JP5517023B2 - 浴槽の保温構造 - Google Patents

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本発明は、浴槽底部保温材を用いた浴槽の保温構造に関する。
浴槽側壁には、追い炊き配管、ジェット噴流装置の噴射口や吸水口などの配管が接続される場合がある。
そして、このような浴槽の配管接続口からの万一の漏水に備えて、浴槽を下方から浴槽パンで受ける構造(例えば、特許文献1)や、配管接続口毎に配管接続口を受けるように水受けパンを浴槽側壁面に取り付け、水受けパンで受けられた漏水をこの水受けパンに接続された排水配管から排水経路に流れるようにした構造(例えば、特許文献2)などによって、漏水があっても建物躯体が濡れることがないようにされている。
しかし、前者の構造では、浴槽全体を防水パンで受けるようになっているが、防水パンは壁・浴漕荷重がかかるため、一般的にはFRPでできており、防水パン及び側面壁部分にコストがかかる。また、洗い場側に設けられたエプロンを空けると、防水パンの上面が洗い場側から見えて見栄えが悪いとともに、防水パン全面でカビなどが発生して衛生面でも問題がある。
一方、後者の構造では、配管接続口ごとに水受けパンを設け、各水受けパン毎に漏水を排水する漏水排水管を接続しなければならない。したがって、4穴噴流の5箇所(吸込×1、 吐出×4)等のジェット噴流装置を取り付けた浴槽などのように配管接続口が多い場合、対応がむつかしいとともに、施工性に問題がある。また、浴槽に接続される配管器具の形状が統一されておらず、水受けパンも各配管器具に合うものを用意しなければならないため、コストがかかるとともに、各水受けパン設置部は保温材を切り取る事になり保温性能に悪影響を及ぼすおそれがある。
特開2006-125134号公報 特開2005-121255号公報
本発明は、上記事情に鑑みて、防水パンや水受けパンを使用することなく、浴槽側壁の配管接続口からの漏水を受けて排水することができる浴槽底部保温材を用いた浴槽の保温構造を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明にかかる浴槽の保温構造は、浴槽の側壁を貫通して配管器具が設けられ、浴槽底部保温材が、浴槽の底および前記配管器具の貫通部より下方の浴槽側壁を外側から囲繞し、浴槽底部保温材の上端側から浴槽底部保温材と浴槽との間に水がはいらないように止水された状態で浴槽に装着されている浴槽の保温構造であって、前記浴槽底部保温材は、凹設された溝形成部を、浴槽底部保温材の上端の周方向に有するとともに、切欠部が前記溝形成部の前記浴槽底部保温材の外周側を切り欠いて形成されていて、アダプター本体とこのアダプター本体に連設された配管接続ノズルを備える配管アダプターが、前記アプター本体を前記切欠部に嵌め込み、前記配管接続ノズルを浴槽底部保温材の外周縁より外側に突設させた状態で前記浴槽底部保温材に装着され、前記溝形成部に流れ込んだ浴槽からの漏水が前記配管接続ノズルに接続された漏水排水管を介して排水されるように構成されていることを特徴としている。
また、上記浴槽底部保温材は、発泡ポリスチレンからなる保温材本体と、この保温材本体の溝形成部の表面を構成するウレタン樹脂系塗料製の防水層とを備えている。
保温材本体の材質は、発泡スチレン樹脂、発泡ウレタン樹脂、発泡ポリエチレン樹脂等、保温性能が高ければ特に限定されないが、製造コストを考慮すると、発泡スチレン樹脂が好ましい。
防水層は、完全な防水性を備えていない発泡樹脂からなる保温材本体の溝形成部表面を覆い漏水が保温材本体内に浸透しないようにできれば、特に限定されないが、浴槽内の湯に含まれる入浴剤や浴槽洗浄用洗剤等に含まれる界面活性剤などの成分に対する耐性を備えている材質で形成されることが好ましい。
防水層を形成する方法としては、特に限定されないが、例えば、防水層となる塗料を保温材本体に塗布する方法、防水層となる樹脂を保温材本体の上端面に沿う断面形状に押出成形し、この押出成形品を保温材本体の上端面に沿わせるように嵌合させる方法などが挙げられ、製造コストや製造作業性を考慮すると塗料を塗布する方法が好ましい。
また、上記塗料としては、洗剤等に含まれる界面活性剤への耐性を備えていることから
ウレタン樹脂系塗料が好ましい。
上記ウレタン樹脂系塗料としては、保温材本体を溶解させることがなければ特に問題がないが、例えば、日本合成化学工業社製エフレタン等の2液混合型のものが挙げられる
本発明の保温構造において、漏水排水管は、特に限定されないが、浴室の排水トラップ内に臨むとともに、漏水排水管の出口に逆止弁を備えていることが好ましい。
水材としては、特に限定されないが、例えば、シリコーン樹脂系シーリング剤が挙げられる。
また、浴槽は、浴槽底部保温材の上部の側壁の露出部を他の保温材で覆うようにしても構わない。
本発明にかかる浴槽の保温構造は、浴槽の側壁を貫通して配管器具が設けられ、浴槽底部保温材が、浴槽の底および前記配管器具の貫通部より下方の浴槽側壁を外側から囲繞し、浴槽底部保温材の上端側から浴槽底部保温材と浴槽との間に水がはいらないように止水された状態で浴槽に装着されている浴槽の保温構造であって、前記浴槽底部保温材は、凹設された溝形成部を、浴槽底部保温材の上端の周方向に有するとともに、切欠部が前記溝形成部の前記浴槽底部保温材の外周側を切り欠いて形成されていて、アダプター本体とこのアダプター本体に連設された配管接続ノズルを備える配管アダプターが、前記アプター本体を前記切欠部に嵌め込み、前記配管接続ノズルを浴槽底部保温材の外周縁より外側に突設させた状態で前記浴槽底部保温材に装着され、前記溝形成部に流れ込んだ浴槽からの漏水が前記配管接続ノズルに接続された漏水排水管を介して排水されるように構成されているので、配管器具の浴槽との接続口から万一漏水があっても溝形成部によって形成される溝内に受けられる。そして、溝内に受けられた漏水が、切欠部に嵌りこんだアダプター本体、このアダプター本体に連設された配管接続ノズルおよびこの配管接続ノズルに接続された漏水排水管を介して排水経路に流れ込んで排水されるようになる。
したがって、本発明の保温構造とすれば、防水パンや水受けパンを用いる必要がなく、従来から行われる保温材の施工と合わせて行うことができ、コストダウンが図れるとともに、施工性もよいものとなる。
しかも、配管接続口が浴槽のいずれの位置に設けられていても、漏水排水管は一箇所に設けるだけでよく、漏水排水管の施工性及び施工コストも低減できる。
また、本発明の保温構造において、漏水排水管が、浴室の排水トラップ内に臨むとともに、逆止弁を備えている構成とすれば、十分な排水高低差を確保できてスムーズな排水が可能となるとともに、浴槽からの排水が逆流することもない。
さらに、保温材本体を発泡スチレン樹脂で形成すれば、安価に製造でき、防水層をウレタン樹脂系塗料で形成すれば、浴槽内の洗浄用洗剤や入浴剤中に含まれる界面活性剤等の成分によって防水層が劣化することを防止することができる。
以下に、本発明を、その実施の形態をあらわす図面を参照しつつ詳しく説明する。
図1〜図5は、本発明にかかる浴槽の保温構造の1つの実施の形態をあらわしている。
図1に示すように、この浴槽1の保温構造においては、浴槽1が浴槽底部保温材2と、浴槽側壁保温材3と、によって外壁面が囲繞されている。
浴槽底部保温材2の浴槽側壁11側の上端縁が止水材4によって止水処理されて浴槽底部保温材2と浴槽1との間に水が入らないようになっている。
すなわち、浴槽底部保温材2は、図1〜図4に示すように、浴槽1の底12と、この底12の周囲から立ち上がるように設けられた浴槽側壁11の下端部を囲繞する皿状をしていて、浴槽1への装着時に浴槽側壁11との間に溝Dを形成する溝形成部21を全周にわたって有しているとともに、底の浴槽1の排水口を臨む位置に排水口に接続される排水配管5aの接続用孔23が穿設されている。
溝形成部21は、外周側が内周側より高くなっているとともに、中央部が断面略V字形に深溝21aが形成されている。
また、浴槽底部保温材2は、図1に示すように、略浴槽底部保温材2の形状をした保温材本体2aと、溝形成部21の表面層となる防水層2bとを備えている。
保温材本体2aは、EPS(ビーズ法発泡スチロール)で形成されている。
防水層2bは、浴槽1を洗浄する洗剤中に含まれる界面活性剤によって腐食されない2液型ウレタン塗料を保温材本体2aの溝形成部21の表面層となる部分に刷毛塗りあるいはスプレー塗布することによって形成されている。
また、図3及び図5に示すように溝形成部21の洗い場側に配置される部分の中央部が切り欠かれ、この切欠部22に合成樹脂製ホースなどの可撓管からなる漏水排水管6が接続される配管アダプター7が変性シリコーン樹脂系シーリング剤等を用いて止水状態に接着固定されている。
配管アダプター7は、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン等の合成樹脂成形体であって、アダプター本体71と、配管接続ノズル72とを備えている。
アダプター本体71は、上部が開口していて、切欠部22に嵌り込んだ状態で、浴槽底部保温材2の溝形成部21に一致するように接合される保温材接合部71aと、浴槽底部保温材2の側方に突出するとともに、配管接続ノズル72が側壁面から突設される上部開口の樋状をしたノズル形成部71bとを備えている。
保温材接合部71aは、幅方向の中央部にノズル形成部71bに向かって傾斜し、ノズル形成部71bに連通する傾斜溝71cが形成されている。
配管接続ノズル72は、漏水排水管6の一端が接続されている。漏水排水管6の他端は、排水トラップ8に接続されている。
排水トラップ8の漏水排水配管接続部81には、逆止弁(図示せず)が設けられ、排水トラップ8側の排水が漏水排水管6側に流れ込まないようになっている。
浴槽側壁保温材3は、EPSで形成されていて、複数の分割体を組み合わせることによって浴槽側壁11の周囲を囲むとともに、浴槽側壁11との間に少し隙間が形成されるように配置され、浴槽1の側壁に取り付けられた配管器具9部分が切り欠かれている。
図2〜図4中、Pは洗い場パン、5bは下水管路につながる主排水管である。
上記浴槽1の保温構造によれば、配管器具9の接続部から漏水があった場合、浴槽側壁11を伝って落ちる漏水が図1に矢印で示すように、浴槽側壁保温材3と浴槽側壁11との隙間を通って溝Dに受けられる。そして、溝D上に受けられた漏水は、この溝Dの深溝21aを伝ってアダプター本体71の傾斜溝71c に入り込み、配管接続ノズル72を介して漏水排水管6を通り、排水トラップ8に流れ込み、主排水管5bから排水される。
したがって、防水パンを設けなくても、配管器具9の接続部から漏水が浴槽1の下方に漏れることがない。
また、排水トラップ8の漏水排水配管接続部に逆止弁が設けられているので、浴槽1からの排水が排水トラップ8に一期に流れ込んでも漏水排水管6側に流れ込んで浴槽底部保温材2の上端から溢れるといった事故を防止することができる。
本発明は、上記の実施の形態に限定されない。例えば、上記の実施の形態では、浴槽底部保温材の上方に浴槽側壁保温材を設けていたが、浴槽側壁保温材を無くしても構わない。
以下に、本発明の具体的な実施例を説明する。
(実施例1)
発泡倍率40倍のEPS製板材の周面にウレタン樹脂系塗料(日本合成化学工業社製 エフレタンSH−4000)を塗布し、厚み0.5mmのウレタン樹脂製防水層を備えたサンプル板を得た。
得られたサンプル板を市販の洗剤(商品名バスマジックリン、ルック、パイプマン、ティンクル、カビキラー)、入浴剤(商品名バブゆず、バスクリンゆず、バスロマン ジャスミン、旅の宿 草津、六一〇ハップ、木酢入浴剤)、熱水にそれぞれ浸漬し、80時間後の防水層の表面状態を観察したところ、いずれの場合も防水層にひび割れ、欠け、膨れ等の異常がなかった。
なお、洗剤及び液状入浴剤については40℃原液を用い、粉末の入浴剤については使用濃度の250倍濃度に溶解した液を用いた。
(実施例2)
ウレタン樹脂系塗料(日本合成化学工業社製 エフレタンSH−4000)に代えて、ウレタン樹脂系塗料(日本合成化学工業社製 エフレタンSH−100)を用いた以外は、実施例1と同様にして得られたサンプル板を市販の洗剤(商品名バスマジックリン、ルック、パイプマン、ティンクル、カビキラー)、入浴剤(商品名バブゆず、バスクリンゆず、バスロマン ジャスミン、旅の宿 草津、六一〇ハップ、木酢入浴剤)、熱水にそれぞれ浸漬し、80時間後の防水層の表面状態を観察したところ、いずれの場合も防水層にひび割れ、欠け、膨れ等の異常がなかった。
(実施例3)
ウレタン樹脂系塗料(日本合成化学工業社製 エフレタンSH−4000)に代えて、カルボキシル変性された合成ゴムラテックス(DIC社製 ラックスター7310−K)を用いた以外は、実施例1と同様にして得られたサンプル板を市販の洗剤(商品名バスマジックリン、ルック、パイプマン、ティンクル、カビキラー)、入浴剤(商品名バブゆず、バスクリンゆず、バスロマン ジャスミン、旅の宿 草津、六一〇ハップ、木酢入浴剤)、熱水にそれぞれ浸漬し、80時間後の防水層の表面状態を観察したところ、入浴剤及び熱水場合、防水層にひび割れ、欠け、膨れ等の異常がなかったが、洗剤についてはいずれの洗剤においても防水層に若干の破壊がみられた。
(実施例4)
実施例1と同様にして1面のみ防水層が形成されたサンプル板を得たのち、このサンプル板の防水層上にパイプφ50×L500を垂直に立てた状態で接着した。そして、パイプ内に洗剤(商品名バスマジックリン)の原液を充填するとともに、パイプ内をゲージ圧0.05kgf/cm2の圧力に保ったところ、60時間経過してもサンプル板のEPS側への漏水は全く見られなかった。
本発明にかかる浴槽の保温構造の1つの実施の形態であって、その要部断面図である。 図1の浴槽の保温構造に用いる浴槽底部保温材の施工状態の側面図である。 図2のX方向矢視図である。 図2のY方向矢視図である。 図2のZ部を拡大してあらわす斜視図である。
1 浴槽
11 浴槽側壁
12 底
2 浴槽底部保温材
2a 保温材本体
2b 防水層
21 溝形成部
22 切欠部
6 漏水排水管
7 配管アダプター
71 アダプター本体
72 配管接続ノズル
8 排水トラップ
9 配管器具
D 溝

Claims (4)

  1. 浴槽の側壁を貫通して配管器具が設けられ、
    浴槽底部保温材が、浴槽の底および前記配管器具の貫通部より下方の浴槽側壁を外側から囲繞し、浴槽底部保温材の上端側から浴槽底部保温材と浴槽との間に水がはいらないように止水された状態で浴槽に装着されている浴槽の保温構造であって、
    前記浴槽底部保温材は、凹設された溝形成部を、浴槽底部保温材の上端の周方向に有するとともに、
    切欠部が前記溝形成部の前記浴槽底部保温材の外周側を切り欠いて形成されていて、
    アダプター本体とこのアダプター本体に連設された配管接続ノズルを備える配管アダプターが、
    前記アプター本体を前記切欠部に嵌め込み、前記配管接続ノズルを浴槽底部保温材の外周縁より外側に突設させた状態で前記浴槽底部保温材に装着され、
    前記溝形成部に流れ込んだ浴槽からの漏水が前記配管接続ノズルに接続された漏水排水管を介して排水されるように構成されていることを特徴とする浴槽の保温構造。
  2. 浴槽の前記浴槽底部保温材の上側で浴槽側壁の周囲を囲む浴槽側壁保温材を有し、
    この浴槽側保温材が、浴槽からの漏水を前記浴槽底部保温材の溝形成部に流入させる流路となる隙間を浴槽との間に形成するように構成されている請求項1に記載の浴槽の保温構造。
  3. 漏水排水管が逆止弁を備えている請求項1または請求項2に記載の浴槽の保温構造。
  4. 浴槽底部保温材が、発泡ポリスチレンからなる保温材本体と、この保温材本体の溝形成部の表面を構成するウレタン樹脂系塗料製の防水層とを備えている請求項1〜請求項3のいずれかに記載の浴槽の保温構造。
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