JP5298632B2 - 電磁波遮蔽フィルタ、多機能フィルタ及び画像表示装置 - Google Patents
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そこで、我々は、低コスト化を狙い、金属パターン(EMIメッシュ)の金属材料として、銅箔よりも安いアルミニウム箔を用いた電磁波遮蔽フィルタの検討を行ったが、その結果、実用化するには、実は、次の解決すべき課題があることがわかった。尚、以下の課題は、パターンの線幅及び厚みの寸法が100μm程度以上の場合は目立たい。高品質の画像表示装置用途の為に透視性を追及すべく、パターンの線幅及び厚みの寸法が10〜20μm程度以下に微細化した場合に於いて、特に顕在化して来るものであることも判明した。
(b)エッチング液に接触した領域の酸化皮膜が一部除去されると、除去された部分がまだ除去されていない部分に対して急速にエッチングが進んでしまい、均一な安定したエッチングが困難である。
(c)上記(a)及び(b)の結果として、金属パターンのライン部の輪郭に、ギザ(zigzag状のこと。ラインの輪郭に凹凸があって直線性が悪くギザギザしている形態をこのように呼称する。)や断線が発生し、ラインのパターン精度が、銅箔の場合に比べてアルミニウムは劣る。
図4(a)及び図4(b)の場合、アルミニウム層53の上面及び下面の都合表裏両面にアルミニウムの酸化皮膜3を有する状態のアルミニウム箔54は、透明基材1の片面に、透明接着剤層4で接着固定され積層されて、これがアルミニウム箔積層体55となっている。
また、該電磁波遮蔽フィルタを用いた多機能フィルタ、これらフィルタを用いた画像表示装置を提供することである。
また、製造面でも、アルミニウムの酸化皮膜はそのままでケミカルエッチングできるのでその除去工程が不要で、製造工程の複雑化やコストアップを避けられる。
この構成によって、電磁波遮蔽機能と共に光学フィルタ機能も備えた多機能化がなされ、透明基材の共通化、フィルタの薄型化が可能となり、ひいては低コスト化も可能となる。
この構成によって、低コスト化が可能となり、画像表示装置の普及促進を図れる。
しかも、製造面でも、アルミニウムの酸化皮膜はそのままでケミカルエッチングできるので、酸化皮膜の追加的な除去工程が不要で、製造工程の複雑化やコストアップも避けられる。
(2)本発明の多機能フィルタによれば、低コスト化など、上記電磁波遮蔽フィルタによる効果が得られる多機能フィルタとなる。
(3)本発明の画像表示装置によれば、低コスト化など上記電磁波遮蔽フィルタ乃至は上記多機能フィルタの効果が得られる画像表示装置となり、その普及促進が図れる。
透明基材1は、可視領域での透明性(光透過性)、耐熱性、機械的強度等の要求物性を考慮して、公知の材料及び厚みを適宜選択すればよく、ガラス、セラミックス等の透明無機物の板、或いは樹脂板など板状体の剛直物でも良い。ただし、生産性に優れるロール・トゥ・ロールでの連続加工適性を考慮すると、フレキシブルな樹脂フィルム(乃至シート)が好ましい。尚、ロール・トゥ・ロールとは、巻取(ロール)から巻き出して供給し、適宜加工を施し、その後、巻取に巻き取って保管する加工方式をいう。
また、透明基材は、その表面に、コロナ放電処理、プライマー処理、下地処理などの公知の易接着処理を行ったものでも良い。
アルミニウムパターン2はアルミニウムで形成したパターン層であり、該層自体は不透明だが、開口部など該層の非形成部を設けたパターンとすることによって、電磁波遮蔽性能と光透過性とを両立させた層である。しかも、本発明のアルミニウムパターン2は少なくともその上面に特定の厚み範囲0〜13Åのアルミニウムの酸化皮膜3を有する。尚、1Å=0.1nmである。
アルミニウムパターンのパターンを形成するには、透明基材上にアルミニウム箔などパターン形成前のアルミニウム層を積層した後、ケミカルエッチングによって形成できる。ケミカルエッチング時のレジストパターンのパターン形成はフォトリソグラフィー法(パターン露光法)、印刷法などの公知のパターン形成法を適宜選択すればよい。なかでも、フォトリソグラフィー法は印刷法に比べて、電磁波遮蔽フィルタに要求されるライン幅やその均一性など高精度のパターンを安定的に形成できる点で好ましい方法である。
エッチングは、アルミニウム層の上面のレジストパターン非形成部に於けるアルミニウムの酸化皮膜も含めて行われる。エッチングの前処理として、該上面のアルミニウムの酸化皮膜の除去は特に必要ない。
そして、レジストパターン形成部に対応した、上面や下面のアルミニウムの酸化皮膜3は、アルミニウムパターン2の上面や下面の酸化皮膜3となって残る。
アルミニウムの酸化皮膜はアルミニウム酸化物を含む層であり、アルミニウムパターンをアルミニウム箔を利用して形成する場合、アルミニウムの酸化皮膜は箔の上面及び下面の表裏両面に存在するが、本発明ではケミカルエッチングでパターン形成する際に、エッチングされる側、つまり上面側について、その厚みを規定する。アルミニウムパターンの少なくとも上面のアルミニウムの酸化皮膜の厚みについて、その上限を13Å、好ましく12Å、より好ましくは10Å、更に好ましくは8Åとする。
少なくとも上面のアルミニウムの酸化皮膜の厚みについて、その上限を上記のようにすることで、該酸化皮膜がたとえ存在したままでも、安定したケミカルエッチングが可能となり、銅を安価なアルミニウムに変更したが故のパターン精度不良を回避できる。
ただ、アルミニウムの酸化皮膜は、不動態膜と言われており、アルミニウム箔を加工、搬送、保管する過程中に於いて、アルミニウム箔の内部に(不用意な、望まれない)酸化乃至は腐食が進行することを防止する機能を有するので、この点では2〜3Å程度の、緻密なアルミニウム不動態膜としての酸化皮膜を形成しておいてもよい。
ただ、下面のアルミニウムの酸化皮膜も上面の酸化皮膜と同程度の厚みで存在するとすれば、下面のアルミニウムの酸化皮膜の厚みについても、上記した上面のアルミニウムの酸化皮膜の厚みと同じ規定をすることができる。
なお、アルミニウムパターンはその表面に黒化処理層を形成してもよい。
黒化処理層は、アルミニウムパターンやその表面の酸化皮膜による光反射を抑制することで、外光吸収、画像のコントラスト向上を図る層である。黒化処理層は外光吸収、画像のコントラスト向上が必要な場合に設ける。黒化処理層はアルミニウムパターンの表面、表面に酸化皮膜がある場合はその皮膜表面に設けて、その光反射率を低下させる層である。
透明接着剤層4は、アルミニウムパターンを透明基材に固定するための層であり、例えば、アルミニウムパターンをアルミニウム箔から形成する場合に、アルミニウム箔を透明基材に接着固定するために使用される。なお、透明接着剤層は、アルミニウムパターンをアルミニウム蒸着で透明基材上に直接積層したアルミニウム層から形成する場合では省略できる。
多機能フィルタ20は、上記した電磁波遮蔽フィルタに更に光学フィルタを積層し、電磁波遮蔽機能と共に光学フィルタ機能を備えたフィルタである。図2はこのような、多機能フィルタ20の一形態を示す断面図であり、電磁波遮蔽フィルタ10の片面に光学フィルタ5が直接積層された構成のフィルタである。
積層面は電磁波遮蔽フィルタ10の何れかの片面の他、両面でもよい。なお、積層面が片面の場合、透明基材の下面側の面、アルミニウムパターンの上面側の面、いずれでもよい。
光学フィルタ5としては、光学フィルタ機能を有する公知の光学フィルタを適宜選択すればよい。光学フィルタ機能としては、例えば、近赤外線を吸収する近赤外線吸収機能、紫外線を吸収する紫外線吸収機能、PDPディスプレイのネオン光を吸収するネオン光吸収機能、表示画像を好みの色調に補正する色補正機能などの特定光透過機能、反射防止機能(防眩、反射防止、防眩及び反射防止のいずれか)、或いは特開2007−272161号公報に記載の外光反射防止によるコントラスト向上機能を有する薄膜微小ルーバなどである。
光学フィルタ5は、上記した、近赤外線吸収機能、反射防止機能、コントラスト向上機能などの各種光学フィルタ機能のうち1機能或いは2機能以上を備える。
また、反射防止機能なども含めて光学フィルタ機能を担う光学フィルタ層は、適宜透明基材に積層して光学フィルタとすることもある。なお、ここでの透明基材としては、前述電磁波遮蔽フィルタの透明基材で列記した材料を使用できる。
上記した電磁波遮蔽フィルタ、多機能フィルタには、更にその他の層、例えば、アルミニウムパターンの上面側の凹凸を平坦化する平坦化樹脂層、表面を保護する表面保護層、ハードコート層、汚染防止機能層、帯電防止機能層、粘着剤層などの、これらのフィルタにおいて公知の層を積層することができる。これらの層は、兼用することができる。
本発明の画像表示装置は、上記した電磁波遮蔽フィルタ又は多機能フィルタを前面に配置した画像表示装置であり、より具体的には上記した電磁波遮蔽フィルタ又は多機能フィルタを画像表示素子の観察者側に配置した表示装置である。なお、前面とは画像表示装置の観察者側面である。また、配置は公知の形態によればよい。
該画像表示素子としては、プラズマディスプレイパネル(PDPともいう)、陰極線管(CRTともいう)、液晶表示素子(LCDともいう)、電界発光素子(ELともいう)などで、電磁波が発生する素子である。例えば、PDPでは、30MHz〜1GHzの帯域の不要な電磁波が発生する。
電磁波遮蔽フィルタ又は多機能フィルタを、画像表示素子の観察者側に配置する配置形態には、大別して、電磁波遮蔽フィルタ又は多機能フィルタを画像表示素子の観察者側の面に空間を介さず、但し通常は接着剤層を介して、直接積層して配置する形態〔図3(a)〕と、電磁波遮蔽フィルタ又は多機能フィルタを空間を介して画像表示素子の観察者側に配置する形態〔図3(b)〕とがある。
また、板状積層体21において、図3(b)に例示の形態では、電磁波遮蔽フィルタ10又は多機能フィルタ20は透明基板6に対して観察者側の面に積層してあるが、この逆に、画像表示素子側の面に積層したものでもよい。
なお、透明基板6としては、形状維持可能な板状体、例えば、ガラス、セラミックスなどの無機板、樹脂板などが使用できる。樹脂板の樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、シクロオレフィン重合体などのポリオレフィン系樹脂、トリアセチルセルロースなどのセルロース系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリイミド系樹脂等である。
透明基板の樹脂中には、必要に応じて適宜、紫外線吸収剤、着色剤、充填剤、可塑剤、帯電防止剤などの公知の添加剤を添加できる。
先ず、アルミニウムパターンとする金属箔として、厚み12μmの連続帯状の圧延アルミニウム箔を用意した。このアルミニウム箔の表面の酸化皮膜の厚みを測定したところ、上面下面とも8Åだった。
また、透明基材として、片面にポリエステル樹脂系プライマー層が形成された、連続帯状の無着色透明な厚み100μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用意した。
実施例1において、アルミニウム箔の表面酸化皮膜の厚みが15Åのものを使用した以外は同様にして電磁波遮蔽フィルタを得た。
得られたアルミニウムパターンのパターン精度は、メッシュのラインに断線が多発し(ライン幅のバラツキ20μm以上)、外観的にも目視で面ムラが目立ち、また表面抵抗値が大きくばらついた。
2 アルミニウムパターン
3 酸化皮膜
4 透明接着剤層
5 光学フィルタ
6 透明基板
10 電磁波遮蔽フィルタ
20 多機能フィルタ
21 板状積層体
30 画像表示素子
40 画像表示装置
51 エッチング液
52 レジストパターン
53 アルミニウム層
54 アルミニウム箔
55 アルミニウム箔積層体(シート)
56 腐食先行部分
Claims (3)
- 透明基材上に金属パターンが形成された電磁波遮蔽フィルタであって、金属パターンがアルミニウムパターンであり、アルミニウムパターンの少なくとも上面(透明基材に対してアルミニウムパターンが形成された側と同じ向きとなる面)のアルミニウムの酸化皮膜の厚みが0〜13Åである、電磁波遮蔽フィルタと、光学フィルタとを積層した多機能フィルタ。
- 請求項1に記載の多機能フィルタを、前面に配置した画像表示装置。
- 透明基材上に金属パターンが形成された電磁波遮蔽フィルタであって、金属パターンがアルミニウムパターンであり、アルミニウムパターンの少なくとも上面(透明基材に対してアルミニウムパターンが形成された側と同じ向きとなる面)のアルミニウムの酸化皮膜の厚みが0〜13Åである、電磁波遮蔽フィルタを、前面に配置した画像表示装置。
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