JP5536801B2 - 透孔性ネット材及びその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明では、上記ホットメルト接着剤フィルムの透孔は、上記基材を構成する糸材のうち、当該基材に対する当該ホットメルト接着剤フィルムの塗布方向に対して水平方向に延在する糸材が、当該基材における当該ホットメルト接着剤フィルムの塗布面側に位置する領域に形成されている場合にも効果的である。
本発明では、上記ホットメルト接着剤フィルムは、軟化温度が50℃〜65℃のホットメルト接着剤を原料としたものである場合にも効果的である。
本発明では、上記ホットメルト接着剤フィルムは、150℃環境下での溶融粘度が200Pa・s以下のホットメルト接着剤を原料としたものである場合にも効果的である。
本発明では、上記基材は、1インチあたりの開口数が50〜100となるように透孔が形成されたものである場合にも効果的である。
本発明では、上記基材は、95μm以下の太さからなる糸材からなる場合にも効果的である。
本発明では、上記糸材は、黒色からなるものである場合にも効果的である。
一方、本発明は、微細な透孔を有する基材の片面に、発泡剤を含有しないホットメルト接着剤を原料とするホットメルト接着剤フィルムをラミネートした透孔性熱接着シートからなる透孔性ネット材の製造方法であって、上記基材が通過するニップロール部を構成する一対のローラを常温に温度設定した状態で、所定の溶融粘度からなる上記ホットメルト接着剤フィルムの溶融物を当該ホットメルト接着剤フィルムの軟化温度よりも高い温度で層状に流出させて上記ニップロール部に供給する工程と、上記ニップロール部を駆動させて上記基材の片面に上記ホットメルト接着剤フィルムを均一に押し込みながら塗布する工程と、上記基材に上記ホットメルト接着剤フィルムが塗布された塗布物を、所定の乾燥装置によって所定温度で乾燥する工程とを備える透孔性ネット材の製造方法である。
本発明では、上記ホットメルト接着剤フィルムは、軟化温度が50℃〜65℃のホットメルト接着剤を原料としたものである場合にも効果的である。
本発明では、上記ホットメルト接着剤フィルムは、150℃環境下での溶融粘度が200Pa・s以下のホットメルト接着剤を原料としたものである場合にも効果的である。
本発明では、上記基材は、1インチあたりの開口数が50〜100となるように透孔が形成されたものである場合にも効果的である。
本発明では、上記基材は、95μm以下の太さからなる糸材からなるものである場合にも効果的である。
本発明では、上記糸材は、黒色からなるものである場合にも効果的である。
本発明では、上記ホットメルト接着剤フィルムは、その流出温度が110℃〜120℃となるように上記ニップロール部に流出供給され、上記ニップロール部を構成するローラは、17℃〜19℃の温度に温度設定された冷却水によって冷却されている場合にも効果的である。
本発明では、上記ニップロール部を構成する一方のローラは、所定のゴム製ローラであり、他方のローラは、所定の金属製ローラである場合にも効果的である。
本発明では、上記金属製ローラの表面には、フッ素樹脂がコーティングされている場合にも効果的である。
そして、このような透孔性ネット材によれば、基材の透孔の開口部分と、ホットメルト接着剤フィルムの透孔の開口部分とが一致せずに異なるものとなるため、本発明にかかる透孔性ネット材においては、基材の開口率と、ホットメルト接着剤フィルムの開口率とに応じて、目隠し性や音抜け性が決定されることになる。すなわち、本発明にかかる透孔性ネット材は、一意の開口率の基材を用いながらも、ホットメルト接着剤フィルムの開口率を変化させることにより、全体の開口率を調整することができ、その全体の開口率に応じた目隠し性や音抜け性を有するものとなる。
したがって、本発明にかかる透孔性ネット材においては、様々な開口率の基材を用いることなく、一意の開口率の基材を用いるのみで、開口率の微調整を行うことができ、結果として、要求仕様に応じた目隠し性や音抜け性の微妙な調整を行うことができる。
また、本発明にかかる透孔性ネット材の製造方にあっては、発泡剤を含有しないホットメルト接着剤を用い、当該接着剤原料が基材の透孔を横切るように橋架けされることによって定形で網目状の透孔が形成されたホットメルト接着剤フィルムが、基材の片面にラミネートされた透孔性ネット材を製造することができるため、ホットメルト接着剤フィルムの軟化温度や溶融粘度を制御することにより、接着剤の線幅や量を調整し、開口率を変化させることができる。そして、このような本発明にかかる透孔性ネット材の製造方法によって製造された透孔性ネット材においては、様々な開口率の基材を用いることなく、一意の開口率の基材を用いるのみで、開口率の微調整を行うことができ、結果として、要求仕様に応じた目隠し性や音抜け性の微妙な調整を行うことができる。
2 パンチングシート
3 糸材
4 透孔
5 橋架け部
10 透孔性ネット材
20 製造装置
21 押出機
22 Tダイ
23 巻き出し部
24 ニップロール部
24a,24b ローラ
25 乾燥装置
26 巻き取り部
B 基材
F ホットメルト接着剤フィルム
本発明の場合、糸材3の織り方は特に限定されることはないが、定形の網目状の透孔を有するホットメルト接着剤フィルムを得る観点からは、平織りの他、綾織り、朱子織りを採用することができる。
これらのうちでも、目隠し性と音抜け性のバランスの良い透孔性ネット材を得る観点からは、平織りの基材を用いることがより好ましい。
1本の糸材3の太さは、通常、95μm以下とされる。本発明の場合、特に限定されることはないが、上述した目隠し性を高める観点からは、糸材3は黒色からなるのが望ましい。
また、かかる糸材3を格子状にすることによって形成される透孔4の大きさは、特に限定されることはないが、長径及び短径ともに100μm〜2mmであるのが望ましい。透孔4の大きさが100μm未満である場合には、上述した音抜け性の悪化を招来し、透孔4の大きさが2mmを超えると、防塵効果が損なわれることになる。さらに、特に限定されることはないが、基材の1インチ(1インチは約2.54cm)あたりの開口数は、50〜100であるのが望ましい。開口数が50未満である場合には、音抜け性の悪化を招来し、開口数が100を超えると、防塵効果が損なわれることになる。
ここで、ホットメルト接着剤フィルムは、例えば図3に示すように、ホットメルト接着剤フィルムの接着剤原料が、平織りの基材の頂部から当該糸材3の延材方向に対して斜め方向に隣接する基材の頂部へ橋架けされることによってそれぞれ略菱形状の透孔が形成されている(以下、当該部分を「橋架け部5」という。)ことがより好ましい。
ホットメルト接着剤に発泡剤含まれると、予想外の箇所で発泡が生ずるため定形の網目状のフィルムが形成されず、その結果、接着剤原料が基材の透孔を横切るように橋架けされないため、所望の透孔が形成されないおそれがある。
また、本発明に用いるホットメルト接着剤としては、軟化温度が50℃〜65℃のものを好適に用いることができ、より好ましい軟化温度は、50℃〜60℃である。
軟化温度が50℃未満である場合には、エージング等の他の加工熱によって接着剤原料が再溶融し、巻物にした際にブロッキングが生じる等の問題が生じる。また、軟化温度が65℃を超えると、後述する製造工程にてホットメルト接着剤フィルムを冷却することに起因して流動性が損なわれて透孔が形成されにくくなる上に、被接着体であるパンチングシート2に貼り合わせる際に高温を要することから当該パンチングシート2が熱変形してしまうという問題が生じる。さらに、ホットメルト接着剤としては、その溶融粘度が高すぎると、フィルムの形成能が低下して生産性の低下を招来することから、150℃環境下での溶融粘度が200Pa・s以下のものがより望ましい。ただし、溶融粘度が低すぎると、接着剤原料が流れやすくなり、目詰まりを生じたりすることがある。
これらのうち、ナイロン等の基材との密着性や溶融粘度の調整のし易さの観点からは、エチレン・酢酸ビニル共重合体からなるものを特に好適に用いることができる。
また、ホットメルト接着剤フィルムのラミネート時に薄く伸ばすことを目的として、ポリ塩化ビニルや、ポリ塩化ビニルの可塑剤や安定剤を配合した接着剤を用いることがあるが、かかるポリ塩化ビニルは、不適切な処分を行うと有害物質を排出するという問題があり、ポリ塩化ビニルの可塑剤や安定剤には、フタル酸エステル等が含まれていることから、環境や人体への影響を考慮する必要がある。そのため、ホットメルト接着剤としては、これらポリ塩化ビニルや、ポリ塩化ビニルの可塑剤や安定剤を配合しないものを用いるのが望ましい。
ここで、粘着付与剤としては、特に限定されることはないが、ホットメルト接着剤として、上記エチレン・酢酸ビニル共重合体からなるものを用いた場合に、エチレン・酢酸ビニル共重合体と相溶性が良好で、基材との密着性を更に向上させることができる観点からは、テルペン・フエノール樹脂を用いることが好ましい。
また、酸化防止剤としては、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−アミルハイドロキノン、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、2,2’−エチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)等を用いることができる。さらに、特に限定されることはないが、上述した目隠し性を高める観点からは、黒色の着色剤を用いるのが望ましい。
透孔性ネット材10は、図5に示すような製造装置20によって製造することができる。まず、ホットメルト接着剤フィルムFは、その接着剤原料を所定の押出機21に投入して溶融混練し、その溶融物を所定の温度に設定されたTダイ22を介して例えば30μm〜40μm程度の厚みで層状に流出させることによって成形される。
ここで、Tダイ22の設定温度は、当該Tダイ22を介して流出されるホットメルト接着剤フィルムFの流出温度が、上述した軟化温度よりも高い110℃〜120℃程度となるように、140℃〜180℃程度に設定される。
なお、製造装置20は、Tダイ22によるTダイ成形法ではなくインフレーション成形法を適用したものとしてもよい。
特に、この透孔は、例えば図6(a)(b)及び図7(a)(b)に示すように、平織りの基材Bを構成する糸材のうち、基材Bに対するホットメルト接着剤フィルムFの塗布方向に対して水平方向に延在する糸材が、基材Bにおけるホットメルト接着剤フィルムFの塗布面側に位置する領域に形成される。換言すれば、ホットメルト接着剤フィルムFは、基材Bを構成する水平方向及び垂直方向に延在する糸材が交差する領域のうち、基材Bに対するホットメルト接着剤フィルムFの塗布方向に対して水平方向に延在する糸材が、基材Bにおけるホットメルト接着剤フィルムFの塗布面とは反対側の面側に位置する領域近傍では基材B上にそのまま残存して透孔の頂部を形成し、さらに、この頂部から当該基材Bの糸材の延材方向に対して斜め方向に隣接する基材の頂部へ延在するように橋架け部5が形成され、これにより略菱形状の開口部が形成される。
なお、図6(a)(b)及び図7(a)(b)は、同一の仕様からなる基材Bに、異なる物性のホットメルト接着剤フィルムFを塗布して製造された透孔性ネット材10の具体例を示している。透孔性ネット材10は、これら図6(a)(b)及び図7(a)(b)からも明らかなように、異なる物性のホットメルト接着剤フィルムFを用いても同様に、ホットメルト接着剤フィルムFの透孔の形状が、基材Bの透孔を横切るように接着剤原料が橋架けされることによって略菱形形状とされたものとなる。
例えば、上述した実施の形態では、スピーカに使用されるネット材について説明したが、本発明は、マイクロフォン等の他の音響機器のキャビネット装置に適用することもでき、また、空調機器をはじめとする各種フィルタにも適用することができる。
また、比較例1の透孔性ネット材として、1インチあたりの開口数が70(開口率65%)である平織りの基材に、軟化温度が60℃、150℃環境下での溶融粘度が250Pa・sであるホットメルト接着剤フィルムをラミネートしたものを作製した。
さらに、比較例2の透孔性ネット材として、1インチあたりの開口数が70(開口率65%)である平織りの基材に、軟化温度が70℃、150℃環境下での溶融粘度が150Pa・sであるホットメルト接着剤フィルムをラミネートしたものを作製した。そして、目隠し性及び音抜け性の指標として、可視光線の透過率を測定した。
この場合、可視光線の透過率は、スガ試験機社製の「可視光線透過率・反射率計 HA-TR」を用いて測定した。
また、ポリスチレンからなるパンチングシートに貼り合わせた実施例1の透孔性ネット材を、180°剥離機を用いて引張速度300mm/分で剥離して求めた接着力は、14N/2cmとなり、ホットメルト接着剤に発泡剤を含有する透孔性ネット材の接着力と同等であり、液状接着剤を用いて同パンチングシートに貼り合せた透孔性ネット材の接着力6N/2cmに比べて大幅に良好な結果が得られた。
さらに、基材の織り方の違いによる特性を比較するために、表2に示す織り方の基材を用いて透孔性ネット材を作製し、目隠し性、音抜け性を評価した。
具体的には、上述した平織りの基材(横糸:縦糸=1:1)を用いた実施例1の透孔性ネット材に対し、綾織りの基材(横糸:縦糸=2:3)に、実施例1と同一の発泡剤を含有しないホットメルト接着剤フィルムをラミネートした実施例3と、朱子折りの基材(横糸:縦糸=1:4)に、実施例1と同一の発泡剤を含有しないホットメルト接着剤フィルムをラミネートした実施例4の透孔性ネット材を作製し、それぞれの目隠し性、音抜け性を評価した。
この場合、目隠し性については、パンチングシート、透光性ネット及びスピーカ本体を貼り合わせて、パンチングシート側から視認した場合に、スピーカが見えないものを○とし、その一方、視認できるもののスピーカであるとまでは認識できないものを△とした。
一方、音抜け性については、可視光線の透過率によって評価した。この場合、使用したホットメルト接着剤はカーボン粒子を含有しているため、透孔が形成されない場合には、可視光線の透過率は34%となった。
他方、綾織りの基材を用いた実施例3、実施例4の透孔性ネット材は、可視光線の透過率がそれぞれ52%、58%であって、実施例1のものより音抜け性の向上が見られるが、共に透孔の形状が平行四辺形であり、目隠し性が実施例1のものと比べてやや劣っていた。
ただし、実施例3及び実施例4の透孔性ネット材であっても、実用上は問題はないものが得られた。
Claims (16)
- 微細な透孔を有する基材の片面に、発泡剤を含有しないホットメルト接着剤を原料とするホットメルト接着剤フィルムをラミネートした透孔性熱接着シートからなり、
上記基材の透孔は、所定の糸材が平織りされて格子状に形成されたものであり、
上記ホットメルト接着剤フィルムには、当該接着剤原料が上記平織りの基材の頂部から上記糸材の延材方向に対して斜め方向に隣接する基材の頂部へ上記基材の透孔を横切るように橋架けされることによってそれぞれ菱形形状の透孔が形成されている透孔性ネット材。 - 上記ホットメルト接着剤フィルムの透孔は、上記基材を構成する糸材のうち、当該基材に対する当該ホットメルト接着剤フィルムの塗布方向に対して水平方向に延在する糸材が、当該基材における当該ホットメルト接着剤フィルムの塗布面側に位置する領域に形成されている請求項1記載の透孔性ネット材。
- 上記ホットメルト接着剤フィルムは、軟化温度が50℃〜65℃のホットメルト接着剤を原料としたものである請求項1又は2のいずれか1項記載の透孔性ネット材。
- 上記ホットメルト接着剤フィルムは、150℃環境下での溶融粘度が200Pa・s以下のホットメルト接着剤を原料としたものである請求項1乃至3のいずれか1項記載の透孔性ネット材。
- 上記基材は、1インチあたりの開口数が50〜100となるように透孔が形成されたものである請求項1乃至4のいずれか1項記載の透孔性ネット材。
- 上記基材は、95μm以下の太さからなる糸材からなる請求項1乃至5のいずれか1項記載の透孔性ネット材。
- 上記糸材は、黒色からなるものである請求項6記載の透孔性ネット材。
- 微細な透孔を有する基材の片面に、発泡剤を含有しないホットメルト接着剤を原料とするホットメルト接着剤フィルムをラミネートした透孔性熱接着シートからなる透孔性ネット材の製造方法であって、
上記基材が通過するニップロール部を構成する一対のローラを常温に温度設定した状態で、所定の溶融粘度からなる上記ホットメルト接着剤フィルムの溶融物を当該ホットメルト接着剤フィルムの軟化温度よりも高い温度で層状に流出させて上記ニップロール部に供給する工程と、
上記ニップロール部を駆動させて上記基材の片面に上記ホットメルト接着剤フィルムを均一に押し込みながら塗布する工程と、
上記基材に上記ホットメルト接着剤フィルムが塗布された塗布物を、所定の乾燥装置によって所定温度で乾燥する工程とを備える透孔性ネット材の製造方法。 - 上記ホットメルト接着剤フィルムは、軟化温度が50℃〜65℃のホットメルト接着剤を原料としたものである請求項8記載の透孔性ネット材の製造方法。
- 上記ホットメルト接着剤フィルムは、150℃環境下での溶融粘度が200Pa・s以下のホットメルト接着剤を原料としたものである請求項8又は9のいずれか1項記載の透孔性ネット材の製造方法。
- 上記基材は、1インチあたりの開口数が50〜100となるように透孔が形成されたものである請求項8乃至10のいずれか1項記載の透孔性ネット材の製造方法。
- 上記基材は、95μm以下の太さからなる糸材からなるものである請求項8乃至11のいずれか1項記載の透孔性ネット材の製造方法。
- 上記糸材は、黒色からなるものである請求項12記載の透孔性ネット材の製造方法。
- 上記ホットメルト接着剤フィルムは、その流出温度が110℃〜120℃となるように上記ニップロール部に流出供給され、
上記ニップロール部を構成するローラは、17℃〜19℃の温度に温度設定された冷却水によって冷却されている請求項8乃至13のいずれか1項記載の透孔性ネット材の製造方法。 - 上記ニップロール部を構成する一方のローラは、所定のゴム製ローラであり、他方のローラは、所定の金属製ローラである請求項14記載の透孔性ネット材の製造方法。
- 上記金属製ローラの表面には、フッ素樹脂がコーティングされている請求項15記載の透孔性ネット材の製造方法。
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