JP5374880B2 - 無段変速機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、無段変速機の制御装置に関し、特に、第2のモードで変速するように無段変速機が制御されている場合は、第1のモードで変速するように無段変速機が制御されている場合に比べてアップシフトの変速速度を速くするように制御する技術に関する。
従来より、ギヤ比を無段階に変化させる無段変速機が知られている。無段変速機においては、たとえば車速に応じてギヤ比を常時変化させて(常時変速させて)、燃費が最適になるようにエンジン回転数を制御することが可能である。また、無段変速機においては、車両の運転状態に応じて異なる変速速度(ギヤ比が変化する勾配)で変速することが可能である。
特開平10−47447号公報(特許文献1)は、要求変速速度の違いに対応するモードにそれぞれ判別し、適切な変速速度で変速を行なう無段変速機の制御装置を開示する。特許文献1に記載の制御装置は、運転条件に応じて基本変速比を設定する基本変速比設定部と、無段変速機の変速比を所定の変速速度に従って徐々に基本変速比に近づける変速制御部と、変速制御部におけるアップシフト制御を、スロットル開度が略一定の状態での第1変速モードと、スロットルの略全閉までの閉操作に伴う第2変速モードと、スロットルの中間開度までの閉操作に伴う第3変速モードとのいずれかに判別するアップシフト判別部と、アップシフト判別部で判別される変速モード毎に、変速制御部における変速速度を変更する変速速度変更部とを含む。変速速度変更部は、第1変速モード時に最も速い変速速度を設定し、第2変速モード時に最も遅い変速速度を設定する。
この公報に記載の制御装置によれば、スロットル開度が略一定の状態でのアップシフトと、スロットルの略全閉までの閉操作に伴うアップシフトと、スロットルの中間開度までの閉操作に伴うアップシフトとをそれぞれに判別して、相互に異なる最適な変速速度でアップシフト制御を実行させることができる。第1変速モードでは変速比の収束性を確保でき、第2変速モードでは、過剰な変速速度による飛び出し感の発生を回避でき、第3変速モードでは、回転をスムーズに低下させることができる。
特開平10−47447号公報
しかしながら、特開平10−47447号公報に記載の制御装置では、スロットル開度が減少した際に行なわれるアップシフトの変速速度が遅くされる。そのため、エンジン回転数が高い状態が維持され、燃費が悪化し得る。また、スロットル開度が略一定の状態のアップシフトの変速速度が速くされる。そのため、加速後にスロットル開度が略一定にされると、速やかにギヤ比が小さくなる。したがって、再度加速するためにスロットル開度が増大された場合、ギヤ比が小さいため、加速時の応答性が悪化し得る。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、加速時の応答性と燃費の向上とを両立することができる無段変速機の制御装置を提供することである。
第1の発明に係る無段変速機の制御装置は、車両に搭載された無段変速機の制御装置である。この制御装置は、アクセル開度を検出するための手段と、アクセル開度が増大した場合、第1のモードで変速するように無段変速機を制御するための第1の制御手段と、第1のモードで変速するように無段変速機が制御されている状態においてアクセル開度が減少した場合、第1のモードとは異なる第2のモードで変速するように無段変速機を制御するための第2の制御手段と、第2のモードで変速するように無段変速機が制御されている場合は、第1のモードで変速するように無段変速機が制御されている場合に比べてアップシフトの変速速度が速くなるように制御するための速度制御手段とを備える。
この構成によると、アクセル開度が増大した場合、第1のモードで変速するように無段変速機が制御される。第1のモードで変速するように無段変速機が制御されている状態においてアクセル開度が減少した場合、第1のモードとは異なる第2のモードで変速するように無段変速機が制御される。第2のモードで変速するように無段変速機が制御されている場合は、第1のモードで変速するように無段変速機が制御されている場合に比べてアップシフトの変速速度が速くなるように制御される。これにより、アクセル開度が増大され、車両が加速した後においてアップシフトが行なわれる場合には、アクセル開度が減少される場合に比べて、変速速度を遅くし、ギヤ比が大きい状態を維持し易くすることができる。そのため、再度アクセル開度が増大された場合には、速やかに加速することができる。また、アクセル開度が減少され、アップシフトが行なわれる場合には、アクセル開度が増大された場合に比べて、変速速度を速くすることができる。そのため、無段変速機に接続される駆動源(たとえばエンジン)の出力軸回転数を速やかに低くし、燃料の消費量を低減することができる。その結果、加速時の応答性と燃費の向上とを両立することができる無段変速機の制御装置を提供することができる。
第2の発明に係る無段変速機の制御装置においては、第1の発明の構成に加え、第2の制御手段は、無段変速機の目標入力軸回転数を設定するための手段と、無段変速機の入力軸回転数が目標入力軸回転数になるように無段変速機を制御するための手段とを含む。速度制御手段は、第2のモードで変速するように無段変速機が制御されている場合は、無段変速機の目標入力軸回転数が大きいほどアップシフトの変速速度が速くなるように制御するための手段を含む。
この構成によると、第2のモードで変速するように無段変速機が制御されている場合は、無段変速機の目標入力軸回転数が大きいほどアップシフトの変速速度が速くなるように制御される。これにより、無段変速機に接続される駆動源の出力軸回転数が比較的高い運転状態において、出力軸回転数をより速やかに低くすることができる。そのため、燃料の消費量をより低減することができる。また、駆動源の出力軸回転数が比較的低い運転状態において、アップシフトの変速速度を落とすことができる。そのため、駆動源の抵抗による制動力(エンジンブレーキ)を有効に利用することができる。
第3の発明に係る無段変速機の制御装置は、第1の発明の構成に加え、車速を検出するための手段をさらに備える。速度制御手段は、第2のモードで変速するように無段変速機が制御されている場合は、車速が大きいほどアップシフトの変速速度が速くなるように制御するための手段を含む。
この構成によると、第2のモードで変速するように無段変速機が制御されている場合は、車速が大きいほどアップシフトの変速速度が速くなるように制御される。これにより、無段変速機に接続される駆動源の出力軸回転数が比較的高い運転状態において、出力軸回転数をより速やかに低くすることができる。そのため、燃料の消費量をより低減することができる。また、駆動源の出力軸回転数が比較的低い運転状態において、アップシフトの変速速度を落とすことができる。そのため、駆動源の抵抗による制動力を有効に利用することができる。
第4の発明に係る無段変速機の制御装置においては、第1の発明の構成に加え、速度制御手段は、第1のモードで変速するように無段変速機が制御されている場合においてアップシフトの変速速度を第1の制限値以下に制限し、第2のモードで変速するように無段変速機が制御されている場合においてアップシフトの変速速度を第1の制限値よりも大きい第2の制限値以下に制限することにより、第2のモードで変速するように無段変速機が制御されている場合は、第1のモードで変速するように無段変速機が制御されている場合に比べてアップシフトの変速速度が速くなるように制御するための手段を含む。
この構成によると、アップシフトの変速速度を第1の制限値もしくは第2の制限値以下に制限することにより、アップシフトの変速速度を制御することができる。
第5の発明に係る無段変速機の制御装置においては、第4の発明の構成に加え、車速を検出するための手段をさらに含む。第2の制御手段は、無段変速機の目標入力軸回転数を設定するための手段と、無段変速機の入力軸回転数が目標入力軸回転数になるように無段変速機を制御するための手段とを含む。速度制御手段は、車速と無段変速機の目標入力軸回転数とをパラメータに有するマップに従って第2の制限値を設定するための設定手段を含む。
この構成によると、車速と無段変速機の目標入力軸回転数とに応じて第2の制限値が設定される。これにより、車両の運転状態およびドライバの操作に応じて最適な値を第2の制限値として設定することができる。そのため、アップシフトの変速速度をよりきめ細やかに設定することができる。
第6の発明に係る無段変速機の制御装置においては、第5の発明の構成に加え、設定手段は、無段変速機の目標入力軸回転数が大きいほど大きくなるように第2の制限値を設定するための手段を有する。
この構成によると、無段変速機の目標入力軸回転数が大きいほど大きくなるように第2の制限値が設定される。これにより、無段変速機の目標入力軸回転数が大きいほどアップシフトの変速速度が速くなるように制御することができる。そのため、無段変速機に接続される駆動源の出力軸回転数が比較的高い運転状態において、出力軸回転数をより速やかに低くすることができる。その結果、燃料の消費量をより低減することができる。また、駆動源の出力軸回転数が比較的低い運転状態において、アップシフトの変速速度を落とすことができる。そのため、駆動源の抵抗による制動力を有効に利用することができる。
第7の発明に係る無段変速機の制御装置においては、第5の発明の構成に加え、設定手段は、車速が大きいほど大きくなるように第2の制限値を設定するための手段を有する。
この構成によると、車速が大きいほど大きくなるように第2の制限値が設定される。これにより、車速が大きいほどアップシフトの変速速度が速くなるように制御することができる。そのため、無段変速機に接続される駆動源の出力軸回転数が比較的高い運転状態において、出力軸回転数をより速やかに低くすることができる。その結果、燃料の消費量をより低減することができる。また、駆動源の出力軸回転数が比較的低い運転状態において、アップシフトの変速速度を落とすことができる。そのため、駆動源の抵抗による制動力を有効に利用することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図1を参照して、本実施の形態に係る制御装置を搭載した車両について説明する。この車両に搭載された駆動装置100のエンジン200の出力は、トルクコンバータ300および前後進切換装置400を介して、ベルト式の無段変速機500に入力される。無段変速機500の出力は、減速歯車600および差動歯車装置700に伝達され、左右の駆動輪800へ分配される。駆動装置100は、後述するECU(Electronic Control Unit)900により制御される。なお、ベルト式の無段変速機500の代わりに、チェーン式もしくはトロイダル式の無段変速機を用いるようにしてもよい。
トルクコンバータ300は、エンジン200のクランク軸に連結されたポンプ翼車302と、タービン軸304を介して前後進切換装置400に連結されたタービン翼車306とから構成されている。ポンプ翼車302およびタービン翼車306の間にはロックアップクラッチ308が設けられている。ロックアップクラッチ308は、係合側油室および解放側油室に対する油圧供給が切換えられることにより、係合または解放されるようになっている。
ロックアップクラッチ308が完全係合させられることにより、ポンプ翼車302およびタービン翼車306は一体的に回転させられる。ポンプ翼車302には、無段変速機500を変速制御したり、ベルト挟圧力を発生させたり、各部に潤滑油を供給したりするための油圧を発生する機械式のオイルポンプ310が設けられている。
前後進切換装置400は、ダブルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。トルクコンバータ300のタービン軸304はサンギヤ402に連結されている。無段変速機500の入力軸502はキャリア404に連結されている。キャリア404とサンギヤ402とはフォワードクラッチ406を介して連結されている。リングギヤ408は、リバースブレーキ410を介してハウジングに固定される。フォワードクラッチ406およびリバースブレーキ410は油圧シリンダによって摩擦係合させられる。フォワードクラッチ406の入力回転数は、タービン軸304の回転数、すなわちタービン回転数NTと同じである。
フォワードクラッチ406が係合させられるとともに、リバースブレーキ410が解放されることにより、前後進切換装置400は前進用係合状態となる。この状態で、前進方向の駆動力が無段変速機500に伝達される。リバースブレーキ410が係合させられるとともにフォワードクラッチ406が解放されることにより、前後進切換装置400は後進用係合状態となる。この状態で、入力軸502はタービン軸304に対して逆方向へ回転させられる。これにより、後進方向の駆動力が無段変速機500に伝達される。フォワードクラッチ406およびリバースブレーキ410が共に解放されると、前後進切換装置400は動力伝達を遮断するニュートラル状態になる。
無段変速機500は、入力軸502に設けられたプライマリプーリ504と、出力軸506に設けられたセカンダリプーリ508と、これらのプーリに巻き掛けられた伝動ベルト510とから構成される。各プーリと伝動ベルト510との間の摩擦力を利用して、動力伝達が行なわれる。
各プーリは溝幅が可変であるように、油圧シリンダから構成されている。プライマリプーリ504の油圧シリンダの油圧が制御されることにより、各プーリの溝幅が変化する。これにより、伝動ベルト510の掛かり径が変更され、ギヤ比GR(=プライマリプーリ回転数NIN/セカンダリプーリ回転数NOUT)が連続的に変化させられる。
図2に示すように、ECU900には、エンジン回転数センサ902、タービン回転数センサ904、車速センサ906、スロットル開度センサ908、冷却水温センサ910、油温センサ912、アクセル開度センサ914、フットブレーキスイッチ916、ポジションセンサ918、プライマリプーリ回転数センサ922およびセカンダリプーリ回転数センサ924が接続されている。
エンジン回転数センサ902は、エンジン200の回転数(エンジン回転数)NEを検出する。タービン回転数センサ904は、タービン軸304の回転数(タービン回転数)NTを検出する。車速センサ906は、車速Vを検出する。スロットル開度センサ908は、電子スロットルバルブの開度θ(TH)を検出する。冷却水温センサ910は、エンジン200の冷却水温T(W)を検出する。油温センサ912は、無段変速機500などの油温T(C)を検出する。アクセル開度センサ914は、アクセルペダルの開度A(CC)を検出する。フットブレーキスイッチ916は、フットブレーキの操作の有無を検出する。ポジションセンサ918は、シフトポジションと対応する位置に設けられた接点がONであるかOFFであるかを判別することにより、シフトレバー920のポジションP(SH)を検出する。プライマリプーリ回転数センサ922は、無段変速機500の入力軸回転数(プライマリプーリ504の回転数)NINを検出する。セカンダリプーリ回転数センサ924は、無段変速機500の出力軸回転数(セカンダリプーリ508の回転数)NOUTを検出する。各センサの検出結果を表す信号が、ECU900に送信される。タービン回転数NTは、フォワードクラッチ406が係合された前進走行時にはプライマリプーリ回転数NINと一致する。車速Vは、セカンダリプーリ回転数NOUTと対応した値になる。
ECU900は、CPU(Central Processing Unit)、メモリおよび入出力インターフェースなどを含む。CPUはメモリに記憶されたプログラムに従って信号処理を行なう。これにより、エンジン200の出力制御、無段変速機500の変速制御、ベルト挟圧力制御、フォワードクラッチ406の係合/解放制御およびリバースブレーキ410の係合/解放制御などを実行する。
エンジン200の出力制御は電子スロットルバルブ1000、燃料噴射装置1100、点火装置1200などによって行なわれる。無段変速機500の変速制御、ベルト挟圧力制御、フォワードクラッチ406の係合/解放制御およびリバースブレーキ410の係合/解放制御は、油圧制御回路2000によって行なわれる。
図3を参照して、油圧制御回路2000の一部について説明する。なお、以下に説明する油圧制御回路2000は一例であって、これに限らない。
オイルポンプ310が発生した油圧は、ライン圧油路2002を介してプライマリレギュレータバルブ2100、モジュレータバルブ(1)2310およびモジュレータバルブ(3)2330に供給される。
プライマリレギュレータバルブ2100には、SLTリニアソレノイドバルブ2200およびSLSリニアソレノイドバルブ2210のいずれか一方から選択的に制御圧が供給される。本実施の形態において、SLTリニアソレノイドバルブ2200およびSLSリ
ニアソレノイドバルブ2210の両方は、ノーマルオープン(非通電時に出力される油圧が最大になる)のソレノイドバルブである。なお、SLTリニアソレノイドバルブ2200およびSLSリニアソレノイドバルブ2210がノーマルクローズ(非通電時に出力される油圧が最小(「0」)になる)であるようにしてもよい。
プライマリレギュレータバルブ2100のスプールは、供給された制御圧に応じて上下に摺動する。これにより、オイルポンプ310で発生した油圧がプライマリレギュレータバルブ2100により調圧(調整)される。プライマリレギュレータバルブ2100により調圧された油圧がライン圧PLとして用いられる。本実施の形態においては、プライマリレギュレータバルブ2100に供給される制御圧が高いほど、ライン圧PLがより高くなる。なお、プライマリレギュレータバルブ2100に供給される制御圧が高いほど、ライン圧PLがより低くなるようにしてもよい。
SLTリニアソレノイドバルブ2200およびSLSリニアソレノイドバルブ2210には、ライン圧PLを元圧としてモジュレータバルブ(3)2330により調圧された油圧が供給される。
SLTリニアソレノイドバルブ2200およびSLSリニアソレノイドバルブ2210は、ECU900から送信されたデューティ信号(デューティ値)によって決まる電流値に応じて制御圧を発生させる。
SLTリニアソレノイドバルブ2200の制御圧(出力油圧)およびSLSリニアソレノイドバルブ2210の制御圧(出力油圧)うち、プライマリレギュレータバルブ2100へ供給される制御圧は、コントロールバルブ2400により選択される。
コントロールバルブ2400のスプールが図3において(A)の状態(左側の状態)にある場合、SLTリニアソレノイドバルブ2200からプライマリレギュレータバルブ2100へ制御圧が供給される。すなわち、SLTリニアソレノイドバルブ2200の制御圧に応じて、ライン圧PLが制御される。
コントロールバルブ2400のスプールが図3において(B)の状態(右側の状態)にある場合、SLSリニアソレノイドバルブ2210からプライマリレギュレータバルブ2100へ制御圧が供給される。すなわち、SLSリニアソレノイドバルブ2210の制御圧に応じて、ライン圧PLが制御される。
なお、コントロールバルブ2400のスプールが図3において(B)の状態にある場合、SLTリニアソレノイドバルブ2200の制御圧は、後述するマニュアルバルブ2600に供給される。
コントロールバルブ2400のスプールは、スプリングにより一方向へ付勢される。このスプリングの付勢力に対向するように、変速制御用デューティソレノイド(1)2510および変速制御用デューティソレノイド(2)2520から油圧が供給される。
変速制御用デューティソレノイド(1)2510および変速制御用デューティソレノイド(2)2520は、ECU900から送信されたデューティ信号(デューティ値)によって決まる電流値に応じた油圧(制御圧)を出力する。
変速制御用デューティソレノイド(1)2510および変速制御用デューティソレノイド(2)2520の両方からコントロールバルブ2400に油圧が供給された場合、コントロールバルブ2400のスプールは図3において(B)の状態になる。
変速制御用デューティソレノイド(1)2510および変速制御用デューティソレノイド(2)2520の少なくともいずれか一方からコントロールバルブ2400に油圧が供給されていない場合、コントロールバルブ2400のスプールは、スプリングの付勢力により図3において(A)の状態になる。
変速制御用デューティソレノイド(1)2510および変速制御用デューティソレノイド(2)2520には、モジュレータバルブ(4)2340により調圧された油圧が供給される。モジュレータバルブ(4)2340は、モジュレータバルブ(3)2330から供給された油圧を一定の圧力に調圧する。
モジュレータバルブ(1)2310は、ライン圧PLを元圧として調圧された油圧を出力する。モジュレータバルブ(1)2310から出力された油圧は、セカンダリプーリ508の油圧シリンダに供給される。セカンダリプーリ508の油圧シリンダには、伝動ベルト510が滑りを生じないような油圧が供給される。
モジュレータバルブ(1)2310には、軸方向へ移動可能なスプールおよびそのスプールを一方へ付勢するスプリングが設けられている。モジュレータバルブ(1)2310は、ECU900によりデューティ制御されるSLSリニアソレノイドバルブ2210の出力油圧をパイロット圧として、モジュレータバルブ(1)2310に導入されるライン圧PLを調圧する。モジュレータバルブ(1)2310により調圧された油圧は、セカンダリプーリ508の油圧シリンダに供給される。モジュレータバルブ(1)2310からの出力油圧に応じてベルト挟圧力が増減させられる。
SLSリニアソレノイドバルブ2210は、アクセル開度A(CC)およびギヤ比GRをパラメータとしたマップに従い、ベルト滑りが生じないベルト挟圧力になるように制御される。具体的には、SLSリニアソレノイドバルブ2210に対する励磁電流をベルト挟圧力に対応するデューティ比で制御する。なお、加減速時などに伝達トルクが急に変化する場合には、ベルト挟圧力を増大補正してベルト滑りを抑制してもよい。
セカンダリプーリ508の油圧シリンダに供給される油圧は、プレッシャセンサ2312により検出される。
図4を参照して、マニュアルバルブ2600について説明する。マニュアルバルブ2600は、シフトレバー920の操作に従って機械的に切換えられる。これにより、フォワードクラッチ406およびリバースブレーキ410は係合させられたり、解放させられたりする。
シフトレバー920は、駐車用の「P」ポジション、後進走行用の「R」ポジション、動力伝達を遮断する「N」ポジション、前進走行用の「D」ポジションおよび「B」ポジションへ操作される。
「P」ポジションおよび「N」ポジションでは、フォワードクラッチ406およびリバースブレーキ410内の油圧は、マニュアルバルブ2600からドレンされる。これにより、フォワードクラッチ406およびリバースブレーキ410は解放される。
「R」ポジションでは、マニュアルバルブ2600からリバースブレーキ410に油圧が供給される。これによりリバースブレーキ410が係合させられる。一方、フォワードクラッチ406内の油圧がマニュアルバルブ2600からドレンされる。これによりフォワードクラッチ406が解放される。
コントロールバルブ2400が図4において(A)の状態(左側の状態)にある場合、図示しないモジュレータバルブ(2)から供給されたモジュレータ圧PMが、コントロールバルブ2400を介してマニュアルバルブ2600に供給される。このモジュレータ圧PMによりリバースブレーキ410が係合状態に保持される。
コントロールバルブ2400が図4において(B)の状態(右側の状態)にある場合、SLTリニアソレノイドバルブ2200により調圧された油圧が、マニュアルバルブ2600に供給される。SLTリニアソレノイドバルブ2200により油圧を調圧することにより、リバースブレーキ410が緩やかに係合され、係合時のショックが抑制される。
また、コントロールバルブ2400が図4において(B)の状態(右側の状態)にある場合において、SLTリニアソレノイドバルブ2200のデューティ比を100%にし、通電量を最大にすると、SLTリニアソレノイドバルブ2200から油圧が出力されなくなり、リバースブレーキ410に供給される油圧が「0」になる。すなわち、SLTリニアソレノイドバルブ2200を介してリバースブレーキ410から油圧がドレンされ、リバースブレーキ410が解放される。
「D」ポジションおよび「B」ポジションでは、マニュアルバルブ2600からフォワードクラッチ406に油圧が供給される。これによりフォワードクラッチ406が係合させられる。一方、リバースブレーキ410内の油圧がマニュアルバルブ2600からドレンされる。これによりリバースブレーキ410が解放される。
コントロールバルブ2400が図4において(A)の状態(左側の状態)にある場合、図示しないモジュレータバルブ(2)から供給されたモジュレータ圧PMが、コントロールバルブ2400を介してマニュアルバルブ2600に供給される。このモジュレータ圧PMによりフォワードクラッチ406が係合状態に保持される。
コントロールバルブ2400が図4において(B)の状態(右側の状態)にある場合、SLTリニアソレノイドバルブ2200により調圧された油圧が、マニュアルバルブ2600に供給される。SLTリニアソレノイドバルブ2200により油圧を調圧することにより、フォワードクラッチ406が緩やかに係合され、係合時のショックが抑制される。
SLTリニアソレノイドバルブ2200は、通常はコントロールバルブ2400を介してライン圧PLを制御する。SLSリニアソレノイドバルブ2210は、通常はモジュレータバルブ(1)2310を介してベルト挟圧力を制御する。
一方、シフトレバー920が「D」ポジションである状態で車両が停止した(車速が「0」になった)という条件を含むニュートラル制御実行条件が成立した場合、SLTリニアソレノイドバルブ2200は、フォワードクラッチ406の係合力が低下するように、フォワードクラッチ406の係合力を制御する。SLSリニアソレノイドバルブ2210は、モジュレータバルブ(1)2310を介してベルト挟圧力を制御するとともに、SLTリニアソレノイドバルブ2200に代わって、ライン圧PLを制御する。
シフトレバー920が「N」ポジションから「D」ポジションまたは「R」ポジションへ操作されるガレージシフトが行なわれた場合、SLTリニアソレノイドバルブ2200は、フォワードクラッチ406もしくはリバースブレーキ410が緩やかに係合するように、フォワードクラッチ406もしくはリバースブレーキ410の係合力を制御する。SLSリニアソレノイドバルブ2210は、モジュレータバルブ(1)2310を介してベルト挟圧力を制御するとともに、SLTリニアソレノイドバルブ2200に代わって、ライン圧PLを制御する。
車両の前進走行中に(車速が復帰速度V(R)以上である場合に)シフトレバー920が「R」ポジションへ操作された場合、SLTリニアソレノイドバルブ2200は、リバースブレーキ410を解放するように制御される。
図5を参照して、変速制御を行なう構成について説明する。変速制御は、プライマリプーリ504の油圧シリンダに対する油圧の供給および排出を制御することにより行なわれる。プライマリプーリ504の油圧シリンダに対する作動油の給排は、レシオコントロールバルブ(1)2710およびレシオコントロールバルブ(2)2720を用いて行なわれる。
プライマリプーリ504の油圧シリンダには、ライン圧PLが供給されるレシオコントロールバルブ(1)2710と、ドレンに接続されたレシオコントロールバルブ(2)2720とが連通されている。
レシオコントロールバルブ(1)2710は、アップシフトを実行するためのバルブである。レシオコントロールバルブ(1)2710は、ライン圧PLが供給される入力ポートとプライマリプーリ504の油圧シリンダに連通された出力ポートとの間の流路をスプールによって開閉するように構成されている。
レシオコントロールバルブ(1)2710のスプールの一端部にはスプリングが配置されている。スプールを挟んでスプリングとは反対側の端部に、変速制御用デューティソレノイド(1)2510からの制御圧が供給されるポートが形成されている。また、スプリングが配置されている側の端部に、変速制御用デューティソレノイド(2)2520からの制御圧が供給されるポートが形成されている。
変速制御用デューティソレノイド(1)2510からの制御圧を高くするとともに、変速制御用デューティソレノイド(2)2520から制御圧を出力しないようにすると、レシオコントロールバルブ(1)2710のスプールが図5において(D)の状態(右側の状態)になる。
この状態では、プライマリプーリ504の油圧シリンダに供給される油圧が増加してプライマリプーリ504の溝幅が狭くなる。そのため、ギヤ比が低下する。すなわちアップシフトする。またその際の作動油の供給流量を増大させることにより、変速速度が速くなる。
レシオコントロールバルブ(2)2720は、ダウンシフトを実行するためのバルブである。レシオコントロールバルブ(2)2720のスプールの一端部にはスプリングが配置されている。スプリングが配置されている側の端部に、変速制御用デューティソレノイド(1)2510からの制御圧が供給されるポートが形成されている。スプールを挟んでスプリングとは反対側の端部に、変速制御用デューティソレノイド(2)2520からの制御圧が供給されるポートが形成されている。
変速制御用デューティソレノイド(2)2520からの制御圧を高くするとともに、変速制御用デューティソレノイド(1)2510から制御圧を出力しないようにすると、レシオコントロールバルブ(2)2720のスプールが図5において(C)の状態(左側の状態)になる。同時に、レシオコントロールバルブ(1)2710のスプールが図5において(C)の状態(左側の状態)になる。
この状態では、レシオコントロールバルブ(1)2710およびレシオコントロールバルブ(2)2720を介して、プライマリプーリ504の油圧シリンダから作動油が排出される。そのため、プライマリプーリ504の溝幅が広くなる。その結果、ギヤ比が増大する。すなわちダウンシフトする。またその際の作動油の排出流量を増大させることにより、変速速度が速くなる。
ギヤ比を制御する際において、変速制御用デューティソレノイド(1)2510から出力される油圧(制御圧)および変速制御用デューティソレノイド(2)2520から出力される油圧(制御圧)は、ECU900から各変速制御用デューティソレノイドに送信されたデューティ値に応じた値となる。
本実施の形態においては、デューティ値が高いほど、変速制御用デューティソレノイドの制御圧がより高くなる。デューティ値は、無段変速機500の入力軸502の実際の回転数と後述するマップ等にしたがって設定される目標入力軸回転数との差に応じて定められる。入力軸502の実際の回転数と目標入力軸回転数との差が大きいほど、デューティ値がより高く設定される。
レシオコントロールバルブ(1)2710において、変速制御用デューティソレノイド(1)2510から出力される油圧によりスプールに作用する力が、変速制御用デューティソレノイド(2)2520から出力される油圧によりスプールに作用する力およびスプリングの付勢力の和よりも小さいと、レシオコントロールバルブ(1)2710のスプールが(C)の状態(左側の状態)になる。
レシオコントロールバルブ(2)2720において、変速制御用デューティソレノイド(2)2520から出力される油圧によりスプールに作用する力が、変速制御用デューティソレノイド(1)2510から出力される油圧によりスプールに作用する力およびスプリングの付勢力の和よりも小さいと、レシオコントロールバルブ(2)2720のスプールが(D)の状態(右側の状態)になる。
したがって、変速制御用デューティソレノイド(1)2510およびレシオコントロールバルブ(2)2720の両方から制御圧を出力しないようにすると、レシオコントロールバルブ(1)2710のスプールが(C)の状態(左側の状態)になると同時に、レシオコントロールバルブ(2)2720のスプールが(D)の状態(右側の状態)になる。
この状態では、レシオコントロールバルブ(2)2720に接続されたバイパスコントロールバルブ2800により調圧された油圧がプライマリプーリ504の油圧シリンダに供給される。すなわち、バイパスコントロールバルブ2800により、プライマリプーリ504の油圧シリンダに供給される作動油の流量が制御される。
バイパスコントロールバルブ2800のスプールの一端部にはスプリングが配置されている。このスプリングは、ライン圧PLが供給される入力ポートと、最終的にプライマリプーリ504の油圧シリンダに供給される油圧(バイパスコントロールバルブ2800で調圧した油圧)PBYを出力する出力ポートとを接続する方向にスプールを付勢する。
スプリングが配置されている側の端部に、モジュレータバルブ(1)2310からの出力油圧POUTが供給されるポートが形成されている。スプールを挟んでスプリングとは反対側の端部に、バイパスコントロールバルブ2800から出力された油圧POUTがフィードバックされるフィードバックポートが形成されている。
ここで、バイパスコントロールバルブ2800における、フィードバックポート側の断面積をA(1)、モジュレータバルブ(1)2310からの油圧POUTが供給されるポート側の断面積をA(2)、スプリングの付勢力をWとすると、このバイパスコントロールバルブ2800においては、以下の式で平衡状態になる。
PBY×A(1)=POUT×A(2)+W…(1)
この式(1)を変形すると、バイパスコントロールバルブ2800から出力される油圧PBYは、
PBY={A(2)/A(1)}×POUT+W/A(1)…(2)
となる。
すなわち、レシオコントロールバルブ(2)2720には、{A(2)/A(1)}×POUTという項を有する式(2)で表わされる油圧が入力される。
そのため、レシオコントロールバルブ(1)2710のスプールが(C)の状態(左側の状態)にあり、かつレシオコントロールバルブ(2)2720のスプールが(D)の状態(右側の状態)にある場合においては、ベルト挟圧力を制御するために出力される油圧POUTに応じた油圧を、最終的にプライマリプーリ504の油圧シリンダに供給することができる。
油圧制御回路や油圧制御機器などから作動油の漏洩が生じてプライマリプーリ504の油圧シリンダの油圧が低下した場合には、バイパスコントロールバルブ2800からプライマリプーリ504の油圧シリンダに作動油が僅かずつ供給される。そのため、変速の状態としては、僅かながらアップシフト傾向となり、ギヤ比が僅かずつ低下する緩速のアップシフトとなる。
以下、図6を参照して、ECU900の機能について説明する。なお、以下に説明する機能は、ソフトウェアにより実現するようにしてもよく、ハードウェアにより実現するようにしてもよい。ECU900は複数のECUに分割するようにしてもよい。
ECU900は、アクセル開度検出部930と、変化率検出部932と、車速検出部934と、第1設定部941と、第2設定部942と、定常走行制御部950と、リニアシフト制御部952と、オフアップシフト制御部954と、ギヤ比制御部956と、変速速度制限部960とを備える。
アクセル開度検出部930は、アクセル開度センサ914から送信された信号に基づいて、アクセル開度A(CC)を検出する。
変化率検出部932は、アクセル開度A(CC)の変化率を検出(算出)する。アクセル開度A(CC)が増大する場合、変化率は正値で表わされる。アクセル開度A(CC)が減少する場合、変化率は負値で表わされる。車速検出部934は、車速センサ906から送信された信号に基づいて車速Vを検出する。
第1設定部941は、定常走行時の無段変速機500の目標入力軸回転数NINOPTを設定する。本実施の形態において、定常走行とは、たとえば車速が一定である走行状態もしくは加速度がしきい値以下である緩加速状態を意味する。定常走行時には、目標入力軸回転数NINOPTが最終的な目標入力軸回転数NINTとして設定され、実際の入力軸回転数NINが最終的に設定された目標入力軸回転数NINTになるように無段変速機500のギヤ比が制御される。ただし、定常走行時の目標入力軸回転数NINOPTは常時設定される。
定常走行時の目標入力回転数NINOPTは、定常走行に適した目標入力軸回転数であり、たとえば燃費を優先して定められる。定常走行時の目標入力軸回転数NINOPTは、図7に示すように、車速Vおよびアクセル開度A(CC)をパラメータに有するマップに従って設定される。
第2設定部942は、リニアシフト制御時の目標入力軸回転数NINLINEを設定する。本実施の形態において、リニアシフト制御とは、一旦ダウンシフトした後、無段変速機500の入力軸回転数NINを車速Vに比例して増大させる変速制御を意味する。リニアシフト制御は、たとえば、アクセル開度A(CC)が予め定められた正のしきい値以上であり、かつ予め定められた正のしきい値以上の変化率でアクセル開度A(CC)が増大した場合に実行される。
リニアシフト制御時には、目標入力軸回転数NINLINEが最終的な目標入力軸回転数NINTとして設定され、実際の入力軸回転数NINが最終的に設定された目標入力軸回転数NINTになるように無段変速機500のギヤ比が制御される。ただし、リニアシフト制御時の目標入力軸回転数NINLINEは常時設定される。
リニアシフト制御時の目標入力軸回転数NINLINEは、車速、アクセル開度およびアクセル開度の変化率をパラメータに有するマップに従って設定される。より具体的には、リニアシフト制御を開始する時点での目標入力軸回転数NILINEの初期値が、車速、アクセル開度およびアクセル開度の変化率をパラメータに有するマップに従って設定される。初期値は、ダウンシフト後における駆動力および応答性などを考慮して設定される。初期値の設定後、目標入力軸回転数NINLINEは、図8に示すように、車速Vの勾配(出力軸回転数NOUTの勾配)ΔαNOUTに比例して設定される。すなわち、目標入力軸回転数NINLINEは、車速Vに比例して増減する。
リニアシフト制御の実行中において、予め定められた負のしきい値以下の変化率でアクセル開度A(CC)が減少した場合、目標入力軸回転数NINLINEは、図9に示すように、車速Vおよびアクセル開度A(CC)をパラメータに有するマップに従って設定される。
定常走行制御部950は、定常走行時において、定常走行時の目標入力軸回転数NINOPTを最終的な目標入力軸回転数NINTとして設定する。
リニアシフト制御部952は、アクセル開度A(CC)が予め定められた正のしきい値以上であり、かつ予め定められた正のしきい値以上の変化率でアクセル開度A(CC)が増大した場合、リニアシフト制御時の目標入力軸回転数NINLINEを最終的な目標入力軸回転数NINTとして設定することを開始する。すなわち、リニアシフト制御が開始される。
オフアップシフト制御部954は、リニアシフト制御時の目標入力軸回転数NINLINEが最終的な目標入力軸回転数NINTとして設定されている状態、すなわちリニアシフト制御の実行中において、予め定められた負のしきい値以下の変化率でアクセル開度A(CC)が減少した場合、定常走行時の目標入力軸回転数NINOPTおよびリニアシフト制御時の目標入力軸回転数NINLINEのうちの小さい方を、最終的な目標入力軸回転数NINTとして設定することを開始する。これにより、オフアップシフト制御が開始される。本実施の形態において、オフアップシフト制御とは、アクセル開度が減少した場合にアップシフトするように無段変速機500のギヤ比を制御する変速制御を意味する。
ギヤ比制御部956は、実際の入力軸回転数NINが最終的に設定された目標入力軸回転数NINTになるように無段変速機500のギヤ比を制御する。
変速速度制限部960は、定常走行時の変速制御、リニアシフト制御およびオフアップ制御毎に独立して定められる制限値以下にアップシフトの変速速度を制限する。制限値以下にアップシフトの変速速度を制限することにより、アップシフトの変速速度が制御される。
定常走行時の変速制御におけるアップシフトの変速速度の制限値は、図10に示すように、最終的な目標入力軸回転数NINTおよび車速Vをパラメータに有するマップに従って設定される。目標入力軸回転数NINTが大きいほど、制限値が大きくなるように設定される。すなわち、目標入力軸回転数NINTが大きいほど、アップシフトの変速速度が速くされる。同様に、車速Vが大きいほど、制限値が大きくなるように設定される。すなわち、車速Vが大きいほど、アップシフトの変速速度が速くされる。
オフアップ制御におけるアップシフトの変速速度の制限値は、定常走行時の変速制御と同様に、最終的な目標入力軸回転数NINTおよび車速Vをパラメータに有するマップに従って設定される。さらに、目標入力軸回転数NINTが大きいほど、制限値が大きくなるように設定される。すなわち、目標入力軸回転数NINTが大きいほど、アップシフトの変速速度が速くされる。同様に、車速Vが大きいほど、制限値が大きくなるように設定される。すなわち、車速Vが大きいほど、アップシフトの変速速度が速くされる。
リニアシフト制御におけるアップシフトの変速速度の制限値には、図11に示すように、目標入力軸回転数NINTおよび車速Vに関係なく、一定の値が用いられる。リニアシフト制御におけるアップシフトの変速速度の制限値は、定常走行時の変速制御におけるアップシフトの変速速度の制限値およびオフアップ制御におけるアップシフトの変速速度の制限値よりも小さい。
したがって、定常走行時の変速制御におけるアップシフトの変速速度およびオフアップ制御におけるアップシフトの変速速度は、リニアシフト制御におけるアップシフトの変速速度よりも速い。
なお、リニアシフト制御におけるアップシフトの変速速度の制限値を、定常走行時の制限値の最小値およびオフアップ制御の制限値の最小値よりも大きくするようにしてもよい。最終的な目標入力軸回転数NINTおよび車速Vをパラメータに有するマップに従って、リニアシフト制御におけるアップシフトの変速速度の制限値を設定するようにしてもよい。
図12および図13を参照して、ECU900が実行するプログラムの制御構造について説明する。なお、ECU900により実行されるプログラムをCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)などの記録媒体に記録して市場に流通させてもよい。
ステップ(以下、ステップをSと略す)100にて、ECU900は、リニアシフト実行フラグがオンであるか否かを判定する。リニアシフト実行フラグがオンであると(S100にてYES)、処理はS124に移される。リニアシフト実行フラグがオフであると(S100にてNO)、処理はS102に移される。
S102にて、ECU900は、オフアップ実行フラグがオンであるか否かを判定する。オフアップ実行フラグがオンであると(S102にてYES)、処理はS130に移される。オフアップ実行フラグがオフであると(S102にてNO)、処理はS110に移される。
S110にて、ECU900は、アクセル開度A(CC)が正のしきい値以上であるか否かを判定する。アクセル開度A(CC)が正のしきい値以上であると(S110にてYES)、処理はS112に移される。もしそうでないと(S110にてNO)、処理はS132に移される。
S112にて、ECU900は、アクセル開度A(CC)の変化率が予め定められた正のしきい値以上であるか否かを判定する。アクセル開度A(CC)の変化率が予め定められた正のしきい値以上であると(S112にてYES)、処理はS120に移される。もしそうでないと(S112にてNO)、処理はS132に移される。
S120にて、ECU900は、リニアシフト制御時の目標入力軸回転数NINLINEを最終的な目標入力軸回転数NINTとして設定することを開始する。すなわち、リニアシフト制御が開始される。S122にて、ECU900は、リニアシフト実行フラグをオンにする。
S124にて、ECU900は、アクセル開度A(CC)の変化率が予め定められた負のしきい値以下であるか否かを判定する。アクセル開度A(CC)の変化率が予め定められた負のしきい値以下であると(S124にてYES)、処理はS126に移される。もしそうでないと(S124にてNO)、処理はS130に移される。
S126にて、ECU900は、定常走行時の目標入力軸回転数NINOPTおよびリニアシフト制御時の目標入力軸回転数NINLINEのうちの小さい方を、最終的な目標入力軸回転数NINTとして設定することを開始する。すなわち、オフアップシフト制御が開始される。
S128にて、ECU900は、リニアシフト実行フラグをオフにするとともに、オフアップ実行フラグをオンにする。
S130にて、ECU900は、車両が定常走行状態であるか否かを判定する、車両が定常走行状態であると(S130にてYES)、処理はS132に移される。もしそうでないと(S130にてNO)、処理はS140に移される。
S132にて、ECU900は、定常走行時の目標入力軸回転数NINOPTを最終的な目標入力軸回転数NINTとして設定する。S134にて、ECU900は、リニアシフト実行フラグおよびオフアップ実行フラグをオフにする。
S140にて、ECU900は、実際の入力軸回転数NINが最終的に設定された目標入力軸回転数NINTになるように無段変速機500のギヤ比を制御する。
S150にて、ECU900は、定常走行時の変速制御、リニアシフト制御、オフアップ制御毎に独立して定められる制限値以下にアップシフトの変速速度を制限する。その後、処理はS100に戻される。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る制御装置の動作について説明する。
リニアシフト実行フラグがオフであり(S100にてNO)、オフアップ実行フラグがオフであると(S102にてNO)、アクセル開度A(CC)が正のしきい値以上であるか否かが判定される(S110)。
図14の時間T1において、アクセル開度A(CC)が正のしきい値以上であり(S110にてYES)、かつアクセル開度A(CC)の変化率が予め定められた正のしきい値以上になると(S112にてYES)、リニアシフト制御時の目標入力軸回転数NINLINEを最終的な目標入力軸回転数NINTとして設定することが開始されるとともに(S120)、リニアシフト実行フラグがオンにされる(S122)。無段変速機500のギヤ比は、実際の入力軸回転数NINが最終的に設定された目標入力軸回転数NINTになるように制御される(S140)。
これにより、図14に示すように、車速Vの上昇勾配ΔαNOUTに比例して無段変速機500の入力軸回転数NINを上昇させることができる。そのため、車両の加速時において、車速Vとともにエンジン回転数NEを増大することができる。その結果、ラバーバンドフィールを低減することができる。
リニアシフト制御時の目標入力軸回転数NINLINEが最終的な目標入力軸回転数NINTとして設定されている状態、すなわちリニアシフト制御の実行中、時間T2において、アクセル開度A(CC)の変化率が予め定められた負のしきい値以下になると(S124にてYES)、定常走行時の目標入力軸回転数NINOPTおよびリニアシフト制御時の目標入力軸回転数NINLINEのうちの小さい方を、最終的な目標入力軸回転数NINTとして設定することが開始される(S126)。すなわち、オフアップシフト制御が開始される。リニアシフト実行フラグがオフにされるとともに、オフアップ実行フラグがオンにされる(S128)。
無段変速機500のギヤ比は、実際の入力軸回転数NINが最終的に設定された目標入力軸回転数NINTになるように制御される(S140)。
これにより、ダウンシフトしないように無段変速機500のギヤ比を制御することができる。そのため、アクセル開度A(CC)の減少とともにアップシフトを求めるドライバの意思に沿うように無段変速機500のギヤ比を制御することができる。その結果、リニアシフト制御を中止して定常走行時の変速制御へ移行する際にドライバに与え得る違和感を低減することができる。
車両が定常走行状態であると(S130にてYES)、定常走行時の目標入力軸回転数NINOPTが最終的な目標入力軸回転数NINTとして設定され(S132)、リニアシフト実行フラグおよびオフアップ実行フラグがオフにされる(S134)。無段変速機500のギヤ比は、実際の入力軸回転数NINが最終的に設定された目標入力軸回転数NINTになるように制御される(S140)。これにより、燃費が最適な状態で車両を走行させることができる。
また、変速時には、定常走行時の変速制御、リニアシフト制御、オフアップ制御毎に独立して定められる制限値以下にアップシフトの変速速度が制限される(S150)。本実施の形態においては、定常走行時の変速制御におけるアップシフトの変速速度およびオフアップ制御におけるアップシフトの変速速度は、リニアシフト制御におけるアップシフトの変速速度よりも速い。逆に言うと、リニアシフト制御におけるアップシフトの変速速度は、定常走行時の変速制御におけるアップシフトの変速速度およびオフアップ制御におけるアップシフトの変速速度よりも遅い。
これにより、リニアシフト制御の実行中、図15の時間T4から時間T5の間においてアップシフトが行なわれる場合には、無段変速機500の入力軸回転数NIN、すなわちエンジン回転数NEが高い状態を維持することができる。そのため、再度アクセル開度A(CC)が増大された場合には、速やかに加速することができる。
また、図15の時間T5から時間T6の間においてオフアップ制御を実行し、アップシフトを行なう場合には、エンジン回転数NEを速やかに低くすることができる。そのため、燃料の消費量を低減することができる。
さらに、本実施の形態においては、オフアップ制御の実行中、無段変速機500の目標入力軸回転数NINTが大きいほど、アップシフトの変速速度が速くされる。車速Vが大きいほど、アップシフトの変速速度が速くされる。したがって、エンジン回転数NEが比較的高い運転状態において、エンジン回転数NEをより速やかに低くすることができる。そのため、燃料の消費量をより低減することができる。また、エンジン回転数NEが比較的低い運転状態において、アップシフトの変速速度を落とすことができる。そのため、エンジンブレーキを有効に利用することができる。
さらに、定常状態において、図15の時間T7から時間T8の間にアップシフトを行なう場合には、エンジン回転数NEが比較的高い運転状態において、エンジン回転数NEをより速やかに低くすることにより燃料の消費量を低減するとともに、エンジン回転数NEが比較的低い運転状態においてビジーシフトを抑制することができる。
以上のように、本実施の形態に係る制御装置によれば、アクセル開度が増大した場合にリニアシフト制御が実行される。リニアシフト制御の実行中にアクセル開度が減少した場合にオフアップ制御が実行される。オフアップ制御におけるアップシフトの変速速度は、リニアシフト制御におけるアップシフトの変速速度よりも速い。すなわち、リニアシフト制御におけるアップシフトの変速速度は、オフアップ制御におけるアップシフトの変速速度よりも遅い。これにより、リニアシフト制御の実行中にアップシフトが行なわれる場合には、無段変速機の入力軸回転数NIN、すなわちエンジン回転数NEが高い状態を維持することができる。そのため、再度アクセル開度A(CC)が増大された場合には、速やかに加速することができる。また、オフアップ制御を実行し、アップシフトを行なう場合には、エンジン回転数NEを速やかに低くすることができる。そのため、燃料の消費量を低減することができる。その結果、加速時の応答性と燃費の向上とを両立することができる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態に係る制御装置を搭載した車両の概略構成図である。 本発明の実施の形態に係る制御装置を示す制御ブロック図である。 油圧制御回路を示す図(その1)である。 油圧制御回路を示す図(その2)である。 油圧制御回路を示す図(その3)である。 ECUの機能ブロック図である。 目標入力軸回転数NINOPTを設定するために用いられるマップを示す図である。 目標入力軸回転数NINLINEなどを示す図である。 目標入力軸回転数NINLINEを設定するために用いられるマップを示す図である。 定常走行時の変速制御におけるアップシフトの変速速度の制限値を設定するために用いられるマップを示す図である。 リニアシフト制御におけるアップシフトの変速速度の制限値を示す図である。 ECUが実行するプログラムの制御構造を示す図(その1)である。 ECUが実行するプログラムの制御構造を示す図(その2)である。 目標入力軸回転数NINTなどを示す図である。 入力軸回転数NINなどを示す図である。
符号の説明
100 駆動装置、200 エンジン、300 トルクコンバータ、310 オイルポンプ、400 前後進切換装置、402 サンギヤ、404 キャリア、406 フォワードクラッチ、408 リングギヤ、410 リバースブレーキ、500 無段変速機、502 入力軸、504 プライマリプーリ、506 出力軸、508 セカンダリプーリ、510 伝動ベルト、600 減速歯車、700 差動歯車装置、800 駆動輪、900 ECU、902 エンジン回転数センサ、904 タービン回転数センサ、906 車速センサ、908 スロットル開度センサ、910 冷却水温センサ、912 油温センサ、914 アクセル開度センサ、916 フットブレーキスイッチ、918 ポジションセンサ、920 シフトレバー、922 プライマリプーリ回転数センサ、924 セカンダリプーリ回転数センサ、930 アクセル開度検出部、932 変化率検出部、934 車速検出部、941 第1設定部、942 第2設定部、950 定常走行制御部、952 リニアシフト制御部、954 オフアップシフト制御部、956 ギヤ比制御部、960 変速速度制限部、1000 電子スロットルバルブ、1100 燃料噴射装置、1200 点火装置、2000 油圧制御回路、2002 ライン圧油路、2100 プライマリレギュレータバルブ、2200 SLTリニアソレノイドバルブ、2210 SLSリニアソレノイドバルブ、2310 モジュレータバルブ(1)、2330 モジュレータバルブ(3)、2340 モジュレータバルブ(4)、2312 プレッシャセンサ、2400 コントロールバルブ、2510 変速制御用デューティソレノイド(1)、2520 変速制御用デューティソレノイド(2)、2600 マニュアルバルブ、2710 レシオコントロールバルブ(1)、2720 レシオコントロールバルブ(2)、2800 バイパスコントロールバルブ。

Claims (7)

  1. 車両に搭載された無段変速機の制御装置であって、
    アクセル開度を検出するための手段と、
    アクセル開度が増大した場合、第1のモードで変速するように前記無段変速機を制御するための第1の制御手段と、
    前記第1のモードで変速するように前記無段変速機が制御されている状態においてアクセル開度が減少した場合、前記第1のモードとは異なる第2のモードで変速するように前記無段変速機を制御するための第2の制御手段と、
    前記第2のモードで変速するように前記無段変速機が制御されている場合は、前記第1のモードで変速するように前記無段変速機が制御されている場合に比べてアップシフトの変速速度が速くなるように制御するための速度制御手段とを備える、無段変速機の制御装置。
  2. 前記第2の制御手段は、
    前記無段変速機の目標入力軸回転数を設定するための手段と、
    前記無段変速機の入力軸回転数が前記目標入力軸回転数になるように前記無段変速機を制御するための手段とを含み、
    前記速度制御手段は、前記第2のモードで変速するように前記無段変速機が制御されている場合は、前記無段変速機の目標入力軸回転数が大きいほどアップシフトの変速速度が速くなるように制御するための手段を含む、請求項1に記載の無段変速機の制御装置。
  3. 車速を検出するための手段をさらに備え、
    前記速度制御手段は、前記第2のモードで変速するように前記無段変速機が制御されている場合は、車速が大きいほどアップシフトの変速速度が速くなるように制御するための手段を含む、請求項1に記載の無段変速機の制御装置。
  4. 前記速度制御手段は、前記第1のモードで変速するように前記無段変速機が制御されている場合においてアップシフトの変速速度を第1の制限値以下に制限し、前記第2のモードで変速するように前記無段変速機が制御されている場合においてアップシフトの変速速度を前記第1の制限値よりも大きい第2の制限値以下に制限することにより、前記第2のモードで変速するように前記無段変速機が制御されている場合は、前記第1のモードで変速するように前記無段変速機が制御されている場合に比べてアップシフトの変速速度が速くなるように制御するための手段を含む、請求項1に記載の無段変速機の制御装置。
  5. 車速を検出するための手段をさらに含み、
    前記第2の制御手段は、
    前記無段変速機の目標入力軸回転数を設定するための手段と、
    前記無段変速機の入力軸回転数が前記目標入力軸回転数になるように前記無段変速機を制御するための手段とを含み、
    前記速度制御手段は、車速と前記無段変速機の目標入力軸回転数とをパラメータに有するマップに従って前記第2の制限値を設定するための設定手段を含む、請求項4に記載の無段変速機の制御装置。
  6. 前記設定手段は、前記無段変速機の目標入力軸回転数が大きいほど大きくなるように前記第2の制限値を設定するための手段を有する、請求項5に記載の無段変速機の制御装置。
  7. 前記設定手段は、車速が大きいほど大きくなるように前記第2の制限値を設定するための手段を有する、請求項5に記載の無段変速機の制御装置。
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