JP5321077B2 - 光導波路および光導波路モジュール - Google Patents
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Description
たとえば、コア層の端部の厚みを中心部よりも薄くし、端部側に受光素子を配置すれば、コア層内を伝搬する光を絞り込んで、受光素子に確実に入射させることができる。
一方、コア層の端部の厚みを中心部よりも厚くし、端部側に発光素子を配置すれば、発光素子から発生する光をコア層内に確実に導くことが可能となる。そして、コア層内において、光を絞り込んで伝搬することができる。
(第一実施形態)
(光導波路)
はじめに、図1を参照し、本実施形態の光導波路3の概要について説明する。
本実施形態の光導波路3は、上部クラッド層33および下部クラッド層31と、上部クラッド層33と、下部クラッド層31とに挟まれたコア層32とを備え、所定方向に沿って延在するものである。
光導波路3は、延在方向と交差する一対の端面(フィルム端面)が傾斜面となっている。この傾斜面は、上部クラッド層33の端面、コア層32の端面、下部クラッド層31の端面で構成され、上部クラッド層33側から、下部クラッド層31側に向かって外側に傾斜している。この傾斜面と、コア層32内の光軸(光導波路3の延在方向に沿った軸)とがなす角度は約45度である。
また、コア層32の延在方向中心部の厚みと、コア層32の端部の厚みとが異なっている。さらに、この光導波路3は可とう性を有したフィルムである。
図1に示すように、光導波路3は、フィルム面側からみて一方向に延在する上部クラッド層33と、上部クラッド層33とともに一方向に延在するコア層32と、コア層32とともに一方向に延在する下部クラッド層31を有する。フィルム面側からみて、上部クラッド層33、コア層32、下部クラッド層31が積層された構造となっている。
下部クラッド層31は一方向に延在するとともに、その厚み(光導波路3の高さ方向に沿った厚み)は、一方の端部から他方の端部に向かって厚くなっている。
同様に、上部クラッド層33は一方向に延在するとともに、その厚み(光導波路3の高さ方向に沿った厚み)は、一方の端部から他方の端部に向かって厚くなっている。
一方、コア層32では、コア層32の延在方向中心部における厚み(光導波路3の高さ方向に沿った厚み)と、端部の厚みとが異なっている。具体的には、本実施形態では、コア層32の厚みは、一方の端部側から、他方の端部側に向かって徐々に薄くなっている。すなわち、コア層32は正面側(フィルム表面側)から見て、その厚みが漸次変化し、一方の端部側から、他方の端部側に向かって厚みが連続的に薄くなっている。コア層32の上面、下面は、コア層32の一方の端部側から他方の側に向かって傾斜した傾斜面で構成される。
なかでも、A/Bは、光導波路3の製造性の観点から、5以上であることが好ましく、また、A/Bは、10以下であることが好ましい。
なお、幅寸法Bは、光導波路3のフィルム厚みに該当する。
次に、図2〜図4を参照して、光導波路3の製造方法について説明する。
はじめに、図2に示すように、フィルム34を用意する。
このフィルム34は、表面側からみて、クラッド層341とコア層342とが、交互に配置されたものである。クラッド層341と、コア層342はそれぞれ複数づつ形成されている。コア層342は、光導波路3のコア層32となるものであり、クラッド層341は、光導波路3の上部クラッド層33、下部クラッド層31となるものである。
フィルム34の厚みは、50〜500μm程度であり、この厚みが、光導波路3の幅寸法Bに該当することとなる。
はじめに、フィルム34の原料となる組成物を作製する。
この組成物は、感光性樹脂組成物であり、たとえば(A)環状オレフィン樹脂と、(B)(A)とは屈折率が異なり、かつ、環状エーテル基を有するモノマーおよび環状エーテル基を有するオリゴマーのうち少なくともいずれか一方と、(C)光酸発生剤と、を備える。
(A)環状オレフィン樹脂
(A)の環状オレフィン樹脂は、感光性樹脂組成物のフィルム成形性を確保するために添加されるものであり、ベースポリマーとなるものである。
ここで、環状オレフィン樹脂は、無置換のものであってもよいし、水素が他の基により置換されたものであってもよい。環状オレフィン樹脂としては、たとえばノルボルネン系樹脂や、ベンゾシクロブテン系樹脂である。
なかでも、耐熱性、透明性等の観点からノルボルネン系樹脂を使用することが好ましい。
(1)ノルボルネン型モノマーを付加(共)重合して得られるノルボルネン型モノマーの付加(共)重合体、
(2)ノルボルネン型モノマーとエチレンやα−オレフィン類との付加共重合体、
(3)ノルボルネン型モノマーと非共役ジエン、および必要に応じて他のモノマーとの付加共重合体のような付加重合体、
(4)ノルボルネン型モノマーの開環(共)重合体、および必要に応じて該(共)重合体を水素添加した樹脂、
(5)ノルボルネン型モノマーとエチレンやα−オレフィン類との開環共重合体、および必要に応じて該(共)重合体を水素添加した樹脂、
(6)ノルボルネン型モノマーと非共役ジエン、または他のモノマーとの開環共重合体、および必要に応じて該(共)重合体を水素添加したポリマーのような開環重合体が挙げられる。これらの重合体としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体等が挙げられる。
なかでも、ノルボルネン系樹脂は、重合性基を含む置換基を有するノルボルネンの繰り返し単位や、アリール基を含む置換基を有するノルボンネンの繰り返し単位を含むものが好ましい。
具体的には、分子構造中に、−O−構造、−Si−アリール構造および−O−Si−構造のうちの少なくとも1つを有するものが好ましい。かかる酸離脱性基は、カチオンの作用により比較的容易に離脱する。
具体的には、以下のようなノルボルネン系樹脂を使用することが好ましい。(1)に示される化合物はたとえば、ヘキシルノルボルネン(HxNB)と、ジフェニルメチルノルボルネン メトキシシランとをNi触媒下で反応させることで得ることができる。
次に、(B)の成分について説明する。
(B)は、環状エーテル基を有するモノマーおよび環状エーテル基を有するオリゴマーのうち少なくともいずれか一方である。この成分(B)は、(A)の樹脂と屈折率が異なり、かつ、(A)の樹脂と相溶性のあるものであればよい。成分(B)と、(A)の樹脂との屈折率差は、0.01以上であることが好ましい。
なお、成分(B)の屈折率は、(A)の樹脂よりも高いものであってもよいが、成分(B)は、(A)の樹脂よりも屈折率が低いことが好ましい。
(B)は、たとえば、オキセタニル基あるいは、エポキシ基を有する。このような環状エーテル基は、酸により開環しやすいため、好ましい。
エポキシ基を有するモノマー、エポキシ基を有するオリゴマーとしては、エポキシノルボルネン(プロメラス社製 EpNB)、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製 Z−6040)、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(東京化成製 E0327)を使用することができる。
さらに、3、4-エポキシシクロヘキセニルメチル-3'、4'-エポキシシクロヘキセンカルボキシレート(ダイセル化学社製 セロキサイド2021P)や、1,2-エポキシ-4-ビニルシクロヘキサン(ダイセル化学社製 セロキサイド2000)、1,2:8,9ジエポキシリモネン(ダイセル化学社製 セロキサイド3000)を使用することができる。
この(B)成分は、(A)成分100重量部に対し1重量部以上、50重量部以下であることが好ましい。なかでも2重量部以上、20重量部以下が好ましい。これにより、コア/クラッド間の屈折率変調を可能にし、可撓性と耐熱性との両立が図れるという効果がある。
光酸発生剤 としては、光のエネルギーを吸収してブレンステッド酸あるいはルイス酸を生成するものであれば良く、例えば、トリフェニルスルフォニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリス(4−t−ブチルフェニル)スルホニウム−トリフルオロメタンスルホネートなどのスルホニウム塩類、p−ニトロフェニルジアゾニウムヘキサフルオロホスフェートなどのジアゾニウム塩類、アンモニウム塩類、ホスホニウム塩類、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、(トリキュミル)ヨードニウム−テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどのヨードニウム塩類、キノンジアジド類、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタンなどのジアゾメタン類、1−フェニル−1−(4−メチルフェニル)スルホニルオキシ−1−ベンゾイルメタン、N−ヒドロキシナフタルイミド−トリフルオロメタンサルホネートなどのスルホン酸エステル類、ジフェニルジスルホンなどのジスルホン類、トリス(2,4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3.4−メチレンジオキシフェニル)−4,6−ビス−(トリクロロメチル)−s−トリアジンなどのトリアジン類などの化合物を挙げることができる。これらの光酸発生剤 は、単独、または複数を組み合わせて使用することができる。
増感剤は、光に対する光酸発生剤の感度を増大して、光酸発生剤の活性化(反応または分解)に要する時間やエネルギーを減少させる機能や、光酸発生剤の活性化に適する波長に光の波長を変化させる機能を有するものである。
このような増感剤としては、光酸発生剤の感度や増感剤の吸収のピーク波長に応じて適宜選択され、特に限定されないが、たとえば、9,10−ジブトキシアントラセン(CAS番号第76275−14−4番)のようなアントラセン類、キサントン類、アントラキノン類、フェナントレン類、クリセン類、ベンツピレン類、フルオラセン類(fluoranthenes)、ルブレン類、ピレン類、インダンスリーン類、チオキサンテン−9−オン類(thioxanthen-9-ones)が挙げられ、これらを単独または混合物として用いられる。
増感剤の含有量は、感光性樹脂組成物中で、0.01重量%以上であるのが好ましく、0.5重量%以上であるのがより好ましく、1重量%以上であるのがさらに好ましい。なお、上限値は、5重量%以下であるのが好ましい。
ここでは、成分(B)が、(A)環状オレフィン樹脂よりも屈折率が低い感光性樹脂組成物を使用する。
感光性樹脂組成物をワニス状に調整する溶媒としては、たとえば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン(THP)、アニソール、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)、ジエチレングリコールエチルエーテル(カルビトール)などのエーテル系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、フェニルセロソルブなどのセロソルブ系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼン、メシチレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン、メチルピロリドンなどの芳香族複素環化合物系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)などのアミド系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化合物系溶媒、酢酸エチル、酢酸メチル、ギ酸エチルなどのエステル系溶媒、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホランなどの硫黄化合物系溶媒の各種有機溶媒、または、これらを含む混合溶媒が挙げられる。
ここで、ワニス20を塗布する方法としては、たとえば、ドクターブレード法、スピンコート法、ディッピング法、テーブルコート法、スプレー法、アプリケーター法、カーテンコート法、ダイコート法の方法が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
図4(A)に示すように、フィルム340Aの上方に開口が形成されたマスクMを配置する。このマスクMの開口を介して、フィルム340Aに対し、光を照射する。
フィルム340Aのうち、光が照射された領域では、光酸発生剤から酸が発生することとなる。発生した酸により、成分(B)が重合する。
光が照射されていない領域では、光酸発生剤から酸が発生しないため、成分(B)は重合しない。照射部分では、成分(B)が重合しポリマーとなるため、成分(B)量が少なくなる。これにより、未照射部分の成分(B)が照射部分に拡散し、これにより、照射部分と未照射部分とで屈折率差が生じる。
ここで、成分(B)が、環状オレフィン樹脂よりも屈折率が低い場合には、未照射部分の成分(B)が照射部分に拡散することで、未照射部分の屈折率が高くなるとともに、照射部分の屈折率は低くなる。
なお、成分(B)が重合したポリマーと、環状エーテル基を有するモノマーとの屈折率差は、0以上、0.001以下程度であり、屈折率は略同じであると考えられる。
光を照射した部分では、光酸発生剤から発生した酸により、環状オレフィン樹脂の脱離性基が脱離することとなる。−Si−アリール構造、−Si−ジフェニル構造および−O−Si−ジフェニル構造等の脱離性基の場合、離脱により樹脂の屈折率が低下することとなる。そのため、照射部分の屈折率は低下することとなる。
クラッド層341は、コア層342よりも屈折率が低く、クラッド層341と、コア層342との屈折率差は、たとえば、0.01以上となる。
以上の工程により、フィルム34が得られることとなる。
なお、光が照射された領域がコア層となり、未照射領域がクラッド層となるような材料を使用してフィルム340Aを形成してもよい。
たとえば、図2の点線に示すように、ダイシングブレードにより、クラッド層341をクラッド層341の延在方向に沿って切断し(工程1)、さらに、クラッド層341およびコア層342の延在方向に対し45度で交差するように、複数のクラッド層341および複数のコア層342を切断する(工程2)。
工程2により、光導波路3の一方の端面に傾斜面が形成されることとなる。
その後、光導波路3の他方の端面の傾斜面を形成するために、ダイシングブレードにより、切断されたフィルムの他方の端部を切断する(工程3)。工程3においては、工程2と同様に、クラッド層341およびコア層342の延在方向に対し45度で交差するように、複数のクラッド層341および複数のコア層342を切断すればよい。
ここで、図5に示すように、工程1から工程3のダイシングに使用するダイシングブレードDは、円板状(円柱状)であり、刃先が平坦である。刃先と、フィルム34表面とが平行に配置される。このダイシングブレードは、刃先がV字状になっていない。
また、工程1と工程2を実施する順番に特に規定はなく、工程1を行った後、工程2を実施してもよく、工程2を実施した後、工程1を実施してもよい。
その後、切断したフィルム34を基材Sから剥がし、光導波路3とする。
なお、光導波路3を製造する際には、図2の傾斜した点線で示すように、フィルム34をダイシングして一方の傾斜面を形成し、その後、フィルム34をさらにダイシングして光導波路の他方の傾斜面を形成してもよい。この場合には、導波路の長さが異なる複数の光導波路3を得ることができる。また、図2の傾斜した点線で示すように、フィルム34をダイシングして一方の傾斜面を形成したのち、フィルム34を剥がし、ダイシングされた部分を並べなおして、再度ダイシングし、一度にまとめて複数の光導波路3の他方の傾斜面を形成してもよい。このようにすることで導波路の長さが等しい複数の光導波路3を得ることができる。
たとえば、特開2006−323318号公報に開示されているような、他の組成の感光性樹脂組成物を使用してもよい。この感光性樹脂組成物は、ポリマーと、添加剤(少なくともモノマー、助触媒および触媒前駆体を含む)とで構成される光誘発熱現像性材料(PITDM)を含有し、光の照射および加熱により、ポリマー中において、モノマーの反応が生じる材料を使用する。
ポリマーとしては、前述したようなノルボルネン系樹脂が使用できる。
モノマーは、光照射により、照射領域において反応して反応物を形成し、この反応物の存在により、照射領域と、光の未照射領域とにおいて、屈折率差を生じさせ得るような化合物である。ノルボルネン系モノマー、アクリル酸(メタクリル酸)系モノマー、エポキシ系モノマー、スチレン系モノマーが挙げられる。
この触媒前駆体(プロカタリスト:procatalyst)としては、光照射に伴って活性化温度が変化(上昇または低下)するものであれば、いかなる化合物を用いてもよいが、特に、光の照射に伴って活性化温度が低下するものが好ましい。これにより、比較的低温による加熱処理でコア層を形成することができ、他の層に不要な熱が加わって、光導波路の特性(光伝送性能)が低下するのを防止することができる。
なお、以下では、Pd(OAc)2(P(i−Pr)3)2を「Pd545」と、また、Pd(OAc)2(P(Cy)3)2を「Pd785」と略すことがある。
Acは、アセテートであり、Prはプロピルであり、Cyはシクロヘキシルを示す。
また、特開2004−12635号公報、特開2004−333883号公報、特開2006−299066号公報に開示されたポリシラン化合物を含む組成物を使用することができる。たとえば、ポリシラン化合物と、二重結合含有シリコーン化合物と、有機過酸化物とを含有する組成物を使用することができる。この組成物においては、シリコーン化合物として二重結合含有シリコーン化合物が含まれている。光を照射して照射領域をクラッド層とし、未照射領域をコア層とする。このとき、照射領域においては、ポリシランのSi−Si結合が切断され、Si−O−Si結合が形成して屈折率が低下するとともに、二重結合による付加重合反応が生じる。これにより、コア層とクラッド層の屈折率差が生じる。
以上のような製造方法にて得られた光導波路3は、図6に示すように、光導波路モジュール2として使用することができる。
図6(A)は、光導波路モジュール2の断面図であり、図6(B)は、光導波路モジュール2の平面図である。図6(C)は、光導波路モジュール2の支持部材23を示す平面図である。
この光導波路モジュール2は、発光素子21と、受光素子22と、発光素子21および受光素子22を接続する光導波路3と、一対の支持部材23とを備える。
発光素子21は、面発光素子である。
支持部材23は、発光素子21または受光素子22を収容するとともに、光導波路3を支持するものである。
支持部材23は、上面が開口した、直方体の箱形形状であり、発光素子21または受光素子22が設置される底面部231と、この底面部231の各辺に立設された側壁部(壁部)232とを有する。
一対の支持部材23は所定の距離をあけて対向配置されている。一方の支持部材23の側壁部232のうち、他方の支持部材23の側壁部232と対向する側壁部232の上端部にはスリット232Aが形成されている。同様に他方の支持部材23の側壁部232のうち、一方の支持部材23の側壁部232と対向する側壁部232の上端部にはスリット232Aが形成されている。
このスリット232Aに光導波路3の端部、具体的には、下部クラッド層31の端部が嵌め込まれることとなる。
支持部材23に支持された光導波路3の端部先端は、発光素子21の発光領域または受光素子22の受光領域の真上に位置することとなる。
なお、光導波路3の端部のうち、コア層32の厚みが厚い方の端部が発光素子21上に配置され、コア層32の厚みが薄い方の端部が受光素子22上に設置される。
また、図7(B)の模式図に示すように、光導波路3を、たとえば、平面U字型に湾曲させて配置してもよい。光導波路3の一対の端部を対向するように、光導波路3を湾曲させて配置する。図7(B)は、光導波路3を上部クラッド層33側から見た平面図である。
なお、支持部材23の原料としては、セラミックスや、有機材料等を使用することができる。
コア層32の厚みを、端部と中心部とで異なるものとすることで、光の伝搬損失を低減できる。本実施形態のように、コア層32の端部の厚みを中心部よりも厚くし、端部側に発光素子21を配置すれば、発光素子21から広がるようにして発生する光をコア層32内に確実に導くことが可能となる。
一方、コア層32の端部の厚みを中心部よりも薄くし、端部側に受光素子22を配置すれば、コア層32内を伝搬する光を絞り込んで、受光素子に入射させることができる。
また、本実施形態では、コア層32は正面側(フィルム表面側)から見て、その厚みが漸次変化し、一方の端部側から、他方の端部側に向かって厚みが連続的に薄くなっている。これにより、コア層32内での光の乱反射等を防止でき、光の伝搬損失を低減できる。
これにより、種々の設置形態をとることができる。
たとえば、図7(B)に示したように、光導波路3を上部クラッド層側からの平面視において、U字型に湾曲させて配置することが可能となる。これにより、狭い設置スペースにも設置することができ、たとえば、光学機器等のケースの角部に光導波路を設置することができる。
さらに、図7(A)に示すように、光導波路3を屈曲させて設置することが可能となる。
これにより、たとえば、設置スペースの高さ寸法が低い場所であっても、光導波路3を設置することができる。
なお、前述したように、設置場所によっては、光導波路3は、屈曲させずにまっすぐな状態で配置してもよい。
このように、本実施形態によれば、種々の設置形態をとることが可能である光導波路を提供できる。これにより、設置スペースの省スペース化に対応することができる。
さらに、光導波路3の幅寸法Bは、光導波路3のフィルム厚みに該当する寸法であるため、設置スペースの幅が狭くても、設置することが可能である。
これにより、たとえば、図1のように光導波路3を屈曲させずに配置する場合に、光導波路3がたわんでしまうことを防止できる。そのため、光の伝搬損失の発生を確実に抑制することが可能となる。
特に、光導波路3は、下部クラッド層31の下面から上部クラッド層33の上面までの高さ方向に沿った厚みAと、光導波路3の高さ方向と直交するとともに光導波路3の延在方向と直交する光導波路3の幅寸法Bとの比であるA/Bを2以上としている。
これにより、たとえば、上部クラッド33を把持しながら、スリット232Aに光導波路3を差し込むことができるため、光導波路3を容易に設置することができる。
フィルム34上に配置するマスクの形状を所望の形状とすることで、コア層の厚み分布を調整できるので、比較的容易に、コア層32の厚みが、端部と中心部とで異なる構造の光導波路3を得ることができる。
V字型の刃先は、摩耗しやすく、刃先の摩耗状態がダイシング面の形状(光導波路の傾斜した端面の形状)に影響を大きく及ぼしていた。これに対し、本実施形態では、刃先が平坦なダイシングブレードを使用するので、このような問題が生じない。
これに対し、本実施形態では、光導波路3の傾斜面を形成するためのダイシングブレードと、各光導波路3ごとにフィルム34をダイシングする(個片化する)ためのダイシングブレードとを同じブレードを使用することができる。そのため、製造に手間を要しない。
図8を参照して、本発明の第二実施形態について説明する。
ここでは、光導波路モジュール4の支持部材43の構造が前記実施形態と異なっている。他の点は、前記実施形態と同様である。
この光導波路モジュール4は、発光素子21と、受光素子22と、発光素子21および受光素子22を接続する光導波路3、一対の支持部材43とを備える。
支持部材43は、上面が開口した、直方体の箱形形状であり、発光素子21または受光素子22が設置される底面部431と、この底面部431の各辺に立設された側壁部432(壁部)とを有する。
このスリット432Aに光導波路3の端部、具体的には、下部クラッド層31の端部が嵌め込まれることとなる。
支持部材43に支持された光導波路3の端部は、発光素子21の発光領域または受光素子22の受光領域の真上に位置することとなる。
図10を参照して、本発明の第三実施形態について説明する。
本実施形態の光導波路6は、図10(A)に示すように、上部クラッド層63および下部クラッド層61と、前記上部クラッド層63と、前記下部クラッド層61とに挟まれたコア層62とを備え、一方向に沿って延在するものである。光導波路6は可とう性を有したフィルム状である。
光導波路6は、延在方向と交差する一対の端面が傾斜面となっている。この傾斜面は、上部クラッド層63の端面、コア層62の端面、下部クラッド層61の端面で構成され、上部クラッド層63側から、下部クラッド層61側に向かって外側に傾斜している。この傾斜面と、コア層62内の光軸とがなす角度は45度である。
コア層62の下部クラッド層61を貫通している部分621(一方の端部)の幅W(前記各クラッド層の延在方向に沿った幅)は、上部クラッド層63側から下部クラッド層61側まで均一である。
また、光導波路の幅Bと、厚みAとの比は前記実施形態と同様である。
このような構造の光導波路6は、図10(B)に示すようなフィルム64を用いて製造することができる。フィルム64の材料は前記実施形態と同様であり、その製造方法も前記実施形態と同様であるが、マスクの形状をコア層の形状に応じたものとすればよい。
すなわち、フィルム64は、複数のコア層642と、クラッド層641とが交互に配置されたものとなる。そして、コア層642は、クラッド層641とともに延在する第一の領域642Aと、この第一の領域642Aからクラッド層641中に屈曲した第二の領域642Bとを有するものとなる。図10(B)の点線で示すように、第一実施形態と同様のダイシングブレードにてフィルム64を切断することで、光導波路6を得ることができる。
支持部材43を使用する場合には、光導波路6に前記実施形態の光導波路3と同様の平坦面311を形成することが好ましい。
本実施形態によれば、前記実施形態と同様の効果を奏することができるうえ、以下の効果を奏することができる。
たとえば、コア層62の端部を下部クラッド層61側に屈曲させているので、このコア層62の端部に近接配置された光素子に対し、光を確実に入射させたり、光素子からの光を確実にコア層62内に入射させたりことができる。
これにより、たとえば、コア層62の部分621の下方に発光素子を配置することで、発光素子の光を確実にコア層62内に入射させることができる。
なお、図11(A)では、光導波路の一方の端部を示しているが、他方の端部も同様の構成としてもよく、また、他方の端部側では、第一実施形態のように、コア層が屈曲せずに、各クラッド層に沿って延在するものとしてもよい。
たとえば、コア層の形状を図11(B)に示すような形状としてもよい。図11(B)は、コア層52は、各クラッド層51,53に沿って延在するとともに、一方の端部が前記下部クラッド層51側に屈曲し、前記下部クラッド層51を貫通して延在している。これにより、コア層52の延在方向中心部における厚みと、コア層52の端部の厚みとが異なるものとなる。ここで、コア層52の端部の厚みとは、コア層の一方の端部におけるコア層下面から、傾斜面のうちコア層と上部クラッド層との境界線までの厚みHのことをいう。また、コア層52は、一方の端部側から他方の端部側にむかって厚みがあつくなっている。
より詳細に説明すると、コア層52の前記クラッド層51,53に沿って所定の方向に延在する領域において、一方の端部側に向かって、コア層52の厚みが厚くなっている。より詳細に説明すると、コア層52は、コア層52の厚みが均一な第一の領域521と、この第一の領域521に接続され、端部に向かって厚みが徐々に大きくなる第二の領域522と、第二の領域522に接続され、厚みが均一な第三の領域523とを有する。
第二の領域522は、光導波路5のフィルム面側からみて漸次厚みがあつくなるように形成されている。
第三の領域523は、第一の領域521よりも厚みが厚い。
ただし、コア層52の第一の領域521、第二の領域522、第三の領域523の厚みの中心位置は、略同位置であり、傾斜面はコア層52の光軸に対し45度に傾斜している。
なお、クラッド層51,53は、それぞれ、コア層の広がりに応じて厚みが薄くなっており、光導波路5全体の厚みは、均一である。
また、コア層52の第一の領域521、第二の領域522、第三の領域523の厚みの中心位置を略同位置とすることで、光軸に対する傾斜面の傾きを正確に45度とすることができる。
このような光導波路5は、第一実施形態や、第二実施形態で示した支持部材23,43を使用して、光モジュールとして使用することができる。支持部材43を使用する場合には、図11(B)で示す光導波路フィルムに光導波路3と同様の平坦面311を形成することが好ましい。
また、前記各実施形態では、光導波路は、一対の傾斜面を有するものであるとしたが、これに限らず、一対の端面のうち、一方の端面のみが傾斜面となっていてもよい。たとえば、傾斜面が形成された端部側に発光素子を配置し、他方の端面側には、光ファイバ等を接続する場合には、一方の端面のみを傾斜面として配置してもよい。
切り欠きは、スリットと対向する位置に形成されていることが好ましい。
さらに、第一実施形態では、コア層32の厚みが一方の端部側から他方の端部側に向かって連続的に薄くなっていたが、これに限らず、コア層32の厚みが段階的に薄くなるような構造としてもよい。たとえば、コア層を、厚みが均一であり、クラッド層とともに延在する第一の領域と、この第一の領域よりも厚みが薄く、かつ、厚みが均一である第二の領域とを備えるような構成としてもよい。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(調製例)
(1)光導波路形成用のフィルムの調製
<ヘキシルノルボルネン(HxNB)/ジフェニルメチルノルボルネンメトキシシラン(diPhNB)系コポリマーの合成>
HxNB(CAS番号:第22094−83−3番)(9.63g、0.054モル)、diPhNB(CAS番号:第376634−34−3番)(40.37g、0.126モル)、1−ヘキセン(4.54g、0.054モル)及びトルエン(150g)を、ドライボックス内の500mL容シーラムボトルに入れて混合し、さらにオイルバスにおいて80℃に加熱しながら撹拌して溶液とした。得られた溶液に、(Pd1446)(1.04×10−2g、7.20×10−6モル)及びN,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(略称:DANFABA)(2.30×10−2g、2.88×10−5モル)を、それぞれ濃縮ジクロロメタン溶液(0.1mL)の形態で添加した。添加後の混合物を、マグネチックスターラで80℃において2時間撹拌した。その後、反応混合物(トルエン溶液)をより大きなビーカーに移し変え、これに貧溶媒であるメタノール(1L)を滴下すると、繊維状の白色固形分が沈殿した。沈殿した固形分をろ過して60℃のオーブン内で真空乾燥させたところ、乾燥質量19.0g(収率38%)の生成物が得られた。得られた生成物の分子量をゲル浸透クロマトグラフィー(GPC:THF溶媒、ポリスチレン換算)で測定したところ、質量平均分子量(Mw)は118,000であり、数平均分子量(Mn)は60,000であった。得られた生成物を1H−NMRで測定し、下記構造式で表されるHxNB/diPhNB系コポリマー(x=0.32、y=0.68、n=5)であることを同定した。このコポリマーの屈折率をプリズムカップリング法で測定したところ、波長633nmにおいて、TEモードが1.5695、そしてTMモードが1.5681であった。
イエローライト下、上記HxNB/diPhNB系コポリマーをメシチレンに溶解して10質量%のコポリマー溶液(30g)を調製した。これとは別に、100mL容ガラス瓶に、HxNB(42.03g、0.24モル)及びビス−ノルボルネンメトキシジメチルシラン(SiX、CAS番号:第376609−87−9番)(7.97g、0.026モル)を入れ、さらに2種類の酸化防止剤[Ciba社製Irganox1076(0.5g)及びIrgafos168(0.125g)]を加えてモノマー酸化防止剤溶液を得た。上記のコポリマー溶液30.0gに、上記のモノマー酸化防止剤溶液3.0gと、Pd(PCy3)2(OAc)2(Pd785)(メチレンクロライド0.1mLあたり、4.95×10−4g、6.29×10−7モル)と、吸収極大波長220nmの光酸発生剤[RHODORSIL(登録商標)PHOTOINITIATOR 2074(CAS番号:第178233−72−2番)](メチレンクロライド0.1mLあたり、2.55×10−3g、2.51×10−6モル)とを加えて均一に溶解させた後、細孔径0.2μmのフィルターでろ過して光導波路形成用ワニスを調製した。
前記実施形態と同様の方法で、光導波路形成用のフィルムを作製した。厚さ250μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの上に、光導波路形成用ワニス10gを注ぎ、これをドクターブレードでほぼ一定の厚さになるように広げて光導波路形成用ワニスの塗膜を形成させた(乾燥前の厚さ70μm)。得られた塗膜をPETフィルムと共にホットプレート上に配置して50℃で45分間加熱することによりトルエンを蒸発させて厚さ50μmの乾燥塗膜を得た。得られた乾燥塗膜に、クラッド層31,33(図13参照)に対応する開口パターンを有するフォトマスクを通して、高圧水銀ランプ又はメタルハライドランプを用いて波長300nm未満又は365nm以下の紫外光を照射した(照射量500mJ/cm2)。照射後の塗膜をオーブンに入れ、最初に50℃で30分間、続いて85℃で30分間、その後150℃で60分間の加熱処理を施した。最初の50℃で10分間加熱した時点で、塗膜内の導波路パターンを目視で確認することができた。加熱処理後、塗膜をPETフィルムから剥離して光導波路形成用のフィルムを得た(図13参照)。
<デシルノルボルネン(DeNB)/メチルグリシジルエーテルノルボルネン(AGENB)系コポリマーの合成>
DeNB(CAS番号:第22094−85−5番)(16.4g、0.07モル)、AGENB(CAS番号:第3188−75−8番)(5.41g、0.03モル)及びトルエン(58.0g)を、ドライボックス内の500mL容シーラムボトルに入れて混合し、さらにオイルバスにおいて80℃に加熱しながら撹拌して溶液とした。この溶液に、(η6−トルエン)Ni(C6F5)2(0.69g、0.0014モル)のトルエン溶液(5g)を添加した。添加後の混合物を、マグネチックスターラで室温において4時間撹拌した。その混合物に、トルエン(87.0g)を加えて激しく撹拌した。その後反応混合物(トルエン溶液)をより大きなビーカーに移し変え、これに貧溶媒であるメタノール(1L)を滴下すると、繊維状の白色固形分が沈殿した。固形分をろ過して集めて60℃のオーブン内で真空乾燥させたところ、乾燥質量17.00g(収率87%)の生成物が得られた。得られた生成物の分子量をGPC(THF溶媒、ポリスチレン換算)で測定したところ、Mwは75,000であり、Mnは30,000であった。得られた生成物を1H−NMRで測定し、下記構造式で表されるDeNB/AGENB系コポリマー(x=0.77、y=0.23、n=10)であることを同定した。このコポリマーの屈折率をプリズムカップリング法で測定したところ、波長633nmにおいて、TEモードが1.5153、そしてTMモードが1.5151であった。
イエローライト下、上記コポリマー10gを脱水トルエンに溶解して20質量%のコポリマー溶液(50g)を調製した。この溶液に、2種類の酸化防止剤[Ciba社製Irganox1076(0.01g)及びIrgafos168(0.0025g)]と吸収極大波長335nmの第2の光酸発生剤(東洋インキ製造社製、商品名「TAG−382」)(0.2g)とを加えて均一に溶解させた後、細孔径0.2μmのフィルターでろ過してクラッド層形成用ワニスを調製した。
水平台の上に配置した厚み100μmのPETフィルムの上に、クラッド用ワニス10gを注ぎ、ドクターブレードでほぼ一定の厚さになるように広げてクラッド用ワニスの塗膜を形成させた(乾燥前の厚み:30μm)。この塗膜をPETフィルムと共に乾燥機に入れて50℃で15分間加熱することによりトルエンを蒸発させて厚み20μmの乾燥塗膜を得た。その後、乾燥塗膜をPETフィルムから剥離してクラッドフィルム材料とした。
(1)で得た光導波路形成用のフィルム(大きさ:20×20cm)を挟むように、上記クラッドフィルム材料(大きさ:20×20cm)を配置して、3層積層フィルムを得た。得られた3層積層フィルムを、120℃に設定されたラミネータに投入して、0.2MPaの圧力下、5分間熱圧着させた。その後3層積層フィルムを室温・常圧に戻し、これと高圧水銀ランプとの間に300nm以下の波長を遮蔽する波長カットフィルターとして厚み100μmのPETフィルムを配置した。次いで、高圧水銀ランプから波長カットフィルターを通して紫外光を照射した(照射量:100mJ/cm2)。照射後の3層積層体を、放置することなく直ちに(放置時間0分)乾燥機に入れ、150℃で30分間加熱することにより、クラッドフィルム材料を硬化させ(クラッド層化)、(1)で得た光導波路形成用のフィルムと、クラッドフィルム材料との密着力強化を完了させて、厚み90μm(光導波路の幅寸法(フィルム厚み)に該当:B)の積層フィルムを得た。
得られた3層積層フィルムダイシングし、下部クラッド層、コア層、上部クラッド層を備えるとともに、コア層の側方に一対のクラッド層を有する光導波路を形成した。この光導波路は、前記実施形態と異なり、端面に傾斜面が形成されておらず、端面にはミラーが形成されていない。
レーザーダイオードから発生させた光を、光ファイバを通してコア層の一端から入力し、他端からの出力を測定し、コア層の長さを数段階の長さにカットして、各長さについて光出力を測定するカットバック法で測定した。各長さのコア層での総光損失は、下記式で表される。
総光損失(dB)=−10log(Pn/P0)
上式中、Pnは、P1、P2、‥Pnの各長さのコア層の他端で測定された出力であり、P0は、光ファイバをコア層の一端に結合する前の光ファイバーの端部における光源の測定出力である。
次に、総光損失は、図12のようにプロットされる。このデータの回帰直線は、下記式によって表される。
y=mx+n
上式中、mは光伝搬損失を示し、nは、結合損失(coupling loss)を示す。実施例1の導波路の伝搬損失は0.07dB/cmであった。
上記の(3)にて作製した積層フィルムをダイシングフィルムに貼り付け、前記実施形態と同様の方法で、ダイシングを行った。具体的には図13の一点鎖線で示すコア層32中心線に対して45度になるようにダイシングソー(株式会社ディスコ製DAD321、ブレード:株式会社ディスコ製NBC−ZH−226J:刃先が積層フィルムのフィルム面と平行となる平坦面で構成されている)で積層フィルムの両側の切断を行った(図13の直線a−a’、c−c’)。なお、図13では、クラッドフィルム材料は図示していない。コア層32中心に対して平行になるように前記ダイシングソーを使用し、クラッド層の切断を行い(図13の直線a−c、b−d)、短冊状の光導波路3を得た。この光導波路3における導波路幅a−b(厚みA)は180μm、コア層32の一方の端部の厚みh−iは100μm、コア層32の他方の端部の厚みj−kは50μmであった。
また、下部クラッド層31の下面から上部クラッド層33の上面までの高さ方向に沿った厚みAと、当該光導波路3の高さ方向と直交するとともに前記延在方向と直交する当該光導波路の幅寸法であり、当該光導波路3のフィルム厚みに該当する寸法Bとの比であるA/Bは、2であった。
なお、図13では、積層フィルムは、一つのコア層と、このコア層を挟むように配置される一対のクラッド層だけが図示されているが、図2のように、複数のコア層と、クラッド層とが交互に配置された構造となっている。そして、前記実施形態と同様にダイシングにより、複数の光導波路3が得られる構成となっている。
(測定例)
得られた傾斜面付き光導波路3の下部クラッド層31側からレーザーダイオードの光を光ファイバを通して入力し、a−a’で示される傾斜面で反射させた。その後、光はコア層32内を伝播し、c−c’で示される傾斜面で反射した。この反射した光をc’−dの面においてフォトダイオードで強度の測定を行い、下記式で表される総光損失を求めた。
総光損失(dB)=−10log(P1/P0)
上式中、P1は光導波路の光出力側の端部で測定された出力であり、P0は、光ファイバーを光導波路の光入力側の端部に結合する前の光ファイバーの端部における光源の測定出力である。得られた総光損失から直線部分の損失を差し引いて、光導波路の一対の端面(傾斜面)における損失を算出した。実施例1の導波路フィルムの一対の端面(傾斜面)における損失は2dBであり、良好であった。
実施例1と同様の方法で短冊状の光導波路を得た。ただし、この光導波路における導波路幅a−bは900μm、コア層32の一方の端部の厚みh−iは100μm、コア層32の他方の端部の厚みj−kは50μmであった。他の点は、実施例1と同じである。
また、下部クラッド層31の下面から上部クラッド層33の上面までの高さ方向に沿った厚みAと、当該光導波路3の高さ方向と直交するとともに前記延在方向と直交する当該光導波路3の幅寸法であり、当該光導波路3のフィルム厚みに該当する寸法Bとの比であるA/Bは、10であった。
実施例1と同様に、レーザーダイオードから発生させた光を、光ファイバを通してコア層の一端から入力し、他端からの出力を測定し、コア層の長さを数段階の長さにカットして、各長さについて光出力を測定するカットバック法でコア層の伝搬損失を測定した。実施例2の光導波路フィルムの伝搬損失は0.07dB/cmであった。
得られた傾斜面付き光導波路3の下部クラッド層31側からレーザーダイオードの光を光ファイバを通して入力し、a−a’で示される傾斜面で反射させた。その後、光はコア層32内を伝播し、c−c’で示される傾斜面で反射した。この反射した光をc’−dの面においてフォトダイオードで強度の測定を行い、下記式で表される総光損失を求めた。
総光損失(dB)=−10log(P1/P0)
上式中、P1は光導波路の光出力側の端部で測定された出力であり、P0は、光ファイバーを光導波路の光入力側の端部に結合する前の光ファイバーの端部における光源の測定出力である。得られた総光損失から直線部分の損失を差し引いて、光導波路の一対の端面(傾斜面)における損失を算出した。実施例1の導波路の一対の端面(傾斜面)における損失は2dBであり、良好であった。
また、実施例1,2の光導波路に対し、発光素子、受光素子を配置した場合、発光素子や、受光素子等外部の素子との間において、光の伝搬を行う際に、光の伝搬損失を確実に低減させることができることがわかった。これにより、実施例1,2の光導波路は非常に優れたものであることが確認された。
3 光導波路
4 光導波路モジュール
5 光導波路
6 光導波路
20 ワニス
21 発光素子
22 受光素子
23 支持部材
31 下部クラッド層
32 コア層
33 上部クラッド層
34 フィルム
43 支持部材
51,53 クラッド層
52 コア層
61 下部クラッド層
62 コア層
63 上部クラッド層
64 フィルム
231 底面部
232A スリット
232 側壁部
311 平坦面
340A フィルム
341 クラッド層
342 コア層
431 底面部
432A スリット
432B 切欠
432 側壁部
521 第一の領域
522 第二の領域
523 第三の領域
621 部分
641 クラッド層
642 コア層
642A 第一の領域
642B 第二の領域
D ダイシングブレード
M マスク
S 基材
Claims (10)
- 上部クラッド層および下部クラッド層と、
前記上部クラッド層と、前記下部クラッド層とに挟まれたコア層とを備え、所定方向に沿って延在する光導波路において、
当該光導波路は、前記上部クラッド層、前記コア層および前記下部クラッド層が形成された感光性樹脂フィルムを備え、
前記上部クラッド層、前記下部クラッド層または前記コア層は前記感光性樹脂フィルムに光を照射することによって形成されたものであり、
当該光導波路の前記延在方向と交差する一端面が、前記上部クラッド層側から前記下部クラッド層側に向かって傾斜する傾斜面とされ、
前記コア層の延在方向中心部における厚みと、前記コア層の端部のうち、前記傾斜面側の一方の端部の厚みとが異なっており、
前記上部クラッド層および前記下部クラッド層は、前記感光性樹脂フィルムのフィルム面に対して光を照射した照射領域および光が照射されていない未照射領域のうちのいずれか一方の領域であり、前記コア層は前記感光性樹脂フィルムのフィルム面に対して光を照射した照射領域および光が照射されていない未照射領域のうちのいずれか他方の領域であり、
前記上部クラッド層の光導波路延在方向に沿った側面、前記コア層の光導波路延在方向に沿った側面および前記下部クラッド層の光導波路延在方向に沿った側面が前記感光性フィルムのフィルム面を構成している光導波路。 - 請求項1に記載の光導波路において、
前記延在方向と交差する一対の端面が、前記上部クラッド層側から前記下部クラッド層側に向かって傾斜する傾斜面とされ、
前記コア層の厚みは、前記コア層の前記一方の端部側から、他方の端部側に向かって薄くなる光導波路。 - 請求項1に記載の光導波路において、
前記傾斜面は、前記上部クラッド層側から前記下部クラッド層側に向かって外側に傾斜しており、
前記コア層は、前記各クラッド層に沿って延在するとともに、前記一方の端部が前記下部クラッド層側に屈曲し、前記下部クラッド層を貫通して延在している光導波路。 - 請求項3に記載の光導波路において、
前記コア層の前記クラッド層に沿って所定の方向に延在する領域において、前記コア層の他方の端部側から、前記一方の端部側に向かって、前記コア層の厚みが厚くなる光導波路。 - 請求項3に記載の光導波路において、
前記コア層の前記一方の端部の前記各クラッド層の延在方向に沿った幅は、前記下部クラッド層上面側から下面側に向かって広くなる光導波路。 - 請求項1に記載の光導波路において、
当該光導波路はフィルム状である光導波路。 - 発光素子と、
受光素子と、
前記発光素子および前記受光素子を接続する光導波路とを備え、
前記光導波路が、請求項1乃至6のいずれかに記載の光導波路である光導波路モジュール。 - 請求項7に記載の光導波路モジュールにおいて、
前記光導波路は、支持部材により支持されて、前記光導波路の一方の端部が前記発光素子の上部に配置されるとともに、他方の端部が前記受光素子の上部に配置され、
前記支持部材には、前記光導波路を嵌め込むスリットが形成されている光導波路モジュール。 - 請求項8に記載の光導波路モジュールにおいて、
前記支持部材は、一対の対向配置された壁部を有し、この一対の壁部間に前記発光素子が設置された第一支持部材と、
一対の対向配置された壁部を有し、この一対の壁部間に前記受光素子が設置された第二支持部材とを有し、
前記第一支持部材は、前記光導波路の一方の端部を支持するとともに、前記第二支持部材は、前記光導波路の他方の端部を支持し、
前記第一支持部材の壁部のうち、前記光導波路の端部先端側に配置される一方の壁部には、前記光導波路の端部先端が当接する当接面が形成され、他方の壁部には、前記スリットが形成され、
前記第二支持部材の壁部のうち、前記光導波路の端部先端側に配置される一方の壁部には、前記光導波路の端部先端が当接する当接面が形成され、他方の壁部には、前記スリットが形成されている光導波路モジュール。 - 請求項9に記載の光導波路モジュールにおいて、
前記光導波路は、前記傾斜面が形成されている端部の先端に、前記第一支持部材の前記当接面あるいは前記第二支持部材の前記当接面に当接する平坦面が形成されている光導波路モジュール。
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