JP5501833B2 - R−t−b系永久磁石 - Google Patents
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また、Al、Cu、Zr、Nb、Hf、Coの内、少なくとも一種を含む有機金属化合物を磁石粉末に添加することにより、有機金属化合物に含まれるAl、Cu、Zr、Nb、Hf又はCoを磁石の粒界に効率よく偏在させることができる。その結果、Al、Cu、Zr、Nb、Hf又はCoの使用量を減少させ、残留磁束密度の低下を抑制できるとともに、各元素による保磁力向上や粒界相均一化等の効果を十分に達成することが可能となる。また、他の有機金属化合物を添加する場合と比較して脱カーボンを容易に行うことが可能であり、焼結後の磁石内に含まれる炭素によって磁石特性が低下する虞が無く、また、磁石全体を緻密に焼結することが可能となる。
先ず、本発明に係る永久磁石1の構成について説明する。図1は本発明に係る永久磁石1を示した全体図である。尚、図1に示す永久磁石1は円柱形状を備えるが、永久磁石1の形状は成形に用いるキャビティの形状によって変化する。
本発明に係る永久磁石1としてはR−T−B系磁石を用いる。また、本発明によるR−T−B系焼結磁石は、図2に示すように、R2T14B結晶粒(Rは希土類元素の1種又は2種以上、TはFe又はFe及びCoを主体とする遷移金属元素の1種以上)からなる主相11を含む。またこの主相11の他に粒界相12を含む。この粒界相12は、Rの含有量が主相11よりも多い。
15μm以上の粒径Dを有する結晶粒が1〜8%存在する焼結体を得る方法を本発明は問わない。なお、磁場中成形に供される微粉砕粉の粒度分布、焼結条件を操作することにより、15μm以上の粒径Dを有する結晶粒が1〜8%存在する焼結体を得ることが可能である。
本発明のR−T−B系焼結磁石は、Rを25〜35wt%含む。Rの量が25wt%未満だと、R−T−B系焼結磁石の主相11となるR2T14B結晶粒の生成が十分ではない。このため、軟磁性を持つα−Feなどが析出し、保磁力が著しく低下する。一方、Rの量が35wt%を超えると主相11を構成するR2T14B結晶粒の体積比率が低下し、残留磁束密度が低下する。またRの量が35wt%を超えるとRが酸素と反応し、含有する酸素量が増え、これに伴い保磁力発生に有効なR−リッチ相が減少し、保磁力の低下を招く。したがって、Rの量は25〜35wt%とする。望ましいRの量は26〜33wt%、さらに望ましいRの量は27〜32wt%である。
本発明は、Pc(パーミアンス係数)が2において、400kA/mの有効磁場(ただし、有効磁場=印加磁場−反磁場)を印加したときのトータルフラックスをf1、600kA/mの有効磁場を印加したときのトータルフラックスをf2、2000kA/mの有効磁場を印加したときのトータルフラックスをf3とすると、着磁率a(=f1/f3×100)が35%以上、かつ、着磁率b(=f2/f3×100)が85%以上である。さらに、本発明のR−T−B系焼結磁石は、790kA/mの有効磁場を印加したときのトータルフラックスをf4とすると、着磁率c(=f4/f3×100)が95%以上となり、極めて着磁率が高い。なお、本発明におけるPcは、「焼結磁石」俵好夫、大橋健共著(森北出版)第146頁の図5−4に基づいて定めている。また、着磁率は以下によって測定した。評価する磁石をポールピースに挟み込んで閉磁路を形成した後、電磁石に電流を流し着磁を行なった。この場合、印加磁場=有効磁場となる。着磁後、フラックスメータによりトータルフラックスを測定した。
多極着磁される磁石としては、モータ用に用いられるラジアル異方性又は極異方性リング状磁石、CD、DVD等の機器のピックアップ駆動用に用いられる直方体状磁石、VCM(Voice Coil Motor)用の扇状磁石がある。これらの多極着磁磁石は、N・Sの極性を複数有している。
次に、本発明に係る永久磁石1の第1の製造方法について図3を用いて説明する。図3は本発明に係る永久磁石1の第1の製造方法における製造工程を示した説明図である。
また、成形装置50には一対の磁界発生コイル55、56がキャビティ54の上下位置に配置されており、磁力線をキャビティ54に充填された磁石粉末43に印加する。この磁場中成形は、12〜20kOe(960〜1600kA/m)前後の磁場中で、0.3〜3.0ton/cm2(30〜300MPa)前後の圧力で行なえばよい。また、印加する磁場は静磁場の他に、パルス状の磁場でもよい。
また、湿式法を用いる場合には、キャビティ54に磁場を印加しながらスラリーを注入し、注入途中又は注入終了後に、当初の磁場より強い磁場を印加して湿式成形しても良い。また、加圧方向に対して印加方向が垂直となるように磁界発生コイル55、56を配置しても良い。
次に、本発明に係る永久磁石1の他の製造方法である第2の製造方法について図4を用いて説明する。図4は本発明に係る永久磁石1の第2の製造方法における製造工程を示した説明図である。
そこで、上記脱水素処理では、水素中仮焼処理によって生成された仮焼体82中のNdH3(活性度大)を、NdH3(活性度大)→NdH2(活性度小)へと段階的に変化させることによって、水素仮焼中処理により活性化された仮焼体82の活性度を低下させる。それによって、水素中仮焼処理によって仮焼された仮焼体82をその後に大気中へと移動させた場合であっても、Ndが酸素と結び付くことを防止し、残留磁束密度や保磁力を低下させることが無い。
一方、第1の製造方法では、成形体71は水素仮焼後に外気と触れさせることなく、後述の真空焼成に移るため脱水素工程は不要となる。従って、前記第2の製造方法と比較して製造工程を簡略化することが可能となる。但し、前記第2の製造方法においても、水素仮焼後に外気と触れさせることがなく焼成を行う場合には、脱水素工程は不要となる。
また、Pc(パーミアンス係数)が2において、400kA/mの有効磁場(ただし、有効磁場=印加磁場−反磁場)を印加したときのトータルフラックスをf1、600kA/mの有効磁場を印加したときのトータルフラックスをf2、2000kA/mの有効磁場を印加したときのトータルフラックスをf3とすると、着磁率a(=f1/f3×100)が35%以上、かつ、着磁率b(=f2/f3×100)が85%以上であるので、400kA/m(5.1kOe)程度の低い着磁磁界での着磁率が向上されるとともに、600kA/m(7.6kOe)以上の着磁磁界における着磁率も向上されたR−T−B系焼結磁石を提供する。このような着磁特性に優れたR−T−B系焼結磁石は、多極着磁磁石に用いた場合には、ニュートラルゾーンの幅を狭くすることができる。このようなリング磁石を用いたモータは、高い回転性能を保持することができる。また、着磁率の高い磁石は、材質的に高コストで高磁気特性であるが着磁率の低い磁石に比べて、実際に発生するトータルフラックスが多い場合がある。したがって、本発明は、所定のトータルフラックスを低コストの磁石で実現することができる。または磁石のサイズを小型化することができる。
更に、焼結体は、Bi及びGaの1種又は2種を0.01wt%〜0.2wt%含むので、保磁力を向上させることが可能となる。
また、永久磁石1の製造方法では、粉砕されたR−T−B系磁石の微粉末に対して、M−(OR)x(式中、MはAl、Cu、Zr、Nb、Hf、Coの内、少なくとも一種を含む。Rは炭素数2〜6のアルキル基のいずれかであり、直鎖でも分枝でも良い。xは任意の整数である。)で示される有機金属化合物が添加された有機金属化合物溶液を加え、磁石の粒子表面に対して均一に有機金属化合物を付着させる。その後、圧粉成形した成形体を水素雰囲気において200℃〜900℃で数時間保持することにより水素中仮焼処理を行う。その後、800℃〜1180℃で焼成を行うことによって永久磁石1を製造する。それによって、有機金属化合物に含まれるAl、Cu、Zr、Nb、Hf又はCoを磁石の粒界に効率よく偏在させることができる。その結果、Al、Cu、Zr、Nb、Hf又はCoの使用量を減少させ、残留磁束密度の低下を抑制できるとともに、各元素による保磁力向上や粒界相均一化等の効果を十分に達成することが可能となる。また、他の有機金属化合物を添加する場合と比較して脱カーボンを容易に行うことが可能であり、焼結後の磁石内に含まれる炭素によって磁石特性が低下する虞が無く、また、磁石全体を緻密に焼結することが可能となる。
また、有機金属化合物が添加された磁石を、焼結前に水素雰囲気で仮焼することにより、有機金属化合物を熱分解させて磁石粒子中に含有する炭素を予め焼失(炭素量を低減)させることができ、焼結工程でカーバイドがほとんど形成されることがない。その結果、焼結後の磁石の主相と粒界相との間に空隙を生じさせることなく、また、磁石全体を緻密に焼結することが可能となり、保磁力が低下することを防止できる。また、焼結後の磁石の主相内にαFeが析出することなく、磁石特性を大きく低下させることがない。
また、特に第2の製造方法では、粉末状の磁石粒子に対して仮焼を行うので、成形後の磁石粒子に対して仮焼を行う場合と比較して、有機金属化合物の熱分解を磁石粒子全体に対してより容易に行うことができる。即ち、仮焼体中の炭素量をより確実に低減させることが可能となる。また、仮焼処理後に脱水素処理を行うことによって、仮焼処理により活性化された仮焼体の活性度を低下させることができる。それにより、その後に磁石粒子が酸素と結び付くことを防止し、残留磁束密度や保磁力を低下させることが無い。
また、磁石粉末の粉砕条件、混練条件、仮焼条件、焼結条件などは上記実施例に記載した条件に限られるものではない。
また、水素中仮焼処理や脱水素工程については省略しても良い。
11 主相
12 粒界相
Claims (3)
- R2T14B結晶粒(ただし、Rは希土類元素の1種又は2種以上、TはFe又はFe及びCoを必須とする1種又は2種以上の遷移金属元素。以下同じ。)からなる主相を備え、R:25wt%〜35wt%、B:0.5wt%〜4wt%、Al及びCuの1種又は2種を0.02wt%〜0.6wt%、Zr、Nb及びHfの1種又は2種以上を0.02wt%〜1.5wt%、Co:0.5wt%〜5wt%以下、残部実質的にFeからなる組成を有する焼結体からなり、
前記R2T14B結晶粒の平均粒径が10μm以下であり、
磁石原料を磁石粉末に粉砕する工程と、
前記粉砕された磁石粉末に以下の構造式
M−(OR)x
(式中、MはAl、Cu、Zr、Nb、Hf、Coの内、少なくとも一種を含む。Rは炭素数2〜6のアルキル基のいずれかであり、直鎖でも分枝でも良い。xは任意の整数である。)
で表わされる有機金属化合物を添加することにより、前記磁石粉末の粒子表面に前記有機金属化合物を付着させる工程と、
前記有機金属化合物が粒子表面に付着された前記磁石粉末を成形することにより成形体を形成する工程と、
前記有機金属化合物が粒子表面に付着された前記磁石粉末を成形前又は成形後であって焼結前に水素雰囲気で仮焼する工程と、
前記成形体を焼結する工程と、により製造されることを特徴とするR−T−B系永久磁石。 - Pc(パーミアンス係数)が2において、400kA/mの有効磁場(ただし、有効磁場=印加磁場−反磁場)を印加したときのトータルフラックスをf1、600kA/mの有効磁場を印加したときのトータルフラックスをf2、2000kA/mの有効磁場を印加したときのトータルフラックスをf3とすると、着磁率a(=f1/f3×100)が35%以上、かつ、着磁率b(=f2/f3×100)が85%以上であることを特徴とする請求項1に記載のR−T−B系永久磁石。
- 前記焼結体は、Bi及びGaの1種又は2種を0.01wt%〜0.2wt%含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のR−T−B系永久磁石。
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