JP5407927B2 - ネットワーク設計装置、ネットワーク設計方法およびネットワーク設計プログラム - Google Patents

ネットワーク設計装置、ネットワーク設計方法およびネットワーク設計プログラム Download PDF

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Description

本発明は光ネットワークの設計に用いるネットワーク設計装置、ネットワーク設計方法およびネットワーク設計プログラムに関する。
通信ネットワーク、特に、基幹回線網(コアネットワーク)では、一層の高速化・広帯域化が進められている。コアネットワークとしては、波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)を用いた光ネットワークが利用されることがある。光ネットワークでは、光信号が光ファイバ内を伝搬する間に、波長分散によって波形歪みが生じる。波長分散は、光ファイバ内での伝搬速度が波長毎に異なるために生じる分散である。波長分散量は、光信号が通過する光ファイバの長さや材質などに応じて異なる。
波長分散は、終点ノードが光信号から情報を抽出する際のビット誤りの原因となる。光信号が終点ノードに到達するまでの累積の波長分散量が大きいほど、ビット誤りも大きくなる傾向にある。そこで、光ネットワークでは、分散補償器(DCM:Dispersion Compensation Module)を、光ファイバの端点などに設けることがある。分散補償器は、光ファイバの分散特性と逆の特性をもつ光学機器であり、例えば、逆特性をもつ光ファイバを利用できる。光信号を分散補償器に通すことで、累積の波長分散量を低減できる。
ここで、光ネットワークを設計する際には、終点ノードにおいて許容するビット誤り率(例えば、10の−15乗)を設定することが多い。そこで、許容されるビット誤り率を考慮して、何れの経路を通っても、終点ノードにおける累積の波長分散量が一定の範囲内に収まるようにすることが好ましい。これに対し、各経路の累積の波長分散量の全てが、伝送可能条件として設定された許容範囲内になるように、各経路に備えられた分散補償器の補償量を設定する分散補償設計方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、複数の経路から最適経路を選択する方法に関して、始点ノードから終点ノードに向かって伝送特性情報を累積的に伝達し、終点ノードにおける累積の伝送特性情報に基づいて最適経路を選択する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
国際公開第2005/006604号 国際公開第2005/032076号
ここでは、始点ノードから終点ノードに至る複数の経路から、波長分散を考慮して、光信号の伝送に用いる経路を選択することを考える。しかし、上記特許文献2の方法では、終点ノードにおける累積の伝送特性情報を考慮しているに過ぎないため、光信号の歪みを抑制し伝送品質を向上させる点で改善の余地がある。その理由は以下の通りである。
光ネットワークでは、途中のノードにおいて、光増幅器を用いて光信号を増幅することがある。光増幅器は、非線形な特性を備える。そのため、累積の波長分散量が大きい光信号を増幅すると、その後に光信号を分散補償器に通しても非線形な成分が残ってしまい、歪みを十分に補償することができない。一方で、累積の波長分散量が極端にゼロに近い場合にも、光信号に非線形な歪みが生じる。これは、光信号のパワーが過度に集中すると、光増幅器から光ファイバへ光信号を入力する際に、強い非線形効果が生じるためである。従って、経路途中における光信号の状態も考慮して、経路を選択することが好ましい。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、光ネットワークについて光信号の歪みを抑制できる経路を選択することができるネットワーク設計装置、ネットワーク設計方法およびネットワーク設計プログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、複数のノードとノード間を接続する複数のリンクとを含む光ネットワークの設計を支援するネットワーク設計装置が提供される。このネットワーク設計装置は、記憶部と経路選択部とを有する。記憶部は、複数のリンクそれぞれの距離と波長分散量とを示す情報を記憶する。経路選択部は、記憶部を参照して、始点ノードから終点ノードに至る複数の経路の中から、光信号の伝送に用いる経路を選択する。経路選択部は、経路上の各ノードにおける、始点ノードから当該ノードまでの累積の波長分散量と始点ノードから当該ノードまでの距離に応じて決まる規準量との差に基づいて、光信号の伝送に用いる経路を選択する。
また、上記課題を解決するために、上記のネットワーク設計装置と同様の処理を行うネットワーク設計方法、および、同様の処理をコンピュータに実行させるネットワーク設計プログラムが提供される。
上記ネットワーク設計装置、ネットワーク設計方法およびネットワーク設計プログラムによれば、光ネットワークにおいて光信号の歪みを抑制できる経路を選択できる。
第1の実施の形態のネットワーク設計装置を示す図である。 第2の実施の形態の光ネットワークシステムを示す図である。 波長分散の変化例を示す図である。 ネットワーク設計装置のハードウェアを示すブロック図である。 ネットワーク設計装置の機能を示すブロック図である。 光ネットワークのトポロジ例を示す図である。 ネットワーク情報テーブルの構造例を示す図である。 第1の経路判定方法を示すフローチャートである。 累積分散の増加量規準値の算出例を示す図である。 累積分散の増加量誤差の算出例を示す図である。 経路誤差テーブルの構造例を示す図である。 第2の経路選択方法を示すフローチャートである。 スパン誤差テーブルの構造例を示す図である。 第3の経路判定方法を示すフローチャートである。 第4の経路判定方法を示すフローチャートである。 第5の経路判定方法を示すフローチャートである。 最短経路を除いたトポロジ例を示す図である。 第6の経路判定方法を示すフローチャートである。 第7の経路判定方法を示すフローチャートである。 リンク冗長経路の例を示す図である。 第8の経路判定方法を示すフローチャートである。 ノード冗長経路の例を示す図である。 第9の経路判定方法を示すフローチャートである。 第10の経路判定方法を示すフローチャートである。
以下、本実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態のネットワーク設計装置を示す図である。ネットワーク設計装置1は、複数のノードとノード間を接続する複数のリンクとを含む光ネットワークの設計を支援する。ネットワーク設計装置1は、光ネットワークの管理者が使用する管理装置であってもよい。また、ネットワーク設計装置1は、所定のネットワーク設計プログラムを実行するコンピュータであってもよい。
ここでは、光ネットワークのトポロジや各リンクの伝送特性が与えられている状況で、光ネットワーク設計装置1を用いて、始点ノードから終点ノードに至る複数の経路の中から適切な経路を選択することを考える。経路選択は、既に構築されている光ネットワークを対象に行ってもよいし、これから構築する光ネットワークを対象に行ってもよい。始点ノードおよび終点ノードは、経路選択時に複数のノードの中から指定されてもよい。ネットワーク設計装置1は、記憶部1aと経路選択部1bとを有する。
記憶部1aは、複数のリンクそれぞれの距離と波長分散量とを示す情報を記憶する。波長分散量を示す情報には、光ファイバ自体の波長分散量(光信号が通過することで生じる波長分散量)を示す情報と、光ファイバの端点(入力点または出力点)に設けた分散補償器による波長分散の補償量を示す情報とが含まれてもよい。その場合、光ファイバ自体の波長分散量と補償量とから、そのリンクの実質的な波長分散量を算出することができる。
経路選択部1bは、記憶部1aに記憶された情報に基づいて、複数の経路の中から光信号の伝送に用いる経路を選択する。具体的には、経路選択部1bは、経路上の各ノードにおける、始点ノードから当該ノードまでの累積の波長分散量と、始点ノードから当該ノードまでの距離に応じて決まる規準量との差を算出する。そして、算出した差に基づいて、光信号の伝送に用いる経路を選択する。
例えば、経路選択部1bは、始点からあるノードまでの間に通過するリンクの波長分散量を合計して累積の波長分散量を算出すると共に、通過するリンクの距離の合計に単位距離当たり規準量を掛けて規準量を算出し、累積の波長分散量と規準量との差を算出する。または、リンク毎に、距離に単位距離当たり規準量を掛けたリンク毎規準量と波長分散量との差を算出し、通過するリンクの当該差を合計する。単位距離当たり規準量は、固定値でもよいし、記憶部1aに記憶された情報を用いて算出した値でもよい。
また、例えば、経路選択部1bは、各経路について、通過する複数のノードそれぞれについての算出した差(累積の波長分散量と規準量との差)の最大値を、その経路の特徴量として選択する。そして、特徴量の最も小さい経路を、光信号の伝送に用いる経路として選択する。算出した差の最大値に代えて平均値を特徴量として用いてもよい。また、例えば、経路選択部1bは、始点ノードから終点ノードに至る全ての経路を列挙し、全ての経路について上記計算を行って特徴量同士を比較する。または、全ての経路を列挙せず、探索アルゴリズムを用いて、特徴量が最小となる経路を探索することもできる。
ここで、図1に示すように、始点ノードn0から終点ノードn5に至る経路として、n0−n1−n2−n5とn0−n3−n4−n5の2つの経路があるとする。2つの経路は、終点ノードn5における累積の波長分散量は同じである。しかし、前者の経路は、途中のノードn1,n2において、累積の波長分散量が規準量から外れている。一方、後者の経路は、途中のノードn3,n4において、累積の波長分散量が規準量に近い。この場合、経路選択部1bは、後者の経路を光信号の伝送に用いる経路として選択する。
このような第1の実施の形態に係るネットワーク設計装置1では、複数のリンクそれぞれの距離と波長分散量とを示す情報が、記憶部1aに記憶される。そして、経路選択部1bにより、記憶部1aに記憶された情報に基づいて、始点ノードから終点ノードに至る複数の経路の中から光信号の伝送に用いる経路が選択される。経路の選択は、経路上の各ノードにおける、始点ノードから当該ノードまでの累積の波長分散量と始点ノードから当該ノードまでの距離に応じて決まる規準量との差に基づいて行われる。
これにより、光信号の歪みが抑制される経路を選択でき、光ネットワークの伝送品質を向上させることができる。すなわち、終点ノードにおける累積の波長分散量だけでなく、途中のノードにおける累積の波長分散量も、規準量に近くなる経路を選択することができる。このため、途中のノードにおいて累積の波長分散量が極端に大きいことやゼロに近いことで生じる非線形歪みを抑制することができる。なお、累積の波長分散量は負の値をとることもある。その場合、累積の波長分散量の絶対値が、極端に大きくなることやゼロに近くなることを回避すればよい。
[第2の実施の形態]
図2は、第2の実施の形態の光ネットワークシステムを示す図である。第2の実施の形態に係る光ネットワークシステムは、ネットワーク設計装置10と光ネットワーク20とを備える。ネットワーク設計装置10は、光ネットワーク20に接続されている。
ネットワーク設計装置10は、光ネットワーク20の管理者が使用する管理用コンピュータである。ネットワーク設計装置10は、光信号の伝送経路の設計にも使用される。光ネットワーク20は、波長分割多重を用いて光信号を伝送する通信ネットワークである。光ネットワーク20は、光伝送装置21,22を含む複数の光伝送装置(ノード)を備える。各光伝送装置は、光ファイバで他の光伝送装置と接続されている。また、分散補償器を備えている。分散補償器は、光ファイバの入力端および出力端の少なくとも一方に設けられる。ただし、以下の説明では、光ファイバの出力端に設けられているものとする。
図3は、波長分散の変化例を示す図である。図3のグラフでは、横軸は始点ノードからのホップ数(すなわち、経由したノード数)を示し、縦軸は光信号の累積の波長分散量(以下、累積分散と呼ぶことがある)を示している。波長分散量は、例えば、ピコ秒毎ナノメートル(ps/nm)として表現できる。これは、パルスの広がりを表すものであり、1nmのスペクトル幅につき到達タイミングが何psずれるかを示している。
累積分散は、始点ノードが光信号を送信してからホップ数=1のノード(ノード#1)に到達するまでの間、光ファイバ内での伝送距離に比例して増加する。前述の通り、各ノードの光信号の受信端に分散補償器が設けられているため、光信号がノード#1に到達すると、分散補償により累積分散が減少する。ただし、ノード#1における分散補償後の累積分散は、ゼロではなく正の値が残っている。
同様に、累積分散は、光信号がノード#1からホップ数=2のノード(ノード#2)に到達するまでの間、伝送距離に比例して増加する。光信号がノード#2に到達すると、分散補償により累積分散が減少する。ただし、ノード#1と同様、ノード#2における補償後の累積分散は、ゼロではなく正の値が残る。以下、光信号が終点ノードであるホップ数=5のノード(ノード#5)に到達するまで、累積分散の増加と減少が繰り返される。
終点ノードは、受信した光信号から情報を抽出する。通信品質を維持するためには、終点ノードにおけるビット誤り率が一定(例えば、10の−15乗)以下になることが好ましい。そこで、終点ノードにおける累積分散は、許容されるビット誤り率に対応して、一定の許容範囲内にあることが好ましい。更に、非線形な歪みを抑制するため、経路上の各ノードにおける累積分散は、過度に大きな値やゼロに近い値にならないことが好ましい。
以上の理由から、累積分散は、光信号が始点ノードから終点ノードへ伝送される間に、許容するビット誤り率に応じた許容範囲に収まるよう緩やかに収束することが好ましい。図3において、ライン31は累積分散の上限を示し、ライン32は累積分散の下限を示している。伝送途中での補償前および補償後の各累積分散は、できる限りライン31とライン32とで挟まれる範囲に収まっていることが望ましい。また、ライン33は、最終的な累積分散が許容範囲の中心になる場合の、理想的な増加直線である。経路上の各ノードにおける補償後の累積分散は、ライン33に近いことが好ましい。
ただし、光ファイバの波長分散量および分散補償器の補償量が所与の条件である場合、累積分散がどのように変化するかは、光信号の辿る経路によって異なる。すなわち、始点ノードから終点ノードに至る経路が複数ある場合、伝送途中の累積分散の変化が上記条件を満たすように、複数の経路の中から使用する経路を選択することが好ましい。なお、図3では、ノードを通過する毎に正の波長分散量が徐々に累積されていく場合を示したが、負の波長分散量が徐々に累積されてもよい。以下では、累積分散が正の値をとるように分散補償器の補償量が設定されている場合を考える。
図4は、ネットワーク設計装置のハードウェアを示すブロック図である。ネットワーク設計装置10は、CPU(Central Processing Unit)11、RAM(Random Access Memory)12、HDD(Hard Disk Drive)13、グラフィック処理部14、入力インタフェース15、ディスクドライブ16および通信部17を有する。これらユニットは、ネットワーク設計装置10内部のバス18に接続されている。
CPU11は、ネットワーク設計装置10全体の制御を行う。CPU11は、HDD13に格納されているプログラムを読み出し、RAM12に展開して実行する。例えば、ネットワーク設計装置10の起動時に、OS(Operating System)プログラムの実行を開始し、その後のユーザの操作に応じて、ネットワーク設計プログラムを実行する。
RAM12は、CPU11で実行されるプログラムおよび処理に用いられるデータの少なくとも一部を一時的に記憶するメモリである。CPU11により適宜、RAM12に対してプログラムやデータの読み書きが行われる。なお、RAM12に代えて(または、RAM12と共に)、他の種類のメモリを用いてもよい。
HDD13は、CPU11で実行されるプログラムや処理に用いられるデータを格納する補助記憶装置である。HDD13に格納されるプログラムには、OSプログラムやネットワーク設計プログラムが含まれる。なお、HDD13に代えて(または、HDD13と共に)、SSD(Solid State Drive)など他の種類の補助記憶装置を用いてもよい。
グラフィック処理部14は、ディスプレイ14aに接続されている。グラフィック処理部14は、CPU11の制御のもと、表示画面の画像信号を生成し、ディスプレイ14aに出力する。ディスプレイ14aに表示される画面には、ネットワーク情報の入力画面や経路判定結果の表示画面などが含まれる。
入力インタフェース15は、入力デバイス15aに接続されている。入力デバイス15aとして、例えば、キーボード、マウス、タッチパネルなどを用いることができる。入力インタフェース15は、入力デバイス15aに対するユーザの操作を検知し、操作に応じた入力信号をCPU11に出力する。
ディスクドライブ16は、可搬記録媒体16aからプログラムやデータを読み取る駆動装置である。可搬記録媒体16aとしては、例えば、フレキシブルディスク(FD)などの磁気ディスク、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などの光ディスク、光磁気ディスク(MO:Magneto-Optical disk)を用いることができる。可搬記録媒体16aには、ネットワーク設計プログラムが記録されていてもよい。
通信部17は、光ネットワーク20に接続されている。通信部17は、CPU11の制御のもと、光伝送装置21,22(および、他の光伝送装置)と通信を行う。例えば、通信部17は、光伝送装置21,22から、通信状態を示す制御情報を収集する。また、光伝送装置21,22に、設定変更のためのコマンドを送信する。
このようなコンピュータとしてのネットワーク設計装置10に、所定のネットワーク設計プログラムを実行させることで、以下に説明する処理を実現することができる。なお、ネットワーク設計装置10を、汎用のコンピュータとしてではなく、専用装置として実装してもよい。その場合、以下に説明する処理を実現する専用の回路を搭載してもよい。
図5は、ネットワーク設計装置の機能を示すブロック図である。ネットワーク設計装置10は、ネットワーク情報取得部110、ネットワーク情報記憶部120、判定方法選択部130、経路判定部140、判定情報記憶部150および経路提示部160を有する。ネットワーク設計装置10がネットワーク設計プログラムを実行することで、これらモジュールの機能がネットワーク設計装置10上で実現される。
ネットワーク情報取得部110は、光ネットワーク20のトポロジおよび伝送特性を示す情報(ネットワーク情報)を取得する。例えば、ネットワーク情報取得部110は、ユーザにネットワーク情報の入力を促し、ユーザが入力した(または、ユーザが指定した場所に記憶されている)ネットワーク情報を取得する。そして、取得したネットワーク情報を、ネットワーク情報記憶部120に格納する。
ネットワーク情報記憶部120は、ネットワーク情報を記憶する。ネットワーク情報記憶部120は、例えば、CPU11によって割り当てられたRAM12上の記憶領域、または、HDD13内の記憶領域である。ネットワーク情報は、経路判定部140から読み出される。
判定方法選択部130は、複数の経路判定方法の中から、使用する1またはそれ以上の経路判定方法を選択する。判定方法選択部130は、経路判定の開始時にユーザに経路判定方法を指定させてもよい。また、所定の経路判定方法を選択してもよい。そして、判定方法選択部130は、選択した経路判定方法を経路判定部140に通知する。なお、始点ノードおよび終点ノードは、ネットワーク情報記憶部120に記憶されたネットワーク情報で指定されていてもよいし、経路判定の開始時にユーザが指定してもよい。
経路判定部140は、ネットワーク情報記憶部120からネットワーク情報を取得し、判定方法選択部130から通知された経路判定方法を用いて、始点ノードから終点ノードに至る最適経路を判定する。複数の経路判定方法が通知された場合、逐次または並列に複数の経路判定方法を実行し、判定方法毎に最適経路を判定する。その場合、更に所定の評価基準(例えば、OSNR(Optical Signal Noise Ratio))に従って、判定方法毎の最適経路の中から総合的に最適な経路を選択してもよい。そして、経路判定部140は、判定結果を判定情報記憶部150に格納する。なお、経路判定部140は、判定結果の他に処理途中に生成した中間情報を、判定情報記憶部150に格納することもできる。
判定情報記憶部150は、経路判定部140による経路判定の中間情報および判定結果を記憶する。判定情報記憶部150は、例えば、CPU11によって割り当てられたRAM12上の記憶領域、または、HDD13内の記憶領域である。中間情報は経路判定部140から適宜読み出され、判定結果は経路提示部160から読み出される。
経路提示部160は、判定情報記憶部150から判定結果を取得し、最適経路をユーザに提示する。例えば、経路提示部160は、最適経路をディスプレイ14aに表示する。経路判定部140が複数の経路判定方法を実行した場合、経路提示部160は、判定方法毎の最適経路を提示してもよいし、総合的な最適経路を提示してもよい。
これにより、ユーザは、波長分散の観点から最適な経路(または、最適な経路の候補)を知ることができる。最適経路が決まると、ユーザは、例えば、経路設定のためのコマンドを各ノードに対して発行する。
図6は、光ネットワークのトポロジ例を示す図である。第2の実施の形態では、始点ノード(ノードns)から終点ノード(ノードnd)に至る経路の判定方法を説明するために、図6に示すトポロジを考える。
すなわち、光ネットワーク20は、ノードns,nd,n1〜n6を備える。ノードnsは、ノードn1,n3と隣接する。ノードn1は、ノードns,n2,n3,n5と隣接する。ノードn2は、ノードn1,n4,n6,ndと隣接する。ノードn3は、ノードns,n1,n4と隣接する。ノードn4は、ノードn2,n3と隣接する。ノードn5は、ノードn1,n6と隣接する。ノードn6は、ノードn2,n5,ndと隣接する。ノードndは、ノードn2,n6と隣接する。
なお、図6ではノード間を接続するリンクを1本のみ記載しているが、実際にはノード間には上り・下り2本のリンクが設けられる。ノード間に設ける2本のリンクは、伝送特性が同じであるとは限らない。すなわち、上りと下りで、リンクの距離や波長分散量が異なる場合もある。
図7は、ネットワーク情報テーブルの構造例を示す図である。ネットワーク情報テーブル121には、光信号の1つの伝送区間であるスパン(第2の実施の形態の場合、リンクと同義)毎の伝送特定が登録されている。ネットワーク情報テーブル121は、ネットワーク情報記憶部120に格納される。ネットワーク情報テーブル121には、入力点、出力点、距離、分散および補償量の項目が設けられている。
入力点の項目には、スパンの入力端(光信号の入力側)のノードを示す識別情報が設定される。出力点の項目には、スパンの出力端(光信号の出力側)のノードを示す識別情報が設定される。距離の項目には、光信号の伝送距離(単位はkm)が設定される。分散の項目には、光ファイバ自体の伝送特性としての波長分散量(単位はps/nm)が設定される。複数の光ファイバが直列接続されている場合、それら光ファイバの波長分散量の合計が設定される。補償量の項目には、出力側のノードに設けられた分差補償器の補償量(単位はps/nm)が設定される。累積分散の減少は、負の補償量として表現される。
例えば、入力点=ns,出力点=n1,距離=20km,分散=340ps/nm,補償量=−290ps/nmという情報がネットワーク情報テーブル121に登録される。これは、始点ノードから送信された光信号が20kmの光ファイバを通過してノードn1に到達すると、実質的に累積分散が50ps/nm(=340ps/nm−290ps/nm)増加することを意味する。
なお、分散補償がスパンの入力端で行われる場合や入力端・出力側端の両方で行われる場合にも、ネットワーク情報テーブル121と同様に補償量を記載することができる。また、光ファイバ自体の伝送特性としての波長分散量と補償量とを分けず、累積分散の実質的な増加量をネットワーク情報テーブル121に記載してもよい。また、図7には、ノード間の上り・下りのスパンのうち何れか一方向の情報のみを示しているが、ネットワーク情報テーブル121には、他の方向の情報も登録されている。
以下、図6に示したトポロジと図7に示したネットワーク情報とを参照して、経路判定部140が実行する経路判定方法の例として、第1〜第10の経路判定方法を説明する。
<第1の経路判定方法>
図8は、第1の経路判定方法を示すフローチャートである。図8に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
(ステップS11) 経路判定部140は、ネットワーク情報記憶部120に記憶されたネットワーク情報テーブル121から、ネットワーク情報を取得する。
(ステップS12) 経路判定部140は、ネットワーク情報が示すノード間の接続関係に基づいて、始点ノードnsから終点ノードndへ至る最短経路を探索する。最短経路は、距離を各区間のコストとして用いて、ダイクストラ法により探索することができる。
(ステップS13) 経路判定部140は、ステップS12で探索した最短経路の距離に基づいて、累積分散の増加量規準値を算出する。増加量規準値は、単位距離当たりの累積分散の増加量の規準値である。増加量規準値の単位は、ps/nm/kmである。
具体的には、まず経路判定部140は、終点ノードにおいて許容される累積分散の中心値を求める。累積分散の許容範囲は、許容されるビット誤り率から決まる。そして、経路判定部140は、増加量規準値=許容される累積分散の中心値÷最短経路の距離×係数を算出する。係数は、他の経路の距離が最短経路より長いことに伴う単位距離当たりの増加量の調整を意味し、1より小さい正数(例えば、0.8)が用いられる。
(ステップS14) 経路判定部140は、始点ノードから終点ノードに到達するための経路を全て列挙する。そして、経路判定部140は、ネットワーク情報の「分散」および「補償量」に基づいて、経路毎にその経路上の各ノードにおける累積分散を算出する。累積分散としては、補償後の値を用いる。また、経路判定部140は、ステップS13で算出した増加量規準値を用いて、各ノードにおける累積分散の規準値を算出する。具体的には、経路毎に、あるノードの規準値=始点ノードから当該ノードまでの距離(通過したスパンの距離の合計)×増加量規準値を算出する。
(ステップS15) 経路判定部140は、経路毎に、その経路上の各ノードにおける累積分散の増加量誤差=累積分散−累積分散の規準値を算出する。
(ステップS16) 経路判定部140は、ステップS15で算出した増加量誤差に基づいて、経路毎に最大増加量誤差を算出する。最大増加量誤差は、複数のノードそれぞれにおける増加量誤差の絶対値のうち最大のものである。
(ステップS17) 経路判定部140は、ステップS16で算出した最大増加量誤差が最小である経路を、最適経路として選択する。なお、最大増加量誤差が最小の経路が複数存在する場合、それら複数の経路全てを最適経路として選択してもよいし、それら複数の経路のうち最も距離の短いものを最適経路として選択してもよい。
このように、経路判定部140は、始点ノードから終点ノードへの最短経路の距離に基づいて、単位距離当たりの累積分散の増加量の規準値を決定する。そして、経路途中の各ノードにおける累積分散と規準値との誤差を算出し、誤差ができる限り小さくなる経路を最適経路と判断する。
図9は、累積分散の増加量規準値の算出例を示す図である。ここでは、終点ノードにおける累積分散の許容範囲が160〜440ps/nm、係数が0.8であるとする。図6,7に示したトポロジ例の場合、ノードをns,n1,n2,ndの順に辿る経路が最短経路である。よって、最短経路の距離は20+20+20=60kmである。また、累積分散の許容範囲の中心値は、(160+440)÷2=300ps/nmである。
従って、累積分散の増加量規準値は、300ps/nm÷60km×0.8=4.0ps/nm/kmと求められる。このような計算が、上記ステップS13において実行される。そして、この増加量規準値に基づいて、各ノードの増加量誤差が算出される。
図10は、累積分散の増加量誤差の算出例を示す図である。図10は、図6,7に示したトポロジ例において、ノードをns,n3,n4,n2,n6,ndの順に辿る経路の累積分散およびその規準値を示している。また、ここでは、増加量規準値=4ps/nm/kmであるとする。
ノードn3について、累積分散は255−190=65ps/nmであり、規準値は15km×4ps/nm/km=60ps/nmである。よって、増加量誤差は65−60=+5ps/nmとなる。また、ノードn4について、累積分散は65+255−195=125ps/nmでり、規準値は(15+15km)×4ps/nm/km=120ps/nmである。よって、増加量誤差は125−120=+5ps/nmとなる。以下同様に、ノードn2の増加量誤差は0ps/nm、ノードn6の増加量誤差は+5ps/nm、ノードndの増加量誤差は+5ps/nmと算出される。
このような計算が、上記ステップS14,S15において実行される。また、上記ステップS16において、この経路の最大増加量誤差が5ps/nmと算出される。なお、経路判定部140は、ステップS14の処理を全経路について行ってからステップS15に進み、ステップS15の処理を全経路について行ってからステップS16に進むようにしてもよい。または、経路毎にステップS14〜S16の処理を通して行ってもよい。
図11は、経路誤差テーブルの構造例を示す図である。経路誤差テーブル151は、経路判定部140が第1の経路判定方法の実行途中で生成し、判定情報記憶部150に格納するテーブルである。図11に示すように、図6,7のトポロジ例の場合、始点ノードから終点ノードへ至る経路は12通り存在する。ただし、ループが発生しないよう、同一のノードおよびスパンを2回以上通過しないという条件を付している。
経路誤差テーブル151には、上記ステップS14で列挙した経路それぞれについて、通過するノードの識別情報が通過順序に従って登録される。また、通過するノードの識別情報に対応付けて、当該ノードにおける増加量誤差の絶対値が登録される。例えば、最短経路(経路#1)について、n1=30,n2=70,nd=90という情報が登録される。この経路の最大増加量誤差は90ps/nmである。また、図10に示した経路(経路#12)について、n3=5,n4=5,n2=0,n6=5,nd=5という情報が登録される。この経路の最大増加量誤差は5ps/nmである。
このように、経路誤差テーブル151を作成することで、始点ノードから終点ノードに至る各経路について、最大増加量誤差を算出することができる。図6,7に示したトポロジ例の場合、経路#12の最大増加量誤差が最小である。よって、第1の経路判定方法によれば、経路#12(ノードns,n3,n4,n2,n6,ndを順に辿る経路)が最適経路として選択される。なお、経路#12を辿ったときの終点ノードにおける累積分散は、285ps/nmであり、許容範囲(160〜440ps/nm)に収まっている。
もし、終点ノードにおける累積分散が許容範囲外である場合、その経路で光信号を伝送することは好ましくない。その場合、最大増加量誤差のできる限り小さい他の経路を選択する、経路途中に再生中継器を設けるなどの対応策が考えられる。再生中継器は、光信号を電気信号に一旦変換し、その後、電気信号を光信号に再変換する信号変換装置である。OSNRなどの他の伝送特性が所定の水準を満たさない場合にも、他の経路を選択する、再生中継器を設けるなどの対応策を考えることが好ましい。ただし、再生中継器は波長分割多重された光信号を波長毎に処理する機器であり、光ネットワーク20のコスト増大を招くため、再生中継器は無い方が好ましい。
このような第1の経路判定方法によれば、始点ノードから終点ノードに至る複数の経路の中から、各ノードにおける分散補償後の累積分散が直線的に緩やかに増加(または、減少)する経路を選択することができる。すなわち、終点ノードにおける累積分散だけでなく、経路途中の累積分散の変動も考慮して、最適経路を判定する。これにより、経路途中で発生し得る非線形歪みを抑制し、光信号の伝送品質を向上させることができる。
<第2の経路判定方法>
第1の経路判定方法は、始点ノードから終点ノードに至る経路を全て列挙して、その中から最適経路を選択した。これに対し、第2の経路判定方法では、全ての経路を列挙せずに最適経路を探索する。
第2の経路判定方法では、経路探索のために混合整数計画法を用いる。混合整数計画法は、整数値を取る変数と実数値をとる変数とが混在した最適化問題(混合整数計画問題)の解法である。混合整数計画法では、混合整数計画問題として、整数値または実数値をとる変数、目的関数、および、制約条件が与えられる。そして、制約条件を満たす範囲で、目的関数の値を最適化(最大化または最小化)できる変数の値が求められる。混合整数計画問題の解法は、例えば、「離散システムの最適化」(坂和正敏著,森北出版,2000年5月発行)に記載されているものを用いることができる。
図12は、第2の経路選択方法を示すフローチャートである。図12に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
(ステップS21) 経路判定部140は、ネットワーク情報記憶部120に記憶されたネットワーク情報テーブル121から、ネットワーク情報を取得する。
(ステップS22) 経路判定部140は、ネットワーク情報が示すノード間の接続関係に基づいて、始点ノードnsから終点ノードndへ至る最短経路を探索する。
(ステップS23) 経路判定部140は、ステップS22で探索した最短経路の距離に基づいて、増加量規準値(単位距離当たりの累積分散の増加量の規準値)を算出する。
(ステップS24) 経路判定部140は、ネットワーク情報の「分散」および「補償量」に基づいて、スパン毎の累積分散(各スパンの累積分散の実質的な増加量)を算出する。また、経路判定部140は、ステップS23で算出した増加量規準値を用いて、スパン毎の規準値=当該スパンの距離×増加量規準値を算出する。
(ステップS25) 経路判定部140は、ステップS24で算出したスパン毎の累積分散および規準値を用いて、スパン毎の増加量誤差=当該スパン毎の累積分散−当該スパンの規準値を算出する。
(ステップS26) 経路判定部140は、ステップS25で算出したスパン毎の増加量誤差に基づいて、混合整数計画問題を生成する。混合整数計画問題の目的関数は、経路の最大増加量誤差を小さくすることである。ここで、最大増加量誤差が同等の経路が複数ある場合に、距離の短い経路が選択されるよう、目的関数に距離成分を含めてもよい。混合整数計画問題の詳細は後述する。
(ステップS27) 経路判定部140は、ステップS26で生成した混合整数計画問題を解く。これにより、目的関数が最適化される経路、すなわち、最大増加量誤差が最小の経路(目的関数に距離成分が含まれる場合には、最大増加量誤差が小さく、距離の短い経路)が探索される。
(ステップS28) 経路判定部140は、ステップS27で探索された経路を、最適経路として選択する。
このように、経路判定部140は、始点ノードから終点ノードへの最短経路の距離に基づいて、単位距離当たりの累積分散の増加量の規準値を決定する。そして、スパン毎に累積分散と規準値との誤差を算出し、誤差ができる限り小さくなる経路を、混合整数計画法を用いて探索する。なお、経路判定部140は、ステップS24の処理を全経路について行ってからステップS25に進んでもよいし、スパン毎にステップS24,S25の処理を通して行ってもよい。
また、第2の経路判定方法では、スパン毎の増加量誤差を算出したが、第1の経路判定方法にも、同様の処理手順を適用できる。すなわち、第1の経路判定方法において、まずスパン毎の増加量誤差を算出し、始点ノードから終点ノードに向かって順にそれを累積していくことで、各ノードの増加量誤差を算出することができる。この処理手順は、第1の経路判定方法と第2の経路判定方法の両方を実行する場合に、途中までの処理手順を共通化できる点で効率的である。
図13は、スパン誤差テーブルの構造例を示す図である。スパン誤差テーブル152は、経路判定部140が第2の経路判定方法の実行途中で生成し、判定情報記憶部150に格納するテーブルである。ここでは、増加量規準値が4ps/nm/kmであるとする。
ノードns,n1間のスパンについて、累積分散は340−290=50ps/nm、規準値は20km×4ps/nm/km=80ps/nmである。よって、当該スパンの増加量誤差は、50−80=−30ps/nmである。ノードns,n3のスパンについて、累積分散は255−190=65ps/nm、規準値は15km×4ps/nm/km=60ps/nmである。よって、当該スパンの増加量誤差は、65−60=+5ps/nmである。同様にして、全てのスパンについて、増加量誤差が算出される。
次に、上記ステップS26で生成する混合整数計画問題の例を示す。混合整数計画問題の定数を、例えば、次のように定義する。
N:ネットワークに含まれる全ノードの集合。
s:探索する経路の始点ノード。
d:探索する経路の終点ノード。
e:Nからns,ndを除いたノード集合。
E:ネットワークに含まれる全スパンの集合。
e(ni,nj):niを始点、njを終点とするスパン(eと略す場合がある)。
L[e]:スパンeの距離。
1[e]:スパンeの累積分散。
2[e]:スパンeの増加量誤差。
upperBound:終点ノードにおける累積分散の許容範囲の上限。
lowerBound:終点ノードにおける累積分散の許容範囲の下限。
混合整数計画問題の変数を、例えば、次のように定義する。
x[nd,e]:整数変数。ノードnsからノードndに至る経路にスパンeが含まれている場合に1、それ以外の場合に0をとる。
x[ne,e]:整数変数。ノードnsからノードneに至る経路にスパンeが含まれ且つノードnsからノードndに至る経路にスパンeが含まれる(x[nd,e]=1である)場合に1、それ以外の場合に0をとる。
pos[n]:ノードnsからノードnまでの経路に含まれるスパンの増加量誤差の合計が正の値の場合はその値をとり、0以下の場合は0をとる。
neg[n]:ノードnsからノードnまでの経路に含まれるスパンの増加量誤差の合計が負の値の場合はその絶対値をとり、0以上の場合は0をとる。
D:dpos,dnegの中で最も大きな値。
混合整数計画問題の目的関数を、例えば、式(1)のように定義する。目的関数の第1項は最大増加量誤差を示し、第2項は経路に含まれるスパンの距離の合計を示している。αは経路の距離(第2項)の影響度を調整する係数(例えば、0.1や0.01など)である。この目的関数は、最大増加量誤差と経路の距離に応じた値の和が最小になる経路を探索することを意味している。なお、αはサイズの大きなネットワークの場合には小さな値に設定するなど、種々の条件に応じて変更することができる。第1項の最大増加量誤差の影響が大きく、第2の経路の距離の影響が小さくなることが好ましい。
Figure 0005407927
混合整数計画問題の制約条件を、例えば、以下に説明する式(2)〜(14)のように定義する。式(2)〜(4)は、経路の連続性に関する制約条件を示している。式(5)〜(8)は、部分経路に関する制約条件を示している。部分経路は、最適経路の一部であって、始点ノードから途中のノードneまでの経路である。式(9)〜(10)は、終点ノードにおける累積分散に関する制約条件を示している。式(11)〜(14)は、最大増加量誤差を定義するための制約条件を示している。
式(2)は、最適経路を辿った場合に、始点ノードには他ノードから入ることがなく、始点ノードから他のノードには1回だけ出ることを示している。ただし、この式でe1はノードnsが出力端であるスパン、e2はノードnsが入力端であるスパンを意味する。
Figure 0005407927
式(3)は、最適経路を辿った場合に、終点ノードには他ノードから1回だけ入り、終点ノードから他ノードには出ることがないことを示している。ただし、この式でe1はノードndが出力端であるスパン、e2はノードndが入力端であるスパンを意味する。
Figure 0005407927
式(4)は、最適経路を辿った場合に、ノードns,ndを除く任意のノードnには他のノードから高々1回入ること、ノードnに他のノードから入る回数とノードnから他のノードに出る回数とは等しいことを示している。ただし、この式でe1はノードnが出力端であるスパン、e2はノードnが入力端であるスパンを意味する。
Figure 0005407927
式(5)は、部分経路を辿った場合に、始点ノードには他のノードから入ることがないことを示している。また、ノードns,nd以外のあるノードneを最適経路が通過する場合のみ始点ノードから他のノードに出ることがあることを示している。ただし、この式でe1はノードnsが出力端であるスパン、e2はノードnsが入力端であるスパン、e3はneが出力端であるスパンを意味する。
Figure 0005407927
式(6)は、部分経路を辿った場合にノードneに他のノードから入る回数と、最適経路を辿った場合にノードneに他のノードから入る回数とは、等しいことを示している。また、部分経路を辿った場合に、ノードneから他のノードに出ることがないことを示している。ただし、この式でe1はノードneが出力端であるスパン、e2はノードneが入力端であるスパン、e3はneが出力端であるスパンを意味する。
Figure 0005407927
式(7)は、部分経路を辿った場合に、ノードns,nd,ne以外の任意のノードnには他のノードから高々1回入ること、ノードnに他のノードから入る回数とノードnから他のノードに出る回数とは等しいことを示している。ただし、この式でe1はノードnが出力端であるスパン、e2はノードnが入力端であるスパン、Ncはns,nd,neを除いたノード集合を意味する。
Figure 0005407927
式(8)は、任意のスパンeについて、最適経路にスパンeが含まれておらず部分経路にスパンeが含まれているという場合は存在しないことを示している。
Figure 0005407927
式(9)および式(10)は、終点ノードにおける累積分散の許容範囲の定義を示している。式(11)は、dposの定義を示している。式(12)は、dneg定義を示している。式(13)は、増加量誤差が正の値をとる場合のDの定義を示している。式(14)は、増加量誤差が負の値をとる場合のDの定義を示している。
Figure 0005407927
Figure 0005407927
Figure 0005407927
Figure 0005407927
Figure 0005407927
Figure 0005407927
以上に定義した混合整数計画問題を解くことで、全てのスパンeについて、整数変数x[nd,e]の値が確定する。x[nd,e]=1のスパンを連結することで、最適経路を特定することができる。なお、第2の実施の形態の経路探索は、最適性の原理が成立しない(部分の最適化が全体の最適化とならない)探索問題である。このため、発見的手法では、最適経路を探索することができない。これに対し、上記のように目的関数や制約条件を定義し、混合整数計画法により解くことで、最適経路を探索することができる。
このような第2の経路判定方法によれば、第1の経路探索方法と同様に、分散補償後の累積分散が直線的に緩やかに増加(または、減少)する経路を選択することができる。また、全ての経路を列挙せずに、最適経路を探索することができる。
<第3の経路判定方法>
第1の経路判定方法では、経路毎に最大増加量誤差を算出し、経路間で最大増加量誤差を比較して最適経路を選択した。これに対し、第3の経路判定方法では、経路毎に合計増加量誤差を算出し、経路間で合計増加量誤差を比較することで最適経路を選択する。
図14は、第3の経路判定方法を示すフローチャートである。第3の経路判定方法においては、図8に示した第1の経路判定方法のステップS16,S17に代えて、以下に説明するステップS16a,S17aが実行される。
(ステップS16a) 経路判定部140は、ステップS15で算出した増加量誤差に基づいて、経路毎に合計増加量誤差を算出する。合計増加量誤差は、経路が通過する複数のノードそれぞれにおける増加量誤差の絶対値の合計である。
(ステップS17a) 経路判定部140は、ステップS16aで算出した合計増加量誤差が最小である経路を、最適経路として選択する。なお、合計増加量誤差が最小の経路が複数存在する場合、それら複数の経路全てを最適経路として選択してもよいし、それら複数の経路のうち最も距離の短いものを最適経路として選択してもよい。
このような第3の経路判定方法によれば、第1の経路探索方法と同様に、分散補償後の累積分散が直線的に緩やかに増加(または、減少)する経路を選択することができる。また、経路の評価指標として合計増加量誤差を用いることで、累積分散の増加傾向が理想的な増加直線に全体として近い経路を、最適経路として選択することができる。
<第4の経路判定方法>
第2の経路判定方法では、混合整数計画法を用いて、最大増加量誤差を小さくする経路を探索した。これに対し、第4の経路判定方法では、混合整数計画法を用いて、合計増加量誤差を小さくする経路を探索する。
図15は、第4の経路判定方法を示すフローチャートである。第4の経路判定方法においては、図12に示した第2の経路判定方法のステップS26,S27に代えて、以下に説明するステップS26a,S27aが実行される。
(ステップS26a) 経路判定部140は、ステップS25で算出したスパン毎の増加量誤差に基づいて、混合整数計画問題を生成する。混合整数計画問題の目的関数は、経路の合計増加量誤差(すなわち、通過する複数のノードそれぞれにおける増加量誤差の絶対値の合計)を小さくすることである。ここで、合計増加量誤差が同等の経路が複数ある場合に、距離の短い経路が選択されるよう、目的関数に距離成分を含めてもよい。
(ステップS27a) 経路判定部140は、ステップS26aで生成した混合整数計画問題を解く。これにより、目的関数が最適化される経路、すなわち、合計増加量誤差が最小の経路(目的関数に距離成分が含まれる場合には、合計増加量誤差が小さく、距離の短い経路)が探索される。
上記ステップS26aで生成する混合整数計画問題の目的関数を、例えば、式(15)のように定義する。この目的関数の第1項は合計増加量誤差を示し、第2項は経路に含まれるスパンの距離の合計を示している。αは、第2の経路判定方法と同様に、経路の距離(第2項)の影響度を調整する係数である。この目的関数は、合計増加量誤差と経路の距離に応じた値の和が最小になる経路を探索することを意味している。第1項の合計増加量誤差の影響が大きく、第2の経路の距離の影響が小さくなることが好ましい。
上記ステップS26aで生成する混合整数計画問題の制約条件としては、第2の経路判定方法で例示した式(2)〜(12)を用いることができる。式(13)〜(14)は、最大増加量誤差を定義する制約条件であるため、第4の経路判定方法では不要である。
Figure 0005407927
このような第4の経路判定方法によれば、第3の経路探索方法と同様に、全ての経路を列挙せず、分散補償後の累積分散が直線的に緩やかに増加(または、減少)する経路を探索できる。また、経路の評価指標として合計増加量誤差を用いることで、累積分散の増加傾向が理想的な増加直線に全体として近い経路を最適経路として選択することができる。
<第5の経路判定方法>
第1の経路判定方法では、最短経路の距離を用いて、増加量規準値(単位距離当たりの累積分散の増加量の規準値)を算出した。これに対し、第5の経路判定方法では、最短経路以外の経路の距離を用いて、増加量規準値を算出する。
図16は、第5の経路判定方法を示すフローチャートである。図16に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
(ステップS31) 経路判定部140は、ネットワーク情報記憶部120に記憶されたネットワーク情報テーブル121から、ネットワーク情報を取得する。
(ステップS32) 経路判定部140は、ネットワーク情報が示すノード間の接続関係に基づいて、始点ノードnsから終点ノードndへ至る最短経路を探索する。
(ステップS33) 経路判定部140は、ネットワーク情報を操作し、ネットワークに含まれるスパンの集合からステップS32で探索された最短経路に含まれるスパンを削除することで、最短経路を取り除いたトポロジを生成する。
(ステップS34) 経路判定部140は、ステップS33で生成したトポロジを対象として、始点ノードnsから終点ノードndへ至る最短経路を再探索する。
(ステップS35) 経路判定部140は、ステップS34で探索された経路の距離に基づいて、増加量規準値(単位距離当たりの累積分散の増加量の規準値)を算出する。増加量規準値は、例えば、終点ノードにおいて許容される累積分散の中心値÷ステップS34で探索された経路の距離と定義する。第5の経路判定方法の場合、増加量を調整するための係数は掛けなくてもよい。
(ステップS36) 経路判定部140は、始点ノードから終点ノードに到達するための経路を全て列挙する。ここで列挙される経路は、最短経路を除外する前の元のトポロジの場合の経路である。そして、経路判定部140は、経路毎にその経路上の各ノードにおける累積分散を算出する。また、ステップS35で算出した増加量規準値を用いて、各ノードにおける累積分散の規準値を算出する。
(ステップS37) 経路判定部140は、経路毎に、その経路上の各ノードにおける累積分散の増加量誤差=累積分散−累積分散の規準値を算出する。
(ステップS38) 経路判定部140は、ステップS37で算出した増加量誤差に基づいて、経路毎に最大増加量誤差を算出する。
(ステップS39) 経路判定部140は、ステップS38で算出した最大増加量誤差が最小である経路を、最適経路として選択する。なお、最大増加量誤差が最小の経路が複数存在する場合、それら複数の経路全てを最適経路として選択してもよいし、それら複数の経路のうち最も距離の短いものを最適経路として選択してもよい。
図17は、最短経路を除いたトポロジ例を示す図である。図6,7に示したトポロジ例の場合、最短経路はノードをns,n1,n2,ndの順に辿る経路である。そこで、ノードns,n1間のスパン、ノードn1,n2間のスパン、ノードn2,nd間のスパンがトポロジから削除される。そして、最短経路を取り除いた後のトポロジに対して最短経路の再探索を行うと、ノードをns,n3,n4,n2,n6,ndの順に辿る経路が探索される。経路判定部140は、この経路の距離に基づいて、増加量規準値を算出する。
このような第5の経路判定方法によれば、第1の経路探索方法と同様に、分散補償後の累積分散が直線的に緩やかに増加(または、減少)する経路を選択することができる。また、最短経路以外の経路の距離(最短経路より長い距離)に基づいて増加量規準値を算出することで、調整のための係数を掛けなくても、増加量規準値を適切な水準に設定することができる。よって、選択される経路の累積分散が許容範囲の上限を超えてしまう可能性を、効率的に防止することができる。
なお、第5の経路判定方法においても、第2の経路判定方法で述べたように、混合整数計画法を用いて最適経路を探索するようにしてもよい。また、第3の経路判定方法で述べたように、各経路の合計増加量誤差に基づいて、最適経路を判定してもよい。
<第6の経路判定方法>
第5の経路判定方法では、最短経路以外の経路の距離を用いて、増加量規準値を算出した。これに対し、第6の経路判定方法では、最短経路の距離と最短経路以外の経路の距離の両方を用いて、増加量規準値を算出する。
図18は、第6の経路判定方法を示すフローチャートである。第6の経路判定方法においては、図16に示した第5の経路判定方法のステップS32,S34,S35に代えて以下に説明するステップS32a,S34a,S35aが実行される。
(ステップS32a) 経路判定部140は、ネットワーク情報が示すノード間の接続関係に基づいて始点ノードnsから終点ノードndへ至る最短経路を探索する。そして、経路判定部140は、最短経路の距離に基づいて、第1の増加量規準値を算出する。第1の増加量規準値は、例えば、終点ノードにおいて許容される累積分散の中心値÷最短経路の距離と定義する。このとき、増加量を調整するための係数は掛けなくてもよい。
(ステップS34a) 経路判定部140は、ステップS33で生成したトポロジを対象として、始点ノードnsから終点ノードndへ至る最短経路を再探索する。そして、経路判定部140は、探索した経路の距離に基づいて、第2の増加量規準値を算出する。第2の増加量規準値は、例えば、終点ノードにおいて許容される累積分散の中心値÷上記経路の距離と定義する。このとき、増加量を調整するための係数は掛けなくてもよい。
(ステップS35a) 経路判定部140は、ステップS32aで算出した第1の増加量誤差とステップS34aで算出した第2の増加量誤差を平均化し、平均値を増加量規準値(単位距離当たりの累積分散の増加量の規準値)と定義する。
このような第6の経路判定方法によれば、第1の経路探索方法と同様に、分散補償後の累積分散が直線的に緩やかに増加(または、減少)する経路を選択することができる。また、第6の経路判定方法は、第1の経路判定方法では増加量規準値が過度に大きくなってしまう(選択される経路の累積分散が上限を超えてしまう)場合や、第5の経路判定方法では増加量規準値が過度に小さくなってしまう(選択される経路の累積分散が下限を下回ってしまう)場合に有効である。
なお、第6の経路判定方法においても、第2の経路判定方法で述べたように、混合整数計画法を用いて最適経路を探索するようにしてもよい。また、第3の経路判定方法で述べたように、各経路の合計増加量誤差に基づいて、最適経路を判定してもよい。
<第7の経路判定方法>
第7の経路判定方法では、リンク冗長の関係にある複数の経路を探索し、それら複数の経路の距離を用いて増加量規準値を算出する。リンク冗長とは、複数の経路が互いに同じリンク(経路探索においてはスパンと同義)を通過しないことである。リンク冗長な経路を探索する方法は、例えば、「Optimal Physical Diversity Algorithms and Survivable
Networks」(Ramesh Bhandari著,Proc. of the 2nd IEEE Symposium on Computers and Communications (ISCC '97),1997年7月)に記載されている。
図19は、第7の経路判定方法を示すフローチャートである。図19に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
(ステップS41) 経路判定部140は、ネットワーク情報記憶部120に記憶されたネットワーク情報テーブル121から、ネットワーク情報を取得する。
(ステップS42) 経路判定部140は、ネットワーク情報が示すノード間の接続関係に基づいて、リンク冗長な複数の経路を探索する。なお、経路判定部140は、リンク冗長の関係にある全ての経路を抽出してもよいし、抽出する経路を所定数以下に制限してもよい。後者の場合、リンク冗長の関係にある全ての経路の中から、できる限り距離の小さい経路を抽出するようにしてもよい。
(ステップS43) 経路判定部140は、ステップS42で特定されたリンク冗長な複数の経路それぞれについて、増加量規準値を算出する。この増加量規準値は、例えば、終点ノードにおいて許容される累積分散の中心値÷特定された各経路の距離と定義される。第7の経路判定方法の場合、増加量を調整するための係数は掛けなくてもよい。
(ステップS44) 経路判定部140は、ステップS43で算出した、リンク冗長な経路毎の増加量規準値を平均化する。
(ステップS45) 経路判定部140は、始点ノードから終点ノードに到達するための経路を全て列挙する。そして、経路判定部140は、経路毎にその経路上の各ノードにおける累積分散を算出する。また、ステップS44で算出した増加量規準値を用いて、各ノードにおける累積分散の規準値を算出する。
(ステップS46) 経路判定部140は、経路毎に、その経路上の各ノードにおける累積分散の増加量誤差=累積分散−累積分散の規準値を算出する。
(ステップS47) 経路判定部140は、ステップS46で算出した増加量誤差に基づいて、経路毎に最大増加量誤差を算出する。
(ステップS48) 経路判定部140は、ステップS47で算出した最大増加量誤差が最小である経路を、最適経路として選択する。なお、最大増加量誤差が最小の経路が複数存在する場合、それら複数の経路全てを最適経路として選択してもよいし、それら複数の経路のうち最も距離の短いものを最適経路として選択してもよい。
図20は、リンク冗長経路の例を示す図である。図6,7に示したトポロジ例では、始点ノードから他のノードに出るリンクが2本存在し、また、他のノードから終点ノードに入るリンクが2本存在する。このため、このトポロジ例の場合、最大で2つの互いにリンク冗長な経路が存在する。図20は、2つのリンク冗長な経路の例を示している。1つはノードをns,n1,n2,ndの順に辿る経路(最短経路)であり、もう1つはノードをns,n3,n4,n2,n6,ndの順に辿る経路である。
このような第7の経路判定方法によれば、第1の経路探索方法と同様に、分散補償後の累積分散が直線的に緩やかに増加(または、減少)する経路を選択することができる。また、リンク冗長な複数の経路それぞれの距離に基づいて増加量規準値を算出することで、増加量規準値を適切な大きさに設定することが容易となる。
なお、第7の経路判定方法においても、第2の経路判定方法で述べたように、混合整数計画法を用いて最適経路を探索するようにしてもよい。また、第3の経路判定方法で述べたように、各経路の合計増加量誤差に基づいて、最適経路を判定してもよい。
<第8の経路判定方法>
第7の経路判定方法では、リンク冗長な関係にある複数の経路を探索して増加量規準値を算出した。これに対し、第8の経路判定方法では、ノード冗長な関係にある複数の経路を探索して増加量規準値を算出する。ノード冗長とは、複数の経路が互いに同一のノードを通過しないことである。ノード冗長な経路を探索する方法は、例えば、リンク冗長な経路を探索する方法が記載された上記の文献に記載されている。
図21は、第8の経路判定方法を示すフローチャートである。第8の経路判定方法においては、図19に示した第7の経路判定方法のステップS42,S43に代えて、以下に説明するステップS42a,S43aが実行される。
(ステップS42a) 経路判定部140は、ネットワーク情報が示すノード間の接続関係に基づいて、ノード冗長な複数の経路を探索する。なお、経路判定部140は、ノード冗長の関係にある全ての経路を抽出してもよいし、抽出する経路を所定数以下に制限してもよい。後者の場合、ノード冗長の関係にある全ての経路の中から、できる限り距離の小さい経路を抽出するようにしてもよい。
(ステップS43a) 経路判定部140は、ステップS42aで特定されたノード冗長な複数の経路それぞれについて、増加量規準値を算出する。この増加量規準値は、例えば、終点ノードにおいて許容される累積分散の中心値÷特定された各経路の距離と定義される。第8の経路判定方法の場合、増加量を調整するための係数は掛けなくてもよい。
図22は、ノード冗長経路の例を示す図である。図6,7に示したトポロジ例の場合、最大で2つの互いにノード冗長な経路が存在する。図22は、2つのノード冗長な経路の例を示している。1つはノードをns,n3,n4,n2,ndの順に辿る経路であり、もう1つはノードをns,n1,n5,n6,ndの順に辿る経路である。
このような第8の経路判定方法によれば、第1の経路探索方法と同様に、分散補償後の累積分散が直線的に緩やかに増加(または、減少)する経路を選択することができる。また、ノード冗長な複数の経路それぞれの距離に基づいて増加量規準値を算出することで、増加量規準値を適切な大きさに設定することが容易となる。ここで、経路探索の制約条件はノード冗長の方がリンク冗長よりも厳しいため、探索される経路の長さは、ノード冗長の方が長い傾向にある。そのため、第8の経路判定方法で算出される増加量規準値は、第7の経路判定方法よりも小さくなる可能性が高い。
なお、第8の経路判定方法においても、第2の経路判定方法で述べたように、混合整数計画法を用いて最適経路を探索するようにしてもよい。また、第3の経路判定方法で述べたように、各経路の合計増加量誤差に基づいて、最適経路を判定してもよい。
<第9の経路判定方法>
第9の経路判定方法では、第7の経路判定方法と同様に、リンク冗長の関係にある複数の経路を探索して増加量規準値を算出する。ただし、増加量規準値の具体的な決定方法が第7の経路判定方法と異なる。
図23は、第9の経路判定方法を示すフローチャートである。第9の経路判定方法においては、図19に示した第7の経路判定方法のステップS44に代えて、以下に説明するステップS44aが実行される。
(ステップS44a) 経路判定部140は、ステップS43で算出したリンク冗長な経路毎の増加量規準値のうち、最小の増加量規準値を選択する。ステップS45では、各ノードの累積分散の規準値を算出するために、選択した増加量規準値が使用される。
このような第9の経路判定方法によれば、第1の経路探索方法と同様に、分散補償後の累積分散が直線的に緩やかに増加(または、減少)する経路を選択することができる。また、増加量規準値を適切な大きさに設定することが容易となる。ここで、第9の経路判定方法では、リンク冗長な複数の経路の増加量規準値を平均化する代わりに最小値を選択しているため、原則として、増加量規準値が第7の経路判定方法よりも小さくなる。
なお、第9の経路判定方法においても、第2の経路判定方法で述べたように、混合整数計画法を用いて最適経路を探索するようにしてもよい。また、第3の経路判定方法で述べたように、各経路の合計増加量誤差に基づいて、最適経路を判定してもよい。
<第10の経路判定方法>
第10の経路判定方法では、第8の経路判定方法と同様に、ノード冗長の関係にある複数の経路を探索して増加量規準値を算出する。ただし、増加量規準値の具体的な決定方法が第8の経路判定方法と異なる。
図24は、第10の経路判定方法を示すフローチャートである。第10の経路判定方法においては、図21に示した第8の経路判定方法のステップS44に代えて、以下に説明するステップS44bが実行される。
(ステップS44b) 経路判定部140は、ステップS43aで算出したノード冗長な経路毎の増加量規準値のうち、最小の増加量規準値を選択する。ステップS45では、各ノードの累積分散の規準値を算出するために、選択した増加量規準値が使用される。
このような第10の経路判定方法によれば、第1の経路探索方法と同様に、分散補償後の累積分散が直線的に緩やかに増加(または、減少)する経路を選択することができる。また、増加量規準値を適切な大きさに設定することが容易となる。ここで、第10の経路判定方法では、ノード冗長な複数の経路の増加量規準値を平均化する代わりに最小値を選択しているため、原則として、増加量規準値が第8の経路判定方法よりも小さくなる。
なお、第10の経路判定方法においても、第2の経路判定方法で述べたように、混合整数計画法を用いて最適経路を探索するようにしてもよい。また、第3の経路判定方法で述べたように、各経路の合計増加量誤差に基づいて、最適経路を判定してもよい。
前述の通り、ネットワーク設計装置10はコンピュータを用いて実現できる。その場合は、処理内容を定義したプログラムが提供される。処理内容を定義したプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体(例えば、可搬記録媒体16a)に記録しておくことができる。記録媒体としては、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク(MO)、半導体メモリを使用できる。磁気ディスクとしては、HDD、FD、磁気テープ(MT:Magnetic Tape)などが考えられる。光ディスクとしては、CD、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)、DVD、DVD−R/RWなどが考えられる。
プログラムを流通させる場合、例えば、プログラムが記録された可搬記録媒体が提供される。または、プログラムを他のコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワーク経由で、ネットワーク設計装置10に転送することもできる。ネットワーク設計装置10は、例えば、可搬記録媒体に記録されたプログラムまたは他のコンピュータから受信したプログラムを、自己の記憶装置(例えば、HDD13)に格納する。そして、自己の記憶装置からプログラムを読み取り実行する。ただし、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り実行することもできる。また、他のコンピュータからプログラムを受信する毎に逐次、プログラムを実行することもできる。
このような第2の実施の形態に係るネットワーク設計装置10を用いることで、光信号の歪みが抑制される経路を選択でき、光ネットワークの伝送品質を向上させることができる。すなわち、終点ノードにおける累積分散だけでなく、途中の各ノードにおける累積分散も考慮し、累積分散が直線的に緩やかに増加するような経路を選択することができる。このため、途中のノードにおいて累積分散が極端に大きいことやゼロに近いことで生じる非線形歪みを抑制することができる。また、ネットワーク設計装置10は、複数の経路判定方法を用いて、最適経路を判定することができる。よって、設計対象のネットワークの規模・トポロジ・伝送特性などに対応して、柔軟に経路選択を行うことができる。
以上の第1,第2の実施の形態を含む実施の形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1) 複数のノードとノード間を接続する複数のリンクとを含む光ネットワークの設計を支援するネットワーク設計装置であって、
前記複数のリンクそれぞれの距離と波長分散量とを示す情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部を参照して、始点ノードから終点ノードに至る複数の経路の中から、光信号の伝送に用いる経路を選択する経路選択部と、を有し、
前記経路選択部は、経路上の各ノードにおける、前記始点ノードから当該ノードまでの累積の波長分散量と前記始点ノードから当該ノードまでの距離に応じて決まる規準量との差に基づいて、前記光信号の伝送に用いる経路を選択する、
ことを特徴とするネットワーク設計装置。
(付記2) 前記経路選択部は、前記各ノードについて、単位距離当たり規準量と前記始点ノードから当該ノードまでの距離とに基づいて、前記規準量を算出することを特徴とする付記1記載のネットワーク設計装置。
(付記3) 前記経路選択部は、最短経路を辿った場合の前記終点ノードにおける累積の波長分散量に基づいて、前記単位距離当たり規準量を決定することを特徴とする付記2記載のネットワーク設計装置。
(付記4) 前記経路選択部は、前記複数の経路の中から最短経路に含まれるリンクを含まない経路を選択し、選択した経路を辿った場合の前記終点ノードにおける累積の波長分散量に基づいて、前記単位距離当たり規準量を決定することを特徴とする付記2記載のネットワーク設計装置。
(付記5) 前記経路選択部は、最短経路を辿った場合の前記終点ノードにおける累積の波長分散量に基づいて、第1の規準量を算出すると共に、前記複数の経路の中から前記最短経路に含まれるリンクを含まない経路を選択し、選択した経路を辿った場合の前記終点ノードにおける累積の波長分散量に基づいて、第2の規準量を算出し、前記第1の規準量および前記第2の規準量から、前記単位距離当たり規準量を決定することを特徴とする付記2記載のネットワーク設計装置。
(付記6) 前記経路選択部は、前記複数の経路の中からリンク冗長な2以上の経路を選択し、選択した経路それぞれを辿った場合の前記終点ノードにおける累積の波長分散量に基づいて、前記単位距離当たり規準量を決定することを特徴とする付記2記載のネットワーク設計装置。
(付記7) 前記経路選択部は、前記複数の経路の中からノード冗長な2以上の経路を選択し、選択した経路それぞれを辿った場合の前記終点ノードにおける累積の波長分散量に基づいて、前記単位距離当たり規準量を決定することを特徴とする付記2記載のネットワーク設計装置。
(付記8) 前記経路選択部は、前記複数の経路それぞれについて、前記各ノードにおける前記累積の波長分散量と前記規準量と差を算出し、算出結果に基づいて、前記光信号の伝送に用いる経路を選択することを特徴とする付記1記載のネットワーク設計装置。
(付記9) 前記経選択部は、前記複数のリンクそれぞれについて、当該リンクの波長分散量と当該リンクの距離に応じて決まるリンク毎規準量との差を算出し、算出結果を用いて、前記各ノードにおける前記累積の波長分散量と前記規準量との差が所定の条件を満たす経路を探索することを特徴とする付記1記載のネットワーク設計装置。
(付記10) 前記経路選択部は、経路上の複数のノードそれぞれについての前記累積の波長分散量と前記規準量との差の中から最大値を選択し、前記最大値が最も小さい経路を、前記光信号の伝送に用いる経路として選択することを特徴とする付記1記載のネットワーク設計装置。
(付記11) 前記経路選択部は、経路上の複数のノードそれぞれについての前記累積の波長分散量と前記規準量との差を合計し、合計値が最も小さい経路を、前記光信号の伝送に用いる経路して選択することを特徴とする付記1記載のネットワーク設計装置。
(付記12) 前記記憶部に記憶された波長分散量を示す情報には、光ファイバ中を光信号が通過することで生じる波長分散量と、光ファイバの端で行われる波長分散補償の補償量とが含まれることを特徴とする付記1記載のネットワーク設計装置。
(付記13) 複数のノードとノード間を接続する複数のリンクとを含む光ネットワークの設計を支援する装置のネットワーク設計方法であって、
前記複数のリンクそれぞれの距離と波長分散量とを示す情報を記憶部から取得し、
前記記憶部から取得した情報に基づいて、始点ノードから終点ノードに至る複数の経路の中から、光信号の伝送に用いる経路を選択し、
前記光信号の伝送に用いる経路の選択は、経路上の各ノードにおける、前記始点ノードから当該ノードまでの累積の波長分散量と前記始点ノードから当該ノードまでの距離に応じて決まる規準量との差に基づいて行う、
ことを特徴とするネットワーク設計方法。
(付記14) 複数のノードとノード間を接続する複数のリンクとを含む光ネットワークの設計を支援するためのネットワーク設計プログラムであって、コンピュータに、
前記複数のリンクそれぞれの距離と波長分散量とを示す情報を記憶部から取得し、
前記記憶部から取得した情報に基づいて、始点ノードから終点ノードに至る複数の経路の中から、光信号の伝送に用いる経路を選択する、処理を実行させ、
前記光信号の伝送に用いる経路の選択は、経路上の各ノードにおける、前記始点ノードから当該ノードまでの累積の波長分散量と前記始点ノードから当該ノードまでの距離に応じて決まる規準量との差に基づいて行う、
ことを特徴とするネットワーク設計プログラム。
1 ネットワーク設計装置
1a 記憶部
1b 経路選択部

Claims (10)

  1. 複数のノードとノード間を接続する複数のリンクとを含む光ネットワークの設計を支援するネットワーク設計装置であって、
    前記複数のリンクそれぞれの距離と波長分散量とを示す情報を記憶する記憶部と、
    前記記憶部を参照して、始点ノードから終点ノードに至る複数の経路の中から、光信号の伝送に用いる経路を選択する経路選択部と、を有し、
    前記経路選択部は、経路上の各ノードにおける、前記始点ノードから当該ノードまでの累積の波長分散量と前記始点ノードから当該ノードまでの距離に応じて決まる規準量との差に基づいて、前記光信号の伝送に用いる経路を選択する、
    ことを特徴とするネットワーク設計装置。
  2. 前記経路選択部は、前記各ノードについて、単位距離当たり規準量と前記始点ノードから当該ノードまでの距離とに基づいて、前記規準量を算出することを特徴とする請求項1記載のネットワーク設計装置。
  3. 前記経路選択部は、最短経路を辿った場合の前記終点ノードにおける累積の波長分散量に基づいて、前記単位距離当たり規準量を決定することを特徴とする請求項2記載のネットワーク設計装置。
  4. 前記経路選択部は、前記複数の経路の中から最短経路に含まれるリンクを含まない経路を選択し、選択した経路を辿った場合の前記終点ノードにおける累積の波長分散量に基づいて、前記単位距離当たり規準量を決定することを特徴とする請求項2記載のネットワーク設計装置。
  5. 前記経路選択部は、前記複数の経路それぞれについて、前記各ノードにおける前記累積の波長分散量と前記規準量と差を算出し、算出結果に基づいて、前記光信号の伝送に用いる経路を選択することを特徴とする請求項1記載のネットワーク設計装置。
  6. 前記経路選択部は、前記複数のリンクそれぞれについて、当該リンクの波長分散量と当該リンクの距離に応じて決まるリンク毎規準量との差を算出し、算出結果を用いて、前記各ノードにおける前記累積の波長分散量と前記規準量との差が所定の条件を満たす経路を探索することを特徴とする請求項1記載のネットワーク設計装置。
  7. 前記経路選択部は、経路上の複数のノードそれぞれについての前記累積の波長分散量と前記規準量との差の中から最大値を選択し、前記最大値が最も小さい経路を、前記光信号の伝送に用いる経路として選択することを特徴とする請求項1記載のネットワーク設計装置。
  8. 前記経路選択部は、経路上の複数のノードそれぞれについての前記累積の波長分散量と前記規準量との差を合計し、合計値が最も小さい経路を、前記光信号の伝送に用いる経路として選択することを特徴とする請求項1記載のネットワーク設計装置。
  9. 複数のノードとノード間を接続する複数のリンクとを含む光ネットワークの設計を支援する装置のネットワーク設計方法であって、
    前記複数のリンクそれぞれの距離と波長分散量とを示す情報を記憶部から取得し、
    前記記憶部から取得した情報に基づいて、始点ノードから終点ノードに至る複数の経路の中から、光信号の伝送に用いる経路を選択し、
    前記光信号の伝送に用いる経路の選択は、経路上の各ノードにおける、前記始点ノードから当該ノードまでの累積の波長分散量と前記始点ノードから当該ノードまでの距離に応じて決まる規準量との差に基づいて行う、
    ことを特徴とするネットワーク設計方法。
  10. 複数のノードとノード間を接続する複数のリンクとを含む光ネットワークの設計を支援するためのネットワーク設計プログラムであって、コンピュータに、
    前記複数のリンクそれぞれの距離と波長分散量とを示す情報を記憶部から取得し、
    前記記憶部から取得した情報に基づいて、始点ノードから終点ノードに至る複数の経路の中から、光信号の伝送に用いる経路を選択する、処理を実行させ、
    前記光信号の伝送に用いる経路の選択は、経路上の各ノードにおける、前記始点ノードから当該ノードまでの累積の波長分散量と前記始点ノードから当該ノードまでの距離に応じて決まる規準量との差に基づいて行う、
    ことを特徴とするネットワーク設計プログラム。
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