JP5347647B2 - ポリフェニレンサルファイド樹脂微粒子の製造方法、ポリフェニレンサルファイド樹脂微粒子、およびその分散液 - Google Patents
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Description
(a)0.1〜10質量部のポリフェニレンサルファイド樹脂を100質量部の有機溶媒中で加熱してポリフェニレンサルファイド樹脂の溶解液とする工程(溶解工程)
(b)前記溶解液をフラッシュ冷却してポリフェニレンサルファイド樹脂の微粒子を析出させる工程(析出工程)
本発明は、また、レーザー回析・散乱方式での平均粒径が0.05〜0.5μm、変動係数が20〜100%であるポリフェニレンサルファイド樹脂微粒子、およびそのポリフェニレンサルファイド樹脂微粒子を分散させた分散液である。
本発明におけるPPS樹脂とは、化学式(1)
本発明におけるPPS樹脂微粒子は、上記PPS樹脂を下記の工程(a)、(b)を含む工程を経て製造することができる。
(a)ポリフェニレンサルファイド樹脂を有機溶媒中で加熱してポリフェニレンサルファイド樹脂の溶解液とする工程(溶解工程)
(b)前記溶解液をフラッシュ冷却してポリフェニレンサルファイド樹脂の微粒子を析出させる工程(析出工程)。
(c)析出したポリフェニレンサルファイド樹脂微粒子の水と有機溶媒を含む分散液から、有機溶媒のみを抽出除去する工程(抽出工程)
(d)析出したポリフェニレンサルファイド樹脂微粒子、界面活性剤、および分散媒を含む懸濁液を機械的粉砕させる工程(粉砕工程)
(e)析出したポリフェニレンサルファイド樹脂微粒子、界面活性剤、および分散媒を含む懸濁液を機械的分散させる工程(分散工程)
[溶解工程]
本発明において、溶解工程では、PPS樹脂を有機溶媒中で加熱して溶解させる。本発明で使用するPPS樹脂の形態は特に問わないが、具体的に例示するならば粉体、顆粒、ペレット、繊維、フィルム、成形品等があげられる。操作性及び溶解に要する時間を短縮させる観点から、粉末、顆粒、ペレットが望ましく、特に粉末のPPS樹脂が好ましい。ここで、目的とするPPS樹脂微粒子およびその分散液を水溶性塗料等に使用する場合等、共存する無機イオンによる装置の腐食を防止するために、無機イオンを含有していない粉末、顆粒、ペレット状のPPS樹脂が特に好ましい。
上記溶解工程によって溶解させたPPS樹脂溶解液を気相中あるいはPPS樹脂微粒子を析出させる溶媒中にフラッシュ冷却してPPS樹脂微粒子を析出させる。本発明において、フラッシュ冷却とは、加熱・加圧下にある上記溶解液を、溶解工程で用いた有機溶媒の沸点以下(冷却下でも良い)・加圧されている圧力以下(減圧下でも良い)の他の容器(以下受槽と称する場合もある)中にノズルを介して噴出させて移液し、圧力差による冷却効果や潜熱による冷却効果を利用して急速に冷却する方法を指す。
具体的には、PPS樹脂を溶解させる溶媒を析出させる溶媒として使用することもできるが、微細なPPS樹脂微粒子が得られる点、粒径が揃いやすい点から、溶解工程で用いた溶媒と均一に混合し、かつPPS樹脂の貧溶媒を含むことが好ましい。NMPを溶解工程の溶媒に選択した場合には、NMP、アルコール類、アセトン類、水等が使用でき、目的に応じて析出させる溶媒を選択することができる。特に微細かつ粒径の揃ったPPS樹脂微粒子が得られやすい点から水を用いることが好ましい。また、PPS樹脂微粒子を析出させる溶媒は溶解工程で使用する有機溶媒と均一に混合するならば、単一の溶媒を用いてもよいし、2種類以上の溶媒を混合して用いてもよいが、特に微細かつ粒径の揃った微粒子が得られやすい点から水を含む混合溶媒を用いるのが好ましい。なかでも水とNMPの混合溶媒が好ましい。
機械的粉砕もしくは機械的分散により、より微細なPPS樹脂微粒子としてから使用することもできる。
上記析出工程において、PPS樹脂溶解液を水中にフラッシュ冷却して得られたPPS樹脂微粒子分散液中から溶解工程で使用した有機溶媒を抽出除去することにより、より簡便にPPS樹脂微粒子水分散液を製造することができる。この際、溶解工程で使用する有機溶媒としては、NMPがもっとも好ましいが、水と任意に混和する溶媒で有れば他の溶媒を使用しても構わない。
上記析出工程で得られたPPS樹脂微粒子分散液もしくは懸濁液をそのままもしくは界面活性剤を加えた後に機械的粉砕もしくは機械的分散を行い、PPS樹脂微粒子分散液としても良いが、新たな分散媒に置き換えてから機械的粉砕もしくは機械的分散を行っても良い。特に1μm未満のPPS樹脂微粒子は凝集して粗大粒子となりやすいため、より微細で、安定なPPS樹脂微粒子分散液を得るためには機械的分散を行うことが好ましい。新たな分散媒に置き換えるためには一旦固液分離を行い、PPS樹脂微粒子を単離する。PPS樹脂微粒子を単離する方法としては、ろ過、遠心分離、遠心ろ過等の従来公知の固液分離方法で行うことができるが、1μm未満のPPS樹脂微粒子を固液分離操作で効率よく単離するためには、凝集によって粒径を増大させた後、ろ過や遠心分離等の固液分離操作を行うことが望ましい。凝集によって粒径を増大させる方法としては、経時的に凝集させる自然凝集法、加熱による凝集法、塩析等の凝集剤を用いた凝集法などを用いることができ、これらの凝集法を用いることにより、工業的な固液分離方法に適した粒径の大きな凝集体を得ることができる。このときの凝集体の平均粒径としては5〜50μm(後述の測定方法による粒径)であることが好ましい。
上記ろ過・単離工程で得られたPPS樹脂微粒子はさらに機械的粉砕により細粒化して微粒子を得ることができる。粉砕工程に用いるPPS樹脂微粒子は上記ろ過・単離工程で、粉砕工程で用いる分散媒で洗浄した後用いることが好ましい。また、ろ過・単離工程でPPS樹脂微粒子を乾燥させると粉砕されがたくなるため、粉砕によって平均粒径1μm以下のPPS樹脂微粒子を得るためにはPPS樹脂微粒子が溶媒もしくは分散媒を含んだ状態にしておくことが必要である。粉砕工程に用いるPPS樹脂微粒子は50質量%以上の溶媒もしくは分散媒を含んだ状態であることが好ましい。
機械的粉砕装置に供給する前に、分散媒にPPS樹脂微粒子とフェニル基を有する界面活性剤を分散媒に加えてからホモジナイザー、超音波照射等で十分に分散させておく。ここで、凝集物が混入する恐れがある場合には前記分散液を篩等で濾過し、大型凝集物を事前に除去してから機械的粉砕装置に供する方が好ましい。
上記ろ過・単離工程で得られたPPS樹脂微粒子はさらに機械的分散により再分散して、より微細なPPS樹脂微粒子分散液を得ることができる。分散工程に用いるPPS樹脂微粒子は上記ろ過・単離工程で、分散工程で用いる分散媒で洗浄した後用いることが好ましい。また、ろ過・単離工程でPPS樹脂微粒子を乾燥させると分散されがたくなるため、分散によって平均粒径1μm以下のPPS樹脂微粒子を得るためにはPPS樹脂微粒子が溶媒もしくは分散媒を含んだ状態にしておくことが必要である。分散工程に用いるPPS樹脂微粒子は50質量%以上の溶媒もしくは分散媒を含んだ状態であることが好ましい。
一旦固液分離を行い、PPS樹脂微粒子を単離した場合、新たな分散媒になりうる媒体は、上記粉砕工程と同じ分散媒を使用することができる。例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロペンタン、デカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン等の脂肪族炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、2−メチルナフタレン等の芳香族炭化水素系溶媒、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸ブチル等のエステル系溶媒、クロロホルム、ブロモホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼン、2,6−ジクロロトルエン、1−クロロナフタレン、ヘキサフルオロイソプロパノール等のハロゲン系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルブチルケトン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール等のアルコール系溶媒、NMP、N−エチル−2−ピロリジノン等のN−アルキルピロリジノン系溶媒、N−メチル−ε−カプロラクタム、N−エチル−ε−カプロラクタム等のN−アルキルカプロラクタム系溶媒、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N、N−ジメチルアセトアミド、DMF、ヘキサメチルリン酸トリアミド、DMSO、ジメチルスルホン、テトラメチレンスルホン等の極性溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、ジグライム、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒および水の中から少なくとも一種選ばれる溶媒を例示できるが、環境面、安全面から水が最も好ましい。
上記により平均粒径で500nm以下、特に平均粒径100〜350nmのPPS樹脂微粒子を得ることができる。
PPS樹脂微粒子の平均粒径は日機装製レーザー回折・散乱方式粒度分布測定装置MT3300EXIIを用い、分散媒としてポリオキシエチレンクミルフェニルエーテル(商品名ノナール912A 東邦化学工業製 以後、ノナール912Aと称す)の0.5質量%水溶液を用いて測定した。具体的にはマイクロトラック法によるレーザーの散乱光を解析して得られる微粒子の総体積を100%として累積カーブを求め、その累積カーブが50%となる点の粒径(メジアン径:d50)を微粒子の平均粒径とした。
本発明における標準偏差(SD)とは、上記平均粒径の測定の際に得られる累積カーブから算出した。具体的にはマイクロトラック法によるレーザーの散乱光を解析して得られる粒子の総体積を100%として累積カーブを求め、その累積カーブが84%となる点の粒径をd84%(μm)、累積カーブが16%となる点の粒径をd16%(μm)とし、次式で求めた値を標準偏差(SD)とした。
SD=(d84%−d16%)/2 (μm)
[平均粒径の変動係数の算出]
本発明における平均粒径の変動係数(CV)は、上記の日機装製レーザー回折・散乱方式粒度分布測定装置MT3300EXIIで求めた粒度分布の値を用いて式(1)〜式(3)により求めた。尚、各サンプルの粒径、およびそのデータ数は、MT3300EXIIに内蔵されているData Management System 2 ver10.4.0-225Aによって自動的に算出される値である。
本発明での平均一次粒径は日本電子製走査型電子顕微鏡JEOL JMS−6700Fで得られた画像から任意の100個の粒子を選び、その最大長さを粒径として粒径を測長し、その平均値を平均一次粒径とした。
本発明における平均一次粒径の変動係数(CV)は、日本電子製走査型電子顕微鏡JEOL JMS−6700Fで得られた画像から任意の100個の粒径を測長して求めた粒度分布の値を用いて上記の式(1)〜式(3)により求めた。
ビーズミル粉砕は寿工業株式会社製ビーズミル“ウルトラアスペックミル”UAM―015型またはアシザワ・ファインテック株式会社製ビーズミル DMS−65型を用い、東ソー株式会社製50μmジルコニアビーズを所定の量充填し、循環運転にて行った。
超音波分散は日本精機製超音波ホモジナイザー、US−300T(超音波発振器:定格出力300W、発振周波数19.5KHz±1KHz(周波数自動追尾型)、超音波変換器:φ26mmPZT(ボルト締電歪型)振動素子)を用い、所定の出力になるように調整の上超音波発振チップをPPS樹脂微粒子分散(懸濁)液中に接液して行った。
〔溶解工程〕
溶解槽の1,000mlのオートクレーブに撹拌機、温度測定器、およびインターナルの溶解液抜き出し管を装着した。抜き出し管にはバルブ開閉ができる連結管を装着した。また、フラッシュ冷却の受槽として、1,000mlのオートクレーブに撹拌機、コンデンサー、ガス通気管、および前記溶解槽からの連結管の他端を装着した。
〔析出工程〕
前記受槽を氷水中で冷却し、撹拌しながら窒素ガスを微量通気しておいた。前記溶解槽のインターナル連結管のバルブを開き、溶解液を約1分間で大気圧の受槽に移液し、液温が40℃以下になったのを確認してから撹拌を停止し、受槽を開封した。受槽中のPPS樹脂微粒子のNMP懸濁液を38μmの篩でろ過して僅かに混入している粗大粒子を除去してPPS樹脂微粒子分散液を得た。本分散液をNMP中で粒度分布を測定した結果、平均粒径は9.35μmであった。
〔粉砕工程〕
前記PPS樹脂微粒子を1.25質量%ノナール912A水溶液400mlに懸濁させて、1.5質量%のPPS樹脂微粒子懸濁液を調整した。液温を20℃以下に保持しながらビーズミル(寿工業製 ウルトラアスペックミル UAM―015型 東ソー製50μmジルコニアビーズ80%充填)で60分間粉砕した。得られたPPS樹脂微粒子分散液の粒度分布を測定した結果、PPS樹脂微粒子の平均粒径は0.20μm、であった。 また、このPPS樹脂微粒子分散液は室温(25℃)条件下にて24時間静置し、目視で観察したところPPS樹脂微粒子は沈降しなかった。
PPS樹脂粉末10g、ノナール912A6.25g、NMP490gを用い、実施例1と同様にしてフラッシュ冷却した。得られたフラッシュ液を遠心分離して、上澄み液を取り除いた。残さにイオン交換水を加えて懸濁液とした後、遠心分離した。この操作を2回繰り返し、PPS樹脂微粒子10gを得た。このPPS樹脂微粒子の平均粒径は7.8μm、平均一次粒径は5.6μmであった。得られたPPS樹脂微粒子6.25gをノナール912A1.25質量%水溶液400g中に分散させ、PPS樹脂微粒子分散液を調製した。上記PPS樹脂微粒子分散液を実施例1と同様にしてビーズミルで1時間粉砕し、PPS樹脂微粒子分散液を得た。PPS樹脂微粒子分散液の平均粒径は200nmであった。また、このPPS樹脂微粒子分散液は室温(25℃)条件下にて24時間静置し、目視で観察したところPPS樹脂微粒子は沈降しなかった。
PPS樹脂粉末15g、ノナール912A6.25g、NMP485gを用い、実施例1と同様にして溶解工程・析出工程を行いPPS樹脂微粒子分散液を得た。得られたPPS樹脂微粒子の粒度分布を測定した結果、平均粒径は10.64μm、平均一次粒径は6.8μmであった。引き続き実施例1と同様にしてビーズミル粉砕を行いPPS樹脂微粒子分散液を得た。このPPS樹脂微粒子分散液の平均粒径は0.30μmであった。また、このPPS樹脂微粒子分散液は室温(25℃)条件下にて24時間静置し、目視で観察したところPPS樹脂微粒子は沈降しなかった。
PPS樹脂粉末15g、NMP485gを用い、実施例1と同様にしてフラッシュ冷却を行った。得られたフラッシュ液を遠心分離して、上澄み液を取り除いた。残さにイオン交換水を加えて懸濁液とした後、遠心分離した。この操作を2回繰り返し、PPS樹脂微粒子15gを得た。このPPS樹脂微粒子の平均粒径は10.04μm、平均一次粒径は7.6μmであった。得られたPPS樹脂微粒子6.25gをノナール912A1.25質量%水溶液400g中に分散させ、PPS樹脂微粒子分散液を調製した。引き続き、実施例1と同様にビーズミル粉砕を行い、PPS樹脂微粒子分散液を得た。PPS樹脂微粒子分散液の平均粒径は300nmであった。また、このPPS樹脂微粒子分散液は室温(25℃)条件下にて24時間静置し、目視で観察したところPPS樹脂微粒子は沈降しなかった。
実施例1と同様に、PPS樹脂粉末6.1g、NMP490gを用い、撹拌しながら内温を280℃まで上昇させたのち、さらに5時間撹拌を継続した。次いで、窒素ガスを内圧(ゲージ圧)2MPaまで圧入したところ、内温は310℃まで上昇した。溶解槽のインターナル連結管のバルブを開き、実施例1と同様にしてフラッシュ冷却してPPS樹脂微粒子分散液を得た。得られたPPS樹脂微粒子の平均粒径は1.36μmであった。また、このPPS樹脂微粒子分散液は室温(25℃)条件下にて24時間静置し、目視で観察したところPPS樹脂微粒子は沈降しなかった。
〔溶解工程〕
PPS樹脂粉末14.7g、NMP490gを用い、実施例1と同様に溶解工程を実施した。
〔析出工程〕
受槽に水490gを入れて氷水中で冷却し、撹拌しながら窒素ガスを微量通気した。このときの連結管出口を水中に入れた。引き続き、実施例1と同様のフラッシュ冷却を行い、PPS樹脂微粒子分散液を得た。得られたPPS樹脂微粒子分散液中のPPS樹脂微粒子の平均粒径は0.14μm、標準偏差は0.05μmであった。このPPS樹脂微粒子分散液は室温(25℃)条件下にて24時間静置し、目視で観察したところPPS微微粒子は沈降しなかった。
受槽に仕込む分散媒の水にノナール912Aを6.1g添加し、実施例6と同様にして実施した。得られたPPS樹脂微粒子分散液中のPPS樹脂微粒子の平均粒径は0.14μm、標準偏差は0.05μmであった。このPPS樹脂微粒子分散液は室温(25℃)条件下にて24時間静置し、目視で観察したところPPS微微粒子は沈降しなかった。
受槽の連結管出口を水面より上に位置するように設置し、その他は実施例1と同様の装置を使用した。受槽中に分散媒の水490gとノナール912A6.1gを仕込み、実施例6と同様にして実施した。得られたPPS樹脂微粒子の平均粒径は11.4μm、標準偏差は6.82μmであった。引き続き実施例1と同様にビーズミル粉砕を行い、PPS樹脂微粒子分散液を得た。PPS樹脂微粒子分散液の平均粒径は320nmであった。また、このPPS樹脂微粒子分散液は室温(25℃)条件下にて24時間静置し、目視で観察したところPPS樹脂微粒子は沈降しなかった。
受槽に仕込む分散媒としてNMPを490g用い、実施例6と同様にして実施した。得られたPPS樹脂微粒子の平均粒径は、9.88μm、標準偏差は4.50μmであった。引き続き実施例1と同様にビーズミル粉砕を行い、PPS樹脂微粒子分散液を得た。PPS樹脂微粒子分散液の平均粒径は450nmであった。また、このPPS樹脂微粒子分散液は室温(25℃)条件下にて24時間静置し、目視で観察したところPPS樹脂微粒子は沈降しなかった。
〔溶解工程〕
PPS樹脂粉末14.7g、NMP490gを用い、実施例1と同様にして実施した。
〔析出工程〕
受槽に水490gを入れて実施例6と同様にして実施した。得られたフラッシュ液の平均粒径は、0.1μmであった。この懸濁液に懸濁液と同量の2質量%塩化ナトリウム水溶液(PPS樹脂微粒子に対する塩化ナトリウム量は200質量%)を加えて塩析し、0.1μmメンブランフィルターでろ取した。このときの平均粒径は29μmであった。得られた固形分をイオン交換水150g中に懸濁した後、0.1μmメンブランフィルターでろ取した。同様の操作を2回実施し、含水PPS樹脂微粒子(53.9g、PPS分20.0wt%)を得た。
[分散工程]
前記含水PPS樹脂微粒子50g(PPS分10.0g)にノナール912A2.0g(PPS比20質量%)、イオン交換水148gを加えて5質量%のPPS樹脂微粒子懸濁液を調整した後、ホモミキサーで予備分散した。その懸濁液を超音波(出力90W、20分間)で処理した後、遠心分離器(1,090G、5分間)を用いて粗粒を分離し、平均粒径181nm、変動係数47%のPPS樹脂微粒子水分散液を得た。超音波分散前の平均一次粒径は83nm、変動係数は21%であり、超音波分散後の平均一次粒径は80nmであった。このPPS樹脂微粒子分散液を室温(25℃)条件下にて24時間静置し、目視で観察したところPPS樹脂微粒子は沈降していなかった。
受槽に入れる水を196gとし、実施例10と同様にしてフラッシュ冷却した。このフラッシュ液の平均粒径は、9μmであった。このフラッシュ液にイオン交換水(685g)を加え、2日間静置した後、0.1μmメンブランフィルターでろ取した。2日静置後の平均粒径は21μmであった。実施例1と同様に水洗、分散工程を行い、平均粒径176nm、変動係数75%のPPS樹脂微粒子分散液を得た。超音波分散前の平均一次粒径は98nm、変動係数は25%であり、超音波分散後の平均一次粒径は92nmであった。このPPS樹脂微粒子分散液を室温(25℃)条件下にて24時間静置し、目視で観察したところPPS樹脂微粒子は沈降していなかった。
受槽に水196g、NMP98gを入れ、実施例10と同様にしてフラッシュ冷却した。このフラッシュ液の平均粒径は、18μmであった。このフラッシュ液を2日静置して大粒径化した後、ろ過、水洗した。2日静置後の平均粒径は30μmであった。分散剤として、ポリオキシエチレンステアリルエーテル(エチレンオキシド20モル付加物)を用いる以外は、実施例10の分散工程と同様に行い、平均粒径163nm、変動係数60%のPPS樹脂微粒子分散液を得た。超音波分散前の平均一次粒径は102nm、変動係数は25%であり、超音波分散後の平均一次粒径は101nmであった。 このPPS樹脂微粒子分散液を室温(25℃)条件下にて24時間静置し、目視で観察したところPPS樹脂微粒子は沈降していなかった。
受槽に水196g、NMP147gを入れ、実施例10と同様にしてフラッシュ冷却した。このフラッシュ液の平均粒径は、10μmであった。このフラッシュ液を2日静置した後、ろ過、水洗した。2日静置後の平均粒径は17μmであった。分散剤としてポリオキシエチレンステアリルエーテル(エチレンオキシド20モル付加物)を用いる以外は、実施例10の分散工程と同様に行い、平均粒径155nm、変動係数53%のPPS樹脂微粒子分散液を得た。超音波分散前の平均一次粒径は97nm、変動係数は25%であり、超音波分散後の平均一次粒径は99nmであった。このPPS樹脂微粒子分散液を室温(25℃)条件下にて24時間静置し、目視で観察したところPPS樹脂微粒子は沈降していなかった。
受槽に水294g、NMP73.5gを入れ、実施例10と同様にしてフラッシュ冷却した。このフラッシュ液の平均粒径は、11μmであった。このフラッシュ液を80℃で1時間加熱した後、ろ過、水洗した。加熱後の平均粒径は18μmであった。分散剤として、ポリオキシエチレンステアリルエーテル(エチレンオキシド20モル付加物)を用いる以外は、実施例10と同様の分散工程を行い、平均粒径160nm、変動係数58%のPPS樹脂微粒子分散液を得た。超音波分散前の平均一次粒径は101nm、変動係数は22%であり、超音波分散後の平均一次粒径は105nmであった。このPPS樹脂微粒子分散液を室温(25℃)条件下にて24時間静置し、目視で観察したところPPS樹脂微粒子は沈降していなかった。
〔溶解工程〕
溶解槽の9.8Lのオートクレーブにバルブ開閉ができ、配管の端が槽の中に位置するように連結管を装着した。また、フラッシュ冷却の受槽として、50Lの耐圧タンクに撹拌機、コンデンサー、ガス通気管を装着し、前記溶解槽の連結管の他端を槽の中に位置するように装着した。溶解槽にPPS樹脂粉末210g、NMP6,790gを入れ、インターナル連結管のバルブを密閉してから窒素置換した。撹拌しながら内温280℃まで上昇させた後、1時間撹拌した。このときの内圧(ゲージ圧)は0.4MPaであった。
〔析出工程〕
前記受槽に水2,800gを入れて受槽に設置した連結管の先端を水中に入れた。受槽を氷冷し、窒素ガスを通気した。このとき受槽の温度は5℃であった。溶解槽の連結管のバルブを開き、溶解液を受槽水中にフラッシュ冷却した。このフラッシュ液の平均粒径は、10μmであった。このフラッシュ液を2日間静置した後、遠心脱水機で固液分離し、固形分をろ取した。2日静置後の平均粒径は26μmであった。固形分をイオン交換水1,800g中に懸濁した後、遠心脱水機でろ取した。同様の操作を2回行い、含水PPS樹脂微粒子(860g、PPS分22.0wt%)を得た。
[分散工程]
前記含水PPS樹脂微粒子68.2g(PPS分15.0g)にポリオキシエチレンステアリルエーテル(エチレンオキシド20モル付加物)3.0g(PPS比20質量%)、イオン交換水228.8gを加えて5質量%のPPS樹脂微粒子懸濁液を調整した後、ホモミキサーで予備分散した。その懸濁液を超音波(出力90W、20分間)で処理した後、遠心分離器(1,090G、5分間)を用いて粗粒を分離して平均粒径197nm、変動係数98%のPPS樹脂微粒子分散液を得た。超音波分散前の平均一次粒径は115nm、変動係数は29%であり、超音波分散後の平均一次粒径は110nmであった。このPPS樹脂微粒子分散液を室温(25℃)条件下にて24時間静置し、目視で観察したところPPS樹脂微粒子は沈降していなかった。
実施例15の析出工程で得られた含水PPS樹脂微粒子を用い、分散工程に用いる界面活性剤をポリオキシエチレンオレイルエーテル(エチレンオキシド18モル付加物)にした以外は実施例15の分散工程と同様に行い平均粒径188nm、変動係数87%のPPS樹脂微粒子分散液を得た。超音波分散前の平均一次粒径は115nm、変動係数は29%であり、超音波分散後の平均一次粒径は112nmであった。このPPS樹脂微粒子分散液を室温(25℃)条件下にて24時間静置し、目視で観察したところPPS樹脂微粒子は沈降していなかった。
実施例15の析出工程で得られた含水PPS樹脂微粒子を用い、分散工程に用いる界面活性剤をポリオキシエチレンオレイルエーテル(エチレンオキシド24モル付加物)にした以外は実施例15の分散工程と同様に行い平均粒径186nm、変動係数87%のPPS樹脂微粒子分散液を得た。超音波分散前の平均一次粒径は115nm、変動係数は29%であり、超音波分散後の平均一次粒径は109nmであった。このPPS樹脂微粒子分散液を室温(25℃)条件下にて24時間静置し、目視で観察したところPPS樹脂微粒子は沈降していなかった。
受槽の水を196gとし、溶解工程で用いるPPS樹脂粉末量と溶解工程の温度を表1記載の値にした以外は、実施例10と同様の操作でフラッシュ冷却した。このフラッシュ液を2日静置して大粒径化した後、ろ過、水洗した。実施例10の分散工程と同様に分散を行った。結果を表1に示す。下記のPPS樹脂微粒子分散液を室温(25℃)条件下にて24時間静置し、目視で観察したところPPS樹脂微粒子は沈降していなかった。
受槽の水500g、PPS樹脂粉末量を10gとした以外は、実施例10と同様の操作でフラッシュ冷却した。このフラッシュ液を2日静置して大粒径化した後、ろ過、水洗した。次に実施例10の分散工程と同様に分散を行い平均粒径140nm、変動係数51%のPPS樹脂微粒子分散液を得た。超音波分散前の平均一次粒径は92nm、変動係数は28%であり、超音波分散後の平均一次粒径は90nmであった。このPPS樹脂微粒子分散液を室温(25℃)条件下にて24時間静置し、目視で観察したところPPS樹脂微粒子は沈降していなかった。
受槽の水を300gとした以外は、実施例10と同様の操作でフラッシュ冷却した。このフラッシュ液を2日静置して大粒径化した後、ろ過、水洗した。次に実施例10の分散工程と同様に分散を行い平均粒径145nm、変動係数54%のPPS樹脂微粒子分散液を得た。超音波分散前の平均一次粒径は90nm、変動係数は26%であり、超音波分散後の平均一次粒径は91nmであった。このPPS樹脂微粒子分散液を室温(25℃)条件下にて24時間静置し、目視で観察したところPPS樹脂微粒子は沈降していなかった。
実施例15の析出工程で得られた含水PPS樹脂微粒子を用い、分散工程に用いる界面活性剤をドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(商品名ネオペレックスG−15 花王株式会社製 有効成分16%)を18.8g(PPS比20質量%)、イオン交換水213.0gとした以外は実施例15の分散工程と同様に行い、平均粒径245nm、変動係数64%のPPS樹脂微粒子分散液を得た。超音波分散前の平均一次粒径は115nm、変動係数は29%であり、超音波分散後の平均一次粒径は101nmであった。このPPS樹脂微粒子分散液を室温(25℃)条件下にて24時間静置し、目視で観察したところPPS樹脂微粒子は沈降していなかった。
実施例15の析出工程で得られた含水PPS樹脂微粒子を用い、分散工程に用いる界面活性剤をアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム(商品名ペレックスNBL 花王株式会社製 有効成分35%)を8.6g(PPS比20質量%)、イオン交換水223.2gとした以外は実施例15の分散工程と同様に行い、平均粒径254nm、変動係数63%のPPS樹脂微粒子分散液を得た。超音波分散前の平均一次粒径は115nm、変動係数は29%であり、超音波分散後の平均一次粒径は102nmであった。このPPS樹脂微粒子分散液を室温(25℃)条件下にて24時間静置し、目視で観察したところPPS樹脂微粒子は沈降していなかった。
〔溶解工程〕
PPS樹脂粉末14.7g、NMP490gを用い、実施例10と同様にして実施した。
〔析出工程〕
受槽に水490gを入れ、実施例10と同様にして実施した。得られたPPS樹脂微粒子分散液は、PPS樹脂微粒子、NMPおよび水を含むものであり(NMP:水(質量比)=1:1)、同分散液中のPPS樹脂微粒子の平均粒径は0.14μmであった。
〔抽出工程〕
前記分散液に30℃でPPS樹脂微粒子分散液100gに対し、クロロホルム(25℃で、クロロホルム100gに対する水の溶解量は0.08g)を100g添加し撹拌を行った。10分間で撹拌を止め、界面が見えるまで静置した。その結果、上層に白濁した水層、下層に澄明な抽出溶媒層の2層に分液した。水層が白濁していることからPPS樹脂微粒子は水層に存在していると判断した。上層であるPPS樹脂微粒子水分散液を回収した。下層であるクロロホルム層をガスクロマトグラフィー(条件:FID、カラム:DB−WAX 30m×0.25mmΦ×0.25μm、空気圧力:50kPa、水素圧力:50kPa、ヘリウム圧力:20kPa、カラム温度:40〜180℃、インジェクション温度:280℃、 昇温速度:10℃/min)で分析した結果、クロロホルム層中にNMP25.8gが、存在していることが判明した。仕込量から計算したクロロホルム添加前のPPS樹脂微粒子分散液のNMP量は49.3gであるから、水層中に23.5g存在すると考えられる。このPPS樹脂微粒子水分散液についてクロロホルム抽出を6回繰り返し、NMPを48.7g除去することができた。このことからPPS樹脂微粒子水分散液中のNMP濃度は0.75%と判断される。得られたPPS水分散液中のPPS樹脂微粒子の平均粒径は0.14μmであった。
9.8Lの耐圧容器内に、PPS樹脂粉末62.5g、NMP(関東化学社製)4,937.5gを加え、脱気後窒素下に密閉し、内温300℃まで上昇させた。300℃で1時間攪拌した後、4時間で室温(25℃)へ冷却した。反応溶液を200μmの篩でろ過後、10Kgの5.0質量%食塩水中に注ぎ入れ、30分間撹拌後遠心脱水して粗含水ケークを得た。得られた粗含水ケークにイオン交換水約1kgを加えて撹拌し、遠心脱水した。この洗浄操作を2回繰り返し、PPS樹脂微粒子206gを得た。このPPS樹脂微粒子の平均粒径は21μm、含水率76.8質量%(PPS分47.7g、回収率76.3%)であった。得られたPPS樹脂微粒子64.6gにノナール912A0.62gを加えた後、ノナール912A1.25質量%水溶液235g中に分散させ、PPS樹脂微粒子分散液を調製した。
上記PPS樹脂微粒子懸濁液をビーズミル(アシザワ・ファインテック株式会社製、 DMS−65、使用ビーズ:0.05mmジルコニアビーズ、周速:14m/sec)で2時間粉砕しPPS樹脂微粒子分散液を得た。PPS樹脂微粒子の平均粒径は15μmであった。
PPS樹脂粉末(平均粒径27μm)6.0gをノナール912A5.0質量%水溶液594g中に分散させ、PPS樹脂微粒子分散液を調製した。上記PPS樹脂微粒子懸濁液をビーズミル(寿工業株式会社製、 “ウルトラアペックスミル”、使用ビーズ:0.05mmジルコニアビーズ、ミル回転数:4,300rpm)で1.5時間粉砕しPPS樹脂微粒子分散液を得た。PPS樹脂微粒子分散液の平均粒径は19μmであった。
Claims (14)
- 下記の工程(a)、(b)を含むことを特徴とする平均粒径が0.05〜0.5μmのポリフェニレンサルファイド樹脂微粒子の製造方法。
(a)0.1〜10質量部のポリフェニレンサルファイド樹脂を100質量部の有機溶媒中で加熱してポリフェニレンサルファイド樹脂の溶解液とする工程(溶解工程)
(b)前記溶解液をフラッシュ冷却してポリフェニレンサルファイド樹脂の微粒子を析出させる工程(析出工程) - 前記析出工程において、溶解液をポリフェニレンサルファイド樹脂微粒子を析出させる溶媒中にフラッシュ冷却する請求項1に記載のポリフェニレンサルファイド樹脂微粒子の製造方法。
- 前記析出工程において、0.2〜4MPaの圧力(ゲージ圧)下にある溶解液をフラッシュ冷却する請求項1または2に記載のポリフェニレンサルファイド樹脂微粒子の製造方法。
- 前記溶解工程において、200℃〜400℃の範囲に加熱する請求項1から3のいずれかに記載のポリフェニレンサルファイド樹脂微粒子の製造方法。
- 前記溶解工程において、用いる有機溶媒がN−メチル−2−ピロリジノンである請求項1から4のいずれかに記載のポリフェニレンサルファイド樹脂微粒子の製造方法。
- 前記析出工程において、ポリフェニレンサルファイド樹脂微粒子を析出させる溶媒が水である請求項2から5のいずれかに記載のポリフェニレンサルファイド樹脂微粒子の製造方法。
- 前記析出工程で得られるポリフェニレンサルファイド樹脂微粒子を含む、界面活性剤および分散媒からなる懸濁液を機械的粉砕装置で粉砕し、ポリフェニレンサルファイド樹脂微粒子をさらに微粒子化する工程(粉砕工程)を含む請求項1から6のいずれかに記載のポリフェニレンサルファイド樹脂微粒子の製造方法。
- 前記析出工程で得られるポリフェニレンサルファイド樹脂微粒子を含む、界面活性剤および分散媒からなる懸濁液を機械的分散させる工程(分散工程)を含む請求項1から7のいずれかに記載のポリフェニレンサルファイド樹脂微粒子の製造方法。
- 前記析出工程で得られたポリフェニレンサルファイド樹脂微粒子を凝集させて大粒径化した後に固液分離し、引き続いて分散工程に用いる請求項8に記載のポリフェニレンサルファイド樹脂微粒子の製造方法。
- 前記分散工程で用いる分散媒が水である請求項8または9のいずれかに記載のポリフェニレンサルファイド樹脂微粒子の製造方法。
- 請求項1から10のいずれかに記載のポリフェニレンサルファイド樹脂微粒子の製造方法で得られるポリフェニレンサルファイド樹脂微粒子、界面活性剤および分散媒からなるポリフェニレンサルファイド樹脂微粒子分散液。
- レーザー回析・散乱方式での平均粒径が0.05〜0.5μm、かつ、変動係数が20〜100%であるポリフェニレンサルファイド樹脂微粒子。
- 平均一次粒径が0.2μm以下、かつ、変動係数が10〜40%であるポリフェニレンサルファイド樹脂微粒子。
- 請求項12または13に記載のポリフェニレンサルファイド樹脂微粒子を分散させたポリフェニレンサルファイド樹脂微粒子分散液。
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