JP5423680B2 - 光スキャナ - Google Patents

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Description

本発明は、光スキャナに関するものであり、特にMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)の光スキャナに関するものである。
近年、主走査方向と主走査方向に直交する副走査方向との2軸同時に光を走査するMEMSの光スキャナが開発されている。例えば、特許文献1には、偏向角を十分に増大させる光スキャナを得ることを目的として、光を反射させるミラー面と、ミラー面を揺動可能に支持する主軸部と、主軸部を保持する変形可能な保持部(アクチュエータ)とを含む光スキャナが開示されている。
この光スキャナでは、保持部自身の変形をねじれ変形に変化させるトーションバー(柔軟部)が保持部に形成され、このトーションバー(柔軟部)に生じるねじれ変形を用いて、ミラー面が揺動するように構成されている。特に、特許文献1の図9に示される光スキャナにおいては、ミラー面を囲む可動枠(ミラー枠)を備え、保持部を変形させることで2軸走査が可能にされている。
しかしながら、特許文献1の光スキャナでは、垂直方向の変位を大きくするために保持部(アクチュエータ)と可動枠との間にトーションバー(柔軟部)を設けたことで、水平駆動時にはトーションバー(柔軟部)に応力が集中しやすくなるため、トーションバー(柔軟部)が破損するおそれがあり、水平方向の偏向角を大きくするのには、限界があった。
特開2008−203299号公報
本発明の目的は、ミラー面の水平方向の偏向角を減少させることなく、アクチュエータとミラー枠との接続部にかかる応力を緩和させることができる光スキャナを提供することである。
本発明の一局面による光スキャナは、ミラーと、第1の軸部と、前記第1の軸部を介して前記ミラーを保持するミラー枠と、前記ミラー枠を保持する第2の軸部と、前記第2の軸部を介して前記ミラー枠に接続され、前記第2の軸部を中心軸として前記ミラー枠を振動させるとともに、振動する前記ミラー枠と前記第1の軸部とを介して前記第1の軸部を中心軸として前記ミラーを共振駆動することで、前記第1及び第2の軸部を中心軸として前記ミラーを振動させるアクチュエータとを備え、前記第2の軸部は、変形可能な接続部を備え、前記接続部を介して前記アクチュエータに接続され、前記ミラー枠は、前記アクチュエータの振動により前記第1の軸部を中心軸として振動することで前記ミラーを共振駆動させるときのミラー枠の慣性モーメントを増大させて前記アクチュエータの変位と前記ミラー枠の最大変位との差を減少させるための調整部材を、前記第2の軸部を中心軸とした振動が行われる際の前記ミラーの慣性モーメントの変化を小さくすべく、前記ミラー枠の振動の中心軸である前記第2の軸部の延長線上に備えることを特徴とする。
本発明の一実施の形態による光スキャナの全体構成図を示している。 図1に示す光スキャナの2−2方向からの断面図である。 軸部の拡大図を示している。 接続セクションの効果を説明する図であり、(A)は接続セクションを設けた場合を示し、図4(B)は接続セクションを設けていない場合を示している。 図1に示す光スキャナをY軸を中心軸として振動させたときの力学モデルを示した図である。 図1に示す光スキャナの−Y方向視からの図を示し、(A)はミラー枠に調整部材を設けていない場合を示し、(B)はミラー枠に調整部材を設けた場合を示している。
以下、本発明の実施の形態による光スキャナについて説明する。図1は、本光スキャナの全体構成図を示している。図2は、図1に示す光スキャナの2−2方向からの断面図である。
本光スキャナは、MEMSの光スキャナであり、ミラー11、トーションバー(第1の軸部の一例)12、ミラー枠13、軸部14(第2の軸部の一例)、ユニモルフ(アクチュエータの一例)15、及び外枠17を備えている。なお、図1において、上下方向をY軸で示し、左右方向をX軸で示し、紙面と直交する方向をZ軸で示している。また、Y軸はトーションバー12の長手方向に位置するものとし、X軸はミラー11の中心Oを通り、軸部14の長手方向に位置するものとする。そして、X軸、Y軸、Z軸はそれぞれ直交している。
ミラー11は、−Z方向視が円形状であり、+Z方向側の面にアルミニウム等の薄膜が形成されており、光源等からの光を反射し、光を水平走査方向及び垂直走査方向に走査する。
トーションバー12は、上下に一対存在し、長手方向がY軸と平行な細長い形状を有している。以下、+Y方向側に形成されたトーションバー121とし、−Y方向側に形成されたトーションバー122とする。なお、トーションバー121,122の長手方向の長さはほぼ同一である。
ミラー枠13は、トーションバー121,122を介してミラー11を振動可能に保持する。ここで、ミラー枠13は、Y軸を中心として左右対称、かつ、X軸を中心として上下対称な外周がほぼひし型の形状を有し、ミラー11を取り囲むような形状を有している。そして、ミラー枠13の重量は、Y軸を中心として左右対称であり、X軸を中心として上下対称である。
軸部14は、左右に一対存在し、図2に示すように+X方向視のベース部18の中央部の領域により構成されている。ここで、ベース部18は、ユニモルフ15を構成する圧電素子PEの下層に形成された可撓性を有する平板状の部材である。そして、軸部14は、ユニモルフ15からの振動力を受けてミラー枠13を、X軸を中心軸として+N方向又は−N方向に偏向させ、ミラー枠13を振動させる。なお、図1に示すように、左側に位置する軸部14を軸部141とし、右側に位置する軸部14を軸部142とする。
図3は、軸部141の拡大図を示している。軸部141は、主軸部143及び接続セクション144を備えている。接続セクション144は、ベース部18にX軸方向を長手方向とする複数のスリット145を形成することで変形可能に構成されている。各スリット145は、例えばX軸を中心として上下対称に配列されている。これにより、軸部141の柔らかさがX軸を中心として上下対称とされている。主軸部143は、ベース部18からミラー枠13に向けてX軸に沿って延設され、ミラー枠13と接続セクション144とを繋ぐ。なお、本実施の形態では、軸部141に設けられた接続セクション144が左側の接続セクションの一例に相当し、軸部142に設けられた接続セクション144が右側に設けられた接続セクションの一例に相当する。そして、これら左右一対の接続セクション144が接続部の一例に相当する。
ここで、軸部141は、接続セクション144を備えているため、X軸を中心軸として曲がりやすくなり、ユニモルフ151,152を大きく傾斜させることができ、ミラー枠13の偏向角を大きくすることができる。図4は、接続セクション144の効果を説明する図であり、図4(A)は軸部141に接続セクション144を設けた場合を示し、図4(B)は軸部141に接続セクション144を設けていない場合を示している。なお、図4(A)、図4(B)においては、−X方向視の光スキャナを示している。
図4(B)に示すように接続セクション144が軸部141に形成されていない場合、軸部141は柔らかくないため、ユニモルフ151,152が曲がりにくくなっている。そのため、ミラー枠13のX軸を中心軸とする偏向角は小さくなり、ミラー11はX軸を中心軸として大きく偏向することができない。
一方、図4(A)に示すように接続セクション144が軸部141に形成された場合、軸部141は柔らかくなり、ユニモルフ151,152はX軸を中心軸として曲がりやすくなる。そのため、図4(B)と同じ力を加えたとしても、ミラー枠13のX軸を中心軸としたときの偏向角は大きくなり、ミラー11はX軸を中心軸として大きく偏向することができる。
なお、ミラー枠13には、主軸部143との接続点の近傍にX軸と直交するスリット131が形成されている。このため、ミラー枠13と主軸部143との接続点の近傍にY軸方向を長手方向とするトーションバー132が形成される。その結果、ミラー枠13と主軸部143との間が曲がりやすくなり、ミラー枠13がY軸を中心軸として偏向する際に、軸部141に加わる応力が緩和され、軸部141の破損防止が図られている。
なお、図1に示す軸部142は、軸部141と同一構造を有しているため、説明は省略する。
ユニモルフ15は、図1に示すように、左上、左下、右上、右下に形成された4つのユニモルフ151,152,153,154により構成され、軸部14を介してミラー枠13を振動可能に保持している。具体的には、ユニモルフ15は、図2に示すように可撓性を有するベース部18の上面に圧電素子PEを形成することにより構成されている。また、圧電素子PEの表面には電極E1が形成され、圧電素子PEのベース部18側には電極E2が形成されている。なお、ユニモルフ151〜154を構成する圧電素子PEを、圧電素子PE1〜PE4とする。
圧電素子PE1,PE3は+Y方向側の端部が図1に示す上側の外枠17の一部に載置され、圧電素子PE2,PE4は−Y方向側の端部が図1に示す下側の外枠17の一部に載置されている。
そして、電極E1と電極E2との間に分極反転を起こさない範囲で正又は負の極性の電圧を印加することで、ユニモルフ15を伸ばす、又は縮ませることができる。
具体的には、例えば正の極性の電圧が印加されて圧電素子PEが伸びると、ユニモルフ15は−Z方向側に傾斜し、例えば負の極性の電圧が印加されて圧電素子PEが縮むと、ユニモルフ15は+Z方向側に傾斜する。
したがって、圧電素子PE1,PE3を伸ばし、圧電素子PE2,PE4を縮ませると、ユニモルフ151,153は−Z方向側に傾斜し、ユニモルフ152,154は+Z方向側に傾斜する。
一方、圧電素子PE1,PE3を縮ませ、圧電素子PE2,PE4を伸ばすと、ユニモルフ151,153は+Z方向側に傾斜し、ユニモルフ152,154は−Z方向側に傾斜する。
よって、圧電素子PE1,PE3に印加する電圧の極性と圧電素子PE2,PE4に印加する電圧の極性とを交互に換えることで、ユニモルフ151〜154をX軸を中心軸として振動させることができる。そして、この振動力を受けて、ミラー枠13及びミラー11はX軸を中心軸として振動する。
また、圧電素子PE1,PE2を伸ばし、圧電素子PE3,PE4を縮ませると、ユニモルフ151,152は−Z方向側に傾斜し、ユニモルフ153,154は+Z方向側に傾斜する。
一方、圧電素子PE1,PE2を縮ませ、圧電素子PE3,PE4を伸ばすと、ユニモルフ151,152は+Z方向側に傾斜し、ユニモルフ153,154は−Z方向側に傾斜する。
よって、圧電素子PE1,PE2に印加する電圧の極性と圧電素子PE3,PE4に印加する電圧とを交互に換えることで、ユニモルフ151〜154をY軸を中心軸として振動させることができる。そして、この振動に伴って、ミラー枠13及びミラー11はY軸を中心軸として振動する。
ミラー11とミラー枠13とはY軸を中心軸として同位相又は逆位相で振動させることが可能である。ここで、同位相とは、ミラー枠13がY軸を中心軸として+N方向に偏向したときに、ミラー11がY軸を中心軸として+N方向に偏向することを示し、逆位相とは、ミラー枠13がY軸を中心軸として+N方向に偏向したときにミラー11がY軸を中心軸として−N方向に偏向することを示している。
ミラー11とミラー枠13とをY軸を中心軸として同位相又は逆位相で振動させることは、光スキャナを構成する各部材の寸法等を調節することで実現することが可能である。なお、ミラー11とミラー枠13とをY軸を中心軸として逆位相で振動させたときの方が、同位相で振動させたときよりもミラー11の偏向角を大きくすることができるという実験結果が得られている。そのため、本実施の形態では、ミラー11とミラー枠13とをY軸を中心軸として逆位相で振動させている。
また、本実施の形態では、ミラー枠13のY軸を中心軸としたときの偏向角度は、X軸を中心軸としたときの偏向角度よりも小さくなるように光スキャナが設計されているが、ミラー枠13をY軸を回転軸として振動させるときのミラー11とミラー枠13との共振周波数でミラー枠13を振動させることでミラー11を比較的大きな偏向角度で偏向させることができる。
また、本実施の形態の光スキャナは、レーザ走査型プロジェクタに搭載することが想定されているため、共振周波数は例えば、レーザ光の水平走査方向の周波数であるkHzオーダーの値を有している。一方、ミラー枠13のX軸方向における周波数はレーザ光の垂直走査方向の周波数であるHzオーダーの値を有している。
したがって、X軸を中心軸とする振動においては、垂直走査方向の周波数が数10Hzであり、ミラー枠13にはさほど大きな加速度はかからないため、この場合、接続セクション144にかかる応力は比較的小さい。
一方、Y軸を中心軸とする振動においては、水平走査方向の周波数が数10kHzであり、ミラー枠13には非常に大きな加速度がかかるため、この場合、接続セクション144には非常に大きな応力がかかってしまう。そのため、接続セクション144を破損させてしまうという問題が生じてしまう。
また、このとき、水平走査方向の画角を増大させるために、ユニモルフ15の振幅を増大させると、接続セクション144にかかる応力は更に増大し、ミラー枠13にスリット131を設けているとはいえ接続セクション144が破損する可能性が生じるため、大きな偏向角を得るのが困難となってしまう。
そこで、本光スキャナでは、ミラー枠13に例えばおもりにより構成され、ミラー枠の慣性モーメントを調整するための調整部材16を設けている。これにより、ミラー枠13の面積を増大させることなくミラー枠13の慣性モーメントがY軸方向に増大し、ユニモルフ15の振幅を増大させても、ミラー枠13とユニモルフ15との最大変位の差が小さくなり、接続セクション144にかかる応力を緩和することができる。なお、ミラー枠13の面積を増大させると、同様に慣性モーメントは増大するが、ミラー枠13の粘性抵抗が増大し、ミラー枠13を高速に振動させることが困難になる。
調整部材16は、Y軸を中心に左右一対存在する。ここで、左側に設けられた調整部材16を調整部材161とし、右側に設けられた調整部材16を調整部材162とする。調整部材161,162はY軸からX軸方向に同一距離離れたミラー枠13のX軸上の位置に配置されている。
外枠17は、−Z方向視が矩形状の枠体であり、半導体基板をエッチングすることで形成され、ユニモルフ15を取り囲む。
次に、ミラー枠13の慣性モーメントm1を増大させることにより、ユニモルフ15とミラー枠13との最大変位の差が小さくなる理由について用いて説明する。
図5は、図1に示す光スキャナをY軸を中心軸として振動させたときの力学モデルを示した図である。図5に示す力学モデルは2自由度の力学モデルであり、バネK1は接続セクション144を示し、質点M1はミラー枠13を示し、バネK2はトーションバー12を示し、質点M2はミラー11を示している。
Y軸を中心軸として振動させたときのミラー枠13の変位をu1、ミラー11の変位をu2とすると、図5の力学モデルは式(1)の方程式で表すことができる。
Figure 0005423680
r:u1とu2との比
k1:接続セクション144のバネ係数
k2:トーションバー12のバネ係数
m1:ミラー枠13の慣性モーメント
m2:ミラー11の慣性モーメント
ωi:固有振動数
k11=k1+k2
k22=k2
k12=−k2
図6は、図1に示す光スキャナの−Y方向視からの図を示している。図6(A)はミラー枠13に調整部材16を設けていない場合を示し、図6(B)はミラー枠13に調整部材16を設けた場合を示している。
接続セクション144への応力集中を緩和するためには、Y軸を中心軸として振動する際のユニモルフ15の最大の変位とミラー枠13の最大の変位との差tを小さくすればよい。そのためには、式(1)に示すrを大きくすればよい。これにより、ミラー枠13の変位u1に対するミラー11の変位u2が大きくなり、差tを小さくすることができる。
式(1)において、rを大きくするには、ミラー枠13の慣性モーメントm1、接続セクション144のバネ定数k1、トーションバー12のバネ定数k2を調節すればよいことが分かる。しかしながら、トーションバー12のバネ定数k2とミラー11の慣性モーメントm2とは、共振周波数にかかるパラメータであり、この値を調節すると水平走査方向の周波数が変わるため、変更することは好ましくない。
また、接続セクション144のバネ定数k1を調節すると垂直走査時の偏向角に影響する可能性があるため、変更することは好ましくない。また、ミラー11の慣性モーメントm2を調節すると、ミラー11の重量が増大し、必要な偏向角を得ることができなくなる可能性があるため、変更することは好ましくない。よって、ミラー枠13の慣性モーメントm1が、rを大きくするためのパラメータとして好ましいことが分かる。
そこで、本光スキャナでは、図6(B)に示すようにミラー枠13に調整部材161,162を設け、慣性モーメントm1を増大させている。これにより、rの値が大きくなり、ミラーの偏向角を減少させることなく、ユニモルフ15の最大の変位とミラー枠13の最大の変位との差tを小さくすることが可能となる。そのため、ユニモルフ15により大きな電圧を印加して、ミラー11の偏向角を大きくしても、接続セクション144に加わる応力を緩和することができる。その結果、柔軟に構成され応力が集中しやすい軸部14を破損させることなく、Y軸を中心軸としてミラー11を大きく偏向させることができ、水平走査方向における画角を増大させることができる。
また、調整部材161,162を垂直方向の回転軸であるX軸上に位置させることにより、X軸を中心軸としてミラー枠13を振動させる垂直走査時のミラー11の慣性モーメントm2の変化を小さくすることが可能となり、垂直走査時の振動に悪い影響を与えることなく、慣性モーメントm1を調節することが可能になる。
このように構成された光スキャナはエッチング等の高精度加工技術を用いて以下のようにして製造される。厚さが100ミクロン程度の例えばシリコンから構成される半導体基板を、図1に示す外枠17及び図2に示すベース部18を含む形状に加工する。この場合、半導体基板には、図1に示す6個の孔H1〜H6及び接続セクション144が形成される。これにより、ミラー11、トーションバー12、ミラー枠13、外枠17、及びベース部18等が形成される。
ここで、孔H1はミラー11とミラー枠13とを区画する孔であり、ミラー11の右側に形成される。また、孔H2はミラー11とミラー枠13とを区画する孔であり、ミラー11の左側に形成される。また、孔H3はミラー枠13と外枠17とを区画する孔であり、ミラー枠13の上側に形成される。また、孔H4はミラー枠13と外枠17とを区画する孔であり、ミラー枠13の下側に形成される。また、孔H5はユニモルフ151,152と外枠17とを区画する孔であり、ユニモルフ151,152の左側に形成される。また、孔H6はユニモルフ153,154と外枠17とを区画する孔であり、ユニモルフ153,154の右側に形成される。
次に、半導体基板の片面に圧電素子PEの薄膜を貼り付ける。そして、この薄膜をエッチングして圧電素子PE1〜PE4を形成する。ここで、調整部材161,162を圧電素子PEと同じ材料で構成することが好ましい。これにより、薄膜を削って圧電素子PE1〜PE4を形成すると同時に、調整部材161,162を形成することが可能となり、製造工程の簡略化を図ることができ、生産効率を高めることができる。なお、薄膜としては、水晶(SiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、ロッシェル塩(酒石酸カリウム-ナトリウム)(KNaC4H4O6)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT:Pb(Zr,Ti)O3)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、リチウムテトラボレート(Li2B4O7)、ランガサイト(La3Ga5SiO14)、窒化アルミニウム、電気石(トルマリン)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等を採用することができる。
そして、ミラー11の表面にアルミニウムの薄膜を貼り付け、圧電素子PEの両面に電極を貼り付ける。
なお、上記説明では、調整部材161,162をミラー枠13の+Z方向側の面に設けたが、これに限定されず、ミラー枠13の−Z方向側の面に設けてもよい。この場合も、調整部材161,162をY軸から等距離であるX軸上に設ければよい。また、調整部材161,162をミラー枠13の+Z方向側の面と−Z方向側の面との両面に設けてもよい。また、上記説明では、調整部材16の個数を2つとしたが、例えば、ミラー枠13に3つ以上の調整部材を設けてもよい。この場合、Y軸を中心としてミラー枠13の重量が均等となるように、ミラー枠13の左側と右側とに同数の調整部材を設けることが好ましい。
また、アクチュエータとして圧電素子を用いたユニモルフ15を利用する例を示したが、アクチュエータとしてはこれに限定されず、例えば電磁力、静電力を利用してアクチュエータを駆動するようにした光スキャナにおいても、本発明は適用できる。
また、ミラー枠13の一部を他の部分よりも厚く加工し、厚くした部分を調整部材16として構成してもよい。この場合、ミラー枠13を加工すると同時に調整部材16が形成されるため、生産効率を高めることができる。
上記光スキャナの技術的特徴を纏めると下記のようになる。
(1)上記光スキャナは、ミラーと、第1の軸部と、前記第1の軸部を介して前記ミラーを保持するミラー枠と、前記ミラー枠を保持する第2の軸部と、前記第2の軸部を介して前記ミラー枠を振動させることで、前記第1及び第2の軸部を中心軸として前記ミラーを振動させるアクチュエータとを備え、前記第2の軸部は、変形可能な接続部を備え、前記接続部を介して前記アクチュエータに接続され、前記ミラー枠は、前記アクチュエータの振動により前記第1の軸部を中心軸として振動することで前記ミラーを共振駆動させるときの慣性モーメントを調整するための調整部材を、前記第2の軸部の延長線上に備えている。
この構成によれば、光を走査するミラーは第1の軸部を介してミラー枠に保持されている。アクチュエータは、第2の軸部を介してミラー枠に接続されている。そして、アクチュエータは、ミラー枠を振動させることで、ミラーを第1及び第2の軸部を中心軸として振動させる。
アクチュエータは、第2の軸部には変形可能な接続部が形成されている。これにより、第2の軸部を中心軸としてミラー枠が偏向しやすくなり、アクチュエータの僅かな振動により、第2の軸部を中心軸としてミラーを大きく偏向させることができる。
ここで、アクチュエータは、第2の軸部に加えて第1の軸部を中心軸としてミラーを振動させている。したがって、この振動により、接続部に応力が集中してし、第2の軸部を破損するという問題が発生する。
そこで、本光スキャナでは、ミラー枠に調整部材が設けられている。これにより、ミラー枠の面積を増大させることなくミラー枠の慣性モーメントを増大させることができ、ミラーの変位を増大させても、ミラー枠とアクチュエータとの最大変位の差が小さくなり、接続部にかかる応力を緩和することができる。そのため、第2の軸部の破損を防止することができる。
また、この構成によれば、第2の軸部を中心軸としてミラー枠を振動させる垂直走査時のミラーの慣性モーメントの変化を小さくすることが可能となり、垂直走査時の振動に悪い影響を与えることなく、ミラーの慣性モーメントを調節することが可能になる。
(2)上記光スキャナにおいて、前記ミラー枠は、前記第1の軸部を中心として対称な重量を有し、前記調整部材は、前記ミラー枠の重量が前記第1の軸部を中心に対称となるように設けられていることが好ましい。
この構成によれば、第1の軸部を中心としたミラー枠の変位を対称にすることができる。
(3)上記光スキャナにおいて、前記第1の軸部の方向は、前記第2の軸部の方向に直交することが好ましい。
(4)上記光スキャナにおいて、半導体材料により構成されたベース部を更に備え、前記アクチュエータは、前記ベース部に貼り付けられた圧電素子の薄膜を含むユニモルフにより構成され、前記調整部材は、前記圧電素子と同一材料の薄膜で構成され、前記ミラー、前記第1の軸部、前記ミラー枠、及び前記第2の軸部は、前記半導体材料により構成されていることが好ましい。
この構成によれば、半導体材料をエッチングすることで、ベース部、ミラー、第1の軸部、ミラー枠、及び第2の軸部を形成し、ベース部、ミラー、第1の軸部、ミラー枠、及び第2の軸部の表面に圧電素子を形成するための材料を貼り付けし、エッチングすることで、ユニモルフを構成する圧電素子と調整部材とを形成することができる。そのため、ユニモルフを構成する圧電素子と調整部材との形成を同時に行うことができ、生産効率を高めることができる。
(5)上記光スキャナにおいて、前記ミラー枠の一部は、他の部分より厚く、前記調整部材は、前記一部により構成されていることが好ましい。
この構成によれば、ミラー枠を加工すると同時に調整部材が形成されるため、生産効率を高めることができる。
(6)上記光スキャナにおいて、前記ミラー枠は、前記第1の軸部を中心として左右対称、かつ、前記第2の軸部を中心として上下対称であって、前記ミラーを取り囲む形状を有していることが好ましい。
この構成によれば、ミラー枠が左右対称、かつ、上下対称であって、ミラーを取り囲む形状を有しているため、ミラー枠を上下左右にバランス良く振動させることができ、ミラーを上下左右にバランス良く振動させることができる。
(7)上記光スキャナにおいて、前記接続部は、前記第2の軸部の長手方向を長手方向とする複数のスリットを備えることが好ましい。
この構成によれば、スリットを複数形成するという簡易な構成により、接続部を変形可能に構成することができる。
(8)上記光スキャナにおいて、前記アクチュエータを取り囲む外枠を更に備え、前記接続部は、前記ミラー枠を中心として左右一対の接続セクションにより構成され、前記アクチュエータは、左側の接続セクションと前記外枠の上部との間に接続された左上アクチュエータと、左側の接続セクションと前記外枠の下部との間に接続された左下アクチュエータと、右側の接続セクションと前記外枠の上部との間に接続された右上アクチュエータと、前記右側の接続セクションと前記外枠の下部との間に接続された右下アクチュエータとを備えることが好ましい。
この構成によれば、アクチュエータが左上、左下、右上、及び右下の4つのアクチュエータにより構成されているため、左上及び左下のアクチュエータと右上及び右下アクチュエータとに逆極性の電圧を交互に印加することで、ミラーを第1の軸部を中心として振動させることができる。また、左上及び右上のアクチュエータと左下及び右下のアクチュエータとに逆極性の電圧を交互に印加することで、ミラーを第2の軸部を中心として振動させることができる。

Claims (8)

  1. ミラーと、
    第1の軸部と、
    前記第1の軸部を介して前記ミラーを保持するミラー枠と、
    前記ミラー枠を保持する第2の軸部と、
    前記第2の軸部を介して前記ミラー枠に接続され、前記第2の軸部を中心軸として前記ミラー枠を振動させるとともに、振動する前記ミラー枠と前記第1の軸部とを介して前記第1の軸部を中心軸として前記ミラーを共振駆動することで、前記第1及び第2の軸部を中心軸として前記ミラーを振動させるアクチュエータとを備え、
    前記第2の軸部は、変形可能な接続部を備え、前記接続部を介して前記アクチュエータに接続され、
    前記ミラー枠は、前記アクチュエータの振動により前記第1の軸部を中心軸として振動することで前記ミラーを共振駆動させるときのミラー枠の慣性モーメントを増大させて前記アクチュエータの変位と前記ミラー枠の最大変位との差を減少させるための調整部材を、前記第2の軸部を中心軸とした振動が行われる際の前記ミラーの慣性モーメントの変化を小さくすべく、前記ミラー枠の振動の中心軸である前記第2の軸部の延長線上に備えることを特徴とする光スキャナ。
  2. 前記ミラー枠は、前記第1の軸部を中心として対称な重量を有し、
    前記調整部材は、前記ミラー枠の重量が前記第1の軸部を中心に対称となるように設けられていることを特徴とする請求項1記載の光スキャナ。
  3. 前記第1の軸部の方向は、前記第2の軸部の方向に直交することを特徴とする請求項2記載の光スキャナ。
  4. 半導体材料により構成されたベース部を更に備え、
    前記アクチュエータは、前記ベース部に貼り付けられた圧電素子の薄膜を含むユニモルフにより構成され、
    前記調整部材は、前記圧電素子と同一材料の薄膜で構成され、
    前記ミラー、前記第1の軸部、前記ミラー枠、及び前記第2の軸部は、前記半導体材料により構成されていることを特徴とする請求項1記載の光スキャナ。
  5. 前記ミラー枠の一部は、他の部分より厚く、
    前記調整部材は、前記一部により構成されていることを特徴とする請求項1記載の光スキャナ。
  6. 前記ミラー枠は、前記第1の軸部を中心として左右対称、かつ、前記第2の軸部を中心として上下対称であって、前記ミラーを取り囲む形状を有していることを特徴とする請求項1記載の光スキャナ。
  7. 前記接続部は、前記第2の軸部の長手方向を長手方向とする複数のスリットを備えることを特徴とする請求項1記載の光スキャナ。
  8. 前記アクチュエータを取り囲む外枠を更に備え、
    前記接続部は、前記ミラー枠を中心として左右一対の接続セクションにより構成され、
    前記アクチュエータは、左側の接続セクションと前記外枠の上部との間に接続された左上アクチュエータと、左側の接続セクションと前記外枠の下部との間に接続された左下アクチュエータと、右側の接続セクションと前記外枠の上部との間に接続された右上アクチュエータと、前記右側の接続セクションと前記外枠の下部との間に接続された右下アクチュエータとを備えることを特徴とする請求項1記載の光スキャナ。
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