JP5382976B2 - 水性エマルジョンおよびその用途 - Google Patents
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Description
さらに、得られた水性エマルジョンの機械安定性、凍結安定性および高温放置安定性の向上を目的として、種々の変性PVA系樹脂が検討されており、例えば、分子末端にメルカプト基を有するPVA系重合体、界面活性剤、エチレン性不飽和単量体単位を主体とする、平均粒子径0.3μm以下の重合体を含有する水性エマルジョン(例えば、特許文献1参照。)、重合体粒子表面に、ブロックキャラクター[η]が0.6より大きく、ケン化度が95.0モル%より高く、かつ分子内に活性水素を有するPVA系樹脂を付着させた水性エマルジョン(例えば、特許文献2参照。)、保護コロイド安定剤としてアマイド変性PVAを用いて得られるアクリル系共重合体エマルジョン(例えば、特許文献3参照。)などが提案されている。
式(2)で示される化合物としては、3,4−ジヒドロキシ−1−ブテン、3,4−ジアシロキシ−1−ブテン、3−アシロキシ−4−ヒドロキシ−1−ブテン、4−アシロキシ−3−ヒドロキシ−1−ブテン、3,4−ジアシロキシ−2−メチル−1−ブテン、4,5−ジヒドロキシ−1−ペンテン、4,5−ジアシロキシ−1−ペンテン、4,5−ジヒドロキシ−3−メチル−1−ペンテン、4,5−ジアシロキシ−3−メチル−1−ペンテン、5,6−ジヒドロキシ−1−ヘキセン、5,6−ジアシロキシ−1−ヘキセンなどが挙げられる。なかでも、共重合反応性および工業的な取り扱いにおいて優れるという点で、R1、R2、R3が水素、R4が単結合、R5、R6がR7−CO−で、R7がアルキル基である3,4−ジアシロキシ−1−ブテンが好ましく、そのなかでも特にR7がメチル基である3,4−ジアセトキシ−1−ブテンがより好ましい。
なお、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンは、イーストマンケミカル社やアクロス社の製品を市場から入手することができる。
共重合時のモノマー成分の仕込み方法としては特に制限されず、一括仕込み、分割仕込み、連続仕込み等任意の方法が採用されるが、式(2)で示される化合物がポリビニルエステル系ポリマーの分子鎖中に均一に分布させられる点から滴下重合が好ましく、特にはHANNA法に基づく重合方法が好ましい。
溶媒の使用量は、目的とする共重合体の重合度に合わせて、溶媒の連鎖移動定数を考慮して適宜選択すればよく、例えば、溶媒がメタノールの時は、S(溶媒)/M(モノマー)=0.01〜10(重量比)、好ましくは0.05〜3(重量比)程度の範囲から選択される。
また、共重合反応の反応温度は、使用する溶媒や圧力により30℃〜沸点程度で行われ、より具体的には、35〜150℃、好ましくは40〜75℃の範囲で行われる。
ビニルエステル系モノマーと式(2)で示される化合物との共重合体をケン化して得られる側鎖に1,2−ジオール成分を含有するPVA系樹脂(A)は、ケン化時にビニルエステル系モノマーのエステル部分と式(2)で示される化合物のエステル部分を同時に水酸基に変換することによって製造されるので、ビニルエチレンカーボネートを使用するときの欠点である炭酸ジメチル等の副生成物が発生しないという特徴を有する。
なお、PVA系樹脂(A)における残存エステル基量とは、ビニルエステルモノマーのエステル部分および式(1)で示される化合物のエステル部分に対し、ケン化されなかった部分の割合(モル%)で表示される。
かかる重合体(B)は、アクリル系単量体を重合してなる重合体であリ、かかるアクリル系単量体としては、アクリル酸またはそのエステル系モノマーが挙げられる。
水性エマルジョンを得るにあたっては、イ)水、PVA系樹脂及び重合触媒の存在下にエチレン性不飽和単量体及び/又はジエン系単量体を一時又は連続的に添加して、加熱、撹拌する如き通常の乳化重合法、ロ)水、PVA系樹脂及び重合触媒の存在下に、エチレン性不飽和単量体及び/又はジエン系単量体をPVA系樹脂の水溶液に混合分散した分散液(プレエマルジョン)を一時又は連続的に添加して、加熱、撹拌する如き乳化重合法が実施し得る。
重合開始剤の添加方法としては、特に制限はなく、初期に一括添加する方法や重合の経過に伴って連続的に添加する方法等を採用することができる。
水溶性高分子としては、上記のPVA系樹脂(A)以外の、未変性PVA、カルボキシル基含有PVA、PVAのホルマール化物、アセタール化物、ブチラール化物、ウレタン化物、スルホン酸、カルボン酸等とのエステル化物等のPVA、ビニルエステルとそれと共重合可能な単量体との共重合体ケン化物等が挙げられる。ビニルエステルと共重合可能な単量体としてはエチレン、ブチレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいはモノ又はジアルキルエステル等、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル類、アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸あるいはその塩類、アルキルビニルエーテル類、ビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等が挙げられる。
更に、フタル酸エステル、リン酸エステル等の可塑剤、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等のpH調整剤等も併用され得る。
なお、この場合の平均粒子径は、大塚電子株式会社製ダイナミック光散乱光度計『DLS−700』を用いて、下記の条件で測定し、ヒストグラム法にて算出した数平均粒子径(Dn)を指す。
(測定サンプル条件)
・Emをイオン交換水にて、0.05重量%水溶液になるように希釈。
(『DLS−700』測定条件)
・CPS値(光量)が5000〜12000となるように、スリット切替ツマミ(Φ0.1〜Φ0.2)と、NDフィルターツマミ(ND50〜ND25)を調整し、下記条件にて測定。
・SAMPLING TIME(基準クロック):40μsec
・ACUUM.TIME(積算回数):100回
・CORRE.CH(相関関数を収束させる設定値):256
かかる油溶性の重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジエトキシエチルパーオキシジカーボネート等パーオキシジカーボネート化合物;t−ブチルパーオキシネオデカネート、α−クミルパーオキシネオデカネート等のパーオキシエステル化合物;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキシド等の過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物などを挙げることができる。
この中でも特に、その機械安定性を活かし、セメント・モルタル混和剤、セメント・モルタル塗布剤、土木用原料、塗料などに用いたり、優れた耐水性、粘接着力を活かして、接着剤や粘着剤(感圧接着剤)として用いるのが好ましく、対象となる接着物(被着体)としては、木材、紙、プラスチックス、繊維等が挙げられる。
樹脂分濃度が20重量%未満では、乾燥に長時間を要したり、木材等の被着体内部に水性エマルジョンが浸透し過ぎたりする場合があり、そのために接着力が低下する傾向となり好ましくない。
噴霧乾燥には、液体を噴霧して乾燥する通常の噴霧乾燥機が使用できる。噴霧の形式によりディスク式やノズル式等が挙げられるが、何れの方式も使用される。熱源としては熱風や加熱水蒸気等が用いられる。
なお、例中「%」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
還流冷却器、滴下漏斗、撹拌機を備えた反応缶に、酢酸ビニル800g、メタノール1200g、3,4−ジアセトキシ−1−ブテン96g(6モル%)を仕込み、アゾビスイソブチロニトリルを0.6モル%(対仕込み酢酸ビニル)投入し、撹拌しながら窒素気流下で温度を上昇させ、重合を開始した。酢酸ビニルの重合率が95%となった時点で、m−ジニトロベンゼン及び希釈及び冷却用メタノールを所定量を添加して重合を終了し、続いて、メタノール蒸気を吹き込む方法により未反応の酢酸ビニルモノマーを系外に除去し共重合体のメタノール溶液を得た。
次いで、該溶液をメタノールで希釈して濃度50%に調整してニーダーに仕込み、溶液温度を40℃に保ちながら、水酸化ナトリウムの2%メタノール溶液を共重合体中の酢酸ビニル及び3,4−ジアセトキシー1−ブテンの合計量1モルに対して10ミリモルとなる割合で加えてケン化を行った。ケン化が進行すると共にケン化物が析出し、粒子状となった時点で、濾別し、メタノールでよく洗浄して熱風乾燥機中で乾燥し、PVA系樹脂(A1)を得た。
製造例1に準じ、酢酸ビニル800g、メタノール1200g、3,4−ジアセトキシ−1−ブテン64g(4モル%)を仕込み、アゾビスイソブチロニトリルを0.4モル%(対仕込み酢酸ビニル)用いて重合を行った。酢酸ビニルの重合率は96%であった。
次いで、水酸化ナトリウムの添加量を共重合体中の酢酸ビニル及び3,4−ジアセトキシー1−ブテンの合計量1モルに対して8ミリモルとした以外は製造例1と同様の手法にてケン化、洗浄、乾燥を行いPVA系樹脂(A2)を得た。
得られたPVA系樹脂(A2)の残存エステル基量は6.0モル%であり、平均重合度は350であった。また、1,2−ジオール構造単位の含有量は4.0モル%であった。
製造例1に準じ、酢酸ビニル800g、メタノール1200g、3,4−ジアセトキシ−1−ブテン24g(1.5モル%)を仕込み、アゾビスイソブチロニトリルを0.5モル%(対仕込み酢酸ビニル)用いて重合を行った。酢酸ビニルの重合率は95%であった。
次いで、製造例1と同様の手法にてケン化、洗浄、乾燥を行いPVA系樹脂(A3)を得た。
得られたPVA系樹脂(A3)の残存エステル基量は2.2モル%であり、平均重合度は450であった。また、1,2−ジオール構造単位の含有量は1.5モル%であった。
製造例1に準じ、酢酸ビニル1000g、メタノール900g、3,4−ジアセトキシ−1−ブテン16g(0.8モル%)を仕込み、アゾビスイソブチロニトリルを0.4モル%(対仕込み酢酸ビニル)用いて重合を行った。酢酸ビニルの重合率は92%であった。
次いで、樹脂濃度を40%、水酸化ナトリウムの添加量を共重合体中の酢酸ビニル及び3,4−ジアセトキシー1−ブテンの合計量1モルに対して7ミリモルの割合とした以外は製造例1と同様の手法にてケン化、洗浄、乾燥を行いPVA系樹脂(A4)を得た。
得られたPVA系樹脂(A4)の残存エステル基量は2.5モル%であり、平均重合度は750であった。また、1,2−ジオール構造単位の含有量0.7モル%であった。
溶液重合により得られたポリ酢酸ビニル(平均重合度300(ポリ酢酸ビニルを完全ケン化して、JIS K6726に準拠して測定))のメタノール溶液を濃度50%に調整してニーダーに仕込み、溶液温度を40℃に保ちながら、水酸化ナトリウムの2%メタノール溶液を重合体中の酢酸ビニル構造単位1モルに対して10ミリモルとなる割合で加えてケン化を行った。ケン化が進行すると共にケン化物が析出し、粒子状となった時点で、濾別し、メタノールでよく洗浄して熱風乾燥機中で乾燥し、残存エステル基が2.8モル%のPVA系樹脂(A5)を得た。
製造例1に準じ、酢酸ビニル1500g、メタノール75g、3,4−ジアセトキシ−1−ブテン30g(1.0モル%)を仕込み、アゾビスイソビチロニトリルを0.0015モル%(対仕込み酢酸ビニル)用いて重合を行った。
次いで、樹脂濃度20%、水酸化ナトリウムの添加量を共重合体中の酢酸ビニル及び3,4−ジアセトキシー1−ブテンの合計量1モルに対して10ミリモルの割合で加えて、製造例1と同様の手法にてケン化、洗浄、乾燥を行い、PVA系樹脂(A6)を得た。
得られたPVA系樹脂(A6)の残存エステル基量は2.4モル%であり、平均重合度は2900であった。また、1,2−ジオール構造単位の含有量は1.0モル%であった。
攪拌機、還流冷却器、滴下漏斗、温度計を備えたセパラブルフラスコに水83部、製造例1によるPVA系樹脂(A1)を12部、pH調整剤として酢酸ナトリウム0.02部、重合モノマー(メタクリル酸メチル/アクリル酸n−ブチル=60/40(重量比))18部を仕込み、攪拌しながらフラスコ内の温度を60℃に上げた。その間、窒素ガスでフラスコ内を置換しながら1%の過硫酸アンモニウム水溶液5部を添加して重合を開始した。初期重合を30分間行ない、残りの重合モノマー102部を4時間かけて滴下し、さらに1%の過硫酸アンモニウム水溶液5部を1時間毎に4回添加し、重合を行った。その後、75℃で1時間熟成した後、冷却して、固形分55%のメタクリル酸メチル/アクリル酸n−ブチル共重合体の水性エマルジョンを得た。
(重合安定性)
得られたエマルジョンを水で希釈し、100メッシュの金網で濾過、金網上に残った粗粒子を105℃で3時間乾燥して、その乾燥重量(Xg)を求め、次式より粗粒子量(%)を算出し、重合安定性の指標とした。
粗粒子量(%)=[X(g)/エマルジョン中の固形分重量(g)]×100
安田精機製作所社製マロン試験機を用い、下記の条件にて測定した。
樹脂分 :20%
使用量 :50g
回転数 :100rpm(±20)
時間 :10min
過重 :40kgf
試験後のエマルジョンを80メッシュ金網で濾過し、金網上の凝集物の乾燥重量(Wg)を測定して、次式により、発生凝集物量(%)を求めて下記のように評価した。
発生凝集物量(%)=W(g)/[50(g)×エマルジョンの樹脂分(20%)]×100
○・・・発生凝集物量<0.10
△・・・0.10≦発生凝集物量<1.00
×・・・1.00≦発生凝集物量
100mlポリ容器に得られたエマルジョン50gを入れ、−15℃の冷凍庫内に16時間放置し、エマルジョンを冷凍した。その後、25℃の恒温槽内に8時間放置し、エマルジョンを解凍した。これを繰り返して、解凍後に、エマルジョン状態に戻らず、固形分と水分に分離するまでの回数を測定して以下のように評価した。
○・・・10回以上
△・・・4〜9回
×・・・3回以下
450mlマヨネーズ瓶に得られたエマルジョン300gを入れ、BROOKFIELD型粘度計にて、25℃でのエマルジョン粘度(V0)を測定し、さらに、60℃の恒温槽内に10日間放置した後、25℃でのエマルジョン粘度(V20)を測定して、その粘度比(V20/V0)を求めた。
得られたエマルジョンを紙管用原紙に30g/m2塗布し、ただちに他の紙管用原紙と接着、ハンドロールで3回圧締し、室温で24時間放置した。かかる接着サンプルを30℃の水中に24時間浸漬後、接着状態を観察し、以下の基準により評価した。
○・・・材破
△・・・一部材破
×・・・剥離
得られたエマルジョンの固形分に対して5重量%の無水珪酸微粉末(抗粘結剤)を添加して、120℃の熱風中で噴霧乾燥を行い、再分散性樹脂粉末を得た。得られた樹脂粉末20部を脱イオン交換水80部に添加し、攪拌して再分散エマルジョンを得た。得られた再分散エマルジョンの機械安定性を上記と同様の方法で評価した。
製造例2〜4で得たPVA系樹脂(A2〜A4)を用いた以外は、実施例1と同様にして水性エマルジョンを得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
製造例5,6で得たPVA系樹脂(A5、A6)を用いた以外は、実施例1と同様にして水性エマルジョンを得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
Claims (5)
- 側鎖に1,2−ジオール成分を含有し、かつ平均重合度が50〜450であるポリビニルアルコール系樹脂(A)を乳化剤としてアクリル系単量体を乳化重合して得られた重合体(B)を含有することを特徴とする水性エマルジョン。
- ポリビニルアルコール系樹脂(A)中の1,2−ジオール構造単位の含有量が1〜15モル%であることを特徴とする請求項1または2記載の水性エマルジョン。
- 請求項1〜3いずれか記載の水性エマルジョンを用いることを特徴とする再分散性樹脂粉末。
- 請求項1〜3いずれか記載の水性エマルジョンを用いることを特徴とする接着剤。
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