JP5500448B2 - 結晶性アルミナ水和物を粒子表面に析出形成する顔料用二酸化チタンの表面コーティング方法 - Google Patents

結晶性アルミナ水和物を粒子表面に析出形成する顔料用二酸化チタンの表面コーティング方法 Download PDF

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本発明は、二酸化チタン粒子表面にコーティング処理する際、二酸化チタンとアルミン酸ソーダとの分散液に無機酸を添加して、粒子表面に結晶性アルミナ水和物を析出形成する顔料用二酸化チタンの表面コーティング方法に関する。更に希薄ケイ酸溶液を添加して、結晶性アルミナ水和物の析出形成層上に含水シリカを沈着形成する顔料用二酸化チタン表面コーティング方法に関する。
二酸化チタン粒子は光学的活性を有し、太陽光の紫外線によって酸化反応を起こすため、この光学的活性を除去し樹脂との親和性、分散性、塗膜の光沢性、耐久性の向上を図るため、数多くの提案がなされている。
[特許文献1]は、二酸化チタンの表面処理として、クエン酸の存在下で、温度85℃〜100℃に加熱した二酸化チタンスラリーに、ケイ酸ナトリウムを加えて、二酸化チタン粒子表面に含水シリカ層を堆積させた後、アルミン酸ナトリウムを加えて、無機酸によりpH5〜9に調整して、シリカ被覆粒子の表面にアルミナを堆積させるTiO顔料製造方法が開示されている。
また、[特許文献2]は、二酸化チタンスラリーにアルミン酸ソーダを添加し、温度50℃〜70℃に加熱して硫酸を加え、pH約1.5でベーマイトアルミナ層を二酸化チタンに形成した第一層の上に、非晶質のアルミナ層をコーティングするプラスチック用耐久色材が提案されている。
[特許文献1]は、クエン酸の存在下で、85℃〜100℃に加熱した二酸化チタンスラリーに、ケイ酸ナトリウムを加えて、二酸化チタン粒子表面に含水シリカ層を堆積させた後、アルミン酸ソーダを加えて、無機酸によりpH5〜9に調整して、シリカ被覆粒子の表面にアルミナを堆積させるとする方法であるが、アルミン酸ソーダを無機酸でpH5〜9に中和することは、無定形の水酸化アルミニウム(Al(OH))が分散液の液体内部に生成し、これが凝集し堆積するため、二酸化チタン粒子表面との密着性が損なわれ、二酸化チタン粒子表面から剥離し易く、塗料化した塗膜は明度、光沢性が低く、耐膜性が高くない欠点がある。
[特許文献2]は、アルミン酸ソーダを、温度50℃〜70℃に加熱し、硫酸によりpH=1.5にして、ベーマイト層を形成させた後、アルミナコート剤を添加してpH6〜9として第二、第三のベーマイトアルミナ層を形成する方法であり、50℃〜70℃の高温下では、ベーマイトアルミナ(AlO)の固い針状結晶を生成して、結晶生成速度が速すぎるため、二酸化チタンの粒子表面に被覆することが困難となり、二酸化チタンスラリー分散液の液体部にベーマイトアルミナを生成し、二酸化チタン粒子表面の被覆不良を起こし、これを顔料とした塗膜は、明度が低く光沢が損なわれる欠点がある。
これらの提案は、50℃〜100℃の高温下において、アルミン酸ソーダ溶液に無機酸を加えて、pH=5〜9に調整する中和方法である。アルミン酸ソーダは、溶液とした時、pH13以下の強アルカリ性で、アルミン酸イオンはこの強アルカリ液に溶け込んでいる。上記中和方法では、アルミン酸ナトリウムは、酸の中和により無定形のアルミナ水和物(水酸化アルミAl(OH))となり、分散液の液体部に沈殿生成し、粒子表面への被覆は困難となる重大な課題が残っている。
本発明は、低温40℃以下において、アルミン酸ソーダ水溶液のアルミン酸イオン(HAlO )の加水分解反応によって、徐々に生成する結晶性アルミナ水和物(Al・3HO)の生成技術であり、従来の特許技術には本発明の加水分解反応によって生成する結晶性アルミナ水和物の生成に関する記述は見当たらない。
特表2005−507968号公報 米国特許第5700318号明細書 ATLAS OF ELECTROCHEMICAL EQUILIBRIA IN AQUEOUS SOLUTION BY MAREL POURBAIX(1966) 電気化学Vol.28(p302〜312、358〜364、昭35年)
発明が解決しようとする課題
本発明は、二酸化チタン粒子の表面に、アルミナ水和物を形成するに際し、アルミン酸ソーダと二酸化チタン粒子との分散液の液体部にアルミナ水和物を生成することなく、アルミン酸ソーダの加水分解速度を調節することにより、該粒子表面に均一かつ緻密に結晶性アルミナ水和物を析出形成する顔料用二酸化チタンの表面コーティング方法を提案することである。
課題を解決するための手段
本発明は、二酸化チタン粒子表面に均一かつ、緻密な結晶性アルミナ水和物を析出形成させるため、二酸化チタンとアルミン酸ソーダとの分散液のアルミン酸ソーダの加水分解速度を調節することにより、生成するアルミナ水和物の生成速度がコントロール可能となることに気付き、無機酸を添加して、徐々にpHを調整することにより、結晶性アルミナ水和物が、分散液の液体部分に生ずることなく、二酸化チタン粒子表面に全て析出形成することを見出した。
本発明の基本について説明する。
本発明は、二酸化チタン粒子の表面に、結晶性アルミナ水和物を均一かつ緻密に析出形成させるため、原料二酸化チタン粒子の表面の界面活性力を賦活するために、チタニルイオンを添加した二酸化チタンスラリーとアルミン酸ソーダとの分散液に、無機酸として2N−HSOを用いてアルミン酸ソーダの遊離アルカリ成分、当初pH13以上を約pH11.5まで中和した後、アルミン酸ソーダの加水分解によって生成したアルカリ成分を中和し、pH11.5〜10.75に調節しつつ、アルミン酸(HAlO )の加水分解速度を調節することにより、加水分解生成物の結晶性アルミナ水和物が、二酸化チタン粒子の表面に向かって徐々に析出し、分散液の液体部の中に発生することなく、結晶性アルミナ水和物であるハイドラルジライト(Al・3HO)を析出形成した後、希釈ケイ酸ソーダ溶液の中和調整液を添加して、含水シリカを沈着させる技術を基本とするものである。
本発明の結晶性アルミナ水和物は、X線回析による解析と示差熱天秤分析法によって確認した([図2]、[図3]参照)。X線回析装置による結晶判定は、試料中の対象物質の含有量が5%以下では判定困難である。二酸化チタンTiOに対して5%以下を被覆した場合、X線回析による判定は不可能となる。殆どの表面処理二酸化チタン含有アルミナ成分のX線回析による判定は困難である。
示差熱天秤分析による判定は、微少量の水分の脱水量と脱水の際に生成する吸熱エネルギーをもとに、無定形アルミナ水和物や結晶性アルミナ水和物の脱水データより、二酸化チタンの中のアルミナ被覆物の結晶系の判定は可能であることを確認した。
本発明は、以下の構成から成っている。
(1)チタニルイオンを含む二酸化チタンスラリーとアルミン酸ソーダとの分散液に、無機酸を添加して二酸化チタン粒子に表面コーティング処理する際、温度40℃以下に保持しつつ無機酸を添加してアルミン酸イオンを中和することなく、遊離アルカリイオンのみを中和した後、アルミン酸ソーダの加水分解によって生成したアルカリイオンを中和しつつアルミン酸(HAlO )の加水分解速度を調節することにより、結晶性のアルミナ水和物を二酸化チタン粒子表面に析出形成させた後、希薄ケイ酸ナトリウム中和調整液を添加して含水シリカを沈着させる、結晶性アルミナ水和物を粒子表面に析出形成する顔料用二酸化チタン表面コーティング方法である。
(2)チタニルイオンが二塩化チタニル(TiOCl)または硫酸チタニル(TiO(SO)であり、二酸化チタン粒子表面の界面活性力を賦活するため、原料二酸化チタンに対して、0.01〜0.02重量%を添加する上記(1)に記載する結晶性アルミナ水和物を粒子表面に析出形成する顔料用二酸化チタンの表面コーティング方法である。
(3)アルミン酸(HAlO )の加水分解速度の調節が、スラリーpH11.5〜10.75を保持しつつ結晶性アルミナ水和物の析出生成に見合うよう無機酸を添加調節する上記(1)(2)に記載する結晶性アルミナ水和物を粒子表面に析出形成する顔料用二酸化チタンの表面コーティング方法である。
(4)結晶性アルミナ水和物がハイドラルジライト(Al・3HO)であり、乾燥温度295℃(±3℃)で脱水し、ベーマイト(Al・HO)となることを特徴とする上記(1)(2)(3)に記載する結晶性アルミナ水和物を粒子表面に析出形成する顔料用二酸化チタンの表面コーティング方法である。
(5)希薄ケイ酸ナトリウム溶液がSiO20g/l以下の濃度で、無機酸によりpH6.8になるように中和調整液を添加し、(1)(2)(3)(4)に記載する結晶性アルミナ水和物層の上に含水シリカを沈着させる、結晶性アルミナ水和物を粒子表面に析出形成する顔料用二酸化チタンの表面コーティング方法である。外層上の含水シリカは親油性を高めるためで、塗料化の際樹脂と粒子表面とのなじみを良くするために微少量であってもなじみ性は高い。
アルミン酸ソーダ溶液の加水分解反応
本発明のアルミン酸ソーダの加水分解反応について、基礎実験をもとに、二酸化チタン粒子を含まないアルミン酸ソーダ水溶液、40℃以下による結晶性アルミナ水和物の生成過程を以下に説明する。
本発明に用いるアルミン酸ソーダは、関東化学(株)鹿一級NaO 19.2%、Al 20.0%のNaAlOフレークであり、遊離(過剰)のNaO 10%を含有している。
本発明は、基礎試験として上記アルミン酸ソーダ30g/l単独水溶液(二酸化チタン300g/l分散液TiO3%相当)を作製した。アルミン酸ソーダ水溶液にはpH13以上のアルカリ性で遊離アルカリ成分(NaO)とともにアルミン酸ソーダ(NaAlO)の解離したアルカリ成分(NaOH)とアルミン酸イオン(HAlO )が共存している。(非特許文献1参照)
(1)NaAlOが遊離アルカリ成分(NaO)とともに溶解してイオン化したアルミン酸ソーダは、式(1)に示すようになる。
Figure 0005500448
さらに、
(2)イオン状アルミン酸ソーダ(Na(AlO)は解離する。式(2)に示す。
Figure 0005500448
(3)続いてアルミン酸イオン(H(AlO)は、解離したNaOHを中和除去すると、周辺の水(HO)と直ちに加水分解を起こしアルミナ水和物を生成する。式(3)に示す。
Figure 0005500448
つまり、アルミン酸ソーダ水溶液の無機酸によるアルカリ成分を中和除去する加水分解反応による結晶性アルミナ水和物の生成は、上記反応(1)(2)(3)を同時併行的に推移させるため、pH11.5〜10.75に調整しつつ、無機酸として2N−HSO溶液を徐々に滴下することにより、二酸化チタン粒子のような析出表面がないため、極微小の針状結晶体の結晶性アルミナ水和物を生成する。
アルミン酸ソーダ水溶液のAl・3HO生成加水分解曲線図を[図1]に示す。
[図1]より、アルミン酸ソーダ中の遊離NaOHと解離性NaOH、中和pH13〜11.5を示す第1中和域を示す中和線である。
第2中和域pH11.5〜10.75は、イオン化したNaAlO が解離して生成するアルカリ分NaOHの中和と、同時併行的にH(AlOの加水分解による結晶性アルミナ水和物の生成速度を調節する加水分解域の第2中和域部である。加水分解pH10.75は、全中和剤量の96.3%を消費したことが分かる。
本発明の結晶性アルミナ水和物のハイドラルジライトAl・3HOは、示差熱天秤分析の結果、加熱温度295℃で吸熱エネルギーが16.5μV/100gの最高値を示すことを確認した。示差熱天秤分析は、ヤマト−示差熱、熱重量同時測定装置(TG/DTA6200型)を用いた。 [図2]に示す。
ハイドラルジライトAl・3HOは、加熱100℃〜250℃では殆ど脱水することはないが、295℃において、Al・3HOの中の2水分子(2HO)を脱水し、Al・HOになったことを確認した。
Al・3HOおよびAl・HOは、X線回折によりAl・3HOはハイドラルジライト、Al・HOはベーマイトであることを確認した。(非特許文献2を参照)
従来法の中和法によって生成した無定形アルミナ水和物Al(OH)の脱水線は、加熱温度150℃から開始され200℃で最高値となるが、その後300℃、400℃と脱水線が続く。無定形水和物の特徴は、特定する脱水温度が出ないことが知られている。
本発明の結晶性アルミナ水和物のハイドラルジライトAl・3HOの結晶系の判定について、示差熱天秤分析とX線回折とを併用する解析確認手段を採用したのは、発明者らによる初めての手法である。
本発明が結晶性アルミナ水和物の結晶系判別に示差熱天秤分析法を採用したことは、前記した二酸化チタンTiO中のアルミナAl含有量が5%以下ではX線回折による結晶形を同定することが困難であるため、示差熱天秤により、結晶性アルミナ水和物の結晶水の脱水吸熱エネルギーの発生温度相違点を追求した結果、後記する実施例に示すように、二酸化チタン中のAl含有量が2%以下でも結晶形判別が可能となることを確認した。
また、示差熱天秤分析による結晶性アルミナ水和物の結晶水の脱水率と脱水温度変化を測定することにより、結晶系判別が出来ることが分かっている。(非特許文献2参照)
本発明の結晶性アルミナ水和物のハイドラルジライトAl・3HOの脱水率と脱水温度の測定結果を[図3]に示す。
無定形アルミナ水和物についても併記する。
[図3]より、結晶性アルミナ水和物ハイドラルジライトAl・3HOは、加熱温度150℃〜250℃では脱水率7.5%であるが、295℃で脱水率は22.5%となり、結晶水3分子水(3HO)のうち2分子(2HO)が脱水したことを測定確認した。また、無定形アルミナ水和物Al(OH)は、加熱温度150℃〜200℃において脱水率31%となり、無水アルミナAlとなり、3分子水(3HO)の90%が脱水、400℃で完全脱水し無水アルミナAlとなる。
希薄ケイ酸ナトリウム溶液の中和調整液による含水シリカの沈着
本発明の希薄ケイ酸ナトリウム溶液の凝固安定性と含水シリカの沈着について説明する。本発明に用いるケイ酸ナトリウム溶液は、関東化学(株)鹿一級(NaO17〜19%、SiO35〜38%、遊離NaO 10.0%含有)を精水で希釈したSiO100g/lケイ酸ナトリウム溶液を用いた。
本発明において、ケイ酸ナトリウム溶液を精水で希釈して得るSiO20g/l以下のケイ酸ナトリウム溶液を希薄ケイ酸ナトリウム溶液と称す。
ケイ酸ナトリウム溶液SiO30g/l濃度は、無機酸により中和する際、pH9.5〜8.8の中和途中においてコロイダルシリカを生成し、短時間で凝固が起こり、該コロイダルシリカは、アルカリ成分を包含することが、定量分析の結果分かった。
発明者らは、上記した中和途中でのコロイダルシリカ生成による凝固発生をなくすため鋭意研究を重ねた結果、希薄ケイ酸ナトリウムSiO20%以下、無機酸により中和する場合、pH6.80までの中和調整液は、コロイダル沈殿物を生成することなく、7時間以上経過後でも安定状態が保持出来ることを見出した。
希薄ケイ酸ナトリウム溶液SiO20g/lの中和調整液は、結晶性アルミナ水和物を二酸化チタン粒子表面に析出形成するスラリーの中に、徐々に添加することにより、結晶性アルミナ水和物析出形成層上に含水シリカを生成し沈着することが分かり、本発明を完成した。
また、本発明者らは、アルミン酸ソーダの水溶液と希薄ケイ酸ナトリウム溶液との混合液の中和調整液について以下の知見を得た。式(4)〜(8)に示す。
Figure 0005500448
即ち、アルミン酸ソーダ水溶液と希薄ケイ酸ナトリウム溶液との混合液は、加水分解により生成した解離アルカリ成分を優先的に中和調整することにより、生成物のアルミナ・シリカ水和物のアルカリ成分であるナトリウム含有値が極めて微量であり、かつ、生成物のアルミナ・シリカ水和物は、結晶性アルミナ水和物であることを、定量分析および示差熱、熱重量同時測定装置により確認した。
発明の効果
本発明の結晶性アルミナ水和物を粒子表面に析出形成した顔料用二酸化チタンは、二酸化チタン粒子に結晶性アルミナ水和物のハイドラルジライトAl・3HOが均一かつ緻密に析出形成された層の上に、微少量の含水シリカを沈着して表面コーティング処理した後、加熱乾燥することにより、コーティング層がベーマイト(Al・HO)化され、外層部にケイ酸(SiO)が析出しているため、塗料化する際、表面コーティング物が剥離することなく、樹脂とのなじみが良く、分散性が高く、塗膜の光沢性が高く、長期間の耐候性を維持することが特徴であり、自動車産業への基礎顔料として高い効果がある。
本発明を実施するための最良の形態
本発明の実施の形態について以下に説明する。
本発明は、チタニルイオンを含む二酸化チタンスラリーにアルミン酸ソーダを混合した分散液の温度を40℃以下に保持して、アルミン酸ソーダに含有される遊離アルカリ成分中和を無機酸によりpH13〜11.5に調節しながら、10〜15分間放置する。続いて、pH11.5〜10.75に調節しつつアルミン酸ソーダの加水分解を徐々に行なわしめる。
アルミン酸ソーダの加水分解に当たっては、アルミン酸ソーダの加水分解速度が遅いため、この速度に合うよう無機酸を滴下して、解離したNaOHを徐々に中和することにより、アルミン酸ソーダNaAlOを直接中和することなく、結晶性アルミナ水和物としてハイドラルジライトAl・3HOが生成される。
本発明の二酸化チタンは、塩素法TiOないし硫酸法TiOでも差支えない。
本発明は、アルミン酸ソーダのほか、アルミン酸カリウムであっても差支えない。
また、無機酸の使用は塩酸溶液であっても差支えない。
以下、本発明を実施例により詳しく説明する。
塩素法二酸化チタン300g/lに塩化チタニル(TiOCl)0.05g(原料TiO対0.01%)を添加したスラリーと、アルミン酸ソーダ(NaO19.2%、Al20.%)47g(TiO対Al 3.0%相当)を攪拌しながら溶解し、分散液1lを得た。分散液のpHは、12.8である。この分散液を45分間攪拌した後、温度35℃に保持しつつ6N−HSO溶液21mlを徐々に滴下し、pH11.75を10分間保持する。続いて6N−HSO溶液24mlを0.6ml/分の速度で滴下、pH11.5〜10.75に調節しつつアルミン酸ソーダの加水分解を行なった後、6N−HSO溶液3mlを滴下してpH8.8に調整し、アルミナ水和物コーティング処理スラリーを得た。該アルミナコーティング処理スラリーに、希薄ケイ酸ナトリウム(SiO 20g/l)中和調整液150ccを徐々に加え、含水シリカを沈着させ、pH7.8に再調整し、二酸化チタン粒子表面にアルミナ水和物を析出形成処理したスラリーを得た。該スラリーは、常法により濾過による固液分離の後、洗浄濾過、乾燥および高温気流粉砕を行い、アルミナ水和物表面処理二酸化チタンを得た。
得られた二酸化チタンの粒子表面に析出形成したアルミナ水和物の品形判別を示差熱天秤分析法を用いて、含有水分の脱水による吸熱エネルギーと脱水量(率)を解析した結果、結晶性アルミナ水和物のハイドラルジライトAl・3HOを確認した。
なお、アルミナ水和物表面処理二酸化チタンの化学分析の結果、Al2.88%、SiO1.00%を得た。同様に、X線回折は、対象物のアルミナ水和物の含有量がX線回折装置の同定範囲以下(5%以下)のため、結晶系の判別は出来なかった。
実施例1によって、二酸化チタンスラリー35℃にて、アルミン酸ソーダの加水分解速度に見合うpH調節中のスラリーを採取し、アルミン酸イオン濃度分析と、粒子表面観察を電子顕微鏡装置により実施した。
比較試験として、スラリー温度60℃の場合、上記同様の粒子表面の走査電子顕微鏡観察を実施した。
その結果、実施例1において.スラリー温度35℃の場合、走査電子顕微鏡写真の粒子表面は、平らかで均一であり、全視野中コンタミ(液中発生体)は見られない([図4]参照)。スラリー温度60℃の場合、粒子表面は粗面で、表面の外部で生成した微粒の付着が観察される([図5]参照)。スラリー温度60℃以上の高温の場合、アルミン酸ソーダの加水分解速度が速すぎるため、加水分解生成物生成が速く、粒子面に析出することが出来なく、粒子表面の外部の分散液の中に生成した結果であると言える。
本実施例のケイ酸ナトリウム溶液は、関東化学(株)鹿一級試薬(SiO 35%、NaO 18%)の10%ケイ酸ナトリウム溶液を用い、SiOとして20g/l以下の希薄溶液について中和を実施した。その結果、SiO 20g/lのケイ酸ナトリウム溶液は、中和pH7.6で7時間以上該溶液の凝集は起きないが、SiO 30g/lのケイ酸ナトリウムは、中和pH9.0で凝固した。該凝固物を洗浄乾燥後、定量分析した結果、SiOの外NaOを含有していることを確認した。
実施例1で得た結晶性アルミナ水和物を二酸化チタン粒子に表面コーティングした顔料用二酸化チタンをメラミンアルキッド樹脂を基質として、PWC40%を配合し、超高速回転ボールミルを用いて分散させ塗料化した。
該塗料を希釈し、塗膜テスト用パネルにスプレーガンにて塗布し130℃で30分間焼き付け塗膜化した。
塗膜試験の結果、光沢度を表す値の光沢値は、60°−60° 86.2%、20°−20° 80.0%と高く、A社製品60°−60° 85%、20°−20° 58.5%を超えた。
また、塗膜テストパネルの自然暴露試験3年経過でも光沢値は高く、白亜化(チョーキング)は生じなかった。
産業上の利用の可能性
以上実施例による説明で明らかなように、本発明の結晶性アルミナ水和物を粒子表面に析出形成する顔料用二酸化チタンの表面コーティング方法は、二酸化チタン粒子に結晶性アルミナ水和物が均一かつ緻密に析出しているので、合成樹脂と混錬して塗料化する際、二酸化チタンから表面コーティング物が剥離することなく塗料製品となる。塗料化した塗膜は、高い光沢値と長期間の耐候を維持する特徴があるため、特に高級車用の自動車塗料への応用が期待される。
アルミン酸ソーダ30g/l(Al18.6%、NaO11.4%)溶液に2N−HSO溶液を滴下した時のAl・3HO生成、加水分解曲線を示す図である。 示差熱天秤分析装置によって、結晶性アルミナ水和物のAl・3HOを加熱する際、分解脱水による吸熱エネルギーを検出した測定データを示す。示差熱天秤分析法による吸熱エネルギー曲線図である。 示差熱天秤分析法により、結晶性アルミナ水和物のAl・3HOを加熱して脱水する際の脱水率を示す図である。 温度40℃以下で、二酸化チタン粒子の表面上に結晶性アルミナ水和物が析出形成された層表面の走査電子顕微鏡写真(レプリカ法)である。 温度60℃の場合の二酸化チタン粒子表面と外部生成物の走査電子顕微鏡写真(レプリカ法)である

Claims (5)

  1. 二酸化チタン粒子表面に、均一かつ緻密に結晶性アルミナ水和物を析出形成する際、チタニルイオンを含む二酸化チタンスラリーとアルミン酸ソーダとの分散液を、温度40℃以下に保持しつつ、アルミン酸ソーダに含有される遊離アルカリ成分を無機酸によりpH13〜11.5に中和調整し、10〜15分間放置した後、更にpH11.5〜10.75に中和調整し、アルミン酸ソーダの加水分解を徐々に行なわしめることにより、結晶性アルミナ水和物を二酸化チタン粒子表面に析出形成させるとともに、希薄ケイ酸ナトリウム溶液を添加して含水シリカを沈着させて、結晶性アルミナ水和物上に析出形成する顔料用二酸化チタン表面コーティング方法
  2. チタニルイオンとしての二塩化チタニル(TiOCl)ないし硫酸チタニル(TiO(SO)は、原料二酸化チタン粒子表面の界面活性力を賦活するため、二酸化チタンに対し、0.01重量%〜0.03重量%を添加する請求項1に記載する結晶性アルミナ水和物を粒子表面に析出形成する顔料用二酸化チタン表面コーティング方法
  3. 二酸化チタンスラリーのpHを11.5〜10.75に保持してアルミン酸ソーダの加水分解速度を調整し、生成する結晶性アルミナ水和物の生成速度をコントロールすることにより、請求項1および2に記載する結晶性アルミナ水和物を二酸化チタン粒子表面に析出形成する顔料用二酸化チタンコーティング方法
  4. 結晶性アルミナ水和物が、ハイドラルジライト(Al・3HO)であり、290℃(±3℃)で脱水してベーマイト(Ai・HO)となることを特徴とする請求項1〜3に記載する結晶性アルミナ水和物を粒子表面に析出形成する顔料用二酸化チタンの表面コーティング方法
  5. 添加する希薄ケイ酸ナトリウム溶液が、SiO20g/l以下の溶液とする請求項2〜4に記載する結晶性アルミナ水和物を粒子表面に析出形成する顔料用二酸化チタンの表面コーティング方法
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