JP5305405B2 - 磁気分離装置 - Google Patents

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本発明は、磁気分離装置に関し、特に、船舶等の揺動する移動体に搭載して使用する磁気分離装置において、移動体の揺動があっても磁気分離装置の分離槽の両側に形成された処理水流出縁から流出する処理水の水量が均等になるようにした磁気分離装置に関するものである。
下水、工場排水、船舶排水等の原水中に存在する汚濁物質を除去する装置として磁気分離装置が提案され、実用化されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
この磁気分離装置は、原水中に凝集剤と磁性粉を添加することにより、汚濁物質を磁性を帯びた磁性フロックとして形成し、この磁性フロックを磁石を配設した磁気ディスクに吸着して分離除去するもので、この分離方式を、マグシード法と呼んでいる。
そして、図3に示すように、従来の磁気分離装置A’は、導入部21を介して磁性フロックを含有する原水が導入される分離槽2と、この分離槽2内に配設された回転軸4に、スペーサ4aを介在することによって、間隔をおいて並設され、磁性フロックを磁性力により吸着する複数枚の磁気ディスク3とを備えるようにしている。
そして、磁性フロックが磁気ディスク3によって吸着、除去された処理水は、分離槽2の両側に形成された四角堰を構成する処理水流出縁22からオーバーフローすることにより流出し、分離槽2の外側に設けられた外側水槽10を介して系外に排出するようにしている。
特開平10−244424号公報 特開2009−101340号公報
ところで、近年、船舶排水、特に、バラスト水に含まれる水生生物が外来種として生態系に影響を与える問題が指摘されているが、このバラスト水の前処理及び/又は後処理に磁気分離装置を利用することが検討され始めてきている。
しかしながら、船舶に搭載された磁気分離装置は、船舶が揺動することによって、当然同じように揺動することとなる。
ところで、分離槽2の両側に形成された処理水流出縁22からオーバーフローすることにより流出する処理水の水量は、越流水深hの3/2乗に比例するが、分離槽2が傾くと、越流水深hが変動し、これにより、分離槽2の両側に形成された処理水流出縁22から流出する処理水の水量が不均等になり、その結果、磁気ディスク3の間を流通する水量が不均一となり、磁気ディスク3による磁性フロックの吸着、除去性能に悪影響を与えるという問題があった。
本発明は、上記船舶に搭載された磁気分離装置の有する問題点に鑑み、船舶等の揺動する移動体に搭載して使用する磁気分離装置において、移動体の揺動があっても磁気分離装置の分離槽の両側に形成された処理水流出縁から流出する処理水の水量が均等になるようにできる磁気分離装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の磁気分離装置は、磁性フロックを含有する原水が導入される分離槽と、該分離槽内に配設された回転軸に間隔をおいて並設され、前記磁性フロックを磁性力により吸着する複数枚の磁気ディスクとを備えた磁気分離装置において、前記分離槽の両側に形成された処理水流出縁の位置より高い水位に分離槽から排出された処理水を滞留させる外側水槽を設け、該外側水槽の底部に形成した処理水流出部に流水抵抗板を配設することにより、外側水槽の処理水流出部から分離槽に導入される原水と同じ量の処理水を排出させるようにしたことを特徴とする。
この場合において、流水抵抗板を、パンチングメタルで構成することができる。
また、流水抵抗板を、外側水槽の処理水流出部に着脱可能に配設することができる。
また、外側水槽の水深を、外側水槽及び分離槽が±5°傾いたときの水深の変動率が±20%未満となるように設定することができる。
本発明の磁気分離装置によれば、磁性フロックを含有する原水が導入される分離槽と、該分離槽内に配設された回転軸に間隔をおいて並設され、前記磁性フロックを磁性力により吸着する複数枚の磁気ディスクとを備えた磁気分離装置において、前記分離槽の両側に形成された処理水流出縁の位置より高い水位に分離槽から排出された処理水を滞留させる外側水槽を設け、該外側水槽の処理水流出部から分離槽に導入される原水と同じ量の処理水を排出させるようにすることにより、磁気分離装置を、船舶等の揺動する移動体に搭載して使用した場合に、移動体の揺動によって外側水槽及び分離槽が傾くことによる磁気分離装置の分離槽の両側の外側水槽の処理水流出部から排出される処理水の水量、すなわち、磁気分離装置の分離槽の両側に形成された処理水流出縁から流出する処理水の水量の変動率を低く抑え、これにより、磁気ディスクの間を流通する水量を磁気ディスクの処理性能上、許容できる範囲に抑えて、略均一にすることができ、磁気ディスクによる磁性フロックの吸着、除去性能を一定の範囲内に維持することができる。
そして、特に、バラスト水に含まれる水生生物が外来種として生態系に影響を与える問題の解消に寄与することができる。
また、外側水槽の処理水流出部に流水抵抗板を配設することにより、外側水槽の処理水流出部から分離槽に導入される原水と同じ量の処理水を容易に排出させるようにすることができる。
また、磁気ディスクまでの位置で除去できなかった異物を流水抵抗板によって捕捉、除去することができる。
また、流水抵抗板を、パンチングメタルで構成することにより、流水抵抗板の流水抵抗の値を任意に設定することができる。
また、流水抵抗板を、外側水槽の処理水流出部に着脱可能に配設することにより、流水抵抗板に目詰まり等が生じた場合には、流水抵抗板を容易に清掃したり、交換することができる。
また、外側水槽の水深を、外側水槽及び分離槽が±5°傾いたときの水深の変動率が±20%未満となるように設定することにより、磁気分離装置の分離槽の両側の外側水槽の処理水流出部から排出される処理水の水量、すなわち、磁気分離装置の分離槽の両側に形成された処理水流出縁から流出する処理水の水量の変動率を±10%程度の範囲に抑えることができる。
本発明の磁気分離装置の一実施例を示し、(a)は正面断面図、(b)は(a)のX−X端面図、(c)は外側水槽の処理水流出部の説明図である。 外側水槽の処理水流出部の平面図である。 従来の磁気分離装置を示す断面図である。
以下、本発明の磁気分離装置の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1〜図2に、本発明の磁気分離装置の一実施例を示す。
この磁気分離装置Aは、導入部21を介して磁性フロックを含有する原水が導入される分離槽2と、この分離槽2内に配設された回転軸4に、スペーサ4aを介在することによって、間隔をおいて並設され、磁性フロックを磁性力により吸着する複数枚の磁気ディスク3とを備えた磁気分離装置において、分離槽2の両側に形成された処理水流出縁22の位置より高い水位に分離槽2から排出された処理水を滞留させる外側水槽1を設け、この外側水槽1の処理水流出部5から分離槽2に導入される原水と同じ量の処理水を排出させるようにしている。
そして、外側水槽1の処理水流出部5には、必要に応じて、外側水槽1の処理水流出部5から分離槽2に導入される原水と同じ量の処理水を排出させるようにするための流水抵抗板6を配設するようにしている。
これによって、磁気分離装置Aを、船舶等の揺動する移動体に搭載して使用した場合に、移動体の揺動によって外側水槽1及び分離槽2が傾くことによる磁気分離装置Aの分離槽2の両側の外側水槽1の処理水流出部5から排出される処理水の水量、すなわち、磁気分離装置Aの分離槽2の両側に形成された処理水流出縁22から流出する処理水の水量の変動率を低く抑え、これにより、磁気ディスク3の間を流通する水量を磁気ディスク3の処理性能上、許容できる範囲に抑えて、略均一にすることができ、磁気ディスク3による磁性フロックの吸着、除去性能を一定の範囲内に維持することができる。
そして、近年、船舶排水、特に、バラスト水に含まれる水生生物が外来種として生態系に影響を与える問題が指摘されているが、このバラスト水の前処理(バラスト水として導入する際の処理)及び/又は後処理(バラスト水を排出する際の処理)にこの磁気分離装置Aを利用することによって、この問題の解消に寄与することができる。
また、流水抵抗板6を配設することによって、磁気ディスク3までの位置で除去できなかった異物、例えば、バラスト水として導入する海水に含まれる海草、魚介類、ごみ等を、流水抵抗板6によって捕捉、除去することができる。
この場合において、分離槽2の内周面は、磁気ディスク3の外周面に沿うように湾曲し曲面(円筒面)で構成し、分離槽2の内周面と磁気ディスク3の外周面との間には、例えば、数mm〜10mm程度、本実施例においては、5mm程度の隙間が形成されるようにする。
これにより、磁気ディスク3の回転を円滑に行うことができるとともに、分離槽2の内周面と磁気ディスク3の外周面との隙間から磁性フロックを含有する原水が直接流出させることを防止し、原水に含まれる磁性フロックが磁気ディスク3によって確実に吸着、除去されるようにする。
また、流水抵抗板6を、パンチングメタルで構成することができる。
これにより、流水抵抗板6の流水抵抗の値を任意に設定することができる。
なお、流水抵抗板6には、パンチングメタルのほか、エキスパンドメタル等の金属製の有孔板、さらには、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂等の合成樹脂製の有孔板を使用することもできる。
また、流水抵抗板6を、外側水槽1の処理水流出部5に着脱可能に配設することができる。
これにより、流水抵抗板6に目詰まり等が生じた場合には、流水抵抗板6を容易に清掃したり、交換することができる。
なお、流水抵抗板6の目詰まりに対しては、このほか、必要に応じて、分離槽2に導入される原水を停止した状態で、逆洗ノズル7から逆洗水を流水抵抗板6に対して噴射するように構成したり(この場合、逆洗水の供給は、手動又は(定期的に)自動で行うことができる。)(図1(a)の左側の流水抵抗板6参照。)、流水抵抗板6を蝶番6aを介して開閉可能(下向きに揺動可能)に構成する(この場合、流水抵抗板6の揺動は、手動又は(定期的に)自動で行うことができる。)(図1(c)の流水抵抗板6参照。)ことによって、流水抵抗板6の目詰まりを解消することができる。
また、外側水槽1の流水抵抗板6を配設した処理水流出部5までの水深Hを、外側水槽1及び分離槽2が水平レベルLから±5°傾いたときの水深の変動率が±20%未満、好ましくは、±15%未満、さらに好ましくは、±10%未満となるように設定することが好ましい。
これにより、磁気分離装置Aの分離槽2の両側の外側水槽1の処理水流出部5から排出される処理水の水量、すなわち、磁気分離装置Aの分離槽2の両側に形成された処理水流出縁22から流出する処理水の水量の変動率を小さくすることができる。
ちなみに、外側水槽1及び分離槽2が傾いていないときの外側水槽1の処理水流出部5から排出される処理水の水量Q0と、外側水槽1及び分離槽2が±5°傾いたときの外側水槽1の処理水流出部5から排出される処理水の水量Q1、Q2との関係は、
Q1(又はQ2)/Q0=C・(2g・H1(又はH2)/H0)1/2 ・・・(1)
ここで、
C:定数
H0:外側水槽1及び分離槽2が傾いていないときの水深H
H1:外側水槽1及び分離槽2が+5°傾いたときの水深H
H2:外側水槽1及び分離槽2が−5°傾いたときの水深H
である。
で表されるので、上記式(1)から、水深の変動率が±20%未満の場合には、磁気分離装置Aの分離槽2の両側の外側水槽1の処理水流出部5から排出される処理水の水量の変動率を±10%程度の範囲に、水深の変動率が±15%未満の場合には、同±8%程度の範囲に、水深の変動率が±10%未満の場合には、同±5%程度の範囲に、それぞれ抑えることができる。
ここで、外側水槽1の処理水流出部5から分離槽2に導入される原水と同じ量の処理水を排出させることができる場合、すなわち、外側水槽1の処理水流出部5の排出能力と分離槽2に導入される原水の量とが釣りあっている場合には、流水抵抗板6を配設する必要はない(開口率α:100%)が、通常、外側水槽1の処理水流出部5の排出容量は、分離槽2に導入される原水の量より多くなるように設定することから、外側水槽1の処理水流出部5から分離槽2に導入される原水と同じ量の処理水を排出させるようにするために所定の開口率αの流水抵抗板6を配設する。
この流水抵抗板6の開口率αは、分離槽2に導入される原水と同じ量の処理水を外側水槽1の処理水流出部5から排出することができるように設定するようにする。
これにより、外側水槽1の処理水の水深Hを一定に保持し、磁気分離装置Aの分離槽2の両側の外側水槽1の処理水流出部5から排出される処理水の水量、すなわち、磁気分離装置Aの分離槽2の両側に形成された処理水流出縁22から流出する処理水の水量の変動率を小さくすることができる。
ちなみに、流水抵抗板6の開口率αは、分離槽2に導入される原水の水量Qと、流水抵抗板6を設けない場合(開口率α:100%)に磁気分離装置Aの分離槽2の両側の外側水槽1の各々処理水流出部5から排出される処理水の水量Qaとの関係から、下記式(2)に基づいて算出することができる。
開口率α=Q/(2・Qa) ・・・(2)
このように、この磁気分離装置Aは、船舶等の揺動する移動体に搭載して使用した場合に、移動体の揺動によって外側水槽1及び分離槽2が傾くことによる磁気分離装置Aの分離槽2の両側の外側水槽1の処理水流出部5から排出される処理水の水量、すなわち、磁気分離装置Aの分離槽2の両側に形成された処理水流出縁22から流出する処理水の水量の変動率を低く抑えることができ、これにより、磁気ディスク3の間を流通する水量を磁気ディスク3の処理性能上、許容できる範囲に抑えて、略均一にすることができ、磁気ディスク3による磁性フロックの吸着、除去性能を一定の範囲内に維持することができるものである。
そして、この磁気分離装置Aにおいて、磁気分離装置Aの分離槽2の両側に形成された処理水流出縁22から流出する処理水の水量の変動率を低く抑えることができる原理は、以下のとおりである。
従来の磁気分離装置A’においては、分離槽2の両側に形成された四角堰を構成する処理水流出縁22からオーバーフローすることにより流出し、分離槽2の外側に設けられた外側水槽10を介して系外に排出するようにしているため、分離槽2の両側に形成された処理水流出縁22からオーバーフローすることにより流出する処理水の水量は、越流水深hの3/2乗に比例するため、越流水深hの変動によって、分離槽2の両側に形成された処理水流出縁22から流出する処理水の水量が大きく変動することになる。
これに対して、この磁気分離装置Aにおいては、磁気分離装置Aの分離槽2の両側の外側水槽1の処理水流出部5から排出される処理水の水量は、外側水槽1の処理水の水深Hの1/2乗に比例するため、従来の磁気分離装置A’と比較して、分離槽2の両側に形成された処理水流出縁22から流出する処理水の水量の変動率を低く抑えることができることになる。
以上、本発明の磁気分離装置について、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
本発明の磁気分離装置は、磁気分離装置を搭載した移動体の揺動があっても磁気分離装置の分離槽の両側に形成された処理水流出縁から流出する処理水の水量が均等になるようにでき、これにより、磁気ディスクの間を流通する水量を磁気ディスクの処理性能上、許容できる範囲に抑えて、略均一にすることができ、磁気ディスクによる磁性フロックの吸着、除去性能を一定の範囲内に維持することができることから、船舶等の揺動する移動体に搭載して使用する磁気分離装置の用途に好適に用いることができる。
A 磁気分離装置
1 外側水槽
2 分離槽
21 導入部
22 処理水流出縁
3 磁気ディスク
4 回転軸
5 処理水流出部
6 流水抵抗板

Claims (4)

  1. 磁性フロックを含有する原水が導入される分離槽と、該分離槽内に配設された回転軸に間隔をおいて並設され、前記磁性フロックを磁性力により吸着する複数枚の磁気ディスクとを備えた磁気分離装置において、前記分離槽の両側に形成された処理水流出縁の位置より高い水位に分離槽から排出された処理水を滞留させる外側水槽を設け、該外側水槽の底部に形成した処理水流出部に流水抵抗板を配設することにより、外側水槽の処理水流出部から分離槽に導入される原水と同じ量の処理水を排出させるようにしたことを特徴とする磁気分離装置。
  2. 流水抵抗板を、パンチングメタルで構成したことを特徴とする請求項1記載の磁気分離装置。
  3. 流水抵抗板を、外側水槽の処理水流出部に着脱可能に配設したことを特徴とする請求項1又は2記載の磁気分離装置。
  4. 外側水槽の水深を、外側水槽及び分離槽が±5°傾いたときの水深の変動率が±20%未満となるように設定したことを特徴とする請求項1、2又は3記載の磁気分離装置。
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