JP5382976B2 - 水性エマルジョンおよびその用途 - Google Patents

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Description

本発明は水性エマルジョンに関し、さらに詳しくは、製造時の乳化重合安定性に優れ、機械安定性、凍結安定性、高温での長期放置安定性、耐水接着性に優れるとともに、水分を除去することで粉末状にすることが可能で、これを水への再分散させて得られたエマルジョンの機械安定性が優れた、水性エマルジョンおよび該水性エマルジョンを用いた再分散性樹脂粉末および接着剤に関する。
従来より、酢酸ビニル系単量体やアクリル系単量体の乳化重合において、分散安定剤としてポリビニルアルコール系樹脂(以下、ポリビニルアルコールをPVAと略記することがある)が、好適に使用されている。
さらに、得られた水性エマルジョンの機械安定性、凍結安定性および高温放置安定性の向上を目的として、種々の変性PVA系樹脂が検討されており、例えば、分子末端にメルカプト基を有するPVA系重合体、界面活性剤、エチレン性不飽和単量体単位を主体とする、平均粒子径0.3μm以下の重合体を含有する水性エマルジョン(例えば、特許文献1参照。)、重合体粒子表面に、ブロックキャラクター[η]が0.6より大きく、ケン化度が95.0モル%より高く、かつ分子内に活性水素を有するPVA系樹脂を付着させた水性エマルジョン(例えば、特許文献2参照。)、保護コロイド安定剤としてアマイド変性PVAを用いて得られるアクリル系共重合体エマルジョン(例えば、特許文献3参照。)などが提案されている。
特開2003−171567号公報 特開2003−277419号公報 特開2004−018692号公報
しなしながら、本発明者が上記の公知技術について詳細に検討を行ったところ、いずれの水性エマルジョンも機械安定性、凍結安定性はかなり改善されているものの、市場から要求されているレベルからみると、高温かつ長期の放置安定性についてはまだまだ改良の余地があることが判明した。すなわち、機械安定性、凍結安定性に優れ、さらに高温での長期放置安定性が改善された水性エマルジョンが望まれるところである。
しかるに、本発明者はかかる事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、側鎖に1,2−ジオール成分を含有し、かつ平均重合度が50〜450であるPVA系樹脂(A)を乳化剤としてアクリル系単量体を乳化重合して得られた重合体(B)を含有する水性エマルジョンが、上記目的に合致することを見出し、本発明を完成した。
かかる側鎖に1,2−ジオール成分を含有するPVA系樹脂(A)は、一般式(1)で表される1,2−ジオール構造単位を含有するPVA系樹脂(A)であることが好ましい。
Figure 0005382976
(式中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立して水素原子又はアルキル基を示し、R4は単結合またはアルキル基を有していてもよい炭素数1〜3のアルキレン基を示す。)
本発明の水性エマルジョンは、製造時の乳化重合安定性に優れ、機械安定性、凍結安定性、高温での放置安定性に優れるとともに、水分を除去することで粉末状とすることが可能で、その再分散エマルジョンも機械安定性が良好であり、さらに耐水接着性に優れた接着剤が得られる。
本発明で用いられる側鎖に1,2−ジオール成分を含有するPVA系樹脂(A)について詳しく説明する。
本発明で用いられるPVA系樹脂(A)は、PVA系樹脂の側鎖に1,2−ジオール成分を含有するもので、より具体的には下記一般式(1)で示される1,2−ジオール構造単位を有するPVA系樹脂である。
Figure 0005382976
上記一般式(1)において、R1、R2、R3はそれぞれ独立して水素又はアルキル基である。該アルキル基としては特に限定されないが、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。かかるアルキル基は必要に応じて、ハロゲン基、水酸基、エステル基、カルボン酸基、スルホン酸基等の置換基を有していてもよい。また、R4は、単結合またはアルキル基を有していてもよい炭素数1〜3のアルキレン基を示す。
かかるPVA系樹脂を得るに当たっては、特に限定されないが、ビニルエステル系モノマーと下記一般式(2)で示される化合物との共重合体をケン化する方法が好ましく用いられる。
Figure 0005382976
上記一般式(2)において、R1、R2、R3はおよびR4は上記一般式(1)と同様のものが挙げられ、R5およびR6は、それぞれ独立して水素またはR7−CO−(式中、R7は、アルキル基、好ましくはメチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基またはオクチル基であり、かかるアルキル基は必要に応じて、ハロゲン基、水酸基、エステル基、カルボン酸基、スルホン酸基等の置換基を有していてもよい)である。
式(2)で示される化合物としては、3,4−ジヒドロキシ−1−ブテン、3,4−ジアシロキシ−1−ブテン、3−アシロキシ−4−ヒドロキシ−1−ブテン、4−アシロキシ−3−ヒドロキシ−1−ブテン、3,4−ジアシロキシ−2−メチル−1−ブテン、4,5−ジヒドロキシ−1−ペンテン、4,5−ジアシロキシ−1−ペンテン、4,5−ジヒドロキシ−3−メチル−1−ペンテン、4,5−ジアシロキシ−3−メチル−1−ペンテン、5,6−ジヒドロキシ−1−ヘキセン、5,6−ジアシロキシ−1−ヘキセンなどが挙げられる。なかでも、共重合反応性および工業的な取り扱いにおいて優れるという点で、R1、R2、R3が水素、R4が単結合、R5、R6がR7−CO−で、R7がアルキル基である3,4−ジアシロキシ−1−ブテンが好ましく、そのなかでも特にR7がメチル基である3,4−ジアセトキシ−1−ブテンがより好ましい。
なお、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンは、イーストマンケミカル社やアクロス社の製品を市場から入手することができる。
ビニルエステル系モノマーとしては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、バーサチック酸ビニル等が挙げられる。なかでも、経済的な点から酢酸ビニルが好ましく用いられる。
また、本発明においては、上記の共重合成分以外にも本発明の目的を阻害しない範囲において、他のモノマーを0.5〜10モル%程度共重合させることも可能で、例えばエチレン、プロピレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいはモノ又はジアルキルエステル等、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル類、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸あるいはその塩、アルキルビニルエーテル類、ジメチルアリルビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシプロピレン(メタ)アリルエーテル等のポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリルアミド等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシエチレン(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルプロピル)エステル、ポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエーテル、ポリオキシエチレンアリルアミン、ポリオキシプロピレンアリルアミン、ポリオキシエチレンビニルアミン、ポリオキシプロピレンビニルアミン等が挙げられる。
さらに、N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロライド、N−アクリルアミドエチルトリメチルアンモニウムクロライド、N−アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、2−アクリロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、2−メタクリロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、メタアリルトリメチルアンモニウムクロライド、3−ブテントリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ジエチルジアリルアンモニウムクロライド等のカチオン基含有モノマー、アセトアセチル基含有モノマー、エチレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、酢酸イソプロペニル、1−メトキシビニルアセテート等も挙げられる。
上記のビニルエステル系モノマーと式(2)で示される化合物(さらには他のモノマー)を共重合するに当たっては、特に制限はなく、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、分散重合、またはエマルジョン重合等の公知の方法を採用することができるが、通常は溶液重合が行われる。
共重合時のモノマー成分の仕込み方法としては特に制限されず、一括仕込み、分割仕込み、連続仕込み等任意の方法が採用されるが、式(2)で示される化合物がポリビニルエステル系ポリマーの分子鎖中に均一に分布させられる点から滴下重合が好ましく、特にはHANNA法に基づく重合方法が好ましい。
かかる共重合で用いられる溶媒としては、通常、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロパノール、ブタノール等の低級アルコールやアセトン、メチルエチルケトン等のケトン類等が挙げられ、工業的には、メタノールが好適に使用される。
溶媒の使用量は、目的とする共重合体の重合度に合わせて、溶媒の連鎖移動定数を考慮して適宜選択すればよく、例えば、溶媒がメタノールの時は、S(溶媒)/M(モノマー)=0.01〜10(重量比)、好ましくは0.05〜3(重量比)程度の範囲から選択される。
共重合に当たっては重合触媒が用いられ、かかる重合触媒としては、例えばアゾビスイソブチロニトリル、過酸化アセチル、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウリル等の公知のラジカル重合触媒やアゾビスジメチルバレロニトリル、アゾビスメトキシジメチルバレロニトリル等の低温活性ラジカル重合触媒等が挙げられ、重合触媒の使用量は、触媒の種類により異なり一概には決められないが、重合速度に応じて任意に選択される。例えば、アゾイソブチロニトリルや過酸化アセチルを用いる場合、ビニルエステル系モノマーに対して0.01〜0.2モル%が好ましく、特には0.02〜0.15モル%が好ましい。
また、共重合反応の反応温度は、使用する溶媒や圧力により30℃〜沸点程度で行われ、より具体的には、35〜150℃、好ましくは40〜75℃の範囲で行われる。
本発明においては、式(2)で示される化合物の共重合割合は特に限定されないが、後述の1,2−ジオール成分の導入量に合わせて共重合割合を決定すればよい。
得られた共重合体は、次いでケン化されるのであるが、かかるケン化にあたっては、上記で得られた共重合体をアルコール又は含水アルコールに溶解し、アルカリ触媒又は酸触媒を用いて行われる。アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、tert−ブタノール等が挙げられるが、メタノールが特に好ましく用いられる。アルコール中の共重合体の濃度は系の粘度により適宜選択されるが、通常は10〜60重量%の範囲から選ばれる。ケン化に使用される触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、カリウムメチラート、リチウムメチラート等のアルカリ金属の水酸化物やアルコラートの如きアルカリ触媒、硫酸、塩酸、硝酸、メタスルフォン酸、ゼオライト、カチオン交換樹脂等の酸触媒が挙げられる。
かかるケン化触媒の使用量については、ケン化方法、目標とするケン化度等により適宜選択されるが、アルカリ触媒を使用する場合は通常、ビニルエステル系モノマー及び式(2)で示される化合物の合計量1モルに対して0.1〜30ミリモル、好ましくは2〜17ミリモルの割合が適当である。
ビニルエステル系モノマーと式(2)で示される化合物との共重合体をケン化して得られる側鎖に1,2−ジオール成分を含有するPVA系樹脂(A)は、ケン化時にビニルエステル系モノマーのエステル部分と式(2)で示される化合物のエステル部分を同時に水酸基に変換することによって製造されるので、ビニルエチレンカーボネートを使用するときの欠点である炭酸ジメチル等の副生成物が発生しないという特徴を有する。
かくして得られるPVA系樹脂(A)の側鎖に存在する1,2−ジオール成分の含有量は、特に限定されないが、1〜15モル%(さらには1〜12モル%、特には2〜10モル%、殊に2〜8モル%)であることが好ましい。かかる1,2−ジオール成分の含有量が少なすぎると、本発明の作用効果が十分に得られず、逆に多すぎると、不飽和単量体を乳化重合する際に、重合安定性が低下するために好ましくない。
本発明のPVA系樹脂(A)の平均重合度(JIS K6726に準拠して測定)は50〜450であることが必要で、かかる平均重合度が50未満のPVA系樹脂を工業的に製造するのは困難であり、逆に平均重合度が大きすぎると得られた水性エマルジョンの粘度が高くなりすぎたり、乳化重合時の重合安定性が低下したりするため不適である。
また、かかるPVA系樹脂(A)において、ケン化されずに残った残存エステル基量は、15モル%以下(さらには10モル%以下)のものが好ましく、かかる残存エステル基量が多すぎると、乳化重合時の重合安定性が極端に低下して、目的とする水性エマルジョンを得られないことがあるため好ましくない。
なお、PVA系樹脂(A)における残存エステル基量とは、ビニルエステルモノマーのエステル部分および式(1)で示される化合物のエステル部分に対し、ケン化されなかった部分の割合(モル%)で表示される。
つぎに、重合体(B)について説明する。
かかる重合体(B)は、アクリル系単量体を重合してなる重合体であリ、かかるアクリル系単量体としては、アクリル酸またはそのエステル系モノマーが挙げられる。
かかるアクリル酸またはそのエステル系モノマーとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸等を挙げることができる。
上記の中でも、水性エマルジョンの耐アルカリ性を考慮すれば、(メタ)アクリル酸またはそのエステル系モノマーが好ましい。
また、上記のアクリル系単量体は、それぞれ単独で重合に用いることも可能であるが、2種類以上混合して重合に用いること(共重合)も勿論可能である。
次に、本発明の水性エマルジョンの製造法について説明する。
水性エマルジョンを得るにあたっては、イ)水、PVA系樹脂及び重合触媒の存在下にエチレン性不飽和単量体及び/又はジエン系単量体を一時又は連続的に添加して、加熱、撹拌する如き通常の乳化重合法、ロ)水、PVA系樹脂及び重合触媒の存在下に、エチレン性不飽和単量体及び/又はジエン系単量体をPVA系樹脂の水溶液に混合分散した分散液(プレエマルジョン)を一時又は連続的に添加して、加熱、撹拌する如き乳化重合法が実施し得る。
PVA系樹脂(A)の使用量としては、その種類やエマルジョンの樹脂分等によって多少異なるが、通常乳化重合反応系の全体に対して0.1〜30重量%(更には1〜25重量%、特には2〜20重量%)とすることが好ましく、かかる使用量が0.1重量%未満ではポリマー粒子の安定な乳化状態で維持することが困難となり、逆に30重量%を越えるとエマルジョン粘度が上昇しすぎて作業性が低下したり、耐水性が低くなりすぎたりして好ましくない。
重合開始剤としては、通常、普通過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、臭素酸カリウム等がそれぞれ単独で又は酸性亜硫酸ナトリウムと併用して、更には過酸化水素−酒石酸、過酸化水素−鉄塩、過酸化水素−アスコルビン酸−鉄塩、過酸化水素−ロンガリット、過酸化水素−ロンガリット−鉄塩等の水溶性のレドックス系の重合開始剤が用いられ、具体的には化薬アクゾ社製『カヤブチルB』や同社製『カヤブチルA−50C』等の有機過酸化物とレドックス系からなる触媒を用いることもできる。
重合開始剤の添加方法としては、特に制限はなく、初期に一括添加する方法や重合の経過に伴って連続的に添加する方法等を採用することができる。
上記の乳化重合においては、分散安定剤として、水溶性高分子や非イオン性活性剤、アニオン性活性剤を併用することもできる。
水溶性高分子としては、上記のPVA系樹脂(A)以外の、未変性PVA、カルボキシル基含有PVA、PVAのホルマール化物、アセタール化物、ブチラール化物、ウレタン化物、スルホン酸、カルボン酸等とのエステル化物等のPVA、ビニルエステルとそれと共重合可能な単量体との共重合体ケン化物等が挙げられる。ビニルエステルと共重合可能な単量体としてはエチレン、ブチレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいはモノ又はジアルキルエステル等、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル類、アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸あるいはその塩類、アルキルビニルエーテル類、ビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等が挙げられる。
又、上記のPVA以外の水溶性高分子として、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アミノメチルヒドロキシプロピルセルロース、アミノエチルヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体類、デンプン、トラガント、ペクチン、グルー、アルギン酸又はその塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸又はその塩ポリメタクリル酸又はその塩、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、酢酸ビニルとマレイン酸、無水マレイン酸、アクリル酸、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等不飽和酸との共重合体、スチレンと上記不飽和酸との共重合体、ビニルエーテルと上記不飽和酸との共重合体及び前記共重合体の塩類又はエステル類が挙げられる。
非イオン性活性剤としては、例えばポリオキシエチレン−アルキルエーテル型、ポリオキシエチレン−アルキルフェノール型、ポリオキシエチレン−多価アルコールエステル型、多価アルコールと脂肪酸とのエステル、オキシエチレン・オキシプロピレンブロックポリマー等が挙げられる。
アニオン性活性剤としては、例えば高級アルコール硫酸塩、高級脂肪酸アルカリ塩、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ナフタリンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、高級アルコールリン酸エステル塩等が挙げられる。
更に、フタル酸エステル、リン酸エステル等の可塑剤、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等のpH調整剤等も併用され得る。
また、重合体粒子の平均粒子径は200nm以上(更には300nm以上)であることが好ましい。平均粒子径を200nm以上に調整することにより、最低造膜温度(MFT)が10℃以上となるエマルジョンが得られ、機械的安定性が向上する。
なお、この場合の平均粒子径は、大塚電子株式会社製ダイナミック光散乱光度計『DLS−700』を用いて、下記の条件で測定し、ヒストグラム法にて算出した数平均粒子径(Dn)を指す。
(測定サンプル条件)
・Emをイオン交換水にて、0.05重量%水溶液になるように希釈。
(『DLS−700』測定条件)
・CPS値(光量)が5000〜12000となるように、スリット切替ツマミ(Φ0.1〜Φ0.2)と、NDフィルターツマミ(ND50〜ND25)を調整し、下記条件にて測定。
・SAMPLING TIME(基準クロック):40μsec
・ACUUM.TIME(積算回数):100回
・CORRE.CH(相関関数を収束させる設定値):256
また、エマルジョンの重合安定性及び機械的安定性をさらに向上させる目的で、PVA系樹脂(A)を乳化剤としながら、水溶性の重合禁止剤を単量体に対して10〜500ppm(さらには10〜200ppm)共存させることが好ましい。
かかる水溶性重合禁止剤としては、特に限定されないが、例えば、チオシアン酸塩、亜硝酸塩、水溶性イオウ含有有機化合物等が挙げられ、チオシアン酸塩としては、チオシアン酸アンモニウム、チオシアン酸亜鉛、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸アルミニウム等が挙げられる。亜硝酸塩としては、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸アンモニウム、亜硝酸カルシウム、亜硝酸銀、亜硝酸ストロンチウム、亜硝酸セシウム、亜硝酸バリウム、亜硝酸マグネシウム、亜硝酸リチウム、亜硝酸ジシクロヘキシルアンモニウム等を挙げることができる。水溶性イオウ含有有機化合物としては、メルカプトエタノール、モノチオプロピレングリコール、チオグリセロール等の水酸基置換メルカプタン;チオグリコール酸、チオヒドロアクリル酸、チオ乳酸、チオリンゴ酸等のメルカプトカルボン酸;チオエタノールアミン等のアミノ置換メルカプタン;β−ニトロエチルメルカプタン等のニトロ置換メルカプタン;1,2−ジチオグリセロール、1,3−ジチオグリセロール等の水酸基置換2価メルカプタン;1,3−ジメルカプトアセトン等のジメルカプトケトン;β,β−ジチオイソ酪酸等のジメルカプトカルボン酸;チオグリコール等の水酸基置換スルフィド;チオジグリコール等の水酸基置換スルフィド;チオジグリコール酸、β,β−チオジプロピオン酸、チオジ乳酸等のスルフィドカルボン酸;β−メチルチオプロピオンアルデヒド等のアルデヒド置換スルフィド;β−アミノエチルスルフィド等のアミノ置換スルフィド;β−ニトロエチルスルフィド等のニトロ置換スルフィド;β−メルカプトエチルスルフィド等のメルカプト置換スルフィド等を挙げることができる。該水溶性重合禁止剤の添加時期としては、アクリル系モノマーの重合転化率5〜75%の範囲であることが好ましい。5%より早い時期に添加されると重合系が分散不良となり得られるアクリル系エマルジョンに粗粒子が多くなる。また、重合転化率75%より後に添加されるとアクリルエマルジョン中の粗粒子生成の抑制や機械的安定性の向上効果の面で好ましくない。
水溶性重合禁止剤を添加する際に用いる重合開始剤は、油溶性であることが好ましく、予め単量体に溶解させて用いることが、粗粒子の生成を抑制できる点でさらに好ましい。
かかる油溶性の重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジエトキシエチルパーオキシジカーボネート等パーオキシジカーボネート化合物;t−ブチルパーオキシネオデカネート、α−クミルパーオキシネオデカネート等のパーオキシエステル化合物;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキシド等の過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物などを挙げることができる。
必要であればポリオキシエチレン−アルキルエーテル型、ポリオキシエチレン−アルキルフェノール型、多価アルコールエステル型等の非イオン性活性剤、又は高級アルキルアミン塩等のカチオン性活性剤を始めとし、前記した乳化重合時に使用される各種界面活性剤が何れも併用可能である。又これらの活性剤は乳化対象物の方に混合しておくことも可能である。更にフタル酸エステル、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等のpH調整剤も併用され得る。
さらに得られる水性エマルジョンには、必要に応じて架橋剤、耐水化剤、顔料、分散剤、消泡剤、油剤、粘性改質剤、粘着付与剤、増粘剤、保水剤、繊維柔軟剤、平滑剤、帯電防止剤等、各種用途に応じた添加剤を適宜混合することができる。
かくして得られた水性エマルジョンは、機械安定性、凍結安定性、高温放置安定性に優れ、セメント・モルタル混和剤、セメント・モルタル塗布剤、土木用原料、塗料、接着剤、粘着剤(感圧接着剤)、繊維加工剤、紙加工剤、無機物バインダー、塩ビ等の樹脂の改質剤、汚泥や産業廃棄物等の粘性土の固化安定剤、表面保護用再剥離性被覆材、化粧品用途等に好適に使用できる。
この中でも特に、その機械安定性を活かし、セメント・モルタル混和剤、セメント・モルタル塗布剤、土木用原料、塗料などに用いたり、優れた耐水性、粘接着力を活かして、接着剤や粘着剤(感圧接着剤)として用いるのが好ましく、対象となる接着物(被着体)としては、木材、紙、プラスチックス、繊維等が挙げられる。
かかる接着剤として用いるにあたっては、本発明の水性エマルジョンをそのまま一液の接着剤として使用することができ、水性エマルジョンは通常樹脂分濃度が20重量%以上に調整されるのが好ましく、さらには45重量%以上に調整されるのが好ましい。
樹脂分濃度が20重量%未満では、乾燥に長時間を要したり、木材等の被着体内部に水性エマルジョンが浸透し過ぎたりする場合があり、そのために接着力が低下する傾向となり好ましくない。
また、本発明の水性エマルジョンの水分を除去して、再分散性合成樹脂粉末とすることも可能であり、かかる水の除去方法は特に限定されず、噴霧乾燥、加熱乾燥、送風乾燥、凍結乾燥、パルス衝撃波による乾燥等の方法を挙げることができ、工業的には噴霧乾燥が好適に行われる。
噴霧乾燥には、液体を噴霧して乾燥する通常の噴霧乾燥機が使用できる。噴霧の形式によりディスク式やノズル式等が挙げられるが、何れの方式も使用される。熱源としては熱風や加熱水蒸気等が用いられる。
乾燥条件は、噴霧乾燥機の大きさや種類、水性エマルジョンの濃度、粘度、流量等によって適宜選択される。乾燥温度は80℃〜150℃が好適である。乾燥温度が80℃未満では充分な乾燥が行われず、150℃を越えると重合体の熱による変質が発生するため好ましくなく、更に好ましくは100〜140℃である。
また、再分散性合成樹脂粉末は、貯蔵中に粉末同士が粘結して凝集しブロック化してしまう恐れがあるため、貯蔵安定性を向上するために、抗粘結剤を使用することが好ましい。抗粘結剤は噴霧乾燥後のエマルジョン粉末に添加し均一に混合してもよいが、エマルジョンを噴霧乾燥する際に、エマルジョンを抗粘結剤の存在下に噴霧することが均一な混合を行いうる点、粘結防止効果の点から好ましい。同時に両者を噴霧して乾燥することが特に好ましい。
抗粘結剤としては、微粒子の無機粉末が好ましく、炭酸カルシウム、クレー、無水珪酸、珪酸アルミニウム、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト、等が挙げられる。特に平均粒子径が約0.01〜0.5μmの無水珪酸、珪酸アルミニウム、炭酸カルシウム等が好ましい。抗粘結剤の使用量は特に限定されないが、エマルジョン粉末に対して2〜20重量%が好ましい。
かくして再分散性合成樹脂粉末が得られるのであるが、該粉末は水中に添加して撹拌することにより、容易に再乳化しエマルジョンと同様に使用することができ、得られた再分散エマルジョンからも、高い機械安定性が得られる。
かかる再分散性合成樹脂粉末も、水性エマルジョンと同じく、セメント・モルタル混和剤、セメント・モルタル塗布剤、土木用原料、塗料、接着剤、粘着剤(感圧接着剤)繊維加工剤、紙加工剤、無機物バインダー、化粧品用途等として有用であり、特に、本発明の再分散性合成樹脂粉末は、セメントやモルタルの混和剤として非常に有用で、かかる用途について説明する。
セメントやモルタルの混和剤として用いるときは、セメント100重量部に対して、20重量部前後(5〜30重量部、更には10〜30重量部)とすることが得られる硬化物の物性等の面で好ましいが、経済的な面も考慮すれば10重量部前後(5〜15重量部、更には8〜12重量部)とすることが好ましい。
かかる合成樹脂粉末の配合にあたっては、予めセメントに混合(配合)しておく、予め水に混合(配合)しておく、セメントと水と同時に混合する等の方法が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
なお、例中「%」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
製造例1:PVA系樹脂(A1)
還流冷却器、滴下漏斗、撹拌機を備えた反応缶に、酢酸ビニル800g、メタノール1200g、3,4−ジアセトキシ−1−ブテン96g(6モル%)を仕込み、アゾビスイソブチロニトリルを0.6モル%(対仕込み酢酸ビニル)投入し、撹拌しながら窒素気流下で温度を上昇させ、重合を開始した。酢酸ビニルの重合率が95%となった時点で、m−ジニトロベンゼン及び希釈及び冷却用メタノールを所定量を添加して重合を終了し、続いて、メタノール蒸気を吹き込む方法により未反応の酢酸ビニルモノマーを系外に除去し共重合体のメタノール溶液を得た。
次いで、該溶液をメタノールで希釈して濃度50%に調整してニーダーに仕込み、溶液温度を40℃に保ちながら、水酸化ナトリウムの2%メタノール溶液を共重合体中の酢酸ビニル及び3,4−ジアセトキシー1−ブテンの合計量1モルに対して10ミリモルとなる割合で加えてケン化を行った。ケン化が進行すると共にケン化物が析出し、粒子状となった時点で、濾別し、メタノールでよく洗浄して熱風乾燥機中で乾燥し、PVA系樹脂(A1)を得た。
得られたPVA系樹脂(A1)の残存エステル基量は、残存酢酸ビニル及び3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの加水分解に要するアルカリ消費量で分析を行ったところ、2.5モル%であり、平均重合度は、JIS K 6726に準して分析を行ったところ、300であった。また、1,2−ジオール構造単位の含有量は完全ケン化した後1H−NMRで測定して算出したところ5.9モル%であった。なお、NMR測定には日本ブルカー社製「AVANCE DPX400」を用いた。
製造例2:PVA系樹脂(A2)
製造例1に準じ、酢酸ビニル800g、メタノール1200g、3,4−ジアセトキシ−1−ブテン64g(4モル%)を仕込み、アゾビスイソブチロニトリルを0.4モル%(対仕込み酢酸ビニル)用いて重合を行った。酢酸ビニルの重合率は96%であった。
次いで、水酸化ナトリウムの添加量を共重合体中の酢酸ビニル及び3,4−ジアセトキシー1−ブテンの合計量1モルに対して8ミリモルとした以外は製造例1と同様の手法にてケン化、洗浄、乾燥を行いPVA系樹脂(A2)を得た。
得られたPVA系樹脂(A2)の残存エステル基量は6.0モル%であり、平均重合度は350であった。また、1,2−ジオール構造単位の含有量は4.0モル%であった。
製造例3:PVA系樹脂(A3)
製造例1に準じ、酢酸ビニル800g、メタノール1200g、3,4−ジアセトキシ−1−ブテン24g(1.5モル%)を仕込み、アゾビスイソブチロニトリルを0.5モル%(対仕込み酢酸ビニル)用いて重合を行った。酢酸ビニルの重合率は95%であった。
次いで、製造例1と同様の手法にてケン化、洗浄、乾燥を行いPVA系樹脂(A3)を得た。
得られたPVA系樹脂(A3)の残存エステル基量は2.2モル%であり、平均重合度は450であった。また、1,2−ジオール構造単位の含有量は1.5モル%であった。
製造例4:PVA系樹脂(A4)
製造例1に準じ、酢酸ビニル1000g、メタノール900g、3,4−ジアセトキシ−1−ブテン16g(0.8モル%)を仕込み、アゾビスイソブチロニトリルを0.4モル%(対仕込み酢酸ビニル)用いて重合を行った。酢酸ビニルの重合率は92%であった。
次いで、樹脂濃度を40%、水酸化ナトリウムの添加量を共重合体中の酢酸ビニル及び3,4−ジアセトキシー1−ブテンの合計量1モルに対して7ミリモルの割合とした以外は製造例1と同様の手法にてケン化、洗浄、乾燥を行いPVA系樹脂(A4)を得た。
得られたPVA系樹脂(A4)の残存エステル基量は2.5モル%であり、平均重合度は750であった。また、1,2−ジオール構造単位の含有量0.7モル%であった。
製造例5:PVA系樹脂(A5)
溶液重合により得られたポリ酢酸ビニル(平均重合度300(ポリ酢酸ビニルを完全ケン化して、JIS K6726に準拠して測定))のメタノール溶液を濃度50%に調整してニーダーに仕込み、溶液温度を40℃に保ちながら、水酸化ナトリウムの2%メタノール溶液を重合体中の酢酸ビニル構造単位1モルに対して10ミリモルとなる割合で加えてケン化を行った。ケン化が進行すると共にケン化物が析出し、粒子状となった時点で、濾別し、メタノールでよく洗浄して熱風乾燥機中で乾燥し、残存エステル基が2.8モル%のPVA系樹脂(A5)を得た。
製造例6:PVA系樹脂(A6)
製造例1に準じ、酢酸ビニル1500g、メタノール75g、3,4−ジアセトキシ−1−ブテン30g(1.0モル%)を仕込み、アゾビスイソビチロニトリルを0.0015モル%(対仕込み酢酸ビニル)用いて重合を行った。
次いで、樹脂濃度20%、水酸化ナトリウムの添加量を共重合体中の酢酸ビニル及び3,4−ジアセトキシー1−ブテンの合計量1モルに対して10ミリモルの割合で加えて、製造例1と同様の手法にてケン化、洗浄、乾燥を行い、PVA系樹脂(A6)を得た。
得られたPVA系樹脂(A6)の残存エステル基量は2.4モル%であり、平均重合度は2900であった。また、1,2−ジオール構造単位の含有量は1.0モル%であった。
実施例1
攪拌機、還流冷却器、滴下漏斗、温度計を備えたセパラブルフラスコに水83部、製造例1によるPVA系樹脂(A1)を12部、pH調整剤として酢酸ナトリウム0.02部、重合モノマー(メタクリル酸メチル/アクリル酸n−ブチル=60/40(重量比))18部を仕込み、攪拌しながらフラスコ内の温度を60℃に上げた。その間、窒素ガスでフラスコ内を置換しながら1%の過硫酸アンモニウム水溶液5部を添加して重合を開始した。初期重合を30分間行ない、残りの重合モノマー102部を4時間かけて滴下し、さらに1%の過硫酸アンモニウム水溶液5部を1時間毎に4回添加し、重合を行った。その後、75℃で1時間熟成した後、冷却して、固形分55%のメタクリル酸メチル/アクリル酸n−ブチル共重合体の水性エマルジョンを得た。
上記で得られた水性エマルジョンについて、下記の評価を行った。結果を表1に示す。
(重合安定性)
得られたエマルジョンを水で希釈し、100メッシュの金網で濾過、金網上に残った粗粒子を105℃で3時間乾燥して、その乾燥重量(Xg)を求め、次式より粗粒子量(%)を算出し、重合安定性の指標とした。
粗粒子量(%)=[X(g)/エマルジョン中の固形分重量(g)]×100
(機械安定性)
安田精機製作所社製マロン試験機を用い、下記の条件にて測定した。
樹脂分 :20%
使用量 :50g
回転数 :100rpm(±20)
時間 :10min
過重 :40kgf
試験後のエマルジョンを80メッシュ金網で濾過し、金網上の凝集物の乾燥重量(Wg)を測定して、次式により、発生凝集物量(%)を求めて下記のように評価した。
発生凝集物量(%)=W(g)/[50(g)×エマルジョンの樹脂分(20%)]×100
○・・・発生凝集物量<0.10
△・・・0.10≦発生凝集物量<1.00
×・・・1.00≦発生凝集物量
(凍結安定性)
100mlポリ容器に得られたエマルジョン50gを入れ、−15℃の冷凍庫内に16時間放置し、エマルジョンを冷凍した。その後、25℃の恒温槽内に8時間放置し、エマルジョンを解凍した。これを繰り返して、解凍後に、エマルジョン状態に戻らず、固形分と水分に分離するまでの回数を測定して以下のように評価した。
○・・・10回以上
△・・・4〜9回
×・・・3回以下
(高温放置安定性)
450mlマヨネーズ瓶に得られたエマルジョン300gを入れ、BROOKFIELD型粘度計にて、25℃でのエマルジョン粘度(V0)を測定し、さらに、60℃の恒温槽内に10日間放置した後、25℃でのエマルジョン粘度(V20)を測定して、その粘度比(V20/V0)を求めた。
(耐水接着性)
得られたエマルジョンを紙管用原紙に30g/m2塗布し、ただちに他の紙管用原紙と接着、ハンドロールで3回圧締し、室温で24時間放置した。かかる接着サンプルを30℃の水中に24時間浸漬後、接着状態を観察し、以下の基準により評価した。
○・・・材破
△・・・一部材破
×・・・剥離
(再分散エマルジョンの機械安定性)
得られたエマルジョンの固形分に対して5重量%の無水珪酸微粉末(抗粘結剤)を添加して、120℃の熱風中で噴霧乾燥を行い、再分散性樹脂粉末を得た。得られた樹脂粉末20部を脱イオン交換水80部に添加し、攪拌して再分散エマルジョンを得た。得られた再分散エマルジョンの機械安定性を上記と同様の方法で評価した。
実施例2〜3、比較例3
製造例2〜4で得たPVA系樹脂(A2〜A4)を用いた以外は、実施例1と同様にして水性エマルジョンを得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
比較例1、2
製造例5,6で得たPVA系樹脂(A5、A6)を用いた以外は、実施例1と同様にして水性エマルジョンを得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
[表1]
Figure 0005382976
※ 重合中に凝集
本発明の水性エマルジョンは、製造時の乳化重合安定性に優れ、機械安定性、凍結安定性、高温での長期放置安定性、耐水接着性等に優れるとともに、水分除去により粉末状にすることが可能で、かかる樹脂粉末を水に再分散させて得られたエマルジョンの機械安定性が優れることから、かかる水性エマルジョン及びかかる水性エマルジョンから得た樹脂粉末は、セメント・モルタル混和剤、セメント・モルタル塗布剤、土木用原料、塗料、接着剤、粘着剤(感圧接着剤)繊維加工剤、一般紙加工剤、インクジェット用紙加工剤、無機物バインダー、化粧品用途等として有用であり、特に、セメントやモルタルの混和剤として非常に有用である。







Claims (5)

  1. 側鎖に1,2−ジオール成分を含有し、かつ平均重合度が50〜450であるポリビニルアルコール系樹脂(A)を乳化剤としてアクリル系単量体を乳化重合して得られた重合体(B)を含有することを特徴とする水性エマルジョン。
  2. ポリビニルアルコール系樹脂(A)が、一般式(1)で表される1,2−ジオール構造単位を含有することを特徴とする請求項1記載の水性エマルジョン。
    Figure 0005382976
    (式中、R、R及びRは、それぞれ独立して水素原子又はアルキル基を示し、Rは単結合またはアルキル基を有していてもよい炭素数1〜3のアルキレン基を示す。)
  3. ポリビニルアルコール系樹脂(A)中の1,2−ジオール構造単位の含有量が1〜15モル%であることを特徴とする請求項1または2記載の水性エマルジョン。
  4. 請求項1〜いずれか記載の水性エマルジョンを用いることを特徴とする再分散性樹脂粉末。
  5. 請求項1〜いずれか記載の水性エマルジョンを用いることを特徴とする接着剤。
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