以下、本発明の位置指示器、可変容量コンデンサ及び入力装置を実施するための実施形態について、図1〜図25を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。また、本発明は、以下の形態に限定されるものではない。
[入力装置]
まず、本発明が適用される入力装置の概略構成を図1に従って説明する。この図1は、本発明が適用される入力装置を示す斜視図である。
本発明の実施の形態(以下、「本例」という。)である入力装置10は、位置検出装置1と、この位置検出装置1に情報を入力する位置指示器2とから構成されている。
[位置検出装置]
位置検出装置1は、パーソナルコンピュータやPDA(Personal Digital Assistant)等の図示しない外部装置にケーブル8を介して接続することによって、これら外部装置の入力装置として用いられるものである。なお、特に図示して説明していないが、かかる位置検出装置1をパーソナルコンピュータ等に内蔵しても良い。
位置検出装置1は、位置指示器2で指示した位置を検出する検出部4と、この検出部4を有する中空の薄い略直方体をなす筐体5とから構成されている。筐体5は、検出部4の検出面を露出させるための開口部6を有する上部筐体7と、この上部筐体7に重ね合わされる図示しない下部筐体を有している。そして、上部筐体7は、検出部4の入力面を露出させる四角形の開口部6を有しており、この開口部6に、検出部4が嵌め込まれる。このような構成を有する位置検出装置1は、位置指示器2を介したポインティング操作による文字及び図等の入力が行われる。
[位置指示器]
次に、図2を参照して位置指示器2の概略構成について説明する。図2は、図1に示す位置指示器2のA−A′線断面図である。
この位置指示器2は、電磁誘導方式により位置検出装置1に対して位置を指示するものである。すなわち、位置指示器2は、位置検出装置1から送信される特定周波数の電磁波に対して共振する共振回路を有している。そして、位置指示器2は、この共振回路で検出した共振信号を位置検出装置1に送信することにより位置検出装置1に対して位置を指示するようになっている。
図2に示すように、位置指示器2は、筐体の一具体例を示すケース11と、芯体12と、位置指示コイル13と、可変容量コンデンサ15と、フェライトコア16と、プリント基板17とを備えて構成されている。
ケース11は、位置指示器2の外装部として形成されている。このケース11は、一方が閉じられた有底の円筒状をなしている。そして、ケース11は、軸方向に重ね合わせて組立結合される第1のケース18と第2のケース19とから構成されている。第1のケース18は、軸方向の一端側が略円錐状をなしており、その先端に開口部18aを有している。そして、この第1のケース18の軸方向の他端は、開口している。
第2のケース19は、軸方向の一端が開口し、かつ他端が閉じられた円筒形をなしている。第1のケース18と第2のケース19とは、同一軸線上に配置されて、接着剤や固定ねじ等の固着手段により固定されている。そして、第2のケース19に、電子部品が実装されたプリント基板17が接着剤や固定ねじ等の固着手段によって固定されており、第1のケース18には、フェライトコア16が収納されている。
フェライトコア16は、例えば円筒形をなしており、その筒孔16aに芯体12が挿通されている。そして、フェライトコア16の軸方向の一端側から芯体12の指示部12aが突出している。更に、フェライトコア16の外周には、共振回路を構成する位置指示コイル13が巻回して装着されている。位置指示コイル13の図示しない両端は、プリント基板17上の電子部品に電気的に接続されている。プリント基板17には、共振回路を構成する電子部品が実装されている。
芯体12は、棒状の部材からなり、ケース11の軸方向に沿ってケース11内に収納されている。この芯体12は、その軸方向の一端にペン先の役割を有する指示部12aと、指示部12aから連続して形成された軸部12bとから構成されている。指示部12aは、略円錐状に形成されている。この指示部12aは、芯体12をケース11内に収納した際に、第1のケース18の開口部18aから外側に向けて突出する。そして、軸部12bの軸方向の他端には、可変容量コンデンサ15が取り付けられている。
[可変容量コンデンサ]
次に、図3〜図18を参照して本発明の可変容量コンデンサ15について説明する。図3は、本発明の可変容量コンデンサ15の斜視図、図4は、図3に示す可変容量コンデンサ15のB−B′線断面図である。
可変容量コンデンサ15は、加えられた圧力に対応して容量値を変化させるコンデンサである。そして、この可変容量コンデンサ15は、この容量値の変化によって、芯体12に加わる筆圧を検出しており、位置指示器2の筆圧検出部として作用している。
図3及び図4に示すように、可変容量コンデンサ15は、ホルダ21と、誘電体22と、この誘電体22を付勢する端子部材23と、保持部材24と、導電部材26と、弾性部材27とを備えて構成されている。
[ケース]
まず、図5〜図7Bを参照して本発明の可変容量コンデンサ15のホルダ21について説明する。図5は、ホルダ21の外観斜視図、図6Aは、ホルダ21の正面図、図6Bは、図5に示すホルダ21のC−C′線断面図、図6Cは、図5に示すホルダ21のD−D′線断面図である。また、図7Aは、ホルダ21の平面図、図7Bは、ホルダ21の底面図である。
ホルダ21は、中空の略円筒形をなしている。このホルダ21には、その側面に互いに平行に対向する2つの平面部21b,21bを有している。このホルダ21には、軸方向の一端側を4箇所切り欠くことによって、4つの突起部29,29,29,29が形成されている。そして、図4に示すように、このホルダ21に、誘電体22が取り付けられると共に、本発明の中空部の一具体例を示すホルダ21の筒孔21aに導電部材26と、弾性部材27と、保持部材24とが収納される。また、ホルダ21には、フランジ部31と、2つの係合穴32,32と、2つの係止受部33,33とが設けられている。
図6B及び図6Cに示すように、凸部の一具体例を示すフランジ部31は、ホルダ21の半径方向の内側へ突出して配設されている。このフランジ部31は、例えばホルダ21の内壁に、その内壁の周方向に沿って連続して張り出したつば状の突出部である。そして、図4に示すように、このフランジ部31には、ホルダ21の軸方向の一端側から誘電体22が当接し、ホルダ21の軸方向の他端側から弾性部材27が当接する。さらに、図7A及び図7Bに示すように、このフランジ部31の一部を切り欠くことにより、貫通孔34が設けられている。
なお、本例については、凸部の一具体例としてホルダ21の内壁に、その内壁の周方向に沿って連続して突出したつば状のフランジ部として説明したが、これに限定されるものではない。例えば、凸部を、ホルダ21の内壁に、その内壁の半径方向の内側へ突出する複数の突起として形成してもよい。すなわち、凸部に、誘電体22がホルダ21の軸方向の一端側から当接し、且つ弾性部材27がホルダ21の軸方向の他端側から当接すれば、どのような形状に形成してもよい。
また、図5、図6A及び図6Bに示すように、ホルダ21には、その2つの平面部21b,21bに第1の係合部の一具体例を示す2つの係合穴32,32が設けられている。この2つの係合穴32,32は、ホルダ21の軸方向の中央から他端側寄りに設けられている。そして、2つの係合穴32,32は、例えば略四角形状に開口されている。図3及び図4に示すように、この2つの係合穴32,32に、保持部材24がホルダ21の軸方向に沿って移動可能に係合される。なお、2つの係合穴32,32は、略四角形だけでなく、略円形状に形成してもよい。また、2つの係合穴32,32は、貫通穴だけでなく、ホルダ21の内壁に設けた凹部として形成してもよい。
更に、図5、図6A,図6Bに示すように、ホルダ21には、軸方向の一端側に2つの係止受部33,33を有している。この2つの係止受部33,33は、ホルダ21の軸方向の一端側において、2つの突起部29,29の間に位置するように設けられている(図6A参照)。図6Bに示すように、係止受部33は、ホルダ21の軸方向に切断した断面形状が略台形状に形成されている。そして、図3及び図4に示すように、端子部材23がこの2つの係止受部33,33に係止されて、ホルダ21に固定される。
なお、このホルダ21の材質には、例えばエンジニアリングプラスチック等が用いられる。また、本例では、ホルダ21を円筒状に形成した例を説明したが、ホルダ21の形状は、例えば角筒状に形成してもよい。更に、誘電体22、導電部材26、弾性部材27及び保持部材24をホルダ21に収納した例を説明したが、このホルダ21とケース11とを一体に成形して、導電部材26、弾性部材27及び保持部材24をケース11に直接収納してもよい。
[誘電体]
次に、図8A〜図8Cを参照して誘電体22について説明する。図8Aは、誘電体22の平面図、図8Bは、誘電体22の正面図、図8Cは、誘電体22の底面図である。
この誘電体22は、例えば略円盤状をなしており、略円形の第1の面部22aと、この第1の面部22aと略平行に対向する略円形の第2の面部22bとを有している。第1の面部22aには、その略全体に亘って第1の電極部36が設けられている。この第1の電極部36は、例えば第1の面部22aに銀板を焼結することで形成される。また、図8Cに示すように、第2の面部22bは、例えば表面を鏡面研磨することで鏡面加工が施されている。
そして、図4に示すように、この誘電体22は、第2の面部22bをホルダ21の軸方向の他端側に向けて、フランジ部31に載置される。更に、この誘電体22は、ホルダ21のフランジ部31に載置した状態で、端子部材23によってホルダ21の軸方向の他端側へ付勢される。なお、誘電体22の形状は、略円盤状だけでなく、略四角形や略六角形等の平板状に形成してもよい。また、第2の面部22bに鏡面加工を施した例を説明したが、第2の面部22bに鏡面加工を施さなくてもよい。
[端子部材]
図9は、端子部材23の外観斜視図である。この端子部材23は、接点部の一具体例を示す平坦部37と、この平坦部37から連続して形成された2つの係止部38,38と、リード片39とを有している。平坦部37は、略平板状に形成されており、略中央に突起37aが設けられている。この2つの係止部38,38は、第2の係合部の一具体例を示している。
この平坦部37を間に挟むように2つの係止部38,38が設けられている。この係止部38は、略L字状をなしている。この係止部38は、平坦部37の外縁から2回折り曲げることで弾性が付与されている。そして、係止部38の端部38bには、例えば略四角形状の開口部38aが設けられている。
また、リード片39は、係止部38の端部38bが突出する方向と反対方向に突出して設けられている。そして、このリード片39は、図2に示すプリント基板17の図示しない接点部に、例えば、抵抗溶接や超音波溶接等によって接続される。これにより、端子部材23は、プリント基板17の電子部品と電気的に接続される。なお、この端子部材23の材質としては、例えばチタン銅に銀メッキを施したもの等が挙げられる。
また、図3及び図4に示すように、端子部材23は、2つの係止部38,38の開口部38a,38aがホルダ21の係止受部33,33に係止されてホルダ21に固定される。このとき、端子部材23の平坦部37が、誘電体22の第1の面部22aに設けた第1の電極部36に当接する。また、端子部材23は、2つの係止部38,38に弾性を付与しているため、誘電体22をホルダ21の軸方向の他端側に付勢する。これにより、平坦部37と第1の電極部36とを確実に接触させることができ、誘電体22と端子部材23との接触不良を防止し又は抑制することができる。更に、誘電体22がホルダ21内で傾くことを防止し又は抑制することも可能である。
そして、端子部材23の平坦部37に突起37aを設けることにより、平坦部37と誘電体22が面ではなく、点接触する。これにより、端子部材23のプレス加工時に発生するソリや浮きに影響を受けることなく、確実に誘電体22の第1の面部22aに設けた第1の電極部36と端子部材23の平坦部37を接触させることができる。
上述したように、端子部材23は、誘電体22をホルダ21側へ付勢する役割と、プリント基板17に接続される電極端子としての2つの役割を有している。なお、本例では端子部材23を一部材で形成した場合を説明したが、平坦部37及び係止部38と、リード片39をそれぞれ別部材として形成してもよい。
次に、図10〜図17を参照して保持部材24、導電部材26及び弾性部材27について説明する。図10は、保持部材24で導電部材26及び弾性部材27を保持した状態を示す斜視図である。図11Aは、保持部材24の外観斜視図、図11Bは、保持部材24を図11Aと反対側から見た斜視図、図12Aは、図11Aに示す保持部材24のS−S′線断面図、図12Bは、図11Aに示す保持部材24のT−T′線断面図である。
[保持部材]
図10〜図12に示すように、保持部材24は、略角柱状の基部41と、略円筒状の嵌合部42とを有している。基部41には、略円柱状に凹んだ係合凹部43(図11参照)が設けられている。図4に示すように、この係合凹部43には、芯体12の軸部12bの軸方向の他端が挿入される。これにより、保持部材24と芯体12とが接合される。また、この基部41の側面部における互いに対向する2つの平面部には、断面形状が略三角形状の2つの係合部44,44が設けられている。そして、この2つの係合部44,44は、ホルダ21に設けた2つの係合穴32,32に係合される。これにより、保持部材24は、ホルダ21の軸方向に沿って移動可能に支持される。
更に、基部41には、スリット46,46が設けられている。この2つのスリット46,46は、それぞれ基部41の軸方向の一端から他端側へ所定の長さにわたって切り欠いて形成されている。
また、凹部の一具体例を示す嵌合部42は、基部41の他端側へ突出して形成されている。そして、この嵌合部42には、略等角度間隔に2つの切り欠き47,47が形成されている。この2つの切り欠き47,47は、嵌合部42の軸方向の一端から基部41まで切り欠いて形成されている。なお、この切り欠き47の数は、2つに限定されるものではなく、3つ以上形成してもよく、少なくとも1つあればその目的を達成できるものである。そして、この嵌合部42に導電部材26が嵌合される。
[導電部材]
図4及び図10に示すように、導電部材26は、例えば砲弾型に形成されており、その軸方向の一端に曲面部26aを有している。この導電部材26は、軸方向の他端側の円柱部26bが保持部材24の嵌合部42に嵌合される。なお、この導電部材26の円柱部26bの直径は、例えば保持部材24の嵌合部42の内径よりもやや大きく設定されている。これにより、導電部材26と保持部材24の嵌合部42の嵌め合いの関係は、しまりばめの関係に設定されている。その結果、導電部材26が保持部材24の嵌合部42から抜け落ちることを防止し又は抑制することができる。
また、この導電部材26は、導電性を有すると共に弾性変形可能な部材からなる。このような部材としては、例えば、シリコン導電ゴムや、加圧導電ゴム(PCR:Pressure sensitive Conductive Rubber)などを挙げることができる。かかる部材を使用することで、芯体12に加えられる筆圧(圧力)の増加に伴って、誘電体22の第2の面部22bと導電部材26との接触面積が増加するようになっている。
なお、本例では、導電部材26の形状を、その一方の端部である曲面部26aが略半球状に形成されたもので説明しているが、この導電部材の形状は、かかる形状に限定されるものではない。導電部材の形状は、芯体12に加えられる筆圧(圧力)の増加に伴って第1の電極部36と対向する面積が増加すれば、どのような形状に形成してもよい。
次に、本例にかかる導電部材の他の実施例を図13及び図14を参照して説明する。
図13は、導電部材の他の実施の形態を示す斜視図、図14Aは、導電部材の他の実施の形態を示す平面図、図14Bは、導電部材の他の実施の形態を示す正面図、図14Cは、導電部材の他の実施の形態を示す左側面図である。
この他の実施の形態にかかる導電部材70は、略円柱状に形成されており、その軸方向の一端に3つの異なる曲率半径を有する曲面部71を有している。曲面部71は、導電部材70の軸方向Zと直交する第1の方向Xに対して第1の曲率半径Raを有する第1の曲面71aが形成されている。この第1の曲面71aは、導電部材70の軸方向Zと直交すると共に第1の方向Xとも直交する第2の方向Yに対して第1の曲率半径Raとは異なる第2の曲率半径Rbを有している。
また、曲面部71は、導電部材70の軸心を通って第1の方向Xに沿って形成され、第1の方向Xに対して第1の曲率半径Raを有し、第2の方向Yに対して第1の曲率半径R1及び第2の曲率半径Rbと異なる第3の曲率半径Rcを有する第2の曲面71bが設けられている。更に、曲面部71は、導電部材70の軸心を通って第2の方向Yに沿って形成され、第2の方向Yに対して第2の曲率半径Rbを有し、第1の方向Xに対して第3の曲率半径Rcを有する第3の曲面71cが設けられている。すなわち、第2の曲面71bは、第1の曲率半径Raを有する曲面で形成される稜線に形成され、第3の曲面71cは、第2の曲率半径Rbを有する曲面で形成される稜線に形成されている。
なお、第1の曲率半径Raは、例えば2mmに設定されており、第2の曲率半径Rbは、例えば4mmに設定されている。また、第3の曲率半径Rcは、例えば0.5mmに設定されている。
ここで、先に説明した略砲弾型に形成した導電部材26では、製品ごとのバラツキや組み立ての際のズレによって、曲面部26aの頭頂部で誘電体22の第2の面部22bに当接しないおそれがある。しかしながら、この他の実施の形態に係る導電部材70では、製品ごとのバラツキや組み立ての際に保持部材24と導電部材70との間でズレが発生しても、確実に第2の曲面71b又は第3の曲面71cを誘電体22の第2の面部22bに確実に点接触させることができる。
なお、上述した他の実施の形態においては、導電部材70の軸方向の一端を第1の曲率半径Raと第2の曲率半径Rbを略90°に交わるように形成した例を説明したが、これらの曲率半径は、略90°にする場合に限られない。例えば、第1の曲率半径Raと第2の曲率半径Rbを互いに異なる2つの角度方向から形成し、第1の曲率半径Raを有する曲面で形成した稜線と第2の曲率半径Rbを有する曲面で形成した稜線を面取りして、丸みを設けてもよい。これによっても、製品ごとのバラツキや組み立ての際に保持部材24と導電部材との間でズレが発生しても、確実に第2の曲面又は第3の曲面を誘電体22の第2の面部22bに確実に点接触させることができる。
[弾性部材]
図15Aは、弾性部材27の正面図、図15Bは、弾性部材27の平面図である。
弾性部材27は、例えば導電性を有するコイルばねであり、弾性を有する巻回部51と、この巻回部51の一端部に端子片53と、巻回部51の他端部に接続部52とを有している。
第2の端子部の一具体例を示す接続部52は、巻回部51の他端部を巻回の半径方向の内側に向けて略垂直に折り曲げて形成されている。そして、弾性部材27は、この接続部52を保持部材24の嵌合部42に設けた切り欠き47と係合することで、保持部材24に取り付けられる。図4及び図10に示すように、弾性部材27は、保持部材24に取り付けられた際に、巻回部51が保持部材24の嵌合部42を介して導電部材26の外周を覆うように配設される。このとき、接続部52は、保持部材24と導電部材26の間に介在されて導電部材26に接触する。これにより、弾性部材27は、導電部材26と電気的に接続される。
また、第1の端子部の一具体例を示す端子片53は、巻回部51の一端部を巻回方向に対して略垂直に折り曲げて形成されている。そして、図3に示すように、この端子片53は、弾性部材27をホルダ21に収納した際に、このホルダ21に設けた貫通孔34を通って、ホルダ21の軸方向の一端側に突出する。そして、端子片53は、図2に示すように、プリント基板17の図示しない接点部に、例えば、半田付け、抵抗溶接や超音波溶接等によって接続される。これにより、弾性部材27は、プリント基板17の電子部品と電気的に接続される。この弾性部材27の材質としては、導電性を有する材質、例えばチタン銅や、ステンレス鋼等の金属が挙げられる。
そして、図4に示すように、導電部材26及び弾性部材27は、保持部材24に取り付けられて、ホルダ21の筒孔21aに収納される。このとき、導電部材26の軸方向の一端側に形成された曲面部26aが誘電体22の第2の面部22bに対向し、第2の電極部を形成する。
図16は、弾性部材の他の実施の形態を示すものである。
この他の実施の形態に係る弾性部材27Aは、接続部52Aを更に巻回部51Aの巻回方向に向けて折り曲げたものである。これにより、弾性部材27Aと導電部材26を保持部材24に取り付けた際に、この接続部52Aが導電部材26の軸方向の他端に突き刺さる。その結果、確実に導電部材26と弾性部材27Aを接続させることができ、導電部材26と弾性部材27Aの接触不良を防止し又は抑制することができる。
[可変容量コンデンサの組み立て]
このような構成を有する可変容量コンデンサ15は、例えば次のようにして組み立てられる。まず、図10に示すように、導電部材26と弾性部材27とを保持部材24に取り付ける。即ち、弾性部材27の接続部52を保持部材24における嵌合部42に設けた切り欠き47に係合して、弾性部材27を保持部材24に装着する。このとき、弾性部材27の巻回部51は、保持部材24の嵌合部42の外周を覆うように配置される。ここで、嵌合部42に2つの切り欠き47を設けている。これにより、切り欠き47が1つの場合に比べて、弾性部材27の接続部52と保持部材24の切り欠き47の向きを考慮することがないため、弾性部材27の取り付け作業の効率を向上させることができる。
次に、導電部材26を保持部材24の嵌合部42に嵌め合わせる。ここで、嵌合部42と導電部材26の嵌め合いが、しまりばめの関係をなしているため、導電部材26が保持部材24から外れることを防止し又は抑制することができる。
このとき、弾性部材27の接続部52が、導電部材26と保持部材24の間に介在されて、導電部材26と接続部52とが接触する。これにより、導電部材26と弾性部材27が電気的に接続される。更に、弾性部材27の巻回部51が、保持部材24の嵌合部42を間に介して導電部材26の外周を覆うように配置される。これらにより、導電部材26と、弾性部材27と、保持部材24とからなる第1の組立体が組み立てられる。
次に、図4に示すように、誘電体22をホルダ21の軸方向の一端側から第2の面部22bをホルダ21の軸方向の他端側に向けて挿入し、ホルダ21のフランジ部31に載置する。次に、端子部材23をホルダ21に取り付ける。即ち、端子部材23の2つの係止部38,38をホルダ21の2つの係止受部33,33に係止する。このとき、端子部材23の平坦部37が、誘電体22の第1の面部22aに設けた第1の電極部36に接触する。これにより、端子部材23と誘電体22の第1の電極部36が電気的に接続される。
ここで、端子部材23の2つの係止部38,38は、弾性を有しているから、誘電体22は端子部材23によりホルダ21の軸方向の他端側に付勢される。これにより、誘電体22がホルダ21から抜け落ちることを防止することができる。更に、誘電体22がホルダ21内で傾くことを防止し又は抑制することもでき、誘電体22と導電部材26が傾くことなくバランスよく接触させることができる。これらにより、ホルダ21と、誘電体22と、端子部材23とからなる第2の組立体が完成する。
次に、第1の組立体をホルダ21の軸方向の他端側から挿入する。このとき、弾性部材27の端子片53を、図7A及び図7Bに示すホルダ21の貫通孔34に通して、ホルダ21の軸方向の一端側から突出させる。そして、第1の組立体を構成する保持部材24の2つの係合部44,44を、ホルダ21の2つの係合穴32,32に係合させる。ここで、2つの係合穴32,32は、ホルダ21の軸方向に沿って所定の長さにわたって開口しているため、保持部材24は、ホルダ21にその軸方向に沿って移動可能に支持される。このとき、導電部材26の曲面部26aが誘電体22の第2の面部22bに近接される。
また、保持部材24の2つの係合部44,44を、ホルダ21の2つの係合穴32,32に係合させた際に、弾性部材27の巻回部51がフランジ部31におけるホルダ21の軸方向の他端側に当接する。
このとき、弾性部材27の巻回部51は、保持部材24とホルダ21のフランジ部31との間に若干圧縮された状態で介在される。これにより、弾性部材27は、常に導電部材26を誘電体22から離反する方向に付勢される。そのため、芯体12に圧力(筆圧)が加わっていない初期状態では、導電部材26が上方に位置するように可変容量コンデンサ15の向きを逆さにしても、導電部材26と誘電体22とが接触することを防止し又は抑制することができる。その結果、導電部材26と誘電体22とが貼り付くことを防止し又は抑制することができるため、導電部材26又は誘電体22が劣化することを防止でき、可変容量コンデンサ15の耐久性を向上させることが可能である。
以上の様にして、図3及び図4に示すような、可変容量コンデンサ15の組み立てが完了する。なお、可変容量コンデンサ15の組み立ては、上述したものに限定されるものではない。即ち、第1の組立体と第2の組立体の組み立ては、どちらを先に行ってもよい。
[可変容量コンデンサの動作]
次に、図2、図4及び図17を参照して本例の可変容量コンデンサ15の動作について説明する。図17は、芯体12に圧力(筆圧)が加わった状態を示す可変容量コンデンサ15の断面図である。
芯体12の指示部12aに対して図17に示す矢印Kの方向に圧力(筆圧)がかかると、可変容量コンデンサ15の保持部材24は、芯体12の軸部12bの他端に押圧される。これにより、図17に示すように、保持部材24は、ホルダ21の筒孔21a内をホルダ21の軸方向の一端側に移動する。そして、導電部材26の曲面部26aが誘電体22の第2の面部22bに接触して第2の電極部を形成する。更に芯体12の指示部12aに圧力がかかると、導電部材26は、誘電体22の第2の面部22bに押圧されて変形(扁平化)する。その結果、導電部材26と第2の面部22bとの接触面積が変化することにより、誘電体22の容量値が変化する。そして、端子部材23と弾性部材27の間でその容量値が検出される。これにより、指示部12aにかかる圧力を検出することができる。
ところで、誘電体の比誘電率をεo、コンデンサの相対向する両電極間の距離をd、電極の面積をSとすると、コンデンサの容量Cは、
C=εo(S/d)
によって算出される。
図4に示す状態において、導電部材26は、誘電体22の第2の面部22bから物理的に離れており、第2の面部22bと接触していない。したがって、第2の電極部の面積Sが0となり、可変容量コンデンサ15の容量は0となる。
そして、導電部材26と第2の面部22bとが接触した状態(図17を参照)の電極の面積、つまり、第1の電極部36と導電部材26が対向する面積をS1とすると、可変容量コンデンサ15の容量C1は、
C1=εo(S1/d)
となる。
また、導電部材26が弾性変形した状態の第2の電極部の面積をS2(S2>S1)とすると、可変容量コンデンサ15の容量C2は、
C2=εo(S2/d)
となる。
ここで、弾性部材27の弾性力は、芯体12にかかる圧力(筆圧)よりも小さくなるように設定して、弾性部材27の弾性力が可変容量コンデンサ15で検出される筆圧特性に影響を与えないようにしている。また、誘電体22の第2の面部22bは、鏡面加工が施されている。そのため、誘電体22の第2の面部22bと導電部材26が接触を繰り返すことによる導電部材26の摩耗の低減を図ることができる。更に、第2の面部22bに鏡面加工を施して、平滑な面にすることで、可変容量コンデンサ15の初期感度を向上させることもできる。
また、図4に示すように、芯体12の指示部12aに圧力が加わらなくなると、保持部材24は、弾性部材27の弾性力と導電部材26の曲面部26aの復元力とによって、ホルダ21の筒孔21a内をホルダ21の軸方向の他側に移動する。そして、導電部材26は、誘電体22の第2の面部22bから離れる。
更に、芯体12の指示部12aを上方に向けても、弾性部材27の弾性力により、保持部材24が、芯体12や保持部材24の自重によってホルダ21内を誘電体22側に移動することを防止し又は抑制することができる。その結果、芯体12に圧力が加わっていない状態で、導電部材26と誘電体22が接触することを防止し又は抑制することができると共に、立ち下がりの応答性を向上させることが可能である。
また、保持部材24に2つの係合部44,44を設け、ホルダ21にこの2つの係合部44,44が係合される2つの係合穴32,32を設けている。その結果、2つの係合部44,44が、ホルダ21の2つの係合穴32,32の軸方向の他端側に当接することで、保持部材24がホルダ21から抜け落ちることを防止することができる。
[圧力の検出精度]
次に、図18A及び図18Bを参照して、本発明の可変容量コンデンサと従来の可変容量コンデンサの圧力の検出精度について説明する。
図18A及び図18Bは、横軸に芯体にかかる荷重をとり、縦軸に位相をとって、可変容量コンデンサの位相−荷重特性を示すグラフである。そして、図18Aは、本発明の可変容量コンデンサの位相−荷重特性を示すグラフ、図18Bは、図26に示す従来の可変容量コンデンサの位相−荷重特性を示すグラフである。
本発明の可変容量コンデンサ15は、誘電体22の第2の面部22bに鏡面加工を施し、且つ導電部材26の接触部分を曲面状に形成している。その結果、図18Aに示すように、1gの微小な荷重(圧力)を検出することが可能である。また、弾性部材27の弾性力は、例えば1g以下の芯体12にかかる圧力(筆圧)よりも非常に小さくなるように設定し、弾性部材27の弾性力が筆圧特性に影響を与えないようにしている。これに対し、図18Bに示すように、従来の可変容量コンデンサは、10g〜20gの無感領域があり、芯体にかかる微小な圧力を検出することができない。
また、従来の可変容量コンデンサ200は、第2の電極203を誘電体201から離すための構成を有していない。また、図18Bに示すように、荷重を加えると曲線(矢印E′)のように位相が変化し、除荷すると曲線(矢印F′)のように位相が変化していることが分かる。この図18Bに示すように、ヒステリシスが大きくなり、ある荷重を加えたときと除荷した時の位相差(矢印H′)が大きく異なっている。その結果、筆圧のコントロールが難しくなり、可変容量コンデンサを位置指示器に搭載した際に、位置指示器の書き味や感触が低下していた。
これに対し、本例の可変容量コンデンサ15は、弾性部材27の弾性力と導電部材26の曲面部26aの復元力とによって、導電部材26を誘電体22から離す方向に付勢している。また、図18Aに示すように、荷重を加えると曲線(矢印E)のように位相が変化し、除荷すると曲線(矢印F)のように位相が変化していることが分かる。この図18Aで示すように、従来の可変容量コンデンサ200よりもヒステリシスを小さくすることができ、ある荷重を加えた時と除荷した時の位相差(矢印H′)を小さくすることができる。その結果、筆圧のコントロールが容易にすることができ、可変容量コンデンサ15を位置指示器2に搭載した際に、位置指示器の書き味や感触を向上させることができる。
[位置検出装置の回路構成]
次に、本発明を適用した位置指示器2及び位置検出装置1の具体的な実施形態の回路構成例について、図19を参照して説明する。図19は、位置指示器2及び位置検出装置1の回路構成例を示すブロック図である。
位置指示器2は、位置指示コイル13と、この位置指示コイル13に接続された可変容量コンデンサ15と、この可変容量コンデンサ15に並列に接続される共振コンデンサ60aからなる共振回路61によって現される。
一方、位置検出装置1には、X軸方向ループコイル群104aと、Y軸方向ループコイル群104bとを積層させて設けることにより、位置検出コイル101が形成されている。各ループコイル群104a,104bは、例えば、それぞれ40本の矩形のループコイルからなっている。各ループコイル群104a,104bを構成する各ループコイルは、等間隔に並んで順次重なり合うように配置されている。
また、位置検出装置1には、X軸方向ループコイル群104a及びY軸方向ループコイル群104bが接続される選択回路106が設けられている。この選択回路106は、2つのループコイル群104a,104bのうちの一のループコイルを順次選択する。
さらに、位置検出装置1には、発振器103と、電流ドライバ105と、切り替え接続回路107と、受信アンプ108と、検波器109と、低域フィルタ110と、S/H回路112と、A/D変換回路113と、同期検波器116と、低域フィルタ117と、A/D変換回路119と、処理部114とが設けられている。
発振器103は、周波数f0の交流信号を発生し、電流ドライバ105と同期検波器116に供給する発振器103である。電流ドライバ105は、発振器10323から供給された交流信号を電流に変換して切り替え接続回路107へ送出する。切り替え接続回路107は、選択回路106によって選択されたループコイルが、後述する処理部114からの制御により、接続される接続先(送信側端子T、受信側端子S)を切り替える。この接続先のうち、送信側端子Tには電流ドライバ105が、受信側端子Rには受信アンプ108がそれぞれ接続されている。
選択回路106に選択されたループコイルに発生する誘導電圧は、選択回路106及び切り替え接続回路107を介して受信アンプ108に送られる。受信アンプ108は、ループコイルから供給された誘導電圧を増幅し、検波器109及び同期検波器116へ送出する。
検波器109は、ループコイルに発生した誘導電圧、すなわち受信信号を検波し、低域フィルタ110へ送出する。低域フィルタ110は、前述した周波数f0より充分低い遮断周波数を有しており、検波器109の出力信号を直流信号に変換してS/H(Sample Hold)回路112へ送出する。S/H回路112は、低域フィルタ110の出力信号の所定のタイミング、具体的には受信期間中の所定のタイミングにおける電圧値を保持し、A/D(Analog to Digital)変換回路113へ送出する。A/D変換回路113は、S/H回路112の出力をアナログ・ディジタル変換し、処理部114に出力する。
一方、同期検波器116は、受信アンプ108の出力信号を発振器103からの交流信号で同期検波し、それらの間の位相差に応じたレベルの信号を低域フィルタ117に送出する。この低域フィルタ117は、周波数f0より充分低い遮断周波数を有しており、同期検波器116の出力信号を直流信号に変換してS/H(Sample Hold)回路118に送出する。このS/H回路118は、低域フィルタ117の出力信号の所定のタイミングにおける電圧値を保持し、A/D(Analog to Digital)変換回路119へ送出する。A/D変換回路119は、S/H回路118の出力をアナログ・ディジタル変換し、処理部114に出力する。
処理部114は、位置検出装置1の各部を制御する。すなわち、処理部114は、選択回路106におけるループコイルの選択、切り替え接続回路107の切り替え、S/H回路112、118のタイミングを制御する。処理部114は、A/D変換回路113、119からの入力信号に基づき、X軸方向ループコイル群104a及びY軸方向ループコイル群104bから一定の送信継続時間をもって電波を送信させる。
X軸方向ループコイル群104a及びY軸方向ループコイル群104bの各ループコイルには、位置指示器2から送信される電波によって誘導電圧が発生する。処理部114は、この各ループコイルに発生した誘導電圧の電圧値のレベルに基づいて位置指示器2のX軸方向及びY軸方向の指示位置の座標値を算出する。また、処理部114は、送信した電波と受信した電波との位相差に基づいて筆圧を検出する。
次に、処理部114における処理の流れに沿った位置検出装置1の動作について、図20を参照して説明する。図20は、処理部114における処理の流れを示す図である。
まず、処理部114は、X軸方向ループコイル群104aの各ループコイルを順次走査・選択(以下、この順次走査・選択をグローバルスキャンする)する(ステップS1)。
このグローバルスキャンを具体的に説明すると、処理部114は、初めに、選択回路106にX軸方向ループコイル群104aのうちの1番目のループコイル、例えばX1を選択する情報を送出するとともに、切り替え接続回路107に送信側を選択する信号を送出する。これにより、発振器103からループコイルX1に周波数f0の正弦波信号が供給され、ループコイルX1が周波数f0の電波を発生する。このとき、位置検出装置1の上面300aに位置指示器2が接近或いは接触していると、ループコイルX1から発生した電波が、位置指示コイル13を有する共振回路61を励振する。その結果、共振回路61には、周波数f0の誘導電圧が発生する。
処理部114は、切り替え接続回路107に送信側端子Tを選択する信号を所定の一定時間送出すると、切り替え接続回路107に受信側端子Rを選択する信号を送出し、ループコイルX1より発生する電波を消滅させる。この際、位置指示器2の共振コンデンサ60a及び可変容量コンデンサ15を有する共振回路61に発生した誘導電圧は、その損失に応じて徐々に減衰し、共振回路61が周波数f0の電波を発信する。この電波は、前述のループコイルX1を逆に励振し、ループコイルX1に誘導電圧を発生させる。
処理部114は、切り替え接続回路107に受信側端子Rを選択する信号を一定時間送出すると、選択回路106にX軸方向ループコイル群104aのうちの2番目のループコイル、例えばループコイルX2を選択する情報を切り替え接続回路107に送出する。その後、処理部114が切り替え接続回路107に受信側端子Rを選択する信号を送出することにより、前述と同様な電波の送受信を行う。
以下、処理部114が同様の処理を実行することにより、X軸方向ループコイル群104aのうちの3番目から40番目までのループコイル、例えばループコイルX3〜X40が順次走査・選択される。その結果、ループコイルX3〜X40において、電波の送受信が行われる。
なお、ステップS1の処理において、処理部114は、X軸方向ループコイル群104aの全てのループコイルを選択することなく、選択するループコイルを1つ置き、2つ置き、というように適当に間引いてもよい。また、一のループコイルに対する電波の送受信を複数回行うようにしてもよい。さらに、各ループコイルに対する送信時間、並びに各ループコイルに対する受信時間は等しくなければならないが、送信時間と受信時間は必ずしも同一でなくてもよい。
前述した受信期間中にX軸方向ループコイル群104aのループコイルに発生した誘導電圧、すなわち受信信号は、検波器109で検波されて直流信号に変換され、低域フィルタ110で平滑化される。そして、S/H回路112によって所定のタイミングでホールドされ、A/D変換回路113を介することにより、電圧値として処理部114へ送出される。
図21は、前述したX軸グローバルスキャン動作(図20のステップS1)における各部の波形の一例を示すものである。図21において、(a)は位置検出コイル101から送信される電波、(b)は共振回路61に発生した誘導電圧、(c)は位置検出装置1が受信した受信信号、(d)はS/H回路112の出力信号を示している。
ここで、S/H回路112の出力レベルは位置指示器2とループコイルとの間の距離に依存した値となる。そのため、処理部114は、S/H回路112の出力レベルの最大値が予め設定した一定値以上であるか否かを判別し(ステップS2)、位置指示器2が位置検出装置1の有効読取り高さ内にあるか否かを判定する。
ステップS2の処理において、S/H回路112の出力レベルの最大値が予め設定した一定値以上ではない、つまり、位置指示器2が有効読取り高さ内にないと判定した場合(ステップS2の“NO”)、処理部114は、処理をステップS1に戻す。
一方、位置指示器2が有効読取り高さ内にあると判定した場合(ステップS2の“yes”)、処理部114は、各ループコイルX1〜X40のうち最大値が得られたループコイル(以下、ピークコイルと称す。)を抽出し、その番号(本例では「X7」)を記憶する(ステップS3)。
次に、処理部114は、Y軸方向ループコイル群104bの各ループコイルを順次走査・選(グローバルスキャン)し(ステップS4)、Y軸方向ループコイル群104bの各ループコイルにおける電波の送受信を行う。
図22は、Y軸グローバルスキャン動作における各部の波形の一例を示すものである。図22において、(a)、(b)、(c)、(d)に示す各信号は図21の(a)、(b)、(c)、(d)に示す信号と同様の信号である。
次に、処理部114は、各ループコイルY1〜Y40のうち最大値が得られたループコイル(以下、ピークコイルと称す。)を抽出し、その番号(本例では「Y5」)を記憶する(ステップS5)。
次に、処理部114は、X軸方向ループコイル群104aのうちのピークコイルを中心として、そのピークコイルに隣接する所定の数のループコイル、例えば5つのループコイルについて電波の送受信を行う。この電波の送受信において、電波を送信するとき、すなわち切り替え接続回路107で送信側端子Tを選択するときには、処理部114が常にピークコイル(本例では「ループコイルX7」)を選択する。一方、電波を受信するとき、すなわち切り替え接続回路107で受信側端子Rを選択するときには、処理部114は、ループコイル(本例では5つ)を番号の小さい方から大きい方(又は大きい方から小さい方)へ順次走査・選択(セクタスキャン)する(ステップS6)。
X軸セクタスキャン動作が終了すると、処理部114は、Y軸方向ループコイル群104bのうちのピークコイルを中心とする所定の数、例えば5つのループコイルについて電波の送受信を行う。この電波の送受信において、電波を送信するとき、すなわち切り替え接続回路107で送信側端子Tを選択するときには、処理部114が常にピークコイル(本例では「ループコイルY5」)を選択する。一方、電波を受信するとき、すなわち切り替え接続回路107で受信側端子Rを選択するときには、処理部114は、ループコイル(本例では5つ)を番号の小さい方から大きい方(又は大きい方から小さい方)へ順次走査・選択(セクタスキャン)する(ステップS7)。
図23は、X軸セクタスキャン動作及びY軸セクタスキャン動作における各部の波形の一例を示すものである。図23において、(a)、(b)、(c)、(d)に示す各信号は図21の(a)、(b)、(c)、(d)に示す信号と同様の信号である。
Y軸セクタスキャン動作が終了すると、処理部114は、ステップS6,S7の処理で得られた誘導電圧の最大値が予め設定した一定値以上か否かを判別し(ステップS8)、位置指示器2が位置検出装置1の有効読取り高さ内にあるか否かを判定する。
ステップS8の処理において、S/H回路112の出力レベルの最大値が予め設定した一定値以上ではない、つまり、位置指示器2が有効読取り高さ内にないと判定した場合(ステップS8の“NO”)、処理部114は、処理をステップS1に戻す。
一方、位置指示器2が有効読取り高さ内にあると判定した場合(ステップS8の“yes”)、処理部114は、最大の誘導電圧が得られたX軸方向のピークコイル及びY軸方向のピークコイルを抽出し、それぞれの番号を記憶する(ステップS9)。
次に、処理部114は、X軸方向及びY軸方向のセクタスキャン毎にレベルの大きい順に複数、例えば3つの誘導電圧をそれぞれ抽出し、これらの信号に基づいて位置指示器2による指示位置のX軸方向及びY軸方向の座標値を求める(ステップS10)。このX軸方向及びY軸方向の座標値は、本出願人が先に出願した特許第2131145号で述べているような周知の座標計算を実行することにより算出することができる。
次に、処理部114は、送信した電波と受信した電波の位相差に応じた信号のレベルから筆圧を検出する(ステップS12)。以下、位置指示器2が有効読取り高さ内にあり続ける限り、処理部114は、ステップS6〜S11の処理を繰り返し、有効読取り高さ内にないと判定した場合にステップS1の処理に復帰する。
このように、位置検出装置1では、接近した位置指示器2の位置を処理部114で検出することができる。しかも、受信した信号の位相を検出することにより、位置指示器2の筆圧値の情報を得ることができる。
図24は、位置指示器2に設けられる共振回路の第2実施形態を示す説明図である。この共振回路62は、位置指示コイル13と、可変容量コンデンサ15によって構成されている。共振回路の第1実施形態である共振回路61(図19を参照)では、可変容量コンデンサ15と共振コンデンサ60aを並列に接続して並列共振回路を構成した。しかしながら、本発明に係る共振回路としては、図24に示すように、コンデンサとして可変容量コンデンサ15だけを用いて構成することもできる。
次に、本発明に係る位置指示器の他の実施形態について、図25を参照して説明する。図25は、本発明に係る位置指示器の他の実施形態を示す電気回路図である。なお、この図25の説明において、図19と対応する部分には、図19と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
位置指示器2Aは、位置検出装置1に設けられた位置検出コイル101(図19を参照)から送出されるf0の周波数で共振する共振回路121を有している。この共振回路121は、位置指示コイル13と共振コンデンサ60aとによって構成されている。また、位置指示器2Aの回路基板には、周知のCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)技術による集積回路(IC:Integrated Circuit)122が配置される。この集積回路122は、ダイオード123とコンデンサ124とから構成される駆動電源によって駆動される。
このダイオード123は、共振回路121に接続されている。そして、このダイオード123には、位置検出コイル101から供給される励磁信号に基づいて共振回路121に発生する交流電圧が印加される。この交流電圧は、ダイオード123とコンデンサ124とによって整流され、さらに直流に変換されて、集積回路122の駆動電源とされる。また、共振回路121に発生した信号は、コンデンサ125を介して集積回路122にも供給される。この集積回路122は、コンデンサ125を介して供給される信号に基づいて、位置指示器2Aと位置検出装置1との間で信号の送受信を行うために使用されるクロック信号及び筆圧検出のためのクロック信号を生成する。
可変容量コンデンサ15は、上述したように、芯体12(図2を参照)に加えられる筆圧によってその容量が変化する。この可変容量コンデンサ15は、抵抗(図示せず)と接続されて時定数回路を構成している。したがって、可変容量コンデンサ15の容量が筆圧に応じて変化すると、時定数回路の時定数が変化する。そして、この時定数は、集積回路122で、所定のビット数、例えば8ビットの筆圧値に変換される。
このようにして求められた筆圧データ(8ビットの筆圧値)は、前述した位置検出装置1と位置指示器2Aとの間の信号の送受信に供されるクロック信号に同期して1ビットずつ集積回路122から出力される。この出力により、集積回路122は、共振回路121に並列的に接続されたスイッチ60bのON/OFFの切替を制御する。したがって、このスイッチ60bがオフの際には、位置検出装置1が位置指示器2Aからの信号を検出する。そして、スイッチ60bがオンの際には、共振回路121が短絡されるため、位置指示器2Aから送出された信号は、位置検出装置1で検出できない。
これにより、位置検出装置1は、位置検出コイル101から一定時間、位置指示器2Aに電力を供給するための励磁信号を送信し、その後、位置指示器2Aから送出される信号を検出することで、芯体12に加えられる筆圧を求めることができる。
尚、本発明は前述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。端子部材にコイルばねを適用した例を説明したが、コイルばねだけでなく、板ばね等のその他各種の弾性を有する部材を端子部材に適用してもよい。また、弾性部材の接続部を導電部材の底面部に接触させる構成としたが、導電部材の側面部に接触するように弾性部材を形成してもよい。