を利用することによって、大気中の有機物などを分解することができる。光触媒体による有機物の分解反応では、価電子帯に生成した正孔が直接有機物を酸化分解するか、正孔が水を酸化し、そこから生成する活性酸素種が有機物を酸化分解すると考えられており、さらに、それ以外にも、伝導帯に生成した電子が酸素を還元し、そこから生成する活性酸素種が有機物を酸化分解することも考えられる。
かかる光触媒体の製造方法としては、例えばタングステン酸の水溶液を、密閉容器内で250℃〜300℃に加熱する方法が提案されている(非特許文献1参照)。しかし、この方法は、高温で且つ高圧に耐える装置ような特殊な装置が必要である。
Journal of Materials Chemistry,2001,11,3222-3227.
そこで、本発明者は、特殊な装置を要することなく、高い光触媒活性を示しうる光触媒体の製造方法を提供するべく鋭意検討した結果、本発明に至った。
すなわち、本発明は以下の構成からなる。
(1)光触媒体前駆体化合物の粉末と粒径50nm〜200nmの有機物粒子との混合を焼成することを特徴とする光触媒体の製造方法。
本発明によれば、高い光触媒活性を示しうる光触媒体を提供することができる。
本発明の光触媒体の製造方法に用いられる光触媒体としては、酸化タングステンや酸化チタンがあげられる。光触媒体が酸化タングステンの場合、光触媒体の前駆体化合物としては、メタタングステン酸アンモニウム、パラタングステン酸アンモニウム、タングステン酸(H2WO4)、塩化タングステン、タングステンアルコキシドなどを用いることができる。また、光触媒体が酸化チタンの場合、光触媒体の前駆体化合物としては、三塩化チタン、四塩化チタン、硫酸チタン、オキシ硫酸チタン、オキシ塩化チタン、チタンテトライソポロポキシドなどを用いることができる。可視光線の照射下で高い光触媒活性を示すことから、酸化タングステンを光触媒体として用いることが好ましい。
本発明で得られる光触媒体が酸化タングステンの場合、その一次粒子径は15nm以上、85nm以下である。一次粒子径が15nm未満の場合、酸化タングステンの結晶性が不十分となり、高い光触媒活性が得られない。一方、85nmを超えると、酸化タングステンの表面に吸着する反応基質の量が少なくなり、高い光触媒活性が得られない。尚、一次粒子径は、実施例に記載する通り、BET比表面積より算出することができる。
また、酸化タングステンの結晶化率は50%である。結晶化率が50%未満の場合、結晶性が不十分な為、高い光触媒活性が得られない。尚、結晶化率は、実施例に記載する通り、酸化タングステンのX線回折測定で得られるパターンにおいて、面指数(002)、(020)、(200)面のピーク強度と、酸化タングステンの標準試料のピーク強度の比を取り、得られる3つのピーク強度比の平均値に100を掛けた値(%)である。
本発明の光触媒体の製造方法においては、粒径が50nm〜200nmの有機物粒子を用いる。有機物粒子としては、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリイミド、エポキシ樹脂、胡桃などを用いることができるが、これらの中でもポリメタクリル酸メチルを用いるのが好ましい。
本発明の製造方法では、光触媒体前駆体化合物粉末を上記有機物粒子とが混合された混合物を焼成する。かかる混合物は、例えば光触媒体前駆体化合物が溶媒に溶解した溶液を有機物粒子と接触させることにより、有機物粒子に光触媒体前駆体化合物を含浸させ、次いで溶媒を留去する方法により得ることができる。粉末状の光触媒体前駆体化合物と有機物粒子とを粉末状態のまま混合してもよい。溶媒中に光触媒体前駆体化合物および有機物粒子を分散させた後、溶媒を留去してもよい。
有機物粒子は、乾燥したものを用いてもよいし、ある程度水分等で湿らせたコロイド状で用いてもよい。また、焼成する前の混合物は、室温〜200℃の範囲で乾燥させてもよい。
光触媒前駆体化合物を分散または溶解させる溶媒としては、光触媒体の前駆体化合物を分散または溶解し得、かつ有機物粒子を溶解しないものであれば、特に制限はないが、水やメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコールを用いるのが好ましい。
本発明の製造方法では、かかる混合物を焼成する。焼成することにより、有機物粒子が焼失する。通常、気流焼成炉、トンネル炉、回転炉などの焼成装置を用いて行うことができる。焼成温度は、通常350℃以上、好ましくは380℃以上で、かつ通常750℃以下、好ましくは650℃以下の範囲内で適宜設定すればよい。また、焼成時間は、焼成温度や焼成装置の種類等に応じて適宜設定すればよいが、通常、10分以上、好ましくは30分以上であり、かつ、30時間以内、好ましくは10時間以内である。焼成は、有機物粒子が焼失するのに十分な量の酸素を含む雰囲気中で行う。
本発明の製造方法で得られた光触媒体に粉砕を施してもよい。この粉砕は焼成の前に行ってもよいし、焼成後に行ってもよい。ここで行う粉砕は、水などの液体を加えることなく乾燥状態で粉砕する乾式粉砕であってもよいし、水などの液体を加えて湿潤状態で粉砕する湿式粉砕であってもよい。乾式粉砕により粉砕するには、例えば、転動ミル、振動ボールミル、遊星ミルなどのボールミル、ピンミルなどの高速回転粉砕機、媒体攪拌ミル、ジェットミル等の粉砕装置を用いることができる。湿式粉砕により粉砕するには、例えば上記と同様のボールミル、高速回転粉砕機、媒体攪拌ミル等の粉砕装置を用いることができる。
本発明の光触媒体には、金属成分を含有させることもできるが、その場合、金属成分は本発明の光触媒体の製造方法の中のどの段階で添加してもよい。例えば、光触媒体の前駆体化合物に予め所望の金属成分を担持させておいてもよいし、焼成して光触媒体を得た後に、引き続き、所望の金属成分を含む化合物を溶解させた水溶液中に含浸して担持させ、室温〜200℃、好ましくは60〜150℃で乾燥するようにしてもよい。また、金属成分を光触媒体に担持させる際には、必要に応じて、光触媒体と金属成分の前駆体をメタノール等を含む水中に分散し、そこに紫外光や可視光を照射することによって金属成分を担持させることもできる。
光照射を行うことにより、前駆体を金属成分に変換することができる。光触媒体の光励起可能な波長の光を照射した場合、光励起によって生成した電子によって前駆体が還元され、金属として光触媒体粒子表面に担持される。
かかる金属成分としては、例えばCu、Pt、Au、Pd、Ag、Fe、Nb、Ru、Ir、Rh、Coなどの金属、好ましくはCu、Pt、Au、Pdなどが挙げられる。また、これらの金属の酸化物および水酸化物も挙げられる。
金属成分の前駆体とは、光触媒体の表面で金属に遷移しうる化合物である。かかる前駆体としては、例えば上記金属の硝酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物、有機酸塩、炭酸塩、りん酸塩などが挙げられ、具体的には、例えばCuの前駆体としては、硝酸銅(Cu(NO3)2)、硫酸銅(Cu(SO4)2)、塩化銅(CuCl2、CuCl)、臭化銅(CuBr2,CuBr)、沃化銅(CuI)、沃素酸銅(CuI26)、塩化アンモニウム銅(Cu(NH4)2Cl4)、オキシ塩化銅(Cu2Cl(OH)3)、酢酸銅(CH3COOCu、(CH3COO)2Cu)、蟻酸銅((HCOO)2Cu)、炭酸銅(CuCO3)、蓚酸銅(CuC24)、クエン酸銅(Cu2647)、リン酸銅(CuPO4)などが挙げられる。Ptの前駆体としては、塩化白金(PtCl2、PtCl4)、臭化白金(PtBr2、PtBr4)、沃化白金(PtI2、PtI4)、塩化白金カリウム(K2(PtCl4))、ヘキサクロロ白金酸(H2PtCl6)、亜硫酸白金(H3Pt(SO3)2OH)、酸化白金(PtO2)、塩化テトラアンミン白金(Pt(NH3)4Cl2)、炭酸水素テトラアンミン白金(C21446Pt)、テトラアンミン白金リン酸水素(Pt(NH3)4HPO4)、水酸化テトラアンミン白金(Pt(NH3)4(OH)2)、硝酸テトラアンミン白金(Pt(NO3)2(NH3)4)、テトラアンミン白金テトラクロロ白金((Pt(NH3)4)(PtCl4))なども挙げられる。Auの前駆体としては、塩化金(AuCl)、臭化金(AuBr)、沃化金(AuI)、水酸化金(Au(OH)2)、テトラクロロ金酸(HAuCl4)、テトラクロロ金酸カリウム(KAuCl4)、テトラブロモ金酸カリウム(KAuBr4)、酸化金(Au23)などが挙げられる。また、Pdの前駆体としては、酢酸パラジウム((CH3COO)2Pd)、塩化パラジウム(PdCl2)、臭化パラジウム(PdBr2)、沃化パラジウム(PdI2)、水酸化パラジウム(Pd(OH)2)、硝酸パラジウム(Pd(NO3)2)、酸化パラジウム(PdO)、硫酸パラジウム(PdSO4)、テトラクロロパラジウム酸カリウム(K2(PdCl4))、テトラブロモパラジウム酸カリウム(K2(PdBr4))などがあげられる。
これらの金属成分やその前駆体はそれぞれ単独で、または2種以上を組合せて用いられる。
かかる金属成分またはその前駆体を用いる場合、その使用量は、金属原子換算で、光触媒体粒子の合計量100質量部に対して通常0.005質量部〜0.6質量部、好ましくは0.01質量部〜0.4質量部である。使用量が0.005質量部未満では、金属成分の使用による光触媒活性の向上が十分ではなく、0.6質量部を越えると、却って光触媒作用が不十分なものとなり易い。
本発明で得られる光触媒体を各種添加剤と混合する場合、光触媒体の吸着性や光触媒活性をさらに向上させうる添加剤を選択するのが好ましい。そのような添加剤としては、例えば、非晶質シリカ、シリカゾル、水ガラス、オルガノポリシロキサンのような珪素化合物、非晶質アルミナ、アルミナゾル、水酸化アルミニウムのようなアルミニウム化合物、ゼオライト、カオリナイトのようなアルミノ珪酸塩、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウムおよび水酸化バリウムのようなアルカリ土類金属(水)酸化物、リン酸カルシウム、モレキュラーシーブ、活性炭、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Tc、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Ga、In、Tl、Ge、Sn、Pb、Bi、La、Ceのような金属元素の水酸化物や、これらの金属元素の酸化物、有機ポリシロキサン化合物の重縮合物、リン酸塩、フッ素系ポリマー、シリコン系ポリマー、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂などが挙げられる。これら添加剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
光触媒体を分散体として用いる場合には、本発明の製造方法で得られた酸化タングステン光触媒体を水やアルコール等の有機溶媒中に分散させればよい。その際、酸化タングステン光触媒体の分散性を向上させる目的で、必要に応じて分散剤を添加することができる。さらに、塗膜にしたときの基材との密着性を向上させる目的で、必要に応じて公知の無機系バインダーや有機系バインダーを添加することもできる。このような分散体(コーティング液)は、例えば、壁、壁紙、天井、窓ガラス、タイル、自動車内装部材など、可視光線を多く含む蛍光灯、ハロゲンランプ、キセノンランプ、発光ダイオード、太陽光線等を照射可能な場所に塗布される。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例および比較例における各物性の測定およびその光触媒活性の評価については、以下の方法で行った。
1.BET比表面積
酸化タングステン粒子のBET比表面積を「NOVA1200e」(ユアサアイオニクス製)で窒素吸着法によって測定した。
2.酸化タングステン粒子の一次粒子径の測定
酸化タングステン粒子の一次粒子径はBET比表面積から求めた。粉末のBET比表面積の値をS(m2/g)、粒子の密度をρ(g/cm3)とすると、一次粒子径d(μm)は、d=6/(S×ρ)の式で計算される。但し、一次粒子径dは、粒子が球形であるとした場合の直径である。酸化タングステン粒子(WO3)の密度は7.16g/cm3とした。
3.ポリメタクリル酸メチルの粒径測定
ポリメタクリル酸メチルの粒径は、「DLS−7000」(大塚電子製)で動的散乱法によって測定した。
4.結晶相、酸化タングステンの結晶化率(%):
X線回折装置(商品名「Rigaku RINT ULTIMA」または「Rigaku MiniFlex2」、理学電機製)を用いて測定した。試料のX線回折スペクトルを測定し、スペクトルから結晶相を求めた。またこのスペクトルについて酸化タングステン(WO3)の面指数(002)、(020)、(200)に由来する干渉線のピーク高さIsa、Isb、Iscを求め、これらと、標準試料における同面指数の干渉線のピーク高さ(Ira、Irb、Irc)の比の平均値(((Isa/Ira)+(Isb/Irb)+(Isc/Irc))×100/3)を、酸化タングステンの結晶化率(%)とした。尚、標準試料には、酸化タングステン(高純度化学製)を用い、この酸化タングステン結晶度を100%とした。結晶化度の値が100%を超えた場合は100%とした。
5.酢酸の分解反応(可視光照射下)
ガラス製容器(容量330mL)の底面に、粒子状の光触媒体50mgを15mm×15mmに広げ、ガラス容器内を合成空気で満たし、更に酢酸を14.7μmol注入した。1時間暗黒下で放置した後可視光照射を行い、光触媒作用によりアセトアルデヒドが分解し、その完全分解生成物である二酸化炭素の濃度をガスクロマトグラフィーで定量した。光源には紫外線カットフィルター(L−42、旭テクノグラス製)を装着したキセノンランプ(300W,Cermax製)を用いた。
6.平均粒径145nmの球状ポリメタクリル酸メチルの合成
5Lガラス製反応容器に、水250重量部、炭酸ナトリウム1.5重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(15wt%) 4.7重量部、ペルオキソ二硫酸ナトリウム0.06重量部を仕込み、窒素雰囲気下、攪拌しながら80℃でメタクリル酸メチル61.5重量部を60分間に渡って連続的に添加し、さらに攪拌しながら同温度で60分間熟成して、重合体ラテックスを得た。この硬質重合体ラテックスに、水12重量部とペルオキソ二硫酸ナトリウム0.06重量部からなる水溶液を添加して攪拌し、その後、メタクリル酸メチル61.5重量部を80℃で60分間にわたって連続的に添加し、引き続き攪拌しながら同温度で60分間熟成して、重合体のラテックスを得た。また、重量法で求めたラテックス中の固形分濃度は31%であった。この重合体ラテックスを、−20℃の冷凍庫で24時間凍結させた後に融解させることで重合体粒子を凝集させた。この凝集スラリーを、遠心分離機を用いて1500rpm(470G)の条件で10分脱水し、得られた重合体のウエットケーキを80℃の真空乾燥機にて24時間乾燥させ、平均粒径145nmの球状ポリメタクリル酸メチルの乾燥粒子を得た。
7.平均粒径180nmの球状ポリメタクリル酸メチルの合成
ペルオキソ二硫酸カリウム(片山化学製,試薬特級)1.6g と水780mLを容量1Lの四口丸底フラスコに入れ、これに電気攪拌機、アルゴンガス供給ピペット、温度計を取り付け、オイルバス中で350rpmの攪拌速度で撹拌しながら約80℃に加熱し、温度が平衡に達した後、30分間アルゴンガスのバブリングを行った。ここにメタクリル酸メチルモノマー(和光純薬製,試薬特級)20mLを溶解させ、45分間反応させた。反応後、四口フラスコを室温で放冷し、平均粒径180nmの球状ポリメタクリル酸メチルを含むラテックスを得た。
8.平均粒径490nmの球状ポリメタクリル酸メチルの合成
メタクリル酸メチルモノマー(和光純薬製,試薬特級)150mLと水350mLを、容量1Lの四口丸底フラスコに入れ、これに電気攪拌機、アルゴンガス供給ピペット、温度計を取り付け、オイルバス中350rpmの攪拌速度で撹拌しながら約70℃に加熱し、温度が平衡に達した後、30分間アルゴンガスのバブリングを行った。開始剤として、開始剤として、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(和光純薬製,試薬1級)0.38gを溶解させた水3mLを加え、6時間反応させた。反応後、四口フラスコを室温で放冷し、平均粒径490nmの球状ポリメタクリル酸メチルを含むラテックスを得た。
実施例1
粒径145nmの球状のポリメタクリル酸メチル粉末6.0gに、メタタングステン酸アンモニウム(WO3として濃度50重量%の水溶液、日本無機化学工業製)とメタノールの混合溶液(酸化タングステンとして2.5mol/L)12.4mLを加え、3時間含浸した。その後、吸引ろ過により粒子を回収し、室温で一晩乾燥させた。得られた粉末を、空気中で毎分1℃で400℃まで昇温し、その後引き続きこの温度で5時間の焼成を行い、球状のポリメタクリル酸メチルを除去して酸化タングステン粒子を得た。この酸化タングステン粒子のBET比表面積は30m2/gで、ここから一次粒子径は28nmであることがわかった。また酸化タングステン粒子の結晶化率は59%であった。
得られた酸化タングステン粒子0.5gを水50mLに分散し、そこにPtが酸化タングステン粒子100重量部に対して0.5重量部となるように濃度0.019mol/Lのヘキサクロロ白金酸水溶液(H2PtCl6)を入れて、攪拌しながら可視光線を2時間照射した。光源には紫外線カットフィルター(L−42,旭テクノグラス製)を装着したキセノンランプ(300W,Cermax製)を用いた。その後上の酸化タングステン粒子の分散液にメタノール5mLを加えて、引き続き攪拌しながら上記と同様にして可視光線の照射を2時間行った。その後濾過、水洗浄、120℃で乾燥することにより、粒子状のPt担持酸化タングステン粒子を得た。
得られたPt担持酸化タングステン粒子を用いて、可視光照射下で酢酸の分解反応を行った。二酸化炭素の生成速度は51μmol/hであった。
実施例2
焼成を450℃で行った以外は、実施例1と同様の方法で酸化タングステン粒子を得た。この酸化タングステン粒子のBET比表面積は21m2/gで、ここから一次粒子径は40nmであることがわかった。また酸化タングステン粒子の結晶化率は68%であった。その後、この酸化タングステン粒子に実施例1と同様の方法でPtの担持を行い、粒子状のPt担持酸化タングステン粒子を得た。
得られたPt担持酸化タングステン粒子を用いて、可視光照射下で酢酸の分解反応を行った。二酸化炭素の生成速度は58μmol/hであった。
実施例3
焼成を500℃で行った以外は、実施例1と同様の方法で酸化タングステン粒子を得た。この酸化タングステン粒子のBET比表面積は14m2/gで、ここから一次粒子径は60nmであることがわかった。また酸化タングステン粒子の結晶化率は97%であった。その後、この酸化タングステン粒子に実施例1と同様の方法でPtの担持を行い、粒子状のPt担持酸化タングステン粒子を得た。
得られたPt担持酸化タングステン粒子を用いて、可視光照射下で酢酸の分解反応を行った。二酸化炭素の生成速度は39μmol/hであった。
実施例4
平均粒子径が180nmの球状のポリメタクリル酸メチルを含むラテックス100mLを、回転数2500rpmで2時間遠心分離で沈降させ、2日間自然乾燥させてコロイド結晶のテンプレートを得た。網ふるいを用いて、425μm〜2mmの粒子に分粒した後、メタタングステン酸アンモニウム(WO3として濃度50重量%の水溶液、日本無機化学工業製)とメタノールの混合溶液(酸化タングステンとして2.5mol/L)7.3mLを加え、3時間含浸した。その後、吸引ろ過により粒子を回収し、室温で一晩乾燥させた。得られた粉末を、空気中で毎分1℃で500℃まで昇温し、その後引き続きこの温度で5時間の焼成を行い、球状のポリメタクリル酸メチルを除去して酸化タングステン粒子を得た。この酸化タングステン粒子のBET比表面積は21m2/gで、ここから一次粒子径は40nmであることがわかった。また酸化タングステン粒子の結晶化率は89%であった。その後、この酸化タングステン粒子に実施例1と同様の方法でPtの担持を行い、粒子状のPt担持酸化タングステン粒子を得た。
得られたPt担持酸化タングステン粒子を用いて、可視光照射下で酢酸の分解反応を行った。二酸化炭素の生成速度は34μmol/hであった。
実施例5
焼成を600℃で行った以外は、実施例1と同様の方法で酸化タングステン粒子を得た。この酸化タングステン粒子のBET比表面積は11m2/gで、ここから一次粒子径は76nmであることがわかった。また酸化タングステン粒子の結晶化率は100%であった。その後、この酸化タングステン粒子に実施例1と同様の方法でPtの担持を行い、粒子状のPt担持酸化タングステン粒子を得た。
得られたPt担持酸化タングステン粒子を用いて、可視光照射下で酢酸の分解反応を行った。二酸化炭素の生成速度は43μmol/hであった。
比較例1
平均粒子径が490nmの球状のポリメタクリル酸メチルを含むラテックス100mLを、回転数2500rpmで2時間遠心分離で沈降させ、2日間自然乾燥させてコロイド結晶のテンプレートを得た。網ふるいを用いて、2mm〜425μmの粒子に分粒した後、メタタングステン酸アンモニウム(WO3として濃度50重量%の水溶液、日本無機化学工業製)とメタノールの混合溶液(酸化タングステンとして2.5mol/L)7.3mLを加え、3時間含浸した。その後、吸引ろ過により粒子を回収し、室温で一晩乾燥させた。得られた粉末を、空気中で毎分1℃で500℃まで昇温し、その後引き続きこの温度で5時間の焼成を行い、球状のポリメタクリル酸メチルを除去して酸化タングステン粒子を得た。この酸化タングステン粒子のBET比表面積は9.2m2/gで、ここから一次粒子径は91nmであることがわかった。また酸化タングステン粒子の結晶化率は61%であった。その後、この酸化タングステン粒子に実施例1と同様の方法でPtの担持を行い、粒子状のPt担持酸化タングステン粒子を得た。
得られたPt担持酸化タングステン粒子を用いて、可視光照射下で酢酸の分解反応を行った。二酸化炭素の生成速度は8.6μmol/hであった。
比較例2
メタタングステン酸アンモニウム(WO3として濃度50重量%の水溶液、日本無機化学工業製)を90℃で一晩乾燥後、得られた粉末を乳鉢で粉砕し、乾燥粉末を得た。得られた粉末を、空気中で毎分1℃で400℃まで昇温し、その後引き続きこの温度で5時間の焼成を行い、酸化タングステン粒子を得た。この酸化タングステン粒子のBET比表面積は1.4m2/gで、ここから一次粒子径は599nmであることがわかった。また酸化タングステン粒子の結晶化率は27%であった。その後、この酸化タングステン粒子に実施例1と同様の方法でPtの担持を行い、粒子状のPt担持酸化タングステン粒子を得た。
得られたPt担持酸化タングステン粒子を用いて、可視光照射下で酢酸の分解反応を行った。二酸化炭素の生成速度は2.8μmol/hであった。
比較例3
焼成を500℃で行った以外は、比較例2と同様の方法で酸化タングステン粒子を得た。この酸化タングステン粒子のBET比表面積は2.0m2/gで、ここから一次粒子径は419nmであることがわかった。また酸化タングステン粒子の結晶化率は44%であった。その後、この酸化タングステン粒子に実施例1と同様の方法でPtの担持を行い、粒子状のPt担持酸化タングステン粒子を得た。
得られたPt担持酸化タングステン粒子を用いて、可視光照射下で酢酸の分解反応を行った。二酸化炭素の生成速度は3.4μmol/hであった。
比較例4
焼成を600℃で行った以外は、比較例2と同様の方法で酸化タングステン粒子を得た。この酸化タングステン粒子のBET比表面積は1.7m2/gで、ここから一次粒子径は493nmであることがわかった。また酸化タングステン粒子の結晶化率は46%であった。その後、この酸化タングステン粒子に実施例1と同様の方法でPtの担持を行い、粒子状のPt担持酸化タングステン粒子を得た。
得られたPt担持酸化タングステン粒子を用いて、可視光照射下で酢酸の分解反応を行った。二酸化炭素の生成速度は4.7μmol/hであった。
比較例5
焼成を700℃で行った以外は、比較例2と同様の方法で酸化タングステン粒子を得た。この酸化タングステン粒子のBET比表面積は2.3m2/gで、ここから一次粒子径は364nmであることがわかった。また酸化タングステン粒子の結晶化率は44%であった。その後、この酸化タングステン粒子に実施例1と同様の方法でPtの担持を行い、粒子状のPt担持酸化タングステン粒子を得た。
得られたPt担持酸化タングステン粒子を用いて、可視光照射下で酢酸の分解反応を行った。二酸化炭素の生成速度は6.8μmol/hであった。

Claims (1)

  1. 光触媒体前駆体化合物の粉末と粒径50nm〜200nmの有機物粒子との混合物を焼成する光触媒体の製造方法であって、光触媒体前駆体化合物がメタタングステン酸アンモニウム、パラタングステン酸アンモニウム、タングステン酸(H WO )、塩化タングステンまたはタングステンアルコキシドであることを特徴とする光触媒体の製造方法。
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